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特許異議申立

2020-700926

遊技機

審判番号
2020-700926
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-251200外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年11月30日
審決日
2021年08月24日
公報発行日
2021年12月24日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6713275号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】
特許第6713275号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
特許第6713275号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

目次 ▾ 14項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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特許第6713275号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成27年12月24日に出願され、令和2年6月5日にその特許権の設定登録がされ、同年同月24日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対して、同年11月30日に特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがされ、当審において、令和3年3月24日付けで取消理由が通知され、同年5月26日に特許権者である株式会社三共により意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対して、同年7月7日に特許異議申立人により意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について

1 請求の趣旨

本件訂正請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求める、というものである。

2 訂正の内容

本件訂正請求による訂正の内容は、次のとおりである。

(1) 訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に、

「前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、」とあるのを、

「前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、」(下線は、訂正箇所を示す。以下、同じ。)に訂正する。

(2) 訂正事項2

特許請求の範囲の請求項1に、

「前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、」とあるのを、

「前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、」に訂正する。

(3) 訂正事項3

特許請求の範囲の請求項1に、

「表示装置を有する表示ユニットと、を有し、」とあるのを、

「液晶表示装置を有する表示ユニットと、を有し、」に訂正する。

(4) 訂正事項4

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項3の「液晶表示装置を有する表示ユニットと、を有し、」の後に、

「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」を加える。

(5) 訂正事項5

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項4の「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」の後に、

「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」を加える。

(6) 訂正事項6

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項5の「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」の後に、

「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」を加える。

(7) 訂正事項7

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項6の「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」の後に、

「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」を加える。

(8) 訂正事項8

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項7の「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」の後に、

「前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」を加える。

(9) 訂正事項9

特許請求の範囲の請求項1に、

「前記ベースユニットは開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられる」とあるのを、

「前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、」に訂正する。

(10) 訂正事項10

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項9の「前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、」の後に、

「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」を加える。

(11) 訂正事項11

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項10の「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」の後に、

「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」を加える。

(12) 訂正事項12

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項11の「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」の後に、

「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」を加える。

(13) 訂正事項13

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項12の「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」の後に、

「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」を加える。

(14) 訂正事項14

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項13の「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」の後に、

「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」を加える。

(15) 訂正事項15

特許請求の範囲の請求項1において、

上記訂正事項14の「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」の後に、

「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」を加える。

(16) 訂正事項16

本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0007】に、

「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
本体部と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
続きを表示(全25行)
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニットと、
前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
前記ベースユニットは開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられる
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
本体部(例えば、筐体1a)と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部(例えば、前面扉1b)と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニット(例えば、共通ユニット200)と、
前記ベースユニットの第1領域(例えば、前面上部)を開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)と、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域(例えば、前面下部)を開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)と、
を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ベースユニットに対し第1開閉ユニットや第2開閉ユニットを開放させることでベースユニットの第1領域や第2領域を解放することができるため、メンテナンス性が向上する。また、ベースユニットは板状に形成されているため、開閉扉部を介して不正部材を本体部へ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。」とあるのを、
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
本体部と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
続きを表示(全36行)
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニットと、
前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
液晶表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、
前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、
前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、
該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、
前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、
前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
本体部(例えば、筐体1a)と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部(例えば、前面扉1b)と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニット(例えば、共通ユニット200)と、
前記ベースユニットの第1領域(例えば、前面上部)を開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)と、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域(例えば、前面下部)を開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)と、
を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ベースユニットに対し第1開閉ユニットや第2開閉ユニットを開放させることでベースユニットの第1領域や第2領域を解放することができるため、メンテナンス性が向上する。また、ベースユニットは板状に形成されているため、開閉扉部を介して不正部材を本体部へ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。」に訂正する。

3 訂正の適否

(1) 訂正事項1

ア 訂正の目的について

訂正事項1は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項1は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0016】の「以下において、図1の手前側をスロットマシン1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、スロットマシン1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。」との記載、本件特許明細書の段落【0083】の「前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200と、共通ユニット200の前面上部を開閉可能な上部開閉ユニット210と、共通ユニット200の前面下部を開閉可能な下部開閉ユニット220と、から主に構成され、」との記載及び図10から、ベースユニット(共通ユニット200)の第1領域(前面上部)をベースユニット(共通ユニット200)の前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)が導き出せる。

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(2) 訂正事項2

ア 訂正の目的について

訂正事項2は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0016】の「以下において、図1の手前側をスロットマシン1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、スロットマシン1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。」との記載、本件特許明細書の段落【0083】の「前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200と、共通ユニット200の前面上部を開閉可能な上部開閉ユニット210と、共通ユニット200の前面下部を開閉可能な下部開閉ユニット220と、から主に構成され、」との記載及び図10から、ベースユニット(共通ユニット200)の第1領域とは異なる第2領域(前面下部)をベースユニット(共通ユニット200)の前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)が導き出せる。

したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3) 訂正事項3

ア 訂正の目的について

訂正事項3は、本件訂正前の「表示装置」を、「液晶表示装置」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項3は、本件訂正前の「表示装置」を、「液晶表示装置」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0084】の「共通ユニット200の上部には開口部201が形成されており、この開口部201には、液晶表示器51を含む表示ユニット202が複数のネジN3等により背面側から交換可能に組付けられている。」との記載から、液晶表示装置(液晶表示器51)を有する表示ユニット(表示ユニット202)が導き出せる。

したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(4) 訂正事項4

ア 訂正の目的について

訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0114】の「そこで、本実施例のスロットマシン1は、筐体1aを開閉可能とする前面扉1bを、共通ユニット200、上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220といった複数のユニット部材にて構成し、これらのうち上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220ごと交換することで、多数の交換部品をまとめて簡単に交換することができるようにしている。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)及び第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)は、ベースユニット(共通ユニット200)に対して交換可能に設けられることが導き出せる。

