審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2025-008668

情報処理端末装置およびプログラム

審判番号
2025-008668
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-037343
請求日
2025年06月04日
審決日
2026年02月09日
公報発行日
2026年04月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】東芝テック株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 富澤 哲生
  • 審判官 岩間 直純
  • 審判官 米倉 明日香
分類
P18 .121-Z (G07G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 37343「情報処理端末装置およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 9月22日出願公開、特開2022-137713〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2021年(令和3年)3月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年 8月15日付け 拒絶理由通知書 令和6年10月28日 意見書の提出 令和6年11月25日付け 拒絶理由通知書 令和7年 2月 3日 意見書の提出 令和7年 2月19日付け 拒絶査定 令和7年 6月 4日 審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和7年6月4日に提出された手続補正書でした補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年6月4日に提出された手続補正書でした補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「【請求項1】 店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置であって、 商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、 前記入力部に入力された商品識別情報に基づいて商品登録を行う登録部と、 前記商品を販売する店舗の店員であることを識別する店員識別情報を受付ける第1の受付部と、 前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報、および前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報を出力する出力部と、 を備える情報処理端末装置。」 (2) 本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 店舗内を移動する顧客によって操作される情報処理端末装置であって、 商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、 前記入力部に入力された商品識別情報に基づいて商品登録を行う登録部と、 前記商品を販売する店舗の店員であることを識別する店員識別情報を受付ける第1の受付部と、 前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報、および前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報を出力する出力部と、 を備える情報処理端末装置。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の「店舗内を移動する顧客によって操作される情報処理端末装置」を「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置」と補正するものであり、「情報処理端末装置」に「店舗内を移動する顧客によって操作され」との事項を付加するものであるところ、当該事項は、願書に最初に添付された明細書の段落【0014】等に記載されたものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものである。 また、本件補正は特許法第17条の2第4項の規定にも適合するものである。 また、本件補正に係る補正事項は、補正前の請求項1の発明特定事項である「情報処理端末装置」を限定するものであり、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、本件補正が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下、検討する。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものである。 (2) 引用文献1 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2009-163323号公報(2009年(平成21年)7月23日公開。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(強調のため、下線を当審で付した。以下、同様。) (ア) 「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は商品販売処理システムに係り、特に来店客自身が所定の端末で商品のコードを読み取って、その端末を用いて精算を行う商品販売処理システムに関する。 【背景技術】 【0002】 スーパーマーケット等の小売店で客が買い上げる商品の登録・精算を行う商品販売処理システムとして、買い上げる商品の登録を客自身が行うセルフスキャニングシステムと呼ばれる商品販売処理システムが提案されている。例えば、特許文献1によれば、POSレジスタに相当する商品販売データ処理装置本体と、店員が使用していたバーコードスキャナに代わって来店客がバーコード読み取りに使用する装置である携帯型端末機とから、システムが構成されている。 【特許文献1】特開昭63-245594号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、店舗に並ぶ商品の中には、それを購入するのに年齢制限が設けられている商品(以下、このような商品を年齢制限商品と呼ぶ)がある。そして、購入可能な年齢に満たない顧客が年齢制限商品であることを知らずに年齢制限商品を購入しようとしてバーコードを読み取った場合には、レジでの精算時に店員が年齢制限商品であることを顧客に告げ、その年齢制限商品をキャンセルして商品の陳列棚に戻さなければならず、顧客にとって不便であるとともに、小売店側にとっては面倒な作業が生じてしまっていた。 【0004】 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、顧客が年齢制限商品をレジで精算する前に年齢制限商品であることを知ることができる商品販売処理システムを提供することにある。」 (イ) 「【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。 図1は、本発明の一実施形態による商品販売処理システムのシステム構成を示した図である。同図において、商品販売処理システムには、ストアコントローラ10と、複数台のPOSレジスタ20と、来店客が商品のコード読み取りに使用するn台のハンディターミナル30-1~30-n(携帯端末)と、各POSレジスタ20に有線接続され、ハンディターミナルが買い上げ商品の精算時にセットされるレジ用クレードル21(中継器)と、ハンディターミナルが未使用時に載置されている客用クレードル40と、会員カードリーダ50とが含まれている。また、各POSレジスタ20と客用クレードル40は、LAN(Local Area Network)60によりストアコントローラ10に接続されている。 【0015】 ここで、ストアコントローラ10と各POSレジスタ20とは、本商品販売処理システムを構築する小売店において既に導入済みの既存の装置類であり、そこに、レジ用クレードル21、ハンディターミナル30-1~30-n、客用クレードル40、会員カードリーダ50を追加導入することにより、本商品販売処理システムが構成されることになる。 【0016】 ストアコントローラ10は、商品ファイル、会員ファイル、販売実績ファイルなどの各種ファイルやデータの管理を行うコンピュータである。