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特許異議申立

2023-700192

グラフィカル・インディケータ

審判番号
2023-700192
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-035025
登録番号
7121820
請求日
2023年02月20日
審決日
2024年04月26日
公報発行日
2024年08月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】松翰科技股▲ふん▼有限公司
  • 【権利者代理人】山本 修
  • 【権利者代理人】宮前 徹
  • 【権利者代理人】松尾 淳一
  • 【権利者代理人】末松 亮太
  • 【権利者代理人】藤木 依子
  • 【異議申立人】株式会社 I・Pソリューションズ
審判長/審判官
  • 審判長 畑中 高行
  • 審判官 渡辺 努
  • 審判官 片岡 利延
分類
P1651.121-YAA(H04N) / P1651.536-YAA(H04N) / P1651.537-YAA(H04N) / P1651.851-YAA(H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7121820号発明「グラフィカル・インディケータ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7121820号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 特許第7121820号の請求項1、2、5~7に係る特許を維持する。 特許第7121820号の請求項3、4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7121820号の請求項1~7に係る特許についての出願は、令和3年3月5日(パリ条約による優先権主張2020年3月13日、台湾)に出願され、令和4年8月9日にその特許権の設定登録がされ、令和4年8月18日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和5年 2月20日 : 特許異議申立人株式会社I・Pソリューションズ(以下「申立人」という。)による請求項1~7に係る特許に対する特許異議の申立て、証拠として甲第1号証から甲第5号証を提出 同年 5月22日付け: 取消理由通知書 同年 8月22日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年10月 6日 : 申立人による意見書の提出、証拠として甲第6号証を提出 同年11月13日付け: 取消理由通知書(決定の予告) 令和6年 2月13日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年 3月29日 : 申立人による意見書の提出 第2 本件訂正について 1 請求の趣旨及び訂正の内容 令和6年2月13日に特許権者が行った訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、特許第7121820号の特許請求の範囲を、本件訂正請求の訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求めるものである。 そして、本件訂正請求についての訂正の内容は、以下のとおりである。 なお、下線は、訂正箇所である。 (1)訂正事項1 請求項1に「前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、前記第1ヘッダ領域に隣接する、または前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の2つを含む」と記載されているのを、 「前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、前記第1ヘッダ領域に隣接し、かつ、空であり、前記複数のコンテンツ・ブロックは、前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される」 に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2、5、および6も同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 2 訂正の適否についての判断 (1)一群の請求項について 訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は、請求項1を直接または間接に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (2)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1における「前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、」「前記第1ヘッダ領域に隣接する、または前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の2つを含む」構成であったのを、「前記第1ヘッダ領域に隣接し、かつ、空であり、」との構成とすることにより、択一的記載の要素の削除(「前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の2つを含む」を削除)を行い、更に、構成を限定(「かつ、空であり」)したものである。 また、「複数のコンテンツ・ブロック」について、「前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される」構成に限定するものである。 よって、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものである。 また、請求項1を引用する訂正後の請求項2、5、6についても同様である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加について 訂正事項1における「前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の2つを含む」構成を削除することは、択一的記載の要素の削除をするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 また、【0059】、【0062】、【図9A】、【図10A】には、訂正事項1における「前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、」「前記第1ヘッダ領域に隣接し、かつ、空であり、」との構成、及び、「複数のコンテンツ・ブロックは、前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される」構成が記載されているので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項1の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。 (3)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲を減縮するものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加について 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項3を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項2は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。 (4)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲を減縮するものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加について 訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項3は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。 (5)まとめ 以上のとおりであるから、訂正事項1~3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合する。 また、申立人による特許異議申立ては、訂正前の請求項1~7の全てに対してなされているので、同条第7項の独立特許要件は課されない。 したがって、本件訂正は適法なものであり、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2より、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~7に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明7」という。)は、一部の請求項1~6が訂正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 なお、説明のために、本件発明1における各構成にA~Nの符号を当審で付した。以下、「構成A」~「構成N」という。)。 