2021-003051
無線電力伝送装置及び無線電力送信システム
- 審判番号
- 2021-003051
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-514715外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月08日
- 審決日
- 2022年06月28日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】テーデーカー エレクトロニクス アーゲー
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 分類
- P18 .121-WZ (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年(平成28年)9月16日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和4年5月6日の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和4年5月6日の手続補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容
令和4年5月6日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の請求項1を本件補正における請求項1に変更する補正事項を含むものである。
そして、補正前の請求項1及び本件補正による請求項1は、それぞれ、以下のとおりである(本件補正における請求項1の下線部は、補正された箇所を示す。)。
〈補正前の請求項1〉
「【請求項1】無線電力伝送装置であって、インバータと、インピーダンス回路と、続きを表示(全17行)第1伝送コイル及び第2伝送コイルを有するインダクタンス回路と、スイッチ回路とを有し、前記第1及び第2伝送コイルはDDコイルであり、前記インピーダンス回路と前記インダクタンス回路とは共振回路を確立し、前記インバータはAC電力を前記共振回路へ提供し、及び前記スイッチ回路は、前記共振回路の共振周波数を変更するため及び前記AC電力の周波数を所定の範囲内に維持するために、前記第1伝送コイルを、前記インピーダンス回路に直接的に及び/又は前記第2伝送コイルを介して結合することが可能であり、第1及び第2容量素子が前記インピーダンス回路に含まれ、前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される状態と、前記第2伝送コイルが前記第1伝送コイルと前記第1容量素子との間に直列に接続される状態との間で切り替えを行い、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される場合、前記第2伝送コイルの一方端は前記第1容量素子に結合され、前記第2伝送コイルの他方端はフローティング状態であり、前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルを前記インピーダンス回路に結合して、第1共振周波数を有する共振回路をもたらし、前記スイッチ回路は、前記第2伝送コイルを前記第1伝送コイルと前記インピーダンス回路との間に直列に結合し、第2共振周波数を有する共振回路を提供し、前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数と相違し、前記第1伝送コイルとともに動作する前記インバータの動作周波数が、許容周波数範囲内の周波数を維持できないことが判明した場合に、前記第1伝送コイルに加えて前記第2伝送コイルを使用して、前記動作周波数を前記許容周波数範囲の方へシフトさせる、無線電力伝送装置。」
〈本件補正による請求項1〉
「【請求項1】無線電力伝送装置であって、インバータと、インピーダンス回路と、続きを表示(全17行)第1伝送コイル及び第2伝送コイルを有するインダクタンス回路と、スイッチ回路とを有し、前記第1及び第2伝送コイルはDDコイルであり、前記インピーダンス回路と前記インダクタンス回路とは共振回路を確立し、前記インバータはAC電力を前記共振回路へ提供し、及び前記スイッチ回路は、前記共振回路の共振周波数を変更するため及び前記AC電力の周波数を所定の範囲内に維持するために、前記第1伝送コイルを、前記インピーダンス回路に直接的に及び/又は前記第2伝送コイルを介して結合することが可能であり、第1及び第2容量素子が前記インピーダンス回路に含まれ、前記第1容量素子は前記第2容量素子と相違しており、前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される状態と、前記第2伝送コイルが前記第1伝送コイルと前記第1容量素子との間に直列に接続される状態との間で切り替えを行い、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される場合、前記第2伝送コイルの一方端は前記第1容量素子に結合され、前記第2伝送コイルの他方端はフローティング状態であり、前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルを前記インピーダンス回路に結合して、第1共振周波数を有する共振回路をもたらし、前記スイッチ回路は、前記第2伝送コイルを前記第1伝送コイルと前記インピーダンス回路との間に直列に結合し、第2共振周波数を有する共振回路を提供し、前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数と相違し、前記第1伝送コイルとともに動作する前記インバータの動作周波数が、許容周波数範囲内の周波数を維持できないことが判明した場合に、前記第1伝送コイルに加えて前記第2伝送コイルを使用して、前記動作周波数を前記許容周波数範囲の方へシフトさせる、無線電力伝送装置。」
2.補正の適否
本件補正による請求項1に係る補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1容量素子」と「第2容量素子」について、「前記第1容量素子は前記第2容量素子と相違」している旨限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と本件補正による請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本願明細書の段落【0061】に「インピーダンス回路Zの第1容量素子(当審注:「第1誘導性素子」は「第1容量素子」の誤記と認める。)は、第1伝送コイルTC1の第1接続電極に接続されることが可能である。インピーダンス回路Zの第2容量素子は、第2伝送コイルTC2の第1接続電極に接続されることが可能である。」と記載され、また、図3及び【符号の説明】には「CE1: 第1容量素子」、「CE2: 第2容量素子」が別個のものとして記載されている。
してみると、「前記第1容量素子は前記第2容量素子と相違」していることは、発明の詳細な説明に記載された事項であり、本件補正による請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
また、特許法第17条の2第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正による請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「1.」の〈本件補正による請求項1〉の欄に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項、引用発明等
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ア.引用文献1
(ア)当審の令和4年2月3日付け拒絶理由通知(最後)に引用された、特開2012-130173号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「電力供給装置」について、図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
