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特許訂正審判

2023-390057

電子デバイスの一部を形成するアセンブリおよび電子デバイス

審判番号
2023-390057
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2020-019936外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7016546
請求日
2023年05月17日
審決日
2023年08月02日
公報発行日
2023年11月24日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .852-Y (H05K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7016546号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
特許第7016546号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

目次 ▾ 9項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件訂正審判の請求に係る特許第7016546(以下「本件特許」という。)は、2014年(平成26年)10月 3日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2013年10月 4日、米国)を国際出願日とする特願2016-546178号の一部を令和 2年 2月 7日に新たな出願としたものであって、その請求項1~16に係る発明について令和 4年 1月28日にその特許権の設定登録がなされ、その後、令和 5年 5月17日に本件訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容

本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所を示すために当審が付与した。)。

1 訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1において、「光導電性材料製」と記載されているのを、「光伝達性材料製」に訂正する。また、請求項1の記載を引用する請求項2~16も同様に訂正する。

2 訂正事項2

明細書の段落【0005】、【0006】、【0013】及び【0026】の記載において、「光導電性材料」を「光伝達性材料」に訂正する。

第4 証拠方法

本件訂正審判において提出された証拠は、以下のとおりである。

甲第1号証:竹林 滋(編集代表)、「新英和大辞典」、第6版(KODオンライン辞書)における「conduct」のページ、[online]、株式会社 研究社、2002年3月1日、[令和5年5月15日検索]、インターネット、<URL:https://kod.kenkyusha.co.jp/service/search/search_frame.jsp?back=false&page=form.jsp&methodName=%95W%8F%80%8C%9F%8D%F5&sortkey=index&field=photoconductivity&subMethod=wildcard&method=normal&book=normal-set&checkedBook=plus_e&checkedBook=eidai&checkedBook=eiwa&checkedBook=compass&checkedBook=comp&checkedBook=rika&checkedBook=igaku&checkedBook=business&checkedBook=katsuyou&checkedBook=wadai_j&checkedBook=waei&checkedBook=lumi_waei&checkedBook=plus_j>

甲第2号証:竹林 滋(編集代表)、「新英和大辞典」、第6版(KODオンライン辞書)における「photoconductivity」のページ、[online]、株式会社 研究社、2002年3月1日、[令和5年5月15日検索]、インターネット、<URL:https://kod.kenkyusha.co.jp/service/search/search_frame.jsp?back=false&page=form.jsp&methodName=%95W%8F%80%8C%9F%8D%F5&sortkey=index&field=photoconductivity&subMethod=wildcard&method=normal&book=normal-set&checkedBook=plus_e&checkedBook=eidai&checkedBook=eiwa&checkedBook=compass&checkedBook=comp&checkedBook=rika&checkedBook=igaku&checkedBook=business&checkedBook=katsuyou&checkedBook=wadai_j&checkedBook=waei&checkedBook=lumi_waei&checkedBook=plus_j>

甲第3号証:吉村壽次編、外14名、「化学辞典」、第2版、オンライン事典コトバンクにおける「光伝導性(光導電性)」のページ、[online]、森北出版株式会社、2009年12月、[令和5年5月15日検索]、インターネット、<URL:https://kotobank.jp/word/%E5%85%89%E4%BC%9D%E5%B0%8E%E6%80%A7-2124870>

甲第4号証:ポリカーボネート樹脂技術研究会、ポリカーボネート樹脂製造・販売の6社により1978年10月に設立、[online]、[令和5年5月15日検索]、インターネット、<URL:http://www.polycarbo.gr.jp/feature/feature_01.html>

第5 当審の判断

1 甲号証の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

(1) 甲第3号証

ア 甲第3号証には次の記載がある。

「
[図:0001403594000001.jpg]
」

イ 上記アによれば、「光導電性」とは「光吸収によって物質の電気伝導率が増す性質」であるといえる。

(2) 甲第4号証

ア 甲第4号証には次の記載がある。

「
[図:0001403594000002.jpg]
」

イ 上記アによれば、「ポリカーボネート」は「電気を通しにくく、電気絶縁性に優れてい」るといえる。

2 訂正事項1~2について

(1) 訂正事項1

ア 訂正の目的について

本件特許の訂正前の請求項1には、「前記カバー部材の内面に装着され、かつ、複数のインジケータ構造を含む前記カバー部材の少なくとも一部と同一空間に延在しており、光導電性材料製である光学的マトリックス層」との記載があり、本件特許の訂正前の請求項1の「光学的マトリックス層」の材料は、「光導電性」を有するものである。

