2021-009474
三次元メモリアレイ
- 審判番号
- 2021-009474
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-554501外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年07月16日
- 審決日
- 2022年07月12日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マイクロン テクノロジー,インク.
- 【請求人代理人】青木 宏義
- 【請求人代理人】天田 昌行
- 【請求人代理人】大菅 義之
- 分類
- P18 .113-WZ (H01L) / P18 .121-WZ (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、2018年(平成30年) 3月12日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年 4月 7日(以下、「本願の優先日」という。)、(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の請求項1~16に係る発明は、令和4年 4月25日にされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項8に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項8】絶縁材料により互いに分離された複数の導電線であって、前記複数の導電線の各導電線は、第1の副平面と第2の副平面とに分割される、前記複数の導電線と、複数の垂直スタックであって、前記複数の垂直スタックの各垂直スタックは、前記複数の導電線に対し略垂直に延びるように配置された導電延長体と、前記導電延長体の周りに形成された導電筒体の周りに形成され、前記複数の導電線の各導電線との2つの異なる接点を有する記憶素子材料であって、各導電線との前記接点の内の一方は、前記各導電線の前記第1の副平面との接点であり、各導電線との前記接点の内の他方は、前記各導電線の前記第2の副平面との接点であり、前記2つの異なる接点は、前記複数の導電線の各導電線との前記2つの異なる接点の各々が前記記憶素子材料に接するメモリセルを形成し、前記記憶素子材料は自己選択型記憶素子材料である、前記記憶素子材料と、前記複数の導電線に対して略垂直方向に延びるように配置された追加の絶縁材料であって、前記追加の絶縁材料は、前記複数の導電線の内の各個別の1つを有する前記2つの異なる接点を相互に分離する、前記追加の絶縁材料とを備える、前記複数の垂直スタックとを備える、3次元メモリアレイ。」
第3 当審拒絶理由の概要
令和4年 1月19日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は、本願の請求項1~14に係る発明は引用例1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、そうでないとしても、本願の請求項1~14に係る発明は、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
第4 引用例の記載及び引用発明
1 引用例1について
本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-115436号公報(平成25年 6月10日出願公開、以下、「引用例1」という。)には、次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。以下、同様である。)。
「【発明が解決しようとする課題】【0005】本発明の目的は増加された集積度を有する3次元半導体メモリ装置を提供することにある。」
「【0027】図1の3次元半導体装置は、次に説明する本発明の実施形態を利用して具現され得る。[第1実施形態]【0028】続きを表示(全38行)図2、4、6、8、10、12、14、16、乃至図18は、本発明の一実施形態による3次元半導体装置の、製造段階を順次示す斜視図であり、図3、5、7、9、11、13、15、17、乃至図19は、各々、図2、4、6、8、10、12、14、16、乃至図18の一点鎖線I-I’及びII-II’線に沿って切断した断面を示す断面図である。図20は、本発明の一実施形態による3次元半導体装置の斜視図であり、図21は、図20の一点鎖線I-I’及びII-II’線に沿って切断した断面を示す断面図である。・・・【0035】図6及び図7を参照すれば、ゲート絶縁膜210が、不純物領域130が形成された結果物の上に形成され、薄膜構造体200がゲート絶縁膜210の上に形成される。