特許異議申立
2020-700513
仮設手すり
- 審判番号
- 2020-700513
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-109848
- 登録番号
- 特許第6634538号(P6634538)
- 請求日
- 2020年07月22日
- 審決日
- 2021年09月10日
- 公報発行日
- 2021年12月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】アロン化成株式会社
- 【権利者代理人】後藤 高志
- 【権利者代理人】山根 広昭
- 【異議申立人】日向 ヨシ子
- 審判長/審判官
- 審判長 森次 顕
- 審判官 住田 秀弘
- 審判官 田中 洋行
- 分類
- P1651.121-YAA(E04F) / P1651.113-YAA(E04F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6634538号発明「仮設手すり」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6634538号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-15〕について訂正することを認める。
特許第6634538号の請求項1ないし4、7ないし15に係る特許を維持する。
特許第6634538号の請求項5、6に係る特許についての特許異議申立てを却下する。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第6634538号(以下「本件特許」という。)の請求項1~15に係る特許についての出願は、令和1年6月12日に出願され、同年12月20日にその特許権の設定登録がされ、令和2年1月22日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和 2年 7月22日 :特許異議申立人 日向 ヨシ子(以下「
申立人」という。)による請求項1~15
に係る特許に対する特許異議の申立て
令和 2年10月23日付け:取消理由通知
令和 2年12月15日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提
出
令和 3年 3月19日差出:申立人による意見書の提出
令和 3年 3月31日付け:取消理由通知(決定の予告)
令和 3年 5月25日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提
出
なお、令和3年5月25日付けの訂正請求書が提出されたことにより、令和2年12月15日付けの訂正請求書は、特許法第120条の5第7項の規定より取り下げられたものとみなす。
また、特許権者提出の令和3年5月25日付け訂正請求書による訂正により、令和2年10月23日付け取消理由通知及び令和3年3月31日付け取消理由通知(決定の予告)で指摘した請求項に係る特許は、実質的に削除されることとなった。よって、当該訂正の内容が実質的な判断に影響を与えるものではないから、申立人に意見書を提出する機会を与えないこととする。
2 訂正請求について
(1)訂正の内容
令和3年5月25日に提出された訂正請求書による訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)の内容(以下「本件訂正」という。)は以下のとおりである。(下線は、訂正箇所を示す。)
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長い、」との記載を、
「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2としたときに、
1.4≦(L1/L2)≦1.9であり、
290mm≦L2≦310mmである、」との記載に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~4、7、8、11、13、および15も同様に訂正する。)。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲における請求項5を削除する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲における請求項6を削除する。
エ 訂正事項4
明細書の段落【0008】および【0037】の「290mm≧L2≧310mm」との記載を「290mm≦L2≦310mm」との記載に訂正する。
オ 訂正事項5
明細書の段落【0008】および【0036】の「1.4≧(L1/L2)≧1.9」との記載を「1.4≦(L1/L2)≦1.9」との記載に訂正する。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7、明細書の段落【0009】および【0038】の「0.7≧(L3/L4)≧0.9」との記載を「0.7≦(L3/L4)≦0.9」との記載に訂正する。(請求項7の記載を引用する請求項8、11、13、および15も同様に訂正する。)
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8、明細書の段落【0009】および【0039】の「1000mm≧L4≧1100mm」との記載を「1000mm≦L4≦1100mm」との記載に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項11、13、および15も同様に訂正する。)。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項9について、「請求項1から8までの何れか一項に記載された仮設手すり」とあるうち、請求項1を引用するものを独立形式に改め、
「長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、L6>L5である、仮設手すり。」
との記載に訂正する(請求項9の記載を引用する請求項11、13、および15も同様に訂正する。)。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項10について、「請求項1から9までの何れか一項に記載された仮設手すり」とあるうち、請求項1を引用するものを独立形式に改め、
「長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、2.5≧(L6/L5)≧1.1である、仮設手すり。」
との記載に訂正する(請求項10の記載を引用する請求項11、13、および15も同様に訂正する。)。
コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項11の「請求項1から10までの何れか一項に記載された仮設手すり」との記載を、「請求項1~4および7~10の何れか一項に記載された仮設手すり」との記載に訂正する。(請求項11の記載を引用する請求項13および15も同様に訂正する。)。
サ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項12について、「請求項1から11までの何れか一項に記載された仮設手すり」とあるうち、請求項1を引用するものを独立形式に改め、
「長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの長辺方向の長さをL3とし、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向の長さをL4とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、1.25≦(L6/L4)/(L5/L3)≦1.8である、仮設手すり。」
との記載に訂正する(請求項12の記載を引用する請求項13および15も同様に訂正する。)。
シ 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項13の「請求項1から12までの何れか一項に記載された仮設手すり」との記載を、「請求項1~4および7~12の何れか一項に記載された仮設手すり」との記載に訂正する(請求項13の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)。
ス 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項14について、「請求項1から13までの何れか一項に記載された仮設手すり」とあるうち、請求項1を引用するものを独立形式に改め、
「長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、2.90≦(L6/L2)/(L5/L1)≦3.57である、仮設手すり。」
