2020-016608
熱伝導性ワイヤ編物を用いた熱交換装置
- 審判番号
- 2020-016608
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-513846外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年12月02日
- 審決日
- 2022年08月09日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヂャン イーシン
- 【請求人代理人】特許業務法人梶・須原特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年9月30日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし9に係る発明は、令和4年4月14日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】熱伝導性ワイヤで編まれた熱伝導性編物を含み、前記熱伝導性ワイヤの直径dは、0.01mm≦d≦2mmであり、前記熱伝導性編物は金属枠を含み、前記熱伝導性編物の金属枠が鋳造又は溶接により形成され、放熱又は吸熱を必要とするデバイスは溶接、熱伝導性接着又は鋳込により前記熱伝導性編物の金属枠に接続され、かつ、前記デバイスと熱伝導性編物の熱伝導性ワイヤとの間で熱を効果的に伝導することを保証し、熱が熱伝導性編物の熱伝導性ワイヤで伝導され、熱伝導性ワイヤの表面により空気又は他の流体を加熱又は冷却し、対流により放熱又は吸熱を実現し、放熱を必要とする前記デバイスにより生成された熱を、最短の距離で最大の放熱面に迅速に伝導することができ、熱交換の他方の面、つまり吸熱も全く同様であることを特徴とする熱伝導性ワイヤ編物を用いた熱交換装置。」
第3 当審の拒絶理由の概要
当審において令和4年1月20日付けで通知した拒絶理由は、次のとおりのものである。
1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
3.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由1(進歩性)について
・請求項1
・引用文献等1
・請求項2
・引用文献等1、2
・請求項3
・引用文献等1、2
・請求項4,5
・引用文献等1、2
・請求項6、7
・引用文献等1、3、4
●理由2(サポート要件)について
・請求項1、6、7
・請求項2ないし5
●理由3(明確性)について
・請求項1、6、7
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2015-85921号公報
2.特開2008-293753号公報
3.登録実用新案第3166157号公報
4.特表2010-531032号公報
第4 引用文献1の記載及び引用発明
1 引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付したものである。)。
「【0011】本発明によると、次のような効果を奏す。すなわち、LEDを光源としたヘッドライトランプにおいて、ヒートパイプの効率的な熱伝導構造を利用し、それを主たる構造とした可撓導体により効果的な放熱を可能にしたヘッドライトバルブユニットを提供する。」
「【0014】図2.はヘッドライトランプ2の全体を示す。ヘッドライトランプ2は発熱部を有するヒートパイプ4と放熱機能を持つヒートシンク5からなり、ヒートパイプ4の前方はLED基板7とLEDチップ8を有し、ヒートパイプ4の後方はヒートシンク5中央部を貫く連結部材10とそれを固定する固定部材11でヒートシンク5に固定される。」
「【0020】このヒートパイプ4によって移動した熱の放熱部分であるヒートシンク5は約0.1mmの銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6である。幅50mmの可撓導体線を輪にした後、輪の中央部を固定部材11で挟むことでリボン形状を成す。」
「【0023】また、アルミ板と可撓導体6をほぼ同じ特性にするには、可撓導体6の厚さをアルミ板の厚さの8割程度に換算すればよく、可撓導体6の厚さを2mmとすれば、1.5mmのアルミ板とほぼ同一の特性となる。そして、それをリボン形状にすることにより、表面積が広く、屈曲性能を持った放熱部となる。なお、可撓導体6の厚さを決定する換算率は、使う素材の線径により異なり、これは断面積比率によることとなる。」
[図:0001410560000001.jpg]
[図:0001410560000002.jpg]
ここで、引用文献1には、「ヘッドライトランプ2」について、以下の事項が記載されている。