薄膜構造体200は、交互に積層された、複数の犠牲膜220及び複数の鋳型膜230を含む。・・・【0037】犠牲膜220は鋳型膜230に対して蝕刻選択性(etch selectivity)を有しながら蝕刻され得る物質で形成される。即ち、所定の蝕刻レシピーを使用して犠牲膜220を蝕刻する工程で、犠牲膜220は鋳型膜230の蝕刻を制限しながら(及び/又は、防止しながら)蝕刻され得る物質で形成される。公知のように、このような蝕刻選択性は鋳型膜230の蝕刻速度に対する犠牲膜220の蝕刻速度の比率として定量的に表現される。一実施形態によれば、犠牲膜220は鋳型膜230に対して1:10乃至1:200(さらに限定的には、1:30乃至1:100)の蝕刻選択比を有する物質の1つである。例えば、鋳型膜230はシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の中の少なくとも1つであり、犠牲膜220はシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコンカーバイド、及びシリコン窒化膜の中から選択される鋳型膜230と異なる物質である。以下では、本発明の技術的思想に対する理解を容易にするために、鋳型膜230はシリコン酸化膜であり、犠牲膜220はシリコン窒化膜である実施形態を例示的に説明する。【0038】図8及び図9を参照すれば、薄膜構造体200をパターニングして第1トレンチ240を形成した後、第1埋め込み膜250を形成して第1トレンチ240を満たす。・・・【0040】第1埋め込み膜250は絶縁性物質を少なくとも1つを含む。例えば、第1埋め込み膜250はSOG物質及びシリコン酸化物の中の少なくとも1つを含む。一実施形態で、第1埋め込み膜250は犠牲膜220及び鋳型膜230に対して蝕刻選択性を有する物質で形成される。【0041】図10及び図11を参照すれば、第1トレンチ240の下に位置する第1不純物領域131を露出する複数の垂直ホール260を形成する。以後、垂直ホール260の内側壁を覆うメモリパターン270及び垂直ホール260の残りの空間を満たす第1プラグ280を形成する。・・・【0043】メモリパターン270は情報を格納できるようにする物性を有する物質を少なくとも1つ含む。例えば、メモリパターン270はそれを通過する電流によってその抵抗が選択的に変化する物質(即ち、可変抵抗特性を有する物質)を少なくとも1つ含む。【0044】一実施形態によれば、メモリパターン270はそれに印加される熱によってその電気的抵抗が変化する物質(例えば、カルコゲン化合物(chalcogenide))を少なくとも1つ含む。カルコゲン化合物はアンチモン(antimony、Sb)、テルル(tellurium、Te)、及びセレン(selenium、Se)の中の少なくとも1つを含む。例えば、メモリパターン270は、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物を含む。これに加えて、メモリパターン270のためのカルコゲン化合物は、不純物として、N、O、C、Bi、In、B、Sn、Si、Ti、Al、Ni、Fe、Dy、及びLaの中の少なくとも1つを含むことができる。又は、メモリパターン270はGeBiTe、InSb、GeSb、及びGaSbの中の1つで形成されることもあり得る。・・・【0047】この実施形態によれば、メモリパターン270の各々は図1を参照して説明されたメモリ要素MEとして使用され、第1プラグ280の各々は図1を参照して説明された垂直電極VEとして使用される。・・・【0051】図14及び図15を参照すれば、犠牲膜220を選択的に除去して鋳型膜230の間にリセス領域320を形成する。リセス領域320を形成する段階は第2トレンチ310によって露出される犠牲膜220を側方向に蝕刻(例えば、等方的に蝕刻)する段階を含む。・・・【0053】リセス領域320は第1トレンチ240の境界まで拡張される。例えば、リセス領域320は第1埋め込み膜250及びメモリパターン270の外側壁を露出するように形成される。【0054】図16及び図17を参照すれば、リセス領域320を満たす水平電極330を形成する。水平電極330の各々はリセス領域320の中の対応する1つを満たすように形成される。この実施形態によれば、水平電極330は図1を参照して説明したワードラインWL及び選択ラインSLとして使用される。・・・【0056】水平電極330は導電性物質を少なくとも1つ含む。例えば、水平電極330はドーピングされた半導体、金属物質又は金属窒化物の中の少なくとも1つで形成される。水平電極330が金属物質又は金属窒化物で形成される場合、本発明による半導体メモリ装置の動作速度特性は改善できる。」