したがって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(5) 訂正事項5

ア 訂正の目的について

訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0082】の「図2~図8に示すように、本体部としての筐体1aは、上板、底板、左側板、右側板及び背板により前面に開口1cを有する箱状に形成されている。開閉扉部としての前面扉1bは、開口1cを閉鎖する閉鎖位置と開口1cを開放する開放位置との間で回動可能に設けられ、開口1cを開閉可能としている。」との記載、本件特許明細書の段落【0089】の「共通ユニット200により開口1cが閉鎖された状態において、係止部324A,324Bの被係止部326A,326Bへの係止状態を解除するには、シリンダ錠327の前端面にある鍵穴327Aに遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を挿入し、所定方向(例えば、右回り)に回転させる。これにより、動作板322が下降して係止部324A,324Bが上方に向けて回動して被係止部326A,326Bに対する係止状態が解除されるため、共通ユニット200を開放位置へ回動させることが可能となる。」との記載及び図1から、開閉扉部(前面扉1b)は、遊技機前面側から挿入された鍵(キー328)の操作により本体部(筐体1a)に対して開放可能であることが導き出せる。

したがって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(6) 訂正事項6

ア 訂正の目的について

訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0094】の「上部開閉ユニット210により共通ユニット200の前面上部が閉鎖された状態において、係止部354A,354Bの被係止部356A,356Bへの係止状態を解除するには、操作片357を下降させることで、動作板352が下降して係止部354A,354Bが上方に向けて回動して被係止部356A,356Bに対する係止状態が解除されるため、上部開閉ユニット210を開放位置へ回動させることが可能となる。」との記載、本件特許明細書の段落【0095】の「尚、操作片357は、上部開閉ユニット210が閉鎖位置にあるとき、共通ユニット200の背面側に突出するように設けられているため(図4参照)、共通ユニット200の背面側からしか操作できない。つまり、共通ユニット200が閉鎖位置にある場合、遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を用いて共通ユニット200を開放しない限り、上部開閉ユニット210を開放することができない構成とされている。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)は、開閉扉部(前面扉1bの共通ユニット200)を開放することで操作可能となる第1操作部(操作片357)を操作することでベースユニット(共通ユニット200)の前面側に開放可能となることが導き出せる。

したがって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(7) 訂正事項7

ア 訂正の目的について

訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0103】の「下部開閉ユニット220により共通ユニット200の前面下部が閉鎖された状態において、係止部364A,364Bの被係止部366A,366Bへの係止状態を解除するには、操作片367を下降させることで、動作板362が下降して係止部364A,364Bが上方に向けて回動して被係止部366A,366Bに対する係止状態が解除されるため、下部開閉ユニット220を開放位置へ回動させることが可能となる。」との記載、本件特許明細書の段落【0104】の「尚、操作片367は、下部開閉ユニット220が閉鎖位置にあるとき、共通ユニット200の背面側に突出するように設けられているため(図4参照)、共通ユニット200の背面側からしか操作できない。つまり、共通ユニット200が閉鎖位置にある場合、遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を用いて共通ユニット200を開放しない限り、下部開閉ユニット220を開放することができない構成とされている。」との記載から、第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)は、開閉扉部(前面扉1bの共通ユニット200)を開放することで操作可能となる第2操作部(操作片367)を操作することでベースユニット(共通ユニット200)の前面側に開放可能となることが導き出せる。

したがって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(8) 訂正事項8

ア 訂正の目的について

訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0096】の「また、図6(B)に示すように、上部開閉ユニット210により共通ユニット200の前面上部を閉鎖し、係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止された係止状態において、これら係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとを結束バンド358により連結されている。これにより、結束バンド358を切断するなどして係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようになるため、上部開閉ユニット210が不正に開放された場合でも、不正に開放された可能性があることを遊技場の店員等が発見することが可能となる。」との記載、本件特許明細書の段落【0097】の「尚、本実施例では、係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとを結束バンド358により連結することで係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、結束バンド358で連結する以外の方法(例えば、貼付した場合には破断する封印シールを係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとに跨るように貼付しておくなど)で係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしてもよい。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)は、規制手段(結束バンド358)によりベースユニット(共通ユニット200)に対して開放不能に規制され、規制手段(結束バンド358)を破壊することでベースユニット(共通ユニット200)の前面側に開放可能となることが導き出せる。

したがって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(9) 訂正事項9

ア 訂正の目的について

訂正事項9は、本件訂正前の「前記ベースユニット」が「有」する「開口部」が、「前記第1領域に」あることを限定するとともに、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側」を、「前記ベースユニットの後面側」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項9は、本件訂正前の「前記ベースユニット」が「有」する「開口部」が、「前記第1領域に」あることを限定するとともに、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側」を、「前記ベースユニットの後面側」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0084】の「共通ユニット200の上部には開口部201が形成されており、この開口部201には、液晶表示器51を含む表示ユニット202が複数のネジN3等により背面側から交換可能に組付けられている。」との記載及び図10から、ベースユニット(共通ユニット200)は第1領域(上部)に開口部(開口部201)を有し、該開口部(開口部201)をベースユニット(共通ユニット200)の後面側(背面側)から開閉可能に表示ユニット(表示ユニット202)が設けられることが導き出せる。

したがって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(10) 訂正事項10

ア 訂正の目的について

訂正事項10は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項10は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0082】の「図2~図8に示すように、本体部としての筐体1aは、上板、底板、左側板、右側板及び背板により前面に開口1cを有する箱状に形成されている。」との記載から、本体部(筐体1a)は、前面が開口する箱状に形成されることが導き出せる。