ここで、商品ファイルは、各商品の商品名、商品コード、販売価格などの商品情報を格納したファイルであり、必要に応じてその内容を編集・変更することが可能になっているとともに、最新の商品ファイルが各POSレジスタ20と客用クレードル40に適宜送信される。また、会員ファイルは、この小売店に会員として登録した客のリストを会員番号などとともに格納したものである。また、販売実績ファイルは、各POSレジスタ20で登録・精算処理したデータを集計することにより生成したファイルである。 【0017】 POSレジスタ20は、来店客が買い上げる商品の登録および精算を行うための装置であり、各種の操作キーや表示部などを備えている。このPOSレジスタ20は、元々、店員の操作により商品のバーコードを読み取るバーコードスキャナ(図示せず)が所定のケーブルで接続されていたものであるが、そのバーコードスキャナを取り外し、取り外した後の接続コネクタ20aに、レジ用クレードル21が接続される。この接続には、取り外したバーコードスキャナで用いていたのと同じ通信規格、例えばRS-232Cインタフェースを用いる。これにより、POSレジスタ20とレジ用クレードル21、およびレジ用クレードル21に載置される後述のハンディターミナル30の間は、RS-232Cのシリアル通信によりデータの通信が行われることになる。レジ用クレードル21のレジ側の端子とハンディターミナル側の端子間は、直接、信号線で接続されている。 【0018】 本商品販売処理システムを導入した小売店では、客用クレードル40と会員カードリーダ50が店内の入口付近に設置される。客用クレードル40には未使用のハンディターミナル30が複数セットされて来店客の使用に備えられており、来店客が会員カードを会員カードリーダ50に通すことで、そのうちの一つが使用可能状態となる。来店客は、そのハンディターミナル30を客用クレードル40から取り外して、買い物を開始する。そして、買いたい商品のコードをハンディターミナル30に読み取らせていき、最後にPOSレジスタ20へ行ってレジ用クレードル21にハンディターミナル30をセットする(図1ではハンディターミナル30-1がセットされている)。 【0019】 そうすると、上記読み取られた商品のコードなどの商品買上情報が、ハンディターミナル30からレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20へ送信される。POSレジスタ20は、こうして取得した商品買上情報に従って、図示しないメモリに保持している商品ファイル(上記したようにストアコントローラ10から受信したもの)を参照することにより商品登録を実行する。これにより、POSレジスタ20において、買い上げ商品の合計金額が算出され、算出された合計金額等がPOSレジスタ20の表示部に表示され、店員が精算操作をすると精算処理が行われて販売実績ファイルが更新され、レシートが発行される。 【0020】 なお、客用クレードル40は、CPUやメモリ(図示省略)を備えるとともに、ストアコントローラ10、セットされたハンディターミナル30、および会員カードリーダ50と通信するための通信機能を有している。そして、ストアコントローラ10から送信された商品ファイルをメモリに記憶しておき、ハンディターミナル30がセットされた時、ハンディターミナル30内の商品ファイルを更新する。また、(複数の)ハンディターミナル30がセットされた順番を管理して、セットされているハンディターミナル30の中で最も早くセットされたものに、会員カードリーダ50からの会員番号データを送信する。 【0021】 図2は、ハンディターミナル30の構成を示すブロック図、図3および図4は、ハンディターミナル30のそれぞれ表側外観図、裏側外観図である。なお、表側は表示ディスプレイ305が設けられている面、裏側はその反対側の面である。 【0022】 CPU301は、中央処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ハンディターミナル30の動作を制御する。 ROM302は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。 RAM303は、ストアコントローラ10より取得した商品ファイル(図6参照)や、スキャナ部304で読み取った商品のバーコードのデータなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。 また、CPU301は、スキャナ304で読み取った商品のバーコードに基づいて、RAM303に記憶された商品ファイルを参照することによりその商品が年齢制限商品であるか否かを判断し、年齢制限商品である場合は、年齢制限商品である旨を表示ディスプレイ305に表示させる。 【0023】 スキャナ部304は、商品に付されているバーコードを読み取るためのものであり、読み取ったバーコードの情報を所定の形式のデータに変換して出力する。このスキャナ部304は、図4に示されるように、ハンディターミナル30の裏側の面に設けられており、バーコードをスキャナ部304に近付けることにより、読み取り動作が行われる。客の操作によってバーコード読み取りが行われスキャナ部304から出力されたデータは、買い上げ商品を特定するデータとしてRAM303へ送られ、記憶される。 【0024】 表示ディスプレイ305は、スキャナ部304によりバーコードを読み取った商品の個別の商品名や値段、年齢制限商品である場合にはその旨、読み取った全商品のリストや合計金額、買い上げ点数、その他各種のメッセージ(例えば、ハンディターミナル30の使い方が分からない客のための使用方法案内表示)などを表示する。また、表示ディスプレイ305の上側中央部には、LED発光部305aが設けられる。このLED発光部305aは、その点灯によって、客用クレードル40に複数載置されたハンディターミナル30のうちどれを使用するかを来店客に報知するためのものであり、上記した会員カードリーダ50からの会員番号データが受信されると、LED発光部305aが点灯するように制御が行われるようになっている。 【0025】 操作部306は、ハンディターミナル30を操作する各種のキーからなり、図3に示されるように、バーコードの読み取りを開始するためのスキャンキー3061、バーコードを読み取った商品を1つずつ取り消したり数量を修正したりするための訂正キー3062、読み取った全商品を取り消すための取消キー3063、買い上げる商品の数量を指定するための+(プラス)キー3064、-(マイナス)キー3065、読み取った全商品のリスト表示において商品を選択するカーソルを上下させるための上下矢印キー3066、入力操作を決定するための決定キー3067を有している。 【0026】 通信部307は、レジ用クレードル21および客用クレードル40との間で行うデータ通信の制御を行う。具体的には、ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続された場合には、RAM303に記憶された買い上げ商品のデータ(スキャナ部304により商品のバーコードから読み取ったデータ)をレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20に送信し、ハンディターミナル30が客用クレードル40に接続された場合には、ストアコントローラ10から送信される、最新の商品ファイルや会員番号データを受信する。なお、これらのデータ通信は、上記したようにRS-232Cの通信プロトコルに従って行われる。 【0027】 ここで、ハンディターミナル30とレジ用クレードル21および客用クレードル40との電気的接続は、図4に示されるように、ハンディターミナル30の裏側の面に設けられた接続端子3071によりとられている。また、この接続端子3071は、上記のデータ通信のほか、客用クレードル40に接続された時に充電式電池310の充電を行う用途も兼ねている。 【0028】 ブザー308は、客用クレードル40に複数載置されているハンディターミナル30のうち、LED発光部305aが消灯しているハンディターミナル30が客用クレードル40から取り外された場合にブザー音を発生させるものである。 【0029】 電源制御部309は、ハンディターミナル30が客用クレードル40に接続されている間に、客用クレードル40から供給される電力による充電式電池310への充電を制御する。 充電式電池310は、ハンディターミナル30の各部を動作させるための電力を供給する。 【0030】 図5は、レジ用クレードル21の外観図を示したものである。