「【0084】図33乃至図35は本発明の例示的実施形態による3次元半導体装置のセルアレイ領域の配線構造を概略的に説明するための図面である。より具体的に、図33はワードラインWLの連結構造を示し、図34は選択ラインSLの連結構造を示し、図35はセルアレイ領域の配線の相対的配置を3次元的に示す。説明を簡単にするために、図1及び図28を参照して説明した例示的実施形態と実質的に同一又は類似の構成要素に対する説明は省略する。・・・【0086】図33を参照すると、ワードラインWL1乃至WL16がビットラインBLを横切るように配置される。ワードラインWL1乃至WL16の各々はビットラインプラグBLPの1列及び垂直電極VEの1列の間に配置される。また、ワードラインWL1乃至WL16の各々は第1又は第2ワードラインドライバーWLD1又はWLD2の中の1つに連結される。例えば、ワードラインWL1乃至WL16の中の奇数番目のものは第1ワードラインドライバーWLD1に連結され、ワードラインWL1乃至WL16の中の偶数番目のものは第2ワードラインドライバーWLD2に連結される。ビットラインBLを含むセルアレイ領域は第1ワードラインドライバーWLD1と第2ワードラインドライバーWLD2との間に配置され得る。これによって、図33に示したように、第1及び第2ワードラインドライバーWLD1、WLD2の各々に連結されるワードラインWL1乃至WL16はフィンガー構造を形成する。・・・【0090】一方、図33では、特定の高さ、即ち薄膜構造体200の特定の層に配列されたワードラインの配置構造を示したが、本実施形態による3次元半導体装置は複数の層の各々で図33の配置構造を有するように配列されたワードラインを含む場合もある。例えば、図35に示したように、ワードラインドライバーWLD11乃至WLD14、WLD21乃至24は各々の層に配列されるワードラインを独立的に制御するように構成され、これらの中の一部WLD11乃至WLD14はワードラインの中で偶数番目のものを制御し、他の一部WLD21乃至24はワードラインの中で奇数番目のものを制御するように構成される。」
「【0094】図37乃至図45は各々、本発明の第5乃至第13実施形態に従う3次元半導体装置を示す断面図である。上述した実施形態による3次元半導体装置は以下で説明する本発明の技術的特徴の中の少なくとも1つを有するように構成される。・・・【0099】第5、第8乃至第11実施形態によれば、図37、図40乃至図43に示したように、メモリパターン270はパイプ形態の側壁部及び側壁部の底から内側に延長される底部を含む場合がある。この時、垂直電極VEはパイプ形態を有しながら、メモリパターン270の底部の上に配置されるスペーサー電極281及びスペーサー電極281を貫通する連結電極282を含む。連結電極282は図37、図42及び図43に示したように、第1不純物領域131に接続されるか、図40に示したように、第1不純物領域131とメモリパターン270との間に介在する導電パターン99に連結される。」
「【図10】[図:0001391472000001.jpg]」
「【図11】[図:0001391472000002.jpg]」
「【図20】[図:0001391472000003.jpg]」
「【図21】[図:0001391472000004.jpg]」
「【図33】[図:0001391472000005.jpg]」
「【図37】[図:0001391472000006.jpg]」
2 引用例1の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
(1)前記1の【0005】の「本発明の目的は増加された集積度を有する3次元半導体メモリ装置を提供することにある。」の記載によれば、引用例1の記載は、3次元半導体メモリ装置に関するものであるといえる。
(2)同【0090】には「図33では、特定の高さ、即ち薄膜構造体200の特定の層に配列されたワードラインの配置構造を示した」と記載されているから、同【図33】は、3次元半導体メモリ装置の特定の層に配列されたワードラインの配置構造を示したものである。
ここで、同【図33】に関する同【0086】には、「図33を参照すると、ワードラインWL1乃至WL16がビットラインBLを横切るように配置される。ワードラインWL1乃至WL16の各々はビットラインプラグBLPの1列及び垂直電極VEの1列の間に配置される。」と記載されているから、3次元半導体メモリ装置は、ワードラインWL1乃至WL16と、複数の垂直電極VEとを含む、といえる。