・【0014】によれば、ヘッドライトランプ2は発熱部を有するヒートパイプ4と放熱機能を持つヒートシンク5からなり、ヒートパイプ4の前方はLED基板7とLEDチップ8を有し、ヒートパイプ4の後方はヒートシンク5中央部を貫く連結部材10とそれを固定する固定部材11でヒートシンク5に固定される。
・【0020】によれば、ヒートシンク5は約0.1mmの銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6であって、幅50mmの可撓導体線を輪にした後、輪の中央部を固定部材11で挟むことでリボン形状を成す。
2 以上によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「発熱部を有するヒートパイプ4と放熱機能を持つヒートシンク5からなるヘッドライトランプ2であって、ヒートパイプ4の前方はLED基板7とLEDチップ8を有し、ヒートパイプ4の後方はヒートシンク5中央部を貫く連結部材10とそれを固定する固定部材11でヒートシンク5に固定され、ヒートシンク5は約0.1mmの銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6であって、幅50mmの可撓導体線を輪にした後、輪の中央部を固定部材11で挟むことでリボン形状を成す、ヘッドライトランプ2。」
第5 対比
本願発明と引用発明を対比する。
1 引用発明の「銅線」は熱伝導性の線であるから、本願発明の「熱伝導性ワイヤ」に相当する。
そして、引用発明の「銅線を編んだ織物状のシート」は、熱伝導性の「銅線」を編んだものであるから、本願発明の「熱伝導性ワイヤで編まれた熱伝導性編物」に相当する。
また、引用発明の織物状のシートを構成する銅線の径である「約0.1mm」は、本願発明の熱伝導性編物を構成する熱伝導性ワイヤの直径である「0.01mm≦d≦2mm」に含まれている。
したがって、引用発明の「約0.1mmの銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6」は、本願発明の「熱伝導性ワイヤの直径dは、0.01mm≦d≦2mm」である「熱伝導性ワイヤで編まれた熱伝導性編物」に相当する。
2 本願発明の「金属枠」は、本願明細書(【0025】)によれば、熱伝導性編物を一定の形状構造に保持するものである。そして、引用発明は「可撓導体6」を「輪にした後、輪の中央部を固定部材11で挟むことでリボン形状を成す」のであるから、「固定部材11」は、可撓導体6を一定の形状構造に保持しているものといえる。
そうすると、引用発明の「固定部材11」と本願発明の「金属枠4」とは、ともに熱伝導性編物の形状を保持する部材であるから、本願発明と引用発明とは「前記熱伝導性編物は形状保持部材を含む」点で共通する。
但し、形状保持部材が、本願発明は「金属枠」であり、「金属枠が鋳造又は溶接により形成され」たのに対して、引用発明の「固定部材11」は、可撓導体線の輪の中央部を挟むものであるが、材質や形成方法などが特定されてない点で相違する。
3 引用発明の「発熱部を有するヒートパイプ4と放熱機能を持つヒートシンク5からなるヘッドライトランプ2」は、発熱部である「LEDチップ8」からの熱を「ヒートパイプ4」を通して「ヒートシンク5」で放熱するものであるから、「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」は放熱を必要とするデバイスであるといえる。
したがって、引用発明における「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」は、本願発明の「放熱又は吸熱を必要とするデバイス」に相当する。
また、上記2に拠ると、引用発明の「固定部材11」は、熱伝導性編物の形状を保持する部材である。そして、引用発明の「ヒートパイプ4」は、ヒートシンク5中央部を貫く連結部材10とそれを固定する固定部材11でヒートシンク5に固定されているので、「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」は熱伝導性編物の形状を保持している「固定部材11」に接続している。
したがって、引用発明の「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」が熱伝導性編物の形状を保持している「固定部材11」に接続していることと本願発明とは、「放熱又は吸熱を必要とするデバイスは前記熱伝導性編物の形状保持部材に接続され」ている点で共通する。
但し、本願発明は「放熱又は吸熱を必要とするデバイスは、溶接、熱伝導性接着又は鋳込により前記熱伝導性編物の金属枠に接続され」るの対して、引用発明は「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」は「ヒートシンク5中央部を貫く連結部材10とそれを固定する固定部材11でヒートシンク5に固定され」る点で相違する。
