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特許異議申立

2025-700091

開閉装置用ガイドレールの固定構造

審判番号
2025-700091
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-139732
登録番号
7530768
請求日
2025年01月21日
審決日
2025年06月27日
公報発行日
2025年07月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】三和シヤッター工業株式会社
  • 【権利者代理人】斉藤 達也
  • 【異議申立人】滝澤 榮夫
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 油原 博
  • 審判官 西田 秀彦
分類
P1652.121-Y (E06B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7530768号発明「開閉装置用ガイドレールの固定構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7530768号の請求項3~5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7530768号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、令和2年8月21日に出願され、令和6年7月31日にその特許権の設定登録がされ、同年8月8日に特許掲載公報が発行された。 その後、令和7年1月21日に、特許異議申立人滝澤榮夫(以下、「申立人」という。)より特許異議申立書(以下、「申立書」という。)が提出され、請求項3ないし5に係る特許に対して、特許異議の申立てがされた。 第2 本件発明 本件特許の請求項3ないし5に係る発明(以下、各々を「本件発明3」等といい、請求項3ないし5に係る発明をまとめて「本件発明」という。)は、願書に添付された特許請求の範囲の、請求項3ないし5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項3】 建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造であって、 前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定し、 少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え代部材を少なくとも備える、 開閉装置用ガイドレールの固定構造。 【請求項4】 前記ガイドレールと前記第1燃え代部材との間に設けられる第1燃え止まり部材であり、前記第1燃え代部材によって当該第1燃え止まり部材の外表面が覆われるように配置される第1燃え止まり部材をさらに備える、 請求項3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。 【請求項5】 前記ガイドレールの内部に設けられる遮熱部材であって、前記固定具への熱伝導を抑制するための遮熱部材を備える、 請求項1から4のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。」 第3 特許異議申立理由の概要及び証拠方法 1 特許異議申立理由の概要 申立人が申立書において主張する申立理由の概要は、次のとおりである。 (1)甲1を主引用例とした進歩性欠如 本件発明3及び4は、甲1に記載された発明、周知技術1(甲3~甲5)及び周知技術2(甲5~7)に基いて、当業者が容易に発明することができたものであり、本件発明5は、甲1に記載された発明、周知技術1(甲3~甲5)、周知技術2(甲5~7)、周知技術3(甲8)及び慣用技術(甲9)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件発明3~5に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)甲2を主引用例とした進歩性欠如 本件発明3及び4は、甲2に記載された発明、甲1に記載された技術事項、周知技術1(甲3~甲5)、周知技術2(甲5~7)及び技術常識(甲9及び10)に基いて、当業者が容易に発明することができたものであり、本件発明5は、甲2に記載された発明、甲1に記載された技術事項、周知技術1(甲3~甲5)、周知技術2(甲5~7)、周知技術3(甲8)、慣用技術(甲9)及び技術常識(甲9及び10)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件発明3~5に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 2 証拠方法 申立人が提示する証拠は、以下のとおりである。なお、以下では甲第1号証等を、「甲1」等という。 甲1:特開2013-53418号公報 甲2:特開2001-271566号公報 甲3:特開2012-225130号公報 甲4:特開2018-12958号公報 甲5:「官庁施設における木造耐火建築物の整備指針」、国土交通省大 臣官房官庁営繕部、平成25年3月29日 甲6:齊藤年男 外2名、「110のキーワードで学ぶ 世界で一番や さしい木造3階建て」、株式会社エクスナレッジ、2010年1 月23日、p66ー69 甲7:「建材マンスリー」、建材マンスリー編集室、令和2年7月1日 、657号、p6 甲8:特開2007-327213号公報 甲9:特開2006-219836号公報 甲10:特開2013-68059号公報 第4 当審の判断 1 証拠の記載事項 (1)甲1 ア 甲1に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲1には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、シャッター用ガイドレールの防火構造に関する。」 (イ)「【0021】 以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。 図1は本発明に係るシャッター用ガイドレールの防火構造を備えたシャッター装置全体の斜視図である。 本実施形態に係るシャッター用ガイドレールの防火構造は、例えばシャッターカーテン11を用いて建物開口部13を開閉するシャッター装置15に好適に用いることができる。シャッター装置15は、住宅の外壁17に設けられたサッシ窓19の外側に取り付けられる。建物開口部13の上方にはシャッター装置15の収納部21が取り付けられている。シャッターカーテン11は、アルミ製やスチール製のスラット23を複数連結した一般的なシャッターカーテン11の他、パネル材や樹脂製シート状のシャッターカーテン11とすることもできる。 【0022】 なお、シャッターカーテン11は、他の樹脂にて構成されるシート材や、ゴムシート材、織布や、樹脂製ネットスクリーン、金属製ネットスクリーン、シリカクロス、ガラスクロスなどを素材とする構成や、これら素材を複合や積層させた素材などとしてもよく、このシャッターカーテン11を構成する素材を、耐火性,防火性,防炎性を有する素材とすることができる。 【0023】 図2は図1に示したシャッター装置15におけるガイドレール25及びその固定部分の平断面図である。 シャッター用ガイドレールの防火構造は、ガイドレール25と、耐火材27と、化粧部材29と、を主要な構成部材として備える。ガイドレール25は、アルミ押出成形材よりなる。ガイドレール25は、建物躯体31に固定手段としての固定ネジ33により支持固定され、シャッターカーテン11の操出巻取方向に沿う両側縁35のそれぞれを案内する。本実施形態では、シャッターカーテン11を構成するスラット23の端部に延設された抜け止め部材39が、ガイドレール25内のスリット37に抜け止め規制され案内される。抜け止め部材39は、断面T字状の樹脂材よりなりスリット37に係合して抜け止めが行われる。 