(3)同【0084】には、「図33乃至図35は本発明の例示的実施形態による3次元半導体装置のセルアレイ領域の配線構造を概略的に説明するための図面である。より具体的に、図33はワードラインWLの連結構造を示し、図34は選択ラインSLの連結構造を示し、図35はセルアレイ領域の配線の相対的配置を3次元的に示す。説明を簡単にするために、図1及び図28を参照して説明した例示的実施形態と実質的に同一又は類似の構成要素に対する説明は省略する。」と記載されており、同【0027】及び【0028】には、「図1の3次元半導体装置は、次に説明する本発明の実施形態を利用して具現され得る。[第1実施形態]」、「図2、4、6、8、10、12、14、16、乃至図18は、本発明の一実施形態による3次元半導体装置の、製造段階を順次示す斜視図であり、図3、5、7、9、11、13、15、17、乃至図19は、各々、図2、4、6、8、10、12、14、16、乃至図18の一点鎖線I-I’及びII-II’線に沿って切断した断面を示す断面図である。 図20は、本発明の一実施形態による3次元半導体装置の斜視図であり、図21は、図20の一点鎖線I-I’及びII-II’線に沿って切断した断面を示す断面図である。」と記載されているから、同【図1】の記載、及び、【図2】~【図21】に示される第1実施形態に関する記載は、同【図33】に示されるワードラインの配置構造で説明が省略された部分を特定するものであるといえる。
(4)第1実施形態に関する記載である同【0035】には、「薄膜構造体200は、交互に積層された、複数の犠牲膜220及び複数の鋳型膜230を含む」と記載されており、同【0037】には、「鋳型膜230はシリコン酸化膜であり」と記載されているから、3次元半導体メモリ装置は、シリコン酸化膜である複数の鋳型膜230を含んでいるといえる。
(5)第1実施形態に関する記載である同【0051】には、「犠牲膜220を選択的に除去して鋳型膜230の間にリセス領域320を形成する」と記載されており、同【0054】には、「水平電極330の各々はリセス領域320の中の対応する1つを満たすように形成される。この実施形態によれば、水平電極330は図1を参照して説明したワードラインWL及び選択ラインSLとして使用される。」と記載されており、同【0056】には、「水平電極330は導電性物質を少なくとも1つ含む」と記載されているから、3次元半導体メモリ装置においては、犠牲膜220を除去して形成されたリセス領域320を満たすように形成される導電性物質を含む、ワードラインWLとして使用される水平電極330を含んでいるといえる。
そして、同【0035】において、「薄膜構造体200は、交互に積層された、複数の犠牲膜220及び複数の鋳型膜230を含む」と記載されているから、複数の犠牲膜220は、複数の鋳型膜230と交互に積層されるものであるといえるところ、当該犠牲膜220を除去して形成されたリセス領域320を満たすように形成される水平電極330もまた、複数の鋳型膜230と交互に積層されるものであるといえる。
さらに、同【0090】には、「図33では、特定の高さ、即ち薄膜構造体200の特定の層に配列されたワードラインの配置構造を示したが、本実施形態による3次元半導体装置は複数の層の各々で図33の配置構造を有するように配列されたワードラインを含む場合もある。」と記載されているから、前記(2)におけるワードラインWL1乃至WL16は、複数の鋳型膜230と交互に積層される複数の水平電極330の各々の層に配列されているものであるといえる。
以上のことからすれば、3次元半導体メモリ装置は、複数の鋳型膜230と交互に積層される導電性物質を含む複数の水平電極330を含んでおり、複数の水平電極330の各々の層にワードラインWL1乃至WL16が形成されるといえる。
(6)第1実施形態に関する記載である同【0038】には、「薄膜構造体200をパターニングして第1トレンチ240を形成した後、第1埋め込み膜250を形成して第1トレンチ240を満たす」と記載されており、同【0040】には、「第1埋め込み膜250は絶縁性物質を少なくとも1つを含む」と記載されているから、3次元半導体メモリ装置は、第1トレンチ240を満たす絶縁性物質を含む第1埋め込み膜250を含んでいるといえる。
(7)第1実施形態に関する記載である同【0041】には、「第1トレンチ240の下に位置する第1不純物領域131を露出する複数の垂直ホール260を形成する。以後、垂直ホール260の内側壁を覆うメモリパターン270及び垂直ホール260の残りの空間を満たす第1プラグ280を形成する。」と記載されており、同【0047】には、「第1プラグ280の各々は図1を参照して説明された垂直電極VEとして使用される。」と記載されているから、3次元半導体メモリ装置は、メモリパターン270と、垂直電極VEである第1プラグ280と、を含んでいるといえる。