レジ用クレードル21の上面(図中右側部分)には、ハンディターミナル30の接続端子3071と接続される接続端子211が設けられている。この接続端子211にハンディターミナル30の接続端子3071が接続されると、ハンディターミナル30は、レジ用クレードル21、レジ用クレードル21の接続ケーブル212、POSレジスタ20の接続コネクタ20aを順次通ってPOSレジスタ20と電気的に接続され、POSレジスタ20とデータ通信を行うことができる状態となる。 【0031】 また、レジ用クレードル21は、接続端子211の左右両側が凸状部213を有するように形成されているとともに、これら凸状部213と直角をなす部位が凹状部214を有するように形成されている。ハンディターミナル30はこれらの凸状部213および凹状部214に挟み込まれるような状態で、レジ用クレードル21にセットされるようになっている。すなわち、ハンディターミナル30をレジ用クレードル21に載置する際、凸状部213および凹状部214がハンディターミナル30を所定の位置へ案内するガイド部として機能することによって、ハンディターミナル30の接続端子3071とレジ用クレードル21の接続端子211とが正しく接触し、電気的接続がなされることとなる。 【0032】 なお、図5に示すように、レジ用クレードル21の下側側面には、電源ランプ、通信ランプ(セットされたハンディターミナル30とPOS端末20とが通信中であることを示す)、エラーランプ(通信エラーが発生したことを示す)などが設けられている。 【0033】 図6は、RAM303に記憶された商品ファイルの一例を示す図である。商品ファイルは、JANコード、商品名、値段、年齢制限、等の各項目から構成される表形式のデータであり、1行が1つの商品の情報を表している。ここで、「年齢制限」の項目は年齢制限商品の種別を表し、「0」が年齢制限商品でないことを意味し、「1」が年齢制限商品であることを意味する。図6において、例えばJANコードが00004の商品は、商品名がビールであり、値段が320円であり、年齢制限が「1」であるので年齢制限商品である。 【0034】 図7は、会員カードリーダ50から送信される会員番号データの一例を示す図である。会員番号データは、会員番号、名前、住所、年齢、及び電話番号の各項目から構成されるデータである。例えば、会員番号0001の会員は、名前が日本太郎であり、住所が東京都大田区山の手1-2-3であり、年齢がXX歳であり、電話番号が03-1234-5678である。 【0035】 図8は、一人の顧客が買い物をする際にCPU301が生成してRAM303に記憶される商品買上情報の一例を示す図である。商品買上情報は、JANコード、商品名、値段、数量、年齢制限、日付(その商品をハンディターミナル30で読み取った日時)、等の各項目から構成される表形式のデータであり、1行がハンディターミナル30で読み取った1つの購入商品の情報を表している。図8において、例えばJANコードが00001の商品は、商品名がジュースであり、値段が120円であり、購入数量が2個であり、年齢制限が「0」であるので年齢制限商品ではなく、日付が070724102003(2007年7月24日午前10時20分3秒)である。 【0036】 図9は、年齢制限商品のバーコードをハンディターミナル30で読み取った際に表示ディスプレイ305に表示される表示内容(読み取りメッセージ)の一例を示す図である。表示ディスプレイ305には、合計買上点数、合計金額、買い上げた各商品の商品名、数量、単価、小計(単価に数量をかけた金額)、が表示され、更に、年齢制限商品がある場合には、メッセージ表示エリアに「当商品は年齢確認商品です。登録しますか、キャンセルしますか。」との年齢制限商品であることを報知するメッセージが年齢制限商品を指し示す矢印とともに表示される。 【0037】 図10は、ハンディターミナル30をレジ用クレードル21に挿入された際に表示ディスプレイ305に表示される表示内容の一例を示す図である。表示ディスプレイ305には、合計買上点数、合計金額、買い上げた各商品の商品名、数量、単価、小計、が表示され、更に、年齢制限商品がある場合には、メッセージ表示エリアに「年齢制限商品があります。確認してください。」との年齢制限商品であることを報知するメッセージが表示されるとともに、年齢確認結果を入力するための「OK」と「NO」の選択ボタンが表示される。「OK」ボタンは店員が顧客の年齢を確認して問題がなかった場合に選択するボタンであり、「NO」ボタンは年齢に問題がある場合に選択するボタンである。なおこれらのボタンの入力は、操作部306のキーを使って表示ディスプレイ305上のカーソルを移動させることによって行う。 【0038】 図11は、精算時にハンディターミナル30からPOSレジスタ20へ商品買上情報が送信されてPOSレジスタ20に表示される表示内容の一例を示す図である。POSレジスタ20には、合計買上点数、合計金額、買い上げた各商品の商品名、数量、単価、小計、が表示される。ここで、年齢制限商品であるビールとワインが連続してまとまった状態で表示が行われている。 【0039】 次に、本商品販売処理システムにおけるハンディターミナル30の動作(CPU301の処理)を、図12のフローチャートに沿って説明する。 【0040】 ステップS1において、CPU301は、会員カードリーダ50から送信される会員番号データ(図7)を通信部307により受信したか否かをチェックする。上述した通り、当該ハンディターミナル30が客用クレードル40に最も早くセットされたものであれば、会員番号データが受信されることになる。 【0041】 会員番号データが受信されたと判断された場合、CPU301は、ステップS2において、LED発光部305aを点灯させることにより、来店客に使用するハンディターミナル30を案内する。それとともに、受信した会員番号データに従い、表示ディスプレイ305に会員番号を表示させる。来店客は客用クレードル40にセットされた複数のハンディターミナル30の中から、LED発光部305aが点灯したハンディターミナル30を取り外し、買い物を開始する。なお、この時、客用クレードル40のCPUは、LED発光部305aが点灯したハンディターミナル30が取り外されたことを検知して、次に会員番号データを送信するハンディターミナル30を、客用クレードル40へセットされた順番に従って決定する。 【0042】 一方、会員番号データが受信されなかった場合、CPU301は、ステップS3において、当該ハンディターミナル30が客用クレードル40にセットされているか否かをチェックする。これは、例えば接続端子3071が接続状態かどうかにより判断するものとする。そして、客用クレードル40にセットされていないと判断された場合は、CPU301は、ステップS4において、ブザー308からブザー音を発生させることで、来店客が間違ったハンディターミナル30を使用しようとした(取り外した)ことを報知する。このとき、ブザー音が鳴ったハンディターミナル30を再び客用クレードル40に戻せば、ステップS3の判断がYESとなり、ブザー音は停止する。 【0043】 上記ステップS3でハンディターミナル30が客用クレードル40にセットされている場合、CPU301は、ステップS5において、RAM303に記憶している商品ファイルの更新日時を通信部307から客用クレードル40に送信する。これを受けて客用クレードル40のCPUは上記商品ファイルが最新のものかどうかをチェックし、最新の商品ファイルをハンディターミナル30へ送信する。ハンディターミナル30はこの最新の商品ファイル(図6)を受信して、RAM303に記憶しておく。 【0044】 さて、ステップS2でハンディターミナル30が客用クレードル40から取り外された後、CPU301は、ステップS6において、スキャナ部304により商品のバーコードが読み取られたか否かをチェックする。そして、来店客がバーコードの読み取り操作を行うとステップS6の判断はYESとなり、CPU301は、ステップS7において、当該読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAM303に記憶させる。またこの時、当該商品の買上数量を「1」としてRAM303に記憶させる。さらに、RAM303に記憶している商品ファイルから、上記コードに従って対応する商品の商品名と値段と年齢制限商品の種別(「0」または「1」)を呼び出し、商品買上情報を生成してRAM303に記憶する。 【0045】 次に、CPU301は、ステップS8において、上記呼び出した年齢制限商品の種別に基づいて、ステップS7で読み取った商品が年齢制限商品であるか否かを判断する。年齢制限商品である場合、CPU301は、ステップS9において、表示ディスプレイ305に「当商品は年齢確認商品です。