2020-016273
情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
- 審判番号
- 2020-016273
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-098844外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年11月26日
- 審決日
- 2022年04月04日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .537-WZ (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和元年5月27日の出願であって、令和2年1月16日付けで拒絶理由が通知され、同年6月16日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年9月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
その後、当審において、令和3年12月1日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)を通知し、これに対し、令和4年1月18日に意見書及び手続補正書が提出された。
第2 本願発明について
1 本願請求項1~15に係る発明は、令和4年1月18日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載されたとおりのものであり、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。下線部は補正箇所を示す。
「【請求項1】キャパシティに制限がある対象に関連する対象関連情報を取得する取得部と、前記対象と所定の関係を有する他の対象に関連する対象関連情報を入力とし、当該対象のキャパシティに関する状態を示すスコアを出力とするモデルであって、当該他の対象の過去の対象関連情報の履歴と、当該他の対象の過去の対象関連情報の履歴に対応する当該対象のキャパシティに関する状態とを正解情報として学習するモデルを生成する生成部と、前記他の対象に関連する前記対象関連情報を、前記生成部により生成されたモデルに入力することにより出力されたスコアに基づいて、前記対象の前記状態を推定する推定部と、を備え、前記生成部は、前記推定の対象となる日時の対象関連情報を入力すると、各々の日時の前記対象の状態を示す前記スコアを出力する前記モデルを生成することを特徴とする情報処理装置。」
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由のうち、請求項1について通知した拒絶の理由の概要は次のとおりである。
理由1 特許法第36条第6項1号(サポート要件)
令和2年11月26日に提出された手続補正書による補正後の請求項1に記載された発明は、
(a)「前記対象と所定の関係を有する他の対象に関連する対象関連情報を入力とし、当該対象のキャパシティに関する状態を示すスコアを出力とするモデルであって、当該他の対象の過去の対象関連情報の履歴と、当該履歴に対応する当該対象のキャパシティに関する状態とを正解情報として学習するモデルを生成する生成部」、
(b)「前記取得部により取得された前記対象関連情報を、前記生成部により生成されたモデルに入力することにより出力されたスコアと、予め定められた前記対象の前記状態とスコアとの関係性に基づいて、前記対象の前記状態を推定する推定部」を特定事項として備えている。
(1)発明の詳細な説明には、推定部において、上記特定事項(a)で生成したモデルM1に、他の店舗(例えば、店舗SP2)に配置されたセンサにより検知された第2センサ情報を含む対象関連情報を入力すること、すなわち、他の対象に関連する対象関連情報を入力とすることは記載されているが、店舗SP1に配置されたセンサにより検知されたセンサ情報を含む対象関連情報を入力とすること、すなわち、「前記取得部により取得された前記対象関連情報を、前記生成部により生成されたモデルに入力する」とすることは記載されていない。
(2)発明の詳細な説明には、「スコア」自体が推定された「店舗の状態」を示すことは記載されているが、スコアと予め定められた店舗の状態とスコアとの関係性に基づいて、店舗の状態を推定することは記載されていない。
(3)令和2年11月26日に提出された手続補正書による補正後の請求項1に記載された発明は、「前記生成部は、前記推定の対象となる日時ごとに異なる前記スコアを出力する前記モデルを生成する」を特定事項(c)として備えている。
発明の詳細な説明には、推定の対象となる日時(日時DA31、日時DA32)の対象関連情報を入力して、各々の日時の店舗の状態を示すスコアを出力することは記載されているが、各々の日時におけるスコアが、異なるか否かは、日時DA31の対象関連情報と日時DA32の対象関連情報によって決まるものであり、上記スコアが日時ごとに「異なる」スコアを出力するモデルを生成することは、発明の詳細な説明には記載されていない。
理由2 特許法第36条第6項第2号(明確性)
令和2年11月26日に提出された手続補正書による補正後の請求項1には、「当該他の対象の過去の対象関連情報の履歴と、当該履歴に対応する当該対象のキャパシティに関する情報とを正解情報として学習する」と記載されているが、「当該履歴に対応する」とは、「当該対象のキャパシティに関する情報」が、「他の対象」のものなのか、「対象」のものなのか、いずれを指すのか明確でない。
第4 当審の判断
請求項1について、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に適合するかを、以下に検討する。
1 特許請求の範囲の請求項1の記載について
特許請求の範囲の請求項1には、「生成部」で生成される「モデル」の学習について、
ア 「当該他の対象の過去の対象関連情報の履歴と、当該他の対象の過去の対象関連情報の履歴に対応する当該対象のキャパシティに関する状態とを正解情報として学習するモデルを生成する生成部」
イ 「生成部は、前記推定の対象となる日時の対象関連情報を入力すると、各々の日時の前記対象の状態を示す前記スコアを出力する前記モデルを生成する」
と、記載されている。
上記アの記載によると、生成部が、学習に用いる正解情報は、「他の対象に関連する対象関連情報」である。
一方、上記イの記載によると、生成部は、「推定の対象となる日時の対象関連情報」を入力するモデルを生成するものであるから、学習に用いる正解情報は、「他の対象に関連する対象関連情報」ではなく、「対象に関連する対象関連情報」である。
よって、上記アと上記イとは、生成部において、生成されるモデルの学習に用いる正解情報が、「他の対象に関連する対象関連情報」なのか、「対象に関連する対象関連情報」なのかを特定することができない。
したがって、特許請求の範囲の請求項1の記載は、明確でない。
2 審判請求人の主張について
審判請求人は、当審拒絶理由に対して、令和4年1月18日に意見書を提出し、明細書の段落【0027】の記載に基づいて、補正により「当該対象のキャパシティに関する情報」を「他の対象」のものであることを明確にしたと主張するが、上記1のとおり、「当該対象のキャパシティに関する情報」が「他の対象」のものであるのか、「対象」のものであるのか、意見書を参酌しても、明確ではない。
そして、明細書の段落【0027】に記載されているモデルM1は、推定の対象となる日時の「対象に関連する対象関連情報」を入力するものであって、推定の対象となる日時の「他の対象に関連する対象関連情報」を入力するものではないから、請求項1の上記1のイの「対象関連情報」が、「他の対象に関連する対象関連情報」であることの根拠とはならない。
また、明細書の段落【0021】、【0033】には、他の店舗に配置されたセンサ情報を含む対象関連情報(第2対象関連情報)を取得することを前提とした変形例が記載されているが、本願請求項1は、「取得部」において、「キャパシティに制限がある対象に関連する対象関連情報を取得する」ことを前提とし、「他の対象に関連する対象関連情報」を取得することを前提とするものではないから、請求項1の上記1のイの「対象関連情報」が、「他の対象に関連する対象関連情報」であると解釈することはできない。
第5 むすび
以上のとおり、本願請求項1に係る発明について、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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