(8)第1実施形態に関する図である同【図10】及び【図11】から、各々の層において、犠牲膜220は、第1埋め込み膜250によって水平方向に二つに分割されており、当該二つに分割された犠牲膜220によって、メモリパターン270が前記水平方向に挟まれて配置されており、それぞれのメモリパターン270は、当該メモリパターン270を前記水平方向に挟むように配置された複数の犠牲膜220の一方及び他方とそれぞれ接することが見て取れる。
ここで、前記(5)によれば、水平電極330は、犠牲膜220を除去して形成されたリセス領域320を満たすように形成されるものであり、かつ、同【0053】において、「リセス領域320は第1トレンチ240の境界まで拡張される。例えば、リセス領域320は第1埋め込み膜250及びメモリパターン270の外側壁を露出するように形成される。」と記載されていることからすれば、3次元半導体メモリ装置の各々の層において、水平電極330は、第1埋め込み膜250によって水平方向に二つに分割されており、当該二つに分割された水平電極330によって、メモリパターン270が前記水平方向に挟まれており、メモリパターン270は、当該メモリパターン270を前記水平方向に挟むように配置された、前記二つに分割された水平電極330の一方及び他方とそれぞれ接しているといえる。
(9)第1実施形態に関する記載である同【図20】、【図21】には、第1埋め込み膜250が、水平電極330に対して垂直方向に伸びるように配置されていることが見て取れる。
(10)第1実施形態に関する記載である同【図10】、【図11】には、メモリパターン270が、複数の第1プラグ280の周囲にそれぞれ配置され、第1埋め込み膜250が、メモリパターン270の周囲にそれぞれ配置されることが見て取れる。
そして、前記(7)によれば、第1プラグ280は、垂直電極VEであるから、3次元半導体メモリ装置におけるメモリパターン270は、複数の垂直電極VEの周囲にそれぞれ配置され、第1埋め込み膜250は、当該メモリパターン270の周囲にそれぞれ配置されるといえる。
(11)同【0094】には、「図37乃至図45は各々、本発明の第5乃至第13実施形態に従う3次元半導体装置を示す断面図である。上述した実施形態による3次元半導体装置は以下で説明する本発明の技術的特徴の中の少なくとも1つを有するように構成される。」と記載されているから、図37は、「上述した実施形態」、すなわち、第1~4実施形態が有する技術的特徴を示すものであるといえ、また、同【0099】には、「図37、図40乃至図43に示したように、メモリパターン270はパイプ形態の側壁部及び側壁部の底から内側に延長される底部を含む場合がある。この時、垂直電極VEはパイプ形態を有しながら、メモリパターン270の底部の上に配置されるスペーサー電極281及びスペーサー電極281を貫通する連結電極282を含む。」と記載されており、さらに、前記(7)によれば、第1実施形態において、3次元半導体メモリ装置は、メモリパターン270と、垂直電極VEである第1プラグ280と、を含んでいることからすれば、前記【0099】の記載は、3次元半導体メモリにおけるメモリパターン270及び垂直電極VEである第1プラグ280の構造を特定するものであるといえる。
そうすると、3次元半導体メモリ装置において、メモリパターン270は、パイプ形態であり、垂直電極VEは、パイプ形態を有するスペーサー電極281と、スペーサー電極281を貫通する連結電極282を含んでいるといえる。
(12)同【図37】には、垂直電極VEと水平電極330の間に、メモリパターン270が配置されることが見て取れる。
そうすると、3次元半導体メモリ装置におけるメモリパターン270は、垂直電極VEと水平電極330の間に配置されるといえる。
(13)同【図37】には、垂直電極VEが、水平電極330に対し垂直方向に伸びるように配置されていることが見て取れる。
そうすると、3次元半導体メモリ装置における垂直電極VEは、水平電極330に対し垂直方向に伸びるように配置されているといえる。
(14)第1実施形態に関する記載である同【0043】には、「メモリパターン270は情報を格納できるようにする物性を有する物質を少なくとも1つ含む。」と記載されており、同【0044】には、「例えば、メモリパターン270は、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物を含む。」と記載されているから、3次元半導体メモリ装置におけるメモリパターン270は、情報を格納できるようにする物性を有する物質である、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物を含んでいるといえる。
3 引用例1に記載された発明
