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特許訂正審判

2021-390033

カート及びホルダ

審判番号
2021-390033
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2020-109049
登録番号
特許第6828207号(P6828207)
請求日
2021年02月05日
審決日
2021年06月01日
公報発行日
2021年11月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】東芝テック 株式会社
  • 【請求人代理人】蔵田 昌俊
  • 【請求人代理人】井上 正
  • 【請求人代理人】飯野 茂
  • 【請求人代理人】森川 元嗣
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 一浩
  • 審判官 藤井 昇
  • 審判官 氏原 康宏
分類
P141 .832-Y (G07G) / P141 .853-Y (G07G) / P141 .841-Y (G07G) / P141 .854-Y (G07G) / P141 .855-Y (G07G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6828207号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第6828207号の明細書,特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付された訂正明細書,訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項[1-6],[7-10]について訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 特許第6628207号の請求項1~10に係る特許についての出願は,平成30年3月2日に出願した特願2018-38012号の一部を令和2年6月24日に新たな特許出願としたものであって,令和3年1月22日にその特許権の設定登録がされ,そして,同年2月5日に本件訂正審判の請求がなされた。 第2.請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は,特許第6828207号の明細書,特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正明細書,訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項[1-6],[7-10]について訂正することを認める,との審決を求めるものである。 第3.本件訂正内容 令和3年2月5日付けの本件訂正審判により請求された訂正の内容は以下の訂正事項1~4のとおりである(下線部は,訂正箇所を示し,当審で付与した。)。 1.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」とあるのを,「前記ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」と訂正する。 2.訂正事項2 特許請求の範囲の請求項7に「前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」とあるのを,「前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」と訂正する。 3.訂正事項3 特許請求の範囲の請求項10に「請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のカート。」とあるのを,「請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のホルダ。」と訂正する。 4.訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【0007】に「ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」とあるのを,「ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」と訂正する。 本件審判請求書による訂正は,一群の請求項[1~6],[7~10]に対して請求されたものである。また,明細書に係る訂正は,一群の請求項[1~6],[7~10]について請求されたものである。 第4.当審の判断 1.訂正の目的の適否について (1)訂正事項1 訂正前の請求項1に係る特許発明は,「ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」と記載されており,この記載によれば「ホルダ」はハンドルバーに設けられ,商品の情報を撮像する商品撮像装置を載置部に対して傾斜して配置できるものであることが特定され,さらに,載置部に商品撮像装置が配置された場合,商品撮像装置の商品の情報を撮像する撮像部が載置部側へ向くように配置可能であることを特定している。 しかしながら,願書に添付した明細書には,段落【0037】に「スキャナ140をスキャナホルダ130から取り外して,顧客が商品に近づけて読み取りを行う構成しても良い。」との記載はあるものの,載置部に商品撮像装置(スキャナ140)が配置されることは記載されておらず,願書に添付した明細書の段落【0016】に「このスキャナホルダ130に着脱可能に取り付けられ,商品を特定する商品コードを読み取るスキャナ(商品コード読取装置)140を具備している。」とあるように,商品撮像装置(スキャナ140)はホルダ(スキャナホルダ130)に配置されることが記載されている。 また,「前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能」という構成が技術的に明らかでなく,その意味する内容は理解できない。すなわち,載置部に商品撮像装置が配置されている場合に「撮像部が前記載置部側へ向く」との記載では,商品撮像装置が載置部に配置されて載置部側へ向くということになり撮像部が向く方向が特定できないものとなっている。 このように,訂正前の請求項1には明瞭でない記載が含まれている。 これに対して,訂正後の請求項1は,「ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」との記載により,「ホルダ」は,ハンドルバーに設けられ,商品の情報を撮像する商品撮像装置を載置部に対して傾斜して配置できるものであることが特定され,さらに,「ホルダ」に商品撮像装置が配置された場合,商品撮像装置の商品の情報を撮像する撮像部が載置部側へ向くように配置可能であることが特定されるものであり,撮像部が載置部側へ向くことが明瞭になる。また,訂正後の請求項1は,願書に添付した明細書に記載された内容に整合するものである。 したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 同様に,訂正後の請求項2ないし6は,訂正後請求項1を直接または間接的に引用することにより,訂正後の請求項2ないし6に係る発明について明確にするものであるため,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)訂正事項2 訂正前の請求項7に係る特許発明は,「・・・ホルダであって,」「前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」と記載されており,この記載によれば「ホルダ」は,ハンドルバーに設けられ,商品の情報を撮像する商品撮像装置を載置部に対して傾斜して配置できるものであることが特定され,さらに,載置部に商品撮像装置が配置された場合,商品撮像装置の商品の情報を撮像する撮像部が載置部側へ向くように配置可能であることを特定している。 しかしながら,願書に添付した明細書には,段落【0037】に「スキャナ140をスキャナホルダ130から取り外して,顧客が商品に近づけて読み取りを行う構成しても良い。」との記載はあるものの,載置部に商品撮像装置(スキャナ140)が配置されることは記載されておらず,願書に添付した明細書の段落【0016】に「このスキャナホルダ130に着脱可能に取り付けられ,商品を特定する商品コードを読み取るスキャナ(商品コード読取装置)140を具備している。」とあるように,商品撮像装置(スキャナ140)はホルダ(スキャナホルダ130)に配置されることが記載されている。 また,「前記載置部に前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能」という構成が技術的に明らかでなく,その意味する内容は理解できない。すなわち,載置部に商品撮像装置が配置されている場合に「撮像部が前記載置部側へ向く」との記載では,商品撮像装置が載置部に配置されて載置部側へ向くということになり撮像部が向く方向が特定できないものとなっている。 