【請求項1】(本件発明1) A グラフィカル・インディケータであって、 B 複数のブロックであって、前記ブロックが、寸法がM×Nのインディケータ行列を形成し、MおよびNが、それぞれ、3よりも大きい正の整数である、複数のブロックを備え、 C 前記ブロックが、 D N個の第1ヘッダ・ブロックと(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックとを含む複数のヘッダ・ブロックと、 E 複数のコンテンツ・ブロックであって、前記コンテンツ・ブロックの各々がデータ・マイクロ・グラフィックを有し、前記コンテンツ・ブロックが、ドット・パターン・コードを記録するために使用される、複数のコンテンツ・ブロックと、 を含み、 F 前記N個の第1ヘッダ・ブロックが前記インディケータ行列の第1行に配置され、 G 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記インディケータ行列の前記第1行以外の(M-1)行にわたり配置され、前記コンテンツ・ブロックが前記(M-1)行にわたり配置され、 H 前記N個の第1ヘッダ・ブロックの各々が、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有し、 I 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックが、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さず、前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロック以外の複数の剰余第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有し、 J 前記N個の第1ヘッダ・ブロックが、直線形式で第1ヘッダ領域に配置され、前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックが、直線形式で第2ヘッダ領域に配置され、 K 前記第1ヘッダ領域における第1接続端が、前記第2ヘッダ領域の第2接続端に隣接し、 L 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記第2ヘッダ領域の2つの端部に位置する2つの端部第2ヘッダ・ブロックが、 M 前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の1つと、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の1つとを含み、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、前記第1ヘッダ領域に隣接し、かつ、空であり、 N 前記複数のコンテンツ・ブロックは、前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される、 A グラフィカル・インディケータ。 【請求項2】(本件発明2) 請求項1記載のグラフィカル・インディケータにおいて、前記コンテンツ・ブロックの各々が、V個の仮想領域を有し、Vが3以上の正の整数であり、 前記コンテンツ・ブロックの各々が二進数に対応するように、前記コンテンツ・ブロックの各々のデータ・マイクロ・グラフィックが、コンテンツ・ブロックの前記V個の仮想領域の内、当該データ・マイクロ・グラフィックが属する1つに選択的に設定される、グラフィカル・インディケータ。 【請求項3】(削除) 【請求項4】(削除) 【請求項5】(本件発明5) 請求項1記載のグラフィカル・インディケータにおいて、前記2つの端部第2ヘッダ・ブロックの内1つが、前記第1ヘッダ領域の2つの端部に位置する2つの端部第1ヘッダ・ブロックの内1つに隣接する、グラフィカル・インディケータ。 【請求項6】(本件発明6) 請求項1記載のグラフィカル・インディケータにおいて、前記グラフィカル・インディケータのヘッダ・マイクロ・グラフィックの総数が、(M+N-1)未満であり、前記コンテンツ・ブロックの総数が、{M*N-(M+N-1)}に等しい、グラフィカル・インディケータ。 【請求項7】(本件発明7) グラフィカル・インディケータであって、 複数のブロックであって、前記ブロックが、寸法がM×Nのインディケータ行列を形成し、MおよびNが、それぞれ、3よりも大きい正の整数である、複数のブロックを備え、 前記ブロックが、 N個の第1ヘッダ・ブロックと、(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックとを含む、複数のヘッダ・ブロックと、 複数のコンテンツ・ブロックであって、前記コンテンツ・ブロックの各々が、データ・マイクロ・グラフィックを有し、前記コンテンツ・ブロックが、ドット・パターン・コードを記録するために使用される、複数のコンテンツ・ブロックと、 を含み、 前記N個の第1ヘッダ・ブロックが、前記インディケータ行列の第1行に配置され、 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックが、前記インディケータ行列の第1行以外の(M-1)行にわたり配置され、前記コンテンツ・ブロックが、前記(M-1)行にわたり配置され、 前記N個の第1ヘッダ・ブロックの各々が、第1ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有し、N個の第1ヘッダ・マイクロ・グラフィックの各々が、当該第1ヘッダ・マイクロ・グラフィックが属する第1ヘッダ・ブロックの第1縁に配置され、 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックが、前記第1ヘッダ・マイクロ・グラフィックおよび第2ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さず、前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロック以外の複数の剰余第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記第2ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有し、前記第2ヘッダ・マイクロ・グラフィックの各々が、当該第2ヘッダ・マイクロ・グラフィックが属する剰余第2ヘッダ・ブロックの第2縁に配置され、 前記コンテンツ・ブロックの各々の前記データ・マイクロ・グラフィックが、当該データ・マイクロ・グラフィックが属するコンテンツ・ブロックのコンテンツ構成領域内に配置され、前記コンテンツ・ブロックにおける前記コンテンツ構成領域の位置が、前記第1縁および前記第2縁にしたがって予め決められる、グラフィカル・インディケータ。 第4 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 1 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の概要 令和5年8月22日に訂正された請求項1~6に係る特許に対して、当審が令和5年11月13日に特許権者に通知した取消理由をまとめると、以下の理由A~Cのとおりである。 理由A 請求項1、2、5、6に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術、もしくは、引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、請求項1、2、5、6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 理由B 請求項3、4に係る発明は、明確でなく、また、発明の詳細な説明は、請求項3、4に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。 よって、請求項3、4に係る特許は、特許法第36条第6項第2号及び第4項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 理由C 請求項1に係る発明の「前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の2つを含み(前記第2ヘッダ領域に含まれる前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックと前記複数の剰余第2ヘッダ・ブロックとによって構成される前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックの並び方が、前記直線形式の第2ヘッダ領域の当該直線形状に沿って前記2つの端部第2ヘッダ・ブロックの一方から見た場合と他方から見た場合とにおいて同じとなる構成を除く)」との構成は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。 請求項2、5、6に係る発明についても、請求項1を引用する発明であるから同様である。 よって、請求項1、2、5、6に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 <引用文献一覧> 1.特開2007-288756号公報(甲第2号証) 2.特開2007-11890号公報(甲第4号証) 3.特開2015-231234号公報(甲第6号証) 2 各甲号証について (1)甲第1号証 甲第1号証は、本件の特許掲載公報である。 (2)甲第2号証(引用文献1) ア 引用文献1に記載された事項 引用文献1には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 【0002】 図1は物体表面100上に形成される画像インジケーター(graphical indicator) 102を表示するイメージ図である。図1に示すように、画像インジケーター102は多くの画像マイクロユニット(graphical micro-units)が組み合わされて成り、画像マイクロユニットは相当微小であるため、視覚上見過ごされやすい、或いは人の目に地色として解読される。画像インジケーター102とメイン情報(main information)104 (例:図1の文字図案”APPLE”)は、例えば印刷等の方式を利用し、例えば紙等の物体表面100上に共同形成される。画像インジケーター102はインジケーターのデータをマッピングし、且つ人の目のメイン情報104受信に影響しない。 【0012】 図4は本発明に基づく実施例で設計された、多くの画像インジケーター10が配列し形成する図案を表示し、図5はその中の画像インジケーター10の拡大図で、はっきりと本発明の設計を説明するものである。図5に示すように、画像インジケーター10はコンテンツデータ部(content part) 12及びヘッダー部(header part) 14を含む。本実施例によると、コンテンツデータ部12は9個のドット16で構成される9個の画像マイクロユニットを含み、且つそのコンテンツデータ部12の占有エリアは9個の状態エリア18に区分され、3*3の平面2次元状態エリアのアレイを構成する。各状態エリア18は全て1つのドット16を含む。本実施例に基づく設計では、1つのドット16が状態エリア18中の異なる配列位置に置かれると、マッピングしたインジケーターデータ中の個別の数値で表すことを利用することができる。詳しく言うと、図6に示すように、1つの状態エリア18は4個のバーチャルエリアに等分することができ、ドット16は選択的に右下方、左下方、左上方或いは右上方のバーチャルエリアに設置でき、それぞれ4個の異なるビット値00、01、10或いは11で表すことができる。