「【0001】本発明は、電力供給装置に関し、特に、電気自動車などの電池の充電に用いられる非接触型の電力供給装置に関する。」
「【0007】本発明の主な利点は、共振型の非接触充電用の電力供給装置において、電力供給装置の大型化を招くことなく、1次コイルと2次コイルとの相対的な位置が適正位置からずれた場合の充電効率の低下を抑制できる技術を提供することである。」
「【0033】A.第1実施例:図1は、第1実施例における非接触充電を行うシステムの電気的構成を示す図である。このシステムは、電力供給装置100と、電池を備える電池システム200とを含んでいる。【0034】続きを表示(全17行)電力供給装置100は、電池システム200に対して、電池システム200が備える電池を充電するための電力を、電磁誘導を利用して非接触で供給する装置である。電力供給装置100は、電源110と、1次側整流回路120と、インバータ回路130と、電流検出器140と、電圧検出器150と、1次側共振回路160と、制御回路170と、電池システム200と通信を行うための1次側通信回路180とを備えている。【0035】電源110は、100Vあるいは200Vの家庭用電源などの交流電源である。1次側整流回路120は、電源110から供給された交流電力を整流して直流電力に変換する回路である。インバータ回路130は、1次側整流回路120から出力された直流電力をスイッチングして任意の周波数の交流電力を生成して1次側共振回路160に供給する回路である。インバータ回路130は、例えば、20kHz(キロヘルツ)程度の周波数の交流電力を生成可能な高周波フルブリッジインバータである。電流検出器140は、1次側共振回路160を流れる電流(以下、1次側電流Iinとも呼ぶ。)を検出する回路である。電圧検出器150は、1次側共振回路160に印可された電圧(以下、1次側電圧Vinとも呼ぶ。)を検出する回路である。【0036】1次側共振回路160は、後述する電池システム200の2次側共振回路210に対して非接触で電力を伝送するためのLC直列共振回路である。1次側共振回路160は、直列共振コンデンサとして、標準コンデンサCsと、第1の容量減少用コンデンサC1と、第2の容量減少用コンデンサC2とを備えている。これらの3つのコンデンサは、直列に接続されている。標準コンデンサCsは常に有効な状態にされている。一方、第1の容量減少用コンデンサC1は、第1の容量減少用コンデンサ切替スイッチSW1によって、有効な状態と無効な状態とに切替可能に構成されている。第2の容量減少用コンデンサC2は、第2の容量減少用コンデンサ切替スイッチSW2によって、有効な状態と無効な状態とに切替可能に構成されている。【0037】1次側共振回路160は、さらに、直列共振コンデンサと直列に配列された1次コイルL1を備えている。1次コイルL1は、例えば、心材としてのフェライトコアにリッツ線を巻いて形成されている。1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成されている。この結果、インダクタンス切替スイッチSW3を切り替えることによって、1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができる。ここで、コンデンサやコイルが無効な状態にあるとは、コンデンサやコイルの両極が短絡されて、当該両極間に電位差が生じないようにされている状態にあることを言う。コンデンサやコイルが有効な状態にあるとは、コンデンサやコイルの両極が短絡されておらず、当該両極間に電位差が生じ得る状態にあることを言う。【0038】制御回路170は、電力供給装置100の動作を制御する回路であり、CPUとメモリとを備えた汎用のコンピュータ、あるいは、電力供給装置100の制御を実現するために専用に設計されたハードウェアである。制御回路170は、例えば、制御プログラムを実行することによって、力率算出部M1と、インバータ制御部M2と、状態制御部M3と、警告部M4としての機能を実現する。力率算出部M1は、電流検出器140により検出された1次側電流と、電圧検出器150により検出された1次側電圧とに基づいて、1次側共振回路160の力率を算出する。ここで、1次側電流と1次側電圧との位相差をθ(1次側電流が1次側電圧に対して遅れる場合を正とする)とすると、力率φはtanθで表される。インバータ制御部M2は、インバータ回路130を制御して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数を所望の値に制御する。状態制御部M3は、力率の値に基づいて、1次側共振回路160の状態を制御する。具体的には、状態制御部M3は、第1の容量減少用コンデンサ切替スイッチSW1、第2の容量減少用コンデンサ切替スイッチSW2、インダクタンス切替スイッチSW3の切替制御を行って、1次側共振回路160の状態を、後述する無調整状態、1段階調整状態、2段階調整状態、3段階調整状態のいずれかに制御する。警告部M4は、力率の値に基づいて、ユーザーに対する警告を行う。警告は、電池システム200に対する電力の供給に支障がある旨を利用者に対して通知するものであり、例えば、車両内のアラーム、利用者の家の表示装置への表示、利用者の携帯電話へのメールなどの態様で行われる。【0039】電池システム200は、2次側共振回路210と、2次側整流回路220と、充電回路230と、電池240と、モータ駆動回路250と、モータ260と、2次側通信回路270とを備えている。電池240は、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの充電を行うことで繰り返し直流電源として利用可能な充電池である。モータ駆動回路250は、電池240から供給される直流電力をスイッチングして交流電力を生成して、生成した交流電力をモータ260に供給してモータ260を駆動する回路である。【0040】2次側共振回路210は、電力供給装置100の1次側共振回路160から電力を受け取るためのLC並列共振回路である。2次側共振回路210は、2次コイルL2と、2次コイルL2と並列に接続された並列共振コンデンサCpとを備えている。2次コイルL2は、1次コイルL1と同様に、例えば、心材としてのフェライトコアにリッツ線を巻いて形成されている。2次側整流回路220は、2次側共振回路210にて受け取った交流を整流して直流に変換する回路である。充電回路230は、2次側整流回路220から出力された直流電力を、降圧または昇圧して所望の電圧の電力に変換し、電池240に供給する回路である。これにより、充電回路230は、電池240を充電する。2次側通信回路270は、電力供給装置100の1次側通信回路180と通信を行う回路である。」
「【0062】一方、力率φcが目標力率φnmを下回ると判断すると(ステップS180:NO)、制御回路170の状態制御部M3は、1次側共振回路160の状態を3段階調整状態に制御する(ステップS190)。すなわち、状態制御部M3は、1次側共振回路160の状態を、2段階調整状態から3段階調整状態に切り替える。具体的には、状態制御部M3は、図5に示すように、インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせる。力率φcが目標力率φnmを下回る場合は、1次コイルL1に対する2次コイルL2の位置ずれが大きく、1次側共振回路160を2段階調整状態としてもなお伝送効率が低く、目標効率を達成していないと判断できる。このため、かかる場合には、力率がさらに大きくなるように1次側共振回路160の特性を調整すべく、状態制御部M3は、1次側共振回路160の状態を、2段階調整状態から3段階調整状態に切り替えている。」