4 引用発明は、LEDを光源としたヘッドライトランプにおいて、熱伝導構造を利用してヒートシンクを構成する可撓導体により効果的な放熱を可能にするのであるから(引用文献1の【0011】を参照)、LED基板7とLEDチップ8を有するヒートパイプ4と、織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6の銅線との間で熱を効果的に伝導している。
そうすると、引用発明の「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4と放熱機能を持つヒートシンク5からなるヘッドライトランプ2」において、LED基板7とLEDチップ8を有するヒートパイプ4と、織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6の銅線との間で熱を効果的に伝導することは、本願発明の「前記デバイスと熱伝導性編物の熱伝導性ワイヤとの間で熱を効果的に伝導することを保証し」ていることに相当するといえる。
5 引用発明の「放熱機能を持つヒートシンク5」の「銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6」は、銅線に熱が伝わり、銅線の表面で空気を加熱し、空気に対流を起こさせて放熱していることは明らかである。
そうすると、引用発明の「放熱機能を持つヒートシンク5」の「銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6」において、銅線に熱が伝わり、銅線の表面で空気を加熱し、空気に対流を起こさせて放熱していることは、本願発明の「熱が熱伝導性編物の熱伝導性ワイヤで伝導され、熱伝導性ワイヤの表面により空気又は他の流体を加熱又は冷却し、対流により放熱又は吸熱を実現し」ていることに相当するといえる。
6 熱は、一般的に高温部から低温部へ熱抵抗が少なくなるように最短距離を伝わるものである。そして、上記4のとおり、引用発明は可撓導体により効果的な放熱を可能する効果を有しているのであるから、引用発明において、「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」からの熱が、最短の距離、すなわち迅速に「可撓導体6」に伝導することにより、効果的な放熱を可能にしているといえる。
また、引用発明の「可撓導体6」は、表面積が広い放熱部となるのであるから(引用文献1の【0023】を参照)、放熱機能を持つヒートシンク5において、最大の放熱面となっている。
そうすると、引用発明の「ヘッドライトランプ2」は、「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」からの熱が、最短の距離で最大の放熱面である「可撓導体6」に迅速に伝導している。
したがって、引用発明の「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4と放熱機能を持つヒートシンク5からなるヘッドライトランプ2」において、LED基板7とLEDチップ8を有するヒートパイプ4からの熱が、最短の距離で最大の放熱面である可撓導体6に迅速に伝導していることは、本願発明の「放熱を必要とする前記デバイスにより生成された熱を、最短の距離で最大の放熱面に迅速に伝導することがき」ることに相当するといえる。
7 放熱と吸熱は熱伝導においては対称な現象であって、放熱と吸熱では単に熱の伝わる方向が逆になることであるから、引用発明の「銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6」は、吸熱についても放熱と同様に、すぐれた機能を果たすことが可能であることは明らかである。
そうすると、引用発明の「銅線を編んだ織物状のシートをリボン形状にした可撓導体6」が、吸熱についても同様に機能を果たすことができることは、本願発明の「熱交換の他方の面、つまり吸熱も全く同様である」ことに相当する。
8 引用発明の「ヒートシンク5」は、熱伝導性ワイヤで編まれた熱伝導性編物、および金属枠に対応する構成を備えているから、本願発明の「熱伝導性ワイヤ編物を用いた熱交換装置」に相当する。
上記1ないし8によれば、本願発明と引用発明とは以下の点で一致ないし相違する。
(一致点)
「熱伝導性ワイヤで編まれた熱伝導性編物を含み、前記熱伝導性ワイヤの直径dは、0.01mm≦d≦2mmであり、前記熱伝導性編物は形状保持部材を含み、放熱又は吸熱を必要とするデバイスは前記熱伝導性編物の形状保持部材に接続され、かつ、前記デバイスと熱伝導性編物の熱伝導性ワイヤとの間で熱を効果的に伝導することを保証し、熱が熱伝導性編物の熱伝導性ワイヤで伝導され、熱伝導性ワイヤの表面により空気又は他の流体を加熱又は冷却し、対流により放熱又は吸熱を実現し、放熱を必要とする前記デバイスにより生成された熱を、最短の距離で最大の放熱面に迅速に伝導することができ、熱交換の他方の面、つまり吸熱も全く同様である熱伝導性ワイヤ編物を用いた熱交換装置。」