との記載に訂正する(請求項14の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)。
セ 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項7について、「請求項1から6までの何れか一項に記載された仮設手すり」との記載を、「請求項1から4までの何れか一項に記載された仮設手すり」との記載に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8、11、13、および15も同様に訂正する。)。
ソ 訂正事項15
特許請求の範囲の請求項8について、「請求項6に記載された仮設手すり」との記載を、「請求項7に記載された仮設手すり」との記載に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項11、13、および15も同様に訂正する。)。
タ 訂正事項16
明細書の段落【0037】に記載された「440mm≧L2≧530mm」との記載を「440mm≦L2≦530mm」との記載に訂正する。
チ 訂正事項17
明細書の段落【0039】に記載された「800mm≧L3≧900mm」との記載を「800mm≦L3≦900mmである」との記載に訂正する。
ツ 訂正事項18
明細書の段落【0045】に記載された「100mm≧L5≧150mm」との記載を「100mm≦L5≦150mm」との記載に訂正する。
(2)訂正の適否の判断
ア 訂正事項1
(ア)訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された「第1ベースプレート」及び「第2ベースプレート」について、「第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2としたときに、1.4≦(L1/L2)≦1.9であり、290mm≦L2≦310mmである」ものに限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、上記(ア)のとおり、「第1ベースプレート」及び「第2ベースプレート」の構成を限定する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
願書に添付した明細書の【0008】には、「第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2としたときに、1.4≧(L1/L2)≧1.9であってもよい。」、「長さL2は、例えば、290mm≧L2≧310mmであってもよい。」と記載されている。また、上記「1.4≧(L1/L2)≧1.9」及び「290mm≧L2≧310mm」は、「(L1/L2)」及び「L2」の範囲となる上限値および下限値をみれば、「≧」は「≦」の誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものである。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項5を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
ウ 訂正事項3
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項6を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
エ 訂正事項4
(ア)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0008】及び【0037】に記載された「290mm≧L2≧310mm」について、その「L2」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項4は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項4は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
オ 訂正事項5
(ア)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0008】及び【0036】に記載された「1.4≧(L1/L2)≧1.9」について、その「(L1/L2)」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項5は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項5は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
カ 訂正事項6
(ア)訂正の目的
訂正前の特許請求の範囲の請求項7、明細書の段落【0009】及び【0038】の「0.7≧(L3/L4)≧0.9」との記載について、その「(L3/L4)」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項6は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項6は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
キ 訂正事項7
(ア)訂正の目的
訂正前の特許請求の範囲の請求項8、明細書の段落【0009】及び【0039】の「1000mm≧L4≧1100mm」との記載について、その「L4」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項7は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項7は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項7は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
ク 訂正事項8
(ア)訂正の目的
訂正事項8は、訂正前の請求項9が、請求項1~8の何れか1項の記載を引用するものであったところ、請求項1~8のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、特許請求の範囲の減縮、及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項8は、上記(ア)のとおり、請求項1~8のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
ケ 訂正事項9
(ア)訂正の目的
訂正事項9は、訂正前の請求項10が、請求項1~9の何れか1項の記載を引用するものであったところ、請求項1~9のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、特許請求の範囲の減縮、及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項9は、上記(ア)のとおり、請求項1~9のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
コ 訂正事項10
(ア)訂正の目的
訂正事項10は、訂正前の請求項11が、請求項1~10の何れか1項の記載を引用するものであったところ、上記訂正事項2及び3で特許請求の範囲の請求項5及び6を削除したことに伴って、引用する請求項から請求項5及び6を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項10は、上記(ア)のとおり、引用する請求項を削除する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
サ 訂正事項11
(ア)訂正の目的
訂正事項11は、訂正前の請求項12が、請求項1~11の何れか1項の記載を引用するものであったところ、請求項1~11のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、特許請求の範囲の減縮、及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項11は、上記(ア)のとおり、請求項1~11のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
シ 訂正事項12
(ア)訂正の目的
訂正事項12は、訂正前の請求項13が、請求項1~12の何れか1項の記載を引用するものであったところ、上記訂正事項2及び3で特許請求の範囲の請求項5及び6を削除したことに伴って、引用する請求項から請求項5及び6を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項12は、上記(ア)のとおり、引用する請求項を削除する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