こうして、図5のコンテンツデータ部12が示すドット16の配置関係は、図7に示すビットアレイに対応させることができる。コンテンツデータ部12が9個のドット16を有し、且つそれぞれ9個の状態エリア中に置く時、各状態エリア18が4個のバーチャルエリアに等分されているため、各ドット16を選択的に4個のバーチャルエリア中の1つに設置する場合、そのコンテンツデータ部12に49(=262144)種の状態の組み合わせを持たせることができる。そこで、図5に示す画像インジケーター10の設計を利用すると、マッピングするインジケーターデータ中の262144個の異なる数値を表示することができる。そのため、本実施例によるコンテンツデータ部12の設計は、その262144種の状態組み合わせ中から、65536種の状態組み合わせを取り出し、ユニコード(Unicode)のコード構造中の1つのプレーン(plane)に属する65536個のコード位置に対応させ、その残りの状態組み合わせは、その他の用途のために保留することができる。例をあげると、チェックサムコード(checksum code)に対応させるコード位置として状態組み合わせを提供することができる。 【0013】 もう一方では、画像インジケーター10が1グループの画像マイクロユニットから構成されているため、ヘッダー部14を設置して2つの隣り合う画像インジケーター10を区分する必要がある。図8に示すように、4個の画像インジケーター10は全て同じコンテンツデータ部12を持ち、また同じインジケーターのデータ内容を有する。そのため、4個の画像インジケーター10には全て同じ特定のヘッダー部14を設置し、こうすることで、その特定のヘッダー部14を探し出すだけで、同じ画像インジケーター10が探し出せ、近隣の他の画像インジケーター10における干渉を受けない。ヘッダー部14は同様に例えばドット16から構成される多くの画像マイクロユニットを含み、且つそのヘッダー部14の占有エリアが多くの状態エリア18に区分されている。さらに図5を参照する。本実施例に基づく設計では、ヘッダー部14の各状態エリア18は全て状態エリア18の中心位置に設置される1つのドットを含み、そのためヘッダー部14は7個のドットを持つ。且つ2つの隣り合うボーダー上を9個のドットを有するコンテンツデータ部12で囲み、ヘッダー部14をL型分布に形成させ、且つ画像インジケーター10全体を16個のドットで構成される4*4マトリックス配列とする。図5に示すように、ヘッダー部14のドットの配列位置は全て状態エリアの中心位置に予設され、画像インジケーターがヘッダー部14を識別する過程をさらに速くさせることができる。但し、ヘッダー部14中の1つのドット16’の位置は特定方向に偏移させ、その他のドット16の位置と変える必要がある。そのため画像識別(pattern/image recognition)を行い、その画像インジケーター10を読み取る時、光学デバイス(図の表示なし)が物体表面を読み取り拡大影像を取得した後、まず画像インジケーター10のヘッダー部14を識別するだけで、その画像インジケーター10に対する方向付けができ、コンテンツデータ部12の状態組み合わせを正確にキャプチャすることができる。 【0017】 図11は周知の設計の概略図を表示する。図12は本発明の設計の概略図を表示する。本発明の長所を説明する前にまず、有効情報の比率値を定義する: E=(画像インジケーターのコンテンツ情報を表すドット数)/(全ドット数)。 【0018】 図11に示すように、周知の設計の5*5ドットマトリックス・ブロック中において、各情報ポイント206は全て4個のグリッド204で囲まれているため、画像インジケーターは破線で示す多くのグリッドペア22に分割することができる。各グリッドペア22は1つのグリッド204と1つの情報ポイント206を含み、そのため、周知の設計の有効情報比率値は50%となる。且つその値はドットマトリックス・ブロックの大きさの変化に左右されず固定常数である。もう一方、図12に示す同じ5*5のドットマトリックス・ブロックの本発明における設計の場合、2つのボーダーを占拠するヘッダー部のドットを控除すると、その有効情報比率値は(4*4)/(5*5)=64%となる。且つ本発明に基づく設計では、画像インジケーター10が大きくなるほど有効情報比率値がさらに高くなる。例をあげると、10*10のドットマトリックス・ブロックの場合、その有効情報比率値は(9*9)/(10*10)=81%となる。このことから、本発明の有効情報比率値は周知の設計より明らかに高く、且つ画像インジケーターが増大するにつれさらに高まることがわかる。言い換えると、本発明は比較的少ないドット数(比較的低いドット密度)を用いて同じ情報量を表示することができる。 【0024】 図18は、画像インジケーター10中のヘッダー部14を表示するもう1つの設計図である。ヘッダー部14は画像インジケーター10のボーダー上への分布に限定されない。例えば、図17に示すように画像インジケーター10の中央部分に設置してもよく、画像インジケーター10の識別と位置決め効果さえ達成できればよい。 【図5】 [図:0001413295000001.jpg] 【図12】 [図:0001413295000002.jpg] イ 引用文献1に記載された発明 引用文献1における【図5】を説明した【0012】の「コンテンツデータ部12は9個のドット16で構成される9個の画像マイクロユニットを含み、且つそのコンテンツデータ部12の占有エリアは9個の状態エリア18に区分され、3*3の平面2次元状態エリアのアレイを構成する。」との記載は、【図12】についても同様のことがいえることを踏まえると、引用文献1の【図12】のコンテンツデータ部は16個のドットで構成される16個の画像マイクロユニットを含み、且つそのコンテンツデータ部の占有エリアは16個の状態エリアに区分され、1行目を除いた行において4*4の平面2次元状態エリアのアレイを構成するものである。 引用文献1における【図5】を説明した【0013】の「ヘッダー部14の各状態エリア18は全て状態エリア18の中心位置に設置される1つのドットを含み、そのためヘッダー部14は7個のドットを持つ。(中略)ヘッダー部14をL型分布に形成」、「ヘッダー部14中の1つのドット16’の位置は特定方向に偏移させ、その他のドット16の位置と変える必要がある。」との記載は、【図12】についても同様のことがいえることを踏まえると、引用文献1の【図12】のヘッダー部は9個のドットを持ち、9個の状態エリアに区分され、1行目に横方向に5個の状態エリアを有し、横方向の左端の状態エリアの下に隣接して2行目から縦方向に4個の状態エリアを有し、各状態エリアは状態エリアの中心位置に設置される1つのドットを含むが、ヘッダー部中の縦方向の下から2番目のドットの位置は特定方向に偏移させ、その他のドットの位置と変えるようにしたものである。 そうすると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 なお、記号a1~g1は分説するために当審にて付した。以下、「構成a1」~「構成g1」という。また、各段落末尾の括弧内は対応する段落番号、図番号である。 (引用発明) a1 画像インジケーター(graphicalindicator)であって、(【0002】、【0012】) b1 画像インジケーター全体を5*5のドットマトリックス・ブロックとし、(【0018】) c1 画像インジケーターはコンテンツデータ部(content part)及びヘッダー部(header part)を含み、(【0012】) d1 コンテンツデータ部は16個のドットで構成される16個の画像マイクロユニットを含み、且つそのコンテンツデータ部の占有エリアは16個の状態エリアに区分され、1行目を除いた行において4*4の平面2次元状態エリアのアレイを構成し、各状態エリアは全て1つのドットを含み、(【0012】、【図5】、【図12】) e1 コンテンツデータ部の1つの状態エリアは4個のバーチャルエリアに等分することができ、ドットは選択的に右下方、左下方、左上方或いは右上方のバーチャルエリアに設置でき、それぞれ4個の異なるビット値00、01、10或いは11で表すことができ、(【0012】) f1 ヘッダー部は9個のドットを持ち、9個の状態エリアに区分され、1行目に横方向に5個の状態エリアを有し、横方向の左端の状態エリアの下に隣接して2行目から縦方向に4個の状態エリアを有し、各状態エリアは状態エリアの中心位置に設置される1つのドットを含むが、ヘッダー部中の縦方向の下から2番目のドットの位置は特定方向に偏移させ、その他のドットの位置と変えるようにし、(【0013】、【図5】、【図12】) g1 ヘッダー部は画像インジケーターのボーダー上への分布に限定されず、画像インジケーターの中央部分に設置してもよい(【0024】) a1 画像インジケーター。 (3)甲第3号証 ア 甲第3号証に記載された事項 甲第3号証には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 【0082】 例えば、図1の図形標識の1つを拡大したものを図2に示す。図形標識11には、状態領域113が6×6マトリックスの形式で36単位含まれる。各状態領域113は、第1又は第2状態を表すために、選択的に1つの図形微細単位を含んだり、その図形微細単位を含まなかったりする。 【0083】 第1状態の状態領域113における微細単位が、“1”の値を割当てられ、また、第2状態の状態領域113における微細単位が、“0”の値を割当てられる場合、図3に示すビットマトリックス形式114が生じる。従って、ビットマトリックス形式114は、予想された様に又は希望通りに様々な情報を記憶する。言い換えると、ユーザは、状態領域の異なる値の組み合わせに基づき、所望の情報を記憶し得る。 【0085】 縮尺が100:1の図2に示すように、図形標識11には、異なる標識情報に対応するレイアウトで配置されたヘッダ情報111とコンテンツ情報112が含まれる。1つの実施形態において、全てのヘッダ情報111は、異なる図形標識11間において同じである。しかしながら、包含的な設計に対しては、各図形標識内の各ヘッダ情報が、隣接の図形標識から対応の図形標識を識別して、光学装置へ該対応の図形標識の配向を指し示すことができる限りにおいて、一組以上のヘッダ情報が用いられ得る。他方、コンテンツ情報112の異なる値は、異なる標識情報を表す。従って、1つの図形標識11は、1つのヘッダ情報111を取り込むことによって読取られ、また、図形標識11は、各隣接する図形標識11と干渉しない。しかしながら、他の実施形態において、ヘッダ情報を用いて、対応するコンテンツ情報をシステムが取り出し得る限り、1つの図形標識11におけるヘッダ情報111は、他の図形標識11のそれと異なってもよい。 