ここで、「光導電性」の技術用語としての通常の意味は、上記1(1)イのとおりであり、これによれば、本件特許の訂正前の請求項1の「光導電性材料製である光学的マトリックス層」は、一見すると、光を吸収することにより電気伝導率が増加する性質を有するものであると解される。

しかし、本件特許の訂正前の請求項1には、「前記光学的マトリックス層に埋め込まれている複数の照明装置であって、2つ以上の周辺照明装置がインジケータ構造毎に設けられるように配置されており、各周辺照明装置が、対応するインジケータ構造の周縁でまたは周縁に隣接して前記カバー部材の内面に搭載されて前記対応するインジケータ構造へのバックライト照明を提供することで、前記複数のインジケータ構造の個々のインジケータ構造へ個別のバックライトを提供することができ、各周辺照明装置が、前記対応するインジケータ構造の周縁から横方向に変位されて、前記カバー部材の外面を前記対応するインジケータ構造において前記カバー部材の厚さ寸法に略平行な方向から見たときに前記カバー部材によって見えにくくされている照明装置」との記載があり、当該記載によれば、本件特許の訂正前の請求項1の「前記光学的マトリックス層に埋め込まれている複数の照明装置」は、インジケータ構造毎に配置された「2つ以上の周辺照明装置」であって、対応するインジケータ構造の周縁から横方向に変位されて配置され、複数のインジケータ構造の個々のインジケータ構造へ個別のバックライトを提供することができるから、当業者であれば「複数の照明装置」が埋め込まれている「光学的マトリックス層」が、光を吸収することにより電気伝導率が増加する性質、すなわち、「光導電性」を有する必要はなく、周辺照明装置からの光をインジケータ構造へ伝達する性質を有するものであることを認識するものといえる。

そうすると、本件特許の訂正前の請求項1に記載の「光導電性材料」は、一般的意味での「光導電性」を有する材料を意味しているとはいえず、訂正事項1に係る訂正は、これを、光を伝達する材料という本来の意味を表す「光伝達性材料」に訂正するものであり、本件特許の請求項1の「光学的マトリックス層」の材料について、光を吸収することにより電気伝導率が増加する性質ではなく、光を伝達する性質であることを明瞭にしようとするものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて

上記アで述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

よって、当該訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更する訂正ではないことについて

上記アで述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

エ 独立特許要件について

訂正事項1に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。

(2) 訂正事項2

ア 訂正の目的について

訂正事項2に係る訂正は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0005】、【0006】、【0013】及び【0026】にそれぞれ記載されている「光導電性材料」を「光伝達製材料」に訂正するものである。

そして、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書の記載を、上記訂正事項1により訂正された本件特許の請求項1の記載と整合させるためのものである。

また、「光学的マトリックス層」の材料について、本件特許明細書の段落【0011】には、「光学的マトリックス層は、たとえば成形ポリカーボネート、ポリウレタンなどの層を含む略透明成形プラスチック材料製であってもよい。」との記載があり、さらに、本件特許明細書の段落【0026】には、「マトリックス層106は、半透明プラスチックポリマー材料を備えている。この例示的実施形態では、マトリックス層106は、半透明な成形ポリカーボネートを含む略透明である。」との記載があるところ、「光学的マトリックス層」の材料である「ポリカーボネート」は、上記1(2)イのとおり、電気絶縁性に優れた性質を有するものであって、「光導電性」を有するものではないことは明らかであり、「光学的マトリックス層」の材料として、光吸収によって電気伝導率が増加する性質である「光導電性」の材料を用いるとすると、電気絶縁性に優れたポリカーボネートを用いることと矛盾することになる。

なお、本件特許明細書のその他の箇所に、「光学的マトリックス層」の材料として、当該「光導電性」の材料を用いることは記載されていない。

よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて

上記アで述べたとおり、訂正事項2に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

よって、当該訂正事項2に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更する訂正ではないことについて

上記アで述べたとおり、訂正事項2に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

エ 独立特許要件について

訂正事項2に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。

5 むすび

以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項~第7項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。

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2023-390057

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