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特許拒絶査定不服審判

2022-001571

受電装置及び無線給電システム

審判番号
2022-001571
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-138571外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年02月02日
審決日
2023年02月10日
公報発行日
2023年04月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H02J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2018-138571「受電装置及び無線給電システム」拒絶査定不服審判事件〔令和2年1月30日出願公開、特開2020-18060〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年7月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 6月22日 :手続補正書の提出 令和3年 7月30日付け:拒絶理由通知書 令和3年 9月30日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年11月10日付け:拒絶査定 令和4年 2月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和4年11月 2日付け:令和4年2月2日の手続補正についての補正 の却下の決定、拒絶理由通知書 令和4年12月27日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1-9に係る発明は、令和4年12月27日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1-9の記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 送電コイルから送電される電力を受電する受電コイルと、 前記受電コイルと当該受電コイルが受電した電力が供給される給電対象との間に設けられたトランスであって、一次コイルが前記受電コイルに接続され、二次コイルが前記給電対象に接続されたトランスと、 前記受電コイルとともに共振回路を構成する第1コンデンサと、 前記受電コイル及び前記第1コンデンサとともに前記共振回路を構成する第2コンデンサと、を備え、 前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサは、それぞれ、前記受電コイルと前記トランスの前記一次コイルとの間に配置され、前記トランスの前記一次コイルの両端のうちの少なくとも一方に接続され、 前記一次コイルの巻き数は、前記二次コイルの巻き数より多い、 受電装置。」 第3 拒絶の理由 当審において令和4年11月2日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)は、次のとおりのものである。 本願の請求項1-11に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明、及び引用文献2-6に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開2015-54586号公報 引用文献2:若林 伸和,「5.2 変圧器」,舶用電気・情報基礎論,日本,株式会社成山堂書店,平成23年4月18日,初版,第93-96頁 引用文献3:特開2011-147278号公報 引用文献4:特開2016-21786号公報 引用文献5:特開2013-55835号公報 引用文献6:国際公開第2017/061092号公報 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1 (1) 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に公開された上記引用文献1には、図面とともに以下の記載がある(なお、下線は、当審において付したものである。以下、同様。)。 ア 「【0017】 (電動車両100) 図1を主として参照して、電動車両100は、車両本体110および受電装置200を備える。受電装置200は、受電コイル250(2次コイル)を有している。一方で、外部給電装置300は送電装置400を含み、送電装置400は送電コイル450(1次コイル)を有している。