【図2】 [図:0001413295000003.jpg] イ 甲第3号証に記載された技術 【0085】、【図2】より、コンテンツ情報は5×5の25個の状態領域を有し、コンテンツ情報の異なる値は、異なる標識情報を表すものである。 また、【図2】より、ヘッダ情報は、横方向に6個の状態領域を有し、横方向の左端の状態領域の下に隣接して縦方向に5個の状態領域を有して形成されるものである。 そうすると、甲第3号証には、以下の技術(以下、「甲3技術」という。)が記載されている。なお、各段落末尾の括弧内は対応する段落番号、図番号である。 (甲3技術) 図形標識であって、 状態領域が6×6マトリックスの形式で36単位含まれ、各状態領域は、第1又は第2状態を表すために、選択的に1つの図形微細単位を含んだり、その図形微細単位を含まなかったりし、(【0082】) 第1状態の状態領域における微細単位が、“1”の値を割当てられ、また、第2状態の状態領域における微細単位が、“0”の値を割当てられ、(【0083】) 図形標識には、異なる標識情報に対応するレイアウトで配置されたヘッダ情報とコンテンツ情報が含まれ、(【0085】) コンテンツ情報は5×5の25個の状態領域を有し、コンテンツ情報の異なる値は、異なる標識情報を表し、(【0085】、【図2】) ヘッダ情報は、横方向に6個の状態領域を有し、横方向の左端の状態領域の下に隣接して縦方向に5個の状態領域を有して形成される技術。(【図2】) (4)甲第4号証(引用文献2) ア 引用文献2に記載された事項 引用文献2には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 【0001】 本発明は、印刷物等に形成したドットパターン情報を光学的に読み取ることにより、様々な情報やプログラムを入出力させるドットパターンを用いた情報入出力方法に関するものであり、特にドットで構成されるブロックの向きを判定できる技術に関する。 【0045】 本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット、情報ドット、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図1に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を中心に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図1の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことはもちろんである。 【0113】 図19は、基準格子線上の仮想格子点13上に、基準格子点ドット4の代わりにキードット2を配置した例である。基準格子線7aの中間位置の仮想格子点13を基準に上方向にずらした位置にキードット2を配置している。 【0114】 これらのキードット2により、ドットパターンの方向を定義することができる。 【0214】 なお、図58は、1カ所の基準ドット58aのみを他の基準ドット58b~58dよりも大きなドットとすることで、この大形の基準ドット58aが配置された方向でブロックの方向を定義したものである。この基準ドット58aについても、形状や大きさを変更してもよいことは勿論である。また、基準ドット58aを配置しないことでブロックの方向を定義してもよい。また、このように大きさを変更したドットを配置してブロックの方向を定義する場合、当該ドットはかならずしも基準ドットである必要はなく、情報ドット3であってもよい。情報ドット3の大きさを変更することでブロックの方向を定義する場合には、情報ドット3の情報を犠牲にすることなくブロックの方向を定義することが可能となる。 イ 引用文献2に記載された技術 そうすると、引用文献2には、以下の技術(以下、「引用技術2」という。)が記載されている。 なお、記号a2~e2は分説するために当審にて付した。以下、「構成a2」~「構成e2」という。また、各段落末尾の括弧内は対応する段落番号である。 (引用技術2) a2 印刷物等に形成したドットパターン情報を光学的に読み取ることにより、様々な情報やプログラムを入出力させるドットパターンを用いた情報入出力方法に関するものであり、特にドットで構成されるブロックの向きを判定できる技術であって、(【0001】) b2 キードット、情報ドット、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列し、(【0045】) c2 基準格子線上の仮想格子点13上に、基準格子線7aの中間位置の仮想格子点13を基準に上方向にずらした位置に、基準格子点ドット4の代わりにキードット2を配置することにより、ドットパターンの方向を定義することができ、(【0113】、【0114】) d2 1カ所の基準ドット58aのみを他の基準ドット58b~58dよりも大きなドットとすることで、この大形の基準ドット58aが配置された方向でブロックの方向を定義することができ、(【0214】) e2 基準ドット58aを配置しないことでブロックの方向を定義してもよい技術。(【0214】) (5)甲第5号証 ア 甲第5号証に記載された事項 甲第5号証には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 【0063】 図4は他のドットパターンを用いた情報再生方法の構成を示すブロック図であり、(a)はドットコードの生成について、(b)はドットパターンの認識についての説明図である。図5から図8は他のドットパターンの一例を示す正面図である。 【0065】 このドットパターンの認識では、先ず連続する等間隔のドット605により構成されたラインを抽出し、その抽出したラインが正しいラインかどうかを判定する。このラインが正しいラインでないときは別のラインを抽出する。 【0066】 次に、抽出したラインの1つを水平ラインとする。この水平ラインを基準としてそこから垂直に延びるラインを抽出する。垂直ラインは、水平ラインを構成するドットからスタートし、次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識する。 【0067】 最後に、情報領域を抽出してその情報を数値化し、この数値情報を再生する。 【図5】 [図:0001413295000004.jpg] イ 甲第5号証に記載された技術 【0066】の「垂直ラインは、水平ラインを構成するドットからスタートし、次の点がライン上にないことから上下方向を認識する。」の記載は、【0063】の記載から、【図4】のブロック図、及び、【図5】から【図8】のドットパターンの一例について説明したものである。そこで、【図5】をみるに、【図5】における水平ラインを構成するドットからスタートした次の点は、【0066】に記載されているようにライン上にないといえるが、当該点は、ライン上から左方向にずれているものであって、点を有さないとか空であるとかを示すものではない。【図6】から【図8】についても同様に、水平ラインを構成するドットからスタートした次の点は、ライン上から左方向もしくは右方向にずれているものである。 そうすると、甲第5号証には、以下の技術(以下、「甲5技術」という。)が記載されている。なお、各段落末尾の括弧内は対応する段落番号、図番号である。 (甲5技術) ドットパターンに関して、 連続する等間隔のドット605により構成されたラインを抽出し、(【0065】) 抽出したラインの1つを水平ラインとし、この水平ラインを基準としてそこから垂直に延びるラインを抽出し、垂直ラインは、水平ラインを構成するドットからスタートし、次の点がライン上からずれていることにより上下方向を認識し、(【0063】、【0066】、【図5】~【図8】) 最後に、情報領域を抽出してその情報を数値化し、この数値情報を再生する技術。(【0067】) (6)甲第6号証(引用文献3) ア 引用文献3に記載された事項 引用文献3には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 【0001】 本発明は、パターン/画像認識(pattern/image recognition)に利用される読み取り可能なグラフィカルインジケータに関し、特にこのグラフィカルインジケータはインジケータデータに対応するものである。 【0022】 図2Aは本発明の一実施例に基づいて示されたグラフィカルインジケータの説明図である。図2Aを参照すると、本実施例において、グラフィカルインジケータ20は線状区域220とアレイ区域240を含む。線状区域220は複数のエリアブロック260Aを含み、かつそれぞれのエリアブロック260Aは一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを具備する。アレイ区域240と線状区域220は、エリアブロック260Aと260Bを具備してインジケータマトリックス280を形成し、かつインジケータマトリックス280の寸法はM×Nであり、MとNは正の整数でありそれぞれ2より大きい。本実施例において、Mは5であり、Nは4であるが、本発明はこれらに限られるものではない。アレイ区域240は線状区域220に平行な複数のサブ線状アレイ区域242によって構成され、それぞれのサブ線状アレイ区域242は複数のエリアブロック260Aと260Bを具備し、かつ少なくとも一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA及び複数のデータグラフィカルマイクロユニットBを含み、これらは配列順序に従って前記エリアブロック260Aと260Bに配置される。それぞれのデータグラフィカルマイクロユニットBはエリアブロック260Bの複数の仮想エリアブロック262の一つに選択的にそれぞれ設けられ、かつヘッダーグラフィカルマイクロユニットAはヘッダー情報を表し、データグラフィカルマイクロユニットBはインジケータデータを表す。注意すべきは、インジケータマトリックス280内の全てのサブ線状アレイ区域242の配列順序は完全には一致しない。 【0023】 詳細には、エリアブロック260Aと260Bにおいては皆一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA若しくはデータグラフィカルマイクロユニットBをそれぞれ備える。図2Aでは、エリアブロック260Bにおいて複数のデータグラフィカルマイクロユニットBが示されているが、データグラフィカルマイクロユニットBの可能なレイアウト位置を表すために用いられるのみであり、単一のエリアブロック260Bが複数のデータグラフィカルマイクロユニットBを具備することを示すためのものではない。