特許拒絶査定不服審判
2022-019726
非常用照明装置
- 審判番号
- 2022-019726
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-159635外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月06日
- 審決日
- 2023年09月28日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三菱電機株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
- 【請求人】三菱電機照明株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-159635「非常用照明装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月 5日出願公開、特開2020- 36419〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年8月28日の出願であって、令和4年4月28日付けで拒絶理由が通知され、令和4年6月17日に意見書、手続補正書が提出され、令和4年9月22日付けで拒絶査定がされたものであり、これを不服として、令和4年12月6日に本件審判請求がされた。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし9に係る発明は、令和4年6月17日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
[本願発明]
光源と、
電池と、
外部電源から電力を供給され、前記電池を充電する常用電源回路と、
前記電池の出力電圧を昇圧し、前記光源を点灯させる非常用点灯回路と、
前記非常用点灯回路を制御する制御部と、
を備え、
前記電池の前記出力電圧は、前記制御部の動作電圧より低く、
前記制御部は、前記常用電源回路または前記非常用点灯回路から電力を供給され動作し、前記外部電源の停電を検出すると前記非常用点灯回路を動作させ、
前記常用電源回路の出力電圧と前記非常用点灯回路の出力電圧とのうち高いほうから、前記制御部に電源を供給する電源生成回路をさらに備えることを特徴とする非常用照明装置。
第3 拒絶査定の理由の概要
拒絶査定の理由の概要は次のとおりである。
本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1-6
・引用文献等 1、2
引用文献1:特開2011-34977号公報
引用文献2:特開2006-60949号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献の記載事項及び引用発明
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2011-34977号公報(引用文献1)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審により付したものである。
「【0006】
本発明の目的は、バッテリ電圧がマイクロコンピュータ動作電圧よりも低い場合であっても非常時にマイクロコンピュータの動作に支障を来すことがないLED点灯装置及び照明装置を提供することである。」
「【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の実施の形態に係わるLED点灯装置の回路構成図である。商用電源11からの交流は整流回路12に入力され直流に変換される。整流回路12で得られた直流は電源監視回路13に入力されるとともに、平滑コンデンサC1で平滑されて常時電源回路14に入力される。常時電源回路14は整流回路12で得られた直流電圧を降圧して常用電源を得るものであり、トランスTr1、ダイオードD1、平滑コンデンサC2を介して充電回路15に常用電源を供給するとともに、トランスTr1、ダイオードD2、平滑コンデンサC3を介して常時LED点灯回路16に常用電源を供給する。また、常時電源回路14の電源回路18は、常時LED点灯回路16から負荷であるLED光源部19に供給する点灯用電流を定電流フィードバック回路20を介してフィードバックし、LED光源部19に供給する点灯用電流を制御する。
【0024】
このように、交流電源11が正常である常時においては、充電回路15は常時電源回路14のトランスTr1、ダイオードD1、平滑コンデンサC2を介して得られる常用電源でバッテリ21に非常用電源を蓄積する。一方、常時LED点灯回路16は、常時電源回路14のトランスTr2、ダイオードD2、平滑コンデンサC3を介して得られる常用電源で、ダイオードD3を通して点灯制御回路22を介してLED光源部19に点灯用電流を供給する。また、マイクロコンピュータ23には充電回路15を介して常時電源回路14からの電力が電源として入力される。マイクロコンピュータ23には点検スイッチ24が設けられており、この点検スイッチ24は、擬似的に交流電源11が停電したと同等の状態とするためのスイッチである。
【0025】
非常時電源回路25は、商用電源11が停電となった非常時に起動し、バッテリ21からの直流電圧を昇圧してLED光源部点灯用の非常用電源を点灯制御回路22を介してLED光源部19に供給するとともに、マイクロコンピュータ23に電源を供給するものである。商用電源11が停電となったことは電源監視回路13で検出される。
