特許訂正審判
2021-390182
ルーフパネルの取付構造及びその取付方法
- 審判番号
- 2021-390182
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-121820
- 登録番号
- 5983036
- 請求日
- 2021年11月12日
- 審決日
- 2022年01月11日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日産自動車 株式会社
- 【請求人代理人】三好 秀和
- 【請求人代理人】伊藤 正和
- 【請求人代理人】▼廣▲瀬 文雄
- 【請求人代理人】森 太士
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 藤井 昇
- 審判官 出口 昌哉
- 分類
- P141 .832-Y (B62D) / P141 .851-Y (B62D) / P141 .857-Y (B62D) / P141 .841-Y (B62D) / P141 .854-Y (B62D) / P141 .855-Y (B62D) / P141 .856-Y (B62D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項4号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第4項第1号、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第5983036号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第5983036号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、3、〔4、5〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第5983036号の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成24年5月29日に特許出願され、平成28年8月12日にその特許権の設定登録がされ、令和3年4月1日(令和3年3月31日付け、令和3年4月1日受付)に訂正審判が請求され、同年6月8日付けで「特許第5983036号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める。」との審決がなされ、当該審決は同年6月16日に確定した。
その後、同年11月12日付けで訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨
特許第5983036号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~5について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(審決注:下線部分は訂正箇所であり、請求人が訂正特許請求の範囲において示したとおりである。)。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を次のとおり訂正する。
(訂正前)
「【請求項2】
請求項1に記載のルーフパネルの取付構造であって、
前記傾斜面部には、前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部が形成されている
ことを特徴とするルーフパネルの取付構造。」
(訂正後)
「【請求項2】
ボディサイドインナとルーフサイドレールレインフォースとボディサイドアウタパネルにより閉断面を構成するルーフサイドレールと、ルーフ部を構成するルーフパネルとを備え、車幅方向両側に車両前後方向に延在する両ルーフサイドレール間にルーフパネルが載せられて結合されたルーフパネルの取付構造において、
前記ルーフパネルの車幅方向外側縁部は、車体内側下方へ円弧状に屈曲する外縁フランジ部とされ、
前記ボディサイドアウタパネルの車幅方向内側縁部は、前記ルーフサイドレールレインフォースと結合される内縁フランジ部と、この内縁フランジ部から起立して車両外側に傾斜し車両高さ方向で頂部となる傾斜面部とを有した構造とされ、
車両外側に傾斜する前記傾斜面部に対して前記外縁フランジ部が断面において点接触で結合されており、
前記傾斜面部には、前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部が形成されている
ことを特徴とするルーフパネルの取付構造。」
3.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を次のとおり訂正する。
(訂正前)
「【請求項3】
請求項1に記載のルーフパネルの取付構造であって、
前記傾斜面部には、前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部が複数形成されている
ことを特徴とするルーフパネルの取付構造。」
(訂正後)
「【請求項3】
ボディサイドインナとルーフサイドレールレインフォースとボディサイドアウタパネルにより閉断面を構成するルーフサイドレールとルーフ部を構成するルーフパネルとを備え、車幅方向両側に車両前後方向に延在する両ルーフサイドレール間にルーフパネルが載せられて結合されたルーフパネルの取付構造において、
前記ルーフパネルの車幅方向外側縁部は、車体内側下方へ円弧状に屈曲する外縁フランジ部とされ、
前記ボディサイドアウタパネルの車幅方向内側縁部は、前記ルーフサイドレールレインフォースと結合される内縁フランジ部とこの内縁フランジ部から起立して車両外側に傾斜し車両高さ方向で頂部となる傾斜面部とを有した構造とされ、
車両外側に傾斜する前記傾斜面部に対して前記外縁フランジ部が断面において点接触で結合されており、
前記傾斜面部には、前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部が複数形成されている
ことを特徴とするルーフパネルの取付構造。」
4.訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を次のとおり訂正する。
(訂正前)
「【請求項4】
ボディサイドインナとルーフサイドレールレインフォースとボディサイドアウタパネルにより閉断面を構成するルーフサイドレールと、ルーフ部を構成するルーフパネルとを備え、車幅方向両側に車両前後方向に延在する両ルーフサイドレール間にルーフパネルを載せて結合するルーフパネルの取付方法において、
前記ルーフパネルの車幅方向外側縁部を車体内側下方へ円弧状に屈曲した外縁フランジ部とし、
前記ボディサイドアウタパネルの車幅方向内側縁部を、前記ルーフサイドレールレインフォースと結合される内縁フランジ部と、この内縁フランジ部から起立して車両外側に傾斜し車両高さ方向で頂部となる傾斜面部とを有した構造として、
前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せ、車両外側に傾斜する前記傾斜面部に対して前記外縁フランジ部を断面において点接触させてルーフサイドレールとルーフパネルとを結合する
ことを特徴とするルーフパネルの取付方法。」
(訂正後)
「【請求項4】
ボディサイドインナとルーフサイドレールレインフォースとボディサイドアウタパネルにより閉断面を構成するルーフサイドレールと、ルーフ部を構成するルーフパネルとを備え、車幅方向両側に車両前後方向に延在する両ルーフサイドレール間にルーフパネルを載せて結合するルーフパネルの取付方法において、
前記ルーフパネルの車幅方向外側縁部を車体内側下方へ円弧状に屈曲した外縁フランジ部とし、
前記ボディサイドアウタパネルの車幅方向内側縁部を、前記ルーフサイドレールレインフォースと結合される内縁フランジ部と、この内縁フランジ部から起立して 車両外側に傾斜し車両高さ方向で頂部となる傾斜面部とを有した構造とし
前記傾斜面部には、前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せた際に前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部を形成し、
