2020-390048
合成膜-レシーバー複合体
- 審判番号
- 2020-390048
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-533105外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年06月22日
- 審決日
- 2020年11月09日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .852-Y (A61K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第131条の2第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6702866号(以下、「本件特許」という。)の手続の経緯は、次のとおりである。
平成26年11月12日 特許出願(国際出願)
令和 2年 5月11日 特許権の設定登録
令和 2年 6月22日 本件訂正審判請求
令和 2年 8月19日付け 訂正拒絶理由通知
令和 2年10月 8日 意見書、審判請求書の手続補正書
第2 請求の要旨
1.訂正拒絶理由の要旨及び審判請求書の補正について
当審が令和2年8月19日付けで請求人に通知した訂正拒絶理由の要旨は、訂正事項3の訂正は特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものでもない、というものである。この訂正拒絶理由通知に対し、請求人は、令和2年10月8日付けで意見書、及び審判請求書を補正(以下、「本件補正」という。)する手続補正書を提出した。
本件補正の内容は、令和2年6月22日付け審判請求書の「6 請求の理由」の「2)訂正事項」における、
「ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1および25に記載された「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)」を、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)」に訂正します。」及び
「イ 訂正事項2 願書に添付した明細書の段落【0589】、【1089】、【1180】に記載された「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ」を、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」に訂正します。」を、
「ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に記載された「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)」を、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)」に訂正します。」、
「イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項25に記載された「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)」を、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)」に訂正します。」、
「ウ 訂正事項3 願書に添付した明細書の段落【1089】に記載された「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ」を、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」に訂正します。」及び
「エ 訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【1180】に記載された「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ」を、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」に訂正します。」
に補正するものである。
要するに、本件補正は、補正前の訂正事項1に記載されていた特許請求の範囲の請求項1及び25における訂正事項を、それぞれ訂正事項1及び2に分け、補正前の訂正事項2に記載されていた段落【0589】、【1089】及び【1180】における訂正事項を、令和2年8月19日付け訂正拒絶理由通知において訂正が認められないとした、段落【0589】における訂正事項を削除した上で、段落【1089】及び【1180】における訂正事項をそれぞれ訂正事項3及び4に分けたものであるから、審判請求書の要旨を変更するものではない。
よって、本件補正は、特許法第131条の2第1項本文の規定に適合するから、これを認める。
そして、これにより、上記の訂正拒絶理由は解消した。
2.請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第6702866号の明細書及び特許請求の範囲を、令和2年10月8日付け手続補正書によって補正した本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲の記載のとおり、訂正することを認める、との審決を求めるものである。
3.訂正の内容
令和2年10月8日付け手続補正書により補正された本件訂正審判請求(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~4のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲における請求項1に
「フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)またはフェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)またはその機能断片を含む外因性ポリペプチドを含む、単離された除核赤血球系細胞であって、前記除核赤血球系細胞は、赤血球系前駆細胞を、前記外因性ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させる工程;および前記赤血球系前駆細胞が除核赤血球系細胞に分化するのを可能にする工程を含む方法により調製される、除核赤血球系細胞。」
とあるのを、
「フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)またはフェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)またはその機能断片を含む外因性ポリペプチドを含む、単離された除核赤血球系細胞であって、前記除核赤血球系細胞は、赤血球系前駆細胞を、前記外因性ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させる工程;および前記赤血球系前駆細胞が除核赤血球系細胞に分化するのを可能にする工程を含む方法により調製される、除核赤血球系細胞。」
に訂正する(下線は本件訂正箇所である。)。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~24も同様に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲における請求項25に
「除核赤血球系細胞を作製する方法であって、赤血球系前駆細胞を、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)またはフェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)またはその機能断片を含む外因性ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させる工程;および前記赤血球系前駆細胞が除核赤血球系細胞に分化するのを可能にする工程を含む、方法。」
とあるのを、
「除核赤血球系細胞を作製する方法であって、赤血球系前駆細胞を、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)またはフェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)またはその機能断片を含む外因性ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させる工程;および前記赤血球系前駆細胞が除核赤血球系細胞に分化するのを可能にする工程を含む、方法。」
に訂正する(下線は本件訂正箇所である。)。
請求項25を直接又は間接的に引用する請求項26~39も同様に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落【1089】における
「PKUと診断される対象は、酵素の突然変異又は産生欠損に起因してフェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)活性が欠損している。PAHは、その補因子テトラヒドロビオプテリンと共に、フェニルアラニンからチロシンへの変換に関与する。PAH欠損症はフェニルアラニン蓄積をもたらし、幾つかの神経障害に関連する。」
とあるのを、
「PKUと診断される対象は、酵素の突然変異又は産生欠損に起因してフェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)活性が欠損している。PAHは、その補因子テトラヒドロビオプテリンと共に、フェニルアラニンからチロシンへの変換に関与する。PAH欠損症はフェニルアラニン蓄積をもたらし、幾つかの神経障害に関連する。」
に訂正する(下線は本件訂正箇所である。)。
(4)訂正事項4
明細書の段落【1180】における
「……蛍光標識フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)を送達するため、送達緩衝液が0.1~0.3mg/mLのPAHを含有したように上記に記載したとおり実験を行う。GFPノックダウンは、未処理対照と比べた細胞集団の平均蛍光強度の低下パーセンテージとして計測する。」
とあるのを、
「……蛍光標識フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)を送達するため、送達緩衝液が0.1~0.3mg/mLのPAHを含有したように上記に記載したとおり実験を行う。GFPノックダウンは、未処理対照と比べた細胞集団の平均蛍光強度の低下パーセンテージとして計測する。」
に訂正する(下線は本件訂正箇所である。)。
第3 当審の判断
1.訂正の目的
訂正事項1~4は、「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)」という酵素の名称を「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)」という名称に訂正するものである。
本件訂正前の明細書には、「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)」に類似する名称の酵素として「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)」の他に「フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)」も記載されているところ、両者においてそれらの略称が異なり、訂正事項1~4の「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ(PAH)」には「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」の略称である「PAH」がかっこ書きで記載されているから、訂正事項1~4の「フェニルアラニンアンモニアヒドロキシラーゼ」が「フェニルアラニンアンモニアリアーゼ」ではなく「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」を本来意味していたことは明らかであると言える。
したがって、訂正事項1~4は、訂正前の特許請求の範囲及び明細書に存在する表記上の誤りを正しい記載に訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
2.国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件の国際出願日における国際出願の明細書(外国語書面であるWO2015/073587号の明細書)の段落[00823]にはフェニルアラニンからチロシンへの変換に作用する酵素である「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」という名称の酵素について記載されており、その他にも段落[00273]、[00305]、[00306]、[00308]、[00328]、[00329]、[00331]、[00338]、[00340]、[00385]、[00521]、[00617]、[001133]、[001146]、[001152]、[001153]において「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)」、「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」、「PAH」という名称や略語が記載されている。
したがって、訂正事項1~4は国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内における訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記1.で述べたとおり、訂正事項1~4は誤記を訂正することで、本来その意であることが明らかな内容に正すものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4.独立して特許を受けることができること
上記訂正事項に係る訂正は、特許請求の範囲に記載される技術的事項を変更するものではないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項〔1~24〕、〔25~39〕に係る発明は、特許された発明と同一であり、訂正後の特許請求の範囲の請求項〔1~24〕、〔25~39〕に記載された事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見当たらない。
したがって、上記訂正事項1~4に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項に規定される要件に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2020-390048