登録しますか、キャンセルしますか。」との年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む図9の読み取りメッセージを表示するとともに、ブザー308によりブザー音を発生させる。そしてCPU301は、ステップS10において、訂正キー3062と決定キー3067のどちらが選択入力されたかを判断する。訂正キー3062が選択入力された場合、CPU301は、ステップS11において、今読み取った商品を商品買上情報から削除する。決定キー3067が選択入力された場合、CPU301は、ステップS12において、+キー3064や-キー3065の入力を受け付け、今読み取った商品の購入数量の変更が入力されればその変更をRAM303に記憶させる。 【0046】 次いで、CPU301は、ステップS13において、ステップS9で表示ディスプレイ305に表示した図9の読み取りメッセージから年齢制限商品であることを報知するメッセージを削除する。 【0047】 その後、CPU301は、ステップS14において、ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続されたか否かをチェックする。これは、上記ステップS3と同様に、接続端子3071が接続状態かどうかにより判断するものとする。レジ用クレードル21にセットされていないと判断された場合、再びステップS6に戻り、CPU301はさらにバーコードの読み取りが行われたか否かのチェックを行う。この後、顧客は必要に応じて買い物を続ける。 【0048】 ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続された場合、ステップS14の判断はYESとなり、CPU301は、ステップS15において、RAM303に記憶した商品買上情報(図8)の中に年齢制限商品が含まれるか否かを判断する。年齢制限商品が含まれない場合、CPU301は、ステップS16~ステップS17において、RAM303に記憶している商品買上情報に含まれている商品のデータを1つずつ通信部307からレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20へ送信する。つまり、CPU301は、商品買上情報に含まれる複数の商品について、ステップS16で1つの商品のデータを送信し、ステップS17で次の商品があるかどうかを判定するという処理を繰り返すことにより、買い上げた商品1つずつ送信を行う。なお、前述したように、ここでのデータ通信は、ハンディターミナル30等が導入される前にPOSレジスタ20に併設されていたバーコードスキャナが使用していたのと同じ通信プロトコル(ここではRS-232C)を使用することにより行われる。したがって、POSレジスタ20側は何ら仕様を変更することなく、POSレジスタ20はバーコードスキャナ30からのコードを受信することができる。 【0049】 ステップS15で年齢制限商品が含まれる場合、CPU301は、ステップS18において、表示ディスプレイ305に「年齢制限商品があります。確認してください。」との年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む図10の内容を表示するとともに、ブザー308によりブザー音を発生させる。このとき店員は、このメッセージを読み、例えば「年齢制限商品をお買い求めですのでお客様の年齢を確認させていただきます。」といった具合に顧客の年齢確認を行えばよい。 【0050】 店員は年齢確認の結果、問題がなければ表示ディスプレイ305に表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力する。CPU301は、ステップS19において、「OK」ボタンが選択入力されたか「NO」ボタンが選択入力されたかを判断する。 【0051】 ステップS19で「NO」ボタンが選択入力された場合、即ち年齢に問題があった場合、CPU301は、ステップS20において、RAM303の商品買上情報から年齢制限商品に関する情報を削除する。そして、CPU301は、ステップS22~ステップS23において、年齢制限商品を含まない商品買上情報内の商品のデータを1つずつ通信部307からレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20へ送信する。つまり、CPU301は、商品買上情報(年齢制限商品の削除後)に含まれる複数の商品について、ステップS22で1つの商品のデータを送信し、ステップS23で次の商品があるかどうかを判定するという処理を繰り返すことにより、買い上げた商品1つずつ送信を行う。 【0052】 ステップS19で「OK」ボタンが選択入力された場合、即ち年齢に問題がなかった場合、CPU301は、ステップS21において、RAM303の商品買上情報に含まれるデータの順序を年齢制限商品が連続するように入れ替える(例えば、年齢制限商品が先になるようにまとめ、年齢制限商品以外をその後にする)。そして、CPU301は、ステップS22~ステップS23において、データの順序を入れ替えた商品買上情報(年齢制限商品を含む全てのデータ)内の商品のデータを上記と同様に1つずつ通信部307からレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20へ送信する。 【0053】 ステップS16~ステップS17、またはステップS22~ステップS23によりRAM303の商品買上情報をPOSレジスタ20へ送信し終わると、CPU301は、ステップS24において、RAM303内の商品買上情報をクリアする。 【0054】 その後、POSレジスタ20で精算処理が行われその処理が終了すると、店員はハンディターミナル30をレジ用クレードル21から取り外して、次の来店客が使用できるように再度客用クレードル40にセットする。CPU301は、ステップS25において、ハンディターミナル30がレジ用クレードル21から取り外されてから再度客用クレードル40にセットされたことを、接続端子3071の接続状態により検知して、LED発光部305aを消灯させる。 【0055】 以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。 【0056】 例えば、会員カードに顧客の年齢情報を記憶させておき、顧客が会員カードリーダ50で会員カードを読み取った際に年齢制限商品の購入可能年齢に達しているか否かを判断するようにして、年齢制限商品の購入可能年齢に達している場合はステップS8,ステップS15,ステップS19の判断を省略しても構わない。 また、ステップS18におけるメッセージの表示及びブザー音の発生は、POSレジスタ20側で行うようにしてもよい。 【0057】 また、ハンディターミナル30とレジ用クレードル21との通信は、有線に限らず電磁波、光、音波等を用いたものでもよい。ただし、隣のPOSレジスタ20のレジ用クレードル21と混信しないように近距離通信であることが好ましい。これらの場合、ハンディターミナル30とレジ用クレードル21間の通信データは、レジ用クレードル21においてPOSレジスタ20に対応した通信データに変換するものとする。 【0058】 また、図6の商品ファイル内の年齢制限の項目は、年齢制限商品であるか否かを「0」と「1」で区別する方式に代えて、何歳以下の顧客であればその商品の販売を禁止するかを示す年齢情報としてもよい。この場合、この年齢情報と図7の会員番号データに含まれる顧客の年齢とを照合することで、年齢制限商品であることを報知するようにすればよい。 【0059】 また、ハンディターミナル30でバーコードを読み取った際に商品のコードをRAM303に記憶させることなく、直ちに後の精算処理のために商品のコードと当該ハンディターミナル30の識別IDとをハンディターミナル30から無線等でストアコントローラ10へ送信するようにしてもよい。この場合、バーコードの読み取り時には直ちにステップS8~ステップS9が実行されて年齢制限商品であればその旨のメッセージが表示ディスプレイ305に表示されるとともに、精算時にはハンディターミナル30がレジ用クレードル21にセットされると当該ハンディターミナル30の識別IDに基づいてストアコントローラ10からPOSレジスタ20へ商品のコード等のデータが送信されて、ステップS15以降の処理が同じ様に行われるものとする。」 (ウ) 「【図12】 [図:0001433998000001.jpg] 」 イ 引用発明 引用文献1【0018】の「来店客は、そのハンディターミナル30を客用クレードル40から取り外して、買い物を開始する。