したがって、訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(11) 訂正事項11

ア 訂正の目的について

訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0044】の「また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。」との記載、本件特許明細書の段落【0045】の「遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L,32C,32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。」との記載、本件特許明細書の段落【0106】の「図2に示すように、筐体1aには、リールユニット2(リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、リールLED55)、ホッパーユニット34(ホッパータンク34a、ホッパーモータ34b、払出センサ34c)、オーバーフロータンク35(満タンセンサ35a)、電源ボックス100(設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39、電源基板101)、遊技制御基板ケース40A(遊技制御基板40)が収容されている。」との記載から、該本体部(筐体1a)の内部には、複数のリールを含むリールユニット(リールユニット2)と、リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)が搭載された遊技制御基板(遊技制御基板40)と、が収容されることが導き出せる。

したがって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(12) 訂正事項12

ア 訂正の目的について

訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0084】の「図5、図7及び図8に示すように、共通ユニット200は、合成樹脂材により正面視縦長長方形状をなす板状部材からなり、開口1cを閉鎖可能な大きさに形成されている。」との記載、本件特許明細書の段落【0129】の「また、前面扉1bは、共通ユニット200に上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220を取付けていない状態でも、共通ユニット200だけで筐体1aを閉鎖することが可能であることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を共通ユニット200から取外した状態でも、筐体1aを閉鎖することができる。」との記載から、ベースユニット(共通ユニット200)は、本体部(筐体1a)の前面開口(開口1c)を塞ぐ板状に形成されることが導き出せる。

したがって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(13) 訂正事項13

ア 訂正の目的について

訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0053】の「演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、演出用モータ等に対してサブ制御部91から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)を伝送するモータ駆動回路99と、その他の回路等、が搭載されている。」との記載、本件特許明細書の段落【0084】の「開口部201は、表示ユニット202が組付けられることにより閉鎖されている。また、表示ユニット202の背面における透過領域3L,3C,3Rの上方には、演出制御基板90が収納された演出制御基板ケース90Aが取付けられている(図4参照)。」との記載から、表示ユニット(表示ユニット202)の後面側に液晶表示装置(液晶表示器51)の制御を行う演出制御手段(サブ制御部91、表示制御回路92)が搭載された演出制御基板(演出制御基板90)が配置されることが導き出せる。

したがって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(14) 訂正事項14

ア 訂正の目的について

訂正事項14は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項14は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0129】の「また、前面扉1bは、共通ユニット200に上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220を取付けていない状態でも、共通ユニット200だけで筐体1aを閉鎖することが可能であることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を共通ユニット200から取外した状態でも、筐体1aを閉鎖することができる。」との記載、本件特許明細書の段落【0135】の「また、共通ユニット200は開口部201を有し、開口部201は表示手段としての液晶表示器51を含む表示ユニット202により閉鎖されている。」との記載から、ベースユニット(共通ユニット200)に第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)及び第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)を取り付けていない状態でも、開閉扉部(前面扉1b)を閉鎖することでベースユニット(共通ユニット200)及び表示ユニット(表示ユニット202)により本体部(筐体1a)の前面開口が塞がれることが導き出せる。

したがって、訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(15) 訂正事項15

ア 訂正の目的について

訂正事項15は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項15は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

本件特許明細書の段落【0130】の「また、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220は、図17(A)及び図17(B)に示すように、共通ユニット200から取外されたときに、直立状態で設置することが可能である。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)及び第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)は、ベースユニット(共通ユニット200)から取外されたときに、直立状態で設置することが可能であることが導き出せる。

したがって、訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(16) 訂正事項16

ア 訂正の目的について

訂正事項16は、訂正事項1-15により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0007】の不明瞭な記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記アにて説示のとおり、訂正事項16は、訂正事項1-15に係る訂正に整合させるための訂正であるから、訂正事項1-15と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

上記アにて説示のとおり、訂正事項16は、訂正事項1-15に係る訂正に整合させるための訂正であるから、訂正事項1-15と同様に、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

4 小括

以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る上記訂正事項1-15に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、上記訂正事項16に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。

第3 本件発明

本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A等は、分説するために当審で付した。)。

「【請求項1】
A 遊技が可能な遊技機であって、
B 本体部と、
C 前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
続きを表示(全24行)
を備え、
D 前記開閉扉部は、
E  板状に形成されるベースユニットと、
F  前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
G  前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
H  液晶表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
I 前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
J 前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、
K 前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
L 前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
M 前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
N 前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、
O 前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、
P 該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、
Q 前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
R 前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、
S 前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
T 前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である
ことを特徴とする遊技機。」

第4 特許異議の申立てについて

1 特許異議の申立ての概要

特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1-2号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。

(証拠方法)

甲第1号証:特開2004-344503号公報
甲第2号証:特開2014-221267号公報

2 令和3年3月24日付け取消理由の概要

令和3年3月24日付け取消理由通知は、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである、とするものである。

3 令和3年5月26日付け意見書(特許権者)の概要

特許権者は、令和3年5月26日付け意見書において、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項は、構成H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S及びTを有していないから、訂正後の本件発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものではない旨主張している。

4 令和3年7月7日付け意見書(特許異議申立人)の概要

特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、訂正後の本件発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2-5号証に記載された事項、周知技術及び技術常識に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。

(証拠方法)