前記2の記載事項から、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「複数の垂直電極VEと、シリコン酸化膜である複数の鋳型膜230と、前記複数の鋳型膜230と交互に積層される導電性物質を含む複数の水平電極330であって、前記複数の水平電極330の各々の層にワードラインWL1乃至WL16が形成される、前記複数の水平電極と、第1トレンチ240を満たす絶縁性物質を含む第1埋め込み膜250と、続きを表示(全15行)メモリパターン270と、を含み、前記各々の層の前記水平電極330は、前記第1埋め込み膜250によって水平方向に二つに分割されており、当該二つに分割された前記水平電極330によって、前記メモリパターン270が前記水平方向に挟まれており、前記メモリパターン270は、当該メモリパターン270を前記水平方向に挟むように配置された、前記二つに分割された水平電極330の一方及び他方とそれぞれ接しており、前記第1埋め込み膜250が、前記複数の水平電極330に対して垂直方向に伸びるように配置されており、前記メモリパターン270は、前記複数の垂直電極VEの周囲にそれぞれ配置されており、第1埋め込み膜250は、前記メモリパターン270の周囲にそれぞれ配置されており、前記メモリパターン270は、パイプ形態であり、前記垂直電極VEは、パイプ形態を有するスペーサー電極281と、スペーサー電極281を貫通する連結電極282を含んでおり、前記メモリパターン270は、前記垂直電極VEと水平電極330の間に配置され、前記垂直電極VEは、前記水平電極330に対し垂直方向に伸びるように配置され、前記メモリパターン270は、情報を格納できるようにする物性を有する物質である、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物を含んでいる、3次元半導体メモリ装置。」
第5 対比
本願発明と引用発明1とを対比する。
1 引用発明1の「複数の水平電極330」は、「前記複数の鋳型膜230と交互に積層される導電性物質を含む」ものである。
ここで、引用発明1の「前記複数の鋳型膜230」は「シリコン酸化膜であ」り、技術常識からすれば、シリコン酸化膜は絶縁膜である。また、引用発明1の「前記複数の水平電極330」の「各々の層」には「ワードラインWL1乃至WL16が形成され」ている。
そうすると、引用発明1の「前記複数の鋳型膜230と交互に積層される導電性物質を含」み、「各々の層にワードラインWL1乃至WL16が形成され」ている「複数の水平電極330」は、絶縁膜である複数の鋳型膜230と交互に積層されることによって互いに分離されている導電線であるといえる。
以上によれば、引用発明1の「シリコン酸化膜である複数の鋳型膜230」は、本願発明の「絶縁材料」に相当し、引用発明1の「前記複数の鋳型膜230と交互に積層される導電性物質を含」み、「各々の層にワードラインWL1乃至WL16が形成され」ている「複数の水平電極330」は、本願発明の「絶縁材料により互いに分離された複数の導電線」に相当する。
2 引用発明1において、「前記複数の鋳型膜230と交互に積層される導電性物質を含む複数の水平電極330」の「各々の層」の「水平電極330」は、「第1埋め込み膜250によって水平方向に二つに分割されており」、当該「各々の層」の「水平電極330」は、それぞれ水平な平面を有しているといえるから、「各々の層」の「水平電極330」は、第1副平面と第2副平面とに分割されるものである。
以上によれば、引用発明1の「第1埋め込み膜250によって水平方向」に「二つに分割された」、「複数の水平電極330」の「各々の層」の「水平電極330」は、本願発明の「第1の副平面と第2の副平面とに分割される」「前記複数の導電線の各導電線」に相当する。
3 引用発明1の「垂直電極VE」は、「前記水平電極330に対し垂直方向に伸びるように配置され」るものである。
そして、引用発明1の「垂直電極VE」は、「パイプ形態を有するスペーサー電極281と、前記スペーサー電極281を貫通する連結電極282とを含」むものであるから、「垂直電極VE」に含まれる「連結電極282」も、「前記水平電極330に対し垂直方向に伸びるように配置され」るものである。
また、技術常識からすれば、電極は、導電性を有するものである。
そして、前記1によれば、引用発明1の「複数の水平電極330」は、本願発明の「複数の導電線」に相当するものである。
以上によれば、引用発明1の「連結電極282」は、本願発明の「前記複数の導電線に対し略垂直に延びるように配置された導電延長体」に相当する。
4 引用発明1の「メモリパターン270」は、「情報を格納できるようにする物性を有する物質である、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物を含」むものである。