【0026】
電源監視回路13は商用電源11が停電となったことを検出すると、マイクロコンピュータ23に通知し、マイクロコンピュータ23は非常時電源回路25のIC26を起動する。IC26は起動が掛けられるとスイッチ素子27をオンオフ制御してバッテリ21の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を、トランスTr2、ダイオードD4、平滑コンデンサC4を介して点灯制御回路22に非常用電源を供給するとともに、トランスTr2、ダイオードD5、平滑コンデンサC5を介してマイクロコンピュータ23に電源を供給する。」
「【0029】
ここで、常時電源回路14から非常時電源回路25への電源切替の際には、電圧が不安定になる領域がある。すなわち、商用電源の停電から非常時電源回路25によるバッテリ電圧の昇圧が完了するまでは、非常時電源回路25の出力である非常用電源が不安定になることがある。
【0030】
そこで、バッテリ21の出力電圧を、RAMデータ保持電圧Vb以上(RAM領域のデータが消える電圧以上)に設定しておき、常時電源回路14から非常時電源回路25への電源切替の瞬時は、バッテリ21から直接的にマイクロコンピュータ23に電力を供給し、その後に非常時電源回路25からマイクロコンピュータ23に電力を供給するようにする。これにより、RAM領域のデータを維持できる。また、FLASH動作維持電圧Va以上に設定しておくと。フラッシュメモリの通常動作も維持できる。
【0031】
これは、一時的にマイクロコンピュータ電源がマイクロコンピュータ動作電圧VDDを下回っても、RAMデータ保持電圧Vb以上であればRAM領域のデータが消えることがなく、また、FLASH動作維持電圧Va以上であれば、フラッシュメモリの通常動作を維持できるとともに、RAM領域のデータも維持でき、マイクロコンピュータ電源がマイクロコンピュータ動作電圧VDDを回復したときはマイクロコンピュータ23は正常に動作を継続できるからである。
【0032】
以上の説明では、常時電源回路14から非常時電源回路15への電源切替の瞬時は、バッテリ21から直接的にマイクロコンピュータ23に電力を供給するようにしたが、常時電源回路14の平滑コンデンサC2に蓄えられた電荷をマイクロコンピュータ23に供給し、その後に非常時電源回路25から非常用電源をマイクロコンピュータ23に電力を供給するようにしてもよい。この場合、平滑コンデンサC2に蓄えられた電荷によるマイクロコンピュータ23に供給される電圧は、FLASH動作維持電圧Va以上となるように設定することは言うまでもない。
【0033】
このように、常時電源回路14から非常時電源回路25への切替時の非常用電源の不安定な領域に関して、非常時電源回路25が昇圧動作を完了するまでの間はバッテリ21または常時電源回路14の平滑コンデンサC2に蓄えた電荷を基にマイクロコンピュータ電源を供給する。これにより、一時的にマイクロコンピュータ電源がマイクロコンピュータ動作電圧VDDを下回ってもRAM領域のデータが消える電圧以上にマイクロコンピュータ電源を維持すれば、非常時電源回路25が昇圧動作を完了した後は非常時電源回路25から安定した非常用電源を供給することができるので、マイクロコンピュータ23の内部メモリのデータを破壊することを防止できる。」
「【0035】
前述したように、バッテリ21はバッテリ電圧がマイクロコンピュータ動作電圧よりも低いものが採用され、非常時のマイクロコンピュータ電源の供給はバッテリ電圧を昇圧させて供給するので、バッテリ21は小型化が図れている。」
「【図1】
[図:0001404464000001.jpg]
」
以上の記載事項(特に、下線部)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、関連する段落番号を( )内に記載した。
[引用発明]
「バッテリ電圧がマイクロコンピュータ動作電圧よりも低い場合であっても非常時にマイクロコンピュータの動作に支障を来すことがないLED点灯装置であって、(【0006】)
商用電源11からの交流は整流回路12に入力され直流に変換され、整流回路12で得られた直流は電源監視回路13に入力されるとともに、平滑コンデンサC1で平滑されて常時電源回路14に入力され、常時電源回路14は、トランスTr1、ダイオードD1、平滑コンデンサC2を介して充電回路15に常用電源を供給し、(【0023】)
交流電源11が正常である常時においては、充電回路15は、常用電源でバッテリ21に非常用電源を蓄積し、また、マイクロコンピュータ23には充電回路15を介して常時電源回路14からの電力が電源として入力され、(【0024】)
非常時電源回路25は、商用電源11が停電となった非常時に起動し、バッテリ21からの直流電圧を昇圧してLED光源部点灯用の非常用電源を点灯制御回路22を介してLED光源部19に供給するとともに、マイクロコンピュータ23に電源を供給するものであり、(【0025】)
電源監視回路13は商用電源11が停電となったことを検出すると、マイクロコンピュータ23に通知し、マイクロコンピュータ23は非常時電源回路25のIC26を起動し、IC26は起動が掛けられるとスイッチ素子27をオンオフ制御してバッテリ21の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を、トランスTr2、ダイオードD4、平滑コンデンサC4を介して点灯制御回路22に非常用電源を供給するとともに、トランスTr2、ダイオードD5、平滑コンデンサC5を介してマイクロコンピュータ23に電源を供給し、(【0026】)