甲第3号証:平成18年度 標準技術集 遊技機及びその関連技術

第2部パチスロ 2-1-3,3-1-1,3-2-5

各プリントアウト

甲第4号証:特開2015-202382号公報
甲第5号証:特開2007-175387号公報

5 各甲号証に記載された事項

(1) 甲第1号証

甲第1号証には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下、同じ。)。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球等の遊技球を使用してゲームを行うことが可能なスロットマシンに関わり、特に機種変更時等における装置や部品等の交換作業を容易に行うことが出来る遊技球を用いたスロットマシンに関する。」
イ 「【0013】
まず、図1は、本発明が適用された遊技機の一例である遊技球としてのパチンコ球を用いたスロットマシン1の正面図であり、図2は、スロットマシンの構造を示す斜視図であり、図3は、可変表示ユニット及び装飾パネルユニットが本体板から分離された状態を示す斜視図であり、図4は、図3におけるA-A断面図であり、図5は、可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを本体板に取付けるときの概略構造図であり、図6は、第2係止手段の状態を切替え操作したときの概略構造図であり、図7は、装飾パネルユニットを開放したときの概略構造図であり、図8は、可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを本体板から取外したときの概略構造図であり、図9(a)は結束バンドを取付けるときの図であり、図9(b)は結束バンドを取付けた状態の図である。
【0014】
図1に示すスロットマシン1は、図2の装飾パネルユニット904及び機構ユニット901を開放した斜視図に示すように、機構ユニット901に対して分離自在に設置される可変表示ユニット903と、可変表示ユニット903の前面を被覆するように配置される装飾パネルユニット904と、から主に構成されている。機構ユニット901は、図4に示されるように、遊技島Yの膳板Zの上面に設置固定するための四角枠状に形成された基枠900に、一側辺を中心に回動自在に枢支されている。」
ウ 「【0028】
装飾パネルユニット904における透視窓14の後方位置には、図2に示されるように、可変表示装置であるベルト51L、51C、51Rを有する可変表示ユニット903が配設されている。ベルト51L、51C、51Rは、複数種の図柄が印刷された無端状のベルトを複数配置されたローラの外周に掛け回され、前記ローラのうちの駆動ローラを回動させることにより、図柄が可変表示されるようになっている。」
エ 「【0043】
次に、本実施例におけるスロットマシン1の構造を図2~図9に基づいて説明する。スロットマシン1は、図3に示されるように、機構ユニット901に形成された設置用開口部902に分離自在に設置される可変表示ユニット903と、可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置される装飾パネルユニット904と、から主に構成されている。
【0044】
図2に示すように、機構ユニット901は、図示しないヒンジ装置を介して基枠900の左側辺に回動自在に枢支されており、遊技島Yに設置固定された基枠900の開口を開閉出来るようになっている。この機構ユニット901は、設置用開口部902が形成された合成樹脂製の板部材からなる本体板905と、該本体板905の前面下部に開閉自在に枢着されるとともに、上段膨出部7を形成する開閉体としてのカバー体906と、本体板905の後面側に一体的に組み付けられる機構板500と、から構成されている。
【0045】
可変表示ユニット903における正面から見て左側の側辺部には、前面に配置される装飾パネルユニット904を開閉自在とするためのヒンジ装置936が上下所定箇所にそれぞれ取付けられており、装飾パネルユニット904が一側辺部を中心として開閉自在に枢着されている。」
オ 「【0053】
係止爪915aは、本体板905の内側面に上下方向に移動自在に支持される上下方向を向く移動部材917の上下端部それぞれから前方に向けて突設されている。移動部材917は、本体板905の前面に設けられた施錠装置918に連係されており、施錠装置918のシリンダ錠の前面に形成された鍵穴918aに挿入した所定のキーを、上下方向を向く基準位置から時計回りに約45度回動操作することにより上昇し、反時計回りに回動操作することにより下降するようになっている。よって、装飾パネルユニット904及びカバー体906を開放することなくスロットマシン1の前面側から操作可能に設けられた鍵穴918aに挿入した所定のキー(鍵)を操作することで、カバー体906を本体板905に対して施解錠出来るようになっている。」
カ 「【0086】
このように構成された結束バンド927は、本体板905から可変表示ユニット903を分離して持ち出されて不正に交換されるのを防止するために使用される。結束バンド927の具体的な取付方法について詳述すると、可変表示ユニット903を本体板905に設置した状態で、図2に示されるように、鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904を開放する。なお、この状態において、可変表示ユニット903及び装飾パネルユニット904と機構ユニット901との間の全ての配線を接続及び解除することができるようになっている。
【0087】
そして、図9(a)に示されるように、可変表示ユニット903側に形成された二つの孔部953a、953bの内一方の孔部953aから結束バンド927の先端を挿入し、本体板905側に形成された連結用リング部909に結束バンド927を挿通させ、さらに孔部953bから結束バンド927の先端部を取出し、図9(b)に示されるように、可変表示ユニット903の連結部954と、本体板905の連結用リング部909とを連結するように、バンドに緩みが生じないように張設した状態で結束してから再び装飾パネルユニット904を閉塞する。」
キ 「【0091】
互いに一体化された可変表示ユニット903及び装飾パネルユニット904は、図3に示されるように、本体板905から互いに一体的に係止した状態で一度に取外すことが出来る。よって、機種変更時等において、装飾パネルユニット904や、可変表示ユニット903に組み付けられたベルト51L、51C、51R、遊技制御基板、及び演出制御基板の交換作業を効率よく行うことが出来るばかりか、これら作業を本体板905から離れた場所で行うことが出来る。あるいは、新機種に対応した新規な可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを予め製造して遊技場に搬送しておけば、遊技場において、機種変更等に伴う交換作業を容易に、かつ、迅速に行うことができる。」
ク 「【0093】
例えば通常時における可変表示ユニット903に組み込まれた各種部品や装置の点検やメンテナンス、及びベルト51L、51C、51Rの図柄合わせ等の作業等を、可変表示ユニット903全体を本体板905から分離することなく、装飾パネルユニット904を開放させるだけの簡単な操作で行うことが出来るため、通常時における可変表示装置等のメンテナンス性が効果的に向上する。」