【0024】 図3は図2に示したガイドレール25、耐火材27、化粧部材29の分解斜視図である。 耐火材27は、耐熱・耐火性を備え、ガイドレール25の屋外側のシャッターカーテン11と平行な外正面41の全部又は一部と、外正面41に直交する外側面43の全部又は一部、及び少なくとも出隅部45を含む一部分とを覆って固定される。耐火材27は、断面L字形の硬質な板状の成形部材からなる。例えば塗膜のような吹き付け耐熱材や耐炎繊維からなる織布等と異なり、剛性を有する素材で施工が容易に行える。また、取り付けることによって、耐熱・耐火性能の向上以外に、ガイドレール25の強度も向上させることができ、すなわちガイドレール25の補強材となる。また、耐火材27を取扱性のよい単独部材で製作でき、施工性を高めることができる。 【0025】 本実施形態において、耐火材27は、鋼板47からなる。これにより、耐火材27の材料費を安価にできる。耐火材27は、帯状の鋼板47を長手方向に沿う略中央部分の折り曲げ部で折曲形成することで、出隅部45を覆うL字形の耐火材27が容易に製作可能となる。鋼板47の板厚は0.8~2mm程度が好適となる。なお、鋼板47は、板厚を大きくすることで耐熱・耐火性能を向上させることが可能であるが、板厚の増加は重量が増すこととなり、取扱性、取付施工性等を鑑み設定するものである。耐火材27は、ガイドレール25に沿う方向が、全通して連続であってもよいし、断続で複数で構成されてもよい。ガイドレール25と略同等の長さとなる全通しの耐火材27とすれば、補強として、より効果的である。また、図3に示すように、ガイドレール25の長手方向に複数に分割して製作する構成とすれば、製作性が容易となり、また施工を容易にできる。 【0026】 化粧部材29は、耐火材27の外側を覆って耐火材27とともにガイドレール25に固定され、化粧部材29は、アルミ押出成形材よりなり、連続形成することにより意匠性を保てるようにする。つまり、化粧部材29は、耐火材27の表面を覆うカバーとなる。それぞれの働きを考慮すると、耐火材27は略短冊状の成形品とし、化粧部材29は連続の一体成形品とすることが現実的となる。つまり、シャッター用ガイドレールの防火構造は、耐火性を有する耐火材27と、意匠性及び防錆性を有する化粧部材29との2層構造となる。 【0027】 これら耐火材27及び化粧部材29は、例えばリベット49による固定手段で外側からガイドレール25に容易に固定される。すなわち、本発明の防火構造は、現場施行にて寸法切りして穴開けを行い、外側からリベット49で取り付けるという容易な施行手順のみで済む。これにより、部品を追加するのみで、既設のシャッター装置15であっても、防火性能を容易に向上させることができるものである。 【0028】 図4は耐火材27の掛かり代部51を説明するための図2の要部拡大図である。 また、耐火材27は、ガイドレール25の外正面41を覆う部位が、シャッターカーテン11の両側縁35と重なる掛かり代部51を有する。アルミ合金製のガイドレール25は火災による熱で変形を起こし、さらには溶ける虞がある。また、抜け止め部材39は、樹脂製であり、耐風機能としては有効であるが、火災による熱で溶けて無くなってしまう虞がある。本実施形態の耐火材27は、掛かり代部51が設けられていることで、シャッターカーテン11の両側縁35の抜け止め部材39が溶けても、シャッターカーテン11の両側縁35に重なる掛かり代部51を残すことができる。すなわち、左右のガイドレール25の間隔距離とシャッターカーテン11の幅長とが、シャッターカーテン11の幅長よりも耐火材27での間隔距離が、掛かり代部51によって短くなり、これにより、アルミ合金製のガイドレール25が熱で変形したり溶けるなどを起こしても、掛かり代部51が、シャッターカーテン11の両側縁35に掛かり、シャッターカーテン11がガイドレール25から外れなくなる。このようにして、耐火材27の掛かり代部51で両側縁35の掛かりを担保してシャッターカーテン11の脱落を防ぐことができる。 【0029】 次に、上記構成を有するシャッター用ガイドレールの防火構造の作用を説明する。 シャッター用ガイドレールの防火構造では、ガイドレール25の外正面41及び外側面43が耐火材27で覆われることにより、ガイドレール25の防火性能が高まる。ガイドレール25の外正面41及び外側面43から耐火材27が取り付けられるので、既設のシャッター装置15に対し施工が簡単に行える。 【0030】 さらに、耐火材27の表面が化粧部材29で覆われるので、シャッター装置15としての意匠性を損ねることがない。また、出荷製品とした場合であっても、既製のガイドレール25に耐火材27及び化粧部材29を取り付ければよいので、専用独立部材が増えることがなく、部品の共通化が図れ、生産効率を低下させることがない。 【0031】 ガイドレール25の外側に構成させるのみで、既設のシャッター構造を変更しないので、シャッター装置15としての部品構成に変更がない。なお、ガイドレール25の形状が異なるものでも、対応可能となる。 【0032】 図5は建物躯体31に固定される変形例に係る耐火材27及び化粧部材29の平断面図である。 なお、上記の例では耐火材27及び化粧部材29が、ガイドレール25の外側面43における一部分である出隅部45を覆ったが、耐火材27及び化粧部材29は、建物開口側と反対側の基端側縁部53を、ガイドレール25の基端鍔部55まで延長してもよい。この構成によれば、耐火材27及び化粧部材29の基端側縁部53を、ガイドレール25の基端鍔部55とともに建物躯体31に固定でき、基端鍔部55をも覆うことが可能となって耐火強度を一層高めることができる。 【0033】 従って、このシャッター用ガイドレールの防火構造によれば、ガイドレール25の外正面41及び外側面43を覆い隠し、既設のシャッター装置15の防火性能を容易に向上させることができる。また、建物躯体31に固定され、耐火材27が強固に固定することができる。 【0034】 なお、上記実施形態では、耐火材27として鋼板47が使用される例を説明したが、耐火材27はこの他、セラミック等その他の素材を用いることもできる。例えば脱落などを起こさず補強することが可能なように、セラミックを吹き付けた他の素材との複合構造とすることもできる。また、化粧部材29は、不燃材料であれば良く、アルミ合金以外のその他の素材であってもよい。」 (ウ)【図1】 「 [図:0001424607000001.jpg] 」 (エ)【図5】 「 [図:0001424607000002.jpg] 」 上記(イ)をふまえるとともに、上記【図1】に示される「ガイドレール25」、「シャターカーテン11」及び「建物開口部13」の位置関係からみて、【図5】において、ガイドレール25は、建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材に対して、固定ネジ33により固定されていると認められる。 イ 甲1発明 以上を総合すると、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。 <甲1発明> 「ガイドレール25と、耐火材27と、化粧部材29とを備えるシャッター用ガイドレールの防火構造において(【0023】)、 ガイドレール25は、アルミ押出成形材よりなり、建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材に対して、固定ネジ33により支持固定され、シャッターカーテン11の操出巻取方向に沿う両側縁35のそれぞれを案内するものであり、化粧部材29は、耐火材27の外側を覆って耐火材27とともにガイドレール25に固定され、化粧部材29は、アルミ押出成形材よりなり、連続形成することにより意匠性を保てるようにし、耐火材27の表面を覆うカバーとなり、耐火性を有する耐火材27と、意匠性及び防錆性を有する化粧部材29との2層構造となっており(【0023】、【0026】、上記ア(エ))、 耐火材27及び化粧部材29は、建物開口側と反対側の基端側縁部53を、ガイドレール25の基端鍔部55まで延長されている(【0032】)、 シャッター用ガイドレールの防火構造(【0023】)。」 (2)甲2 ア 甲2に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲2には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、開閉体装置に係り、例えば、防火戸を含む開き戸や引戸、防災用シャッターを含む建物用シャッター装置、さらには可動間仕切り壁等の開閉体を有する開閉体装置に利用できるものである。」 (イ)「【0007】本発明の目的は、加工性、重量、強度の点で優れ、耐火性、遮熱性の点でも優れている開閉体装置を提供するところにある。」 (ウ)【0042】図5~図7は本発明を車庫用シャッター装置に適用した実施形態を示し、図5はその車庫用シャッター装置10の全体正面図で、図6は図5のS6-S6線断面図、図7は図5のS7-S7線断面図である。車庫用シャッター10は、自動車出入口11の上部に配置されたシャッターケース12と、このシャッターケース12の内部に左右のブラケット13で回転自在に支持されて収納された巻取軸14と、この巻取軸14に上端が連結され、巻取軸14の正回転、逆回転で巻取軸14から繰り出され、巻き取られるシャッターカーテン15と、自動車出入り口11の左右縁部に沿って取り付けられ、シャッターカーテン15の上下動(開閉動)を案内するためのガイドレール16と、シャッターケース12の内部に配置され、巻取軸14を正回転、逆回転させるためのモーターを有する開閉機17と、車庫の壁18に配置され、開閉機17のモーターを駆動させるためのスイッチが収納されたスイッチケース19とを含んで構成されている。 【0043】図6に示すように、シャッターカーテン15は、金属製のスラット20を上下に連設したものであり、スラット20同士は、下側のスラット20の上端カール部20Aに上側のスラット20の下端カール部20Bを回転摺動自在に係合させることにより連結されている。カール部20A,20Bを除くそれぞれのスラット20の表表面と裏表面には、フェノールFRPによるカバー21が被せられて接着剤又はビス等の固定手段で固定されており、これらのカバー21を表面部品とした場合に、金属製スラット20が内部部品となるようになっている。 【0044】また、図7に示すように、金属で形成されているガイドレール16における車庫の壁18から露出している外面にもフェノールFRP製のカバー22が被せられている。さらに、図面では示されていないが、金属で形成されているシャッターケース12の外部に露出する上面部、下面部、側面部等の外面にもフェノールFRP製のカバーが被せられ、図5で示す金属製のスイッチケース19のうちの外部に露出している蓋19Aの外面にもフェノールFRP製のカバーが被せられている。このため、スラット20の場合と同じく、フェノールFRP製カバーを表面部品とした場合には、このフェノールFRP製カバーが被せられているガイドレール16等が内部部品となるようになっている。 【0045】この実施形態によると、車庫の外部で火災が発生した場合、その外部に面しているそれぞれのスラット20の表表面によるシャッターカーテン15の外面や、ガイドレール16の外面、シャッターケース12の外面等にフェノールFRPによるカバーが設けられているため、フェノールFRPの優れた耐火性、遮熱性によって車庫用シャッター装置の構成部材が熱で変形するなどを防止できる。また、それぞれのスラット20の裏表面にもフェノールFRP製のカバー21が被せられているため、車庫の内部で火災が発生したときは、この火災の熱でスラット20の裏表面があぶられてスラット20が変形するのを防止できる。 (エ)【図5】 「 [図:0001424607000003.jpg] 」 (オ)【図7】 「 [図:0001424607000004.jpg] 」 (カ)認定事項 a 上記(ウ)には、「車庫の壁18」に「スイッチケース19」が配置されていることが記載されているから、上記【図7】に記載を合わせると、【図5】から、車庫の壁18に、自動車出入口11が設けられていると認められる。 b「シャッターカーテン15」を上下動させるための「ガイドレール16」は、固定されていることが技術常識であることをふまえると、上記【図7】から、「ガイドレール16」が、「車庫の壁18」のうちの自動車出入口11近傍の部材に対して、支持固定されていると認められる。 イ 甲2発明 以上を総合すると、甲2には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認められる。 <甲2発明> 「車庫の壁18に、自動車出入口11が設けられ、自動車出入口11の上部に配置されたシャッターケース12と、このシャッターケース12の内部に左右のブラケット13で回転自在に支持されて収納された巻取軸14と、この巻取軸14に上端が連結され、巻取軸14の正回転、逆回転で巻取軸14から繰り出され、巻き取られるシャッターカーテン15と、自動車出入り口11の左右縁部に沿って取り付けられ、シャッターカーテン15の上下動(開閉動)を案内するためのガイドレール16と、車庫の壁18に配置され、開閉機17のモーターを駆動させるためのスイッチが収納されたスイッチケース19とを含んで構成されている車庫用シャッター10であって(上記(エ)、【0042】)、 ガイドレール16が、金属で形成されており、車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材に対して、支持固定されており(【0044】、【0045】)、 ガイドレール16に、車庫の壁18から露出している外面にもフェノールFRP製のカバー22が被せられていて、ガイドレール16の外面、シャッターケース12の外面等にフェノールFRPによるカバーが設けられているため、フェノールFRPの優れた耐火性、遮熱性によって車庫用シャッター装置の構成部材が熱で変形するなどを防止できる(【0044】、【0045】)、 車庫用シャッター10(【0042】)。」 (3)甲3 ア 甲3に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲3には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、柱や梁に固定部材を固定する固定構造に関する。」 (イ)「【0020】 図2の平面断面図に示すように、柱12は、荷重を支持する木製の柱心材22と、柱心材22の外周を取り囲む燃え止まり層24と、燃え止まり層24の外周を取り囲む木製の燃え代層26とを備えている。燃え止まり層24は、吸熱性を有している。」 (ウ)「【0058】 また、第1~第3の実施形態では、固定部材をスタッド14とした例を示したが、固定部材は、柱や梁に固定されるさまざまな部材とすることができる。例えば、固定部材を、防火扉や防火シャッターの枠部材、スイッチボックス等の設備が取り付けられる下地材等としてもよい。 【0059】 図12、13の平面断面図には、固定部材を防火扉70の枠部材68とした例が示されている。図12では、燃え止まり部材16が枠部材68に設けられて一体化されている。また、図13では、枠部材68に接する燃え代層26の部分に燃え止まり部材16が設けられている。 【0060】 また、第1~第3の実施形態では、釘28によって、固定部材としてのスタッド14を柱12の燃え代層26、柱心材22や、梁44の燃え代層50、梁心材46の外周面に固定した例を示したが、他の方法で固定してもよい。例えば、ネジ、接着剤により固定してもよいし、燃え代層に形成した凹部に固定部材を挿入して固定してもよい。」 (エ)【図12】 「 [図:0001424607000005.jpg] 」 イ 甲3記載技術 上記アをふまえると、甲3には次の技術的事項(以下「甲3記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲3記載技術> 「柱に固定部材を固定する固定構造において(【0001】)、 柱12は、荷重を支持する木製の柱心材22と、柱心材22の外周を取り囲む燃え止まり層24と、燃え止まり層24の外周を取り囲む木製の燃え代層26とを備えていて(【0020】)、 固定部材を防火扉70の枠部材68とし、燃え止まり部材16が枠部材68に設けられて一体化されていて、釘28、ネジ、によって、柱12の燃え代層26の外周面に固定したこと(【0059】、【0060】)。」 (4)甲4 ア 甲4に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲4には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、耐火性を有する木質の構造部材に関する。」 (イ)「【0017】 図1の平面断面図には、本実施形態の構造部材としての柱部材10が示されている。柱部材10は、荷重を支持する荷重支持部としての木製の柱心材12と、柱心材12の周囲に設けられた耐火層としての燃え止まり層14を有して構成されている。 【0018】 柱心材12は、正四角形の角部が面取られた断面を有している。燃え止まり層14は、モルタルにより形成されており、熱吸収性を有する。 【0019】 次に、本発明の実施形態に係る構造部材の作用と効果について説明する。 【0020】 本実施形態の柱部材10では、図1に示すように、火災が発生したときに燃え止まり層14の外側から柱心材12への火炎や熱の進入が、燃え止まり層14によって抑えられる。これにより、火災時及び火災終了後における柱心材12の温度上昇を抑えることができ、柱心材12を燃焼させずに燃え止まらせることができる。」 (ウ)「【0036】 また、本実施形態では、図1に示すように、構造部材としての柱部材10を、荷重支持部としての木製の柱心材12と、耐火層としての燃え止まり層14と、を有して構成された2層構造の部材とした例を示したが、構造部材は、荷重支持部と、この荷重支持部の周囲に設けられた耐火層とを有していればよく、2層以上の構造部材であればよい。 【0037】 例えば、木質構造部材は、荷重支持部としての木製の柱心材12と、この柱心材12の周囲に設けられた木製の燃え代層とのみを有して構成される2層構造の構造部材であってもよい。燃え代層は、柱心材12と同様の木材によって形成されている。 【0038】 この場合、火災が発生したときに燃え代層の外側から柱心材12への火炎や熱の進入を抑えて柱心材12の温度上昇を抑えることができる燃え代層の厚さ(例えば、40mm程度)を確保できれば、柱心材12と燃え代層とは、異なる材料によって形成してもよいし、同じ材料によって形成してもよい。 【0039】 また、例えば、柱部材は、荷重支持部としての木製の柱心材12と、この柱心材12の周囲に設けられた石膏ボードとを有して構成される構造部材であってもよいし、荷重支持部としての木製の柱心材12と、この柱心材12の周囲に設けられた石膏ボードと、この石膏ボードの周囲に設けられた熱発泡性材を有して構成される構造部材であってもよい。熱発泡性材は、熱が加えられることにより体積が大きくなって燃え止まり効果を発揮する材料である。さらに、例えば、これらの柱部材の周囲に、化粧合板や化粧ボード等の仕上げ材を設けるようにしてもよい。 【0040】 また、図8の平面図に示すように、荷重を支持する荷重支持部としての木製の柱心材12と、柱心材12の周囲に設けられた耐火層48を有して構成された柱部材46としてもよい。 【0041】 耐火層48は、柱心材12の周囲に設けられた燃え止まり層14と、燃え止まり層14の周囲に設けられた木製の燃え代層50とを有して構成されている。燃え代層50は、柱心材12と同様の木材によって形成されている。 【0042】 また、燃え止まり層14は、柱心材12の外周面と、燃え代層50の内周面との間に、耐火性を有する充填材としてのモルタルを流し込んで充填することにより形成されている。すなわち、燃え止まり層14は、耐火性を有する充填材により形成されている。 【0043】 柱部材46では、火災が発生したときに火炎が燃え代層50に着火し、燃え代層50が燃焼する。そして、燃焼した燃え代層50は炭化する。よって、燃え代層50の外側から柱心材12への熱伝達が、炭化した燃え代層50によって抑えられる。また、燃え代層50の外側から柱心材12への火炎や熱の進入が、燃え止まり層14によって抑えられる。これらにより、火災時及び火災終了後における柱心材12の温度上昇を抑えることができ、柱心材12を燃焼させずに燃え止まらせることができる。 【0044】 また、耐火性を有する充填材としてのモルタルの充填によって燃え止まり層14を形成することにより、耐火層48(燃え止まり層14)の施工性を向上させることができる。また、燃え止まり層14と燃え代層50との密着性を高くすることができ、燃え代層50の燃焼熱を燃え止まり層14によって効果的に吸収することができる。 【0045】 さらに、本実施形態では、図1に示すように、構造部材を柱部材10とした例を示したが、梁、壁、床等の他の構造部材であってもよい。」 (エ)【図8】 「 [図:0001424607000006.jpg] 」 イ 甲4記載技術 上記アをふまえると、甲4には次の技術的事項(以下「甲4記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲4記載技術> 「耐火性を有する木質の構造部材において(【0001】)、 構造部材としての柱部材を、荷重を支持する荷重支持部としての木製の柱心材12と、柱心材12の周囲に設けられた耐火層48を有して構成された柱部材46とし(【0036】、【0040】)、 耐火層48は、柱心材12の周囲に設けられた燃え止まり層14と、燃え止まり層14の周囲に設けられた木製の燃え代層50とを有して構成されていて(【0041】)、 構造部材を柱部材10とせず、壁としてもよいこと(【0045】)。」 (5)甲5 ア 甲5に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲5には、次の記載がある。 (ア)30頁 「 [図:0001424607000007.jpg] 」 イ 甲5記載技術 上記アをふまえると、甲5には次の技術的事項(以下「甲5記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲5記載技術> 「構造耐力上主要な部分である心材(木材)を燃え止まり層で被覆し、さらに燃えしろとして機能する化粧用木材で被覆すること。」 (6)甲6 ア 甲6に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲6には、次の記載がある。 (ア)68頁下段 「・・・内部制限がかかる部材の仕上げに木材を張りたい場合は、薬剤注入により、準不燃材料や不燃材料の大臣認定を取得した特殊な木材を用いる方法がよいだろう。 このように、準耐火建築物であっても、安全性を確保しながら、主要構造部及び仕上げ材に木材を使用することで、木材が見える収まりにできる。」 (イ)69頁下段 「 [図:0001424607000008.jpg] 」 イ 甲6記載技術 上記アをふまえると、甲6には次の技術的事項(以下「甲6記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲6記載技術> 「主要構造部及び仕上げ材に木材を使用すること。」 (7)甲7 ア 甲7に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲7には、次の記載がある。 (ア)6頁 「森林資源の活用促進には、戸建住宅はもちろんのこと、中大規模建築物の木造・木質化も加速させていく必要があります。」 「構成としては、荷重支持部の木材の周囲に不燃材を配し、化粧材としてCLTで被覆しています。」 「この取り組みで化粧材にCLTを採用したことは、CLTの新しい活用に貢献すると自負しています。中大規模建築物の構造材は大断面となるため、大判で一般に流通しているCLTを被覆材として用いることがコスト低減にも大きく寄与しているのです。・・・材の樹種・種別は限定しておらず、多様な樹種の集成材やLVLなどに置き換えることも可能です。 この部材は木を現してデザインに生かすことが可能で、・・・建物を使う人が、木質感あふれる空間の中で生活や仕事ができるようになるわけです。」 