商標拒絶査定不服審判
2021-003379
ニコニコレンタカー、ニコニコ
- 審判番号
- 2021-003379
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-005017
- 請求日
- 2021年03月15日
- 審決日
- 2022年01月19日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ホームネットカーズ株式会社
- 【請求人代理人】友野 英三
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .271-Z (W35) / T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項15号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第11号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-5017拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ニコニコレンタカー」の文字を標準文字で表してなり、第35類「トレーディングスタンプの発行,トレーディングスタンプの清算,トレーディングスタンプの管理,トレーディングスタンプの発行・清算・管理に関する情報の提供,ポイントカードの発行,ポイントカードの清算,ポイントカードの管理,ポイントカードの発行・清算・管理に関する情報の提供,事業に関する指導及び助言,事業に関する情報の提供,事業の管理に関する指導及び助言,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,自動車の共同使用に関する事業の運営及び管理,自動車の共同使用に関する事業に関する指導及び情報の提供,駐車場提供に関する事業の管理及び運営並びにこれらに関するコンサルティング及び情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータデータベースへの情報構築,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,機械式駐車装置並びにその部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,レンタカー事業の運営及び管理,レンタカー事業に関する指導及び情報の提供,レンタカーのフランチャイズ事業の運営及び管理,レンタカーのフランチャイズ事業に関するコンサルティング及びそれに関する情報の提供,カーシェアリング事業の運営及び管理,カーシェアリング事業に関する指導及び情報の提供,自動車リース事業に関する指導及び情報の提供,自動車リース事業の運営及び管理」を指定役務として、平成31年1月10日に登録出願されたものである。
原審では、令和元年12月27日付けで拒絶理由の通知、同2年3月16日付けで意見書の提出、同年12月9日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同3年3月15日付けで本件拒絶査定不服審判が請求されている。
2 原査定の拒絶の理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5359990号商標(以下「引用商標」という。)は、「ニコニコ」の文字を標準文字で表したものであり、平成21年11月17日登録出願、第9類「業務用テレビゲーム機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」、第35類「インターネットによる広告,インターネットのウェブサイト上の広告スペースの提供又はこれに関する情報の提供,トレーディングスタンプの発行,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,求人情報の提供」、第41類「娯楽施設の提供,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,美術品の展示」及び第45類「ファッション情報の提供,新聞記事情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,個人に関する情報の提供,占い,身の上相談」を指定商品及び指定役務として、同22年10月8日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本願商標は、「ニコニコレンタカー」の文字を標準文字で表してなるところ、横浜市に所在する「レンタス」が、「格安レンタカー」等に使用した結果、本願商標の登録出願日以前より取引者、需要者間において広く知られている商標「ニコニコレンタカー」と同一又は類似するものである。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「レンタス」の提供する役務、あるいは、当該者と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、原審において令和2年8月26日付け刊行物等提出書において提出された刊行物等1から刊行物等22(以下、これらを「乙1」から「乙22」と読み替える。)に記載された事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知し、意見を求めた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見
上記の通知に対して、請求人からの意見はない。
5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 「ニコニコレンタカー」の周知性について
(ア)証拠によれば、以下の事実が認められる。
a 2019年に創立10周年を迎えた「ニコニコレンタカー」(以下「引用使用商標」という。)の名称のレンタカーサービスは、株式会社レンタスをフランチャイズ本部として、ガソリンスタンド、車販売店、カー用品店、整備工場等による兼業ビジネスとして加盟店を増やしており、同社は当該レンタカー事業の運営や加盟店向けの事業説明、事業支援などを行っている(乙1、乙16)。
b 「ニコニコレンタカー」は、店舗数が日本全国(北海道から沖縄まで)で1,500店以上(2019年時点)、その会員数は248万人(2017年時点)にのぼり、年間総売上は、2009年から2016年にかけて年率120%ペースで増加し、2015年には80億円を超え、2016年には100億円近くまで伸びている(乙1、乙16)。
c 「ニコニコレンタカー」の広告宣伝は、スポーツイベントやスポーツ施設での看板、電車車内や駅構内における広告、スポーツチームやテレビ番組でのスポンサー活動、店舗や建物における看板等において、引用使用商標を表示又は露出するような態様で行われている(乙3~乙15、乙18~乙20)。
そして、それら広告宣伝活動(テレビ広告、屋外広告塔、交通広告など)の経費として、年間でおおむね2億円前後(2016年から2019年)が支出されている(乙2)。
d 「日経BPコンサルティング」社の発行する「ブランド・ジャパン2018 データブック」によれば、「ニコニコレンタカー」の認知率は、57.3%(2017年)、56.2%(2018年)である(乙21)。
(イ)以上のとおり、株式会社レンタスの運営するレンタカーサービス「ニコニコレンタカー」は、本願商標の登録出願日(平成31年(2019年)年1月10日)の約10年前から継続して事業展開しており、その会員数(約248万人)や店舗数(約1,500店)、その売上規模(2016年で約100億円)も相当程度の規模にのぼり、広告宣伝も多様な媒体(施設の看板、電車内広告、店舗看板など)でなされ、継続的に約2億円前後(2016年から2019年まで)の広告費用が支出されている。そして、調査会社(日経BPコンサルティング)による調査でも比較的高い認知度を示している(2018年時点で56.2%)ことを踏まえると、引用使用商標(ニコニコレンタカー)は、本願商標の登録出願日時点において、我が国における需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認められる。
イ 本願商標は、上記1のとおり、「ニコニコレンタカー」の文字を標準文字で表してなるところ、引用使用商標もそれと構成文字を共通にする「ニコニコレンタカー」の文字よりなるから、両商標は実質的に同一の商標である。
ウ 本願商標の指定役務は、上記1のとおり、レンタカー事業の事業運営や事業管理、事業支援を含むところ、引用使用商標と関連して株式会社レンタスがフランチャイズ本部として行う事業内容(レンタカー事業の運営や事業支援など)とは、役務の内容や目的において共通し、極めて密接な関連性があり、レンタカー事業者(又は事業希望者)に向けた役務としては需要者層が相当程度共通するものである。
エ 以上を踏まえると、本願商標は、我が国における需要者の間に広く認識されている引用使用商標とは、実質的に同一の商標であって、その指定役務も、引用使用商標に係る事業内容とは極めて密接な関連性のあるもので、需要者層も相当程度共通するから、その指定役務に係る取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断しても、その役務が他人(株式会社レンタス)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、具体的な関連性を連想、想起させるというべきで、その役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
オ 請求人の主張
請求人は、他社の認知度調査によれば、他のレンタカー会社(トヨタレンタカー、ニッポンレンタカーなど)の認知度に比べて、「ニコニコレンタカー」の認知度は低いから、引用使用商標は、商標法第4条第1項第15号の規定が適用できる程度には、取引者、需要者の間において、広く知られている商標とはいえない旨を主張する。
しかしながら、引用使用商標に係る認知度は、他の商標の認知度と比較して評価すべきような性質のものではなく、また、引用使用商標に係る事業規模や広告宣伝実績を踏まえると、引用使用商標は、上記のとおり、我が国における需要者の間で広く認識されるに至っていたといえる。
カ 小括
以上のとおり、本願商標は、他人の業務に係る役務(引用使用商標)と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するから、他の拒絶理由について言及するまでもなく、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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