(相違点1)
形状保持部材が、本願発明は「金属枠」であり、「金属枠が鋳造又は溶接により形成され」たのに対して、引用発明の「固定部材11」は、可撓導体線の輪の中央部を挟むものであるが、材質や形成方法などが特定されてない点。
(相違点2)
本願発明は「放熱又は吸熱を必要とするデバイスは、溶接、熱伝導性接着又は鋳込により前記熱伝導性編物の金属枠に接続され」るの対して、引用発明は「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」は「ヒートシンク5中央部を貫く連結部材10とそれを固定する固定部材11でヒートシンク5に固定され」る点。
第6 判断
上記相違点について検討する。
1 上記相違点1について
引用発明の「固定部材11」は、LED基板7とLEDチップ8を有するヒートパイプ4を、ヒートシンク5を構成する可撓導体6に熱的に接続するものであり熱伝導性が求められる。そうすると、該「固定部材11」として熱伝導性に優れた金属製の枠を選択することは、適宜なし得る設計的事項に過ぎない。そして、金属枠を鋳造又は溶接により形成することは一般的なことである。
そうすると、引用発明において、「固定部材11」として金属枠を用い、該金属枠を鋳造又は溶接により形成することは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、金属枠である「固定部材11」を鋳造又は溶接により形成する際に、「固定部材11」と「可撓導体6」を鋳造又は溶接により一体的にすることは、適宜なし得ことである。
したがって、引用発明に基づいて、上記相違点1に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。
この点について、請求人は「鋳造又は溶接により形成された金属枠が熱伝導性編物の骨格となるものであり、両者は、不可分一体に形成されています。金属枠と熱伝導性編物の熱伝導性材料ワイヤは、鋳造又は溶接箇所で一体となり、その間には、熱伝導を阻害するエアギャップが何ら存在していません。」(令和4年4月14日の意見書、第2頁第8ないし11行)と主張している。
しかしながら、「エアギャップ」が何ら存在しなことは、特許請求の範囲の請求項1に記載されておらず、上記主張は請求項1の記載に基づくものでない。
また、上述のように、引用発明の「固定部材11」を金属枠で形成し、「固定部材11」と「可撓導体6」を鋳造又は溶接により一体的にすることは、当業者が容易になし得たことである。そうすると、「固定部材11」と「可撓導体6」の間はエアギャップが存在しないものとなる。したがって、上記主張を採用することができない。
2 上記相違点2ついて
上述のように、引用発明の「固定部材11」を金属枠で形成することは適宜なし得ることである。
そして、放熱を必要とするデバイスを、ヒートシンクに、溶接、熱伝導性接着又は鋳込を用いて、接続することは周知技術である(例えば、特開2012-188646号公報(【0031】、図3)、特開2014-99414号公報(【0064】、図9)等参照)。
そうすると、上記「固定部材11」を金属枠で形成したものにおいて、「LED基板7とLEDチップ8を有」する「ヒートパイプ4」と「固定部材11」との接続に熱伝導性接着等の周知技術を用いて、上記相違点2の構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、引用発明及び周知技術に基づいて、上記相違点2に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。
この点について、請求人は「放熱又は吸熱を必要とするデバイスが溶接、熱伝導性接着又は鋳込により熱伝導性編物の金属枠に接続されており、その間には、同様に、熱伝導を阻害するエアギャップが何ら存在していません。」(令和4年4月14日の意見書、第2頁第11ないし13行)と主張している。
しかしながら、「エアギャップ」が何ら存在しなことは、特許請求の範囲の請求項1に記載されておらず、上記主張は請求項1の記載に基づくものでない。
また、上述のように、引用発明の「固定部材11」を金属枠で形成し、「ヒートパイプ4」と「固定部材11」との接続に熱伝導性接着等の周知技術を用いることは、当業者が容易になし得たことである。そうすると、「ヒートパイプ4」と「固定部材11」の間はエアギャップが存在しないものとなる。したがって、上記主張を採用することができない。
3 そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
よって、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-016608