イ 甲7記載技術 上記アをふまえると、甲7には次の技術的事項(以下「甲7記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲7記載技術> 「荷重支持部の木材の周囲に不燃材を配し、化粧材としてCLTで被覆すること。」 (8)甲8 ア 甲8に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲8には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、木造建物の耐火構造に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、火災から人命を守るために、建物を構成する部材に耐火鋼材(FR鋼)や、耐火塗料等を採用することにより、耐火性能の高い建物の構築が行われている。 ここで、建物等が延焼する原因の一つに、ヒートブリッジ(熱橋)という現象がある。ヒートブリッジとは、耐火性能を有する建物の壁などに、部分的に熱を伝えやすい部材や状態があると、熱がその部分から橋を渡るように入り込み、壁内の構造物に伝達してしまう現象である。即ち、例えば、木製の枠材と石膏ボードとを、ネジ等の金属製留付具で接合して壁組を構築する場合、比較的耐火性の高い石膏ボードを用いているものの、熱伝導率の高い金属製留付具を備えているため、この金属製留付具を通して熱が枠材(木材)に伝達する。つまり、ヒートブリッジにより木材が長期にわたり熱を受けると木材の水分が蒸発し炭化されるため、木材の着火温度(260℃前後)に達し、建物等が延焼する可能性があった。 【0003】 このようなヒートブリッジを防止するものとして、例えば、特許文献1には、金属製留付具(ボルト)の頭部をブランケット状の繊維系不燃材である耐火被覆材で覆う発明が記載されている。 また、ヒートブリッジを防止するための一般的な構造として、図5に示すように、石膏ボード23と木製の主材24を金属製留付具25で接合した壁構造において、金属製留付具25の頭部に不燃性のパテ20を塗着させる構造が挙げられる(従来技術1)。 また、図6に示すように、防火板として用いられるケイ酸カルシウム板26と木製の主材24を金属製留付具25で接合した壁構造において、ケイ酸カルシウム板26に形成された凹部21に、金属製留付具25の頭部が埋没するように締結し、この凹部21を不燃性の充填材22で充填する構造が挙げられる(従来技術2)。」 (イ)「【0011】 図1及び図2に示すように、第一実施形態に係る木造建物の耐火構造1は、壁組Kを構成する主材2と、接合材3と、主材2と接合材3を接合する金属製留付具4と、金属製留付具4の頭部4aに塗布された耐火塗料5とからなる。第一実施形態においては、壁組Kは、例えば、住宅の間仕切りとして用いられるものである。 【0012】 主材2は、第一実施形態においては、壁組Kを構成する木製の枠材であって、接合材3と接合されるものである。接合材3は、第一実施形態においては、防火板(例えば、ケイ酸カルシウム板)を用いる。金属製留付具4は、図2に示すように、頭部4a及び軸部4bからなり、軸部4bの軸径は単一の大きさからなる。頭部4aの直径は、軸部4bの軸径よりも大きく形成されている。そのため、金属製留付具4の頭部4aの表面は、接合材3の表面に露出して接合される。金属製留付具4は、第一実施形態においては、例えば、木ネジを用いる。金属製留付具4は、主材2と接合材3を接合するものである。 【0013】 耐火塗料5は、第一実施形態においては、公知の耐火塗料を用いる。耐火塗料5は、図2に示すように、金属製留付具4の頭部の表面に約1~2mmの厚みで塗布されている。 第一実施形態における耐火塗料5は、ポリ燐酸アンモニウムである発泡層及び上塗り層からなる。耐火塗料5は、所定の温度になると発泡し、最終的に25~50倍の体積に膨張し、炭化層を形成する。この炭化層が、断熱層として金属製留付具4の頭部4aの表面を覆うため、熱が金属製留付具4に伝達するのを防止するものである。」 (ウ)【図2】 「 [図:0001424607000009.jpg] 」 イ 甲8記載技術 上記アをふまえると、甲8には次の技術的事項(以下「甲8記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲8記載技術> 「木造建物の耐火構造において(【0001】)、 壁組Kを構成する主材2と、接合材3と、主材2と接合材3を接合する金属製留付具4と、金属製留付具4の頭部4aに塗布された耐火塗料5とからなり、耐火塗料5は、所定の温度になると発泡し、最終的に25~50倍の体積に膨張し、炭化層を形成するし、この炭化層が、断熱層として金属製留付具4の頭部4aの表面を覆うため、熱が金属製留付具4に伝達するのを防止すること(【0011】、【0013】)。」 (9)甲9 ア 甲9に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲9には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、住宅の窓などの構造物の開口部に設けられる開閉装置に関する。」 (イ)「【0013】 以下、本発明に係る開閉装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。 図1は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置の設けられた開口部の縦断面図、図2は図1の水平断面図、図3はシャッターカーテン繰出し端に設けられたロック手段の正面図、図4はスクリーン繰出し端に設けられたスクリーンロック手段の正面図である。 【0014】 住宅などの外壁11に設けられた開口部である窓部13の上部には、シャッターカーテン15の収容ケース17が設けられ、収容ケース17には巻取軸の外周に巻回されたシャッターカーテン15が収容されている。窓部13の左右には図2に示すガイドレール19,19が設けられ、ガイドレール19,19は略コ字状に形成され、シャッターカーテン15の両側縁を摺動自在に案内する。外壁11とガイドレール19,19との間には外枠21が設けられ、外枠21は窓部13に設けられたサッシ23とシャッターカーテン15との間に所定の間隙25を形成している。」 (ウ)【図1】(合議体注:図1中のマーカーは、申立人によるもの。以下同様) 「 [図:0001424607000010.jpg] 」 (エ)【図2】 「 [図:0001424607000011.jpg] 」 上記図2から、外枠21が、壁側にピン状のもので取り付けられている点が看取できる。 イ 甲9記載技術 上記アをふまえると、甲9には次の技術的事項(以下「甲9記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲9記載技術> 「住宅の窓などの構造物の開口部に設けられる開閉装置において(【0001】)、 窓部13の左右には、シャッターカーテン15の両側縁を摺動自在に案内するガイドレール19,19が設けられ、外壁11とガイドレール19,19との間には外枠21が設けられ、外枠21が、壁側にピン状のもので取り付けられていること(【0014】、上記(エ))。」 (10)甲10 ア 甲10に記載された事項 本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲10には、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、防火対応の開口部建材に関する。」 (イ)「【0010】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下において左右とは、図2における左右を示す。この開口部建材の第一実施形態は、建築物の開口部の屋外側に取り付けるシャッターである。図2~図4に示すように、開口部9の周囲の躯体10に、上枠7a、下枠7b及び左右の竪枠7cをネジ止めしてあり、上枠7aには箱形のケース7dを取り付けてあって、ケース7dの中にシャッタースラット4の巻取装置8を収めてある。