ス 訂正事項13
(ア)訂正の目的
訂正事項13は、訂正前の請求項14が、請求項1~13の何れか1項の記載を引用するものであったところ、請求項1~13のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、特許請求の範囲の減縮、及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項13は、上記(ア)のとおり、請求項1~13のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改める訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
セ 訂正事項14
(ア)訂正の目的
訂正事項14は、訂正前の請求項7が、請求項1から6の何れか1項の記載を引用するものであったところ、上記訂正事項2及び3で特許請求の範囲の請求項5及び6を削除したことに伴って、引用する請求項から請求項5及び6を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無
訂正事項14は、上記(ア)のとおり、引用する請求項を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
ソ 訂正事項15
(ア)訂正の目的
訂正前の請求項8に、「1000mm≧L4≧1100mmである、請求項6に記載された仮設手すり」と記載されていたところ、請求項8以前で「L4」の定義は請求項7に記載されていたから、訂正前の請求項8が請求項6の記載を引用することは誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項15は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項15は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項15は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものである。
タ 訂正事項16
(ア)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0037】の「440mm≧L2≧530mm」との記載について、その「L2」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項6は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項16は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項16は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものである。
チ 訂正事項17
(ア)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0039】の「800mm≧L3≧900mm」との記載について、その「L3」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項17は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項17は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項17は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものである。
ツ 訂正事項18
(ア)訂正の目的
訂正前の明細書の段落【0045】の「100mm≧L5≧150mm」との記載について、その「L5」の範囲である上限値及び下限値をみれば、「≧」が「≦」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項18は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項18は、上記(ア)のとおり誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)新規事項の有無
訂正事項18は、上記(ア)のとおり、明らかな誤記を訂正したものであるから、明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものである。
テ 一群の請求項について
訂正前の請求項1~15について、請求項2~15は請求項1を直接的または間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~15に対応する訂正後の請求項1~15は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
ト 明細書又は図面の訂正と関係する請求項について
訂正事項4~7、16~18に係る明細書の訂正は、誤記の訂正を目的とするものであって、一群の請求項である請求項1~15の何れかに対応する訂正であるから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第4項に適合する。
(3)訂正請求のまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第120条の5第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~15〕について訂正することを認める。
3 訂正後の本件発明
上記2のとおり、本件訂正請求による訂正は認められたから、本件特許の請求項1ないし15に係る発明(以下「本件訂正発明1」等という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材とを備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2としたときに、
1.4≦(L1/L2)≦1.9であり、
290mm≦L2≦310mmである、仮設手すり。
【請求項2】
前記第1支柱部材の上部に取り付けられた前記手すり部材の第1端部は、前記第1支柱部材に対してヒンジを介して取り付けられている、請求項1に記載された仮設手すり。
【請求項3】
前記第2支柱部材の上部に取り付けられた前記手すり部材の第2端部は、前記第2支柱部材に対してヒンジを介して取り付けられている、請求項1または2に記載された仮設手すり。
【請求項4】
前記手すり部材は、長さ調整可能な機構を有する、請求項1から3までの何れか一項に記載された仮設手すり。
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記第1ベースプレートの長辺方向の長さをL3とし、前記第2ベースプレートの長辺方向の長さをL4としたときに、0.7≦(L3/L4)≦0.9である、請求項1から4までの何れか一項に記載された仮設手すり。
【請求項8】
1000mm≦L4≦1100mmである、請求項7に記載された仮設手すり。
【請求項9】
長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、
L6>L5である、仮設手すり。
【請求項10】
長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、
2.5≧(L6/L5)≧1.1である、仮設手すり。
【請求項11】
前記第2ベースプレートの長辺方向の長さをL4とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、
0.25≧(L6/L4)≧0.15である、請求項1~4および7~10の何れか一項に記載された仮設手すり。
【請求項12】
長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの長辺方向の長さをL3とし、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向の長さをL4とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、
1.25≦(L6/L4)/(L5/L3)≦1.8である、仮設手すり。
【請求項13】
前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、
0.9≧(L6/L2)≧0.6である、請求項1~4および7~12の何れか一項に記載された仮設手すり。
【請求項14】