ケ 図2

上記段落【0013】の「図2は、スロットマシンの構造を示す斜視図であり、」との記載、上記段落【0044】の「この機構ユニット901は、設置用開口部902が形成された合成樹脂製の板部材からなる本体板905と、該本体板905の前面下部に開閉自在に枢着されるとともに、上段膨出部7を形成する開閉体としてのカバー体906と、本体板905の後面側に一体的に組み付けられる機構板500と、から構成されている。」との記載、上記段落【0045】の「可変表示ユニット903における正面から見て左側の側辺部には、前面に配置される装飾パネルユニット904を開閉自在とするためのヒンジ装置936が上下所定箇所にそれぞれ取付けられており、装飾パネルユニット904が一側辺部を中心として開閉自在に枢着されている。」との記載を参酌すると、図2には、装飾パネルユニット904が本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され、カバー体906が本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着されることが記載されていると認められる。

上記ア-クの記載事項、上記ケの認定事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(a1等は、発明の構成を分説するために本件発明の構成A等に対応させて当審で付した。)。

「a1 パチンコ球等の遊技球を使用してゲームを行うことが可能な(段落【0001】)スロットマシン1であって(段落【0014】)、
b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1 可変表示ユニット903が機構ユニット901に形成された設置用開口部902に分離自在に設置され、装飾パネルユニット904が可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置され(段落【0043】)、機構ユニット901は、遊技島Yの膳板Zの上面に設置固定するための四角枠状に形成された基枠900に、一側辺を中心に回動自在に枢支されており(段落【0014】)、機構ユニット901は、遊技島Yに設置固定された基枠900の開口を開閉出来るようになっており、機構ユニット901は、設置用開口部902が形成された合成樹脂製の板部材からなる本体板905から構成され(段落【0044】)、可変表示ユニット903が可変表示装置であるベルト51L、51C、51Rを有し(段落【0028】)、
d1、f1、k1、m1 可変表示ユニット903における正面から見て左側の側辺部には、前面に配置される装飾パネルユニット904を開閉自在とするためのヒンジ装置936が上下所定箇所にそれぞれ取付けられており、装飾パネルユニット904が一側辺部を中心として開閉自在に枢着されており(段落【0045】)、装飾パネルユニット904が本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され(認定事項ケ)、
d1、g1、l1 機構ユニット901は、該本体板905の前面下部に開閉自在に枢着されるとともに、上段膨出部7を形成する開閉体としてのカバー体906から構成され(段落【0044】)、カバー体906が本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され(認定事項ケ)、
k1、l1 本体板905に施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、装飾パネルユニット904及びカバー体906を開放することなくスロットマシン1の前面側から操作可能に設けられた鍵穴918aに挿入した所定のキーを操作することで、カバー体906を本体板905に対して施解錠出来るようになっており(段落【0053】)、可変表示ユニット903を本体板905に設置した状態で、鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904を開放することができ(段落【0086】)、
m1 結束バンド927は、本体板905から可変表示ユニット903を分離して持ち出されて不正に交換されるのを防止するために使用され、結束バンド927の具体的な取付方法は、鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904を開放し(段落【0086】)、可変表示ユニット903の連結部954と、本体板905の連結用リング部909とを連結するように、バンドに緩みが生じないように張設した状態で結束してから再び装飾パネルユニット904を閉塞するものであり(段落【0087】)、
i1、t1 互いに一体化された可変表示ユニット903及び装飾パネルユニット904は、本体板905から互いに一体的に係止した状態で一度に取外すことが出来、新機種に対応した新規な可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを予め製造して遊技場に搬送しておけば、遊技場において、機種変更等に伴う交換作業を容易に、かつ、迅速に行うことができる(段落【0091】)、スロットマシン1(段落【0014】)。」

(2) 甲第2号証

甲第2号証には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0068】
以下に、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技球使用回胴遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。」
イ 「【0070】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、図5は遊技機1の背面図である。なお以下の説明においては、特に注記しない限り、遊技機1の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
【0071】
遊技機1は、本体枠又は取付対象としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付け固定される。外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。また、図5に示すように、外枠2を構成する四辺の板材のうち右辺の板材には、その内側上下2カ所に、後述するドアブロック4を閉鎖状態に保持するための保持金具7a,7bが設けられている。
【0072】
遊技機主部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、絵柄表示ユニットである面替えブロック5と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック6とから構成されている。ドアブロック4には上下2カ所にヒンジ金具8が設けられており、このヒンジ金具8と外枠2側の上下2カ所の支持金具9とにより、ドアブロック4(遊技機主部3)が外枠2に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機1を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部3は正面から見て右側を回動先端部として開放される。以下では、左側を開閉中心側、右側を開放端側とも言う。外枠2に対して遊技機主部3が閉じた状態では、ドアブロック4の外周縁部の背面が外枠2の前面に当接するようになっている。
【0073】
面替えブロック5はドアブロック4の背面側に取り付けられ、更に面替えブロック5を背面側から覆うようにして払出ブロック6が取り付けられている。これら面替えブロック5と払出ブロック6はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。」
ウ 「【0078】
ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。前扉体11及び内枠12はいずれも合成樹脂材料により成形されており、背後より複数箇所でネジ締めすることにより結合されている。ただし、ドアブロック4の剛性を高めるべく、内枠12を金属材料により成形することも可能である(例えばアルミダイキャストにより成形する)。」
エ 「【0099】
(内枠12の説明)
図10や図11に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101~104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、内枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。ただし、左枠部101には軸金具111~113が設けられており、その軸金具111~113によって面替えブロック5や払出ブロック6が支持されることから、左枠部101のリブ106に関しては剛性を高めるべく比較的肉厚に形成されている。」
オ 「【0197】
面替えブロック5は主要な構成として、合成樹脂製の前面枠501と、図柄表示装置としてのリール装置503と、補助演出装置としての液晶表示装置504と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置505と、主制御装置505からの指令に基づく従たる表示制御等を実施する表示制御装置506と、主制御装置505を装着するための主制御装置用台座ベース507と、表示制御装置506を装着するための表示制御装置用台座ベース508とを備えている。本実施の形態では、面替えブロック5は、本遊技機1の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック5を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック5は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。」
カ 「【0266】
ちなみに、リール装置503等のメンテナンス時や主制御装置505等の点検時などにおいては、ドアブロック4、面替えブロック5及び払出ブロック6の一体物の開放後に、各ロック部材678,679や結合フック部材531,532を結合解除操作して面替えブロック5と払出ブロック6とを分離させる(図4の状態)。そしてこの状態で、リール装置503等のメンテナンスや主制御装置505等の点検などが行われる。」

