商標拒絶査定不服審判
2021-011613
ノーフォトズ、フォトズ
- 審判番号
- 2021-011613
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-086289
- 請求日
- 2021年08月31日
- 審決日
- 2022年04月05日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ピーマン
- 【請求人代理人】田中 尚文
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .261-Z (W2535) / T18 .262-Z (W2535) / T18 .263-Z (W2535)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-86289拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年7月5日に登録出願された商願2019-93355に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同2年7月13日にされた出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年8月13日付け:拒絶理由通知書
令和2年11月4日 :意見書の提出
令和3年5月28日付け:拒絶査定
令和3年8月31日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「No photos」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6244544号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和元年6月13日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,タンクトップ,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服」を指定商品として、同2年4月10日に設定登録されたものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第2のとおり、「No photos」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「No」の文字は、「~禁止」の意味を有する親しまれた英語であり、また、「photos」の文字は「写真」を意味する親しまれた英語「photo」の複数形を表す語(いずれも「英辞郎on the WEB」株式会社アルク)であることから、全体の構成文字に相応して「ノーフォトズ」の称呼を生じ、「写真禁止」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、上段に、円を表す線とその中心を通る斜線からなる図形の内部に「No Photos」の文字を横書きしたもの(以下「上段部分」という。)を配し、下段に小さく「Not No Photos」の文字を横書きしてなるところ、上段部分と下段の文字部分とはやや離れて配置され、かつ、大きく顕著に表された上段部分に対し、下段の文字部分は上段部分に比して小さく表されているものであるから、これらは視覚的に分離して把握されるものである。
そして、上段部分のうち「No Photos」の文字部分は、上記(1)のとおり「写真禁止」の観念を生じるものであり、他方、下段の「Not No Photos」の文字部分は、「Not」が「~でない」の意味を有する語(「英辞郎on the WEB」株式会社アルク)であることから、「写真禁止でない」程の意味合いを想起させるといい得るものであるところ、上段の文字部分と下段の文字部分全体から特定の意味合いを形成するといった、意味上のつながりがあるものとはいい難い。
そうすると、引用商標の構成中、上段部分と下段の文字部分は、視覚上分離して看取され、観念上のつながりはなく、かつ、構成文字全体から生じる「ノーフォトズノットノーフォトズ」の称呼も冗長であるから、これらを常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとはいえないというのが相当である。
してみれば、引用商標は、上段部分と下段部分とを分離して観察することが取引上不自然と思われるほどに不可分的に結合しているものとはいえず、これに接する取引者、需要者は、全体の面積の大半を占め、強く印象付けられる上段部分に着目し、当該部分をもって取引に資する場合も決して少なくないとみるのが相当である。
さらに、引用商標の上段部分においては、「No Photos」の文字が中央に大きく書され、当該文字部分からは「ノーフォトズ」の称呼と「写真禁止」の観念を生じる一方、円と斜線からなる図形部分は、抽象的な図形であり、直ちに特定の事物を表すものとはいえないものであって、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないといえるから、「No Photos」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというのが相当である。
以上のことからすれば、引用商標は、上段部分における「No Photos」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ、当該文字部分だけを要部として抽出し、これを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、構成中の「No Photos」の文字部分に相応して「ノーフォトズ」の称呼を生じ、「写真禁止」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、両者は、上記(1)及び(2)の構成からなるところ、全体の外観は相違するが、本願商標と引用商標の要部である「No Photos」の文字部分とは、一部に大文字と小文字の差異を有するものの、つづりを共通にするものであるから、外観において近似した印象を与えるものである。そして、両者は「ノーフォトズ」の称呼及び「写真禁止」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有するとしても、本願商標と引用商標の要部との比較において、両者は外観上近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合して、取引者、需要者に与える印象を考察すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品である第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,タンクトップ,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服」と同一又は類似の商品及び役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品若しくは役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、引用商標の構成中の「No Photos」と「Not No Photos」の欧文字は、同書・同色で表され、かつ、斜線を有する円図形は、特定の行為等の禁止や警告を表示するための標識等でも使用されていることから、上段図形は「No Photos」を否定したものと理解することができ、下段の「Not No Photos」は、上段図形を文字のみで表現したと容易に把握できることに鑑みると、引用商標は、上段図形とその下段の「Not No Photos」の欧文字とに容易に分離して認識されるものではなく、一体的な商標としてのみ認識されるものである旨、また、引用商標は、「No Photos」の表示を二重否定する意味合い、すなわち「写真撮影可能」あるいは「撮影OK」の意味合いをもって実際に使用されていることを考慮すると(甲1、甲2)、引用商標に接する需要者・取引者をして、当該図形部分及びその下段に配された「Not No Photos」の文字を捨象し、「No Photos」の文字部分を独立して看取し、当該文字部分のみをもって取引に当たるとは到底考え難い旨主張する。
しかしながら、請求人が提出した証拠において、引用商標と構成上の共通点を有する標章が「写真撮影可能」の文字及び「撮影OK」の文字とともに表されていることは認められるものの、商標の類否判断にあっては、実際に使用されている商標を比較対象とするのではなく、登録された商標をもって比較するべきであって、引用商標については、上記1のとおり、構成中の「No Photos」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえるから、請求人の上記の主張は採用することができない。
(2)請求人は、過去の審決例を挙げ、これらの審判事件においては、いずれも対比される商標は同一又は近似の称呼を生じ得るものの、その外観又は観念が著しく相違し、商品の出所に誤認混同をきたすおそれが認め難いことから、両商標は類似しないと判断されているところ、これらの事例と本件事案とを異にして解さねばならないとする特段の事由は存在しない旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる審決例は、いずれも本願商標とその構成態様を異にするものであり、また、商標の類否判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた審決例があることを理由として、本願商標が必ず登録されるということにはならない。
したがって、請求人による上記の主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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