そして、竪枠7cの前側にはガイド枠1をネジ止めしてある。シャッタースラット4は、ガイド枠1によって上下動自在にガイドされており、巻取装置8によって巻き取ると上昇し、繰り出すと下降する。そしてシャッタースラット4を閉鎖すると、その下端は下枠7bに当接する。 【0011】 次に、ガイド枠1とシャッタースラット4の係合部分について、図1に基づき詳述する。なお、図1は右側のガイド枠1を示すものであるが、左側のガイド枠1についても左右対称な構造である。ガイド枠1は、アルミの押出形材からなり、屋外側壁11と、屋内側壁12と、両壁の間に位置する見込壁13とを備え、三壁に囲まれた部分が、左側(開口部建材の内周側)に向けて開口する断面コ字形状の溝14となる。屋外側壁11は、開口部建材の屋外側に露出する面となる。なお、屋外側壁11の右側端(外周側端)からは、外壁15が屋内側に向かって延びていて、外壁15の屋内側端が竪枠7cに係合しており、屋内側壁12の屋内側面からは取付壁16が屋内側に向かって延びていて、取付壁16が竪枠7cにネジ止めしてある。 ・・・ 【0016】 さらに、ガイド枠1の溝14内には、耐火材5を設けてある。耐火材5は、溝内補強材2の見付片21の左側端(内周側端)の屋内側と、レール部材6の屋内側板62の左側端(内周側端)の屋外側に取り付けてあり、それぞれシャッタースラット4の屋外側面と屋内側面に対向している。そして、耐火材5はエポキシ系の素材からなるもので、火災時に熱により発泡して厚さ方向(取付面に対して垂直方向)に膨張し、シャッタースラット4に当接する。また、ガイド枠1の屋外側壁11の左側端(内周側端)の屋内側と、屋内側壁12の左側端(内周側端)の屋外側には、シャッタースラット4に当接するようにモヘア17を取り付けてある。 【0017】 このように構成した開口部建材においては、鋼板からなる溝内補強材の見込片と、同じく鋼板からなる溝外補強材の見込片とでガイド枠の見込壁を挟み込み、火災時において直接炎熱にさらされないよう保護している。また、溝外補強材はガイド枠の屋内側壁及び見込壁を屋内側から覆っており、屋内側からの炎熱よりガイド枠の溝を保護している。そして、溝内補強材と溝外補強材とを組み合わせて略コ字形を形成しており、その内側にレール部材を配置してあるので、レール部材は溝内補強材及び溝外補強材によって炎熱から守られる。さらに、アルミの押出形材からなるレール部材やガイド枠が溶解した場合であっても、シャッタースラットの端部は略コ字形の溝内補強材及び溝外補強材の内側に収まって支持された状態が維持されるので、シャッタースラットは脱落しない。また、火災時に耐火材が発泡してシャッタースラットの屋外側面及び屋内側面に当接する。これにより、シャッタースラットが屋外側と屋内側の両側から耐火材により押圧され、シャッタースラットが固定される。そして、耐火材はシャッタースラットとガイド枠の溝の間の隙間を埋めるので、屋外側と屋内側とが遮断され、炎が回り込むことを防ぐ。さらに、シャッタースラットの端部が溶解することを防ぎ、シャッタースラットの脱落を防いでいる。なお、レール部材やシャッタースラットの端部を炎熱から保護するには、溝内にコ字形の補強材を挿入して、その内側にレール部材及びシャッタースラットを配置する方法も考えられる。しかしながら、その場合には溝の内側が窮屈になって、シャッタースラットをスムーズに動作させるために必要なクリアランスを確保できなくなる。そのため、溝の見込幅を広くしなければならなくなり、ガイド枠の外観が変わってしまうおそれもある。これに対し、本発明は補強材を溝内と溝外に分けて配置しているので、溝内の空間に余裕があり、溝の見込幅やガイド枠の外観を変えることなく、溝及びその内側のレール部材やシャッタースラットの端部を炎熱から保護できる。」 (ウ)【図1】 「 [図:0001424607000012.jpg] 」 (エ)【図2】 「 [図:0001424607000013.jpg] 」 イ 甲10記載技術 上記アをふまえると、甲10には次の技術的事項(以下「甲10記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲10記載技術> 「シャッタースラット4が上下動自在にガイドされるガイド枠1を前側においてネジ止めしてある左右の竪枠7cについて、開口部9の周囲の躯体10にネジ止めしており(【0010】)、 ガイド枠1の溝14内には、耐火材5を設けてあって、耐火材5は、溝内補強材2の見付片21の左側端(内周側端)の屋内側と、レール部材6の屋内側板62の左側端(内周側端)の屋外側に取り付けてあり、それぞれシャッタースラット4の屋外側面と屋内側面に対向していること(【0016】)。」 2 申立理由1(特許法第29条第2項)について (1)甲1を主引用例として検討 ア 本件発明3について (ア)対比 本件発明3と甲1発明を対比する。 a 甲1発明において、「建物躯体31」、「建物開口部13」及び「シャッターカーテン11」は、本件発明3の「建物の躯体」、「開口部」及び「開閉体」に、それぞれ相当する。 また、甲1発明において、「建物開口部13」が「建物躯体31」に設けられていること、及び、「シャッターカーテン11」が、前記「建物開口部13」の開閉を行うことは明らかである。 そうすると、甲1発明の「シャッターカーテン11」は、本件発明3の「建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体」に相当する。 b 甲1発明の「ガイドレール25」は、「シャッターカーテン11」を備えた開閉装置を構成するものといえる。 そうすると、甲1発明の「ガイドレール25」は、本件発明3の「開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレール」に相当する。 c 甲1発明において、「シャッターカーテン11」の「両側縁35」が、巻取方向及び操出方向に「案内」されることから、「シャッターカーテン11」が開閉方向に沿って移動することは明らかである。 そうすると、甲1発明の「シャッターカーテン11の操出巻取方向に沿う両側縁35のそれぞれを案内」する「ガイドレール25」は、本件発明3の「前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレール」に相当する。 d 本件発明3の「前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」の意味について検討するに、本件明細書の段落【0040】には、「 ここで、「支持部材5」とは、躯体2を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材6で覆われた木製の部材である。」との記載がある。また、本件発明3の上記「部材」には「支持」との用語が係っている。 そうすると、本件発明3の「前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」とは、躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の部材であって、当該部材は支持する機能を有しているものと理解できる。 上記をふまえて、以下検討する。 甲1発明において、「建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材」は、「建物躯体31」を構成する部材であることは明らかであり、また、「建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材」が「ガイドレール25」を「固定手段としての固定ネジ33により支持固定」していることから、支持する機能を有していることも明らかである。 そうすると、甲1発明の「建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材」と、本件発明3の「前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」とは、本件発明3の「前記躯体を構成する部材」のうち「支持部材」の点で共通する。 