2020-700096
画像表示装置、画像表示システム、画像表示方法、及び、プログラム
- 審判番号
- 2020-700096
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-102248外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6568981
- 請求日
- 2020年02月20日
- 審決日
- 2021年12月28日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】株式会社デンソーテン
- 【異議申立人】木村 靖
- 分類
- P1651.121-ZDA(H04N) / P1651.537-ZDA(H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条、特許法第29条の2、特許法第120条の5第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 24項目
第1 手続の経緯
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特許第6568981号(以下、「本件特許」という。)の請求項1から5に係る特許についての出願は、平成25年10月11日に出願された特願2013-214014号の一部を平成30年5月29日に新たな特許出願としたものであって、令和元年8月9日にその特許権の設定登録がなされた。
その後、当該特許について、令和2年2月20日に特許異議申立人木村靖により特許異議の申立てがなされ、
同年6月26日付けで取消理由が通知され、
同年8月26日に意見書の提出及び訂正請求書による訂正の請求があり、同年9月30日に当該訂正請求書に対する手続補正書が提出され、
当該手続補正書により補正された訂正請求書による訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)に対して特許異議申立人から同年11月19日に意見書が提出され、
令和3年2月12日付けで取消理由(決定の予告)が通知された。
当該決定の予告に対し、特許権者から応答期間内に応答がなかった。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正は、令和2年9月30日付け手続補正書で補正された訂正請求書の「請求の趣旨」に記載されたとおり、特許請求の範囲を、当該訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は、以下の訂正事項1~4のとおりである。なお、下線は訂正箇所である。
(1)訂正事項1
請求項1に「カメラで撮影された画像を用い、仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と」と記載されているのを、「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と」に訂正する。
請求項1に「予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、」と記載されているのを、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、」に訂正する。
(2)訂正事項2
請求項2に「カメラで撮影された画像を用い、仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、」と記載されているのを、「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、」に訂正する。
請求項2に「予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、前記ボタンは、車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され、」と記載されているのを、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され、」に訂正する。
請求項2に「前記ボタン領域には、車両周囲の広い領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」と記載されているのを、「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」に訂正する。
請求項2に「前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されること」と記載されているのを、「前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示され、前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」に訂正する。
なお、上記した訂正事項2は、訂正請求書の6(2)2)の「ア 訂正事項2」に記載された訂正から、以下の段落に記載された訂正を除いたものである。
本件訂正請求による訂正は、訂正請求書の「請求の趣旨」に記載されたとおり、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであるから、訂正特許請求の範囲の記載と整合しない当該段落の記載は、不要な記載を誤って記載した誤記と認められるため、上記した訂正事項2には、当該段落に記載された訂正を含めていない。
・訂正請求書の6(2)2)「ア 訂正事項2」に記載された当該段落
「 旧請求項2の「前記ボタン領域には、車両周囲の広い領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」の記載を、新請求項2の「前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され、」に訂正する。」
(3)訂正事項3
請求項3に「カメラで撮影された撮影画像を用い、仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、」と記載されているのを、「カメラで撮影された撮影画像を用い、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と」に訂正する。
請求項3に「予め定められた前記視点に対応する前記合成画像の表示を指示する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、」と記載されているのを、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する前記合成画像の表示を指示する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し」に訂正する。
請求項3に「前記画像領域には、前記ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されるとともに、」と記載されているのを、「前記画像領域には、前記ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されるとともに、前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、」に訂正する。
(請求項3を引用する請求項5も同様に訂正する)
(4)訂正事項4
請求項4に「カメラで撮影された撮影画像を用い、仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、」と記載されているのを、「カメラで撮影された撮影画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、」に訂正する。
請求項4に「前記ボタンは、車両の前後左右方向に対応する、前記ボタン領域の上下左右方向にそれぞれのボタンが配置され、」と記載されているのを、「前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する、前記ボタン領域の上下左右方向にそれぞれのボタンが配置され、」に訂正する。
請求項4に「前記ボタン領域には、車両周囲の広い領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」と記載されているのを、「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」に訂正する。
請求項4に「前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されること」と記載されているのを、「前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示され、前記視点は、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」に訂正する。
(請求項4を引用する請求項5も同様に訂正する)
2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1に「カメラで撮影された画像を用い、仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と」と記載されているのを、「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき物品及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と」に訂正する。当該訂正は、生成手段において生成される合成画像について仮想的な視点から見られる対象を「監視すべき物品及び、監視すべき物品の周辺の状況」に限定するものである。
訂正事項1は、請求項1に「予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、」と記載されているのを、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、」に訂正する。当該訂正は、「予め定められた前記視点に対応する・・・複数のボタン」を「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する・・・複数のボタン」とすることにより、複数のボタンを限定し、さらに、「視点」を「複数の視点」と限定するとともに、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点」と限定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、上記アのとおり、生成手段、複数のボタン、視点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許の明細書の段落【0019】~【0020】,【0049】,【0070】~【0071】,【0086】,【0120】及び【0156】には、次の記載がある。
「【0019】<1.第1の実施の形態><1-1.概要>図1は、本発明の実施の形態に係る画像表示システム1の概要を示す。画像表示システム1は、車両2に備えた画像取得装置3が車両2に配置されたカメラ4(4F、4B、4L、4R)から取得した車両2周辺の画像を、車両2から遠隔に所在するユーザの有する携帯端末8に表示させるシステムである。【0020】このようなシステムにおいて、車両2には監視センサを備えたセキュリティ装置5が設置される。監視センサは、不審者SIが車両2への異常に接近した場合や、車両2に対して物理的な危害を加えた場合に作動し、セキュリティ装置5は監視センサが作動した旨をユーザに通知する。セキュリティ装置5から通知を受けたユーザは、画像取得装置3に画像の送信を要求し、携帯端末8に車両2周辺の画像を表示させる。この際、ユーザは、画像の表示される範囲を自在に変更し、所望する角度から車両2周辺の状況を参照する。」
「【0049】画像取得部81aは、画像取得装置3から送信される画像データを取得し、取得した画像データを制御部81で処理可能な形式に変換する。すなわち、画像取得部81aは、複数のカメラ4で被写体をそれぞれ撮影した複数の画像を取得する画像生成部81bは、カメラ4で取得された複数の撮影画像を合成し、仮想視点からみた車両2周辺の様子を示す周辺画像を生成する。仮想視点は、車両2外部の位置から車両2を俯瞰する視点である。また、画像生成部81bは、仮想視点からみえる車両2を示す車体画像を周辺画像に重畳する。なお、画像生成部81bによる周辺画像の生成手法及び仮想視点の設定手法は後述する。」
「【0070】このように、仮想視点VPは、視点位置VDから移動中心点RCを見た視点である。また、基準仮想視点VPatは、車両2を直上から俯瞰する視点(トップビュー)である。基準仮想視点VPafは、車両2を前方かつ上方から車両2前方を見る視点である(フロントビュー)。基準仮想視点VPabは、車両2を後方かつ上方から車両2後方を見る視点(バックビュー)である。基準仮想視点VPalは、車両2を左斜め後方かつ上方から車両2の左側領域を見る視点(左サイドビュー)である。基準仮想視点VParは、車両2を右斜め後方かつ上方から車両2の右側領域を見る視点(右サイドビュー)である。【0071】このような基準仮想視点VPaは、ユーザにより選択される。ユーザによる選択は、各基準仮想視点VPと対応付けられたタッチパネルボタンへのタッチ操作により選択される。すなわち、合成画像CPがディスプレイに表示されている際、ユーザによりいずれかの基準仮想視点VPaが選択されると、画像生成部81bは、かかる基準仮想視点VPaから見た合成画像を生成する。これにより、ユーザは、仮想視点の位置を様々に変化させた後、基準仮想視点VPに仮想視点を戻せなくなった場合でも、タッチパネルボタンへのタッチ操作により容易に仮想視点を基準仮想視点VPに設定することができる。」
「【0086】図13は、仮想視点VPに基準仮想視点VPatが設定され、基準仮想視点VPatから車両2を見た合成画像CPt1が、ディスプレイ83に表示された例である。合成画像CPt1は、車両2の周囲を示す周辺画像に加え車体画像10を表示する。合成画像CPt1は、ユーザが車両2の周囲を示すタッチパネルボタンTB13にタッチ操作した場合、及び合成画像CPの初期表示の場合に表示される。合成画像CPt1を参照することで、ユーザは車両2周囲の状況を一覧で確認することができる。」
「【0120】操作検出部81dが仮想視点を基準視点に変更する操作があると判断すると(ステップS208でYes)、画像生成部81bは、ユーザがタッチ操作により所望した基準視点に仮想視点の位置及び方向を設定する(ステップS204)。例えば、画像生成部81bは、ユーザが車両2左側領域を表示する基準視点を希望した場合には、図9及び図10に示したような仮想視点の位置及び方向設定する。なお、基準視点は、車両直上、車両2左側、車両2右側、車両2前側、及び車両2後側の5視点である。車両の特定位置に設定される特定点である移動中心点RCの位置は、ユーザが所望した基準視点に応じた位置に設定される。」
「【0156】他の変形例を説明する。上記実施の形態では、画像取得装置3、カメラ4、セキュリティ装置5、及び警報器6は車両2に搭載されると説明した。しかし、車両2でなくともよい。住宅やビルディング等でもよい。要するに、監視すべき土地や建物、物品であればよい。」
(ア)訂正事項1は、請求項1の仮想的な視点から見られる対象に「監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を」という限定を加えている。当該訂正は、本件特許の明細書の段落【0156】に、監視の対象として車両や「物品」があることが記載され、同段落【0019】~【0020】に車両の周辺の画像を表示させることが記載されているから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(イ)訂正事項1は、請求項1に「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する」という限定を加えている。当該訂正は、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0120】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(ウ)訂正事項1は、請求項1に「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を参照する視点であり、」という限定を加えている。当該訂正は、本件特許の明細書の段落【0020】,【0049】,【0070】~【0071】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(エ)特許異議申立人は、令和2年11月19日提出の意見書において、以下の(a)~(b)の2点について、訂正事項1は、設定登録時の本件特許の明細書又は図面に記載した事項を超える内容を含むものであると主張している。
(a)請求項1の「監視すべき物品」は、監視すべき物品であれば如何なるものも含まれ得ると考えられるが、本件特許の明細書の段落【0001】,【0020】,【0036】~【0037】及び【0156】によれば、「監視すべき物品」は車両,車両内の物品,土地や建物以外について具体的に開示されていない。
(b)請求項1の「監視すべき物品」は、監視すべき物品であれば如何なるものも含まれ得ると考えられるが、本件特許の明細書の段落【0156】等によれば、「監視すべき物品」は、カメラが搭載されるものである。
しかしながら、段落【0156】には、「車両」以外に、「監視すべき土地や建物、物品であればよい」と記載されているから、「物品」を監視することも記載されていると認められる(上記(a)に対応)。
また、段落【0156】には、土地を監視することも記載されており、「監視すべき物品」としては、カメラが搭載されるものではないものも想定されていると認められる(上記(b)に対応)。
よって、特許異議申立人の主張は採用できない。
(オ)まとめ
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、請求項2に「カメラで撮影された画像を用い、仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、」と記載されているのを、「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、」に訂正する。当該訂正は、生成手段において生成される合成画像について仮想的な視点から見られる対象を「監視すべき物品及び、監視すべき物品の周辺の状況」に限定するものである。
訂正事項2は、請求項2に「予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、」と記載されているのを、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、」に訂正し、さらに、「視点」について、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」を追加する訂正をする。当該訂正は、「予め定められた前記視点に対応する・・・複数のボタン」を「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する・・・複数のボタン」とすることにより、複数のボタンを限定するものであり、さらに、「視点」を「複数の視点」と限定するとともに、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」と限定するものである。
訂正事項2は、請求項2に「前記ボタンは、車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され」と記載されているのを、「前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され」に訂正する。当該訂正は、「車両」を前記の「監視すべき車両」に限定するものである。
訂正事項2は、請求項2に「前記ボタン領域には、車両周囲の広い領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」と記載されているのを「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」に訂正する。当該訂正は、「車両周囲の広い領域」が、車両からどの程度離れた位置まで含まれるのか明瞭でないため、「車両周囲の領域」とすることにより、曖昧な表現を解消するものであり、明瞭でない記載の釈明である。