「【0070】以上説明した第1実施例によれば、1次側電流Iinと1次側電圧Vinとに基づいて力率φa~φcを算出し、当該力率φa~φcが目標力率φnmを下回った場合に、力率を大きくするように、1次側共振回路160における直列共振コンデンサの静電容量、または、インダクタンスを調整する。この結果、1次コイルL1と2次コイルL2との相対的な位置が適正位置からずれた場合でも、1次側共振回路160および2次側共振回路210の共振状態を、当該ずれた位置における適正な共振状態に近づけることができる。そして、例えば、かかる共振状態の修正のために、多数の1次コイルを用意する必要もないため、電力供給装置100の大型化を抑制できる。したがって、電力供給装置100の大型化を招くことなく、1次コイルL1と2次コイルL2との相対的な位置ずれに起因する電力伝送の効率の低下を抑制することができる。電力伝送の効率の低下は、1次側電流Iinの増加(過電流)を招き、過電流は、発熱等の問題を引き起こす。」
「【0088】・第1変形例:上記実施例では、上述した1次側共振回路160の特性を調整する3つの具体的手法、すなわち、1)直列共振コンデンサの静電容量Cを小さくする続きを表示(全13行)2)1次側共振回路160に供給される交流の周波数を小さくする3)1次コイルL1のインダクタンスを小さくするのうち、1)と3)の手法、すなわち、1次側共振回路160のリアクタンスを調整する手法を用いている。1)と3)の手法と共に、または、これに代えて、2)の手法を用いても良い。この場合は、制御回路170のインバータ制御部M2によるインバータ回路130のスイッチング制御を変更して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数fを標準状態より小さくすれば良い。こうすれば、1次コイルL1に対する2次コイルL2の位置が適正位置からずれた場合に、電力供給装置100および電池システム200から成るシステムの力率を上昇させると共に、電力の伝送効率を向上させることができる。上記1)~3)の手法は、適宜、組み合わせて用いられても良いし、単独で用いられても良い。【0089】ここで、上記の3つの具体的手法の利点について述べる。1)の手法、すなわち、直列共振コンデンサの静電容量を小さくする場合には、静電容量を小さくするための構成(上記実施例では、第1の容量減少用コンデンサC1、第2の容量減少用コンデンサC2、第1の容量減少用コンデンサ切替スイッチSW1、第2の容量減少用コンデンサ切替スイッチSW2)は、1次コイルL1と異なり、充電時における2次コイルL2との位置関係を考慮する必要がないため、配置の自由度が高い(例えば、1次コイルL1とは離れた場所にも配置できる)ので、電力供給装置100、100Aの設計の自由度を損なうことを抑制できる。【0090】2)の手法、すなわち、1次側共振回路160に供給される交流の周波数fを小さくする場合には、インバータ回路130のスイッチング制御を変更するだけで良いので、1次側共振回路160に、特別な構成を何ら設ける必要がなく、電力供給装置100、100Aの大型化を効果的に抑制できる。また、周波数fは、多段階に変更することが容易である。【0091】3)の手法、すなわち、1次コイルL1のインダクタンスを小さくする場合には、インダクタンスを小さくするための構成であるインダクタンス切替スイッチSW3は、1次コイルを複数用意する場合と比較して、大幅に大きさを小さくできるため、電力供給装置100、100Aの大型化を効果的に抑制できる。」
【図1】
[図:0001391318000001.jpg]
(イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
・【0001】、【0007】の記載によれば、引用文献1には、「1次コイルと2次コイルとの相対的な位置が適正位置からずれた場合の充電効率の低下を抑制できる」「非接触型の電力供給装置」が記載されている。
・【0034】の記載によれば、「電力供給装置100」は、「電池システム200に対して、」「電力を、電磁誘導を利用して非接触で供給する」ものである。また、「電力供給装置100は、」「インバータ回路130と、」「1次側共振回路160と、制御回路170」「とを備えている」。
・【0035】の記載によれば、「インバータ回路130は、」「直流電力をスイッチングして任意の周波数の交流電力を生成して1次側共振回路160に供給する回路である」。
・【0036】の記載によれば、「1次側共振回路160は、」「非接触で電力を伝送するためのLC直列共振回路」であり、「1次側共振回路160は、直列共振コンデンサとして、標準コンデンサCsと、第1の容量減少用コンデンサC1と、第2の容量減少用コンデンサC2とを備えている」から、複数の直列共振コンデンサを備えているといえる。また、【0037】の記載によれば、「1次側共振回路160は、」「直列共振コンデンサと直列に配列された1次コイルL1を備えて」おり、「1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成され」、「1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができる」。
してみると、1次側共振回路160は、非接触で電力を伝送するためのLC直列共振回路であり、複数の直列共振コンデンサと直列共振コンデンサと直列に配列された1次コイルL1とを備え、1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成され、1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができる。
・【0038】の記載によれば、「制御回路170は、電力供給装置100の動作を制御する回路であり、」「力率算出部M1と、インバータ制御部M2と、状態制御部M3」「を実現する」ものである。また、「インバータ制御部M2は、インバータ回路130を制御して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数を所望の値に制御」し、「状態制御部M3は、力率の値に基づいて、」「インダクタンス切替スイッチSW3の切替制御を行って、1次側共振回路160の状態を」「制御する」。
・【0039】の記載によれば、「電池システム200は、2次側共振回路210」「を備えている」。
・【0040】の記載によれば、「2次側共振回路210は、電力供給装置100の1次側共振回路160から電力を受け取るためのLC並列共振回路であ」り、「2次コイルL2と、2次コイルL2と並列に接続された並列共振コンデンサCpとを備えている」。
・【0062】の記載によれば、「力率φcが目標力率φnmを下回ると判断すると」、「状態制御部M3は、」「インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせる」。また、「力率φcが目標力率φnmを下回る場合は、1次コイルL1に対する2次コイルL2の位置ずれが大きく、」「伝送効率が低く、目標効率を達成していないと判断できる」。【0070】の記載によれば、「力率φa~φcが目標力率φnmを下回った場合に、力率を大きくするように、1次側共振回路160における」「インダクタンスを調整する」。「この結果、1次コイルL1と2次コイルL2との相対的な位置が適正位置からずれた場合でも、1次側共振回路160および2次側共振回路210の共振状態を、当該ずれた位置における適正な共振状態に近づける」。
してみると、力率が目標力率を下回る場合は、1次コイルL1に対する2次コイルL2の位置ずれが大きく、伝送効率が低く、目標効率を達成していないと判断し、状態制御部M3は、インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせ、1次側共振回路160および2次側共振回路210の共振状態を、当該ずれた位置における適正な共振状態に近づける制御を行うようにしたものである。
・【0088】の記載によれば、「1次側共振回路160の特性を調整する」「手法」を「2)1次側共振回路160に供給される交流の周波数を小さくする」、「3)1次コイルL1のインダクタンスを小さくする」とした場合、「3)の手法と共に、」「2)の手法を用いても良」く、「手法は、適宜、組み合わせて用いられても良い」。また、「2)の手法を用い」る「場合は、制御回路170のインバータ制御部M2によるインバータ回路130のスイッチング制御を変更して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数fを標準状態より小さくすれば良い」。