キ 図10

上記段落【0099】の「図10や図11に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。」との記載を参酌すると、図10には、内枠12が、下枠部104において広幅の板状であることが記載されていると認められる。

ク 図3

図4

上記段落【0070】の「図3及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、」との記載、上記段落【0073】の「面替えブロック5はドアブロック4の背面側に取り付けられ、更に面替えブロック5を背面側から覆うようにして払出ブロック6が取り付けられている。これら面替えブロック5と払出ブロック6はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。」との記載、上記段落【0078】の「ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。」との記載、上記段落【0099】の「図10や図11に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101~104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、内枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。」との記載及び図10を参酌すると、図3及び図4には、中央開口部105を内枠12の背面側から開閉可能に面替えブロック5が設けられることが記載されていると認められる。

上記ア-カの記載事項、上記キ-クの認定事項から、甲第2号証には、次の事項(以下、「甲第2号証に記載された事項」という。)が記載されていると認められる(a2等は、構成を分説するために本件発明の構成A等に対応させて当審で付した。)。

「a2 遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技球使用回胴遊技機であって(段落【0068】)、
b2、c2 遊技機1は、本体枠又は取付対象としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有し(段落【0071】)、遊技機1を正面から見て開閉中心側である左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部3は正面から見て開放端側である右側を回動先端部として開放され(段落【0072】)、
d2、e2 遊技機主部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、絵柄表示ユニットである面替えブロック5と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック6とから構成されており(段落【0072】)、ドアブロック4において、前扉体11の背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられており(段落【0078】)、内枠12が、下枠部104において広幅の板状であり(認定事項キ)、
d2、h2 面替えブロック5は主要な構成として、図柄表示装置としてのリール装置503を備え(段落【0197】)、
n2 内枠12は、各枠部101~104に囲まれる部位が中央開口部105となっており(段落【0099】)、中央開口部105を内枠12の背面側から開閉可能に面替えブロック5が設けられる(認定事項ク)、遊技球使用回胴遊技機(段落【0068】)。」

(3) 甲第3号証

甲第3号証(平成18年度 標準技術集 遊技機及びその関連技術 第2部パチスロ 2-1-3,3-1-1,3-2-5 各プリントアウト)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【技術内容】
演出等の表示器として、液晶表示装置が搭載されているものがある。液晶の配置場所としては下図のようにリールの上部に配するのが主流である。この他には、リールの右側、リールの下(遊技者から見て手前)に配するのもある。なお、液晶をどこに配するかは、適宜設計出来ることである。」(第72頁)
イ 「 通常の箱形筐体と異なり、カジノのスロットを意識したテーブル型の筐体である。形状以外は、通常のパチスロ機と同様である。
テーブル型筐体はサイズが大きいために従来の島には設置できず、空スペース、もしくは島の改築を行なうことで設置可能となる。台数換算すると通常の箱形筐体50台設置可能なスペースに30台程度しか設置できない。」(第116頁)
ウ 「【技術内容】
パチスロ機が4号機になり、演出面での多様化(主にドットや液晶を搭載した機種の台頭)によって、それまではメイン基板のみでプログラム(払い制御、内部抽選、リール制御など)を制御していたが、容量に限りがある主基盤のみでは、多彩な演出(音声やBGM、ランプや液晶演出等)を制御することが難しくなったために搭載されるようになった基板で、ゲームの中核となる内部抽選やリール制御には影響を与えないという意図で使用が認められている。
サブ基板には搭載個数や処理速度等の制限がないため、制御対象それぞれに専用基板を設け、複数搭載している機種も存在している。また、機種によってサブ基板の設置場所は異なり、本体ドア裏側やリール横に設置されている。
なお、メイン基板からサブ基板に対しては、信号を送信するのみで、受信することは禁じられ、片方向通信となる(別表第3(1)基板に関する規格内「イ」参照)。」(第142頁)

(4) 甲第4号証

甲第4号証には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機の枠部材に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、立てた姿勢での安定性を向上し得る遊技機の枠部材を提供することを目的とする。」
イ 「【0007】
請求項1に係る発明によれば、枠部材の下枠部を、金属製の第1部材および第2部材で構成すると共に、両部材の底面を同一平面に位置するように連結したので、枠部材を床に立てた姿勢で置いた場合の安定性を向上することができる。また、下枠部の重心を、該下枠部の前後方向の中央を挟んで枠構成部材の重心とは反対の端側に位置するよう構成したので、枠構成部材によって枠部材が傾倒するのを抑制することができ、枠部材を床に立てた姿勢で置いた場合の転倒を抑制し得る。」

(5) 甲第5号証

甲第5号証には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な事情に鑑みこれを改善する目的で開発されたものであり、その主たる目的はアルミニウム合金の成形性を活用して安定した外枠の成形を図ると同時に、この外枠に備える装飾板の取付けを改善し、木製外枠からは得られない装飾性の高い外枠を得ること、また、パチンコ機の保管乃至運搬時における単独状態においての自立性を高めて安定性に優れ、且つ取扱いが容易なパチンコ機の外枠を提供しようとするものである。」