常時電源回路14から非常時電源回路25への切替時の非常用電源の不安定な領域に関して、非常時電源回路25が昇圧動作を完了するまでの間は、常時電源回路14の平滑コンデンサC2に蓄えた電荷を基にマイクロコンピュータ電源を供給し、これにより、一時的にマイクロコンピュータ電源がマイクロコンピュータ動作電圧VDDを下回ってもRAM領域のデータが消える電圧以上にマイクロコンピュータ電源を維持すれば、非常時電源回路25が昇圧動作を完了した後は非常時電源回路25から安定した非常用電源を供給することができ、(【0033】)
バッテリ21はバッテリ電圧がマイクロコンピュータ動作電圧よりも低いものが採用されている、(【0035】)
LED点灯装置。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-60949号公報(引用文献2)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、電源バックアップユニットおよびこれを用いた電子制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に車載用の電子制御ブレーキシステムなどの高い安全性を要求される電源回路は、電力を供給する主電源となるバッテリーに異常が発生し、その出力が規定電圧以下となった場合においても、補助的に電力の供給が行えるよう補助電源が接続された構成となっている。
【0003】
通常、このような電源バックアップユニットは、図3に示すごとく、主電源1から電子制御部2に至る経路に対して並列に補助電源3が接続されるもので、主電源1からの出力電圧の低下により補助電源3の電位が主電源1側の電位より高くなり、これによりダイオード4が導通状態となり、補助電源3に蓄えられた電力が電子制御部2に供給されるものである。」
「
[図:0001404464000002.jpg]
」
第5 本願発明と引用発明との対比
1.本願発明の「光源と、電池と、外部電源から電力を供給され、前記電池を充電する常用電源回路と、前記電池の出力電圧を昇圧し、前記光源を点灯させる非常用点灯回路と、前記非常用点灯回路を制御する制御部」について
引用発明は、「LED光源部19」、「バッテリ21」を備えており、それぞれ、本願発明の、「光源」、「電池」に相当する。
また、引用発明では、「商用電源11からの交流は・・・直流に変換され、・・・平滑されて常時電源回路14に入力され、常時電源回路14は、・・・充電回路15に常用電源を供給し、・・・充電回路15は、常用電源でバッテリ21に非常用電源を蓄積」(【0023】、【0024】)するから、引用発明の「常時電源回路14」及び「充電回路15」は、本願発明の「外部電源から電力を供給され、前記電池を充電する常用電源回路」に相当する。
さらに、引用発明の「非常時電源回路25」は、「バッテリ21からの直流電圧を昇圧してLED光源部点灯用の非常用電源を点灯制御回路22を介してLED光源部19に供給する」(【0025】)から、本願発明の「前記電池の出力電圧を昇圧し、前記光源を点灯させる非常用点灯回路」に相当する。
また、引用発明の「マイクロコンピュータ23」は、「非常時電源回路25のIC26を起動し、IC26は起動が掛けられるとスイッチ素子27をオンオフ制御してバッテリ21の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を、トランスTr2、ダイオードD4、平滑コンデンサC4を介して点灯制御回路22に非常用電源を供給する」(【0026】)から、「前記非常用点灯回路を制御する制御部」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明は、「光源と、電池と、外部電源から電力を供給され、前記電池を充電する常用電源回路と、前記電池の出力電圧を昇圧し、前記光源を点灯させる非常用点灯回路と、前記非常用点灯回路を制御する制御部」を備える点で一致する。
2.本願発明の「前記電池の前記出力電圧は、前記制御部の動作電圧より低く」について
引用発明は、「バッテリ21はバッテリ電圧がマイクロコンピュータ動作電圧よりも低いものが採用され」(【0035】)ている。
したがって、本願発明と引用発明は、「前記電池の前記出力電圧は、前記制御部の動作電圧より低く」なっている点で一致する。
3.本願発明の「前記制御部は、前記常用電源回路または前記非常用点灯回路から電力を供給され動作し、前記外部電源の停電を検出すると前記非常用点灯回路を動作させ」について
引用発明では、「交流電源11が正常である常時においては、・・・マイクロコンピュータ23には充電回路15を介して常時電源回路14からの電力が電源として入力され、」(【0024】)また、「電源監視回路13は商用電源11が停電となったことを検出すると、マイクロコンピュータ23に通知し、マイクロコンピュータ23は非常時電源回路25のIC26を起動し、IC26は起動が掛けられるとスイッチ素子27をオンオフ制御してバッテリ21の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を、トランスTr2、ダイオードD4、平滑コンデンサC4を介して点灯制御回路22に非常用電源を供給するとともに、トランスTr2、ダイオードD5、平滑コンデンサC5を介してマイクロコンピュータ23に電源を供給」(【0026】)する。