してみると、1次コイルL1のインダクタンスを小さくする手法と共に、制御回路170のインバータ制御部M2によるインバータ回路130のスイッチング制御を変更して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数fを標準状態より小さくする手法が、適宜、組み合わせて用いられるといえる。
・【0090】の記載によれば、「1次側共振回路160に供給される交流の周波数fを小さくする場合には、」「周波数fは、多段階に変更することが容易である」。
(ウ)上記技術事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、「電力供給装置」として次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「電池システム200に対して、電力を電磁誘導を利用して非接触で供給する電力供給装置100であって、電力供給装置100は、インバータ回路130と、1次側共振回路160と、制御回路170とを備え、インバータ回路130は、直流電力をスイッチングして任意の周波数の交流電力を生成して1次側共振回路160に供給する回路であり、1次側共振回路160は、非接触で電力を伝送するためのLC直列共振回路であり、複数の直列共振コンデンサと直列共振コンデンサと直列に配列された1次コイルL1とを備え、1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成され、1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができ、続きを表示(全11行)制御回路170は、電力供給装置100の動作を制御する回路であり、力率算出部M1と、インバータ制御部M2と、状態制御部M3を実現するものであり、インバータ制御部M2は、インバータ回路130を制御して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数を所望の値に制御し、状態制御部M3は、力率の値に基づいて、インダクタンス切替スイッチSW3の切替制御を行って、1次側共振回路160の状態を制御するものであり、電池システム200は、2次側共振回路210を備え、2次側共振回路210は、電力供給装置100の1次側共振回路160から電力を受け取るためのLC並列共振回路であり、2次コイルL2と、2次コイルL2と並列に接続された並列共振コンデンサCpとを備えているものであり、力率が目標力率を下回る場合は、1次コイルL1に対する2次コイルL2の位置ずれが大きく、伝送効率が低く、目標効率を達成していないと判断し、状態制御部M3は、インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせ、1次側共振回路160および2次側共振回路210の共振状態を、当該ずれた位置における適正な共振状態に近づける制御を行い、その際、1次コイルL1のインダクタンスを小さくする手法と共に、制御回路170のインバータ制御部M2によるインバータ回路130のスイッチング制御を変更して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数fを標準状態より小さくする手法が、適宜、組み合わせて用いられ、1次側共振回路160に供給される交流の周波数fを小さくする場合には、周波数fは、多段階に変更することが容易である1次コイルと2次コイルとの相対的な位置が適正位置からずれた場合の充電効率の低下を抑制できる非接触型の電力供給装置。」
イ.引用文献2
(ア)当審の令和4年2月3日付け拒絶理由通知(最後)に引用された、特開2001-238372号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は非接触型ICカードにおいてリーダライタ側とICカード側との間でデータの授受のみならず、ICカードを動作させる電力供給も同時に行う方式のICカードシステムに関し、特に、広い動作範囲にわたって電力供給を効率的に行うためのインピーダンス整合手段に係る。」
「【0010】本発明による電力伝送・信号送受信システムの基本構成を図2に例示する。すなわち、電磁誘導を利用して電力伝送と信号の送受信を行う一組の電磁場発生装置1と電磁場受信装置2において、電磁場発生装置1は非接触型ICカードのリーダライターを形成するもので、少なくとも通信および電力供給を行うために必要な電磁波を発生するための発振回路6と、電磁波のキャリアを変調させる信号変調手段7と、非接触型ICカードとなる電磁場受信装置2により負荷変調される信号を復調するための信号復調手段8とを含む内部回路3と、内部回路3の出力信号に基づいた電磁場を発生するためのアンテナコイル4と、インピーダンス整合を取るための整合回路5を有している。・・・(略)」
「【0013】また、図3では、インピーダンス可変整合手段10をアンテナ9の後段に挿入した構成を例示したが、図5に示したように、アンテナコイル9から中点タップを取り出し、アンテナコイル端もしくは中点タップのいずれかを選択して切り替える切り替えスイッチと、アンテナコイル9と並列に挿入した可変容量によって構成し、それらを制御回路11によって制御しても差し支えない。この場合、アンテナ9の中点タップを使用するために、連続的に特性値を制御することはできず、非連続・離散的に特性値を変化させることになるが、複数の中点タップを取り出して、それらを切り替えることによってほぼ連続的にアンテナ9のインダクタンスをを制御することが可能である。この際にインダクタンスの可変範囲は概略0.5μHから3μH程度の範囲で可変すればよく、例えば、カード形状のような限られた範囲内でもアンテナコイル9の巻き数を10ターン程度にして中点タップを取り出すことで上記範囲のインダクタンス値の可変を実現することができる。」
「【0016】また、図2ではインピーダンス可変整合手段10は電磁場受信装置2内に構成したが、図6に示すように電磁場送信装置1内に構成しても差し支えない。インピーダンス可変整合手段10は、電磁場送信装置1内の、内部回路3とアンテナコイル4の間に挿入する。また、電磁場受信装置2内のアンテナコイル9と整流回路12の間に、整合回路5を挿入する。また、インピーダンス可変整合手段10を制御する制御回路11も、同様に、電磁場発生装置1内に構成し、その入力はアンテナコイル4の両端で検出した電圧を使用する。このような構成であっても、前述の電磁場受信装置2内にインピーダンス可変整合手段を構成した場合と効果は変わらない。」
[図:0001391318000002.jpg]
[図:0001391318000003.jpg]
(イ)上記記載から、引用文献2には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
・【0001】の記載によれば、「インピーダンス整合手段」は「電力供給を効率的に行うため」のものである。
・【0010】の記載によれば、「電磁誘導を利用して電力伝送」「の送」「信を行う」「電磁場発生装置」は「電磁場を発生するためのアンテナコイル」を有している。また、【0016】の記載によれば、「インピーダンス可変整合手段」は「電磁場送信装置」「内に構成」される。
・【0013】の記載によれば、「インダクタンス値の可変を実現する」「インピーダンス可変整合手段」を「アンテナ」「から中点タップを取り出し、アンテナコイル端もしくは中点タップのいずれかを選択して切り替える切り替えスイッチ」「によって構成」する。
(ウ)以上のことより、引用文献2には、次の技術(以下、「引用文献2記載の技術」という。)が記載されているものと認められる。
「電磁誘導を利用して電力伝送の送信を行う電磁場送信装置内に構成される、電力供給を効率的に行うためにインダクタンス値の可変を実現するインピーダンス可変整合手段を、電磁場を発生するためのアンテナコイルから中点タップを取り出し、アンテナコイル端もしくは中点タップのいずれかを選択して切り替える切り替えスイッチによって構成」する技術。
