商標拒絶査定不服審判
2021-010613
キッコウバイローランド、キッコウバイ、バイ、ローランド
- 審判番号
- 2021-010613
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-124914
- 請求日
- 2021年08月10日
- 審決日
- 2022年03月31日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コスメテックスローランド株式会社
- 【請求人代理人】大澤 豊
- 【請求人代理人】大沼 加寿子
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .261-Z (W01) / T18 .262-Z (W01) / T18 .263-Z (W01)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-124914拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年10月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月1日付け :拒絶理由通知書
令和3年4月9日 :意見書の提出
令和3年4月30日付け :拒絶査定
令和3年8月10日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第1類「化学品」を指定商品として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5790026号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成26年5月15日登録出願、第1類「化学品,粉末状セラミック基礎製品」を指定商品として、同27年9月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標の構成中「ROLAND」の文字部分を分離抽出し、これと引用商標の構成中の「Roland」の文字部分とが類似する商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上方中央に、「BY」の文字を横長の略六角形の枠で囲んだ図形と、その下方に、両端の「R」及び「D」の文字から凹状になるよう各文字の高さを変えて「ROLAND」の文字を書してなるところ、略六角形の枠で囲まれた図形部分と文字部分とは、重なり合うことなく空間を開けて表されているから、視覚上分離して看取されるものである。
また、構成中、図形部分の内部の「BY」の文字は、「~によって」の意味を有する語であり、「ROLAND」の文字は、「男子の名。」(いずれも株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第2版)の意味を有する語であるところ、両部分を合わせて「ローランドによって」程度の意味合いを理解させる場合はあるといえるものの、これらが常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならないほど、観念的に強固に結びついたものとまではいい難い。
そうすると、本願商標は、構成中の図形部分と文字部分が視覚上分離して把握されるものであって、かつ、観念上も密接な関連性があるとはいえないものであるから、これらを分離して観察することが、取引上、不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているものとはいえない。
してみれば、これらの図形部分と文字部分は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部となり得るものであるところ、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中、大部分を占めるように顕著に表された「ROLAND」の文字部分に着目し、これをもって取引に資する場合も決して少なくないとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、構成中の「ROLAND」の文字に相応して「ローランド」の称呼を生じ、「男子の名。」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、形の異なる2つの黒塗りの横長長方形を上下に並べた図形の右側に、「Roland」の文字を書してなるところ、構成中の図形部分と文字部分は、重なり合うことなく空間を開けて表されているから、視覚上分離して把握されるものである。
また、引用商標の図形部分は、特定の観念を生じるものではなく、他方、「Roland」の文字部分は「男子の名。」の意味を有する語であるところ、図形部分と文字部分とは、視覚上分離して把握されるものであり、かつ、観念上も密接な関連性がないものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているといえない。
そうすると、引用商標の図形部分と文字部分は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部となり得るものであるところ、引用商標に接する取引者、需要者は、顕著に表された「Roland」の文字部分に着目し、これをもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
したがって、引用商標は、構成中の「Roland」の文字に相応して「ローランド」の称呼を生じ、「男子の名。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、両者は全体の外観は相違するが、本願商標の要部である「ROLAND」の文字部分と、引用商標の要部である「Roland」の文字部分とは、書体が相違し、大文字と小文字の差異を有するものの、つづり字を共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。また、両者は「ローランド」の称呼及び「男子の名。」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観において相違するとしても、独立して出所識別機能を有する要部の外観において近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合して、取引者、需要者に与える印象を考察すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)指定商品の類否について
本願商標の指定商品である第1類「化学品」は、引用商標の指定商品中の第1類「化学品」と同一の商品である。
(5)小括
以上より、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一の商品について使用するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の構成中、「ROLAND」の文字は、大きさが「R」「O」「L」の順にやや小さく、「A」「N」「D」の順にやや大きくなり、「L」と「A」を挟んで線対称となるよう表されており、「BY」の文字を囲む六角形の下側は、上側のV字仮想線に略一致するような関係で、近接するようにデザインされており、本願商標はそれぞれの構成要素が密接不可分な一つのロゴマークとしての外観を備えている旨、また、構成中の「BY」の文字は「ROLAND」の文字より殊更に小さいわけではなく、六角形で囲われて目立つように表され、「ROLAND」の文字と常に同時に視界に入り、認識されるように構成されている旨主張する。
しかしながら、本願商標の「ROLAND」の構成文字の一部が、「BY」の文字と大きさがそれほど違わず、また、本願商標の図形部分と文字部分が近接して配置され、構成中の図形部分の下方の枠線と「ROLAND」の文字が、角度の似通った傾斜を付けて表されているとしても、本願商標において「ROLAND」の文字部分が構成の大部分を占めること、「ROLAND」の文字は「BY」の文字よりも太字の書体で顕著に表されていることを考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者が、本願商標を常に一体のものとして把握するというよりは、構成中の「ROLAND」の文字部分に着目し、当該文字部分のみをもって取引に資する場合も少なくないとみるのが相当である。
(2)請求人は、本願商標の構成中「BY」の文字は英語の前置詞として周知であり、名詞と一緒になって一つの意味を形成することもよく知られているから、本願商標を見た需要者は、「BY」を前置詞の役割を果たす英単語と認識し、その下に近接するように記載された「ROLAND」の文字と結び付けて、「BY ROLAND」として認識するのが自然である旨、及び、「by“名詞”」という表現は、製造メーカー等が自社製品に「by 製造メーカー名/ブランド名」と付して使用されており、この2単語は密接不可分の状態で需要者に捉えられるから、本願商標からは「ローランドによる」程度の観念が想起される旨主張する。
しかしながら、本願商標については、上記1のとおり、構成中の「BY」の文字部分と「ROLAND」の文字部分が、観念上不可分的に結合しているとまではいえないものである。また、上記の取引の実情に関する請求人の主張を裏付けるような証拠は提出されていない。
(3)請求人は、本願商標は外観上一体不可分の関係にあり、全体として一つの観念を想起させるものであること、本願商標全体から生ずる「バイローランド」の称呼も格別冗長でないことを踏まえれば、本願商標からは「バイローランド」なる称呼のみが生じ、これ以外の称呼は生じ得ない旨主張する。
しかしながら、既に述べたとおり、本願商標の構成中の図形部分と文字部分は視覚上分離して把握されるものであって、構成中の「BY」の文字部分と「ROLAND」の文字部分が観念上密接な関連性があるともいい難いことからすれば、図形部分と文字部分は、これらを分離して観察することが不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないから、たとえ本願商標全体から生じる「バイローランド」の称呼が冗長なものでないとしても、そのことをもって、本願商標から一連の称呼のみが生じるということはできず、また、他に「バイローランド」の称呼のみをもって取引に当たるとすべき事情も見いだせない。
(4)請求人は、引用商標について、図形部分の長方形の高さは、右側の文字部分の「R」「l」「d」と同じ高さであり、さらに図形部分と文字部分は近接して配置されており、両者は一連一体に表されているから、外形上つながりのある形として表されており、これらを分離して判断すべき格別の理由はない旨主張する。
しかしながら、引用商標の図形部分と文字部分は、たとえ高さを同じくする部分を有しているとしても、左右に明確に分かれているものであり、視覚的に容易に分離して看取されるものであって、これらを常に一体のものとしてみなければならない特段の理由も見当たらない。
(5)したがって、請求人の上記の主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-010613