2021-390194
配線の収容構造
- 審判番号
- 2021-390194
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-030258外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6936583
- 請求日
- 2021年12月17日
- 審決日
- 2022年04月15日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】三和シヤッター工業 株式会社
- 【請求人代理人】斉藤 達也
- 分類
- P141 .852-Y (H05K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
特許第6936583号に係る出願は、平成29年2月21日付けで特願2017-30258号として出願されたものであって、令和3年8月31日に特許権の設定登録がなされ、令和3年12月17日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨と訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6936583号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において」と記載されているのを、「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2-8も同様に訂正する)。
2 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落0006に記載された「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において」を「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正前の請求項1に記載された「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」は、以下アないしオの事由を根拠として、「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」の誤記であるから、訂正事項1の訂正の目的は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
ア 凸部の概要
凸部に関する明細書の開示内容については、明細書の段落0063に、「具体的には、図4に示すように、上記側壁部分を含む第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、第5凸部165、第6凸部166、及び第7凸部167の各々の前端部が座板スイッチ110(具体的には、座板スイッチ110の上座板部111)と当接するように、第1溝部151から第5溝部155が形成されている。この場合において、これら第1凸部161から第7凸部167の各々の前端部は、送信装置120の筐体121の前側側部121aのうち最前側の部分と面一となるように、第1凸部161から第7凸部167が形成されている。」という点が開示されているものの、上記開示されている凸部以外の凸部については開示されていない。このことからすると、本発明の凸部については、「第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、第5凸部165、第6凸部166、及び第7凸部167」が該当するといえる。
また、凸部に関する図面の開示内容については、図面の図4(b)等に、第1凸部161から第7凸部167の配置の詳細が開示されている。具体的には、図面の図4(b)を参照すると、筐体121の前側側部121aの領域のうち、第1収容部122の左端部(+X方向側の端部)から当該前側側部121aの右端部(―X方向側の端部)に至る領域に設けられた余長収容部150(訂正前の請求項1の「余長収容手段」に対応)に、第1凸部161から第7凸部167が設けられている点について開示されている。また、図面の図4(b)の中央部分の上側を参照すると、余長収容部150の上側の縁端部には、第5凸部165が設けられている点について開示されている。より具体的には、1つの第5凸部165が、上記上側の縁端部の全長にわたって設けられている点について開示されている。また、図面の図4(b)の中央部分の下側を参照すると、余長収容部150の下側の縁端部には、第7凸部167が設けられている点について開示されている。より具体的には、2つの第7凸部167が、水抜溝部129を隔てて上記下側の縁端部の略全長にわたって設けられている点について開示されている。また、図面の図4(b)の右側部分を参照すると、余長収容部150の右側(―X方向側)の縁端部には、第6凸部166が設けられている点について開示されている。また、図面の図4(b)の中央部分を参照すると、第5凸部165と第7凸部167との相互間に、第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、及び第6凸部166が設けられている点について開示されている。
イ 第1の凸部の解釈
訂正前の請求項1では、「第1の凸部」は「前記余長収容手段の縁端部のうち第1の縁端部の略全長にわたって設けられる」ものと定義されている。
ここで、上記アの記載を踏まえると、図面の図4(b)に開示されている凸部のうち、余長収容部150の縁端部の略全長にわたって設けられる凸部として、第5凸部165及び第7凸部167が該当するといえる。
これらのことを踏まえると、訂正前の請求項1に記載された「第1の凸部」は、第5凸部165又は第7凸部167のいずれか一方に対応すると解釈できるものの、その他の凸部(具体的には、第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、及び第6凸部166)に対応するとは解釈できない。
ウ 第2の凸部の解釈
訂正前の請求項1では、「第2の凸部」は「前記余長収容手段の縁端部のうち前記第1の縁端部と対向するように位置する第2の縁端部の略全長にわたって設けられる」ものと定義されている。
ここで、上記イで検討したように、余長収容部150の縁端部の略全長に設けられている凸部は、第5凸部165及び第7凸部167である。
また、図面の図4(b)には、第5凸部165は、余長収容部150の下側の縁端部と対向するように位置する上側の縁端部の略全長にわたって設けられている点について開示されていると共に(図面の図4(b)の中央部分を参照)、第7凸部167は、余長収容部150の上側の縁端部と対向するように位置する下側の縁端部の略全長にわたって設けられている点について開示されている(図面の図4(b)の中央部分を参照)。
これらのことを踏まえると、訂正前の請求項1に記載された「第2の凸部」は、第5凸部165又は第7凸部167のいずれか他方に対応すると解釈できるものの、その他の凸部(具体的には、第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、及び第6凸部166)に対応するとは解釈できない。
エ 訂正事項1の訂正の目的
