特許拒絶査定不服審判
2021-017002
情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
- 審判番号
- 2021-017002
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-219486外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月09日
- 審決日
- 2023年05月22日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】PayPay株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (G06Q) / P18 .537-WZ (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-219486「情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 7月 8日出願公開、特開2022-104336〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年12月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 4月12日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 6月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 9月13日付け:拒絶査定
令和 3年12月 9日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 4年 2月14日付け:前置報告書
令和 4年 3月28日 :上申書の提出
令和 5年 1月 4日付け:拒絶理由通知書
令和 5年 3月10日 :意見書、手続補正書の提出(以下、この意見書及び手続補正書による手続補正を、それぞれ「意見書」及び「本件補正」という。)
第2 本願発明
本願の請求項1~25に係る発明は、本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1~25に記載されたものであり、そのうち、請求項11、19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明11」、「本願発明19」という。)は、以下のとおりである。(下線部は、本件補正による補正箇所である。)。
「【請求項11】
所定のグループに該当する複数の利用者が有する複数の端末装置であって、電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々を用いて、前記複数の利用者の各々が利用する端末装置を用いて個別に注文操作を行った複数の注文を示す複数の注文情報を取得する取得部と、
前記複数の注文情報が示す前記複数の注文を、前記所定のグループに対応する支払いとする決済処理であって、前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行し、前記複数の利用者のうち、前記一の利用者以外の他の利用者の口座から、前記一の利用者の口座へ前記複数の注文の支払い額に基づく金額を移行させる決済処理部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。」
「【請求項19】
前記取得部は、
前記複数の端末装置を用いた所定の決済手段を介して注文された前記複数の注文を示す前記複数の注文情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~18のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。」
第3 当審において通知した拒絶理由
令和5年1月4日付けで当審において通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)は、次の拒絶の理由を含むものである。
1 理由1
この出願の特許請求の範囲の請求項19の「前記取得部は、前記複数の端末装置を用いた所定の決済手段による前記複数の注文を示す前記複数の注文情報を取得する」との記載について、「決済手段」は、決済に用いられる手段であるところ、「決済手段」による「複数の注文」とは、「決済手段」が注文を行うという意味なのか、決済された「注文情報」の意味なのか、他の意味なのか、「決済」と「注文」の関係が明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
2 理由2
この出願の請求項11に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2019-175186号公報
引用文献2:特開2020-47181号公報
第4 理由1(特許法第36条第6項第2号)について
請求項19の「前記取得部は、前記複数の端末装置を用いた所定の決済手段を介して注文された前記複数の注文を示す前記複数の注文情報を取得する」との記載について、「決済手段」は、決済に用いられる手段であるところ、「決済手段」を介して「注文」された「複数の注文」とは、「決済手段」が注文を行うという意味なのか、決済された「注文情報」の意味なのか、他の意味なのか、依然として、「決済」と「注文」の関係が明確でない。
よって、本願発明19は明確でない。
なお、請求人は、意見書において
「上記のように本願の請求項1(以下「本願発明1」とします)等を記載が明確になるように補正したことにより、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものと考えます。
これにより、本願発明1は特許法第36条第6項第2号の規定により拒絶されることはないと考えます。また、本願の請求項1に係る従属項及び本願の請求項1に対応する請求項20、21も同様に、特許法第36条第6項第2号の規定により拒絶されることはないと考えます。」
と主張するのみであり、本願発明19が明確であることについて、何ら主張していないから、意見書の主張に基づいて、本願発明19が明確であるとはいえない。
第5 理由2(特許法第29条第2項)について
1 引用文献の記載及び引用発明
(1) 引用文献1
ア 当審拒絶理由に引用した引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店にて複数人で飲食した後に、複数人で飲食した複数の商品の合計金額を複数人で分割して支払う場合がある。また、複数の商品の合計金額全てを複数人の中の1人が支払う場合がある。それゆえ、電子決済を利用可能にするにあたって、多種多様な支払い方法を可能にすると利便性が向上する。
本発明は、利便性を向上させることができるキャッシュレスシステムを提供することを目的とする。」
「【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1の概略構成を例示した図である。
キャッシュレスシステム1は、ユーザが所有するユーザ端末10と、飲食店等の店舗にて提供可能なメニューの管理等を行うサーバ20と、店舗が所有する店舗端末30と、周知のプリンタ40とを備えている。」