長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、
前記第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、
前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、
前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材と
を備え、
前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、
前記第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、
前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、
前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2とし、
前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、
2.90≦(L6/L2)/(L5/L1)≦3.57である、仮設手すり。
【請求項15】
250mm≧L6≧150mmである、請求項9から14までの何れか一項に記載された仮設手すり。」
4 取消理由の概要
令和2年12月15日付け訂正請求により訂正された請求項1~4、7、8、11、13、15に係る特許に対して、当審が令和3年3月31日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。
請求項1~4、7、8、11、13、15に係る発明は、甲第1号証ないし甲第7号証、甲第10号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
甲第1号証:「福祉用具情報システム」、[online]、公益財団法人テク
ノエイド協会、[2020年6月17日検索]、
インターネット<URL
:http://www.techno-aids.or.jp/WelfareItemDetail.php?R
owNo=1&YouguCode1=00054&YouguCode2=000255>
甲第2号証:「Home Care 生活動作支援用具」、
2018年1月、株式会社モルテン 健康用品事業本部
甲第3号証:「クロスバー取り付けブラケット 取扱説明書」、
[online]、2017年1月、株式会社モルテン
健康用品事業本部、インターネット<URL
:http://www.molten.co.jp/health/
support/manual/files/sale/support/2/manual_crossbar-
bracket.pdf>
甲第4号証:特開2016-185242号公報
甲第5号証:特開2002-235416号公報
甲第6号証:特開2002-13270号公報
甲第7号証:特開2016-118016号公報
甲第10号証:特開2018-91068号公報
5 証拠の記載
(1)甲第1号証
甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は、異議の決定で付した。以下同様。)
ア 「公益財団法人テクノエイド協会」(上欄外)
イ 「福祉用具情報システム」(標題)
ウ 「福祉用具詳細」(標題の次行)
エ 「商品名 ルーツ(サイド・あがりかまちH2セット)
製品型番 MNTPLBRKH2BR03BE03TB2H
・・・(中略)・・・
発売年月 平成28年12月
・・・(中略)・・・
・ルーツサイドタイプ(1台)
セット内容 ・ルーツあがりかまちタイプH型両手すり(1台)
・クロスバー固定式1.2m(1本)
・クロスバー取り付けブラケット(2台)
概要 床置き型手すり『ルーツサイドタイプ』と『ルーツあがりか
まちタイプ』をクロスバーで連結した手すりセット。
および特徴 クロスバーは6サイズあります。」(「介護保険:福祉用具貸与(手すり)」の欄)
オ 「メーカー名 株式会社モルテン」(「問い合わせ先」の欄)
カ 右上の写真は以下のとおり。
(2)甲第2号証
ア 甲第2号証の記載事項
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
(ア)「『立つ・座る』『姿勢を保つ』
『歩く』『段差を昇る・降りる』
生活動作支援用具は
日常のさまざまな生活動作をサポートする福祉用具です。
CONTENTS
住環境アセスメント P.04
バディー(垂直型手すり) P.06
ルーツ(床置き型手すり) P.08
ルーツアウトドア(床置き型手すり) P.10
・・・(中略)・・・
製品仕様 P.17」(3頁)
(イ)「垂直型手すり
バディー」(6頁標題)
(ウ)「廊下など長い距離の歩行をサポート
クロスバー
複数本をつなぐことで長い距離での歩行も可能になります。クロスバーは何本つないでも、段差のない連結(高さが同一)ができます。
ルーツにつなげる場合は、クロスバー取り付けブラケットを使用してください。」(7頁右下欄)
(エ)7頁右下欄の写真は以下のとおり。
(オ)「床置き型手すり
ルーツ」(8頁標題)
(カ)「サポートが必要な生活動作や場面に合わせて選べるルーツシリーズ(6タイプ)
ベッドや布団での離床、立つ・座る、立ったままの姿勢保持など、さまざまな生活動作をサポート
サイドタイプ/センタータイプ」(8頁下欄)
(キ)8頁下欄の写真は以下のとおり。
(ク)「置くだけで生活動作を広げる床置き型手すり」(9頁1行)
(ケ)「玄関での立つ・座る、段差を昇る・降りるの動作をサポート
あがりかまちタイプ」(9頁左下欄)
(コ)9頁左下欄の「■両手すり仕様」の写真は以下のとおり。
同じく「■片手すり仕様」の写真は以下のとおり。
(サ)「バディー 製品仕様」(17頁標題)
(シ)17頁左下の「●クロスバー取り付けブラケット」と題する表は、以下のとおり。
該表には、「品番」が「MNTCM03TB」と記載されている。
(ス)「ルーツ製品仕様」(18頁標題)
(セ)18頁上側の「●ルーツ」と題する表は以下のとおり。
a 1段目の表中において、2列目に、
「タイプ」が「サイドタイプ」、
「形状」として、以下の写真、
「品番」が「MNTPLBR」、
「ベースプレート」の「サイズ」が「幅50×長さ105cm」、
と記載されている。
b 2段目の表中において、
「タイプ」が「あがりかまちタイプ」、
「形状」として、以下の写真、
「仕様」には、「両手すり」と「片手すり」、
「ベースプレート」の「サイズ」が「幅70×長さ60cm」、
と記載されている。
(ソ)サイドタイプについて、以下の事項が看取できる。
上記(カ)、(キ)、(ス)、(セ)の記載及び写真をみると、略矩形のベースプレートには、長辺方向の一方端部から少し離れた位置であって、かつ、短辺方向の両端部から少し離れた位置に、それぞれ支柱が立設され、両支柱の上端にそれらを繋ぐ手すり部が設けられていることが看取でき、また、該手すり部の位置からみて、ベースプレートの長辺方向の中央部に通路が設定されていることは自明である。
(タ)あがりかまちタイプについて、以下の事項が看取できる。
「片手すり仕様」に着目して、上記(ケ)、(コ)、(セ)の記載及び写真をみると、略矩形のベースプレートには、長辺方向の一方端部から少し離れた位置であって、かつ、短辺方向の両端部から少し離れた位置に、それぞれ支柱が立設され、両支柱の上端にそれらを繋ぐ手すり部が設けられていることが看取でき、また、該手すり部の位置からみて、ベースプレートの長辺方向の中央部に通路が設定されていることは自明である。
同じく、あがりかまちタイプは、あがりかまちの手前に設置されていることが看取できる。
(チ)クロスバーについて、以下の事項が看取できる。
上記(ウ)、(エ)、(シ)の記載及び写真をみると、床置き型手すりの支柱の上部と他の部材とをクロスバーで接続し、該接続部には、クロスバー取り付け部材が設けられていることが看取できる。
(ツ)裏表紙の右下欄には、「開発・製造元 株式会社モルテン」と、最下行には、「2018.01」と記載されている。
イ 甲第2号証に記載の発明
(ア)あがりかまちタイプに関し、上記アの(ク)、(ケ)、(コ)、(セ)、(タ)からみて、甲第2号証には、以下の発明(以下「甲2第1発明」という。)が記載されているものと認める。
「長辺方向の中央部に通路部が設定された、幅70cm、長さ60cmの略矩形のベースプレートと、
ベースプレートの長辺方向の一方端部から少し離れた位置であって、かつ、短辺方向の両端部から少し離れた位置に、それぞれ支柱が立設され、両支柱の上端にそれらを繋ぐ手すり部が設けられ、
あがりかまちの手前に設置され、
置くだけで生活動作を広げる、
片手すり仕様のあがりかまちタイプの床置き型手すり。」