複数のエリアブロック260BはデータグラフィカルマイクロユニットBのその内部のレイアウト位置により、対応する一組のビット値として表され、エリアブロック260AはヘッダーグラフィカルマイクロユニットAによりヘッダー情報を現す。グラフィカルインジケータ20に対して画像識別を行うとき、ヘッダー情報は、図1Bにおける電子システム110が位置決め及び配向決めを行う支援ができる。一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、その所属するエリアブロック260Aの仮想センターP若しくはエリアブロック260Aの仮想センターPから離れた位置に選択的に設けられ、電子システム110が位置決め及び配向決めを行う更に良い支援ができる。 【0025】 再び図2Aを参照すると、本実施例において、グラフィカルインジケータ20は5行4列(M=5、N=4)のインジケータマトリックス280である。換言すると、MとNは正の整数でありそれぞれ3以上である。インジケータマトリックス280は、線状区域220とアレイ区域240から構成され、アレイ区域240は、線状区域220に平行な複数のサブ線状アレイ区域242により構成される。線状区域220は4個のエリアブロック260Aを具備し、サブ線状アレイ区域242は1個のエリアブロック260A及び3個のエリアブロック260Bを具備し、かつヘッダーグラフィカルマイクロユニットA及び複数のデータグラフィカルマイクロユニットBは、それぞれ配列順序に基づいて、エリアブロック260A及びエリアブロック260B内に設けられる。図2Aにおいて、グラフィカルインジケータ20内の全てのサブ線状アレイ区域242の配列順序は完全に一致するわけではない。詳細には、アレイ区域240において、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットAが所属するエリアブロック260Aは、アレイ区域240の斜線上に位置し、斜線外となるその他のエリアブロック260BはデータグラフィカルマイクロユニットBを具備する。なお、本実施例においては、上述した斜線はアレイ区域240の対角線である。このため、グラフィカルインジケータ20において、少なくとも8(すなわちM+N-1)個のヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを含む。 【0027】 詳細には、図2A~図2Cを参照すると、線状区域220内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットAのエリアブロック260Aを全て第1ヘッダーエリアブロックとみなし、アレイ区域240内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA、或いはA’のエリアブロック260Aを全て第2ヘッダーエリアブロックとみなすと、第1ヘッダーエリアブロックは、アレイ区域240の一方の側面に設けられることとなり、かつインジケータマトリックス280の線状区域220に横向きに配列され、第2ヘッダーエリアブロックはインジケータマトリックス280のアレイ区域240に斜めに配列される。明確には、第1ヘッダーエリアブロックの仮想センターPが形成する第1仮想線K1と第2ヘッダーエリアブロックの仮想センターPが形成する第2仮想線K2の間に所定の角度を呈し、かつ前記所定の角度は90より小さい(図2C参照)。 【0029】 上述した問題を解決するため、このとき、それぞれのアレイ区域240内の一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、その所属するエリアブロック260Aの仮想センターPから離れている。図2A~2Cにおいて、エリアブロック260Aにおいて複数のヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を示したが、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’の可能なレイアウト位置を表すために用いられるのみであり、単一のエリアブロック260Aが複数のヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備することを示すものではない。上述のヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’が所属するエリアブロック260Aと隣接する二つの線状区域220との距離は等しくなく(すなわち、L1とL2の距離は等しくない。)、その他のヘッダーグラフィカルマイクロユニットAは所属するエリアブロック260Aの仮想センターPに位置する。このように、一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’をシフトすることにより、電子システム110は、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’と隣り合う線状区域220内の複数のヘッダーグラフィカルマイクロユニットAの相対位置関係を判断することが可能となり、グラフィカルインジケータ構造Iについて配向決めを更に行うことができる。本実施例において、仮想センターPのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’が所属するエリアブロック260Aの距離は、隣り合う線状区域220(若しくは隣り合う線状区域220のエリアブロック260A)との距離は等しくない。特に、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットA、若しくはヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’が所属する複数のエリアブロック260Aは、グラフィカルインジケータ構造Iを反転させたとき、その配列モデルも相対的に改変され、アレイ区域240内の一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、その所属するエリアブロック260Aの仮想センターP、若しくはその所属するエリアブロック260Aの仮想センターPから離れた位置に選択的に設けることができるものである。 【0030】 再び図2Aを参照すると、本発明の他の実施例において、エリアブロック260Aは、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するとき、上述したエリアブロック260Aは、一つのビット値に対応することもできる。更に詳細には、グラフィカルインジケータ20に対して画像識別を行うとき、電子システム110は、エリアブロック260AのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’と仮想センターPの相対的な位置関係に基づいて、エリアブロック260Aが表すビット値を更に計算することができる。換言すると、エリアブロック260AにおけるヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を利用して、グラフィカルインジケータ20のインジケータデータの搭載量を更に向上させることができる。注意すべきは、グラフィカルインジケータ構造Iが、仮想センターPのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’をシフトすることにより配向を補助する必要がない場合であっても、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、依然として、グラフィカルインジケータ20のインジケータデータの搭載量を向上させることができる。 【図2A】 [図:0001413295000005.jpg] イ 引用文献3に記載された技術 【0025】及び【図2A】より、アレイ区域240の斜線上に位置する4個のエリアブロック260Aにおける2つの端部のうちの一方は、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するエリアブロック260Aであり、線状区域220内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットAのエリアブロック260Aに隣接し、他方は、仮想センターPに位置するヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを具備するエリアブロック260Aであることが見て取れる。 そうすると、引用文献3には、以下の技術(以下、「引用技術3」という。)が記載されている。 なお、記号a3~n3は分説するために当審にて付した。以下、「構成a3」~「構成n3」という。また、各段落末尾の括弧内は対応する段落番号、図番号である。 (引用技術3) a3 パターン/画像認識(pattern/image recognition)に利用される読み取り可能なグラフィカルインジケータに関する技術であって、(【0001】) b3 グラフィカルインジケータ20は線状区域220とアレイ区域240を含み、(【0022】) c3 線状区域220は複数のエリアブロック260Aを含み、かつそれぞれのエリアブロック260Aは一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを具備し、(【0022】) d3 アレイ区域240と線状区域220は、エリアブロック260Aと260Bを具備してインジケータマトリックス280を形成し、かつインジケータマトリックス280の寸法は5×4であり、(【0022】) e3 アレイ区域240は線状区域220に平行な複数のサブ線状アレイ区域242によって構成され、それぞれのサブ線状アレイ区域242は複数のエリアブロック260Aと260Bを具備し、かつ少なくとも一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA及び複数のデータグラフィカルマイクロユニットBを含み、(【0022】) f3 ヘッダーグラフィカルマイクロユニットAはヘッダー情報を表し、(【0022】) g3 グラフィカルインジケータ20に対して画像識別を行うとき、ヘッダー情報は、位置決め及び配向決めを行う支援ができ、(【0023】) h3 一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、その所属するエリアブロック260Aの仮想センターPから離れた位置に設けられ、位置決め及び配向決めを行う更に良い支援ができ、(【0023】) i3 