したがって、訂正事項2は、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び同3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、上記アのとおり、生成手段、複数のボタン、視点、車両を限定するもの、及び、領域について明瞭にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
(ア)訂正事項2は、請求項2の仮想的な視点から見られる対象に「監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を」という訂正事項1と同様の限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(ア)と同様に、本件特許の明細書の段落【0019】~【0020】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(イ)訂正事項2は、請求項2に、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、」という訂正事項1と同様の限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(イ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0120】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(ウ)訂正事項2は、請求項2の「車両」を前記の「監視すべき車両」に限定するものであり、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0120】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(エ)訂正事項2は、請求項2において、「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」と訂正している。当該訂正は、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0080】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(オ)訂正事項2は、請求項2に、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」という訂正事項1と同様の限定を加えている。この訂正は、上記(1)ウ(ウ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0020】,【0049】,【0070】~【0071】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(カ)特許異議申立人は、令和2年11月19日提出の意見書において、訂正事項2の「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段」は、本件特許の明細書に記載されたカメラが「監視すべき車両」に搭載された構成以外の構成を含むから、訂正事項2は、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正ではない旨主張する。
しかしながら、訂正前の請求項2に係る特許発明は、
「画像を表示する画像表示装置であって、カメラで撮影された画像を用い、仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する操作検出手段と、を有し、前記操作検出手段は、前記合成画像が表示される画像領域と、予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、前記ボタンは、車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され、前記ボタン領域には、車両周囲の広い領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されることを特徴とする画像表示装置。」
であり、車両や車両周囲についてカメラで撮影した画像を合成して表示するものと認められ、カメラが車両に搭載されていることを限定しているものではない。また、「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を」の記載は、上記(ア)と同様に、本件特許の明細書の段落【0019】、【0020】、【0156】の記載に基づくものである。
したがって、特許異議申立人の主張は、訂正により生じた事項に関する主張ではなく、当該訂正事項は、本件特許の明細書の記載に基づくものであるから、当該主張は採用できない。
(キ)以上のとおり、訂正事項2は、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、請求項3に「カメラで撮影された撮影画像を用い、仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、」と記載されているのを、「カメラで撮影された撮影画像を用い、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と」に訂正する。当該訂正は、通信手段が入手する合成画像についての画像情報における、生成される合成画像について、仮想的な視点から見られる対象を「監視すべき物品及び、監視すべき物品の周辺の状況」に限定するものである。
訂正事項3は、請求項3に「予め定められた前記視点に対応する前記合成画像の表示を指示する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、」と記載されているのを、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する前記合成画像の表示を指示する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し」に訂正し、さらに、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、」を追加する訂正する。当該訂正は、「予め定められた前記視点に対応する・・・複数のボタン」を「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する・・・複数のボタン」とすることにより、複数のボタンを限定し、さらに、「視点」を「複数の視点」と限定するとともに、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点」と限定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、上記アのとおり、通信手段、複数のボタン、視点を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
(ア)訂正事項3は、請求項3の仮想的な視点から見られる対象に「監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を」という訂正事項1と同様の限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(ア)と同様に、本件特許の明細書の段落【0019】~【0020】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(イ)訂正事項3は、請求項3に「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する」という訂正事項1と同様の限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(イ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0120】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(ウ)訂正事項3は、請求項3に、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を参照する視点であり、」という訂正事項1と同様の限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(ウ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0020】,【0049】,【0070】~【0071】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(エ)特許異議申立人は、令和2年11月19日提出の意見書において、上記(1)ウ(エ)と同様の主張をしている。しかしながら、上記(1)ウ(エ)での検討と同様の理由で、特許異議申立人の主張は採用できない。
(オ)まとめ
したがって、訂正事項3は、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項の規定に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、請求項4に「カメラで撮影された撮影画像を用い、仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、」と記載されているのを、「カメラで撮影された撮影画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、」に訂正する。当該訂正は、通信手段が入手する合成画像についての画像情報における、生成される合成画像について、仮想的な視点から見られる対象を「監視すべき物品及び、監視すべき物品の周辺の状況」に限定するものである。
訂正事項4は、請求項4に「前記ボタンは、車両の前後左右方向に対応する、前記ボタン領域の上下左右方向にそれぞれのボタンが配置され、」と記載されているのを、「前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する、前記ボタン領域の上下左右方向にそれぞれのボタンが配置され、」に訂正する。当該訂正は、「車両」を前記の「監視すべき車両」に限定するものである。
訂正事項4は、請求項4に「前記ボタン領域には、車両周囲の広い領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」と記載されているのを、「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」に訂正する。当該訂正は、「車両周囲の広い領域」が、車両からどの程度離れた位置まで含まれるのか明瞭でないため、「車両周囲の領域」とすることにより、曖昧な表現を解消するものであり、明瞭でない記載の釈明である。
訂正事項4は、請求項4に「前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されること」と記載されているのを、「前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示され、前記視点は、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」に訂正する。当該訂正は、「視点」について、「監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」と限定するものである。
したがって、訂正事項4は、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び同3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、上記アのとおり、生成手段、視点、車両を限定するもの、及び、領域について明瞭にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
(ア)訂正事項4は、請求項4の仮想的な視点から見られる対象に、「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を」という訂正事項1と同様な限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(ア)と同様に、本件特許の明細書の段落【0019】~【0020】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(イ)訂正事項4は、請求項4の「車両」を前記の「監視すべき車両」に限定するものであり、訂正事項2と同様な限定を加えている。当該訂正は、上記(2)ウ(ウ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0120】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(ウ)訂正事項4は、請求項4において、「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、」と訂正しており、訂正事項2と同様の限定を加えている。当該訂正は、上記(2)ウ(エ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0070】~【0071】及び【0080】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(エ)訂正事項4は、請求項4に、「前記視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること」という限定を加えるものであり、訂正事項1と同様な限定を加えている。当該訂正は、上記(1)ウ(ウ)と同様に、本件特許の明細書の段落【0020】,【0049】,【0070】~【0071】及び【0156】の記載に基づくものと認められるから、本件特許の明細書の範囲内の訂正である。
(オ)特許異議申立人は、令和2年11月19日提出の意見書において、訂正事項4の「カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段」は、本件特許の明細書に記載されたカメラが「監視すべき車両」に搭載された構成以外の構成を含むから、訂正事項2は、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正ではない旨主張する。
しかし、上記(2)ウ(カ)での検討と同様の理由で、特許異議申立人の主張は採用できない。
(カ)以上のとおり、訂正事項4は、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項の規定に適合するものである。
(5)一群の請求項
上記訂正事項3及び4は、一群の請求項3~5に対して請求されたものであるから、特許法120条の5第4項の規定に適合する。
(6)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法120条の5第2項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条4項、並びに、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1,2,〔3~5〕について訂正することを認める。
第3 本件特許発明
本件訂正請求により訂正された本件特許の請求項1~5に係る特許発明(以下「本件特許発明1」~「本件特許発明5」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
ただし、(1A)~(5A)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件1A」~「構成要件5A」という。
(本件特許発明1)【請求項1】
(1A)画像を表示する画像表示装置であって、
(1B)カメラで撮影された画像を用い、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、
(1C)前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する操作検出手段と、を有し、
(1C)前記操作検出手段は、
(1C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、
(1C-2)予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、
(1C-3)前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、
(1C-4)前記画像領域には、前記ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されるとともに、
(1C-5)前記画像領域においてタッチ操作が行われた際には、前記タッチ操作に応じた前記視点で前記画像領域に前記合成画像が表示され、
(1C-6)前記タッチ操作は、フリック操作またはピンチイン操作である
(1A)ことを特徴とする画像表示装置。
(本件特許発明2)【請求項2】
(2A)画像を表示する画像表示装置であって、
(2B)カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、
(2C)前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する操作検出手段と、を有し、
(2C)前記操作検出手段は、
(2C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、
(2C-2)予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、
(2C-3)前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され、
(2C-4)前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、
(2C-5)前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示され、
(2C-6)前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること
(2A)を特徴とする画像表示装置。
(本件特許発明3)【請求項3】
(3B)カメラで撮影された撮影画像を用い、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、
(3C)入手した前記画像情報に基づき画像表示を行う表示手段と、
(3D)前記表示手段に表示された前記合成画像の前記視点を変更するユーザ指示を与える操作検出手段と、を有し、
(3D-1)前記操作検出手段は、前記表示手段におけるユーザのタッチ操作を検出するタッチパネルを有し、
(3C)前記表示手段は、
(3C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、
(3C-2)予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する前記合成画像の表示を指示する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、
(3C-3)前記画像領域には、前記ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されるとともに、
(3C-4)前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、
(3C-5)前記画像領域においてタッチ操作が行われた際には、前記タッチ操作に応じた前記視点の前記合成画像が前記画像領域に表示され、
(3C-6)前記タッチ操作は、フリック操作またはピンチイン操作である
(3A)ことを特徴とする端末装置。
(本件特許発明4)【請求項4】
(4B)カメラで撮影された撮影画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報を入手する通信手段と、
(4C)入手した前記画像情報に基づき画像表示を行う表示手段と、
(4D)前記表示手段に表示された前記合成画像の前記視点を変更するユーザ指示を与える操作検出手段と、を有し、
(4D-1)前記操作検出手段は、前記表示手段におけるユーザのタッチ操作を検出するタッチパネルを有し、
(4C)前記表示手段は、
(4C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、
(4C-2)予め定められた前記視点に対応する前記合成画像の表示を指示する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、
(4C-3)前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する、前記ボタン領域の上下左右方向にそれぞれのボタンが配置され、