第5 当審の判断

1 特許法第29条第2項について

本件発明が、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるか検討する。

(1) 対比

本件発明と甲1発明とを対比する。

ア 構成Aについて

甲1発明の「パチンコ球等の遊技球を使用してゲームを行うことが可能なスロットマシン1」は、本件発明の「遊技が可能な遊技機」に相当する。

したがって、甲1発明の構成a1は、本件発明の構成Aに相当する。

イ 構成Bについて

甲1発明の「基枠900」は、本件発明の「本体部」に相当する。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Bに相当する構成を有している。

ウ 構成Cについて

甲1発明の「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」は、「基枠900に、一側辺を中心に回動自在に枢支されており、」「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、本件発明の「前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部」に相当する。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Cに相当する構成を有している。

エ 構成D、Eについて

甲1発明の「板部材からなる本体板905」は、本件発明の「板状に形成されるベースユニット」に相当する。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成D、Eに相当する構成を有している。

オ 構成D、Fについて

甲1発明の「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」る「装飾パネルユニット904」は、本件発明の「前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニット」に相当する。

したがって、甲1発明の構成d1、f1、k1、m1は、本件発明の構成D、Fに相当する構成を有している。

カ 構成D、Gについて

甲1発明の「本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」る「カバー体906」は、本件発明の「前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニット」に相当する。

したがって、甲1発明の構成d1、g1、l1は、本件発明の構成D、Gに相当する構成を有している。

キ 構成D、Hについて

上記ウにて説示のとおり、甲1発明の「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」は、本件発明の「開閉扉部」に相当する。

また、甲1発明の「可変表示ユニット903」は、本件発明の「表示ユニット」に相当する。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「機構ユニット901」に「可変表示ユニット903が」「設置され」ることは、本件発明の構成D、Hと、「前記開閉扉部は、」「表示ユニット」「を有」する点で共通している。

ク 構成Iについて

甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、「本体板905から」「取外すことが出来、」「新規な」「装飾パネルユニット」に「交換」することができるものであるから、本体板905に対して交換可能に設けられているといえる。

したがって、甲1発明の構成i1、t1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905から」「取外すことが出来、」「新規な」「装飾パネルユニット」に「交換」することができることは、本件発明の構成Iと、「前記第1開閉ユニット」「は、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ」る点で共通している。

ケ 構成Jについて

甲1発明の「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」は、「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、基枠900に対して開放可能であるといえる。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」が「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いることは、本件発明の構成Jと、「前記開閉扉部は、」「前記本体部に対して開放可能であ」る点で共通している。

コ 構成Kについて

甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」るものであるから、本体板905の前面側に開放可能となっているといえる。

したがって、甲1発明の構成d1、f1、k1、m1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」ることは、本件発明の構成Kと、「前記第1開閉ユニットは、」「前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」る点で共通している。

サ 構成Lについて

甲1発明の「カバー体906」は、「本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」るものであるから、本体板905の前面側に開放可能となっているといえる。

したがって、甲1発明の構成d1、g1、l1における「カバー体906」が「本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」ることは、本件発明の構成Lと、「前記第2開閉ユニットは、」「前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」る点で共通している。

シ 構成Mについて

上記コにて説示のとおり、甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、本体板905の前面側に開放可能となっているといえる。

したがって、甲1発明の構成d1、f1、k1、m1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」ることは、本件発明の構成Mと、「前記第1開閉ユニットは、」「前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」る点で共通している。

ス 構成Nについて

甲1発明の「設置用開口部902」は、本件発明の「開口部」に相当する。

また、甲1発明は、「本体板905」に「設置用開口部902が形成され」、「可変表示ユニット903が」「設置用開口部902に」「設置され」、「装飾パネルユニット904が可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置され」るものであるから、甲1発明の「本体板905」は、装飾パネルユニット904が設けられる領域に設置用開口部902を有しているといえ、設置用開口部902に可変表示ユニット903が設けられているといえる。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「本体板905」に「設置用開口部902が形成され」、「可変表示ユニット903が」「設置用開口部902に」「設置され」、「装飾パネルユニット904が可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置され」ることは、本件発明の構成Nと、「前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部」「に前記表示ユニットが設けられ」る点で共通している。

セ 構成Oについて

甲1発明の「基枠900」は、「開口」を有し、「四角枠状に形成され」るものであるから、前面が開口する形状に形成されているといえる。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「基枠900」が「開口」を有し、「四角枠状に形成され」ることは、本件発明の構成Oと、「前記本体部は、前面が開口する」形状「に形成され」る点で共通している。

ソ 構成Qについて

甲1発明の「本体板905」は、「板部材からなる」ものであるから、板状に形成されているといえる。

また、甲1発明において、「本体板905から構成され」る「機構ユニット901は、」「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、甲1発明の「本体板905」は、基枠900の開口の少なくとも一部を塞いでいるといえる。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Qに相当する構成を有している。

タ 構成Sについて

甲1発明において、「本体板905から構成され」る「機構ユニット901は、」「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、甲1発明は、本体板905に装飾パネルユニット904及びカバー体906を取り付けていない状態でも、機構ユニット901を閉鎖することで本体板905及び可変表示ユニット903により基枠900の開口の少なくとも一部が塞がれているといえる。

したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Sに相当する構成を有している。

チ 構成Tについて

甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、「本体板905から」「取外すことが出来」るものである。

したがって、甲1発明の構成i1、t1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905から」「取外すことが出来」る「スロットマシン1」は、本件発明の構成Tと、「前記第1開閉ユニット」「は、前記ベースユニットから取外され」る「遊技機」である点で共通している。

以上のことから、本件発明と甲1発明とは、

[一致点]

「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 本体部と、
C 前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
続きを表示(全21行)
D 前記開閉扉部は、
E  板状に形成されるベースユニットと、
F  前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
G  前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
H’ 表示ユニットと、
を有し、
I’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
J’前記開閉扉部は、前記本体部に対して開放可能であり、
K’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
L’前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
M’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
N’前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部に前記表示ユニットが設けられ、
O’前記本体部は、前面が開口する形状に形成され、
Q 前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
S 前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
T’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外される
遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成D、H)