(イ)サイドタイプに関し、上記アの(カ)、(キ)、(ク)、(ス)、(セ)、(ソ)からみて、甲第2号証には、以下の発明(以下「甲2第2発明」という。)が記載されているものと認める。
「長辺方向の中央部に通路部が設定された、幅50cm、長さ105cmの略矩形のベースプレートと、
ベースプレートの長辺方向の一方端部から少し離れた位置であって、かつ、短辺方向の両端部から少し離れた位置に、それぞれ支柱が立設され、両支柱の上端にそれらを繋ぐ手すり部が設けられている、
置くだけで生活動作を広げる、
サイドタイプの床置き型手すり。」
(ウ)クロスバー及びクロスバー取り付けブラケットに関し、上記アの(ウ)、(エ)、(シ)、(チ)からみて、甲第2号証には、以下の発明(以下「甲2第3発明」という。)が記載されているものと認める。
「床置き型手すりの支柱の上部と他の部材とをクロスバーで接続し、該接続部には、クロスバー取り付けブラケットが設けられる接続構造。」
(3)甲第3号証
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「クロスバー取り付けブラケット
取扱説明書」(表紙の標題)
イ 表紙の写真は以下のとおり。
ウ 「○1 本製品は、バディーIやルーツをクロスバーで連結するための製品です。(当審注:「○数字」は、丸囲み数字を意味する。以下同様。)
・・・(中略)・・・
○14 ルーツ同士を連結する場合には、クロスバーの跳ね上げ式を使用しないでください。」(1頁「注意事項」の欄)
エ 3頁の「ルーツ同士の組み合わせ」の欄には、以下の図がある。
オ 5頁の「ルーツに使用する場合」の欄には、以下の図がある。
カ 6頁「設置例」の欄の左から3番目の写真は以下のとおりである。
該写真をみると、玄関のあがりかまちを挟んで、玄関床上に設置されたルーツロングタイプと、廊下床上に設置されたバディーI間に、クロスバーが斜めに連結されていることが看取できる。
キ 「クロスバー取り付けブラケット
品番 MNTCM03TB」(7頁左下の「仕様」の欄)
ク 「開発・製造元 株式会社モルテン
健康用品事業本部」(7頁右下の「開発・製造元」の欄)
ケ 「2017.01」(7頁下欄外)
(4)甲第4号証
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0006】
例えば、本願の図11は、玄関の上がり框部に設けたダブルタイプの自立式手すり10、11を示している。一方の自立式手すり10は上がり框用であり、他方の自立式手すり11は平置き用である。
玄関は、要介護者等(および介護者等)が通院等で出入りする際、最も注意を払う部位であるが、従来の連結用手すり補助具(横移動用手すり2)は、如何様にしても、自立式手すり10、11の手すり部を連続的に形成するように連結することはできず、よって、要介護者等の安全性が損なわれ、また介護者等に重労働を強いていた。」
イ 「【0008】
本発明は、上述した背景技術の問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、段差などの高低差がある場所であっても、間隔をあけて設置された2つの自立式手すりを、手すり部が連続的に形成できるように連結できる、自在性(柔軟性)、作業性、汎用性、および経済性に優れた連結用手すり補助具および同補助具を用いた自立式手すりの連結構造を提供することにある。」
ウ 「【0017】
図1は、前記連結用手すり補助具1を用いて連結した自立式手すり10、11の連結構造を示している。
前記連結用手すり補助具1は、図2、図3にも示したように、間隔をあけて設置された自立式手すり同士10、11の間を連絡する伸縮可能な手すり部2と、前記手すり部2を、前記自立式手すり10、11を構成する支柱10a、11aに対し上下方向および水平方向に回動可能に保持する保持機構3とからなり、当該支柱10a、11a間に連結される構成である。
ちなみに、図示例にかかる連結用手すり補助具1は、段差などの高低差がある部位、具体的には上がり框部に設置した上がり框用の自立式手すり10と、平置き用の自立式手すり11とを連結する態様で実施している。図中の符号12はベース板であり、符号13は補助台(ステップ台)である。
【0018】
要するに、本発明にかかる連結用手すり補助具1は、前記手すり部2が伸縮可能な構成を備え、かつ手すり部2を上下方向に回動可能で、水平方向にも回動可能な機構を備えていることを大きな特徴としている。以下、この点について具体的に説明する。
【0019】
(手すり部2が伸縮可能な構成であることの説明)
前記手すり部2は、太管2aと、この太管2a内の中心軸方向に摺動可能な細管2bとを嵌め合わせて伸縮可能な構成としている。具体的には、太管2a(φ32mm)の両端部内へそれぞれ嵌め合わせた2本(例えば一対)の細管(φ28mm)2b、2bが伸縮する構成で実施している。もちろん、1本の太管2aに対して1本の細管2bを伸縮可能な構成で実施することもできる(図示略)。
【0020】
ここでいう伸縮可能な構成とは、図2(B)、(C)に例示したように、太管2aに対して細管2b、2bを摺動させて任意の位置で簡易に位置決め固定できる構成(クイックロック機構)をいう。
このクイックロック機構には種々のバリエーションがあるが、本実施例では、一例として、図4に示したように、所謂フレアレス管継手(くい込み継手)の要領で実施している。すなわち、太管2aの端部のねじ山にねじ込まれる締付ナット4に、各々の端部が各先端へ向かって漸次縮径する縮径部を備えたスリーブ5が内接しており、太管2aのねじ山に徐々に該締付ナット4をねじ込むことで、細管2bが挿通したスリーブ5の両端部が圧迫され、これにより該スリーブ5がすぼまって細管2bを徐々に挟圧して固定する構成で実施している。
なお、前記スリーブ5は、すぼまり易くするために円周の一部をカットした有端リングが好適に用いられる。また、前記太管2aと細管2bの径(φ)は前記寸法に限定されず、適宜設計変更可能である。
【0021】
ちなみに本実施例にかかる太管2a、細管2bは、一例として、薄肉鋼管の外周面に接着剤を塗布しその上にAAS樹脂等を薄く均一な層状に被覆した、安全で手触りのよい樹脂被覆接着鋼管が好適に用いられる。後述する縦棒32についても同様の技術的思想とする。」
エ 【図1】、【図2】、【図11】は以下のとおり。
【図1】
【図2】
【図11】
(5)甲第5号証
甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0011】本発明は、図1の(イ)、(ロ)に示すように、躓くことのないように薄いステンレス板製の金属板台1の上面にステンレスパイプ製の支柱2を直立させ、その基部2bを溶接固着し、その支柱2の天端2aに約直径5cm程度の握りやすい太さの手摺杆3を装着してユニットを作る。本発明ではそのユニットを複数個使用する。
【0012】そして、図2に示すように、そのユニットは、両端又は一端を管状に形成した管状接続部4を有する手摺杆3を装着したユニットAと、金属板台1の上面に支柱2を立設するとともにその支柱2の天端2aに両端又は一端を前記管状接続部4内にスライド抜き差し自在に嵌挿する軸状接続部5を有する手摺杆3を装着したユニットBとの組み合わせで構成し、両ユニットA、B同士の前記接続部4、5による接続及び分離ができるようにする。
【0013】両ユニットA、B同士は、図2に示すように、2ユニットを接続しり、また図7の(イ)(ロ)及び図9に示すように、3ユニットを接続したり、さらに使用する場所に応じて数多くを接続することができる。また、同図9に示すように、ユニットAとユニットBとは、管状接続部4と軸状接続部5と各個別に有する態様と両方有する態様が可能である。一つのユニットに管状接続部4と軸状接続部5の両方を有する態様においては、複数の全く同じ形状のものだけを使用することもできる。」
イ 【図1】及び【図2】は以下のとおり。
【図1】
【図2】
(6)甲第6号証
甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0015】さらに、図3に示すように、手摺杆4を鞘管に形成してその一方端側又は両端側に長さ調節杆7を出没・固定可能に挿通し、手摺杆4全体の長さを調節できるようにする(図3の(イ)が手摺杆を伸ばした状態を、(ロ)が手摺杆を縮めた状態を示す)。また前記支柱2、3を金属パイプで鞘管に形成して手摺杆4と一体に垂設した伸縮杆8を出没・固定可能に挿通し、支柱2、3の高さ調節可能とすることもできる(図3の(イ)が支柱を伸ばした状態を、(ロ)が支柱を縮めた状態を示す)。そしてそれらの調節固定については、金属パイプ側面に螺着した調節固定ネジ9を緩めて高さ、長さを調節し、締めて位置固定する方法を用いると製作も簡単である。」
イ 【図3】は以下のとおり。
【図3】
(7)甲第7号証
甲第7号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0006】