(4C-4)前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され、
(4C-5)前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示され、
(4C-6)前記視点は、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点である
(4A)ことを特徴とする端末装置。
(本件特許発明5)【請求項5】
(5A)前記通信手段はセキュリティ装置が異常を検知した際、通知を受信することを特徴とする請求項3または請求項4記載の端末装置。
第4 取消理由の概要
1 令和3年2月12日付け取消理由通知書(決定の予告)の概要
本件訂正請求により訂正された本件特許の請求項1,3及び5に係る特許に対して、令和3年2月12日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)本件特許の請求項1に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び周知技術、または、甲第2号証に記載された発明、甲第1号証に記載された技術及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(2)本件特許の請求項3に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び周知技術、または、甲第2号証に記載された発明、甲第6号証に記載された技術及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項3に係る特許は、取り消されるべきものである。
(3)本件特許の請求項5に係る発明は、甲第2号証に記載された発明、甲第6号証に記載された技術及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項5に係る特許は、取り消されるべきものである。
2 令和2年6月26日付け取消理由通知書の概要
本件訂正請求による訂正前の請求項1~5に係る特許に対して、令和2年6月26日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)訂正前の請求項1に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、訂正前の請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(2)訂正前の請求項2に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項2に係る特許は、取り消されるべきものである。
(3)訂正前の請求項3に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、訂正前の請求項3に係る特許は、取り消されるべきものである。
(4)訂正前の請求項4に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、訂正前の請求項4に係る特許は、取り消されるべきものである。
(5)訂正前の請求項5に係る発明は、甲第2号証に記載された発明、甲第6号証に記載された技術及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、訂正前の請求項5に係る特許は、取り消されるべきものである。
(6)訂正前の請求項1に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に出願公開がされた甲第7号証の特許出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また、本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないから、特許法29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(7)訂正前の請求項3に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に出願公開がされた甲第7号証の特許出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また、本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないから、特許法29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、訂正前の請求項3に係る特許は、取り消されるべきものである。
(8)訂正前の請求項1に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。
(9)訂正前の請求項2に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。
(10)訂正前の請求項3に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。
(11)訂正前の請求項4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。
(12)訂正前の請求項5に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。
第5 甲各号証の記載及び甲各号証に記載された発明
特許異議申立人が提出した証拠は、以下の甲第1号証~甲第7号証である。
1 甲第2号証
(1)甲第2号証の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
甲第2号証には、次の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。
ア 「【0016】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。<1.システム構成>図1は、画像表示システム120の構成例を示すブロック図である。この画像表示システム120は、車両(本実施の形態では、自動車)に搭載されるものであり、車両の周辺を撮影して画像を生成して車室内に表示する機能を有している。画像表示システム120のユーザ(代表的にはドライバ)は、この画像表示システム120を利用することにより、当該車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握できるようになっている。なお、以下の説明において使用される用語「画像」は、静止画像及び動画のいずれの意味も含む。【0017】図1に示すように、画像表示システム120は、車両の周辺の様子を示す画像を生成する画像処理装置100と、車両に乗車するユーザに対して各種情報を表示するナビゲーション装置20とを主に備えている。画像処理装置100で生成された画像は、ナビゲーション装置20において表示される。【0018】ナビゲーション装置20は、ユーザに対しナビゲーション案内を行うものであり、タッチパネル機能を備えた液晶などのディスプレイ21と、ユーザが操作を行うハードスイッチなどで構成される操作部22と、装置全体を制御する制御部23とを備えている。ディスプレイ21の画面がユーザから視認可能なように、ナビゲーション装置20は車両のインストルメントパネルなどに設置される。ユーザの各種の指示は、操作部22とタッチパネルとしてのディスプレイ21とによって受け付けられる。制御部23は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータで構成され、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことでナビゲーション機能を含む各種の機能が実現される。【0019】ナビゲーション装置20は、画像処理装置100と通信可能に接続され、画像処理装置100との間で各種の制御信号の送受信や、画像処理装置100で生成された画像の受信が可能となっている。ディスプレイ21には、制御部23の制御により、通常はナビゲーション装置20単体の機能に基づく画像が表示されるが、動作モードを変更することで画像処理装置100で生成された車両の周辺の様子を示す画像が表示される。これにより、ナビゲーション装置20は、画像処理装置100で生成された画像を受信して表示する表示装置としても機能する。」
イ 「【図1】[図:0001391972000001.jpg]」
ウ 「【0020】画像処理装置100は、その本体部10が画像を生成する機能を有するECU(Electronic Control Unit)として構成され、車両の所定の位置に配置される。画像処理装置100は、車両の周辺を撮影する撮影部5を備えており、この撮影部5で車両の周辺を撮影して得られる撮影画像に基づいて仮想視点から見た合成画像を生成する画像生成装置として機能する。【0021】撮影部5は、本体部10に電気的に接続され、本体部10からの信号に基づいて動作する。撮影部5は、車載カメラであるフロントカメラ51、バックカメラ52、及び、サイドカメラ53を備えている。各車載カメラ51~53は、レンズと撮像素子とを備えており電子的に画像を取得する。続きを表示(全22行)【0022】これらの複数の車載カメラ51~53は、車両の異なる位置にそれぞれ配置される。図2は、車載カメラ51~53が車両9に配置される位置の例を示す図である。【0023】図2に示すように、フロントカメラ51は、車両9の前端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸51aは車両9の直進方向に向けられている。バックカメラ52は、車両9の後端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸52aは車両9の直進方向の逆方向に向けられている。これらフロントカメラ51やバックカメラ52の取付位置は、左右略中央であることが望ましいが、左右中央から左右方向に多少ずれた位置であってもよい。また、サイドカメラ53は左右のドアミラー93にそれぞれ設けられ、その光軸53aは車両9の左右方向(直進方向に直交する方向)に沿って車両9の外側に向けられている。【0024】これらの車載カメラ51~53のレンズとしては魚眼レンズなどが採用されており、車載カメラ51~53は180度以上の画角θを有している。このため、4つの車載カメラ51~53を利用することで、車両9の全周囲の撮影が可能となっている。【0025】図1に戻り、画像処理装置100の本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、撮影部5で取得された撮影画像を処理して表示用の画像を生成する画像生成部3と、ナビゲーション装置20との間で通信を行うナビ通信部42とを主に備えている。【0026】ナビゲーション装置20の操作部22やディスプレイ21によって受け付けられたユーザからの各種の指示は、制御信号としてナビ通信部42によって受け付けられて制御部1に入力される。これにより、画像処理装置100は、ナビゲーション装置20に対するユーザの操作に応答した動作が可能となっている。【0027】画像生成部3は、各種の画像処理が可能なハードウエア回路として構成されており、撮影画像調整部31、及び、合成画像生成部32を主な機能として備えている。【0028】撮影画像調整部31は、撮影部5で取得された撮影画像を対象とした調整を行うものである。具体的には、撮影画像調整部31は、撮影画像に対して明るさ補正などの画像処理を行う。【0029】合成画像生成部32は、撮像部5の複数の車載カメラ51~53で取得されて撮影画像調整部31によって調整された複数の撮影画像に基づいて、車両の周辺の任意の仮想視点からみた車両の周辺の様子を示す合成画像を生成する。合成画像生成部32が合成画像を生成する手法については後述する。【0030】合成画像生成部32により生成された合成画像は、ナビ通信部42によってナビゲーション装置20に出力される。これにより、車両の周辺の少なくとも一部の領域を示す合成画像がナビゲーション装置20のディスプレイ21に表示されることになる。」
エ 「【0037】<2.画像合成処理>次に、画像生成部3の合成画像生成部32が、撮像部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成する手法について説明する。図3は、合成画像を生成する手法の一例の説明図である。【0038】続きを表示(全21行)撮影部5のフロントカメラ51、バックカメラ52及びサイドカメラ53で同時に撮影が行われると、車両9の前方、後方、左側方、及び、右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像P1~P4が取得される。すなわち、撮影部5で取得される4つの撮影画像P1~P4には、撮影時点の車両の全周囲を示す情報が含まれていることになる。【0039】次に、4つの撮影画像P1~P4の各画素が、仮想的な三次元空間における立体曲面SPに投影される。立体曲面SPは、例えば略半球状(お椀形状)をしており、その中心部分(お椀の底部分)が車両9が存在する位置として定められている。撮影画像P1~P4に含まれる各画素の位置と、この立体曲面SPの各画素の位置とは予め対応関係が定められている。このため、立体曲面SPの各画素の値は、この対応関係と撮影画像P1からP4に含まれる各画素の値とに基づいて決定できる。【0040】撮影画像P1~P4の各画素の位置と立体曲面SPの各画素の位置との対応関係は、車両9における4つの車載カメラ51~53の配置(相互間距離、地上高さ、光軸角度等)に依存する。この対応関係を示すテーブルデータは、不揮発性メモリ40に予め記憶されている。【0041】また、不揮発性メモリ40に予め記憶された車体の形状やサイズを示すデータが利用され、車両9の三次元形状を示すポリゴンのモデルが仮想的に構成される。構成された車両9のモデルは、立体曲面SPが設定される三次元空間において、車両9の位置と定められた略半球状の中心部分に配置される。【0042】さらに、立体曲面SPが存在する三次元空間に対して、制御部1により仮想視点VPが設定される。仮想視点VPは、視点位置と視野方向とで規定され、この三次元空間における車両9の周辺に相当する任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定される。【0043】そして、設定された仮想視点VPに応じて、立体曲面SPにおける必要な領域が画像として切り出される。仮想視点VPと、立体曲面SPにおける必要な領域との関係は予め定められており、テーブルデータとして不揮発性メモリ40等に予め記憶されている。一方で、設定された仮想視点VPに応じてポリゴンのモデルに関してレンダリングがなされ、その結果となる二次元の車両の像が、切り出された画像に対して重畳される。これにより、車両9及びその車両9の周辺を任意の仮想視点VPからみた様子を示す合成画像が生成されることになる。【0044】例えば、視点位置が車両9の位置の略中央の直上位置で、視野方向が略直下方向とした仮想視点VPaを設定した場合は、車両9の略直上から車両9を見下ろすように、車両9及び車両9の周辺の領域を示す俯瞰画像の合成画像CPaが生成される。また、図中に示すように、視点位置が車両9の位置の左後方で、視野方向が車両9における略前方とした仮想視点VPbを設定した場合は、車両9の左後方からその周辺全体を見渡すように、車両9及び車両9の周辺の領域を示す合成画像CPbが生成される。更に、仮想視点VPaの位置を車両に近づけると拡大した合成画像が生成され、仮想視点VPaの位置を車両から遠ざけると縮小した、即ち車両の周囲を広範囲に映す合成画像が生成される。【0045】合成画像生成部32は、車両9及び車両9の周辺の領域を示す俯瞰画像の一部分を拡大した部分拡大画像を生成することもできる。図4の(A)の俯瞰画像の合成画像CP1は、図3の合成画像CPaと同様に車両9及び車両9の周辺の領域を示す。【0046】例えば、視点位置を車両9の位置の左前方の上方、かつ車両9に近づけた位置とし、視野方向が略直下方向に仮想視点を設定すると、図4の(B)の拡大画像の合成画像CP2が生成される。拡大画像CP2は、図4の(A)の俯瞰画像CP1の領域60の部分を拡大する拡大画像である。また、例えば視点位置を車両9の位置の左後方の上方、かつ車両9に近づけた位置とし、視野方向が略直下方向とした仮想視点を設定すると、図4の(C)の拡大画像の合成画像CP3が生成される。拡大画像CP3は、図4の(A)の俯瞰画像CP1の領域61の部分を拡大する拡大画像である。」
オ 「【図3】[図:0001391972000002.jpg]【図4】[図:0001391972000003.jpg]」
カ 「【0049】<3.表示モード>画像表示システム120は、ナビモードや、撮影部5で取得された撮影画像や合成画像生成部32が合成した合成画像を表示するための複数の表示モードを有している。これらの表示モードは、車両9の走行状態やシフトレバーの位置、操作部22、ディスプレイ21のタッチパネルなどを介したユーザの操作に基づいて表示制御部12の制御により切り替えられる。以下、表示制御部12による表示モードの切替処理の各実施例について説明する。【0050】続きを表示(全24行)<4.第1の実施例>図5は、表示制御部12により切り替わる表示モードの状態遷移図の第1例の説明図である。ナビモードST10は、ナビゲーション装置20の機能により、ナビゲーション案内用の地図画像などをディスプレイ21に表示する動作モードである。ナビモードST10では、図6に示すような経路案内のためのナビゲーション表示Dnがディスプレイ21上に表示される。【0051】図5を参照する。例えば、シフトレバーの位置が「R」ポジションとなると、表示制御部12は、表示モードをバックモードST20へ遷移させる。シフトレバーの位置が「R」ポジション以外になると、表示制御部12は、表示モードをナビモードST10へ復帰させる。【0052】また、例えばシフトレバーの位置が「R」ポジション以外のポジションであり、かつ車両9の速度が所定速度V1未満であるとき、表示制御部12は、表示モードをフロントモードST30へ遷移させる。車両9の速度が所定速度V1以上であるとき、表示制御部12は、表示モードをナビモードST10へ復帰させる。【0053】なお、フロントモードST30中にシフトレバーの位置が「R」ポジションになったとき、表示制御部12は、表示モードをバックモードST20へ直接遷移させてもよい。また、バックモードST20中にシフトレバーの位置が「R」ポジション以外のポジションになり、かつ車両9の速度が所定速度V1未満であるとき、表示制御部12は、表示モードをフロントモードST30へ直接遷移させてもよい。【0054】また、例えばシフトレバーの位置が「R」ポジション以外のポジションであり、操作部22がユーザから所定の操作を受け付けたとき、表示制御部12は、表示モードを周囲確認モードST40へ遷移させる。所定の操作は、例えばハードスイッチの長押しであってよい。以下の説明及び図面において、ハードスイッチを「ハードSW」と表記することがある。【0055】また、操作部22がユーザから所定の復帰操作を受け付けたとき、表示制御部12は、表示モードをナビモードST10へ復帰させる。例えば、所定の復帰操作もハードSWの長押しであってよい。【0056】バックモードST20又はフロントモードST30中に、操作部22がユーザから所定の操作を受け付けたとき、表示制御部12は、表示モードを周囲確認モードST40へ遷移させてよい。このとき表示制御部12は、遷移元の表示モードを記憶する。操作部22がユーザから所定の復帰操作を受け付けたとき、表示制御部12は、表示モードを元の表示モードへ復帰させる。【0057】続いて、各モードST20、ST30及びST40における表示内容について説明する。バックモードST20は、バックモード用2画面表示状態ST21、第1バックカメラ画像表示状態ST22及び第2バックカメラ画像表示状態ST23の表示モードを有する。【0058】操作部22のハードSWやディスプレイ21のタッチパネルに設定されたソフトスイッチ等として設けられた所定のカメラスイッチが操作されると、表示制御部12は、表示モードを状態ST21~ST23間で遷移させる。以下の説明及び図面において、カメラスイッチを「カメラSW」と表記することがある。【0059】図7は、バックモード用2画面表示状態ST21における表示内容の例を示す図である。参照符号V0は、ディスプレイ21上に所定の全画面表示を行う際の表示範囲を示す。以下の説明において、所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0を、「全画面V0」を表記することがある。全画面V0は、ディスプレイ21の表示画面全体であってよい。また、所定の全画面表示においてディスプレイ21の表示画面全体の内側に所定のマージンを設けて全画面V0を表示する等の場合のように、全画面V0は、ディスプレイ21の表示画面全体よりもやや小さい領域であってもよい。バックモード用2画面表示Dtbは、全画面V0内に第1領域R1及び第2領域R2を有する。表示制御部12は、第1領域R1に、車両9の周辺全体の俯瞰画像CPwの合成画像を表示する。」
