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特許訂正審判

2025-390083

内燃機関のカム角センサ取付構造

審判番号
2025-390083
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2005-213576
登録番号
4321504
請求日
2025年06月30日
審決日
2025年11月06日
公報発行日
2026年02月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】日産自動車株式会社
  • 【請求人代理人】小林 博通
  • 【請求人代理人】富岡 潔
  • 【請求人代理人】山口 幸二
  • 【請求人代理人】高嶋 一彰
審判長/審判官
  • 審判長 遠藤 秀明
  • 審判官 西山 智宏
  • 審判官 八木 誠
分類
P141 .853-Y (F02D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項特許法126条6項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第4321504号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第4321504号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2~8〕について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許第4321504号(以下「本件特許」という。)は、平成17年7月25日に特許出願され、平成21年6月12日に特許権の設定登録がされ、令和7年6月30日に本件訂正審判が請求されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4321504号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~8について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 本件訂正の内容 請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線部分は訂正箇所であり、請求人が訂正特許請求の範囲において示したとおりである。)。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項2に、 「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記ヘッドカバー及びセンサブラケットが金属製であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム角センサ取付構造。」とあるのを、 「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記シリンダヘッド及びセンサブラケットが金属製であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム角センサ取付構造。」と訂正する。 請求項2の記載を引用する請求項3,4,5,6,7,8についても同様に訂正する。 第4 当審の判断 1 一群の請求項について 本件訂正前の請求項3~8は請求項2を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものである。 したがって、本件訂正前の請求項2~8は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 そして、訂正事項1は、この一群の請求項に対して請求されたものである。 2 訂正事項1について (1)訂正の目的の適否について ア 訂正前の請求項2には「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記ヘッドカバー及びセンサブラケットが金属製である」と記載されている。 ここで、「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であ」ることと、「上記ヘッドカバー」「が金属製である」こととは整合していないため、上記記載は明瞭でない記載である。 イ 本件特許の明細書には、以下のとおり記載されている(下線は当審が付した。)。 「【0010】 シリンダヘッド10は、アルミ合金により鋳造され、上方に向けて開口する上面開口11を有する。この上面開口11を覆うように、シリンダヘッド10の上部にヘッドカバー(ロッカーカバーやカムカバーとも呼ぶ)12が複数のボルトボス部40でボルトにより固定される。このヘッドカバー12は、軽量かつ安価な合成樹脂材料により一体的に型成形されるもので、振動・異音を生じることのないように、音振性に優れた、いわゆるフルフローティング(又はセミフローティング)の取付構造によってシリンダヘッド10にソフトマウントされている。すなわち、ヘッドカバー12のフランジ状の下面開口周縁部13に形成されたガスケット溝14にはガスケット15が装着され、このガスケット15によって、下面開口周縁部13と、これに対向するシリンダヘッド10のフランジ状の上面開口周縁部16と、が所定の隙間17を確保した状態で全周にわたって液密に密閉されている。」 「【0013】 シリンダヘッド10の上面後部には、カム角センサ22が取り付けられるセンサブラケット24が取り付けられる。このセンサブラケット24は、アルミ合金又は鋳鉄等のようにシリンダヘッド10と同等の剛性・強度を有する金属材料により形成されており、略円筒状をなす3つのブラケットボス部25でボルトによってシリンダヘッド10のボルトボス部26に強固かつ堅牢に固定され、つまりシリンダヘッド10に剛に取り付けられる。なお、シリンダヘッド10の上面開口周縁部16にガスケット15が配置される幅を全周にわたって確保するように、上記のボルトボス部26はシリンダヘッド10の内壁より内方へ張り出すように形成されている。また、センサブラケット24には、上記のブラケットボス部25の上縁に接続する略平坦な平坦部28が設けられ、この平坦部28に、カム角センサ22が嵌合・保持される略円筒状の一対のセンサ取付ボス29I,29Eが形成されている。このようにセンサブラケット24は、シリンダヘッド10の上面周縁部16に対し、シリンダヘッド10の両側壁及び後壁中央部の三箇所で堅牢に固定され、つまりシリンダヘッド10の両側壁及び後壁に架け渡された状態でシリンダヘッド10の上方に安定して支持されており、シリンダヘッド10の後部側を補強するための補強部材としても機能している。」 「【0017】 シリンダヘッド10に剛に取り付けられる金属製のセンサブラケット24にカム角センサ22を取り付けており、これらシリンダヘッド10やセンサブラケット24に対してヘッドカバー12をソフトマウントしている。つまり、このヘッドカバー12を軽量かつ安価な合成樹脂製とし、その取付構造を音振性に優れたフルフローティングつまりソフトマウント構造としている。このように、センサブラケット24を介してカム角センサ22を安定的に保持して検出精度の向上を図りつつ、ソフトマウント構造のヘッドカバー12の合成樹脂化により軽量化・低コスト化及び音振性の向上等を図ることができる。」 ウ 上記イにおいて摘記した「このヘッドカバー12は、軽量かつ安価な合成樹脂材料により一体的に型成形されるもので」(【0010】)との記載及び「このヘッドカバー12を軽量かつ安価な合成樹脂製とし」(【0017】)との記載からみて、明細書には「ヘッドカバー」が「合成樹脂製」であることが記載されていると認められる。そして、明細書における【発明を実施するための最良の形態】には「ヘッドカバー」が「合成樹脂」以外の材料で構成されることについて、記載も示唆もされていない。 また、上記イにおいて摘記した「シリンダヘッド10は、アルミ合金により鋳造され」(【0010】)との記載、「このセンサブラケット24は、アルミ合金又は鋳鉄等のようにシリンダヘッド10と同等の剛性・強度を有する金属材料により形成されており、」「シリンダヘッド10のボルトボス部26に強固かつ堅牢に固定され、つまりシリンダヘッド10に剛に取り付けられる。」(【0013】)との記載及び「シリンダヘッド10に剛に取り付けられる金属製のセンサブラケット24」(【0017】)との記載からみて、明細書には「シリンダヘッド」及び「センサブラケット」が「金属製」であることが記載されていると認められる。そして、明細書における【発明を実施するための最良の形態】には「シリンダヘッド」及び「センサブラケット」が「金属」以外の材料で構成されることについては、記載も示唆もされていない。 してみると、訂正前の請求項2の「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記ヘッドカバー及びセンサブラケットが金属製である」との明瞭でない記載は、明細書の記載を参酌することにより、「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記シリンダヘッド及びセンサブラケットが金属製である」と解釈することができると認められる。 エ してみると、訂正事項1は、訂正前の「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記ヘッドカバー及びセンサブラケットが金属製である」との明瞭でない記載を、明細書の記載に基づいて、訂正後の「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記シリンダヘッド及びセンサブラケットが金属製である」との明瞭な記載に訂正するものであるといえる。してみると、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加の有無について 本件特許の願書に添付した明細書には、上記(1)イで摘記した内容が記載されている。そして、上記(1)ウで説示したとおり、明細書には「ヘッドカバー」は「合成樹脂製」であること、並びに、「シリンダヘッド」及び「センサブラケット」が「金属製」であることが記載されていると認められる。 してみると、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について 上記(1)ウで説示したとおり、訂正前の請求項2の「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記ヘッドカバー及びセンサブラケットが金属製である」との明瞭でない記載は、明細書の記載を参酌することにより、「上記ヘッドカバーが合成樹脂製であり、上記シリンダヘッド及びセンサブラケットが金属製である」と解釈することができると認められる。 してみると、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項1は、上記(1)で説示したとおり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-390083

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