そして、買いたい商品のコードをハンディターミナル30に読み取らせていき、最後にPOSレジスタ20へ行ってレジ用クレードル21にハンディターミナル30をセットする」との記載より、引用文献1には「来店客が客用クレードルから取り外して、買い物を開始し、買いたい商品のコードを読み取らせていき、最後にPOSレジスタへ行ってレジ用クレードルにセットする、ハンディターミナル」が記載されていると認められる。 引用文献1【0022】の「RAM303は、ストアコントローラ10より取得した商品ファイル(図6参照)や、スキャナ部304で読み取った商品のバーコードのデータなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。」、【0023】の「スキャナ部304は、商品に付されているバーコードを読み取るためのものであり、読み取ったバーコードの情報を所定の形式のデータに変換して出力する。このスキャナ部304は、図4に示されるように、ハンディターミナル30の裏側の面に設けられており、バーコードをスキャナ部304に近付けることにより、読み取り動作が行われる。客の操作によってバーコード読み取りが行われスキャナ部304から出力されたデータは、買い上げ商品を特定するデータとしてRAM303へ送られ、記憶される。」、【0035】の「図8は、一人の顧客が買い物をする際にCPU301が生成してRAM303に記憶される商品買上情報の一例を示す図である。商品買上情報は、JANコード、商品名、値段、数量、年齢制限、日付(その商品をハンディターミナル30で読み取った日時)、等の各項目から構成される表形式のデータであり、1行がハンディターミナル30で読み取った1つの購入商品の情報を表している。図8において、例えばJANコードが00001の商品は、商品名がジュースであり、値段が120円であり、購入数量が2個であり、年齢制限が「0」であるので年齢制限商品ではなく、日付が070724102003(2007年7月24日午前10時20分3秒)である。」及び【0044】の「さて、ステップS2でハンディターミナル30が客用クレードル40から取り外された後、CPU301は、ステップS6において、スキャナ部304により商品のバーコードが読み取られたか否かをチェックする。そして、来店客がバーコードの読み取り操作を行うとステップS6の判断はYESとなり、CPU301は、ステップS7において、当該読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAM303に記憶させる。またこの時、当該商品の買上数量を「1」としてRAM303に記憶させる。さらに、RAM303に記憶している商品ファイルから、上記コードに従って対応する商品の商品名と値段と年齢制限商品の種別(「0」または「1」)を呼び出し、商品買上情報を生成してRAM303に記憶する。」との記載より、引用文献1には、「商品に付されているバーコードを読み取るためのスキャナ部」及び「前記スキャナ部により読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAMに記憶させ、上記コードに従って商品買上情報を生成してRAMに記憶するCPU」が記載されていると認められる。 引用文献1【0048】の「ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続された場合、ステップS14の判断はYESとなり、CPU301は、ステップS15において、RAM303に記憶した商品買上情報(図8)の中に年齢制限商品が含まれるか否かを判断する。」、同【0049】の「ステップS15で年齢制限商品が含まれる場合、CPU301は、ステップS18において、表示ディスプレイ305に「年齢制限商品があります。確認してください。」との年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む図10の内容を表示するとともに、ブザー308によりブザー音を発生させる。このとき店員は、このメッセージを読み、例えば「年齢制限商品をお買い求めですのでお客様の年齢を確認させていただきます。」といった具合に顧客の年齢確認を行えばよい。」、同【0050】の「店員は年齢確認の結果、問題がなければ表示ディスプレイ305に表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力する。CPU301は、ステップS19において、「OK」ボタンが選択入力されたか「NO」ボタンが選択入力されたかを判断する。」及び【0052】の「ステップS19で「OK」ボタンが選択入力された場合、即ち年齢に問題がなかった場合、CPU301は、ステップS21において、RAM303の商品買上情報に含まれるデータの順序を年齢制限商品が連続するように入れ替える(例えば、年齢制限商品が先になるようにまとめ、年齢制限商品以外をその後にする)。そして、CPU301は、ステップS22~ステップS23において、データの順序を入れ替えた商品買上情報(年齢制限商品を含む全てのデータ)内の商品のデータを上記と同様に1つずつ通信部307からレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20へ送信する。」との記載より、引用文献1には、「商品買上情報に年齢制限商品が含まれている場合、前記CPUは表示ディスプレイに年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む内容を表示し、店員は年齢確認の結果、問題がなければ前記表示ディスプレイに表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力し、前記「OK」ボタンが選択入力された場合、前記CPUは、前記RAMの前記商品買上情報に含まれるデータの順序を前記年齢制限商品が連続するように入れ替えて、データの順序を入れ替えた前記商品買上情報内の商品データを前記POSレジスタへ送信する」ことが記載されていると認められる。 以上より、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「来店客が客用クレードルから取り外して、買い物を開始し、買いたい商品のコードを読み取らせていき、最後にPOSレジスタへ行ってレジ用クレードルにセットする、ハンディターミナルであって、 商品に付されているバーコードを読み取るためのスキャナ部、 前記スキャナ部により読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAMに記憶させ、上記コードに従って商品買上情報を生成してRAMに記憶するCPU、 前記商品買上情報に年齢制限商品が含まれている場合、前記CPUは表示ディスプレイに年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む内容を表示し、店員は年齢確認の結果、問題がなければ前記表示ディスプレイに表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力し、前記「OK」ボタンが選択入力された場合、前記CPUは、前記RAMの商品買上情報に含まれるデータの順序を年齢制限商品が連続するように入れ替えて、データの順序を入れ替えた前記商品買上情報内の商品データを前記POSレジスタへ送信する、 ハンディターミナル」 (3) 引用文献2 ア 引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2009-020667号公報(2009年(平成21年)1月29日公開。以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア) 「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、顧客によるセルフチェックアウトを可能にするセルフチェックアウト端末に関する。 【背景技術】 【0002】 スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの店舗では、さまざまな種類の商品が販売されている。店舗で販売される商品の中には、アルコール飲料やタバコなど、その商品の販売を許可するための年齢条件が定められている商品がある(以下、「年齢制限商品」と表記する)。年齢制限商品が販売されている店舗では、年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢を確認して、店員によって顧客の年齢が年齢制限商品に定められている年齢条件を満たしているか否かが判断された上で、年齢制限商品が顧客に販売される。