キ 「【0075】表示制御部12は、図13に示す第1領域R1内の各領域A0~A8のいずれをユーザがタッチしたかに応じて、第2領域R2内の表示画像を切り替える。ユーザがタッチした領域と第2領域R2内の表示画像の対応関係を以下に示す。【0076】領域A0:バックモード用2画面表示状態ST21へ遷移時にデフォルト表示するように指定された画像(例えば、バックカメラ52の撮影画像Pb1であってよい)続きを表示(全12行)車両左前方の領域A1:車両左前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両前方の領域A2:車両前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両右前方の領域A3:車両右前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両左側方の領域A4:車両左側方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両右側方の領域A5:車両右側方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両左後方の領域A6:車両左後方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両後方の領域A7:車両後方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像車両右後方の領域A8:車両右後方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像」
ク 「【図13】[図:0001391972000004.jpg]」
ケ 「【0107】<5.第2の実施例>続いて、バックモード用2画面表示状態ST21において、第1領域R1に表示された俯瞰画像CPwがタッチされた場合の表示処理の他の実施例を説明する。本実施例では、俯瞰画像CPwがタッチされた場合に、拡大俯瞰画像を全画面V0に全画面表示する。【0108】続きを表示(全33行)図17は、バックモード用2画面表示状態ST21における表示切替処理の第2例のフローチャートである。なお、フロントモード用2画面表示状態ST31における処理も同様であってよい。また、他の実施態様においては、下記のオペレーションDA~DHの各オペレーションはステップであってもよい。【0109】オペレーションDAにおいて表示制御部12は、バックモード用2画面表示Dtbをディスプレイ21に表示する。表示されたバックモード用2画面表示Dtbを図18の(A)に示す。図18の(A)の表示内容は、図13を参照して説明したバックモード用2画面表示Dtbと同様である。本例では、状態ST21に遷移した直後には、デフォルト表示するように指定されたバックカメラ52の撮影画像Pb1が第2領域R2に表示されている。【0110】図17を参照する。オペレーションDBにおいて表示制御部12は、カメラSWのタッチによるユーザの入力があったか否かを判定する。カメラSWがタッチされた場合(オペレーションDB:Y)、処理はオペレーションDHへ移行する。オペレーションDHにおいて表示制御部12は、表示モードを第1バックカメラ画像表示状態ST22へ遷移させて処理を終了する。【0111】カメラSWがタッチされていない場合(オペレーションDB:N)、処理はオペレーションDCへ移行する。オペレーションDCにおいて表示制御部12は、ディスプレイ21のタッチパネルの操作により、第1領域R1をタッチするユーザの入力があったか否かを判定する。【0112】第1領域R1がタッチされた場合(オペレーションDC:Y)、処理はオペレーションDDへ移行する。第1領域R1がタッチされていない場合(オペレーションDC:N)、処理はオペレーションDBへ戻る。【0113】オペレーションDDにおいて合成画像生成部32は、第1領域R1内の分割領域A0~A8のうちユーザによりタッチされた領域を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像を生成する。表示制御部12は、合成画像生成部32が生成した拡大俯瞰画像を全画面表示する。【0114】拡大俯瞰画像がディスプレイ21の全画面V0に、全画面表示された状態を図18の(B)に示す。本例では、ユーザが車両左後方の領域A6をタッチしたことに応答して、車両左後方を真上から見た拡大俯瞰画像CP6が全画面表示される。また、後述する「戻るボタン」71も全画面V0内に表示されている。【0115】図17を参照する。オペレーションDEにおいて表示制御部12は、タッチパネルにタッチするユーザの入力があったか否かを判定する。タッチパネルがタッチされた場合(オペレーションDE:Y)、処理はオペレーションDFへ移行する。タッチパネルがタッチされない場合(オペレーションDE:N)、処理はオペレーションDEへ戻る。【0116】オペレーションDFにおいて表示制御部12は、タッチされた箇所が戻るボタン71であったか否かを判定する。戻るボタン71がタッチされた場合(オペレーションDF:Y)、処理はオペレーションDAへ戻る。タッチされた箇所が戻るボタン71でない場合(オペレーションDF:N)、処理はオペレーションDGへ移る。【0117】オペレーションDGにおいて合成画像生成部32は、タッチされた拡大俯瞰画像上の位置に応じて、全画面表示する拡大俯瞰画像の視点の位置を変更する。その後処理は、オペレーションDEへ戻る。【0118】本実施例によれば、車両周辺の任意の箇所を拡大して示す俯瞰画像を、表示画面に全画面表示することが可能となる。このため、ユーザが車体と障害物との間のクリアランスを確認する際に、障害物との間の距離感を掴みやすくなる。【0119】続いて、図17に示す表示処理においてオペレーションDGにおける拡大俯瞰画像の視点の位置を変更する処理について説明する。図19の(A)~図19の(C)は、拡大俯瞰画像の視点の位置を変更する方法の第1例の説明図である。【0120】図19の(A)の状態では、車両9の左後方の領域A6を示す拡大俯瞰画像CP6が全画面V0に表示されている。全画面表示された拡大俯瞰画像CP6は、全画面V0の中心Cの周りに配置された複数の部分領域ALU、ARU、ALD及びARDを含む。【0121】ユーザにより部分領域ALU、ARU、ALD及びARDがタッチされたことが検出されると、表示制御部12は、タッチされた領域と現在表示中の拡大俯瞰画像の視点の位置に応じて変更後の拡大俯瞰画像の視点の位置を決定する。【0122】例えば、拡大俯瞰画像CP6の表示中に左上領域ALUがタッチされたときに表示される拡大俯瞰画像を図19の(B)に示す。拡大俯瞰画像CP6の表示中に左上領域ALUがタッチされると、視点は前方へ移動し、車両左側方の領域A4の拡大俯瞰画像CP4が全画面表示される。」
コ 「【図17】[図:0001391972000005.jpg]【図18】[図:0001391972000006.jpg]【図19】[図:0001391972000007.jpg]」
(2)甲2発明
上記ア~コに摘記した記載事項から、甲第2号証には「第2の実施例」として、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、符号a~f12は、説明のため当審で付与したものであり、以下、構成a~f12と称する。また、各構成の末尾に対応する段落番号を付した。
また、甲第2号証において、「第2の実施例」は、「バックモード用2画面表示状態ST21において、第1領域R1に表示された俯瞰画像CPwがタッチされた場合」に、「拡大俯瞰画像を全画面V0に全画面表示する」(【0107】)ものであるから、以下の構成f~f12における俯瞰画像の表示領域が、「第1の実施例」では第2領域R2であったものを、「第2の実施例」では画面V0に変更したものである。よって、構成f~f12を除いた構成(構成a~e3)について、第2の実施例は、第1の実施例と同様の構成を備えるものとして甲2発明を認定する。
(甲2発明)
(a)車両の周辺の様子を示す画像を生成する画像処理装置100と、車両に乗車するユーザに対して各種情報を表示するナビゲーション装置20とを主に備える画像表示システム120であって、(【0017】)
(b1)画像処理装置100で生成された画像は、ナビゲーション装置20において表示され、(【0017】)
(b2)ナビゲーション装置20は、ユーザに対しナビゲーション案内を行うものであり、タッチパネル機能を備えた液晶などのディスプレイ21と、ユーザが操作を行うハードスイッチなどで構成される操作部22と、装置全体を制御する制御部23とを備え、(【0018】)
(b3)ナビゲーション装置20は、画像処理装置100と通信可能に接続され、画像処理装置100との間で各種の制御信号の送受信や、画像処理装置100で生成された画像の受信が可能となっており、(【0019】)
(b4)ディスプレイ21には、制御部23の制御により、通常はナビゲーション装置20単体の機能に基づく画像が表示されるが、動作モードを変更することで画像処理装置100で生成された車両の周辺の様子を示す画像が表示され、
これにより、ナビゲーション装置20は、画像処理装置100で生成された画像を受信して表示する表示装置としても機能し、(【0019】)
(c1)画像処理装置100は、車両の周辺を撮影する撮影部5を備えており、この撮影部5で車両の周辺を撮影して得られる撮影画像に基づいて仮想視点から見た合成画像を生成する画像生成装置として機能し、(【0020】)
(c2)画像処理装置100の本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、撮影部5で取得された撮影画像を処理して表示用の画像を生成する画像生成部3と、ナビゲーション装置20との間で通信を行うナビ通信部42とを主に備え、(【0025】)
(c3)ナビゲーション装置20の操作部22やディスプレイ21によって受け付けられたユーザからの各種の指示は、制御信号としてナビ通信部42によって受け付けられて制御部1に入力され、これにより、画像処理装置100は、ナビゲーション装置20に対するユーザの操作に応答した動作が可能となっており、(【0026】)
(c4)画像生成部3は、各種の画像処理が可能なハードウエア回路として構成されており、撮影画像調整部31、及び、合成画像生成部32を主な機能として備え、(【0027】)
(c5)合成画像生成部32は、撮像部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成し、(【0029】)
(c6)合成画像生成部32により生成された合成画像は、ナビ通信部42によってナビゲーション装置20に出力され、これにより、車両の周辺の少なくとも一部の領域を示す合成画像がナビゲーション装置20のディスプレイ21に表示され、(【0030】)
(d)画像生成部3の合成画像生成部32が、撮像部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成する手法は、(【0037】)
(d1)撮影部5のフロントカメラ51、バックカメラ52及びサイドカメラ53で同時に撮影が行われると、車両9の前方、後方、左側方、及び、右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像P1~P4が取得され、すなわち、撮影部5で取得される4つの撮影画像P1~P4には、撮影時点の車両の全周囲を示す情報が含まれていることになり、(【0038】)
(d2)立体曲面SPが存在する三次元空間に対して、制御部1により仮想視点VPが設定され、仮想視点VPは、視点位置と視野方向とで規定され、この三次元空間における車両9の周辺に相当する任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定され、(【0042】)
(d3)設定された仮想視点VPに応じて、立体曲面SPにおける必要な領域が画像として切り出され、設定された仮想視点VPに応じてポリゴンのモデルに関してレンダリングがなされ、その結果となる二次元の車両の像が、切り出された画像に対して重畳され、これにより、車両9及びその車両9の周辺を任意の仮想視点VPからみた様子を示す合成画像が生成され、(【0043】)
(d4)例えば、視点位置が車両9の位置の略中央の直上位置で、視野方向が略直下方向とした仮想視点VPaを設定した場合は、車両9の略直上から車両9を見下ろすように、車両9及び車両9の周辺の領域を示す俯瞰画像の合成画像CPaが生成され、(【0044】)
(d5)合成画像生成部32は、車両9及び車両9の周辺の領域を示す俯瞰画像の一部分を拡大した部分拡大画像を生成することもでき、俯瞰画像の合成画像CP1は、合成画像CPaと同様に車両9及び車両9の周辺の領域を示し、(【0045】)
(d6)例えば、視点位置を車両9の位置の左前方の上方、かつ車両9に近づけた位置とし、視野方向が略直下方向に仮想視点を設定すると、拡大画像の合成画像CP2が生成され、拡大画像CP2は、俯瞰画像CP1の領域60の部分を拡大する拡大画像であり、(【0046】)
(d7)また、例えば視点位置を車両9の位置の左後方の上方、かつ車両9に近づけた位置とし、視野方向が略直下方向とした仮想視点を設定すると、拡大画像の合成画像CP3が生成され、拡大画像CP3は、俯瞰画像CP1の領域61の部分を拡大する拡大画像であり、(【0046】)
(e)画像表示システム120は、ナビモードや、撮影部5で取得された撮影画像や合成画像生成部32が合成した合成画像を表示するための複数の表示モードを有し、(【0049】)
(e1)操作部22のハードSWやディスプレイ21のタッチパネルに設定されたソフトスイッチ等として設けられた所定のカメラスイッチが操作されると、表示制御部12は、表示モードを状態ST21~ST23間で遷移させ、(【0058】)
(e2)バックモード用2画面表示状態ST21における表示内容は、参照符号V0は、ディスプレイ21上に所定の全画面表示を行う際の表示範囲を示し、所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0を、「全画面V0」を表記し、全画面V0は、ディスプレイ21の表示画面全体であってよく、また、所定の全画面表示においてディスプレイ21の表示画面全体の内側に所定のマージンを設けて全画面V0を表示し、バックモード用2画面表示Dtbは、全画面V0内に第1領域R1及び第2領域R2を有し、表示制御部12は、第1領域R1に、車両9の周辺全体の俯瞰画像CPwの合成画像を表示し、(【0059】)
(e3)表示制御部12は、第1領域R1内の各領域A0~A8のいずれをユーザがタッチしたかに応じて、第2領域R2内の表示画像を切り替え、ユーザがタッチした領域と第2領域R2内の表示画像の対応関係を以下に示すものであり、
(f)バックモード用2画面表示状態ST21において、第1領域R1に表示された俯瞰画像CPwがタッチされた場合の表示切替処理は、俯瞰画像CPwがタッチされた場合に、拡大俯瞰画像を全画面V0に全画面表示し、(【0107】、【0108】)
(f1)オペレーションDAにおいて表示制御部12は、バックモード用2画面表示Dtbをディスプレイ21に表示し、状態ST21に遷移した直後には、デフォルト表示するように指定されたバックカメラ52の撮影画像Pb1が第2領域R2に表示され、(【0109】)
(f2)オペレーションDBにおいて表示制御部12は、カメラSWのタッチによるユーザの入力があったか否かを判定し、カメラSWがタッチされた場合(オペレーションDB:Y)、処理はオペレーションDHへ移行し、(【0110】)
(f3)オペレーションDHにおいて表示制御部12は、表示モードを第1バックカメラ画像表示状態ST22へ遷移させて処理を終了し、(【0110】)
(f4)オペレーションDCにおいて表示制御部12は、ディスプレイ21のタッチパネルの操作により、第1領域R1をタッチするユーザの入力があったか否かを判定し、(【0111】)
(f5)第1領域R1がタッチされた場合(オペレーションDC:Y)、処理はオペレーションDDへ移行し、(【0112】)
(f6)オペレーションDDにおいて合成画像生成部32は、第1領域R1内の分割領域A0~A8のうちユーザによりタッチされた領域を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像を生成し、表示制御部12は、合成画像生成部32が生成した拡大俯瞰画像を全画面表示し、(【0113】)
(f7)オペレーションDEにおいて表示制御部12は、タッチパネルにタッチするユーザの入力があったか否かを判定し、タッチパネルがタッチされた場合(オペレーションDE:Y)、処理はオペレーションDFへ移行し、(【0115】)
(f8)オペレーションDFにおいて表示制御部12は、タッチされた箇所が戻るボタン71でない場合(オペレーションDF:N)、処理はオペレーションDGへ移り、(【0116】)
(f9)オペレーションDGにおいて合成画像生成部32は、タッチされた拡大俯瞰画像上の位置に応じて、全画面表示する拡大俯瞰画像の視点の位置を変更し、(【0117】)
(f10)全画面表示された拡大俯瞰画像CP6は、全画面V0の中心Cの周りに配置された複数の部分領域ALU、ARU、ALD及びARDを含み、(【0120】)
(f11)ユーザにより部分領域ALU、ARU、ALD及びARDがタッチされたことが検出されると、表示制御部12は、タッチされた領域と現在表示中の拡大俯瞰画像の視点の位置に応じて変更後の拡大俯瞰画像の視点の位置を決定し、(【0121】)
(f12)例えば、拡大俯瞰画像CP6の表示中に左上領域ALUがタッチされると、視点は前方へ移動し、車両左側方の領域A4の拡大俯瞰画像CP4が全画面表示される、(【0122】)
(a)画像表示システム120。(【0017】)
2 甲第1号証
(1)甲第1号証の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
甲第1号証には、次の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。
ア 「【0010】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る運転支援装置10の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る運転支援装置10を備える自車両100を示す平面図である。これらの図に示すように、本実施形態に係る運転支援装置10は、運転支援装置10全体の制御を司るECU(Electronic Control Unit)80と、自車両100の周囲を撮像する複数(本実施形態では4個)のカメラ(撮像部)41、42、43、44と、カメラ41、42、43、44により撮影された画像を処理する画像処理ユニット(画像生成部)30と、画像処理ユニット30により処理された画像を表示するディスプレイ(表示部)20と、自車両100の周囲の音を収集する複数(本実施形態では4個)の集音用のマイク(集音部)61、62、63、64と、マイク61、62、63、64により収集された音を処理する音声処理ユニット50と、音声処理ユニット50により処理された音を発するスピーカ(発音部)70とを備えている。」
イ 「【0013】カメラ41~44は、画角が180°の広角撮影用のカメラである。カメラ41は、車両前方を180°の画角で撮像する。また、カメラ42は、車両左方を180°の画角で撮像する。また、カメラ43は、車両後方を180°の画角で撮像する。さらに、カメラ44は、車両右方を180°の画角で撮像する。画像処理ユニット30は、カメラ41~44により撮影された画像を座標変換(視点変換)して、運転席を仮想視点として見た車両の周囲の画像を作成する。画像処理ユニット30は、撮影画像と座標変換後の画像との画素配置対応関係を記憶した変換テーブルを、各カメラ41~44毎に有しており、各カメラ41~44により撮影された画像を、それぞれの変換テーブルに基づいて座標変換する。また、画像処理ユニット30は、作成した画像のデータを、順次、ディスプレイ20に送信する。」