詳細は後述するが、受電装置200の受電コイル250が送電装置400の送電コイル450に対向した状態で、受電装置200は送電装置400から電力を非接触で受電する。」 イ 「【図1】 [図:0001395887000001.jpg] 」 ウ 「【0020】 受電コイル250は、上記固定部材の外周面に巻回され、コイル中心軸O2の周囲を取り囲むように形成されている。コイル中心軸O2は、車両本体110の前後方向に対して平行な方向に延びている。受電コイル250は、浮遊容量を有し、コンデンサ220を介して絶縁トランス120に接続されている。受電コイル250の誘導係数と、受電コイル250の浮遊容量およびコンデンサ220の電気容量とによって、電気回路が形成される。図2の中では、コンデンサ220および受電コイル250が直列に接続されているが、これらは並列に接続されていてもよい。受電コイル250については、送電装置400の送電コイル450との距離や、送電コイル450と受電コイル250との共鳴強度を示すQ値(たとえばQ≧100)およびその結合度を示す結合係数κなどが大きくなるようにその巻数が適宜設定される。 【0021】 絶縁トランス120は整合器130に接続される。絶縁トランス120は、受電コイル250から受ける高周波の交流電力を所定の電圧レベルに変換する。具体的には、絶縁トランス120は、受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力している。整合器130は、送電装置400側のインピーダンスと電動車両100側のインピーダンスとを互いに整合させる。 【0022】 整流器140は、整合器130から受けた高周波電流を直流電流に変換して、バッテリ150に供給する。なお、整流器140とバッテリ150との間にDC/DCコンバータなどを配置してもよい。本実施の形態では、絶縁トランス120、整合器130、および整流器140が、受電装置200からの電力をバッテリ150に供給する電気機器115として機能している。なお、DC/DCコンバータを設けた場合には、当該コンバータも電気機器に含められる。電気機器115は、これらの機器の一部により構成されていてもよいし、これらの機器とは別の機器を含んでいてもよい。」 エ 「【図2】 [図:0001395887000002.jpg] 」 オ 「【0031】 送電ECU320は、外部給電装置300における各機器を制御する。高周波電源装置310は、交流電源330から受ける電力を高周波の電力に変換し、変換した高周波電力を送電コイル450へ供給する。送電コイル450は、受電部210の受電コイル250へ、電磁誘導により非接触で電力を送電する。」 カ 「【0049】 コンデンサ220と受電コイル250とにより構成される電気回路の共振周波数が変動することは少なく、共振周波数のずれが生じたり、電力伝送の効率が低下したりすることは効果的に抑制可能となっている。コンデンサ220が車両本体110の内部に配置されているため、車両本体110の外部に存在している粉塵等の影響がコンデンサ220に及ぶことも少ない。コンデンサ220が筺体260の外部に設けられているため、筺体260の小型化を図ることもできる。」 (2) 引用文献1に記載された発明(引用発明1) したがって、上記(1)ア~カより、下線を付加した記載に着目すると、引用文献1に、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「車両本体110および受電装置200を備える電動車両100において、 受電装置200の受電コイル250が送電装置400の送電コイル450に対向した状態で、受電装置200は送電装置400から電力を非接触で受電し(【0017】)、 受電コイル250は、浮遊容量を有し、コンデンサ220を介して絶縁トランス120に接続され、受電コイル250の誘導係数と、受電コイル250の浮遊容量およびコンデンサ220の電気容量とによって、電気回路が形成され、コンデンサ220および受電コイル250が直列に接続されているが、これらは並列に接続されていてもよく(【0020】)、 絶縁トランス120は、受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力し(【0021】)、 整流器140は、整合器130から受けた高周波電流を直流電流に変換して、バッテリ150に供給し(【0022】)、 送電コイル450は、受電部210の受電コイル250へ、電磁誘導により非接触で電力を送電し(【0031】)、 コンデンサ220と受電コイル250とにより構成される電気回路の共振周波数が変動することは少ない(【0049】)、 電動車両100。」 