一方、本願発明における「自己選択型記憶素子材料」について、本願の明細書の【0035】には「自己選択型記憶素子材料として機能し得る・・・カルコゲナイド合金」と記載されており、同【0036】には、「記憶素子材料512として機能し得るカルコゲナイド材料の例には、・・・ゲルマニウム(Ge)-アンチモン(Sb)-テルル(Te)(GST)材料、例えばGe8Sb5Te8、Ge2Sb2Te5、Ge1Sb2Te4、Ge1Sb4Te7、Ge4Sb4Te7などが挙げられる」と記載されていることからすれば、引用発明1の「情報を格納できるようにする物性を有する物質である、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物」は、前記「記憶素子材料512として機能し得るカルコゲナイド材料」と同じ材料であるといえる。
したがって、引用発明1の「情報を格納できるようにする物性を有する物質である、テルルTeは約20原子%乃至約80原子%の濃度を有し、アンチモンSbは約5原子%乃至約50原子%の濃度を有し、残りはゲルマニウムGeであるカルコゲン化合物を含」む「メモリパターン270」は、本願発明の「自己選択型記憶素子材料」に相当する。
5 引用発明1の「メモリパターン270」は、「パイプ形態」であり、かつ、「パイプ形態を有するスペーサー電極281」を含む「垂直電極VEと、水平電極330との間に配置され」ているものであることからすれば、引用発明1の「メモリパターン270」は、「スペーサー電極281」の周りに形成されているものといえる。
ここで、前記「スペーサー電極281」は、「パイプ形態を有し」、かつ、「連結電極282」が「貫通」しているものであり、かつ、技術常識からすれば、電極は、導電性を有するものであることから、「スペーサー電極281」は、「連結電極282」の周りに形成された「導電筒体」であるといえる。
そして、前記3によれば、引用発明1の「連結電極282」は、本願発明の「前記複数の導電線に対し略垂直に延びるように配置された導電延長体」に相当するから、本願発明の「記憶素子材料」と、引用発明1の「メモリパターン270」とは、「前記導電延長体の周りに形成された導電筒体の周りに形成され」ている点で共通する。
また、引用発明1の「メモリパターン270」は、「当該メモリパターン270を前記水平方向に挟むように配置された、前記二つに分割された水平電極330の一方及び他方とそれぞれ接し」ているものであるから、「メモリパターン270」は、「二つに分割された水平電極330」と2つの異なる接点を有しているといえる。
さらに、前記2によれば、「複数の水平電極330」の「各々の層」の「水平電極330」は、第1副平面と第2副平面とに分割されるものである。
そうすると、引用発明1の「各々の層」の「水平電極330」の第1副平面と第2副平面のそれぞれも、「メモリパターン270」に接しているといえるから、「メモリパターン270」が「各々の層」の「水平電極330」の第1副平面に接している点、「メモリパターン270」が「各々の層」の「水平電極330」の第2副平面に接している点が、それぞれ、本願発明の本願発明の「各導電線との前記第1の副平面との接点」及び「各導電線との前記第2の副平面との接点」に相当する。
さらに、前記4によれば、引用発明1の「メモリパターン270」は、本願発明の「自己選択型記憶素子材料」に相当するものである。
以上によれば、引用発明1の「メモリパターン270」は、本願発明の「前記導電延長体の周りに形成された導電筒体の周りに形成され、前記複数の導電線の各導電線との2つの異なる接点を有する記憶素子材料であって、各導電線との前記接点の内の一方は、前記各導電線の前記第1の副平面との接点であり、各導電線との前記接点の内の他方は、前記各導電線の前記第2の副平面との接点であり、前記2つの異なる接点は、前記複数の導電線の各導電線との前記2つの異なる接点の各々が前記記憶素子材料に接するメモリセルを形成し、前記記憶素子材料は自己選択型記憶素子材料である、前記記憶素子材料」に相当する。
6 引用発明1の「前記複数の水平電極330に対して垂直方向に延びるように配置され」「絶縁物質を含む第1埋め込み膜250」は、「複数の水平電極330と交互に積層される」「シリコン酸化膜である複数の鋳型膜230」に対して、別の追加の絶縁材料であるといえる。
また、前記5によれば、「メモリパターン270」は、「二つに分割された水平電極330」と2つの異なる接点を有しているといえる。
そして、引用発明1の「第1埋め込み膜250」は、「前記各々の層の前記水平電極330は、前記第1埋め込み膜250によって水平方向に二つに分割されており」というように、複数の水平電極330を水平方向に分割する機能を有するものである。
そうすると、引用発明1の「第1埋め込み膜250」は、「複数の水平電極330」のうちの各個別の1つを有する前記2つの異なる接点を相互に分離するものといえる。