特開2010-220851号公報に提案される構造は、玄関ポーチなど段差がある場所での設置は難しい。特開2013-92034号公報に提案される構造は、支柱上端を天井に当接させているが、屋外のように天井がないような場所、高い吹き抜けがある場所では、設置できない場合がある。また、玄関ポーチの段差や玄関への道筋は、住宅個々に違っている。このため、段差や道筋が異なる場合でも設置が可能な汎用性がある構造が望ましい。また、使用者個々に体格差があるため、使用者個々に合わせて手すりの高さや角度が変更できることが望ましい。」
イ 「【0018】
<仮設手すり100>
図1は、ここで提案される仮設手すり100を示す図である。仮設手すり100は、図1に示すように、第1ベースプレート101と、第2ベースプレート102と、第1支柱111と、第2支柱112と、第3支柱113と、第4支柱114と、第5支柱115と、第6支柱116と、第1ヒンジ121と、第2ヒンジ122と、第3ヒンジ123と、第4ヒンジ124と、第5ヒンジ125と、第6ヒンジ126と、第1手すり131と、第2手すり132と、第3手すり133と、第4手すり134とを備えている。図1において、仮設手すり100は、玄関アプローチのような小さい段差がある場所に設置された状態を示している。ここでは、段差の下側に第1ベースプレート101が設置され、段差の上側に第2ベースプレート102が配置されている。また、ここでは、第1ベースプレート101が設置される側を前(F)とし、第2ベースプレート102が設置される側を後(Re)としている。
【0019】
この実施形態では、図1に示すように、第1ベースプレート101の上面左部には、後側に第1支柱111が設置され、前側に第3支柱113が設置されている。第1支柱111の上端には、第1ヒンジ121を介して第1手すり取付部191が取り付けられている。また、第1支柱111の上端には、第3ヒンジ123を介して第3手すり取付部193が取り付けられている。第3支柱113の上端には、第1保持部材201が取り付けられている。第3手すり取付部193と第1保持部材201とには、第2手すり132が架け渡されている。
【0020】
第1ベースプレート101の上面右部には、後側に第4支柱114が設置され、前側に第6支柱116が設置されている。第4支柱114の上端には、第4ヒンジ124を介して第4手すり取付部194が取り付けられている。また、第4支柱114の上端には、第6ヒンジ126を介して第6手すり取付部196が取り付けられている。第6支柱116の上端には、第2保持部材202が取り付けられている。第6手すり取付部196と第2保持部材202とには、第4手すり134が架け渡されている。
【0021】
第2ベースプレート102の上面左部に第2支柱112が設置されており、上面右部に第5支柱115が設置されている。第2支柱112の上端には、第2ヒンジ122を介して第2手すり取付部192が取り付けられている。第5支柱115の上端には、第5ヒンジ125を介して第5手すり取付部195が取り付けられている。そして、第2ベースプレート102は、第2支柱112と第5支柱115が、第1ベースプレート101の第1支柱111と第4支柱114に対向するように、第1ベースプレート101の後方に離して配置されている。
【0022】
そして、第1ベースプレート101と第2ベースプレート102との間では、第1手すり131と、第3手すり133とが、架け渡されている。この実施形態では、第1手すり131は、第1ヒンジ121と第2ヒンジ122とを介在させて、第1手すり取付部191と第2手すり取付部192とに装着されている。第3手すり133は、第4ヒンジ124と第5ヒンジ125とを介在させて、第3手すり取付部193と第5手すり取付部195とに装着されている。」
ウ 【図1】は以下のとおり。
【図1】
(8)甲第10号証
甲第10号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0009】
しかし、階段部分に穴を開けずに、手摺を設置したいというニーズが存在する。・・・
【0010】
そこで、本発明は、できる限り階段に加工を施すことなく、手摺を設置することが可能な手摺用台及び手摺の設置方法を提供することを目的とする。」
イ 「【0012】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。本発明は、階段に手摺を接地するための手摺用台であって、手摺を差し込むための本体部と、本体部の背面に設けられ、階段の踏み板の下側から当接させる固定部とを備え、固定部は、本体部に固定されていることを特徴とする。」
ウ 【図9】は以下のとおり。
【図9】
6 取消理由(決定の予告)についての当審の判断
(1)本件訂正発明1について
ア 対比
本件訂正発明1と甲第2号証に記載された発明(甲2第1発明及び甲2第2発明)とを対比する。
(ア)甲2第1発明に関して
a 甲2第1発明の「片手すり仕様のあがりかまちタイプの床置き型手すり」は、「置くだけで生活活動を広げる」ものであって、「床置き型」であるから、「仮設」のものであると解することができる。
よって、甲2第1発明の「片手すり仕様のあがりかまちタイプの床置き型手すり」は、本件訂正発明1の「仮設手すり」に相当する。
b 甲2第1発明のベースプレートを、第1と順番を付ければ、甲2第1発明の「長辺方向の中央部に通路部が設定された、」「略矩形のベースプレート」は、本件訂正発明1の「長辺方向の中央部に通路部が設定された、略矩形の第1ベースプレート」に相当する。
c 甲2第1発明の「ベースプレートの長辺方向の一方端部から少し離れた位置であって、かつ、短辺方向の両端部から少し離れた位置に」「立設され」た「支柱」は、本件訂正発明1の「前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材」に相当する。
d したがって、甲2第1発明は、本件訂正発明1の「長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第1ベースプレートと、前記第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第1ベースプレートに取り付けられた第1支柱部材と、を備える仮設手すり。」を備えている。
(イ)甲2第2発明に関して
a 甲2第2発明の「サイドタイプの床置き型手すり」は、「置くだけで生活活動を広げる」ものであって、「床置き型」であるから、「仮設」のものであると解することができる。
よって、甲2第2発明の「サイドタイプの床置き型手すり」は、本件訂正発明1の「仮設手すり」に相当する。
b 甲2第2発明のベースプレートを、第2と順番を付ければ、甲2第2発明の「長辺方向の中央部に通路部が設定された、」「略矩形のベースプレート」は、本件訂正発明1の「長辺方向の中央部に通路部が設定された、略矩形の第2ベースプレート」に相当する。
c 甲2第2発明の「ベースプレートの長辺方向の一方端部から少し離れた位置であって、かつ、短辺方向の両端部から少し離れた位置に」「立設され」た「支柱」は、本件訂正発明1の「前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材」に相当する。
d したがって、甲2第2発明は、本件訂正発明1の「長辺方向の中央部に通路が設定された、略矩形の第2ベースプレートと、前記第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて、前記第2ベースプレートに取り付けられた第2支柱部材と、を備える仮設手すり。」を備えている。
(ウ)甲2第1発明及び甲2第2発明は、それぞれ仮設手すりであるものの、単独の手すりの発明であるから、両発明を合わせたことによる構成、両仮設手すりを繋ぐように架け渡された手すり部材、及び両仮設手すりのベースプレートの長辺方向及び短辺方向の長短の比較を特定した構成が、本件訂正発明1と甲2第1発明及び甲2第2発明との相違点となり、具体的には、本件訂正発明1の「前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材とを備え」る構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えておらず(以下「相違点1」という。)、また、同じく本件訂正発明1の「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、第1プレートの短辺方向の長さをL1とし、第2プレートの短辺方向の長さをL2としたときに、1.4≦(L1/L2)≦1.9であり、290mm≦L2≦310mmである」構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えていない(以下「相違点2」という。)点、で相違し、その余の点で一致している。
イ 判断