2 引用文献2 (1) 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である上記引用文献2には、図面とともに、以下の記載がある。 ア 「「変圧器」は交流の電圧を変換するためのものであり,直流では動作しない.変圧器は,回転機のように回転など動く部分がなくすべて固定された構造なので,回転機に対して「静止器」と呼ばれることがある.なお,変圧器(trans-former)は日本語で「トランス」と呼ばれることも多いが,本書ではトランスという方が一般的な場合をのぞき変圧器と記述する.一般的な変圧器の構造は,図5-4のように環状の鉄心に電気的に絶縁された2つのコイルを巻き,それぞれから端子を出して導線を接続する.このうち,1つのコイルに交流の電圧をかける(電気を供給する)と,相互誘導の原理により,もう一方のコイルに電圧が発生し回路(負荷)を接続すれば電流が流れる.電力を供給する(電源を接続する)側を一次側といい,一次側のコイルを「一次巻線」という.もう1つのコイルからは電圧が変換された電力を取り出して負荷に供給することができ,負荷に接続する側のコイルを二次側といい,二次側のコイルを「二次巻線」という.2つのコイルの電圧は,それぞれのコイルの巻数(導線を巻いた回数)に比例する.いま,一次巻線の巻数をN1[回],二次巻線の巻数をN2[回]とし一次側に供給する交流電源の電圧をV1[V],二次側に生じる電圧をV2[V]とすると,それぞれ電圧は巻数に比例するので N1:N2=V1:V2(5.2) という関係で示される.入力(一次側)電圧V1に対して出力(二次側)電圧V2を表す式に展開すれば, V2=N2/N1 V1 (5.3) となる.この式に従って,一次巻線の巻数が100回,二次巻線の巻数が24回の変圧器に100[V]の交流電源を接続すれば,理論上出力として24[V]が得られる.なお,実際の変圧器では一般にもっと多くの回数が巻かれている.(93頁29行~94頁最下行)」 イ 「 [図:0001395887000003.jpg] 」 (2) 引用文献2に記載された技術 上記(1)ア~イより、下線を付加した記載に着目すると、引用文献2には、以下の技術が記載されているものと認められる。 「「変圧器」は交流の電圧を変換するためのものであり、直流では動作せず、 なお、変圧器(trans-former)は日本語で「トランス」と呼ばれることも多く、 電力を供給する(電源を接続する)側を一次側といい、一次側のコイルを「一次巻線」といい、もう1つのコイルからは電圧が変換された電力を取り出して負荷に供給することができ、負荷に接続する側のコイルを二次側といい、二次側のコイルを「二次巻線」といい、 2つのコイルの電圧は、それぞれのコイルの巻数(導線を巻いた回数)に比例し、いま、一次巻線の巻数をN1[回]、二次巻線の巻数をN2[回]とし一次側に供給する交流電源の電圧をV1[V]、二次側に生じる電圧をV2[V]とすると、それぞれ電圧は巻数に比例するので、 N1:N2=V1:V2 という関係で示されること。」 3 引用文献3 (1) 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に公開された上記引用文献3には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「【0017】 図1に示すように、鉛蓄電池の充電装置10は、商用電源11から給電されて鉛蓄電池12を充電する装置であり、給電入力端子20と、半波整流器21と、高周波発生回路22と、誘導コイル23と、受電コイル24と、共振コンデンサ25と、絶縁トランス26と、全波整流器27と、DCチョーク28と、充電出力端子29から構成されている。 【0018】 すなわち、鉛蓄電池の充電装置10は、 交流の商用電源11に接続される給電入力端子20と、 給電入力端子20を介して商用電源11から給電される交流電流を直流電流へと半波整流し、半波整流した直流電流を供給する半波整流器21と、 半波整流器21により半波整流された出力電流を所定周波数の高周波電流へ変換して出力する高周波発生回路22と、 高周波発生回路22より前記高周波電流が供給される誘導コイル23と、 誘導コイル23に対向して、そのギャップを調整可能に配置され、誘導コイル23に発生する磁束により起電力が誘起される受電コイル24と、 受電コイル24に並列に接続され、受電コイル24とともに前記所定周波数で並列共振回路を形成する共振コンデンサ25と、 一次巻線の両端が共振コンデンサ25の両端に接続され、一次巻線と二次巻線の巻線比により、鉛蓄電池12へ供給する充電電流(例えば、3.0C)を設定する絶縁トランス(高周波トランス)26と、 絶縁トランス26の二次巻線の両端に接続され、絶縁トランス26の出力電流を全波整流する全波整流器27と、 一端が全波整流器27のプラス出力端子に接続されたDCチョーク28と、 一方のプラス出力端子がDCチョーク28の他端に接続され、他方のマイナス出力端子が全波整流器27のマイナスの出力端子に接続された充電出力端子29により構成されている。」 