また、甲1発明は、「ガイドレール25」を「建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材に対して、固定ネジ33により支持固定」する構造を有しているところ、当該構造と、本件発明3の「ガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造」とは、「ガイドレールを、前記躯体を構成する部材」のうち「支持部材」に対して「固定するための固定構造」の点で共通する。 e 甲1発明の「固定ネジ33」は、「ガイドレール25」を固定する際に「建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材」に挿入されることは明らかである。そうすると、甲1発明において、「固定手段としての固定ネジ33」により「ガイドレール25」を、「建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材」に対して「支持固定」することと、本件発明3において、「前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定」することとは、「前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定」する点で共通する。 f 甲1発明の「ガイドレール25」は、「シャッターカーテン11」を開閉させる装置に用いるものであるから、本件発明3の「開閉装置用ガイドレール」に相当する。 また、甲1発明は、上記dで説明したとおり、「ガイドレール25」を「固定するための固定構造」を有していることは明らかである。 そうすると、甲1発明は、本件発明3の「開閉装置用ガイドレールの固定構造」に相当する構成を有しているといえる。 そうすると、本件発明3と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点> 「建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち支持部材に対して固定するための固定構造であって、 前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定する、 開閉装置用ガイドレールの固定構造。 <相違点1> 「ガイドレール」を、「支持部材」に「固定」することについて、本件発明3では、「外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定する」ものであって、「固定具」が、「前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される」のに対して、甲1発明では、「建物開口部13近傍の部材に対して、固定ネジ33により支持固定」する点。 <相違点2> 本件発明3は、「少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え代部材を少なくとも備える」のに対して、甲1発明は、「化粧部材29」は、「アルミ押出成形材よりなり」、「耐火材27の外側を覆って耐火材27」とともに「アルミ押出成形材」よりなる「ガイドレール25に固定され」る点。 (イ)判断 上記相違点について検討する。 a 相違点1について 甲4記載技術には、荷重を支持する荷重支持部としての木製の心材と、心材に設けられた耐火層を有して構成された壁であって、耐火層が、心材に設けられた燃え止まり層と、燃え止まり層に設けられた木製の燃え代層とを有して構成されていて、心材が荷重を支持する荷重支持部となっているものである。 甲4記載技術の「壁」を構成する「木製の心材」は、荷重を支持する荷重支持部となっていることから、本件発明3の「躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」に相当する。 そして、甲1発明と甲4記載技術は、建物において、荷重を支持する構造部材という技術分野で共通し、甲1発明において、建物の構造部材(建物躯体31)を耐火性のものとすることは、周知の課題であるから、甲1発明に、甲4記載技術を適用する動機付けは存在する。 そして、甲1発明の建物躯体31のうちの建物開口部13近傍の部材について、甲4記載技術を適用し、外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材とし、固定ネジにより支持固定する構成を採用すること、すなわち、相違点1に係る本件発明3の構成のように、「前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」とするとともに、「前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって」、「前記支持部材」に対して固定することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 b 相違点2について (a)甲5記載技術には、心材(木材)を燃え止まり層で被覆し、さらに燃えしろとして機能する化粧用木材で被覆した点が記載され、甲6記載技術には、仕上げ材に木材を使用することが記載され、甲7記載技術には、荷重支持部の木材の周囲に不燃材を配し、化粧材としてCLTで被覆することが記載されている。 甲1発明の「ガイドレール25」には、「意匠性を保」つための「化粧部材29」が用いられている。しかしながら、当該「化粧部材29」は、「アルミ押出成形材」よりなるものであって、しかも、「ガイドレール25」に固定される「耐火材27」を覆うものであるから、甲5記載技術~甲7記載技術に記載された化粧材等とは材質が異なるとともに、燃えしろとして機能するものではないことは明らかである。 また、甲1発明の「化粧部材29」が被覆する対象は、「アルミ押出成形材」である「ガイドレール25」であるのに対して、甲5記載技術~甲7記載技術において、「化粧用木材」等が被覆する対象は、ガイドレールではなく木材であり、両者において、被覆の対象やその材質が異なっている。 したがって、甲1発明の「化粧部材29」に換えて、甲5記載技術~甲7記載技術に記載された化粧用木材等を適用する動機付けはないから、甲1発明に、甲5記載技術~甲7記載技術を適用し、相違点2に係る本件発明3の構成とすることはできない。 (b)申立人が提出した甲8記載技術に示される、金属製留付具4の頭部4aに塗布される耐火塗料5は、熱が金属製留付具4に伝達するのを防止することを目的とするものであるから、甲1発明の「化粧部材29」とは、その目的が異なるものであるから、甲1発明に、甲8記載技術を適用する動機付けはない。仮に、甲1発明に、甲8記載技術を適用しても、耐火塗料5は、燃えしろ部材ではないから、相違点2に係る本件発明3の構成とすることはできない。 また、申立人が提出した他の証拠には、相違点2に係る本件発明3に係る技術は記載も示唆もされていないから、他の証拠に記載の技術を、甲1発明に適用しても、相違点2に係る本件発明3の構成とすることはできない。 (ウ)小括 したがって、本件発明3は、甲1発明及び甲2~10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明4及び5について 本件発明4及び5は、本件発明3を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記アで検討した理由と同じ理由により、甲1発明及び甲2~10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)甲2を主引用例として検討 ア 本件発明3について (ア)対比 本件発明3と甲2発明を対比する。 a 甲2発明において、「車庫の壁18」、「自動車出入口11」及び「シャッターカーテン15」は、本件発明3の「建物の躯体」、「開口部」及び「開閉体」に、それぞれ相当する。 甲2発明の「自動車出入口11」は、「車庫の壁18」に「設けられ」ており、また、甲2発明の「シャッターカーテン15」が、前記「自動車出入口11」の開閉を行うことは明らかである。 