ウ 「【0019】また、車両前方のマイク61が車両前方の音を収集し、車両左方のマイク62が車両左方の音を収集する。音声処理ユニット50は、マイク61、62が収集した音を合成して、画像処理ユニット30が作成した画像がディスプレイ20に表示されるのと同時にスピーカ70から発生させる。図5は、本ステップにおいてディスプレイ20に表示される映像を示す画像図である。この図に示すように、ディスプレイ20には、運転席を仮想視点として見た車両左前方の車外映像I1のみならず、運転席に設定された仮想視点の左前方の車内映像I2をも表示する表示部21と、俯瞰映像I4を表示する表示部22と、撮影位置を示す位置情報を表示する表示部23とが設けられている。【0020】表示部21は、車内映像I2を表示部21の全面に表示し、車外映像I1を車内映像I2の左側に重ねて表示する。自車両100の左前方には車両101、102が位置するので、これらが、車外映像I1として表示部21に表示される。ここで、表示部21は、車内映像I2における車外映像I1と重なる領域I3を、透過映像として表示する。また、表示部22は、車両左前方の俯瞰映像I4を表示する。さらに、表示部23は、撮影位置である車両左前方に相当する部分を赤色等、その他の部分とは異なる色で表示する。」
エ 「【図5】[図:0001391972000008.jpg]」
オ 「【0043】また、車両前方のマイク61が車両前方の音を収集する。音声処理ユニット50は、マイク61が収集した音を、画像処理ユニット30が作成した画像がディスプレイ20に表示されるのと同時にスピーカ70から音を発生させる。次に、ステップ122では、ECU80が、表示部23のタッチパネルが操作されたか否かを判定し、判定が肯定された場合には、ステップ124へ移行する一方、判定が否定された場合にはステップ126へ移行する。【0044】ここで、表示部23のタッチパネルは、車両前方、車両左前方、車両左方、車両左後方、車両後方、車両右後方、車両右方、及び車両右前方をそれぞれ指定する複数の操作キーを備えている。ステップ124において、ECU80は、表示部23のタッチパネルの操作キーにより撮影位置が指定された場合に、当該撮影位置に最も近接された座席を仮想視点として見た当該撮影位置の画像と、自車両100の上方を仮想視点として見た当該撮影位置の俯瞰画像とを、画像処理ユニット300に作成させる。例えば、ECU80は、表示部23のタッチパネルの車両左後方を指定する操作キーが操作された場合に、助手席側後部座席を仮想視点として見た車両左後方の画像と、自車両100の上方を仮想視点として見た車両左後方の俯瞰画像とを、画像処理ユニット300に作成させる。」※合議体注:「画像処理ユニット300」は、「画像処理ユニット30」の誤記と認められる。
カ 「【図4】[図:0001391972000009.jpg]」
(2)甲1技術
上記ア~カに摘記した記載事項から、甲第1号証には、次の技術(以下、「甲1技術」という。)が記載されていると認められる。
なお、符号g~l2は、説明のため当審で付与したものであり、以下、構成g~構成l2と称する。また、各構成の末尾に対応する段落番号を付した。
(甲1技術)
(g)運転支援装置10は、運転支援装置10全体の制御を司るECU80と、自車両100の周囲を撮像する複数のカメラ(撮像部)41、42、43、44と、カメラ41、42、43、44により撮影された画像を処理する画像処理ユニット30と、画像処理ユニット30により処理された画像を表示するディスプレイ20とを備え、(【0010】)
(h)画像処理ユニット30は、カメラ41~44により撮影された画像を座標変換(視点変換)して、運転席を仮想視点として見た車両の周囲の画像を作成し、作成した画像のデータを、順次、ディスプレイ20に送信し、(【0013】)
(i)ディスプレイ20には、運転席を仮想視点として見た車両左前方の車外映像I1のみならず、運転席に設定された仮想視点の左前方の車内映像I2をも表示する表示部21と、俯瞰映像I4を表示する表示部22と、撮影位置を示す位置情報を表示する表示部23とが設けられ、(【0019】)
(j1)また、表示部22は、車両左前方の俯瞰映像I4を表示し、(【0020】)
(j2)さらに、表示部23は、撮影位置である車両左前方に相当する部分を赤色等、その他の部分とは異なる色で表示し、(【0020】)
(k)ここで、表示部23のタッチパネルは、車両前方、車両左前方、車両左方、車両左後方、車両後方、車両右後方、車両右方、及び車両右前方をそれぞれ指定する複数の操作キーを備えており、(【0044】)
(l1)ECU80は、表示部23のタッチパネルの操作キーにより撮影位置が指定された場合に、自車両100の上方を仮想視点として見た当該撮影位置の俯瞰画像とを、画像処理ユニット30に作成させ、(【0044】)
(l2)例えば、ECU80は、表示部23のタッチパネルの車両左後方を指定する操作キーが操作された場合に、自車両100の上方を仮想視点として見た車両左後方の俯瞰画像とを、画像処理ユニット30に作成させる、(【0044】)
技術。
3 甲第3号証及び甲第4号証
(1)甲第3号証の記載事項
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甲第3号証の段落【0028】の記載から、甲第3号証には、次の技術事項が記載されている。
(甲3記載事項)
携帯端末10が行う接触操作制御処理は、携帯端末10に画像を表示させた場合に、その表示画像に対してユーザが行う各接触操作(タップ、ドラッグ、フリック等)を認識し、その接触操作に対応した処理を実行する処理であって、
携帯端末10の操作に用いる主な接触操作として、フリック、ピンチインがあり、フリックは、タッチパネル120を指ではじくような接触操作であり、一般的に、フリックは、表示部122に表示されている表示画像をスクロールさせる場合に用い、ピンチインは二本の指でタッチパネル120を押さえ、その指の間隔を狭める接触操作であり、一般的にピンチインは、表示画像を縮小表示させるときに用いる。
(2)甲第4号証の記載事項
甲第4号証の段落【0033】の記載から、甲第4号証には、次の技術事項が記載されている。
(甲4記載事項)
端末装置1が備える受付部12は、地図情報を出力する指示である出力指示を受け付け、これらの指示は、通常、端末装置1へのユーザの操作によるものであり、
当該操作は、例えば、端末装置1が備えるタッチパネルへのフリック操作、ピンチイン操作などである。
(3)甲第3号証及び甲第4号証に記載の周知技術
上記ア及びイの記載事項から、甲第3号証及び甲第4号証には次の周知技術(以下、「甲3,4周知技術」という。)が記載されているものと認められる。
(甲3,4周知技術)
端末装置の画像を表示するタッチパネルにおいて、ユーザが行う接触操作及び出力操作は、フリック操作又はピンチイン操作とする技術。
4 甲第5号証
甲第5号証の「3.1 インタフェース概要」及び「3.2.2 仮想カメラ制御方法」の記載から、甲第3号証には、次の技術が記載されている。
(甲5記載技術)
「画像を指でなぞることで仮想カメラを操作し、仮想カメラの位置及び姿勢は、視点位置と注視点位置を結ぶ3次元ベクトルを与えることで設定し、ディスプレイ上で指を動かすことで仮想カメラを操作し、一本の指をディスプレイ上で平行移動させる操作によって、視点(仮想カメラ)の位置や注視点を制御し、2本の指の間の拒理を拡大縮小させる操作によって、仮想カメラをその光軸方向に移動させ、被写体の観測サイズの調整をするマルチタッチディスプレイを用いた自由視点映像閲覧インタフェース。」
5 甲第6号証
(1)甲第6号証の記載事項
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甲第6号証には、次の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。
ア 「【0001】本発明は、画像情報提供装置およびその方法に関する。【背景技術】【0002】続きを表示(全17行)たとえば、駐車中といったように、車両のユーザが車両から離れているような場合には、車両や車内の物品が盗まれたり、誤って車両を傷つけられまたは衝突されたりといったように、ユーザが認識し得ない種々の異常が車両に生じることがある。【0003】たとえば、特許文献1には、車両から離れているユーザに対して、車両の現況や異常発生状況の確認を行えるようにした車両監視装置が開示されている。この車両監視装置は、一定時間ごとに、車両において衝突や盗難等といった異常が生じているか否かを検出する。車両監視装置は、異常を検出した場合、車両の屋根に取り付けられた複数のカメラによって車両の外観を撮影することにより、複数の画像からなる画像データを取得し、この画像データをユーザの保有する携帯電話機に転送する。これにより、ユーザは携帯電話機の表示画面上で画像データを確認することができる。【先行技術文献】【特許文献】【0004】【特許文献1】特開2003-317177号公報【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0005】しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、複数のカメラから得られた画像のそれぞれがユーザに表示されるため、車両のどこに異常が生じているのかをユーザが素早く認識することが難しいといった不都合がある。【0006】本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、提供される画像情報から、ユーザが車両に生じている異常を容易に認識するができるように画像情報を作成することである。」
イ 「【0010】(第1の実施形態)図1は、本実施形態にかかる画像情報提供装置の構成を模式的に示す説明図である。この画像情報提供システムは、ユーザが車両Caから離れているような場合(例えば、駐車場への駐車中)において、車両Caに異常が生じた際に、ユーザに画像情報としての車両周囲画像Pacを提供するシステムである。ここで、車両周囲画像Pacは、仮想視点を適切に設定することにより、車両Caに生じている異常を含んた状態で車両Caを眺めたように作成される画像であり、その詳細については後述する。車両Caに生じる異常としては、不審者もしくは不審物が近づいたこと、ドアが無断で開けられたこと、窓ガラスが割られたこと、車内へ侵入されること、車両を傷つけられたこと、衝突されたことといったように、ユーザの了知し得ない車両に対する異常および異常が生じ得る可能性をいう。【0011】画像情報提供装置は、車両Caに搭載される本体装置1を主体に構成されている。本体装置1は、異常を検出する機能、車両周囲画像を作成する機能および車両周囲画像を送信する機能を有している。【0012】本体装置1は、ユーザが保有する外部装置2と通信可能に構成されている。外部装置2は、画像情報を受信する機能およびその画像情報を提示する機能を有しており、例えば、携帯電話や、通信機能付きの携帯情報端末(PAD:Personal Digital Assistant)などを用いることができる。本体装置1は、外部装置2との間で情報を直接的に送受信してもよいし、本体装置1と外部装置2との間に通信サーバ3を設けてこの通信サーバ3を介して外部装置2との間で情報を送受信してもよい。」
ウ 「【図1】[図:0001391972000010.jpg]」
エ 「【0030】図4は、外部装置2の構成を模式的に示すブロック図である。外部装置2は、本体装置1から送信される車両周囲画像Pacを受信し、この受信した車両周囲画像Pacをユーザに提示(表示)する。外部装置2は、制御ユニット20と、入力部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24とを有している。【0031】制御ユニット20は、装置全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、車両周囲画像Pacの受信および表示を行う。制御ユニット20としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。制御ユニット20には、入力部21、表示部22、通信部23および記憶部24がそれぞれ接続されている。【0032】入力部21は、例えば、キーボード、表示部22上に付設されたタッチパネル、スイッチ等、あるいはこれらの組み合わせで構成されている。ユーザは、キーボード、タッチパネル、スイッチの操作を通じて、各種の入力操作や選択操作を行うことができる。例えば、ユーザは、入力部21を操作することにより、車両周囲画像Pacの作成を要求するリクエスト信号を本体装置1に送信することで、車両周囲画像Pacの作成を本体装置1に依頼することができる。この場合、本体装置1により作成された車両周囲画像Pacは、外部装置2が受信することでこれを表示部22に表示してもよいし、必要な場所に格納しておいてもよい。車両周囲画像Pacの格納場所としては、本体装置1の記憶部14であってもよいし、外部装置2の記憶部24としてもよいし、通信サーバ3であってもよい。これにより、ユーザが自分の希望するタイミングで車両周囲画像Pacを取得できたり、事後的に車両周囲画像Pacを取得することができる。【0033】表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、制御ユニット20によって制御され、受信した車両周囲画像Pacをユーザに表示する。【0034】通信部23は、外部装置2が本体装置1または通信サーバ3と通信するため機能を担っている。通信部23による装置間の通信としては、移動通信機、携帯電話または自動車電話といった公衆通信網を用いた手法を挙げることができる。ただし、これ以外にも、無線LAN(Local Area Network)や、狭域通信を利用してもよい。」
オ 「【図4】[図:0001391972000011.jpg]」
カ 「【0070】本実施形態において、外部装置2の制御ユニット20は、これを機能的に捉えた場合、マッピング部20a、仮想視点計算部20b、視点変換部20cおよび合成部20dを有している。これらの機能は、第1の実施形態に示す本体装置1におけるマッピング部10c、仮想視点計算部10d、視点変換部10eおよび合成部10fと同様の機能を担っている。すなわち、制御ユニット20は、マッピング部10cから合成部10fの各機能により、所定の仮想視点を基準とした車両周囲画像Pacを作成することができ、また、自ら作成した車両周囲画像Pacを表示部22に表示することができる。【0071】制御ユニット20は、ユーザの操作を通じて入力部21から車両周囲画像Pacの作成要求を認識すると、これにともない通信部23がリクエスト信号を本体装置1に対して送信する。本体装置1において、通信部13がリクエスト信号を受信すると、制御ユニット10(画像データ処理部10a)は、個々のカメラ11a~11dにより撮影された画像データを読み込む。そして、通信部13は、読み込んだ画像データを外部装置2に対して送信する。そして、外部装置2において、通信部23が画像データを受信した場合には、制御ユニット20は画像データのそれぞれに基づいて車両周囲画像Pacを作成する。【0072】この場合、車両周囲画像Pacを作成する上で必要となる仮想視点は、予め設定された基準方向および基準位置を用いてもよいし、車両周囲画像Pacの取得要求を認識した際に、ユーザに仮想視点の位置および方向を指定させてもよい。【0073】また、外部装置2は、受信した画像データをもとに、ユーザによる入力部21の操作を通じて仮想視点の位置および方向を適宜変更さることにより、車両周囲画像Pacの仮想視点を適宜変更してもよい。【0074】一方、本体装置1において、制御ユニット10が外部装置2からリクエスト信号を受信した場合には、制御ユニット10(異常判断部10b)は、異常検出部12を構成する物体検出センサおよび衝撃検出センサからセンサ信号を読み込んでもよい。この場合、異常判断部10bは、異常検出部12からのセンサ信号に基づいて、異常が発生しているか否かを判断する。異常判断部10bが車両Caに異常が生じていると判断した場合には、画像データ処理部10aは、通信部23を介して各画像データとともに異常検出部12の検出結果を外部装置2に送信する。これにより、外部装置2は、異常検出部12の検出結果および画像データに基づいて、車両Caに生じている異常が含まれるように車両周囲画像Pを作成することができる。」
(2)甲6技術
上記ア~カに摘記した事項から、甲第6号証には、次の技術(以下、「甲6技術」という。)が記載されているものと認められる。
なお、符号m~p10は、説明のために当審で付与したものであり、以下、構成m~構成p10と称する。また、各構成の末尾に対応する段落番号を付した。
(甲6技術)
(m)提供される画像情報から、ユーザが車両に生じている異常を容易に認識するができるように画像情報を作成することを目的とし、(【0006】)
(n)ユーザが車両Caから離れているような場合(例えば、駐車場への駐車中)において、車両Caに異常が生じた際に、ユーザに画像情報としての車両周囲画像Pacを提供する画像情報提供システムにおいて、(【0010】)
(o1)画像情報提供装置は、車両Caに搭載される本体装置1を主体に構成され、(【0011】)
(o2)本体装置1は、ユーザが保有する外部装置2と通信可能に構成され、外部装置2は、画像情報を受信する機能およびその画像情報を提示する機能を有しており、例えば、携帯電話や、通信機能付きの携帯情報端末などを用いることができ、(【0012】)
(p1)外部装置2は、制御ユニット20と、入力部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24とを有し、(【0030】)
(p2)制御ユニット20は、装置全体を統合的に制御する機能を担っており、制御ユニット20には、入力部21、表示部22、通信部23および記憶部24がそれぞれ接続され、(【0031】)
(p3)入力部21は、例えば、キーボード、表示部22上に付設されたタッチパネル、スイッチ等、あるいはこれらの組み合わせで構成され、ユーザは、キーボード、タッチパネル、スイッチの操作を通じて、各種の入力操作や選択操作を行うことができ、(【0032】)
(p4)表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、(【0033】)
(p5)通信部23は、外部装置2が本体装置1または通信サーバ3と通信するため機能を担っており、(【0034】)
(p6)外部装置2の制御ユニット20は、これを機能的に捉えた場合、マッピング部20a、仮想視点計算部20b、視点変換部20cおよび合成部20dを有し、制御ユニット20は、マッピング部10cから合成部10fの各機能により、所定の仮想視点を基準とした車両周囲画像Pacを作成することができ、また、自ら作成した車両周囲画像Pacを表示部22に表示することができ、(【0070】)
(p7)本体装置1において、制御ユニット10(画像データ処理部10a)は、個々のカメラ11a~11dにより撮影された画像データを読み込み、読み込んだ画像データを外部装置2に対して送信し、そして、外部装置2において、通信部23が画像データを受信した場合には、制御ユニット20は画像データのそれぞれに基づいて車両周囲画像Pacを作成し、(【0071】)
(p8)この場合、車両周囲画像Pacを作成する上で必要となる仮想視点は、予め設定された基準方向および基準位置を用いてもよいし、車両周囲画像Pacの取得要求を認識した際に、ユーザに仮想視点の位置および方向を指定させてもよく、(【0072】)
(p9)また、外部装置2は、受信した画像データをもとに、ユーザによる入力部21の操作を通じて仮想視点の位置および方向を適宜変更さることにより、車両周囲画像Pacの仮想視点を適宜変更してもよい、(【0073】)
(p10)本体装置1において、制御ユニット10(異常判断部10b)は、異常検出部12からのセンサ信号に基づいて、異常が発生しているか否かを判断し、異常判断部10bが車両Caに異常が生じていると判断した場合には、画像データ処理部10aは、通信部23を介して各画像データとともに異常検出部12の検出結果を外部装置2に送信し、これにより、外部装置2は、異常検出部12の検出結果および画像データに基づいて、車両Caに生じている異常が含まれるように車両周囲画像Pを作成することができる、(【0074】)
外部装置2。(【0030】)
6 甲第7号証
(1)甲第7号証の記載事項
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本件特許出願の遡及出願日前に出願された他の特許出願の公開公報である甲第7号証には、図面と共に次の事項が記載されている。
なお、下線は強調のために当審で付したものである。