以上によれば、引用発明1の「第1埋め込み膜250」は、本願発明の「前記複数の導電線に対して略垂直方向に延びるように配置された追加の絶縁材料であって、前記追加の絶縁材料は、前記複数の導電線の内の各個別の1つを有する前記2つの異なる接点を相互に分離する、前記追加の絶縁材料」に相当する。
7 前記3、5、6によれば、引用発明1の1つの垂直電極VEが含む「連結電極282」、当該垂直電極VEの周囲に配置された「メモリパターン270」、及び、当該垂直電極VEの周囲に配置されたメモリパターン270の更に周囲に配置された「第1埋め込み膜250」は、本願発明の各垂直スタックを構成する「前記複数の導電線に対し略垂直に延びるように配置された導電延長体」、「前記導電延長体の周りに形成された導電筒体の周りに形成され、前記複数の導電線の各導電線との2つの異なる接点を有する記憶素子材料であって、各導電線との前記接点の内の一方は、前記各導電線の前記第1の副平面との接点であり、各導電線との前記接点の内の他方は、前記各導電線の前記第2の副平面との接点であり、前記2つの異なる接点は、前記複数の導電線の各導電線との前記2つの異なる接点の各々が前記記憶素子材料に接するメモリセルを形成し、前記記憶素子材料は自己選択型記憶素子材料である、前記記憶素子材料」、及び、「前記複数の導電線に対して略垂直方向に延びるように配置された追加の絶縁材料であって、前記追加の絶縁材料は、前記複数の導電線の内の各個別の1つを有する前記2つの異なる接点を相互に分離する、前記追加の絶縁材料」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明1は複数の垂直電極VEを含むから、引用発明1は、
「複数の垂直スタックであって、前記複数の垂直スタックの各垂直スタックは、前記複数の導電線に対し略垂直に延びるように配置された導電延長体と、前記導電延長体の周りに形成された導電筒体の周りに形成され、前記複数の導電線の各導電線との2つの異なる接点を有する記憶素子材料であって、各導電線との前記接点の内の一方は、前記各導電線の前記第1の副平面との接点であり、各導電線との前記接点の内の他方は、前記各導電線の前記第2の副平面との接点であり、前記2つの異なる接点は、前記複数の導電線の各導電線との前記2つの異なる接点の各々が前記記憶素子材料に接するメモリセルを形成し、前記記憶素子材料は自己選択型記憶素子材料である、前記記憶素子材料と、前記複数の導電線に対して略垂直方向に延びるように配置された追加の絶縁材料であって、前記追加の絶縁材料は、前記複数の導電線の内の各個別の1つを有する前記2つの異なる接点を相互に分離する、前記追加の絶縁材料とを備える、前記複数の垂直スタックとを備える、」といえる点で本願発明と一致する。
8 引用発明1の「3次元半導体メモリ装置」は、本願発明の「3次元メモリアレイ」に相当する。
9 以上の1~8によれば、本願発明と引用発明1は、
「絶縁材料により互いに分離された複数の導電線であって、前記複数の導電線の各導電線は、第1の副平面と第2の副平面とに分割される、前記複数の導電線と、複数の垂直スタックであって、前記複数の垂直スタックの各垂直スタックは、前記複数の導電線に対し略垂直に延びるように配置された導電延長体と、前記導電延長体の周りに形成された導電筒体の周りに形成され、前記複数の導電線の各導電線との2つの異なる接点を有する記憶素子材料であって、各導電線との前記接点の内の一方は、前記各導電線の前記第1の副平面との接点であり、各導電線との前記接点の内の他方は、前記各導電線の前記第2の副平面との接点であり、前記2つの異なる接点は、前記複数の導電線の各導電線との前記2つの異なる接点の各々が前記記憶素子材料に接するメモリセルを形成し、前記記憶素子材料は自己選択型記憶素子材料である、前記記憶素子材料と、前記複数の導電線に対して略垂直方向に延びるように配置された追加の絶縁材料であって、前記追加の絶縁材料は、前記複数の導電線の内の各個別の1つを有する前記2つの異なる接点を相互に分離する、前記追加の絶縁材料とを備える、前記複数の垂直スタックとを備える、3次元メモリアレイ。」
の点で一致し、相違する点はない。
第6 判断
前記第5 9のとおり、本願発明と引用発明1との間に相違点はないから、本願発明は、引用発明1である。
仮に、本願発明と引用発明1との間に相違点があるとしても、当該相違点は格別のものではなく、本願発明は、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、そうでないとしても特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、前記第3の当審拒絶理由を解消せず、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-009474