とりわけアルコール飲料やタバコの販売については、未成年の飲酒や喫煙が法律上禁止されているため、各地域に制定される条例や業者間の自主的な取極により、店員が年齢制限商品を購入しようとする顧客を直接目視した上で年齢確認を行うことが要請されてきている。 【0003】 商品販売データ処理装置とドロワとにより構成されるPOSレジが導入されている店舗では、店員は、年齢制限商品を顧客に販売するにあたり、顧客に年齢を尋ねたり顧客の風貌から年齢を推測したりすることによって、顧客が年齢条件を満たしているか否かを判断している。 【0004】 顧客の年齢が年齢条件を満たしているか否かは、顧客自身の申告により判断されることもある。例えば、特許文献1には、顧客が年齢制限(特許文献1では販売条件)をクリアしているか否かを顧客自身に入力させる制限確認装置を備え、顧客が販売制限をクリアしていないと入力するとその後の販売処理を中止する商品販売データ処理装置の発明が開示されている。 【0005】 【特許文献1】特開2006-039884公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 近年、商品販売データ処理装置としてのセルフチェックアウト端末が店舗に導入されはじめている。セルフチェックアウト端末は、商品販売データ処理装置と決済部と計量部とにより構成され、顧客によるセルフチェックアウトを可能にする。セルフチェックアウト端末における機器操作は、基本的には全て顧客が行う。セルフチェックアウト端末が導入されている店舗の店員は、複数台のセルフチェックアウト端末の操作支援や監視を行うアテンダントとして、個々のセルフチェックアウト端末を操作する顧客をチェックし、顧客が行う機器操作のサポートや顧客の不正操作の監視を行う。そのために、アテンダントはセルフチェックアウト端末を見渡すことができる程度に離れた位置に設置されているアテンダントテーブルで待機している。 【0007】 しかし、セルフチェックアウト端末が導入されている店舗では、POSレジが導入されている場合に比べて、顧客とアテンダントとが互いに直接的なコミュニケーションを取る機会が少ない。そのため、顧客がセルフチェックアウト端末に年齢制限商品の商品コードを入力して年齢制限商品を購入しようとする場合、アテンダントが顧客の年齢を確認することが難しい。 【0008】 本発明の目的は、年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢確認を確実に行うことである。」 (イ) 「【0062】 2.セルフチェックアウト処理 (1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン 図8は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力は、バーコードスキャナ203によるバーコードの読み取りの他、LCD210の表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって行なわれる。 【0063】 セルフチェックアウト端末101の制御部253は、取得商品コードの入力を待機し(ステップS11)、商品コードの入力を判定すると(ステップS11のY)、処理を実行する(ステップS12)。その結果、前述したとおり、入力された商品コードに対応する単価、重量、商品表示(商品名称及び画像データ)及び制限情報としての20禁商品フラグが取得され、RAM254に一時記憶される。 【0064】 セルフチェックアウト端末101の制御部253は、取得処理に続いて、制限情報判定処理を実行する(ステップS12a)。制限情報判定処理については、図17を参照して後述する。」 (ウ) 「【図8】 [図:0001433998000002.jpg] 」 (エ) 「【0156】 5.停止処理 セルフチェックアウト端末101の制御部253が実行する一取引の商品販売データ処理において、処理対象となる商品が年齢制限商品である場合、店員はその商品を購入しようとしている顧客の年齢が年齢条件を満たしているか否かを直接目視して確認する必要がある。制御部253が実行する制限情報判定処理は、店員が顧客を直接目視して顧客の年齢を確認するために、実行中の商品販売データ処理を一旦停止する処理である。この停止処理は、重量チェック処理(図8のステップS13)の実行後に実行される。重量チェック処理が終了した時点で、重量チェックファイルWCFには、元重量として載置部に載置されている全ての商品とマイバスケットとの総重量が、変動重量として今回の商品販売データ処理の処理対象となる商品の重量が、それぞれ記憶されている。 【0157】 図18は、停止処理の流れの一例を示すフローチャートである。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、入力された商品コードに対応する商品が年齢制限商品でない場合には、停止処理を行わず(ステップS701のN)、商品情報登録処理を実行する(図8のステップS14)。これに対し、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、入力された商品コードに対応する商品が年齢制限商品である場合には、LCD210に警告表示SS1(図19(a))を表示する警告処理を実行し(ステップS702)、このまま処理を続行する処理続行命令およびその商品についての商品販売データ処理を中止する商品販売データ処理中止命令のいずれかが入力されるまで処理を待機する(ステップS703のN、705のN)。また、制御部253は、ステップS702に示す警告処理において、アテンダント端末501に対してレベル2の制限商品スキャン情報を送信する。アテンダント端末501は、レベル2の制限商品スキャン情報を受信すると、ディスプレイ503に操作指示表示SU2を表示する(図20に基づいて後述)。 【0158】 制御部253は、バーコードスキャナ203から店員が携帯する店員バーコードがスキャンされた場合に、処理続行命令が入力されたと解釈する。別の一例として、制御部253は、アテンダント端末501から送信される処理続行命令を受信した場合に、処理続行命令が入力されたと解釈する。 【0159】 また、制御部253は、アテンダント端末501から送信される商品販売データ処理中止命令を受信した場合に、商品販売データ処理中止命令が入力されたと解釈する。 【0160】 処理続行命令が入力された場合(ステップS703のY)、制御部253は、表示している警告画面の表示を取り消して警告を解除し(ステップS704)、停止処理を終了する。この際、制御部253は、アテンダント端末501に対してレベル0の制限商品スキャン情報を送信する。アテンダント端末501は、レベル0の制限商品スキャン情報を受信すると、ディスプレイ503に表示していた操作指示表示SU2の表示を取りやめる。」 イ 引用文献2記載技術 上記アの摘記事項(特に下線部)から、引用文献2には、次の技術(以下、「引用文献2記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「セルフチェックアウト端末であって、 制御部253は、入力された商品コードに対応する商品が年齢制限商品である場合には、LCD210に警告表示を表示する警告処理を実行し、このまま処理を続行する処理続行命令およびその商品についての商品販売データ処理を中止する商品販売データ処理中止命令のいずれかが入力されるまで処理を待機し、 制御部253は、バーコードスキャナ203から店員が携帯する店員バーコードがスキャンされた場合に、処理続行命令が入力されたと解釈する、 セルフチェックアウト端末」 (4) 対比 本件補正発明と引用発明を対比する。 ア 引用発明の「来店客」、「ハンディターミナル」は本件補正発明の「顧客」、「情報処理端末装置」に対応する。また、引用発明の「来店客が客用クレードルから取り外して、買い物を開始し、買いたい商品のコードを読み取らせていき、最後にPOSレジスタへ行ってレジ用クレードルにセットする、ハンディターミナル」より、来店客はハンディターミナルとともに店内を移動することは明らかである。してみれば、引用発明の「来店客が客用クレードルから取り外して、買い物を開始し、買いたい商品のコードを読み取らせていき、最後にPOSレジスタへ行ってレジ用クレードルにセットする、ハンディターミナル」と本件補正発明とでは「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置」との点で共通する。 