ア 「【0019】<1.本発明の実施形態に係る画像データ再生装置の構成の概略>図1は、本発明の実施形態に係る画像データ再生装置1の構成を示すブロック図である。まず、この図を用いて、本発明の実施形態に係る画像データ再生装置1の構成の概略を説明する。画像データ再生装置1は、分離部2と、視点画像生成部3と、視点情報解析部4と、視点決定部5と、個別視点情報生成部6とを具備している。【0020】続きを表示(全14行)なお、画像データ再生装置1の具体的な例として、例えば、DVD、Bluray(登録商標)Discなどに代表される光磁気ディスク、USBメモリやSD(登録商標)カードなどに代表される半導体メモリ等の電子媒体から、コンテンツデータを読み込み、再生する装置であってもよい。また、TV放送の放送波を受信するテレビ信号受信装置、インターネットや、その他の通信回線から配信されるコンテンツデータを受信する装置であってもよい。あるいは、ブルーレイ(Blu-ray(登録商標))ディスクプレイヤーなどの外部機器からの画像信号を受け付けるHDMI(登録商標)(High-Definition MultimediaInterface)レシーバなどで構成しても構わない。すなわち、外部からコンテンツデータの入力を受け、入力されたコンテンツデータを再生するための装置であれば、どのような装置であっても構わない。【0021】<2.本発明の実施形態に係る画像データ再生装置の構成要素の詳細な説明>分離部2は、画像データ再生装置1に、外部からコンテンツデータの入力を受け付け、そのコンテンツデータから、アップ画面用データと、ゴール前画面用データと、スタジアム画面用データと、視点情報とを分離して出力するための装置である。【0022】ここで、分離部2が受け付けるコンテンツデータについて図面を用いて詳細に説明する。図2は、コンテンツデータの構成の一例を示す図である。図2において、コンテンツデータは、例えば、アップ画面用データ、ゴール前画面用データ、スタジアム画面用データのうちの少なくとも1つ以上の画像データと、視点情報とを含んで構成されている。なお、アップ画面用データと、ゴール前画面用データと、スタジアム画面用データと、視点情報については後述する。分離部2は、入力されたコンテンツデータから、視点情報を視点情報解析部4に出力し、少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前画面用データ、スタジアム画面用データ)を視点画像生成部3に出力する。【0023】ここで、視点画像生成部3は、分離部2から出力された少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前画面用データ、スタジアム画面用データ)のうちの、視点決定部5から出力された視点選択情報により指定された画像データを用いて、後述の視点画像を生成し、その視点画像を出力する。視点選択情報の詳細については後述するが、少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前画面用データ、スタジアム画面用データ)のうち、どの画像データを用いて、どのような視点で画像を生成するかを指定する情報であり、ユーザにより外部から入力される。【0024】ここで、画像データ再生装置1において、アップ画面用データを再生したときに表示される表示画面をアップ画面とし、また、ゴール前画面用データを再生したときに表示される表示画面をゴール前画面とし、さらに、スタジアム画面用データを再生したときに表示される表示画面をスタジアム画面とする。」
イ 「【図1】[図:0001391972000012.jpg]【図2】[図:0001391972000013.jpg]」
ウ 「【0025】次に、アップ画面について図面を用いて説明する。図3は、アップ画面の一例を示す図である。図3において、アップ画面8の一部分、例えばアップ画面8の右上に表示される表示エリア9には、現在の表示画面の名称を表す「アップ画面」が表示されている。このとき、アップ画面8の他の一部分、例えばアップ画面8の右下に表示される表示選択画面ダイアログ10には、切り替え可能な表示画面の名称を表す「スタジアム画面」と「ゴール前画面」とが表示されており、ユーザが外部から切り替えの指示を入力することにより、スタジアム画面、またはゴール前画面に、表示を切り替えることができる。【0026】ここで、アップ画面用データについて説明する。アップ画面用データは、例えば、カメラの画角内に存在する、被写体の3次元モデルとそのテクスチャを含んで構成されている。このときのアップ画面用データに含まれるテクスチャ付きの3次元モデルは、コンピュータグラフィック(以下、CGと呼ぶ)で作成されたものであっても構わないし、複数のカメラを用いて、被写体を複数の方向から撮影した画像から、特徴点を算出し、特徴点マッチングを行ない、3次元モデルを生成し、生成した3次元モデルにテクスチャを張り付けるといった一般的な手法で生成されたものであっても構わない。続きを表示(全13行)【0027】例えば、近年、被写体を複数の方向から撮影した画像を、クラウド上のサーバにアップロードし、テクスチャ付きの3次元モデルを生成・配信するサービスが始まっており、分離部2が取り扱うコンテンツデータを、そのような配信サービスで取り扱っているデータとしても構わないし、その他のフォーマットのデータであっても構わない。なお、これらアップ画面用データのフォーマットについては、本発明とは直接関係がないため、その詳細な説明は省略する。【0028】例えば、視点選択情報が、アップ画面データを用いた視点情報を示す場合、視点画像生成部3は、アップ画面用データを用いて、カメラの視点を指定し、レンダリングを行ない、アップ画面を生成する。【0029】また、このときの3次元モデルは、TOF(TimeofFlight)方式などのデプスカメラで撮影した点群のデプスデータや、2枚の画像からステレオマッチングにより算出した視差マップ画像から、それぞれ、もしくはそれらを組み合わせることにより、生成しても構わない。【0030】さらに、このアップ画面用データの別の構成例として、3次元モデルとテクスチャ以外の構成として、もっと簡易な構成であっても構わない。例えば、被写体を複数の方向から撮影した多視点画像を含んで構成されたものでも構わない。この場合のアップ画面は、カメラの視点を指定して、カメラの視点に最も近い視点の画像を、多視点画像から選択することにより、または、多視点画像から視点補間を行なって新たに生成することにより、生成する。」
エ 「【図3】[図:0001391972000014.jpg]」
オ 「【0036】次に、ゴール前画面について図面を用いて説明する。図5は、ゴール前画面の一例を示す図である。図5において、ゴール前画面12の一部分、例えばゴール前画面12の右上に表示される表示エリア9には、現在の表示画面の名称を表す「ゴール前画面」が表示されている。このとき、ゴール前画面12の他の一部分、例えばゴール前画面12の右下に表示される表示選択画面ダイアログ10には、切り替え可能な表示画面の名称を表す「スタジアム画面」と「アップ画面」とが表示されており、ユーザが外部から切り替えの指示を入力することにより、スタジアム画面、またはアップ画面に、表示を切り替えることができる。【0037】ここで、ゴール前画面用データについて説明する。ゴール前画面用データは、ゴール付近で撮影された複数の撮影画像を結合して生成されたパノラマ画像である。なお、このときのパノラマ画像の生成については、複数の撮影画像の特徴点を抽出する等により、画像のサイズや位置合わせなどを行ない、生成するといった、汎用の手法で構わず、本発明とは直接関係がないため、その詳細な説明は省略する。【0038】例えば、視点選択情報が、ゴール前画面データを用いた視点情報を示す場合、視点画像生成部3は、ゴール前画面用データを用いて、ゴール前画面を生成する。このときのゴール前画面は、指定されたカメラの視点に合わせ、ゴール前画面用データの一部を切り出したり、全体が映るように縮小したりすることにより、生成される。」
カ 「【図5】[図:0001391972000015.jpg]」
キ 「【0063】<3-1.全体動作>図11は、画像データ再生装置1の動作を示すフローチャートである。【0064】続きを表示(全58行)ステップS1において、画像データ再生装置1の分離部2に、コンテンツデータが入力される。分離部2は、入力されたコンテンツデータから、少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前用画面データ、スタジアム画面用データ)を分離し、視点画像生成部3に出力する。これと同時に、分離部2は、入力されたコンテンツデータから、視点情報を分離し、視点情報解析部4に出力する。次に、画像データ再生装置1の動作はステップS2に移行する。【0065】ステップS2において、視点情報解析部4は、分離部2から出力された視点情報を解析し、その視点情報に含まれる、少なくとも1つ以上の個別視点情報を抽出し、視点種別情報がデフォルトである個別視点情報を示す解析結果と、視点情報に含まれる個別視点情報とを視点決定部5に出力する。次に、画像データ再生装置1の動作はステップS3に移行する。【0066】ステップS3において、視点決定部5は、視点情報解析部4から出力された個別視点情報の中から、視点情報解析部4から出力された解析結果に基づく1つの個別視点情報を選択する。この場合、視点決定部5は、視点情報解析部4から出力された個別視点情報の中から、視点種別情報がデフォルトである個別視点情報を選択する。視点決定部5は、選択された個別視点情報を視点選択情報として生成し、視点画像生成部3に出力する。次に、画像データ再生装置1の動作はステップS4に移行する。【0067】ステップS4において、視点画像生成部3は、分離部2から出力された少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前用画面データ、スタジアム画面用データ)と、視点決定部5から出力された視点選択情報とを入力し、少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前用画面データ、スタジアム画面用データ)のうちの、視点選択情報により指定された1つの画像データを用いて、そのときの視点選択情報の示す視点の画像を視点画像として生成し、出力する。次に、画像データ再生装置1の動作は判定ステップS5に移行する。【0068】なお、ユーザは、画像データ再生装置1の出力に表示装置7を接続することにより、このとき生成された視点画像を視聴することができる。【0069】判定ステップS5において、視点決定部5は、少なくとも1つ以上の画像データ(アップ画面用データ、ゴール前用画面データ、スタジアム画面用データ)のうち、いずれか1つの画像データを選択し、選択した画像データを用いて作成した画面を表示することを示す表示指定情報を、ユーザが入力したか否かを判定する。ここで、ユーザが、表示指定情報を入力した場合は、画像データ再生装置1の動作はステップS6に移行し、そうでない場合、画像データ再生装置1の動作は判定ステップS7に移行する。【0070】ステップS6において、視点決定部5は、表示指定情報の示すデータの種類に合わせ、視点選択情報の画面情報を修正し、修正された視点選択情報を出力して、画像データ再生装置1の動作は判定ステップS7に移行する。【0071】判定ステップS7において、視点決定部5は、現在の視点を任意に変更するためのカスタム視点を、ユーザが入力したか否かを判定する。ここで、ユーザが、カスタム視点を入力した場合は、画像データ再生装置1の動作はステップS8に移行し、そうでない場合、画像データ再生装置1の動作はステップS9に移行する。【0072】ステップS8において、視点決定部5は、ユーザが入力したカスタム視点の情報(後述のユーザ注視点情報、ユーザカメラ位置情報、ユーザカメラ上方向情報)に合わせ、視点選択情報に含まれるカメラ情報を修正し、修正された視点選択情報を個別視点情報生成部6に出力する。次に、画像データ再生装置1の動作はステップS9に移行する。なお、ユーザ注視点情報と、ユーザカメラ位置情報と、ユーザカメラ上方向情報については後述する。【0073】ステップS9において、個別視点情報生成部6に視点選択情報が入力され、個別視点情報生成部6は、入力された視点選択情報に対して、現在の時刻情報と、視点を入力したユーザ属性情報とを追加することにより、新たに個別視点情報I2を生成し、ユーザ属性付加個別視点情報として出力する。次に、画像データ再生装置1の動作は判定ステップS10に移行する。個別視点情報I2については、後述する。【0074】このとき、個別視点情報生成部6から出力されたユーザ属性付加個別視点情報は、画像データ再生装置1内に含まれる図示しない記憶装置に、蓄積、記憶しても構わないし、インターネット等の通信網を介して、ユーザ属性付加個別視点情報を集計するクラウド上のサーバである視点情報生成装置に送信しても構わない。視点情報生成装置は、各ユーザから送信、蓄積されたユーザ属性付加個別視点情報のデータベースを構築して、集計されたユーザ属性付加個別視点情報に対して分析を行ない、各種統計をとった後、特定のグループ単位で生成したユーザ属性付加個別視点情報を生成する装置であり、視点情報生成装置は、新たに生成したユーザ属性付加個別視点情報を、コンテンツデータ内の視点情報に新たに追加して送信する。視点情報生成装置については後述する。【0075】このようにして、ユーザは、コンテンツデータが、複数の個別視点情報を持つ場合、ユーザは、どの個別視点情報による視点で表示を行なうかを選択することができる。【0076】また、ユーザ属性付加個別視点情報を、クラウドサーバに集約し、統計を取って生成した個別視点情報を、新たな個別視点情報として、リアルタイムで追加することができる。【0077】判定ステップS10において、画像データ再生装置1の分離部2は、入力されたコンテンツデータの最終フレームを再生したか否かを判定する。ここで、最終フレームを再生した場合は、画像データ再生装置1の動作は終了し、そうでない場合、画像データ再生装置1の動作はステップS4に移行する。【0078】<3-2.判定ステップS7の処理>次に、判定ステップS7について詳細に説明する。【0079】図12は、判定ステップS7において、視点決定部5の動作を示すフローチャートである。【0080】判定ステップS11において、視点決定部5は、ユーザがカスタム視点の入力を開始したか否かを判定する。ここで、ユーザが、カスタム視点を入力した場合は、視点決定部5の動作は、判定ステップS12に移行し、そうでない場合、視点決定部5の動作はステップS8に移行する。【0081】判定ステップS12において、視点決定部5は、ユーザが注視点を選択したか否かを判定する。ここで、注視点を選択した場合は、視点決定部5の動作は、ステップS13に移行し、そうでない場合、視点決定部5の動作はステップS14に移行する。【0082】ステップS13において、視点決定部5は、ユーザは注視点を入力し、視点決定部5の動作はステップS15に移行する。【0083】ここで、ユーザが注視点を入力する際の方法について説明する。注視点とは、視点を切り替える際の中心となる点である。例えば、ユーザが視点を回転させたい場合、注視点を中心に、視点を回転させる。図13は、アップ画面において、ユーザが任意の注視点を入力する際の様子を説明する図である。【0084】ここで、説明の簡略化のため、例えば、スマートフォンやタブレットのようなタッチパネル機能を持つ表示機器に画像が表示されている場合について説明する。【0085】またここで、カメラの初期位置は、図9のカメラ17と同じ位置とする。図13において、ユーザは、アップ画面19内のボール20を、指先21でタッチして、注視点としたい場所を画面上で選択する。ここで、世界座標における、画面上の選択された位置にある被写体であるボール20の位置が、ユーザ注視点情報として生成される。ユーザ注視点情報は、ユーザによりカスタマイズ化された注視点位置情報であり、視点選択情報内のカメラ情報における注視点位置情報を修正する際に用いられる。【0086】なお、このとき、選択された注視点が、ユーザに目で見て分かるように、注視点の周りの領域を点線22のように囲って表示しても構わない。このようにして、ユーザは注視点を選択する。【0087】ステップS15において、視点決定部5は、ユーザは回転角を入力し、視点決定部5の動作は判定ステップS16に移行する。【0088】ここで、ユーザが回転角を入力する際の方法について説明する。【0089】下記の説明では、簡略化のため、回転方向を水平方向のみとした場合について説明する。回転角とは、ユーザが注視点を中心にして、注視点からカメラまでの距離を変えずに、カメラの位置を回転させる場合の回転の角度であり、視点を回転させる場合は、注視点を中心に視点を回転させる。図14は、アップ画面において、ユーザが任意のカメラ位置を入力する際の様子を説明する図である。図14において、ユーザは、指先21で、アップ画面19上の点23にタッチして、点24の位置まで、水平に、左から右に動かすよう、画面をフリックする。このときのフリックの量にあわせて、回転角を生成設定し、ボール20を注視点として、設定した回転角で回転させた場合の画面を表示する。【0090】画面上を、水平に、左から右にフリックした場合は、真上から見て、カメラは反時計回りに回転させ、画面上を、右から左にフリックした場合は、真上から見て、カメラは時計回りに回転させる(これをインターフェース1とする)。このとき、画面上を、左から右にフリックした場合は、真上から見て、カメラは時計回りに回転し、画面上を、右から左にフリックした場合は、真上から見て、カメラは反時計回りに回転させても構わない(これをインターフェース2とする)。インターフェース1と、インターフェース2は、インターフェースの設計の違いであり、フリックの向きに合わせて、カメラを動かしたかのようにユーザに見せたい場合はインターフェース1を、オブジェクト全体を動かしたかのようにユーザに見せたい場合はインターフェース2を選択すればよく、それらをユーザの好みに合わせ、切り替えられるようにしても構わない。」
ク 「【図11】[図:0001391972000016.jpg]【図12】[図:0001391972000017.jpg]【図13】[図:0001391972000018.jpg]【図14】[図:0001391972000019.jpg]」
(2)甲7発明
上記ア~クに摘記した記載事項から、甲第7号証には、次の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されていると認められる。
符号a~f9は説明のため当審で付与したものであり、以下、構成a~構成f9と称する。また、各構成の末尾に対応する段落番号を付した。
(甲7発明)
(a)分離部2と、視点画像生成部3と、視点情報解析部4と、視点決定部5と、個別視点情報生成部6とを具備する画像データ再生装置1であって、(【0019】)
(b1)分離部2は、画像データ再生装置1に、外部からコンテンツデータの入力を受け付け、そのコンテンツデータから、アップ画面用データと、ゴール前画面用データと、スタジアム画面用データと、視点情報とを分離して出力し、(【0021】)
(b2)コンテンツデータは、アップ画面用データ、ゴール前画面用データ、スタジアム画面用データと、視点情報とを含んで構成されており、(【0022】)
(b3)分離部2は、入力されたコンテンツデータから、視点情報を視点情報解析部4に出力し、画像データ(アップ画面用データ、ゴール前画面用データ、スタジアム画面用データ)を視点画像生成部3に出力し、(【0022】)
(c1)アップ画面8の右上に表示される表示エリア9には、現在の表示画面の名称を表す「アップ画面」が表示されており、(【0025】)
(c2)アップ画面8の右下に表示される表示選択画面ダイアログ10には、切り替え可能な表示画面の名称を表す「スタジアム画面」と「ゴール前画面」とが表示されており、ユーザが外部から切り替えの指示を入力することにより、スタジアム画面、またはゴール前画面に、表示を切り替えることができ、(【0025】)
(d1)視点選択情報が、アップ画面データを用いた視点情報を示す場合、視点画像生成部3は、アップ画面用データを用いて、カメラの視点を指定し、レンダリングを行ない、アップ画面を生成し、(【0028】)
(d2)被写体を複数の方向から撮影した多視点画像を含んで構成されたものの場合のアップ画面は、カメラの視点を指定して、カメラの視点に最も近い視点の画像を、多視点画像から選択することにより、または、多視点画像から視点補間を行なって新たに生成することにより、生成され、(【0030】)
(e1)ゴール前画面12の右上に表示される表示エリア9には、現在の表示画面の名称を表す「ゴール前画面」が表示されており、(【0036】)
(e2)ゴール前画面12の右下に表示される表示選択画面ダイアログ10には、切り替え可能な表示画面の名称を表す「スタジアム画面」と「アップ画面」とが表示されており、ユーザが外部から切り替えの指示を入力することにより、スタジアム画面、またはアップ画面に、表示を切り替えることができ、(【0036】)
(e3)ゴール前画面用データは、ゴール付近で撮影された複数の撮影画像を結合して生成されたパノラマ画像であり、(【0037】)
(e4)視点選択情報が、ゴール前画面データを用いた視点情報を示す場合、視点画像生成部3は、ゴール前画面用データを用いて、ゴール前画面を生成し、
ゴール前画面は、指定されたカメラの視点に合わせ、ゴール前画面用データの一部を切り出したり、全体が映るように縮小したりすることにより、生成され、(【0038】)
(f1)ステップS4において、視点画像生成部3は、分離部2から出力された画像データ(アップ画面用データ、ゴール前用画面データ、スタジアム画面用データ)と、視点決定部5から出力された視点選択情報とを入力し、画像データ(アップ画面用データ、ゴール前用画面データ、スタジアム画面用データ)のうちの、視点選択情報により指定された1つの画像データを用いて、そのときの視点選択情報の示す視点の画像を視点画像として生成し、出力し、(【0067】)