したがって、マイクロコンピュータ23は、充電回路15を介して常時電源回路14から、または、非常時電源回路25から電力を供給されて動作するといえる。
また、マイクロコンピュータ23は、商用電源11の停電を検出するとIC26を起動して非常時電源回路25を動作させるといえる。
したがって、本願発明と引用発明は、「前記制御部は、前記常用電源回路または前記非常用点灯回路から電力を供給され動作し、前記外部電源の停電を検出すると前記非常用点灯回路を動作させ」る点で一致する。
4.本願発明の「非常用照明装置」について
引用発明は、「非常時電源回路25」を備える「LED点灯装置」であって、「非常時電源回路25は、商用電源11が停電となった非常時に起動し、・・・非常用電源を・・・LED光源部19に供給する」(【0025】)ものであるから、非常用照明装置といえるものである。
したがって、本願発明と引用発明は、「非常用照明装置」である点で一致する。
5.本願発明の「前記常用電源回路の出力電圧と前記非常用点灯回路の出力電圧とのうち高いほうから、前記制御部に電源を供給する電源生成回路」について
本願発明は、「前記常用電源回路の出力電圧と前記非常用点灯回路の出力電圧とのうち高いほうから、前記制御部に電源を供給する電源生成回路をさらに備える」のに対し、引用発明はそのような特定はされていない点で、両者は相違する。
6.一致点、相違点
以上をまとめると、本願発明と引用発明との間には次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
光源と、
電池と、
外部電源から電力を供給され、前記電池を充電する常用電源回路と、
前記電池の出力電圧を昇圧し、前記光源を点灯させる非常用点灯回路と、
前記非常用点灯回路を制御する制御部と、
を備え、
前記電池の前記出力電圧は、前記制御部の動作電圧より低く、
前記制御部は、前記常用電源回路または前記非常用点灯回路から電力を供給され動作し、前記外部電源の停電を検出すると前記非常用点灯回路を動作させることを特徴とする非常用照明装置。
[相違点]
本願発明は、「前記常用電源回路の出力電圧と前記非常用点灯回路の出力電圧とのうち高いほうから、前記制御部に電源を供給する電源生成回路をさらに備える」のに対し、引用発明はそのような特定はされていない点。
第6 当審の判断
引用発明は、常時には、充電回路15を介して常時電源回路14からマイクロコンピュータ23に電源を供給し、停電等の非常時になると、バッテリ21からの直流電圧を昇圧して非常時電源回路25からマイクロコンピュータ23に電源を供給するものであるから、マイクロコンピュータ23に供給する電源にはふたとおりの電源があって、そのうちの一方から他方へと電源を切り替えるものである。
そのような電源の切り替えを行う具体的な回路構成については、引用発明では特定されておらず、図1に、充電回路15を介した常時電源回路14の出力と、非常時電源回路25の出力が、それぞれ、マイクロコンピュータ23に入力される回路が示されているのみであるが、「常時電源回路14から非常時電源回路25への切替時の非常用電源の不安定な領域に関して、非常時電源回路25が昇圧動作を完了するまでの間はバッテリ21または常時電源回路14の平滑コンデンサC2に蓄えた電荷を基にマイクロコンピュータ電源を供給する。これにより、一時的にマイクロコンピュータ電源がマイクロコンピュータ動作電圧VDDを下回ってもRAM領域のデータが消える電圧以上にマイクロコンピュータ電源を維持すれば、非常時電源回路25が昇圧動作を完了した後は非常時電源回路25から安定した非常用電源を供給することができるので、マイクロコンピュータ23の内部メモリのデータを破壊することを防止できる。」(【0033】)との記載によれば、引用発明は、常時電源から非常時電源への電源切替の際に、できるだけマイクロコンピュータ電源の電圧を高く維持しようとするものであるといえる。
一方、常時電源から非常時電源に負荷への電源を切り替えるための回路構成として、常時電源と非常時電源の出力それぞれに直列にダイオードのアノードを接続し、各ダイオードのカソードを接続して負荷へ電源を供給する構成は当業者に周知(例えば、引用文献2(特に、図3の「主電源1」、「補助電源3」、「電子制御部2」、「ダイオード4、7」が、それぞれ、「常時電源」、「非常時電源」、「負荷」、「各ダイオード」に対応する。)が参照される。)であり、この構成によれば、負荷への電圧は、ふたつの電源の電圧のうち高い方から供給されることとなり高く維持されるものである。
したがって、引用発明において、マイクロコンピュータ23への電源の切り替えを行う具体的な回路構成として、電圧が高く維持される上記周知の構成を採用し、充電回路15を介した常時電源回路14と非常時電源回路25の出力それぞれに直列にダイオードのアノードを接続し、各ダイオードのカソードを接続してマイクロコンピュータ23に電源を供給する構成とすること(すなわち、本願発明でいう「前記常用電源回路の出力電圧と前記非常用点灯回路の出力電圧とのうち高いほうから、前記制御部に電源を供給する電源生成回路をさらに備えること」)は、当業者が容易に想到し得ることである。
よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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