前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せ、車両外側に傾斜する前記傾斜面部に対して前記外縁フランジ部を断面において点接触させてルーフサイドレールとルーフパネルとを結合する
ことを特徴とするルーフパネルの取付方法。」
(請求項4の記載を引用する請求項5も同様に訂正する。)
5.一群の請求項についての説明及び別の訂正単位とする求めについて
訂正前の請求項1、2及び3について、請求項2及び3はそれぞれ請求項1の記載を引用する関係にあり、訂正前の請求項4及び5について、請求項5は請求項4を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項1~3及び一群の請求項〔4、5〕について請求されている。
また、訂正後の請求項2及び3については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、請求項1とは別の訂正単位として扱われることを求めている。
第4 当審の判断
1.訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、当該訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項(以下「本件明細書等」という。)の範囲内においてした訂正であること
訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、本件明細書等の範囲内においてした訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1による訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たす。
したがって、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2.訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、当該引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
(2)本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であること
訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、訂正事項2による訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3.訂正事項3
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項1の記載を引用する記載であるところ、当該引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
(2)本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であること
訂正事項3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、本件明細書等に記載 した事項の範囲内においてした訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、訂正事項3による訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4.訂正事項4について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項4に係る発明では、「前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せ、車両外側に傾斜する前記傾斜面部に対して前記外縁フランジ部を断面において点接触させてルーフサイドレールとルーフパネルとを結合する」ことを特定していたが、傾斜面部に形成された折れ曲部については何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項4に係る発明では、「前記傾斜面部には、前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せた際に前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部を形成」する旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項4による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であること
訂正後の請求項4に記載された「前記傾斜面部には、前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せた際に前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部を形成し、」に係る説明として、訂正前の請求項2に「前記傾斜面部には、前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部が形成されている」との記載があり、訂正前の請求項3に「前記傾斜面部には、前記外縁フランジ部が断面において点接触する接点より車両上方に傾斜面部と異なる角度で車両幅方向内側に曲がる折れ曲部が複数形成されている」との記載がある。
また、明細書の段落【0024】~【0026】、図5及び図6に「以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、図5に示すように、ボディサイドアウタパネル8の傾斜面部8bに、ルーフパネル3の外縁フランジ部5が点接触する接点Sより車両上方に車両幅方向内側に曲がる折れ曲部14を形成してもよい。折れ曲部14は、接点Sから頂部9の間で傾斜面部8bと異なる角度で車両幅方向内側に曲がるように傾斜して いる。この折れ曲部14が形成されることで、ルーフパネル3からボディサイドアウタパネル8の頂部9を乗り越えてサイドドア(図示は省略する)に到達する雨滴の流れを止めることができる。つまり、この折れ曲部14がダムの堰き止め壁として機能し、ルーフパネル3からサイドドアヘと流れようとする雨滴を堰き止める。この他、図6に示すように、ボディサイドアウタパネル8の傾斜面部8bに、ルーフパネル3の外縁フランジ部5が点接触する接点Sより車両上方に傾斜面部8bと異なる角度で車幅方向内側に曲がる折れ曲部14、15を複数形成してもよい。図6では、1つ目の折れ曲部14の先端に2つの折れ曲部15を形成することで、これら2つの折れ曲部14 、15が全体としてくの字状とされている。」との記載がある。
そして、図5及び図6は「前記両ルーフサイドレール間に前記ルーフパネルを載せた際」の状況を表していることは明らかであって、これらの事項から、訂正事項4は、本件明細書等に基づいて導き出される構成といえる。
したがって、当該訂正事項4による訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)の理由から明らかなように、訂正事項4は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正事項4による訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
また、訂正事項4は、訂正前の請求項4の記載以外に、訂正前の請求項5の記載について訂正するものではなく、請求項5のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項4は、上記(1)に示したとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項4による訂正により、特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たす。
したがって、訂正事項4による訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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