(f2)ユーザは、画像データ再生装置1の出力に表示装置7を接続することにより、このとき生成された視点画像を視聴することができ、(【0068】)
(f3)ステップS13において、視点決定部5は、ユーザは注視点を入力し、視点決定部5の動作はステップS15に移行し、(【0082】)
(f4)注視点とは、視点を切り替える際の中心となる点であり、ユーザが視点を回転させたい場合、注視点を中心に、視点を回転させるものであり、(【0083】)
(f5)ユーザは、アップ画面19内のボール20を、指先21でタッチして、注視点としたい場所を画面上で選択し、(【0085】)
(f6)視点決定部5は、ユーザは回転角を入力し、視点決定部5の動作は判定ステップS16に移行し、(【0087】)
(f7)回転角とは、ユーザが注視点を中心にして、注視点からカメラまでの距離を変えずに、カメラの位置を回転させる場合の回転の角度であり、視点を回転させる場合は、注視点を中心に視点を回転させ、(【0089】)
(f8)ユーザは、指先21で、アップ画面19上の点23にタッチして、点24の位置まで、水平に、左から右に動かすよう、画面をフリックし、(【0089】)
(f9)このときのフリックの量にあわせて、回転角を生成設定し、ボール20を注視点として、設定した回転角で回転させた場合の画面を表示する、(【0089】)
(a)画像データ再生装置1。
7 甲第8号証
甲第8号証は、「物品」は「物。品物。特に、不動産以外の形の有る物。」という意味であることが記載されている。
第6 取消理由についての判断
上記「第4」1に記載した取消理由(令和3年2月12日付け取消理由通知書(決定の予告)で通知した理由の(1)~(3))、及び、上記「第4」2に記載した取消理由(令和2年6月26日付け取消理由通知書で通知した理由の(1)~(12))について、本件特許の請求項ごとに検討する。
1 本件特許の請求項1に係る特許について
上記「第4」1(1)の取消理由(進歩性)について検討する。
(1)対比
本件特許発明1の構成1A~1C-6を甲2発明の構成a~f12と対比する。
ア 構成1Aについて
構成aの画像表示システム120は、構成b2及びb4にあるとおり、画像処理装置100で生成された車両の周辺の様子を示す画像をナビゲーション装置20のディスプレイ21に表示することから、構成1Aに相当する。
イ 構成1Bについて
(ア)構成c1の「撮影部5」及び「車両の周辺を撮影して得られる撮影画像」は、構成1Bの「カメラ」及び「撮影された画像」に相当する。
(イ)構成c1,c5及びdの「仮想視点」、並びに、構成d4,d6及びd7の「視点位置」は、構成1Bの「仮想的な視点」に相当する。
また、構成e3の「ユーザがタッチした領域」と「表示画像の対応関係」によれば、構成d4,d6及びd7の「視点位置」は、各々、「領域A0の視点位置」,「領域A1の視点位置」及び「領域A6の視点位置」といえる。
そして、他の領域A2~A5,A7及びA8の視点位置も同様に考えることができるから、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、構成1Bの「仮想的な視点」に相当し、また、「予め定められた視点」といえる。
(ウ)構成c5の「車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像」、構成dの「仮想視点からみた様子を示す合成画像」及び構成e3の「拡大俯瞰画像の合成画像」は、「車両9」が監視すべき物品といえるから、構成1Bの「監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像」に相当する。
(エ)よって、甲2発明の「画像生成部3」は、構成1Bの「生成手段」に相当する。
したがって、甲2発明は、構成1Bを有する。
ウ 構成1Cについて
構成1Cの「前記視点」は、構成1Bの「視点」であるから、上記イ(イ)のとおり、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、構成1Cの「前記視点」に相当する。
構成f4の「第1領域R1をタッチするユーザの入力があったか否かを判定」した結果により、構成f6の「合成画像生成部32」は「第1領域R1内の分割領域A0~A8のうちユーザによりタッチされた領域を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像を生成」するから、構成f4の「第1領域R1をタッチするユーザの入力があったか否かを判定」することは、構成1Cの「前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する」ことに相当する。
よって、甲2発明は、構成1Cの「前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する操作検出手段」を有するといえる。
したがって、甲2発明は、構成1Cを有する。
エ 構成1C-1及び1C-2について
(ア)構成f6の「拡大俯瞰画像を全画面表示」する領域は、構成e2によれば「所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0」である。
よって、甲2発明の「所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0」は、構成1Cの「前記合成画像が表示される画像領域」に相当する。
したがって、甲2発明の「操作検出手段」は、構成1C-1を有する。
(イ)構成1C-2の「前記視点」は、構成1Bの「視点」であるから、上記イ(イ)のとおり、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、構成1Cの「予め定められた前記視点」に相当する。また、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、「位置が異なる複数の前記視点」といえる。
そして、構成f6の「合成画像生成部32」は、「第1領域R1内の分割領域A0~A8のうちユーザによりタッチされた領域を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像」を生成するから、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」は、「予め定められた前記視点」に対応する「拡大俯瞰画像」の表示を選択する複数のボタン領域といえる。
よって、甲2発明の「第1領域R1内の分割領域A0~A8」は、構成1C-2の「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域」に相当する。
したがって、甲2発明の「操作検出手段」は、構成1C-2を有する。
(ウ)ここで、本件特許発明1の「操作検出手段」は、構成1C-1及び1C-2について、『・・・画像領域と、・・・ボタン領域と、を有し」と記載があるのみであり、領域の表示態様を特定する事項の記載はなく、甲2発明は、『「表示範囲V0」と、「領域A0~A8」と、を有する』ことから、本件特許発明1の「操作検出手段」とは、『構成1C-1と、構成1C-2と、を有する』点で一致する。
オ 構成1C-3について
構成1C-3の「前記複数の視点」は、構成1C-2の「予め定められた位置が異なる複数の前記視点」であり、上記エ(イ)のとおり、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置に対応する。
構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、上記イ(イ)のとおり、「仮想的な視点」に相当し、「それぞれ、監視すべき物品の外部の位置」からの視点といえる。
また、構成e3の領域A1は、「車両左前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像」であり、領域A2は、「車両前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像」であり、同様に領域A3~A8の画像を考慮すると、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点」といえる。
したがって、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点」である点で、本件特許発明1と甲2発明とは一致する。
カ 構成1C-4について
構成1C-4の「前記画像領域」は、構成1C-1の「画像領域」であるから、上記エのとおり、甲2発明の「所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0」が、構成1C-4の「画像領域」に相当する。
構成1C-4の「前記視点」は、構成1Bの「視点」であるから、上記イ(イ)のとおり、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、構成1Cの「前記ボタンで選択されている前記視点」に相当する。
構成1C-4の「前記合成画像」は、構成1Bの「合成画像」であるから、上記イ(ウ)のとおり、甲2発明の「第2領域R2内の表示画像」である「拡大俯瞰画像」が、構成1C-4の「前記合成画像」に相当する。
以上のことから、構成f6の「拡大俯瞰画像を全画面表示」することは、構成1C-4の「前記ボタンで選択されている視点に対応する前記合成画像が表示される」ことといえる。
したがって、甲2発明の「操作検出手段」は、構成1C-4を有する。
キ 構成1C-5について
構成1C-5の「前記画像領域」は、構成1C-1の「画像領域」であるから、上記カと同じく、甲2発明の「所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0」が、構成1C-5の「画像領域」に相当する。
構成f8の「タッチされた箇所が戻るボタン71でない場合」、構成f11の「ユーザにより部分領域ALU、ARU、ALD及びARDがタッチされたことが検出される」は、構成1C-5の「前記画像領域においてタッチ操作が行われた際」に相当する。
構成f9の「合成画像生成部32」による「全画面表示する拡大俯瞰画像の視点の位置を変更」によって変更された、構成f11の「変更後の拡大俯瞰画像の視点の位置」は、タッチされた領域と現在表示中の拡大俯瞰画像の視点の位置に応じて決定されるから、「タッチ操作に応じた視点」といえる。
また、構成f12の「拡大俯瞰画像CP4」は、上記イ(ウ)のとおり、構成1C-5の「合成画像」に相当するから、構成f12の「拡大俯瞰画像CP4が全画面表示される」ことは、構成1C-5の「前記タッチ操作に応じた前記視点で前記画像領域に前記合成画像が表示され」ることといえる。
したがって、甲2発明の「操作検出手段」は、構成1C-5を有する。
ク 構成1C-6について
構成f8及びf11の「タッチ」は、フリック操作又はピンチイン操作であると特定されていない。
よって、「タッチ操作」について、本件特許発明1が「フリック操作またはピンチイン操作である」のに対して、甲2発明はそのような構成を有しない点で相違する。
(2)一致点及び相違点
以上から、本件特許発明1と甲2発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
(1A)画像を表示する画像表示装置であって、
(1B)カメラで撮影された画像を用い、仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、
(1C)前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する操作検出手段と、を有し、
(1C)前記操作検出手段は、
(1C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、
(1C-2)予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、
(1C-3)前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき物品の外部の位置から、監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を表示する視点であり、
(1C-4)前記画像領域には、前記ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示されるとともに、
(1C-5)前記画像領域においてタッチ操作が行われた際には、前記タッチ操作に応じた前記視点で前記画像領域に前記合成画像が表示される
(1A)ことを特徴とする画像表示装置。
[相違点1]
「タッチ操作」について、本件特許発明1が「フリック操作またはピンチイン操作である」のに対して、甲2発明はそのような構成を有しない点。
(3)判断
ア 相違点1について
上記「第5」3のとおり、「端末装置の画像を表示するタッチパネルにおいて、ユーザが行う接触操作及び出力操作は、フリック操作又はピンチイン操作とする技術」(甲3,4周知技術)は周知技術である。
甲2発明と甲3,4周知技術は、画像を表示してユーザの操作を受け付ける装置として共通するものであり、また、甲2発明は、構成f2~f12において、タッチ操作に応じた視点での画像を表示するものであるから、このタッチ操作として、甲3,4周知技術を適用し、構成1C-6の「タッチ操作は、フリック操作またはピンチイン操作である」構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 構成1C-1及び1C-2について
上記(1-1)エ(ウ)の検討において、甲2発明は、『構成1C-1と、構成1C-2と、を有する』点で、本件特許発明1の「操作検出手段」と一致するとしたが、仮に、この点を相違するとした場合についても、念のために検討する。
上記「第5」2の甲1技術は、車両の周辺の様子を示す画像を生成する画像処理装置と、車両に乗車するユーザに対して情報を表示するディスプレイを備えた画像表示システムであるから、甲2発明と共通する分野の技術である。
そして、甲1技術の「表示部22」は、構成i及びj1にあるとおり、俯瞰画像を表示する領域であるから、構成1C-1の「画像領域」に相当する。
また、甲1技術の「表示部23」は、構成kにあるとおり、車両前方、車両左前方、車両左方、車両左後方、車両後方、車両右後方、車両右方、及び車両右前方をそれぞれ指定する複数の操作キーを表示する領域であるから、構成1C-2のボタン領域に相当する。
そして、甲1技術のディスプレイ20には、表示部22と表示部23とを同時に表示しているから、甲1技術の「画像処理ユニット30」は、画像領域とボタン領域とを同時に表示する画像を生成するものといえる。
そして、甲2発明と甲1技術とは、上述のとおり、共通の分野に属するから、甲2発明に甲1技術を適用することは、当業者が容易に想到し得ることである。
よって、甲2発明に甲1技術を適用し、甲2発明の「画像生成部3」は画像領域とボタン領域とを同時に表示する画像を生成し、ディスプレイに出力する構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
したがって、甲2発明に甲1技術を適用し、
「(1C)前記操作検出手段は、(1C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、(1C-2)予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し」
という構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 効果について
これらの相違点を総合的に勘案しても、本件特許発明1の奏する作用効果は、甲2発明及び甲3,4周知技術、又は、甲2発明、甲1技術及び甲3,4周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものに過ぎず、格別顕著なものということはできない。
エ 特許権者の主張について
特許権者は、令和2年8月26日提出の意見書において、「甲2発明では、各領域の拡大画像を複数のボタンの選択により表示することは可能ですが、複数のボタンに対応する視点位置は車両上空の同じ1視点です。」と主張している。
しかしながら、甲2発明は、「画像生成部3の合成画像生成部32が、撮像部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成する」(構成d)ものであり、「視点位置を車両9の位置の左前方の上方、かつ車両9に近づけた位置とし、視野方向が略直下方向に仮想視点を設定すると、拡大画像の合成画像CP2が生成」し(構成d6)、「視点位置を車両9の位置の左後方の上方、かつ車両9に近づけた位置とし、視野方向が略直下方向とした仮想視点を設定すると、拡大画像の合成画像CP3が生成」する(構成d7)ものであって、拡大画像の視点位置は複数であるから、特許権者の主張は採用できない。
オ まとめ
したがって、本件特許発明1は、甲2発明及び甲3,4周知技術、又は、甲2発明、甲1技術及び甲3,4周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)まとめ
上記(1)~(3)で検討したとおり、本件特許発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項に違反して特許されたものである。よって、本件特許の請求項1に係る特許には、取消理由がある。
2 本件特許の請求項3に係る特許について
上記「第4」1(2)の取消理由(進歩性)について検討する。
(1)対比
本件特許発明3の構成3A~3C-6及び3D~3D-1を甲2発明の構成a~f12と対比する。
ア 構成3Bについて
構成c1の「撮影画像」は、構成3Bの「撮影画像」に相当する。構成c6の「生成された合成画像」は、構成3Bの「監視すべき物品、及び、監視すべき物品の周辺の状況を仮想的な視点から見た形で生成した合成画像についての画像情報」に相当する。
構成b3の「ナビゲーション装置20」は、構成c2の「ナビゲーション装置20との間で通信を行うナビ通信部42」と各種の制御信号と生成された画像を受信するから、通信部を有することは明らかである。
したがって、甲2発明の「ナビゲーション装置20」と本件特許発明3とは、構成3Bを有している点で一致する。
イ 構成3Cについて
構成c6の「ナビゲーション装置20」の「ディスプレイ21」は、合成画像を表示するから、構成3Cの「入手した前記画像情報に基づき画像表示を行う表示手段」に相当する。
ウ 構成3D及び3D-1について
構成c3の「ディスプレイ21」は、タッチパネル機能を備えた液晶などのディスプレイ(構成b2)であり、構成e3は、ユーザのタッチにより視点の異なる合成画像に切り替えた画像を表示するものであるから、構成3Dの「前記表示手段に表示された前記合成画像の前記視点を変更するユーザ指示を与える操作検出手段」、及び、構成3D-1の「前記操作検出手段は、前記表示手段におけるユーザのタッチ操作を検出するタッチパネルを有し」との構成に相当する。
エ 構成3C-1~3C-6について
本件特許発明3の構成3C-1,3C-2,3C-3,3C-4,3C-5及び3C-6は、それぞれ本件特許発明1の構成1C-1,1C-2,1C-4,1C-3,1C-5及び1C-6と同じものであるから、上記1(1)エ~クと同様での検討と同様の理由により、甲2発明は、構成3C-1~3C-6を備える。
オ 構成3Aについて
甲2発明の「ナビゲーション装置20」は、甲2発明の「画像処理装置100」に対する端末装置といえるから、構成3Aの「端末装置」に相当する。
(2)一致点及び相違点
以上から、本件特許発明3と甲2発明との相違点は、次のとおりであり、その余の点で一致する。
[相違点3]
「タッチ操作」について、本件特許発明3が「フリック操作またはピンチイン操作である」のに対して、甲2発明はそのような構成を有しない点。
(3)判断
ア 相違点3について
上記1(3)の判断と同様であり、本件特許発明3は、甲2発明及び甲3,4周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 構成3Aについて
上記(1)アの検討において、甲2発明の「ナビゲーション装置20」は端末装置といえるとしたが、仮に、この点を相違するとした場合についても、念のために検討する。
上記「第5」5(2)の甲6技術は、車両の周知の画像を作成してディスプレイに表示する画像処理ユニットであり、甲2発明は車両の周辺の様子を示す画像が表示される画像表示システムであるから、甲2発明と甲6技術とは、共通の分野に属する技術である。
甲6技術の「通信部23」,「表示部22」,「入力部21」及び「外部装置2」は、構成3Bの「通信手段」、構成3Cの「表示手段」、構成3Bの「操作検出手段」及び構成3Aの「端末装置」に相当する。