ウ.引用文献3
(ア)当審の令和4年2月3日付け拒絶理由通知(最後)に引用された、国際公開第2015/140917号(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「[0009] 以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。共振型電力伝送装置は、図1に示すように、送信電源回路11、キャパシタ(送信側キャパシタ)12、送信アンテナ13、可変制御回路14、受信アンテナ21、キャパシタ(受信側キャパシタ)22、可変制御回路23及び受信電源回路24から構成されている。なお、送信電源回路11、キャパシタ12、送信アンテナ13及び可変制御回路14は送信側電力伝送装置を構成し、受信アンテナ21、キャパシタ22、可変制御回路23及び受信電源回路24は受信側電力伝送装置を構成する。[0010] 送信電源回路11は、送信アンテナ13への電力の供給を制御するものである。キャパシタ12は、スイッチ(SW)により容量値を可変とする可変型のキャパシタであり、送信アンテナ13の共振周波数を調整するものである。なお、スイッチとしては、リレー、トランジスタ又はフォトカプラ等が挙げられる。また図では、キャパシタ12が回路のホット側及びリターン側の両方に接続された場合を示しているが、どちらか一方にのみ設けてもよい。[0011] 送信アンテナ13は、スイッチ(SW)によりコイル長が切替えられることでインダクタンス値を可変とする可変型のインダクタからなり、送信電源回路11からの電力を受信アンテナ21に伝送する共振型の電力送信アンテナである(非接触に限定されない)。この送信アンテナ13は、送信電源回路11から出力された交流(V1)を入力して、共振動作を行うことで送信電力を発生し、受信アンテナ21への電力伝送を実施する。なお、スイッチとしては、リレー、トランジスタ又はフォトカプラ等が挙げられる。」
[図1]
[図:0001391318000004.jpg]
図1からは、送信アンテナ13の両端にキャパシタ12を直列に接続することが見てとれる。
(イ)上記記載から、引用文献3には、次の技術事項(以下、「引用文献3記載の技術」という。)が記載されているものと認められる。
「共振型電力伝送装置において、キャパシタを回路のホット側及びリターン側の両方、すなわち、送信アンテナの両端にキャパシタを直列に接続する」技術。
エ.引用文献4
(ア)当審の令和4年2月3日付け拒絶理由通知(最後)に引用された、特開2016-19375号公報(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0016】図1に示すように、非接触給電システムは、移動体である車両の外部(地上側)に設けられた送電システムPSと、車両に設けられた受電システムPRとを備えている。【0017】送電システムPSは、交流電源10(系統電源)から出力された交流電圧が入力されるPFC回路11、DCDCコンバータ12、インバータ13、送電側フィルタ回路14、及び送電パッド15を備えている。PFC回路11は、入力された交流電圧を直流電圧に整流しつつ、入力電圧及び入力電流の力率改善を行う。PFC回路11は、例えば、ダイオードブリッジからなる全波整流回路と、非絶縁型の昇圧チョッパ回路とを備えている。DCDCコンバータ12は、PFC回路11から出力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する。DCDCコンバータ12は、例えば、非絶縁型の降圧チョッパ回路である。」
「【0024】送電パッド15は、送電側コイル15a、第1共振コンデンサ15b、及び第2共振コンデンサ15cを備えている。送電側コイル15aの第1端には、第1共振コンデンサ15bを介して送電パッド15の第1端が接続されている。送電側コイル15aの第2端には、第2共振コンデンサ15cを介して送電パッド15の第2端が接続されている。送電パッド15は、LC直列共振回路を構成する。送電パッド15は、電磁誘導によって受電システムPRの備える受電パッド20に電力を送るための回路である。なお、本実施形態において、送電側コイル15aが「メインコイル」に相当し、各共振コンデンサ15b,15cが「送電側共振コンデンサ」に相当する。」
【図1】
[図:0001391318000005.jpg]
(イ)上記記載から、引用文献4には、次の技術事項(以下、「引用文献4記載の技術」という。)が記載されているものと認められる。
「非接触給電システムの送電パッドを、送電側コイルの第1端には、第1共振コンデンサを介して送電パッドの第1端が接続され、送電側コイルの第2端には、第2共振コンデンサを介して送電パッドの第2端が接続されている、LC直列共振回路を構成する」技術。
オ.引用文献5
(ア)当審の令和4年2月3日付け拒絶理由通知(最後)に引用された、特開2013-258800号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0023】地上側給電回路13は、整流回路12から供給される直流電力を交流電力に変換し、地上側スイッチ15によって地上側コイル16と接続されている場合に、上記交流電力を地上側コイル16に供給することで地上側コイル16と後述する電気自動車2に設けられる車両側コイル34とによって形成される電磁気結合回路を介して非接触で電気自動車2に電力を供給する。」
「【0036】また、地上側給電回路13と地上側スイッチ15との間には2つのコンデンサ16aが設けられている。このコンデンサ16aは、地上側スイッチ15を介して地上側コイル16に接続された場合に、地上側コイル16とともに直列共振回路を形成する。地上側コイル16は、地上側スイッチ15によって地上側給電回路13に接続された場合に、一端が、一方のコンデンサ16aを介して地上側給電回路13のスイッチングレッグL1に接続されており、他端が、他方のコンデンサ16aを介して地上側給電回路13のスイッチングレッグL2に接続されている。」
【図2】
[図:0001391318000006.jpg]
(イ)上記記載から、引用文献5には、次の技術事項(以下、「引用文献5記載の技術」という。)が記載されているものと認められる。
「地上側給電回路から交流電力を地上側コイルに供給するにあたり、地上側コイルは、一端が、一方のコンデンサを介して地上側給電回路のスイッチングレッグに接続され、他端が、他方のコンデンサを介して地上側給電回路のスイッチングレッグに接続され、コンデンサは、地上側コイルとともに直列共振回路を形成する」技術。
カ.参考文献
(ア)当審の令和4年2月3日付け拒絶理由通知(最後)で提示された、国際公開第2015/081065号(日本語ファミリー:特表2016-540479号公報)(以下、「参考文献」という。)には、以下の記載がある。
「[0006] Resonant inductive power transfer provides a means for the wireless transference of electrical power. The most common application for such technology is for the wireless recharging of batteries. In its most common configuration, alternating current with a line frequency of 50-60 Hz is drawn from the electrical grid, converted to direct current and converted again to alternating current but at a frequency much higher than line frequency.Inductive transmission frequencies in the range of 20-100 kHz are commonly used. The conversion from line frequency to the much higher inductive transmission frequencies is necessary in order to reduce the size and weight of the wireless transmission inductive components.