イ 引用発明の「商品に付されているバーコードを読み取るためのスキャナ部」は本件補正発明の「商品を識別する商品識別情報が入力される入力部」に相当する。 ウ 引用発明の「前記スキャナ部により読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAMに記憶させ、上記コードに従って商品買上情報を生成してRAMに記憶するCPU」と、本件補正発明の「前記入力部に入力された商品識別情報に基づいて商品登録を行う登録部」とにおいて、引用発明の「スキャナ部により読み取られたバーコード」は本件補正発明の「前記入力部に入力された商品識別情報」に相当する。してみれば、引用発明の(前記スキャナ部により読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAMに記憶させ、上記コードに従って)「商品売り上げ情報を生成してRAMに記憶する」ことは、本件補正発明の(前記入力部に入力された商品識別情報に基づいて)「商品登録を行う」ことに相当するといえる。また、引用発明のCPUは、商品買上情報を生成して記憶する点において、「商品登録を行う登録部」として機能するといえる。よって、引用発明の「前記スキャナ部により読み取られたバーコードに基づき商品のコードをRAMに記憶させ、上記コードに従って商品買上情報を生成してRAMに記憶するCPU」は本件補正発明の「前記入力部に入力された商品識別情報に基づいて商品登録を行う登録部」に相当する。 エ 引用発明の「前記商品買上情報に年齢制限商品が含まれている場合、前記CPUは表示ディスプレイに年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む内容を表示し、店員は年齢確認の結果、問題がなければ前記表示ディスプレイに表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力し」との事項より、引用発明の「表示ディスプレイ」は当該選択入力を受け付ける手段(受付部)ということができる。 また、本件補正発明において、「前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報、および前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報を出力する」ことから、本件補正発明の「店員識別情報を受け付けたことを示す情報」は、店員による年齢確認が行われたことを示す情報といえる。 してみれば、引用発明の「前記商品買上情報に年齢制限商品が含まれている場合、前記CPUは表示ディスプレイに年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む内容を表示し、店員は年齢確認の結果、問題がなければ前記表示ディスプレイに表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力し」と、本件補正発明の「前記商品を販売する店舗の店員であることを識別する店員識別情報を受付ける第1の受付部」とでは、「前記商品を販売する店舗の店員による年齢確認を受け付ける受付部」が存在する点で共通し、後記する相違点で相違する。 オ 引用発明の「商品買上情報に年齢制限商品が含まれている場合、CPUは表示ディスプレイに年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む内容を表示し、店員は年齢確認の結果、問題がなければ表示ディスプレイに表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力し、「OK」ボタンが選択入力された場合、CPUは、RAMの商品買上情報に含まれるデータの順序を年齢制限商品が連続するように入れ替えて、データの順序を入れ替えた商品買上情報内の商品データを前記POSレジスタへ送信する」と、本件補正発明の「前記商品を販売する店舗の店員であることを識別する店員識別情報を受付ける第1の受付部」及び「前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報、および前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報を出力する出力部」に関し、引用発明の「データの順序を入れ替えた商品買上情報内の商品データを前記POSレジスタへ送信する」との事項から、引用発明のハンディターミナルはPOSレジスタへ商品データを出力する出力部に相当する構成を備えることは自明である。また、POSレジスタは商品データに基づき清算処理を行う機器であることから、引用発明の「商品データ」が商品登録した商品の代金の支払を行うための会計情報ともいえることは、自明である。してみれば、本件補正発明と引用発明とでは、「前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報を出力する出力部」との点で共通し、後記する相違点で相違する。 カ 以上によると、本願補正発明と引用発明は、次の点で一致し、また相違する。 (ア) 【一致点】 「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置であって、 商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、 前記入力部に入力された商品識別情報に基づいて商品登録を行う登録部と、 前記商品を販売する店舗の店員による年齢確認を受け付ける受付部と、 前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報を出力する出力部と、 を備える情報処理端末」 (イ) 【相違点】 一致点の「前記商品を販売する店舗の店員による年齢確認を受け付ける受付部」に関し、本件補正発明は、「前記商品を販売する店舗の店員であることを識別する店員識別情報を受付ける第1の受付部」を備え、さらに、出力部が、前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合、前記登録部で商品登録された商品の代金の支払を行うための会計情報に加え、「前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報」を出力するのに対し、引用発明は、「商品買上情報に年齢制限商品が含まれている場合、CPUは表示ディスプレイに年齢制限商品であることを報知するメッセージを含む内容を表示し、店員は年齢確認の結果、問題がなければ表示ディスプレイに表示された「OK」ボタンを選択入力し、問題があれば「NO」ボタンを選択入力」するものであって、「前記商品を販売する店舗の店員であることを識別する店員識別情報を受付ける」ものではなく、さらに、出力部が「前記登録部が商品登録した商品に年齢確認が必要な特定商品が含まれている場合」、「前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報」を出力するものでもない点。 (5) 判断 上記相違点について検討する。 引用文献2記載技術は、前記したとおり、 「セルフチェックアウト端末であって、 制御部253は、入力された商品コードに対応する商品が年齢制限商品である場合には、LCD210に警告表示を表示する警告処理を実行し、このまま処理を続行する処理続行命令およびその商品についての商品販売データ処理を中止する商品販売データ処理中止命令のいずれかが入力されるまで処理を待機し、 制御部253は、バーコードスキャナ203から店員が携帯する店員バーコードがスキャンされた場合に、処理続行命令が入力されたと解釈する、 セルフチェックアウト端末」 が記載されている。 これを引用発明に適用することにより、店員による年齢確認の際に、ボタンを選択入力することに代え、店員バーコードのスキャンすなわち、店員識別情報を受け付けることにより、年齢確認がなされたこととすることは当業者が容易に想到することができた事項である。また、この際に、出力部が、「前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報」を出力するようにすることは、単に、年齢確認が行われたことを示す情報を会計を行うための会計装置等でも把握できるようにするためのものであり、引用発明においても、「商品買上情報に含まれるデータの順序を年齢制限商品が連続するように入れ替えて、データの順序を入れ替えた前記商品買上情報内の商品データを前記POSレジスタへ送信する」こと、すなわち、年齢確認が必要な特定商品が存在する場合、年齢確認済であることを示す何等かの情報を含む会計情報を出力することが見て取れることを鑑みると、本願補正発明の当該点は、情報処理端末装置と会計装置からなるシステムとして実装する際の実装上の微差であって、当業者が設計的になし得た範囲内のものである。 