イ 「【0054】 この起電力により受電コイル24に並列に接続された絶縁トランス26の一次巻線に交流電流が流れ、一次巻線に発生する電圧に対して巻線数の比により絶縁トランス26の二次巻線に降圧された電圧が発生し、増加した交流電流が流れる。この交流電流は全波整流器27へ供給され、この全波整流器27で整流された直流電流は、DCチョーク28を介して鉛蓄電池12へ流れ、鉛蓄電池12が充電される。」 ウ 「【図1】 [図:0001395887000004.jpg] 」 (2) 引用文献3に記載された技術 上記(1)ア~ウより、下線を付加した記載に着目すると、引用文献3には、以下の技術が記載されているものと認められる。 「一次巻線の両端が共振コンデンサ25の両端に接続され、一次巻線と二次巻線の巻線比により、鉛蓄電池12へ供給する充電電流を設定する絶縁トランス(高周波トランス)26と、が設けられ、 受電コイル24に並列に接続された絶縁トランス26の一次巻線に交流電流が流れ、一次巻線に発生する電圧に対して巻線数の比により絶縁トランス26の二次巻線に降圧された電圧が発生し、増加した交流電流が流れる充電装置10。」 4 引用文献4 (1) 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に公開された上記引用文献4には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「【0031】 そして、図3に示すように、受電装置2には、上記したように受電コイル21が設けられている。受電コイル21は、給電コイル11により発生された給電磁界により電力を受電するように構成されている。 【0032】 また、受電装置2には、共振コンデンサ22aおよび22bが設けられている。共振コンデンサ22aは、受電コイル21に対して直列に接続されている。また、共振コンデンサ22bは、受電コイル21に対して並列に接続されている。そして、共振コンデンサ22aおよび22bの容量は、受電装置2の負荷抵抗値RLが、後述する最適負荷抵抗値ROとなった場合に、電力伝送効率値ηが最大となるような値に定められている。また、受電コイル21と、共振コンデンサ22aおよび22bとの共振周波数は、給電コイル11と共振コンデンサ16との共振周波数と略同一の値を有するように構成されている。すなわち、給電装置1と受電装置2とは、いわゆる磁気共鳴方式による給電を行うことが可能に構成されている。」 イ 「【図3】 [図:0001395887000005.jpg] 」 (2) 引用文献4に記載された技術 上記(1)ア~イより、下線を付加した記載に着目すると、引用文献4には、以下の技術が記載されているものと認められる。 「給電コイル11により発生された給電磁界により電力を受電するように構成された受電コイル21と、 共振コンデンサ22aは、受電コイル21に対して直列に接続され、共振コンデンサ22bは、受電コイル21に対して並列に接続され、受電コイル21と、共振コンデンサ22aおよび22bとの共振周波数は、給電コイル11と共振コンデンサ16との共振周波数と略同一の値を有するように構成されている共振コンデンサ22aおよび22bとを有する受電装置2。」 5 引用文献5 (1) 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に公開された上記引用文献5には、図面とともに、以下の記載がある。 ア 「【0026】 [送電部110および受電部210の詳細構成] (送電部110) 図3は、送電部110および受電部210の詳細構成例を回路図で表したものである。なお、図中に示したインピーダンスZ1は、送電部110から高周波電力発生回路111側を見たときのインピーダンスを示しており、インピーダンスZ2,Z3はそれぞれ、電子機器2A,2B内において受電部210から整流回路213側を見たときのインピーダンスを示している。」 イ 「【0029】 (受電部210) 受電部210は、送電部110から伝送された(磁束から)電力を受け取るための受電コイルL2と、この受電コイルL2とともにLC共振回路(LC並列共振回路)を形成するためのコンデンサC2pと、容量性のリアクタンス素子(容量性素子)としてのコンデンサC2sとを有している。コンデンサC2pは、受電コイルL2に対して電気的に並列接続され、コンデンサC2sは、受電コイルL2(上記LC並列共振回路)に対して電気的に直列接続されている。