(ア)まず、「第3の凸部」が「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において複数設けられる」ものである場合には、以下に示す事由を根拠として、当該「第3の凸部」に対応する訂正前の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでないと解される。
すなわち、上記イを踏まえて、第1の凸部が第5凸部165に対応すると解釈した場合に、上記アの記載の通り、図面の図4(b)等には、1つの第5凸部165が、余長収容部150上側の縁端部の全長にわたって設けられている点について開示されているに過ぎないので、2つの第5凸部165同士の相互間に複数の凸部が設けられている点についても当然に開示されていないことから、上記「第3の凸部」に対応する凸部が図面の図4(b)に開示されていないことになる。
また、上記イを踏まえて、第1の凸部が第7凸部167に対応すると解釈した場合に、上記アの記載の通り、図面の図4(b)等には、2つの第7凸部167が、水抜溝部129を隔てて余長収容部150の下側の縁端部の全長にわたって設けられている点について開示されているに過ぎないので、2つの第7凸部167同士の相互間に複数の凸部が設けられている点についても当然に開示されていないことから、上記「第3の凸部」に対応する凸部が図面の図4(b)に開示されていないことになる。
したがって、上記「第3の凸部」に対応する凸部が明細書及び図面に開示されていないことになるので、訂正前の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでないと解される。
(イ)次に、「第3の凸部」が「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において複数設けられる」ものである場合には、以下に示す事由を根拠として、当該「第3の凸部」に対応する訂正後の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであると解される。
すなわち、上記イを踏まえて、第1の凸部が第5凸部165に対応すると解釈し、第2の凸部が第7凸部167に対応すると解釈した場合に、上記アの記載の通り、第5凸部165と第7凸部167との相互間に、第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、及び第6凸部166が設けられている点について開示されているので、上記「第3の凸部」は、第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、及び第6凸部166に対応すると解釈できることから、上記「第3の凸部」に対応する複数の凸部が図面の図4(b)に開示されていると言える。
したがって、上記「第3の凸部」に対応する複数の凸部が明細書及び図面に開示されているので、訂正後の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであると解される。
(ウ)これらのことを踏まえると、訂正前の請求項1に記載された「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」は発明の詳細な説明の記載されたものではなく、訂正後の請求項1に記載された「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」は発明の詳細な説明の記載されたものであるから、訂正前の請求項1に記載された「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間」が、「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間」の誤記であることは明らかである。
オ まとめ
以上のことから、訂正前の請求項1に記載された「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間」が、「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間」の誤記であることは明らかであるので、訂正事項1の訂正の目的は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正後の請求項1に記載された「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」は、上記「(1)エ」で検討したように、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更の有無
訂正事項1は、訂正前の請求項1の明らかな誤記を訂正するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、訂正前の請求項1の明らかな誤記を訂正するためのものであるから、訂正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明が、独立特許要件を満たさなくなることはない。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明及び請求項1を引用する請求項2ないし8に係る発明については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、特許法第126条第7項に適合するものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項1と同様な理由により、願書に添付した明細書の段落0006に記載された「前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」は、「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」の誤記であるから、訂正事項2の訂正の目的は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
訂正後の明細書に記載された「前記第1の凸部と前記第2の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部」は、上記「1(1)エ」で検討したように、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更の有無
訂正事項2は、訂正前の明細書の明らかな誤記を訂正するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項2は、訂正前の明細書の明らかな誤記を訂正するためのものであるから、訂正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明が、独立特許要件を満たさなくなることはない。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明及び請求項1を引用する請求項2ないし8に係る発明については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、特許法第126条第7項に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
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