[0007] Figure 1 is a conceptual block diagram of a prior art resonant inductive wireless power transfer system. Alternating line current is rectified by line frequency rectifier 10 and ripple filtered by line frequency ripple filter 12 to convert the alternating lines current into direct current that is applied to a DC-to-AC inverter 14 that generates high frequency alternating current at the transmission transformer operating frequency. Transmission transformer 16 is an air core transformer having primary and secondary windings. In this diagrammatic representation, it also includes primary and secondary side resonating capacitors. On the secondary side of the transmission transformer 16, induced current is rectified by high frequency rectifier 18 and ripple filtered by high frequency ripple filter 20 thereby converting it into direct current that is applied to the load 22, usually a battery.」
(日本語ファミリーによる訳:
【0006】
共振誘導電力伝送は電力の無線移転手段を提供する。このような技術の最も一般的な用途にはバッテリーの無線式再充電がある。その最も一般的な構成では、ライン周波数50~60Hzの交流電流が電力系統から引かれ、直流電流に変換され、そして再び交流電流に変換されるが、ただしライン周波数よりはるかに高い周波数の交流電流に変換される。20~100kHzの範囲の誘電伝送周波数が通常用いられる。ライン周波数から前記はるかに高い誘電伝送周波数への変換は、無線伝送誘電構成部品のサイズや重さを減らすのに必要である。
【0007】
図1は、先行技術の共振誘導無線電力伝送システムの概念的なブロックダイアグラムである。交流ライン電流がライン周波数整流器10によって整流され且つライン周波数リップルフィルタ12によってリップルフィルタされて、前記交流ライン電流が直流に変換される。この直流は伝送変成器動作周波数で高周波交流電流を発生するDC-ACインバータ14に印加される。伝送変成器16は、一次および二次巻線を有する空芯変成器である。この図示において、それは、また、一次側および二次側の共振するコンデンサーを含む。伝送変成器16の二次側において、誘導電流は、高周波整流器18によって整流され且つ高周波数リップルフィルタ20によってリップルフィルタされ、それにより、それを、負荷22、一般的にはバッテリーに印加する直流に変換する。)
FIG.1
[図:0001391318000007.jpg]
(イ)上記記載から、参考文献には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
・【0006】の記載によれば、「共振誘導電力伝送」では「直流電流」が「20~100kHzの範囲の」「高い周波数の交流電流に変換される」。
・【0007】の記載によれば、「共振誘導無線電力伝送システム」では、「直流は」「高周波交流電流を発生するDC-ACインバータ14に印加」される。してみると、共振誘導電力伝送では、DC-ACインバータにより直流が高周波交流電流に変換される。
(ウ)以上のことより、参考文献には、次の技術(以下、「参考文献記載の技術」という。)が記載されているものと認められる。
「共振誘導電力伝送では、直流電流が20~100kHzの範囲の高周波交流電流にDC-ACインバータにより変換される」こと。
(3)対比
ア.引用発明の「電力供給装置100」は「電力を電磁誘導を利用して非接触で供給する」から、本願補正発明の「無線電力伝送装置」に相当する。
イ.引用発明の「インバータ回路130」は「直流電力をスイッチングして任意の周波数の交流電力を生成」するから、本件補正発明の「インバータ」に相当する。
ウ.引用発明は「1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成され、1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができ」る。
してみると、引用発明の「1次コイルL1」は、インダクタンス切替スイッチSW3によって有効な状態と無効な状態に切り替えられる「1次コイルL1の一部」とインダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切り替えられない1次コイルL1の残りの部分(以下、「1次コイルL1の残部」という。)とからなり、引用発明の「1次コイルL1の一部」と「1次コイルL1の残部」とは、1次コイルL1の一部が1次コイルL1の残部に対して選択的に付加される関係にあり、別個のコイルとみることができる。
以上のことより、引用発明の「1次コイルL1の一部」と「1次コイルL1の残部」とはそれぞれ、本願補正発明の「第2伝送コイル」と「第1伝送コイル」とに相当するといえる。そして、引用発明の「1次コイルL1」は、本願補正発明の「第1伝送コイル及び第2伝送コイルを有するインダクタンス回路」に相当する。
ただし、本願補正発明の第1及び第2伝送コイルは「DDコイル」であるのに対して、引用発明の1次コイルL1はその旨特定されていない点で相違する。
エ.引用発明は「1次側共振回路160は、非接触で電力を伝送するためのLC直列共振回路であり、複数の直列共振コンデンサと直列共振コンデンサと直列に配列された1次コイルL1とを備え」る。
してみると、引用発明の「複数の直列共振コンデンサ」は、1次コイルL1と共に1次側共振回路160を確立するものであり、本願補正発明の「インピーダンス回路」に相当する。
そして、引用発明の「1次側共振回路160」が複数の直列共振コンデンサと1次コイルL1を備えることは、本願補正発明の「前記インピーダンス回路と前記インダクタンス回路とは共振回路を確立」することに相当する。
オ.引用発明の「インバータ回路130」が「直流電力をスイッチングして任意の周波数の交流電力を生成して1次側共振回路160に供給する」ことは、本願補正発明の「前記インバータはAC電力を前記共振回路へ提供」することに相当する。
カ.引用発明は「1次側共振回路160は、非接触で電力を伝送するためのLC直列共振回路であり、複数の直列共振コンデンサと直列共振コンデンサと直列に配列された1次コイルL1とを備え、1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成され、1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができ」、「インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせ」るものである。