線状区域220は4個のエリアブロック260Aを具備し、サブ線状アレイ区域242は1個のエリアブロック260A及び3個のエリアブロック260Bを具備し、かつヘッダーグラフィカルマイクロユニットA及び複数のデータグラフィカルマイクロユニットBは、それぞれ配列順序に基づいて、エリアブロック260A及びエリアブロック260B内に設けられ、(【0025】) j3 アレイ区域240において、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットAが所属するエリアブロック260Aは、アレイ区域240の斜線上に位置し、斜線外となるその他のエリアブロック260BはデータグラフィカルマイクロユニットBを具備し、(【0025】) k3 アレイ区域240の斜線上に位置する4個のエリアブロック260Aにおける2つの端部のうちの一方は、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するエリアブロック260Aであり、線状区域220内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットAのエリアブロック260Aに隣接し、他方は、仮想センターPに位置するヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを具備するエリアブロック260Aであって、(【0025】及び【図2A】) l3 線状区域220内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットAのエリアブロック260Aを全て第1ヘッダーエリアブロックとみなし、アレイ区域240内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA、或いはA’のエリアブロック260Aを全て第2ヘッダーエリアブロックとみなすと、第1ヘッダーエリアブロックは、アレイ区域240の一方の側面に設けられ、かつインジケータマトリックス280の線状区域220に横向きに配列され、第2ヘッダーエリアブロックはインジケータマトリックス280のアレイ区域240に斜めに配列され、(【0027】) m3 それぞれのアレイ区域240内の一つのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、その所属するエリアブロック260Aの仮想センターPから離れており、単一のエリアブロック260Aが複数のヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備することを示すものではなく、(【0029】) n3 エリアブロック260Aは、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するとき、上述したエリアブロック260Aは、一つのビット値に対応することもでき、エリアブロック260AにおけるヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を利用して、グラフィカルインジケータ20のインジケータデータの搭載量を更に向上させることができ、グラフィカルインジケータ構造Iが、仮想センターPのヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’をシフトすることにより配向を補助する必要がない場合であっても、ヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’は、依然として、グラフィカルインジケータ20のインジケータデータの搭載量を向上させることができる技術。(【0030】) 4 当審の判断 (1)取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について ア 理由Aについて (ア)本件発明1について a 引用発明との対比 (a)構成Aについて 引用発明の構成a1の「画像インジケーター(graphicalindicator)10」は本件発明1の構成Aの「グラフィカル・インディケータ」に相当する。 (b)構成Bについて 構成b1、d1、f1より、引用発明の画像インジケーターは、全体を5*5のドットマトリックス・ブロックである25個のドットで構成され、全て1つのドットを含む状態エリアに区分されているものであるから、状態エリアは、5*5の画像インジケーターの行列を形成しているといえる。また、5は3より大きい正の整数である。 そうすると、状態エリアは、本件発明1の構成Bの「複数のブロックであって、前記ブロックが、寸法がM×Nのインディケータ行列を形成し、MおよびNが、それぞれ、3よりも大きい正の整数である、複数のブロック」に相当する。 (c)構成C~Eについて 上記(b)より、引用発明の「状態エリア」は、本件発明1の構成Cの「前記ブロック」に相当する。 構成d1、f1より、引用発明の状態エリアは、横方向に5個の状態エリアと縦方向に4個の状態エリアとを含むヘッダー部の9個の状態エリアと、コンテンツデータ部の16個の状態エリアとを含むものである。 また、構成e1より、コンテンツデータ部の状態エリアはドットを有し、ドットにより、4個の異なるビット値00、01、10或いは11を表すことができるものである。 そうすると、引用発明のヘッダー部の状態エリアのうちの横方向に5個の状態エリア、ヘッダー部の状態エリアのうちの縦方向に4個の状態エリア、ヘッダー部の9個の状態エリアは、それぞれ、本件発明1の構成Dの「N個の第1ヘッダ・ブロック」、「(M-1)個の第2ヘッダ・ブロック」、「複数のヘッダ・ブロック」に相当する。 そして、引用発明のコンテンツデータ部の16個の状態エリア、コンテンツデータ部の状態エリアのドットは、それぞれ、本件発明1の構成Eの「複数のコンテンツ・ブロック」、「データ・マイクロ・グラフィック」に相当し、引用発明のコンテンツデータ部の状態エリアは、構成e1によると、ドットによって4個の異なるビット値00、01、10或いは11を表すために使用されることから、引用発明は、本件発明1の構成Eの「前記コンテンツ・ブロックが、ドット・パターン・コードを記録するために使用される」構成を含むものである。 したがって、引用発明は、本件発明1の構成C~Eに相当する構成を有している。 (d)構成Fについて 構成f1より、引用発明のヘッダー部の状態エリアのうちの横方向に5個の状態エリア(上記(c)より、本件発明1の構成Dの「N個の第1ヘッダ・ブロック」に相当)は、1行目に配置される構成である。 したがって、引用発明は、本件発明1の構成Fの「前記N個の第1ヘッダ・ブロックが前記インディケータ行列の第1行に配置され」る構成を有している。 (e)構成Gについて 構成f1より、引用発明のヘッダー部の状態エリアのうちの縦方向に4個の状態エリア(上記(c)より、本件発明1の構成Dの「(M-1)個の第2ヘッダ・ブロック」に相当)は、2行目から縦方向に4個すなわち1行目以外の4行(2~5行目)にわたり配置される構成である。 また、構成d1より、引用発明のコンテンツデータ部の状態エリア(上記(c)より、本件発明1の構成Eの「コンテンツ・ブロック」に相当)は、1行目以外の4行(2~5行目)にわたり配置される構成である。 したがって、引用発明は、本件発明1の構成Gの「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記インディケータ行列の前記第1行以外の(M-1)行にわたり配置され、前記コンテンツ・ブロックが前記(M-1)行にわたり配置され」る構成を有している。 (f)構成Hについて 構成f1より、引用発明のヘッダー部の状態エリアのうちの横方向に5個の状態エリアは、それぞれ1つのドットを含むものである。 そうすると、引用発明は、本件発明1の構成Hの「前記N個の第1ヘッダ・ブロックの各々が、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有」する構成を有している。 (g)構成Iについて 構成f1より、引用発明のヘッダー部の状態エリアのうちの縦方向に4個の状態エリアは、全てドットを有するものであるが、下から2番目の状態エリアのドットは、特定方向に偏移しており、その他のドットの位置と異なるものである。 ここで、引用発明のヘッダー部の状態エリアのうちの縦方向に4個の状態エリアについて、ドットに着目して分類すると、下から2番目の状態エリア(特定方向に偏移)と、下から2番目の状態エリア以外の状態エリア(中心位置)とに分類される。 そして、下から2番目の状態エリアを、画像インジケーターの方向付けの「目印」となる点に着目して「目標第2ヘッダ・ブロック」と呼ぶとともに、「それ以外」(すなわち「剰余」の)状態エリアを、「剰余第2ヘッダ・ブロック」と呼ぶことは任意であって、引用発明の下から2番目の状態エリア以外の状態エリアは、ドットを有することから、本件発明1の構成Iの「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロック以外の複数の剰余第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有」する構成に相当する。 しかし、引用発明の下から2番目の状態エリア18は、特定方向に偏移するドットを有するのに対し、本件発明1は、構成Iのように「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックが、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さ」ないものである。 以上まとめると、構成Iに関して、引用発明と本件発明1とは「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロック以外の複数の剰余第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有」する点で共通する。 しかし、「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロック」に関して、本件発明1は、「前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さ」ないのに対し、引用発明は、特定方向に偏移するドットを有するものである点で相違する。 (h)構成Jについて 構成f1より、引用発明は、ヘッダー部の状態エリアのうちの5個の状態エリアが横方向に配置され、ヘッダー部の状態エリアのうちの4個の状態エリアが縦方向に配置されている。 ここで、横方向及び縦方向に配置されることは、直線形式で配置されることといえ、それぞれを異なるヘッダ領域と称すると、ヘッダー部の状態エリアのうちの5個の状態エリアが横方向に配置されること、ヘッダー部の状態エリア18のうちの4個の状態エリアが縦方向に配置されることは、それぞれ、本件発明1の「直線形式で第1ヘッダ領域に配置」、「直線形式で第2ヘッダ領域に配置」に相当する。 