すなわち、コンデンサC2pの一端は、受電コイルL2の一端およびコンデンサC2sの一端に接続され、コンデンサC2sの他端はインピーダンスZ2(またはインピーダンスZ3)のブロックの一端に接続されている。また、受電コイルL2、コンデンサC2pおよびインピーダンスZ2,Z3のブロックの各他端は、接地されている。 【0030】 ここで本実施の形態では、受電コイルL2とコンデンサC2pとによって上記したLC並列共振回路が形成されると共に、このLC並列共振回路内の受電コイルL2とコンデンサC2sとによって、LC共振回路(LC直列共振回路)が形成されている。そして、詳細は後述するが、これらの2つのLC共振回路(LC並列共振回路およびLC直列共振回路)によって、高周波電力発生回路111において発生された高周波電力(交流信号)と略同一もしくは近傍の周波数からなる共振周波数fresによるLC共振動作がなされるようになっている。すなわち、送電コイルL1とコンデンサC1とにより形成される送電部110内のLC共振回路(LC直列共振回路)と、受電コイルL2とコンデンサC2p,C2sとにより形成される受電部210内のLC共振回路とは、互いに略同一の共振周波数fresでLC共振動作を行うようになっている。」 ウ 「【図3】 [図:0001395887000006.jpg] 」 (2) 引用文献5に記載された技術 上記(1)ア~ウより、下線を付加した記載に着目すると、引用文献5には、以下の技術が記載されているものと認められる。 「送電部110から伝送された(磁束から)電力を受け取るための受電コイルL2と、この受電コイルL2とともにLC共振回路(LC並列共振回路)を形成するためのコンデンサC2pと、容量性のリアクタンス素子(容量性素子)としてのコンデンサC2sとを有し、コンデンサC2pは、受電コイルL2に対して電気的に並列接続され、コンデンサC2sは、受電コイルL2(上記LC並列共振回路)に対して電気的に直列接続されている受電部210であって、 受電コイルL2とコンデンサC2pとによって上記したLC並列共振回路が形成されると共に、このLC並列共振回路内の受電コイルL2とコンデンサC2sとによって、LC共振回路(LC直列共振回路)が形成されている受電部210。」 6 引用文献6 (1) 当審拒絶理由で引用され、本願の出願前に公開された上記引用文献6には、図面とともに、以下の記載がある。 ア 「[0018] 非接触受電装置3は、図1、図2に示すように、二次側コイルL2と、一対の二次側コンデンサC21,C22と、整流回路31と、平滑コンデンサC2とを有している。整流回路31は、一対の交流入力点と、一対の直流出力点とを有するダイオードブリッジで構成されている。二次側コイルL2の一端は、二次側コンデンサC21を介して整流回路31の一方の交流入力点に電気的に接続され、二次側コイルL2の他端は、二次側コンデンサC22を介して整流回路31の他方の交流入力点に電気的に接続されている。平滑コンデンサC2は、整流回路31の一対の直流出力点間に電気的に接続されている。さらに、平滑コンデンサC2の両端は、それぞれ一対の出力端子T21,T22に電気的に接続されている。一対の出力端子T21,T22には、蓄電池4が電気的に接続されている。」 イ 「[0020] 本実施形態では、非接触給電装置2は、一次側コイルL1とともに共振回路(以下、「一次側共振回路」という)を構成する一対の一次側コンデンサC11,C12を備えている。また、非接触受電装置3では、二次側コイルL2は、一対の二次側コンデンサC21,C22とともに共振回路(以下、「二次側共振回路」という)を構成している。」 ウ 「[図1] [図:0001395887000007.jpg] 」 (2) 引用文献6に記載された技術 上記(1)ア~ウより、下線を付加した記載に着目すると、引用文献6には、以下の技術が記載されているものと認められる。 「二次側コイルL2と、一対の二次側コンデンサC21,C22と、整流回路31とを有し、 整流回路31は、一対の交流入力点と、一対の直流出力点とを有するダイオードブリッジで構成され、 二次側コイルL2の一端は、二次側コンデンサC21を介して整流回路31の一方の交流入力点に電気的に接続され、二次側コイルL2の他端は、二次側コンデンサC22を介して整流回路31の他方の交流入力点に電気的に接続され、 二次側コイルL2は、一対の二次側コンデンサC21,C22とともに共振回路を構成している非接触受電装置3。」 第5 対比 1 本願発明と引用発明1とを対比する。