このように,訂正前の請求項7には明瞭でない記載が含まれている。 これに対して,訂正後の請求項7は,「・・・ホルダであって,」「前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」との記載により,「ホルダ」は,ハンドルバーに設けられ,商品の情報を撮像する商品撮像装置を載置部に対して傾斜して配置できるものであることが特定され,さらに,「ホルダ」に商品撮像装置が配置された場合,商品撮像装置の商品の情報を撮像する撮像部が載置部側へ向くように配置可能であることが特定されるものであり,撮像部が載置部側へ向くことが明瞭になる。また,訂正後の請求項7は,願書に添付した明細書に記載された内容に整合するものである。 したがって,訂正事項2は,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 同様に,訂正後の請求項8ないし10は,訂正後請求項7を直接または間接的に引用することにより,訂正後の請求項8ないし10に係る発明について明確にするものであるため,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (3)訂正事項3 請求項7乃至請求項9に記載された発明は「ホルダ」に関する発明であるから,請求項7乃至請求項9を引用する訂正前の「請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のカート。」が「請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のホルダ。」を意味していたのか,それとも「請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のホルダを備えるカート。」を意味していたのかは,明瞭でない。 このように,訂正前の請求項10には明瞭でない記載が含まれている。 そうすると,訂正事項3は,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (4)訂正事項4 訂正事項4は,訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正に伴って,請求項1及び請求項7の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため,願書に添付した明細書段落【0007】を訂正するものである。 したがって,当該訂正事項4は,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 2.新規事項の追加の有無について (1)訂正事項1 訂正事項1の「前記ホルダは,前記ハンドルバーに設けられ,前記商品の情報を撮像する商品撮像装置を前記載置部に対して傾斜して配置できるとともに,前記商品撮像装置が配置された場合,前記商品撮像装置の前記商品の情報を撮像する撮像部が前記載置部側へ向くように配置可能であり」との事項は,段落【0016】の「図2に示すように,スキャナ装置120は,ハンドルバー42に取り付けられたスキャナホルダ130と,このスキャナホルダ130に着脱可能に取り付けられ,商品を特定する商品コードを読み取るスキャナ(商品コード読取装置)140を具備している。」及び段落【0017】の「スキャナホルダ130は,ハンドルバー42に締結される下部のホルダベース131と,ホルダベース131の上部に設けられたホルダ筐体132を有している。ホルダベース131は,ホルダ筐体132を,図2及び図4中矢印Qで示すように,カート部20の前後方向にそれぞれ鉛直方向を基準に最大90°に傾動させるチルト機能と,図2及び図4中矢印Rで示すように,鉛直方向の軸を回動中心に回動させる回動機能を備えている。」との記載及び図示内容からみて明らかな事項であり,当該訂正事項1は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であり,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2 訂正事項2の訂正内容は実質的に訂正事項1と同じであり,上記(1)のとおり,当該訂正事項2は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であり,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3 上記1.(3)に記載の理由から明らかなように,訂正事項3は,請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の「ホルダ」とするものであって,願書に添付した特許請求の範囲の請求項7乃至9に記載されているから,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であり,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4 訂正事項4は,実質的に訂正事項1及び訂正事項2と同じであり,上記(1)のとおり,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であり,特許法第126条第5項の規定に適合するものである 3.特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1 上記1.(1)に記載の理由のとおり,訂正事項1は,明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり,カテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 訂正事項1は,訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2ないし6についても実質的に訂正するものであるが,上記1.(1)の理由から明らかなように訂正後の請求項1の記載は,訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し,又は変更するものではない。 また,訂正事項1は,訂正前の請求項1の記載以外に,訂正前の請求項2ないし6について何ら訂正するものではない。 したがって,訂正事項1は,訂正前の請求項2ないし6との関係で,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではない。 (2)訂正事項2 上記1.(2)に記載の理由のとおり,訂正事項2は,明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり,カテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 訂正事項2は,訂正前の請求項7の記載を引用する訂正前の請求項8ないし10についても実質的に訂正するものであるが,上記1.(2)の理由から明らかなように訂正後の請求項7の記載は,訂正前の請求項7との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し,又は変更するものではない。 また,訂正事項2は,訂正前の請求項7の記載以外に,訂正前の請求項8ないし10について何ら訂正するものではない。 したがって,訂正事項2は,訂正前の請求項8ないし10との関係で,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではない。 (3)訂正事項3 上記1.(3)に記載の理由のとおり,訂正事項3は,明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり,カテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4 上記1.(4)に記載の理由から明らかなように,訂正事項4は,明細書段落【0007】の記載を請求項1及び請求項7の記載に整合させるものであり,カテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4.独立特許要件について (1)訂正事項1~3 訂正事項1~3は,上記1.(1)~(3)で述べたように明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから,独立特許要件は課されない。 第5.むすび 以上のとおりであるから,本件審判の請求に係る訂正は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同法第126条第5項ないし第6項の規定に適合する。 よって,結論のとおり審決する。

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2021-390033

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