したがって、本件補正発明は、当業者が、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。 (6) 請求人の主張について 審判請求書において、請求人は、次のように主張している。 「(1)請求項1、5について 上記した(主張3)について、引用文献1では、年齢確認結果を入力するための選択ボタンのうち、OKボタンを操作すると、通信部(本願請求項1の出力部に相当)が商品買上情報(本願請求項1の会計情報に相当)をPOSレジスタへ送信することが記載されています。そして、審査官殿は、拒絶査定謄本の中で、商品買上情報を「確認済の情報である点、本願請求項1に係る発明の「受け付けたことを示す情報」に相当」すると認定していると思料します。しかしながら、引用文献1には、商品買上情報が、商品が年齢制限商品であるかを示す種別(「0」または「1」)を含むことは記載されています(図8参照)が、年齢制限商品を受け付けたことを明示的に示す情報が含まれることは記載されていないと思料します。 したがって、審査官殿の(主張3)に対する「引用文献1に記載された会計情報には、店員が確認した情報(確認済の情報)が含まれる」との認定には飛躍があると思料します。 また、補正後の請求項1、5は「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置」であり、会計は情報処理端末装置とは異なる別装置(会計装置)で行うことが前提の構成であるため、「前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報」を明示的に出力する必要があります。 一方、引用文献1は、ハンディターミナルを用いて、顧客が商品登録処理を行い、クレードルが設置されている精算を行う場所で、店員が年齢制限商品は存在するか確認を行う構成となっています。また、引用文献2は、ピックアップした商品を顧客がセルフチェックアウト端末の置かれた場所で登録と精算を行い、登録中に店員が確認を行う構成となっています。 したがって、補正後の本願の構成は、本願とは異なる構成の引用文献1、2から想到し得るものではないと思料します。」 当該主張について検討する。 まず、「引用文献1には、商品買上情報が、商品が年齢制限商品であるかを示す種別(「0」または「1」)を含むことは記載されています(図8参照)が、年齢制限商品を受け付けたことを明示的に示す情報が含まれることは記載されていないと思料します。」との点については、引用発明においても「商品買上情報に含まれるデータの順序を年齢制限商品が連続するように入れ替えて、データの順序を入れ替えた商品買上情報内の商品データをPOSレジスタ20へ送信する」ものであることから、買上情報のデータの順序は、年齢制限商品を受け付けたことを示す情報といえる。 また、「補正後の請求項1、5は「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置」であり、会計は情報処理端末装置とは異なる別装置(会計装置)で行うことが前提の構成であるため、「前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報」を明示的に出力する必要があります。」との主張に関しては、引用発明も本件補正発明と同様に「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置」が「前記登録部で商品登録された商品の代金の支払いを行うための会計情報を出力する出力部」を「備える」構成であるから、本件補正発明は「前記第1の受付部が前記店員識別情報を受け付けたことを示す情報」を明示的に出力する必要があり、引用発明においてはその必要がないとはいえない。そして、前記(5)で検討したとおりであるから、当該点は、引用発明及び引用文献2記載技術に基づき、当業者が容易に想到することができたものである。 したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものではなく、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和7年6月4日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~2,4~6に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献1および引用文献2に記載された発明に記載された技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2009-163323号公報 引用文献2:特開2009-020667号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1および引用文献2の記載事項は、前記第2の2(2)、(3)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の2で検討した本件補正発明から、「店舗内を移動する顧客によって操作され、前記顧客により店舗内を移動可能な情報処理端末装置であって」に係る「、前記顧客により店舗内を移動可能な」という限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の2(4)、(5)に記載したとおり、当業者が、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、当業者が、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2025-008668

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決35件(東芝テック株式会社)
  • 2025-013088拒絶査定不服審判 / 2026-05-14 / 請求不成立決済装置及びそのプログラム、決済方法
    同じ当事者: 東芝テック株式会社
  • 2024-015824拒絶査定不服審判 / 2026-03-06 / 請求不成立携帯端末及びプログラム
    同じ当事者: 東芝テック株式会社
  • 2025-003821拒絶査定不服審判 / 2026-01-05 / 請求不成立販促システム、情報処理装置およびプログラム
    同じ当事者: 東芝テック株式会社
  • 2025-002534拒絶査定不服審判 / 2025-11-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置及び取引処理システム
    同じ当事者: 東芝テック株式会社
  • 2025-002873拒絶査定不服審判 / 2025-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)店舗システム及び制御装置
    同じ当事者: 東芝テック株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)110件(121・G07G)
  • 2025-016059拒絶査定不服審判 / 2026-08-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)商品情報処理装置
    共通の審決分類: 121・G07G
  • 2025-011111拒絶査定不服審判 / 2026-07-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)精算装置、精算方法、およびプログラム
    共通の審決分類: 121・G07G
  • 2025-013088拒絶査定不服審判 / 2026-05-14 / 請求不成立決済装置及びそのプログラム、決済方法
    共通の審決分類: 121・G07G
  • 2025-006858拒絶査定不服審判 / 2026-05-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)精算装置およびプログラム
    共通の審決分類: 121・G07G
  • 2025-013516拒絶査定不服審判 / 2026-04-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)端末装置
    共通の審決分類: 121・G07G

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存