まず、上記相違点2について検討する。
(ア)上記相違点2に係る構成は、申立人が提示するその他の文献にも記載されておらず、また、本件特許の出願前に周知の技術であったとも認められない。そして、本件訂正発明1は当該構成を備えることにより、本件特許明細書の段落【0006】及び【0008】に記載されているように、第2ベースプレートの安定感は増し、仮設手すり全体として安定感が得られ、かつ、第2ベースプレートは第1ベースプレートに比べて短辺方向にコンパクトになって、第2ベースプレートが置かれる場所の自由度が高くなり、特に、一般的な玄関アプローチなどの階段の踏面に設置しやすくなる、との効果を奏するものである。
(イ)仮に、上記相違点1に関し、甲2第1発明の「片手すり仕様のあがりかまちタイプの床置き型手すり」と甲2第2発明の「サイドタイプの床置き型手すり」を選択し、クロスバーで連結して設置することが、当業者であれば適宜選択し得たことであれば、甲2第1発明の「第1ベースプレート」及び甲2第2発明の「第2ベースプレート」が、それぞれ「幅70cm、長さ60cm」及び「幅50cm、長さ105cm」であるから、上記設置したことによって、上記相違点2に係る構成のうちの一部の構成、つまり「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く」なる構成を満たすこととなる。
しかしながら、当該一部の構成は、第1及び第2ベースプレートの短辺方向及び長辺方向について、そのどちらが長いのか短いのかを特定したものに過ぎないのに対して、本件訂正発明1は、それらの長さの比や、第2ベースプレートの短辺方向の長さ(L2)の範囲を特定することで、上記(ア)で挙げた効果を奏するものである。
したがって、甲2第1発明及び甲2第2発明、及びその他の提示された証拠に記載の事項に基いて、上記相違点2に係る本件訂正発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
(ウ)申立人は、令和3年3月19日差出の意見書(以下、単に「意見書」という。)において、あがりかまちタイプの手すりを、複数の段差のある階段等に使用することは周知であり(甲第4号証、甲第7号証)、手すりの支持台を階段の踏面に置くことも周知であるから(甲第8号証~甲第11号証)、甲2第2発明のサイドタイプの床置き型手すりを、階段の踏面に設置することは、当業者が容易に想到できることにすぎない旨(7頁下から5行~8頁25行)、及び甲第12号証ないし甲第14号証の記載によれば、階段の踏面は300mm~330mmであり、甲2第2発明の床置き型手すりのベースプレートの短辺方向の長さを踏面より少し短い290mm~310mmにすることは、単なる設計事項に過ぎない旨(8頁26~30行)、主張している。
しかしながら、甲第4号証及び甲第7号証には、あがりかまちに手すりを設けることが記載されているものの、手すりのベースプレートはあがりかまちの段差の手前の床、及び段差を上がりきった床に設けられており、階段の踏面に設置することは記載されておらず、また甲第8号証~甲第11号証にも、手すりのベースプレートを階段の踏面に設置することは記載されていない。
したがって、甲第4号証、甲第7号証、甲第8号証~甲第11号証をみても、甲2第2発明のサイドタイプの床置き型手すりを階段の踏面に設置する動機付けが存在せず、かつ上記(ア)で挙げた作用効果も、上記証拠から当業者が容易に思いつくものでもない。
よって、申立人の主張は採用できない。
(エ)以上のとおりであるから、上記相違点1について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件訂正発明2~4、7、8について
本件訂正発明2~4、7、8は、本件訂正発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件訂正発明9について
ア 対比
本件訂正発明9と甲第2号証に記載された発明(甲2第1発明及び甲2第2発明)とを対比する。
上記(1)アで検討した本件訂正発明1と甲第2号証に記載された発明との対比は、本件訂正発明9と甲第2号証に記載された発明の対比についても、同様のことがいえる。
よって、本件訂正発明9と甲第2号証に記載された発明とは、
本件訂正発明9の「前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材とを備え」る構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えておらず、(以下「相違点3」という。)、また、同じく本件訂正発明9の「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、L6>L5である」との構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えていない(以下「相違点4」という。)点、で相違し、その余の点で一致している。
イ 判断
まず、上記相違点4について検討する。
(ア)上記相違点4に係る構成は、申立人が提示するその他の文献にも記載されておらず、また、本件特許の出願前に周知の技術であったとも認められない。そして、本件訂正発明9が当該構成を備えることにより、本件特許明細書の段落【0010】に記載されているように、第2ベースプレートは、第2支柱部材が外側に押されても、第2支柱部材が取り付けられた側とは反対側の縁が浮き上がりにくい、との効果を奏するものである。
(イ)申立人は、意見書において、甲第2号証のベースプレートの長さを計測し、L6は15cmと、L5は8cmと推定される旨(11頁2行~12頁下から2行)、ベースプレートの支柱部材が取り付けられた位置から外縁までの長さであるL6が長ければ、支柱部材が外側に押されても反対側の縁部が浮き上がりにくいのは自明である旨(13頁末行~14頁2行)等、主張している。
しかしながら、甲第2号証の写真のベースプレートの辺の長さを計測したものが、上記のとおりの長さであるとはいえないし、また、単にL6の長さを論ずるのではなく、「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く」したものにおいて、L6とL5の大小関係を特定することにより、本件特許明細書に記載された効果を奏するものと認められる。
よって、申立人の主張は採用できない。
(ウ)以上のとおりであるから、上記相違点3について検討するまでもなく、本件訂正発明9は、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)本件訂正発明10について
本件訂正発明10は、実質的に、本件訂正発明9の発明特定事項である「L6>L5」を、さらに「2.5≧(L6/L5)≧1.1」と限定する発明である。
したがって、上記(3)で検討した理由と同じ理由により、本件訂正発明10は、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)本件訂正発明11について
本件訂正発明11は、本件訂正発明1、本件訂正発明9又は本件訂正発明10の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)、(3)又は(4)で検討した理由と同じ理由により、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(6)本件訂正発明12について
ア 対比
本件訂正発明12と甲第2号証に記載された発明(甲2第1発明及び甲2第2発明)とを対比する。
上記(1)アで検討した本件訂正発明1と甲第2号証に記載された発明との対比は、本件訂正発明12と甲第2号証に記載された発明の対比についても、同様のことがいえる。
よって、本件訂正発明12と甲第2号証に記載された発明とは、
本件訂正発明12の「前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材とを備え」る構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えておらず(以下「相違点5」という。)、また、同じく本件訂正発明12の「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、前記第1ベースプレートの長辺方向の長さをL3とし、前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、前記第2ベースプレートの長辺方向の長さをL4とし、前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、1.25≦(L6/L4)/(L5/L3)≦1.8である」との構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えていない(以下「相違点6」という。)点、で相違し、その余の点で一致している。