してみると、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」は、1次コイルL1の残部を直列共振コンデンサに接続すること、又は1次コイルL1の全体を(すなわち、1次コイルL1の残部を1次コイルL1の一部を介して)直列共振コンデンサに接続することが可能なものであり、本願補正発明の「前記第1伝送コイルを、前記インピーダンス回路に直接的に及び/又は前記第2伝送コイルを介して結合することが可能」な「スイッチ回路」に相当する。
キ.引用発明は「1次コイルL1に対する2次コイルL2の位置ずれが大きく、伝送効率が低く、目標効率を達成していないと判断」した場合に「インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせ、1次側共振回路160および2次側共振回路210の共振状態を、当該ずれた位置における適正な共振状態に近づける制御を行い、その際、1次コイルL1のインダクタンスを小さくする手法と共に、」「インバータ回路130のスイッチング制御を変更して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数fを標準状態より小さくする手法が、適宜、組み合わせて用いられ」るものである。
してみると、引用発明はインバータ回路130が出力する交流電力の周波数fを変更することに代えインダクタンス切替スイッチSW3により1次コイルL1のインダクタンスを変更して1次側共振回路160の共振周波数を変更し適正な共振状態に近づけることを含むものである。
そして、インバータ回路130が出力する交流電力の周波数fを変更することに代えインダクタンス切替スイッチSW3により1次コイルL1のインダクタンスを変更する場合、インバータ回路130が出力する交流電力の周波数は変更されず所定の範囲内に維持されるといえる。
以上のことより、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」は、1次側共振回路160の共振周波数を変更し当該共振回路に供給されるインバータ回路130が出力する交流電力の周波数を所定範囲内に維持するものといえ、本願補正発明の「前記スイッチ回路は、前記共振回路の共振周波数を変更するため及び前記AC電力の周波数を所定の範囲内に維持する」ことに相当する。
ク.上記カ及びキでの対比を踏まえると、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」は、本願補正発明の「前記共振回路の共振周波数を変更するため及び前記AC電力の周波数を所定の範囲内に維持するために、前記第1伝送コイルを、前記インピーダンス回路に直接的に及び/又は前記第2伝送コイルを介して結合することが可能」な「スイッチ回路」に相当する。
ケ.引用発明が「複数の直列共振コンデンサ」を備えることは、本願補正発明の「第1及び第2容量素子が前記インピーダンス回路に含まれ、前記第1容量素子は前記第2容量素子と相違」していることに相当する。
コ.本願補正発明は「前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される状態と、前記第2伝送コイルが前記第1伝送コイルと前記第1容量素子との間に直列に接続される状態との間で切り替えを行い、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される場合、前記第2伝送コイルの一方端は前記第1容量素子に結合され、前記第2伝送コイルの他方端はフローティング状態」であるのに対して、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」、「1次コイルL1」、「複数の直列共振コンデンサ」はそのような接続関係となっていない点で相違する。
サ.上記カで検討したように、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」は、1次コイルL1の残部を直列共振コンデンサに接続すること、又は1次コイルL1の全体を(すなわち、1次コイルL1の残部を1次コイルL1の一部を介して)直列共振コンデンサに接続することが可能なものであるところ、1次コイルL1の残部を直列共振コンデンサに接続した場合の共振周波数と、1次コイルL1の全体を直列共振コンデンサに接続した場合の共振周波数とが異なることは明らかである。
してみると、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」は、本件補正発明の「前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルを前記インピーダンス回路に結合して、第1共振周波数を有する共振回路をもたらし、前記スイッチ回路は、前記第2伝送コイルを前記第1伝送コイルと前記インピーダンス回路との間に直列に結合し、第2共振周波数を有する共振回路を提供し、前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数と相違」することに相当する構成を有する。
シ.本願補正発明は「前記第1伝送コイルとともに動作する前記インバータの動作周波数が、許容周波数範囲内の周波数を維持できないことが判明した場合に、前記第1伝送コイルに加えて前記第2伝送コイルを使用して、前記動作周波数を前記許容周波数範囲の方へシフトさせる」のに対して、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
ス.上記「ア.」ないし「シ.」によれば、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有するといえる。
〈一致点〉
「無線電力伝送装置であって、インバータと、インピーダンス回路と、第1伝送コイル及び第2伝送コイルを有するインダクタンス回路と、続きを表示(全13行)スイッチ回路とを有し、前記インピーダンス回路と前記インダクタンス回路とは共振回路を確立し、前記インバータはAC電力を前記共振回路へ提供し、及び前記スイッチ回路は、前記共振回路の共振周波数を変更するため及び前記AC電力の周波数を所定の範囲内に維持するために、前記第1伝送コイルを、前記インピーダンス回路に直接的に及び/又は前記第2伝送コイルを介して結合することが可能であり、第1及び第2容量素子が前記インピーダンス回路に含まれ、前記第1容量素子は前記第2容量素子と相違しており、前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルを前記インピーダンス回路に結合して、第1共振周波数を有する共振回路をもたらし、前記スイッチ回路は、前記第2伝送コイルを前記第1伝送コイルと前記インピーダンス回路との間に直列に結合し、第2共振周波数を有する共振回路を提供し、前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数と相違する、無線電力伝送装置。」
〈相違点1〉
本願補正発明の第1及び第2伝送コイルは「DDコイル」であるのに対して、引用発明の1次コイルL1はその旨特定されていない点
〈相違点2〉
本願補正発明は「前記スイッチ回路は、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される状態と、前記第2伝送コイルが前記第1伝送コイルと前記第1容量素子との間に直列に接続される状態との間で切り替えを行い、前記第1伝送コイルが前記第1容量素子と前記第2容量素子との間に直列に接続される場合、前記第2伝送コイルの一方端は前記第1容量素子に結合され、前記第2伝送コイルの他方端はフローティング状態」であるのに対して、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」、「1次コイルL1」、「複数の直列共振コンデンサ」はそのような接続関係となっていない点
〈相違点3〉
本願補正発明は「前記第1伝送コイルとともに動作する前記インバータの動作周波数が、許容周波数範囲内の周波数を維持できないことが判明した場合に、前記第1伝送コイルに加えて前記第2伝送コイルを使用して、前記動作周波数を前記許容周波数範囲の方へシフトさせる」のに対して、引用発明はその旨特定されていない点