そうすると、甲2発明の「シャッターカーテン15」は、本件発明3の「建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体」に相当する。 b 甲2発明の「ガイドレール16」は、「シャッターカーテン15」を備えた開閉装置を構成するものといえる。 そうすると、甲2発明の「ガイドレール16」は、本件発明3の「開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレール」に相当する。 c 甲2発明の「シャッターカーテン15の上下動(開閉動)を案内」する「ガイドレール16」は、本件発明3の「前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレール」に相当する。 d 本件発明3の「前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」の意味については、上記(1)ア(ア)dで検討したとおりである。 甲2発明において、「車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材」は、「車庫の壁18」を構成する部材であることは明らかであり、また、「車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材」は、「ガイドレール16」を「支持固定」していることから、支持する機能を有していることも明らかである。 そうすると、甲2発明において、「車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材」と、本件発明3の「前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材」とは、本件発明3の「前記躯体を構成する部材」のうち「支持部材」の点で共通する。 また、甲2発明は、「ガイドレール16」を「車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材に対して、支持固定」する構造を有しているところ、上記をふまえれば、当該構造と、本件発明3の「ガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造」とは、「ガイドレールを、前記躯体を構成する部材」のうち「支持部材」に対して固定するための固定構造」の点で共通する。 e 甲2発明において、「ガイドレール16」を、「車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材」に対して「支持固定」することと、本件発明3において、「前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定」することとは、「前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定」する点で共通する。 f 甲2発明の「ガイドレール16」は、「シャッターカーテン15」を開閉させる装置に用いるものであるから、本件発明3の「開閉装置用ガイドレール」に相当する。 また、甲2発明は、上記dで説明したとおり、「ガイドレール16」を「固定するための固定構造」を有していることは明らかである。 そうすると、甲2発明は、本件発明3の「開閉装置用ガイドレールの固定構造」に相当する構成を有しているといえる。 そうすると、本件発明3と甲2発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点A> 「建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち支持部材に対して固定するための固定構造であって、 前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定する、 開閉装置用ガイドレールの固定構造。」 <相違点1A> 「ガイドレール」を、「支持部材」に「固定」することについて、本件発明3では、「外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定する」ものであって、「前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって」、「固定」するのに対して、甲1発明では、「車庫の壁18のうちの自動車出入口11近傍の部材に対して、支持固定」する点。 <相違点2A> 本件発明3は、「少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え代部材を少なくとも備える」のに対して、甲2発明は、「フェノールFRP製のカバー22」が、「金属で形成され」た「ガイドレール16」に「被せられて」いる点。 (イ)判断 上記相違点について検討する。 事案に鑑み、相違点2Aから検討する。 a 相違点2Aについて (a)甲5記載技術には、心材(木材)を燃え止まり層で被覆し、さらに燃えしろとして機能する化粧用木材で被覆した点が記載され、甲6記載技術には、仕上げ材に木材を使用することが記載され、甲7記載技術には、荷重支持部の木材の周囲に不燃材を配し、化粧材としてCLTで被覆することが記載されている。 甲2発明の「ガイドレール16の外面」には、「車庫用シャッター装置の構成部材が熱で変形するなどを防止」するための「耐火性、遮熱性」の優れた「フェノールFRP製のカバー22」が被せられている。しかしながら、当該「カバー22」は、「フェノールFRP製」であるから、甲5記載技術~甲7記載技術に記載された化粧用木材等とは材質が異なるとともに、燃えしろとして機能するものではない。 また、甲2発明の「フェノールFRP製のカバー22」が被覆する対象は、「金属で形成され」る「ガイドレール16」であるのに対して、甲5記載技術~甲7記載技術に記載において、「化粧用木材」等が被覆する対象は、ガイドレールではなく木材であり、両者において、被覆の対象やその材質が異なっている。 したがって、甲2発明の「フェノールFRP製のカバー22」に換えて、甲5記載技術~甲7記載技術に記載された化粧用木材等を適用する動機付けはないから、甲2発明に、甲5記載技術~甲7記載技術を適用し、相違点2Aに係る本件発明3の構成とすることはできない。 (b)申立人が提出した甲8記載技術に示される、「金属製留付具4の頭部4aに塗布される耐火塗料5」は、熱が金属製留付具4に伝達するのを防止することを目的とするものである。一方、甲2発明の「フェノールFRP製のカバー22」は、遮熱性を備えるものであって、機能が共通しているものの、甲8記載技術の上記「耐火塗料5」は、燃えしろ部材ではないから、甲2発明に適用しても、相違点2Aに係る本件発明3の構成とすることはできない。 また、申立人が提出した他の証拠には、相違点2に係る本件発明3に係る技術は記載も示唆もされていないから、他の証拠に記載の技術を、甲2発明に適用しても、相違点2Aに係る本件発明3の構成とすることはできない。 (ウ)小括 したがって、本件発明3は、その他の相違点を検討するまでもなく、甲2発明及び甲1、3~10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明4及び5について 本件発明4及び5は、本件発明3を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記アで検討した理由と同じ理由により、甲2発明及び甲1、3~10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第5 むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項3~5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項3~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700091

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