(下線は、強調のため当審において付した。) (1)「送電コイルから送電される電力を受電する受電コイル」について 引用発明1の「受電装置200の受電コイル250」は、「送電装置400の送電コイル450に対向した状態で、受電装置200は送電装置400から電力を非接触で受電し、」(【0017】)、「送電コイル450」は、「受電コイル250へ、電磁誘導により非接触で電力を送信」するもの(【0031】)であるから、引用発明1の「送電コイル450」は、本願発明の「送電コイル」に相当し、引用発明1の「受電コイル250」は、本願発明の「送電コイルから送電される電力を受電する受電コイル」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明1とは、「送電コイルから送電される電力を受電する受電コイル」を備える点で一致している。 (2) 「前記受電コイルと当該受電コイルが受電した電力が供給される給電対象との間に設けられたトランス」について 引用発明1の「絶縁トランス120」は、「受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力し、整流器140は、整合器130から受けた高周波電流を直流電流に変換して、バッテリ150に供給」するもの(【0021】、【0022】)であるから、受電コイル250から受ける電力をバッテリ150に供給するものといえる。 よって、引用発明1の「バッテリ150」は、本願発明の「当該受電コイルが受電した電力が供給される給電対象」に相当し、また、引用発明1の「絶縁トランス120」は、受電コイル250と、バッテリ150の間に設けられているものであるから、本願発明の「前記受電コイルと当該受電コイルが受電した電力が供給される給電対象との間に設けられたトランス」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明1とは、「前記受電コイルと当該受電コイルが受電した電力が供給される給電対象との間に設けられたトランス」を備える点で一致している。 (3) 「一次コイルが前記受電コイルに接続され、二次コイルが前記給電対象に接続されたトランス」について 引用発明1では、「絶縁トランス120は、受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力」すること(【0021】)が特定されているものの、「一次コイルが前記受電コイルに接続され、二次コイルが前記給電対象に接続されたトランス」の構成については、特定されていない。 (4) 「前記受電コイルとともに共振回路を構成する第1コンデンサ」について 引用発明1は、「コンデンサ220と受電コイル250とにより構成される電気回路の共振周波数が変動することは少ない」(【0049】)ことから、引用発明1の「コンデンサ220」と「受電コイル250」は「変動することは少ない」「共振周波数」により「共振」する電気回路を構成するものといえる。 したがって、引用発明1の当該「受電コイル250」と「共振周波数」により「共振」する電気回路を構成する「コンデンサ220」は、本願発明の「前記受電コイルとともに共振回路を構成する第1コンデンサ」に相当する。 (5) 「前記受電コイル及び前記第1コンデンサとともに前記共振回路を構成する第2コンデンサと、を備え」について 引用発明1には、「前記共振回路を構成する第2コンデンサ」の構成については、特定されていない。 (6) 「前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサは、それぞれ、前記受電コイルと前記トランスの前記一次コイルとの間に配置され、前記トランスの前記一次コイルの両端のうちの少なくとも一方に接続され」について 引用発明1では、「受電コイル250は、・・・コンデンサ220を介して絶縁トランス120に接続され、・・・コンデンサ220および受電コイル250が直列に接続されている」(【0020】)ことから、「コンデンサ220」は、「受電コイル250」と「絶縁トランス120」との間に配置され、接続されていることは明らかである。 したがって、引用発明1の「コンデンサ220」は、「受電コイル250」と「絶縁トランス120」との間に配置されていることは、本願発明の「前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサは、それぞれ、前記受電コイルと前記トランスの前記一次コイルとの間に配置され、前記トランスの前記一次コイルの両端のうちの少なくとも一方に接続され」ることとは、「前記第1コンデンサは、前記受電コイルと前記トランスとの間に配置され」る点で共通している。 (7) 「前記一次コイルの巻き数は、前記二次コイルの巻き数より多い」について 引用発明1には、「前記一次コイルの巻き数は、前記二次コイルの巻き数より多い」構成については、特定されていない。 (8) 「受電装置」について 引用発明1の「電動車両100」は、「送電装置400から電力を非接触で受電する」「受電装置200」を備え(【0017】)、「受電コイル250」、「絶縁トランス120」、「コンデンサ220」、「バッテリ150」を含むもの(【0020】-【0022】)であるから、後述する相違点を除き、本願発明の「受電装置」に相当するといえる。 2 したがって、上記1(1)~(8)から、本願発明と引用発明1は、以下の点で一致し、また相違している。 (一致点) 「送電コイルから送電される電力を受電する受電コイルと、 前記受電コイルと当該受電コイルが受電した電力が供給される給電対象との間に設けられたトランスと、 前記受電コイルとともに共振回路を構成する第1コンデンサと、 前記第1コンデンサは、前記受電コイルと前記トランスとの間に配置された、 受電装置。」 (相違点1) トランスの構成について、本願発明では、一次コイルが前記受電コイルに接続され、二次コイルが前記給電対象に接続されたトランスを有し、第1コンデンサは、前記受電コイルと前記トランスの前記一次コイルとの間に配置され、前記トランスの前記一次コイルの両端のうちの少なくとも一方に接続され、前記一次コイルの巻き数は、前記二次コイルの巻き数より多いのに対し、引用発明1では、「絶縁トランス120は、受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力」することが特定されているものの、絶縁トランスの構成について特定されておらず、コイルの巻き数も特定されていない点。 (相違点2) トランスの構成について、本願発明では、受電コイル及び前記第1コンデンサとともに共振回路を構成する第2コンデンサを備え、前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサは、前記受電コイルと前記トランスの前記一次コイルとの間に配置され、前記トランスの前記一次コイルの両端のうちの少なくとも一方に接続されるものであるのに対し、引用発明1には、第1コンデンサとともに、そのような第2コンデンサを設けることについて特定されていない点。 第6 判断 上記相違点について検討する。 1 相違点1について 引用発明1では、「絶縁トランス120は、受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力する」こと(【0021】)が特定されている。 ここで、上記「第4 引用文献の記載及び引用発明」中の「2 引用文献2」の「(2) 引用文献2に記載された技術」及び「3 引用文献3」の「(2) 引用文献3に記載された技術」で示したように、引用文献2及び引用文献3に記載された技術には、トランスの構成に係る技術常識が示されており、電力を供給する(電源を接続する)側を一次側といい、一次側のコイルを「一次巻線」ということ、負荷に接続する側のコイルを二次側といい、二次側のコイルを「二次巻線」ということ、電圧は巻数に比例することが技術常識として開示されていることからみて、 引用発明1の「絶縁トランス120」についても、電力を供給される受電コイル250およびコンデンサ220に接続される側に一次側コイルを有し、バッテリ側に二次側のコイルを有していることは、当該技術常識から明らかである。 また、引用発明1の「絶縁トランス120」は、受電コイル250およびコンデンサ220からの電圧を低くして、絶縁トランス120よりもバッテリ側の整合器130に出力するものであるから、一次側コイルの電圧V1は、二次側コイルの電圧V2よりも高く、一次側コイルの巻数N1は、二次側コイルの巻数N2よりも多いことは、同じく当該技術常識から明らかである。 以上から、相違点1は、当該技術常識を踏まえると、当業者にとって自明のことであるから、引用発明1に特定されているに等しい事項であるということができ、相違点1は実質的に相違点ではなく、引用発明1は相違点1にかかる構成を有していることとなる。 2 相違点2について 引用発明1は、上記「第4 引用文献の記載及び引用発明」中の「2 引用文献1」の「(2) 引用文献1に記載された発明(引用発明1)」で特定されているように、「コンデンサ220と受電コイル250とにより構成される電気回路」により「共振」するもの(【0049】)であり、「受電コイル250の誘導係数と、受電コイル250の浮遊容量およびコンデンサ220の電気容量とによって、電気回路が形成され、コンデンサ220および受電コイル250が直列に接続されている」(【0020】)ことから、受電コイル250に接続するコンデンサ220は、受電コイル250に直列に接続され、受電コイル250と共振するための回路が形成されるものである。 