そうすると、引用発明は、本件発明1の構成Jの「前記N個の第1ヘッダ・ブロックが、直線形式で第1ヘッダ領域に配置され、前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックが、直線形式で第2ヘッダ領域に配置され」る構成に相当する構成を有するものである。 (i)構成Kについて 構成f1より、引用発明は、ヘッダー部の状態エリアのうちの横方向に5個の状態エリアにおける左端が、ヘッダー部の状態エリアのうちの縦方向に4個の状態エリアの上端に隣接する構成である。 そうすると、引用発明は、本件発明1の構成Kの「前記第1ヘッダ領域における第1接続端が、前記第2ヘッダ領域の第2接続端に隣接」する構成を有している。 (j)構成L、Mについて 本件発明1は、構成L及びMのように「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記第2ヘッダ領域の2つの端部に位置する2つの端部第2ヘッダ・ブロックが、」「前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の1つと、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の1つとを含み、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、前記第1ヘッダ領域に隣接し、かつ空」である構成であるのに対し、引用発明はそのような構成ではない点で相違する。 (k)構成Nについて 本件発明1は、構成Nのように「前記複数のコンテンツ・ブロックは、前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される」構成であるのに対し、引用発明はそのような構成ではない点で相違する。 (イ)一致点、相違点 以上より、本件発明1と引用発明との一致点、相違点は、以下の通りである。 (一致点) A グラフィカル・インディケータであって、 B 複数のブロックであって、前記ブロックが、寸法がM×Nのインディケータ行列を形成し、MおよびNが、それぞれ、3よりも大きい正の整数である、複数のブロックを備え、 C 前記ブロックが、 D N個の第1ヘッダ・ブロックと(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックとを含む複数のヘッダ・ブロックと、 E 複数のコンテンツ・ブロックであって、前記コンテンツ・ブロックの各々がデータ・マイクロ・グラフィックを有し、前記コンテンツ・ブロックが、ドット・パターン・コードを記録するために使用される、複数のコンテンツ・ブロックと、 を含み、 F 前記N個の第1ヘッダ・ブロックが前記インディケータ行列の第1行に配置され、 G 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記インディケータ行列の前記第1行以外の(M-1)行にわたり配置され、前記コンテンツ・ブロックが前記(M-1)行にわたり配置され、 H 前記N個の第1ヘッダ・ブロックの各々が、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有し、 I’前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロック以外の複数の剰余第2ヘッダ・ブロックの各々が、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有し、 J 前記N個の第1ヘッダ・ブロックが、直線形式で第1ヘッダ領域に配置され、前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックが、直線形式で第2ヘッダ領域に配置され、 K 前記第1ヘッダ領域における第1接続端が、前記第2ヘッダ領域の第2接続端に隣接する A グラフィカル・インディケータ。 (相違点) 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックに関して、本件発明1は、前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さないのに対し、引用発明は、特定方向に偏移するドットを有するものであり、 本件発明1は、 前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記第2ヘッダ領域の2つの端部に位置する2つの端部第2ヘッダ・ブロックが、前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の1つと、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の1つとを含み、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、前記第1ヘッダ領域に隣接し、かつ空であり、 前記複数のコンテンツ・ブロックは、前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置されるのに対し、 引用発明はそのような構成ではない点。 b 相違点についての検討 (a)引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるかについて 引用技術3における、アレイ区域240の斜線上に位置する4個のエリアブロック260Aにおける2つの端部のうちの一方は、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するエリアブロック260Aであり、線状区域220内に設けられたヘッダーグラフィカルマイクロユニットAのエリアブロック260Aに隣接し、他方は、仮想センターPに位置するヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを具備するエリアブロック260Aである。(構成k3) そして、本件発明1の剰余第2ヘッダ・ブロックは、構成Iより、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有することから、引用技術3の「仮想センターPに位置するヘッダーグラフィカルマイクロユニットAを具備するエリアブロック260A」は、本件発明1の「剰余第2ヘッダ・ブロック」に相当する。 更に、引用技術3の「仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するエリアブロック260A」は、本件発明1の「目標第2ヘッダ・ブロック」に対応するといえる。 そうすると、上記相違点のうち、「前記(M-1)個の第2ヘッダ・ブロックにおける前記第2ヘッダ領域の2つの端部に位置する2つの端部第2ヘッダ・ブロックが、前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の1つと、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の1つとを含み、前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックの内の前記1つが、前記第1ヘッダ領域に隣接し、」「前記複数のコンテンツ・ブロックは、前記直線形式の前記第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される」点が引用技術3に開示されているものといえる。 しかし、引用技術3の「仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備するエリアブロック260A」は、「仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備する」ものであって、本件発明1の目標第2ヘッダ・ブロックのように、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さない構成であり、空である構成ではない。 そこで、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さない構成であり、空である構成ではない点について、更に検討する。 引用技術2のような、ブロックの向きを判定するために、基準格子点ドットの代わりにキードットを上方向にずらす技術だけでなく、基準ドットを配置しないことでブロックの向きを判定する技術(構成a2、c2、e2)が、仮に周知技術であったとしても、そもそも、引用技術3は構成n3より、エリアブロック260AにおけるヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を利用して、グラフィカルインジケータ20のインジケータデータの搭載量を更に向上させる技術であって、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備することが必須の構成であるから、引用発明と引用技術3を組み合わせた構成において、更に、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さない構成であり、空である構成とすることは阻害要因がある。 したがって、本件発明1は、引用発明及び引用技術2、3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (b)引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるかについて 引用発明のような特定方向に偏移するドットを有する構成に代えて、引用技術2のように、ヘッダ・マイクロ・グラフィックを有さない構成とすることに格別の困難性がないとしても、少なくとも「複数のコンテンツ・ブロックが直線形式の第2ヘッダ領域によって隔てられて複数のコンテンツ領域に分けて配置される」構成ではない点で、依然として相違するものである。 したがって、本件発明1は、引用発明及び引用技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 なお、引用技術3のような技術が、仮に周知技術であったとしても、上述したように、引用技術3は、仮想センターPから離れたヘッダーグラフィカルマイクロユニットA’を具備することが必須の構成であるから、引用発明と引用技術2を組み合わせた構成において、更に、引用技術3のような構成とすることは阻害要因がある。 