そして、甲2発明と甲6技術とは、上述のとおり、共通の分野に属するから、甲2発明に甲6技術を適用することは、当業者が容易に想到し得ることである。
よって、甲2発明に甲6技術を適用し、甲2発明の「ナビゲーション装置20」を、「通信手段」,「表示手段」及び「操作検出手段」を有する「端末装置」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
ウ まとめ
したがって、本件特許発明3は、甲2発明及び甲3,4周知技術、又は、甲2発明、甲6技術及び甲3,4周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)まとめ
上記(1)~(3)で検討したとおり、本件特許発明3は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項に違反して特許されたものである。よって、本件特許の請求項3に係る特許には、取消理由がある。
3 本件特許の請求項5に係る特許について
上記「第4」1(3)の取消理由(進歩性)について検討する。
甲6技術の構成k10の「制御ユニット10」は、車両Caに異常が発生しているか否かを判断し、検出結果を外部装置2に送信しており、「セキュリティ装置」といえるから、構成5Aの「セキュリティ装置」に相当する。また、構成k10の「異常検出部12の検出結果」は、構成5Aの「通知」に相当する。
よって、甲6技術の「通信部23」は、構成5Aに相当する。
したがって、本件特許発明5は、甲2発明、甲6技術及び甲3,4周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
上記のとおり、本件特許発明5は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項に違反して特許されたものである。よって、本件特許の請求項5に係る特許には、取消理由がある。
4 本件特許の請求項2に係る特許について
(1)上記「第4」2(2)の取消理由(進歩性)について
本件特許発明2の進歩性について、以下に検討する。
(1-1)対比
本件特許発明2の構成2A~2C-6を甲2発明の構成a~f12と対比する。
ア 構成2A~2C-2について
本件特許発明2の構成2A~2C-2は、それぞれ、本件特許発明1の構成1A~1C-2に対応しているから、上記1(1)ア~エでの検討と同様の理由により、甲2発明は、構成2A~2C-2を備える。
イ 構成2C-3について
甲2発明における構成f6の第1領域R1の分割領域A1~A8は、図18にあるとおり、車両の前後左右方向と分割領域の上下左右方向が対応した表示とされているから、甲2発明の分割領域A1~A8は、構成2C-3のボタンの配置と一致する。
ウ 構成2C-4について
構成2C-2の「ボタン」と構成2C-4の「ボタン」は、互いに異なる機能を持つボタンである。すなわち、構成2C-2に記載されたボタンは、「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタン」であり、「ボタン領域」に表示され、構成2C-3の「前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され」るものである。
構成2C-4の「ボタン」は、「車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタン」と記載されており、構成2C-2の「ボタン」とは機能が異なるものをさらに「ボタン領域」に表示する構成を備えているものと認められる。
よって、本件特許発明2は、「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」るものであるのに対し、甲2発明は、そのような構成を備えていない点で相違する。
エ 構成2C-5について
構成2C-5の「前記画像領域」は、構成2C-1の「画像領域」であるから、上記エのとおり、甲2発明の「所定の全画面表示を行う際の表示範囲V0」が、構成2C-5の「画像領域」に相当する。
構成2C-5の「前記視点」は、構成2Bの「視点」であるから、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、構成2Cの「前記ボタンで選択されている前記視点」に相当する。
構成2C-5の「前記合成画像」は、構成2Bの「合成画像」であるから、甲2発明の「第2領域R2内の表示画像」である「拡大俯瞰画像」が、構成2C-5「前記合成画像」に相当する。
以上のことから、構成f6の「拡大俯瞰画像を全画面表示」することは、「(構成2C-5)前記ボタンで選択されている視点に対応する前記合成画像が表示される」ことといえる。
したがって、甲2発明の「操作検出手段」は、構成2C-5を有する。
オ 構成2C-6について
構成2C-6の「前記複数の視点」は、構成2C-2の「予め定められた位置が異なる複数の前記視点」であり、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置に対応する。
構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、「仮想的な視点」に相当し、「それぞれ、監視すべき車両の外部の位置」からの視点といえる。
また、構成e3の領域A1は、「車両左前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像」であり、領域A2は、「車両前方を真上から拡大して見た拡大俯瞰画像の合成画像」であり、同様に領域A3~A8の画像を考慮すると、構成e3の「第1領域R1内の各領域A0~A8」の視点位置は、構成2C-6の「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点」といえる。
したがって、「前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点」である点で、本件特許発明2と甲2発明とは一致する。
(1-2)一致点及び相違点
以上から、本件特許発明2と甲2発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
(2A)画像を表示する画像表示装置であって、
(2B)カメラで撮影された画像を用い、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を仮想的な視点から見た合成画像を生成する生成手段と、
(2C)前記合成画像の、前記視点の変更に対するユーザ操作を検出する操作検出手段と、を有し、
(2C)前記操作検出手段は、
(2C-1)前記合成画像が表示される画像領域と、
(2C-2)予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域と、を有し、
(2C-3)前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され、
(2C-5)前記画像領域には、当該ボタンで選択されている前記視点に対応する前記合成画像が表示され、
(2C-6)前記複数の視点は、それぞれ、監視すべき車両の外部の位置から、監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点であること
(2A)を特徴とする画像表示装置。
[相違点2]
本件特許発明2が、構成2C-4の「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」る構成を備えるものであるのに対して、甲2発明は、そのような構成を有しない点。
(1-3)判断
当該相違点2に係る構成は、甲第1号証、甲第3号証~甲第6号証のいずれにも記載されておらず、また、周知技術であるとも認められない。
したがって、本件特許発明2は、甲2発明、並びに、甲1技術、甲3,4周知技術、甲5技術及び甲6技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
また、甲第1号証または甲第3号証~甲第6号証のいずれかを主引例として認定した場合も、同様に、構成2C-4のボタンを認定することができない。
よって、本件特許発明2は、甲第1号証~甲第6号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたもではない。
(1-4)まとめ
上記(1-1)~(1-3)で検討したとおり、本件特許発明2は、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法29条2項に違反して特許されたものとは認められない。
(2)上記「第4」2(9)の取消理由(明確性)について
上記「第4」2(9)の取消理由(明確性)は、令和2年6月26日付け取消理由通知書で通知した(5)のうち、本件特許の請求項2に係る(5-1)及び(5-3)から成るものである。以下、これらのそれぞれについて以下に検討する。
(2-1)令和2年6月26日付け取消理由通知書の(5-1)
当該取消理由通知書の(5-1)において通知した明確性の違反は、「仮想的な視点から見た合成画像」との記載は、「合成画像を仮想的な視点から見た画像」と解釈されるため、「仮想的な視点から見た」と「合成画像」の関係が明確でないというものであるが、本件訂正請求による訂正により、本件特許の請求項2の記載は、「仮想的な視点から見た」「監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を」表す「合成画像」であることが明確になった。
(2-2)令和2年6月26日付け取消理由通知書の(5-3)
当該取消理由通知書の(5-3)において通知した明確性の違反は、「車両周囲の広い領域」との記載について領域の範囲が具体的な記載でないため明確でないというものであるが、本件訂正請求による訂正により、本件特許の請求項2の記載は、「監視すべき車両の外部の位置から監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺の状況を表示する視点」からの「車両周囲の領域」であることが明確になった。
(2-3)まとめ
上記(2-1)~(2-2)で検討したとおり、本件特許の請求項2の記載は、上記「第4」2(9)の取消理由(明確性)に係る記載の不備は、解消している。
5 本件特許の請求項4に係る特許について
(1)上記「第4」2(4)の取消理由(進歩性)について
本件特許発明4の進歩性について、以下に検討する。
(1-1)対比
本件特許発明4の構成4A~4C-6及び4D~4D-1を甲2発明の構成a~f12と対比する。
ア 構成4A~4C-2及び4D~4D-1について
本件特許発明4の構成4A~4C-2及び4D~4D-1は、それぞれ本件特許発明3の構成3A~3C-2及び3D~3D-1と同じものであるから、上記3(1)ア~オでの検討と同様の理由により、甲2発明は、構成4A~4C-2及び4D~4D-1を備える。
イ 構成4C-3について
本件特許発明4の構成4C-3は、本件特許発明2の構成2C-3と同じものであるから、上記4(1)(1-1)イでの検討と同様の理由により、甲2発明は、構成4C-3を備える。
ウ 構成4C-4について
構成4C-3の「ボタン」と構成4C-4の「ボタン」は、互いに異なる機能を持つボタンである。すなわち、構成4C-2に記載されたボタンは、「予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタン」であり、「ボタン領域」に表示され、構成4C-3の「前記ボタンは、前記車両の前後左右方向に対応する前記ボタン領域の上下左右方向に、それぞれの前記ボタンが配置され」るものである。
構成4C-4の「ボタン」は、「車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタン」と記載されており、構成4C-3の「ボタン」とは機能が異なるものをさらに「ボタン領域」に表示する構成を備えているものと認められる。
よって、本件特許発明4は、構成4C-4の「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」るものであるのに対し、甲2発明は、そのような構成を備えていない点で相違する。
エ 構成4C-5~4C-6について
本件特許発明4の構成4C-5~4C-6は、それぞれ本件特許発明2の構成2C-5~2C-6と同じものであるから、上記4(1)(1-1)エ~オでの検討と同様の理由により、甲2発明は、構成4C-5~4C-6を備える。
(1-2)一致点及び相違点
以上から、本件特許発明4と甲2発明との相違点は、次のとおりであり、その余は一致する。
[相違点4]
本件特許発明4が、構成4C-4の「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」る構成を備えるものであるのに対して、甲2発明は、そのような構成を有しない点。
(1-3)判断
当該相違点4に係る構成は、甲第1号証、甲第3号証~甲第6号証にも記載されておらず周知技術とは認められない。また、周知技術であったとしても、構成4C-2のボタンを用いてデフォルトの位置表示を行える甲2号証において、構成4C-4のボタンをさらに備えることに動機がない。
したがって、本件特許発明4は、甲2発明、並びに、甲1技術、甲3,4周知技術、甲5技術及び甲6技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
また、甲第1号証または甲第3号証~甲第6号証のいずれかを主引例として認定した場合も、同様に、構成4C-4のボタンを認定することができない。
よって、本件特許発明4は、甲第1号証~甲第6号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
(1-4)まとめ
上記(1-1)~(1-3)で検討したとおり、本件特許発明4は、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法29条2項に違反して特許されたものではない。
(2)上記「第4」2(11)の取消理由(明確性)について
上記「第4」2(11)の取消理由(明確性)は、令和2年6月26日付け取消理由通知書で通知した(5)のうち、本件特許の請求項4に係る(5-2)及び(5-3)から成るものである。以下、これらのそれぞれについて以下に検討する。
(2-1)令和2年6月26日付け取消理由通知書の(5-2)
当該取消理由通知書の(5-2)において通知した明確性の違反は、「仮想的な視点から見た形で生成した合成画像」との記載は、「仮想的な視点から見た形」が具体的に何を示しているのか明確でないというであるが、本件訂正請求による訂正により、本件特許の請求項4の記載は、「仮想的な視点から見た」「監視すべき車両、及び、監視すべき車両の周辺を」表す「合成画像」であることが明確になった。
(2-2)令和2年6月26日付け取消理由通知書の(5-3)
当該取消理由通知書の(5-3)において通知した明確性の違反は、上記4(2)(2-2)と同様に、明確になった。
(2-3)まとめ
上記(2-1)~(2-2)で検討したとおり、本件特許の請求項4の記載は、上記「第4」2(11)の取消理由(明確性)に係る記載の不備は、解消している。
6 まとめ
上記1~3で検討したとおり、
本件特許発明1は、上記1(1)において上記「第4」1(1)について検討したとおり、甲2発明及び甲3,4周知技術、又は、甲2発明,甲1技術及び甲3,4周知技術に基づいて、
本件特許発明3は、上記2(1)において上記「第4」1(2)について検討したとおり、甲2発明及び甲3,4周知技術に基づいて、
本件特許発明5は、上記3(1)において上記「第4」1(3)について検討したとおり、甲2発明,甲6技術及び甲3,4周知技術に基づいて、
それぞれ、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、
本件特許の請求項1,3及び5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本願特許発明1,3及び5に係る上記「第4」2(1),(3),(5)~(8),(10)及び(12)に記載した取消理由にについて検討するまでもなく、
本件特許の請求項1,3及び5に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、上記4~5で検討したとおり、
本件特許発明2及び4は、上記4(1)及び5(1)において上記「第4」2(2)及び(4)について検討したとおり、甲第1号証~甲第6号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許の請求項2及び4は、特許法29条2項の規定に反して特許されたものではなく、
また、上記4(2)及び5(2)において上記「第4」2の(9)及び(11)について検討したとおり、本件特許の請求項2及び4は、明確性の不備はないから、同法36条6項2号に適合するものであるため、
本件特許の請求項2及び4に係る特許は、上記取消理由によって取り消すことはできない。
第7 取消理由に採用しなかった特許異議申立理由についての判断
1 本件特許異議申立の理由1(進歩性)について
(1)本件特許発明2
特許異議申立人は、本件特許発明2について、甲第1号証(主引例)、甲第2号証、及び、周知技術(甲第3号証~甲第5号証)に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許の請求項2に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである旨主張している。
しかし、上記「第6」4(1)(1-3)で述べたとおり、構成2C-2に記載された「予め定められた位置が異なる複数の前記視点にそれぞれ対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域」に、構成2C-4の「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」る構成は、甲第1号証~甲第6号証に記載がなく、また、これらの記載から当業者が容易に発明することができたものとも認められない。
(2)本件特許発明4
特許異議申立人は、本件特許発明4について、甲第1号証(主引例)、甲第2号証、及び、周知技術(甲第3号証~甲第5号証)に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許の請求項4に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである旨主張している。
しかし、上記「第6」5(1)(1-3)で述べたとおり、構成4C-2に記載された「予め定められた前記視点に対応する、前記合成画像の表示を選択する複数のボタンが表示されるボタン領域」に、構成4C-4の「前記ボタン領域には、車両周囲の領域における初期表示の前記視点での表示を選択するボタンがさらに表示され」る構成は、甲第1号証~甲第6号証に記載がなく、また、これらの記載から当業者が容易に発明することができたものとも認められない。
(3)まとめ
上記(1)~(2)で検討したとおり、本件特許の請求項2及び4に係る特許は、取消理由で採用しなかった特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
2 特許異議申立人の意見書による主張について
特許異議申立人は、令和2年11月19日提出の意見書の3-3において、本件特許発明2及び4の「監視すべき物品」が本件特許の明細書で開示されている「車両」及び「車両内の物品」以外にどのようなものを含むものか、また、「監視すべき物品の周辺」がどの程度の範囲であるのかが明確でなく、本件特許の請求項1~5に係る発明は、明確性違反があると判断すべきであると主張している。
しかし、本件特許の明細書の段落【0156】には「監視すべき・・・物品であれば良い」と記載されており、当該記載は、監視すべき物品であれば他に物品を具体的に限定しなくて良いものであることを意味するものであり、また、撮像される範囲は撮像装置とその設定により定まることは自明である。したがって当該訂正事項は、明確性に違反があるとはいえない。
第8 むすび
以上のとおり、本件特許発明1,3及び5は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1,3及び5に係る特許は、特許法29条の規定に違反して特許されたものである。よって、本件特許の請求項1,3及び5に係る特許は、同法113条2号に該当するから、同法114条2項の規定により、取り消されるべきものである。
また、本件特許の請求項2及び4に係る特許は、取消理由通知書に記載した取消理由、又は、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。また、他に、本件特許の請求項2及び4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2020-700096