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア.相違点1について
無線電力伝送に用いられる伝送コイルとしてDDコイルを用いることは、例示するまでもなく本願の出願日前周知技術(必要あれば、特表2016-526280号公報の段落【0072】、図6A、特表2015-523846号公報の段落【0082】、図31(a)、図31(b)参照)であり、引用発明において、1次コイルをDDコイルとし、本願補正発明の相違点1に係る構成とすることは、必要に応じて当業者が適宜なし得る設計事項に過ぎない。
イ.相違点2について
引用発明と引用文献2記載の技術(上記「(2)イ.(ウ)」参照)は共に、電磁誘導を利用して電力を伝送する装置に関するものであり、また、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」と引用文献2記載の技術の「切り替えスイッチ」は共に、コイルの一部分(コイルの残部)を外部回路と接続又はコイルの全体を外部回路に接続可能としてコイルのインダクタンスを変更するものである。そして、引用発明の「インダクタンス切替スイッチSW3」に引用文献2記載の「切り替えスイッチ」の技術を適用することを妨げる事情があるものとも認められない。
してみると、引用発明に引用文献2記載の技術を適用して、「インダクタンス切替スイッチSW3」に代えて、「1次コイルL1」の一端と「1次コイルL1」の中点とを切り替えて「インバータ回路130」の一端と接続するスイッチとすることは当業者が容易になし得たことである。
また、直列共振回路を用いた電力伝送装置において、伝送コイル(アンテナ)の両端にそれぞれ容量素子(コンデンサ、キャパシタ)を接続した共振回路とすることは引用文献3記載の技術ないし引用文献5記載の技術(上記「(2)ウ.(イ)」ないし「(2)オ.(イ)」参照)のように本願の出願日前周知技術であり、引用発明の複数の直列共振コンデンサを1次コイルL1の両端に配置することは、当業者が適宜なし得る設計事項である。
そして、引用発明に引用文献2記載の技術及び上記周知技術を適用したものは、「1次コイルL1の残部」(第1伝送コイル)が2つの直列共振コンデンサ(第1容量素子と第2容量素子)の間に直列に接続される状態と、「1次コイルL1の一部」(第2伝送コイル)が「1次コイルL1の残部」と直列共振コンデンサとの間に直列に接続される状態との間で切り替えを行い、「1次コイルL1の残部」が2つの直列共振コンデンサの間に直列に接続される場合、「1次コイルL1の一部」の一方端は直列共振コンデンサに結合され、「1次コイルL1の一部」の他方端はフローティング状態となる。
したがって、引用発明に引用文献2記載の技術及び周知技術を適用し、本願補正発明の相違点2に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことと認められる。
ウ.相違点3について
引用発明は「1次コイルL1の一部は、インダクタンス切替スイッチSW3によって、有効な状態と無効な状態に切替可能に構成され、1次コイルL1のインダクタンスを2段階に切り替えることができ」、「インダクタンス切替スイッチSW3をOFFからONに切り替えて、1次コイルL1の一部を有効な状態から無効な状態に切り替え、1次コイルL1のインダクタンスを小さくさせ、1次側共振回路160および2次側共振回路210の共振状態を、当該ずれた位置における適正な共振状態に近づける制御を行い、その際、1次コイルL1のインダクタンスを小さくする手法と共に、制御回路170のインバータ制御部M2によるインバータ回路130のスイッチング制御を変更して、1次側共振回路160に供給される交流電力の周波数fを標準状態より小さくする手法が、適宜、組み合わせて用いられ、1次側共振回路160に供給される交流の周波数fを小さくする場合には、周波数fは、多段階に変更することが容易である」ものである。
してみると、引用発明は「インダクタンス切替スイッチSW3」によりインダクタンスを2段階に切り替える手法と、「インバータ回路130」の動作周波数を多段階に変更する手法を組み合わせて適正な共振状態に近づけるものである。
ここで、参考文献記載の技術(上記「(2)カ.(イ)」参照)に見られるように、通常、電磁誘導を利用した電力伝送には、インバータ回路を一定の周波数範囲で動作させることにより得られる一定の周波数範囲の高周波交流が用いられるから、引用発明の「インバータ回路130」の動作周波数を多段階に変更する手法も、一定の周波数範囲でインバータの動作周波数を多段階に変更するものと認められる。
そして引用発明において、「インダクタンス切替スイッチSW3」を用いたインダクタンスを2段階に切り替える手法では大まかな調整しか行えないのに対し、「インバータ回路130」の動作周波数を一定の周波数範囲で多段階に変更する手法では一定の範囲内においては細かな調整が可能であることは明らかであるから、広範囲に精密な調整を行うために、「インバータ回路130」の動作周波数を一定の周波数範囲で変更しても適正な共振状態に近づけられない場合に「インダクタンス切替スイッチSW3」によりインダクタンスを切り替えて、「インバータ回路130」の動作周波数が一定の周波数範囲で適正な共振状態を得るようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、引用発明において本願補正発明の相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
エ.そして、本願補正発明の奏する効果は、引用発明に周知技術を適用したことにより得られる効果に対して、当業者が想起し得ないものとも認められない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本願補正発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するもので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和4年1月12日付の手続補正書の請求項1に記載されたとおりのものであり、上記「第2」の「1.」の〈補正前の請求項1〉に摘記されたとおりのものである。
2.令和4年2月3日付け拒絶理由通知の拒絶の理由の概要
請求項1に対する令和4年2月3日付け拒絶理由通知の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、下記の引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引 用 文 献 等 一 覧>
1.特開2012-130173号公報
2.特開2001-238372号公報
3.国際公開第2015/140917号
4.特開2016-19375号公報
5.特開2013-258800号公報
3.引用文献の記載及び引用発明等
引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記「第2」の「(2)ア.」に記載したとおりである。
また、引用文献2ないし5の記載事項および引用文献2ないし5に記載された技術事項は、上記「第2」の「(2)イ.」ないし「(2)オ.」に記載したとおりである。
4.対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]1.」で検討した本願補正発明から「前記第1容量素子は前記第2容量素子と相違しており」という事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2[理由]2.(3)及び(4)」に記載したとおり、引用発明及び周知技術から当業者が容易になし得たものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術から当業者が容易になし得たものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明ついて検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-003051