イ 判断
まず、上記相違点6について検討する。
(ア)上記相違点6に係る構成は、申立人が提示するその他の文献にも記載されておらず、また、本件特許の出願前に周知の技術であったとも認められない。そして、本件訂正発明12が当該構成を備えることにより、本件特許明細書の段落【0012】に記載されているように、第2ベースプレートは、第2ベースプレートに比べて第2支柱部材を外側に倒そうとする力に対して抗力が得られやすく、仮設手すりの安定感が得られやすい、との効果を奏するものである。
(イ)申立人は、意見書において、短辺方向に長く長辺方向に短い第1ベースプレートは、短辺方向に短く長辺方向に長い第2ベースプレートと比較して、安定感が得られやすいことは自明であることを前提として、第2ベースプレートの安定感を得るために、比(L6/L4)を比(L5/L3)より所定倍大きくしようとするものであり、数値限定に臨界的意義がないことは明らかである旨(16頁7~11行)、主張している。
しかしながら、甲第2号証には、ベースプレートの安定感を向上させる課題は記載されておらず、第2ベースプレートの安定感を得るために、申立人が主張するように、比(L6/L4)を比(L5/L3)より所定倍大きくしようとする動機付けが存在しないし、申立人が提示した証拠にも、該課題や動機付け、該比を所定倍大きくしようとすることは記載されていない。
よって、申立人の主張は採用できない。
(ウ)以上のとおりであるから、上記相違点5について検討するまでもなく、本件訂正発明12は、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(7)本件訂正発明13について
本件訂正発明13は、本件訂正発明1、本件訂正発明9、本件訂正発明10又は本件訂正発明12の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)、(3)、(4)又は(6)で検討した理由と同じ理由により、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(8)本件訂正発明14について
ア 対比
本件訂正発明14と甲第2号証に記載された発明(甲2第1発明及び甲2第2発明)とを対比する。
上記(1)アで検討した本件訂正発明1と甲第2号証に記載された発明との対比は、本件訂正発明14と甲第2号証に記載された発明の対比についても、同様のことがいえる。
よって、本件訂正発明14と甲第2号証に記載された発明とは、
本件訂正発明14の「前記第1支柱部材の上部と前記第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材とを備え」る構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えておらず(以下「相違点7」という。)、また、同じく本件訂正発明14の「前記第2ベースプレートの短辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの短辺方向の幅よりも短く、かつ、前記第2ベースプレートの長辺方向の幅は、前記第1ベースプレートの長辺方向の幅よりも長く、前記第1ベースプレートの短辺方向の長さをL1とし、前記第1ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第1支柱部材が取り付けられた位置から前記第1ベースプレートの外縁までの最短の長さをL5とし、前記第2ベースプレートの短辺方向の長さをL2とし、前記第2ベースプレートの長辺方向に沿った、前記第2支柱部材が取り付けられた位置から前記第2ベースプレートの外縁までの最短の長さをL6としたときに、2.90≦(L6/L2)/(L5/L1)≦3.57である」との構成を、甲2第1発明及び甲2第2発明は備えていない(以下「相違点8」という。)点、で相違し、その余の点で一致している。
イ 判断
まず、上記相違点8について検討する。
(ア)上記相違点8に係る構成は、申立人が提示するその他の文献にも記載されておらず、また、本件特許の出願前に周知の技術であったとも認められない。そして、本件訂正発明14が当該構成を備えることにより、本件特許明細書の段落【0012】に記載されているように、第2ベースプレートは、短辺方向においてコンパクトであるが、第2支柱部材を外側に倒そうとする力に対して抗力が得られやすく、第2ベースプレートに所要の安定感が得られやすく、かつ、仮設手すりの汎用性が高くなる、との効果を奏するものである。
(イ)申立人は、意見書において、短辺方向に長く長辺方向に短い第1ベースプレートは、短辺方向に短く長辺方向に長い第2ベースプレートと比較して、安定感が得られやすいことは自明であることを前提として、第2ベースプレートの安定感を得るために、比(L6/L4)を比(L5/L3)より所定倍大きくしようとするものであり、数値限定に臨界的意義がないことは明らかである旨(17頁下から9~5行)、主張している。
しかしながら、甲第2号証には、ベースプレートの安定感を向上させる課題は記載されておらず、第2ベースプレートの安定感を得るために、申立人が主張するように、比(L6/L4)を比(L5/L3)より所定倍大きくしようとする動機付けが存在しないし、申立人が提示した証拠にも、該課題や動機付け、該比を所定倍大きくしようとすることは記載されていない。
よって、申立人の主張は採用できない。
(ウ)以上のとおりであるから、上記相違点7について検討するまでもなく、本件訂正発明14は、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(9)本件訂正発明15について
本件訂正発明15は、本件訂正発明1、本件訂正発明9、本件訂正発明10、本件訂正発明12又は本件訂正発明14の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)、(3)、(4)、(6)又は(8)で検討した理由と同じ理由により、甲第1号証~甲第7号証、甲第10号証に記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(10)取消理由(決定の予告)において採用しなかった理由について
申立人は、特許異議申立書において、請求項1ないし請求項3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、請求項4ないし15に係る発明は、甲第1号証に記載の発明、及び甲第4号証ないし甲第11号証に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨、主張している。また、申立人は、意見書に添付して甲第12号証~甲第14号証を提出している。
〔取消理由(決定の予告)で採用しなかった証拠〕
甲第8号証:特開2011-64052号公報
甲第9号証:特開2014-62429号公報
甲第11号証:特開2017-120006号公報
甲第12号証:福祉住環境用語研究会編、「福祉住環境コーディネーター
用語辞典」、株式会社井上書院、2003年6月25日、
p.134
甲第13号証:三島俊介著、「なる本福祉住環境コーディネーター」改訂
第4版、株式会社週刊住宅新聞社、2008年12月16日
、p.132
甲第14号証:東京商工会議所編、「福祉住環境コーディネーター検定試
験2級公式テキスト」二訂版、東京商工会議所検定事業部検
定センター、2004年7月1日、p.195
しかしながら、甲第8号証、甲第9号証には、手すりを立設したベースプレートが記載されているものの、手すり部材を架け渡した複数の手すりに係るベースプレートではなく、また、甲第11号証には、階段の手すりの支柱の下端を踏面の側端部に固定することが記載され、さらに甲第12号証~甲第14号証には、階段の踏面の大きさが記載されているに過ぎないものである。
よって、これらの証拠を検討しても、複数のベースプレートの長辺若しくは短辺、又は支柱部材から外縁まで最短の長さに係る寸法や比率を特定している上記(1)~(9)で検討した各相違点に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたとはいえない。
7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、請求項1~4、7~15に係る特許を取り消すことはできない。
さらに、他に請求項1~4、7~15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項5及び6に係る特許は、上記2のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項5及び6に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2020-700513