c まとめ 以上より、本件発明1は、引用発明及び引用技術2、もしくは、引用発明及び引用技術2、3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (イ)本件発明2、5、6について 本件発明2、5、6は、本件発明1を直接又は間接に引用する発明であるから、上記(ア)と同様の理由により、本件発明2、5、6に係る発明は、引用発明及び引用技術2、もしくは、引用発明及び引用技術2、3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (ウ)理由Aのまとめ 請求項1、2、5、6に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術、もしくは、引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 イ 取消理由通知書に記載した理由Bについて 訂正により請求項3及び4に係る発明は削除された。 したがって、取消理由通知書に記載した理由Bについては、対象となる請求項が存在しないものとなった。 ウ 取消理由通知書に記載した理由Cについて 訂正により請求項1に係る発明は、「前記剰余第2ヘッダ・ブロックの内の2つを含み(前記第2ヘッダ領域に含まれる前記1つ以上の目標第2ヘッダ・ブロックと前記複数の剰余第2ヘッダ・ブロックとによって構成される前記ヘッダ・マイクロ・グラフィックの並び方が、前記直線形式の第2ヘッダ領域の当該直線形状に沿って前記2つの端部第2ヘッダ・ブロックの一方から見た場合と他方から見た場合とにおいて同じとなる構成を除く)」との構成を含まないものとなった。 したがって、取消理由通知書に記載した理由Cについては、取消理由が解消された。 エ 申立人の主張 申立人は、令和6年3月29日に提出した意見書において、訂正後の請求項1、2、5、6に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨の主張をしているが、上記アで検討したとおりであり、当該主張を採用することはできない。 (2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について ア 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由は次のとおりである。 (ア)特許法第29条第2項について 本件特許発明1、2,5、6は、甲第2号証~甲第5号証に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明1、2,5、6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。(以下、「理由1」という。) (イ)特許法第36条第6項第1号について 本件特許発明7は、発明の詳細な説明に記載されていない事項を含むものであるから、本件特許発明7に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。(以下、「理由2」という。) イ 当審の判断 (ア)理由1について 理由1は、上記1の理由Aに関して、更に、甲第3号証と甲第5号証を加えるものであるが、上記2(3)に示した甲3技術は、引用技術2と同様に、微細単位を含まないことを示す程度の技術であり、上記2(5)に示した甲5技術は、引用発明と同様に一部をずらしている程度の技術であって、いずれを鑑みても、4(1)ア(イ)の相違点に係る構成が容易に想到しうるものであるといえない。 (イ)理由2について 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できる範囲のものであるか否か、また、発明の詳細な説明に記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 以下、この観点に立って、本件特許の特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かについて検討する。 明細書の【0067】~【0069】、【図12】には、以下の記載がある。 【0067】 [0066] 図12は、本発明の実施形態によるグラフィカル・インディケータの模式図である。図12を参照して、グラフィカル・インディケータ600は、第1ヘッダ領域HR1と第2ヘッダ領域HR2とを含み、グラフィカル・インディケータ600は、更に、複数のコンテンツ・ブロック621(1)~612(9)を含むと仮定する。グラフィカル・インディケータ600の第1ヘッダ領域HR1におけるヘッダ・ブロック611(1)~611(4)のヘッダ・マイクロ・グラフィックは、それぞれ、ヘッダ・ブロック611(1)~611(4)の右縁に配置されている。グラフィカル・インディケータ600の第2ヘッダ領域HR2の2つの端部にある剰余ヘッダ・ブロック612(1)および612(3)のヘッダ・マイクロ・グラフィックは、それぞれ、ヘッダ・ブロック612(1)、612(3)の下縁に配置されている。加えて、グラフィカル・インディケータ600の目標ヘッダ・ブロック612(2)は空である。 【0068】 [0067] この実施形態では、データ・マイクロ・グラフィックを対応するコンテンツ・ブロックに配置することができる複数のコンテンツ・ブロックの各々におけるコンテンツ構成領域の位置は、対応するヘッダ・ブロックにおける第1ヘッダ領域HR1の各ヘッダ・マイクロ・グラフィックの位置、および対応するヘッダ・ブロックにおける第2ヘッダ領域HR2の各ヘッダ・マイクロ・グラフィックの位置によって決定される。例えば、図12に示すように、複数のコンテンツ・ブロックの各々において、第1ヘッダ領域HR1における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックは、対応するヘッダ・ブロックの「右」縁にあり(右縁の逆側は「左」縁である)、第2ヘッダ領域HR2における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックは、対応するヘッダ・ブロックの「下」縁にある(下縁の逆側は「上」縁である)ので、データ・マイクロ・グラフィックを配置することができるコンテンツ構成領域は、各コンテンツ・ブロックの「左上」部分となる(各コンテンツ・ブロックの右縁部分および下縁部分を避けるため)。即ち、各コンテンツ・ブロックのコンテンツ構成領域は、第1ヘッダ領域HR1および第2ヘッダ領域HR2におけるヘッダ・マイクロ・グラフィックに対して、逆側に配置される(arranged)。 【0069】 [0068] 他の例をあげると、他の実施形態において、第1ヘッダ領域における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックが、対応するヘッダ・ブロックの「右」縁にあり、第2ヘッダ領域における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックが対応するヘッダ・ブロックの「上」縁にあると仮定すると、各コンテンツ・ブロックのコンテンツ構成領域を各コンテンツ・ブロックの「左下」部分に予め決めることができる。他の例をあげると、他の実施形態において、第1ヘッダ領域における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックが対応するヘッダ・ブロックの「左」縁にあり、第2ヘッダ領域における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックが対応するヘッダ・ブロックの「上」縁にあると仮定すると、各コンテンツ・ブロックのコンテンツ割り当て領域は、各コンテンツ・ブロックの「右下」部分に予め決めることができる。他の例をあげると、他の実施形態において、第1ヘッダ領域における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックが対応するヘッダ・ブロックの「左」縁にあり、第2ヘッダ領域における各ヘッダ・マイクロ・グラフィックが、対応するヘッダ・ブロックの「下」縁にあると仮定すると、各コンテンツ・ブロックのコンテンツ構成領域は、各コンテンツ・ブロックの「右上」部分に予め決めることができる。 【図12】 [図:0001413295000006.jpg] すなわち、発明の詳細な説明には、本件発明7に関する実施例が開示されているといえ、「前記コンテンツ・ブロックの各々の前記データ・マイクロ・グラフィックが、当該データ・マイクロ・グラフィックが属するコンテンツ・ブロックのコンテンツ構成領域内に配置され、前記コンテンツ・ブロックにおける前記コンテンツ構成領域の位置が、前記第1縁および前記第2縁にしたがって予め決められる」との構成を含む本件発明7は、発明の詳細な説明に記載されているといえる。 また、【0003】には、【発明が解決しようとする課題】として、「したがって、フレームワーク(framework)を改善するためには、グラフィカル・インディケータ上で実行される画像認識処理(operation)の認識率を高めるグラフィカル・インディケータは、当業者にとって開発目的の1つとなる。」と記載されており、本件発明7により、グラフィカル・インディケータ上で実行される画像認識処理(operation)の認識率を高めることができるものであるから、本件発明7は、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できる範囲のものである。 (ウ)まとめ 以上より、申立人の主張する理由1及び2について、採用することができない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、5、6、7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、2、5、6、7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 更に、請求項3、4に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人株式会社I・Pソリューションズによる特許異議の申立てについて、請求項3、4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって結論のとおり決定する。

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2023-700192

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