これに対して、上記「第4 引用文献の記載及び引用発明」中の「4 引用文献4」の「(2) 引用文献4に記載された技術」及び「5 引用文献5」の「(2) 引用文献5に記載された技術」において、引用文献4及び引用文献5に記載された技術にも示されるように、受電コイルに直列接続されるコンデンサと、並列接続されるコンデンサを設け、受電コイルとともに受電コイルに直列接続されるコンデンサ、並列接続されるコンデンサと共振回路が形成されるように構成することは、共振回路の分野において、一般的に知られる周知技術である。 また、上記「第4 引用文献の記載及び引用発明」中の「6 引用文献6」の「(2) 引用文献6に記載された技術」において引用文献6に記載された技術にも示されるように、受電コイルに直列接続されるコンデンサを受電コイルの両端にそれぞれ設け、受電コイルとともに受電コイルに直列接続されるコンデンサ2つと共振回路が形成されるように構成すること自体についても、共振回路の分野において、一般的に知られる周知技術である。 したがって、引用発明1の受電コイル250に直列に接続され、コンデンサ220と共振するための回路が形成される構成に代えて、受電コイルとともに受電コイルに直列接続されるコンデンサ、並列接続されるコンデンサと共振回路が形成される引用文献4~6に記載された当該周知技術を適用して、本願発明のように、受電コイルに直列接続される第1コンデンサと、並列接続される第2コンデンサを設け、受電コイル、トランスの1次コイルとともに受電コイル、トランスの1次コイルに直列接続される第1コンデンサ、並列接続される第2コンデンサと共振回路が形成されるように構成すること及び、 受電コイルとともに受電コイルに直列接続されるコンデンサを受電コイルの両端に設け、受電コイルとともに受電コイルに直列接続されるコンデンサ2つと共振回路が形成される当該周知技術を適用して、本願発明のように、受電コイルにそれぞれ直列接続される第1コンデンサ、第2コンデンサを設け、受電コイル、トランスの1次コイルとともに受電コイル、トランスの1次コイルに直列接続される第1コンデンサ、第2コンデンサと共振回路が形成されるように構成することは、いずれも当業者であれば容易に想到し得たことである。 3 まとめ 以上より、上記1~2から、本願発明は、引用発明1、及び引用文献2、引用文献3に記載された技術常識、引用文献4~引用文献6に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 また、本願発明が奏する効果についても、引用発明1、及び引用文献2、引用文献3に記載された技術常識、引用文献4~引用文献6に記載された周知技術から予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものではない。 4 審判請求人の主張について なお、審判請求人は、令和4年12月27日付けの意見書において、引用文献1から6には、受電コイルとトランスの一次コイルとの間に配置された第1コンデンサ及び第2コンデンサとトランスとの組合せについて記載も示唆もされておらず、当業者によって当然に予測されると認められる客観的根拠は、何ら示されていない旨主張する。 しかしながら、「2 相違点2について」の項目で検討したとおり、単数のコンデンサを複数のコンデンサに置き換えることは周知技術であって、格別な構成にはあたらない。 つまり、受電コイルに、直列及び並列にそれぞれ接続されるコンデンサを設けることは、一般的に行われている周知技術であるから、引用発明の第1コンデンサを、受電コイルに直列及び並列にそれぞれ接続されるコンデンサに適宜置き換えることは、当業者であれば容易に想到し得たことにすぎない。 同様に、受電コイルの両端に、それぞれ直列に接続されるコンデンサを設けることも、一般的に行われている周知技術であるから、引用発明の第1コンデンサを、受電コイルの両端に、それぞれ直列に接続されるコンデンサに適宜置き換えることも、当業者であれば容易に想到し得たことにすぎない。 また、コンデンサを複数設けることで、分圧化して、当該コンデンサの両端に係る電圧を低下させることができること、及び、コンデンサの電圧を低下させることで、コイルのノイズを抑制することについても、自明な事項にすぎず、格別な効果にはあたらない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明、及び、引用文献2~引用文献6に記載された技術常識・周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-001571

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