「前記開閉扉部」が「有」する「表示ユニット」に関して、

本件発明は、「液晶表示装置を有」しているのに対して、

甲1発明は、「可変表示装置であるベルト51L、51C、51Rを有し」ている点。

[相違点2](構成I)

本件発明は、「前記第2開閉ユニット」が「前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ」ているのに対して、

甲1発明は、そのような構成を有しているのか不明である点。

[相違点3](構成J)

「前記開閉扉部」に関して、

本件発明は、「前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であ」るのに対して、

甲1発明は、そのような構成を有しているのか不明である点。

[相違点4](構成K)

「前記第1開閉ユニット」に関して、

本件発明は、「前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」っているのに対して、

甲1発明は、「機構ユニット901」(開閉扉部)を「構成」する「本体板905」に、「施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、」「鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904」(第1開閉ユニット)「を開放することができ」る点。

[相違点5](構成L)

「前記第2開閉ユニット」に関して、

本件発明は、「前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」っているのに対して、

甲1発明は、「機構ユニット901」(開閉扉部)を「構成」する「本体板905」に、「施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、」「鍵穴918aに挿入した所定のキーを操作することで、カバー体906」(第2開閉ユニット)「を本体板905に対して施解錠出来るようになって」いる点。

[相違点6](構成M)

「前記第1開閉ユニット」に関して、

本件発明は、「規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」っているのに対して、

甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点7](構成N)

「該開口部」に「設けられ」る「前記表示ユニット」に関して、

本件発明は、「前記ベースユニットの後面側から開閉可能に設けられ」ているのに対して、

甲1発明は、「分離自在に設置され」ている点。

[相違点8](構成O)

「前面が開口する」形状「に形成され」る「前記本体部」に関して、

本件発明は、「箱状に形成され」ているのに対して、

甲1発明は、「四角枠状に形成され」ている点。

[相違点9](構成P)

本件発明は、「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され」ているのに対して、

甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点10](構成R)

本件発明は、「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され」ているのに対して、

甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点11](構成T)

「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニット」に関して、

本件発明は、「前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」のに対して、

甲1発明は、そのような構成を有しているのか不明である点。

(2) 判断

まず、相違点4-6について検討する。

ア 相違点4-5について(構成K、L)

相違点4-5は、関連するので、まとめて検討する。

甲1発明は、機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905に、施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、解錠により、機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905から、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)及びカバー体906(第2開閉ユニット)を開放することができるものであり、機構ユニット901(開閉扉部)を開放することなく、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)及びカバー体906(第2開閉ユニット)を開放することができるものであるから、甲1発明には、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)が機構ユニット901(開閉扉部)を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで本体板905の前面側に開放可能となる構成及びカバー体906(第2開閉ユニット)が機構ユニット901(開閉扉部)を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで本体板905の前面側に開放可能となる構成が記載されているとはいえない。

特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、「係止爪937a、937bは、本体板905を開放しても操作可能であることは、甲第1号証の図2からも明らかである。」、「この施錠装置918は、本体板905を開放しても操作可能であることは、甲第1号証の図1,図2および図5からも明らかである。」と主張しているが、「本体板905を開放しても操作可能であること」と本体板905を開放することで操作可能となることとは異なるから、甲1発明が本件発明の構成K、Lを備えているとの特許異議申立人の主張を採用することはできない。

また、甲第2-5号証には、第1開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成及び第2開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知技術でもない。

そして、本件発明は、上記相違点4-5に係る構成を備えることにより、遊技機前面側から挿入された鍵の操作により誤って第1開閉ユニットや第2開閉ユニットがベースユニットの前面側に開放してしまうことを防止できるという効果を奏するものである。

したがって、本件発明の上記相違点4-5に係る構成は、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。

イ 相違点6について(構成M)

甲1発明には、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)が規制手段により機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905に対して開放不能に規制され、規制手段を破壊することで本体板905の前面側に開放可能となる構成が記載されているとはいえない。

特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、甲1発明の「結束バンド927」は、本件発明の「規制手段」に相当すると主張しているが、甲1発明において、「結束バンド927の具体的な取付方法は、」「装飾パネルユニット904を開放し、可変表示ユニット903の連結部954と、本体板905の連結用リング部909とを連結するように、バンドに緩みが生じないように張設した状態で結束してから再び装飾パネルユニット904を閉塞するものであ」り、「結束バンド927」により装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)が機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905に対して開放不能に規制されるものでないことは明らかであるから、甲1発明が本件発明の構成Mを備えているとの特許異議申立人の主張を採用することはできない。

また、甲第2-5号証には、第1開閉ユニットが規制手段によりベースユニットに対して開放不能に規制され、規制手段を破壊することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知技術でもない。

そして、本件発明は、上記相違点6に係る構成を備えることにより、第1開閉ユニットが不正に開放されたことを特定できるという効果を奏するものである。

したがって、本件発明の上記相違点6に係る構成は、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。

以上のことから、上記相違点1-3,7-11について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 特許異議の申立ての理由について

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当審による令和3年3月24日付け取消理由通知は、上記第4 1-2にて説示のとおり、特許異議の申立ての理由と同じものであることから、特許異議の申立ての理由は、上記1において検討済みである。

3 令和3年7月7日付け意見書における特許異議申立人の主張について

特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、訂正後の本件発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2-5号証に記載された事項、周知技術及び技術常識に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。

しかしながら、上記1にて説示のとおり、甲1発明及び甲第2-5号証には、相違点4の第1開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成、相違点5の第2開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成、相違点6の第1開閉ユニットが規制手段によりベースユニットに対して開放不能に規制され、規制手段を破壊することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知技術でもないから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

第6 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議の申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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2020-700926

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