「【0015】
<サーバ20>
図3は、サーバ20の機能構成を例示したブロック図である。
サーバ20は、ユーザ端末10が備える、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15と同様に、制御部21、記憶部22、表示部(不図示)、操作部(不図示)、通信部(不図示)を備えている。記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)であっても良い。
【0016】
制御部21は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)等を有しており、CPUがプログラムを実行することにより、以下の機能を実現する。
すなわち、制御部21は、店舗に来訪した一のグループを構成する複数のユーザ(客)が有する複数のユーザ端末10の各々のユーザ端末10からの接続要求を受け付ける受付手段の一例としての受信部211を有している。また、制御部21は、受信部211が受け付けた接続要求から、各々のユーザ端末10を一意に特定して識別する識別手段の一例としての識別部212を有している。また、制御部21は、ユーザ端末10に対して、商品に関する各種情報を有するウェブページを公開するHTML(HyperText Markup Language)文書を生成する生成部213を有している。また、制御部21は、ユーザ端末10から、店舗にて提供可能な商品の注文を受け付ける受注部214と、ユーザ端末10からなされた注文に対して料金を課す課金手段の一例としての課金部215とを有している。また、制御部21は、コード情報を作成する作成部216と、生成部213が生成したHTML文書や作成部216が作成したコード情報を送信する送信部217とを有している。
【0017】
(受信部)
受信部211は、ネットワーク50を介して、ユーザ端末10から送信されてきた情報を受信する。
ここで、受信部211がユーザ端末10から最初に受信する情報について例示する。
図4は、ユーザ端末10に表示されるアクセス画面61の一例を示す図である。
図4に示したアクセス画面61は、予め発行された後述するコード情報をユーザ端末10のカメラ16が読み取った後にユーザ端末10の表示部13に表示される画面である。図4に示すように、アクセス画面61には、予め定められたアドレス61aが表示される。
ユーザ端末10を所有するユーザがアドレス61aを押下すると、サーバ20の受信部211は、ユーザ端末10が予め発行しておいたコード情報を読み取った旨の情報と、ユーザ端末10の情報とを受信する。
【0018】
(識別部)
識別部212は、受信部211が受け付けたユーザ端末10からの情報に基づいて、ユーザ端末10を一意に特定して識別する。
上述したようにして、ユーザ端末10から、予め発行された後述するコード情報を読み取った後に表示されるアドレスにアクセスされると、受信部211が、このユーザ端末10から送信された情報を受信し、識別部212が、受信部211が受信した情報を解析する。識別部212は、ユーザ端末10から送信された情報に基づいて、ユーザ端末10は、店舗内のどのエリアに付与しておいたコード情報を読み込んだかを把握する。言い換えれば、識別部212は、店舗内の所定のエリアにて、ユーザ端末10を所有するユーザが飲食することを把握する。なお、エリアは、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画された領域であることを例示することができる。
【0019】
識別部212は、エリアの識別番号であるエリア番号と、ユーザ端末10の識別番号であるユーザ番号とを関連付けて記憶部22に記憶する。識別部212は、一のエリアに関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスにアクセスしてきたユーザ端末10がN番目である場合には、当該ユーザ端末10のユーザ番号をNとする。例えば、識別部212は、エリア番号が1であるエリアに関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスにアクセスしてきたユーザ端末10が1番目である場合には、当該ユーザ端末10のユーザ番号を1とする。
【0020】
また、識別部212は、同じエリア(同じエリア番号)に関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスにアクセスしてきたユーザ端末10が複数ある場合には、これらのユーザ端末10を、一のグループを構成する複数のユーザが有する複数のユーザ端末10であると把握する。
このように、エリア番号に基づくことで、一のエリアにて飲食するグループと、他のエリアにて飲食するグループとを区別することが可能となる。また、識別部212がユーザ番号を付与することで、同じエリアにて飲食する複数のユーザを区別することが可能となる。
【0021】
(生成部)
生成部213は、ユーザ端末10からのアクセスに応じて、店舗にて提供されている商品に関する各種情報を有するウェブページを公開するHTML文書を生成する。
例えば、生成部213は、受信部211がユーザ端末10から最初のアクセス(コード情報を読み込んだ後に表示されるアドレス61aへのアクセス)を受信した場合に、店舗にて提供可能な商品を表示した画面を表示させるためのHTML文書を生成する。
【0022】
図5は、ユーザ端末10に表示されるメニュー画面71の一例を示す図である。
生成部213が生成したメニュー画面71を表示させるためのHTML文書は、送信部217を介してユーザ端末10に送信される。サーバ20から送信されたHTML文書を受信したユーザ端末10においては、制御部11が、表示部13の表示画面13aにHTML文書に基づく、図5に示したメニュー画面71を表示させる。
メニュー画面71には、店舗にて提供される商品毎に、商品名71a、商品画像71b、商品説明71c及び「注文」と記載された注文ボタン71d等が表示される。また、メニュー画面71には、商品一覧とともに、エリア番号と、ユー ザ番号とが表示される。また、メニュー画面71には、「会計」と記載された会計ボタン71eが表示される。
なお、図5に例示したメニュー画面71においては、揚げ物、焼物等のカテゴリー毎に、そのカテゴリーに含まれる商品が表示される画面となるように構成されているが、全ての商品を一の画面で表示しても良い。また、一の画面にそのカテゴリーに含まれる全ての商品を表示すると見難くなる場合には、複数の画面にて構成しても良い。
生成部213は、メニュー画面71に表示された会計ボタン71eが押下された場合に、後述する会計画面72(図7参照)を表示させるためのHTML文書を生成する。
【0023】
(受注部)
図6は、記憶部22が記憶する情報の一例を示す図である。
受注部214は、ユーザ端末10からの注文を受け付ける。
受注部214は、ユーザ端末10の表示部13に表示されたメニュー画面71において、注文ボタン71dが押下された旨の情報を受信部211が受信した場合に、ユーザ端末10から注文があったことを把握する。
受注部214は、注文を受けた商品及びその金額と、注文を行ってきたユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号とを関連付けて記憶部22に記憶する。
なお、図6に示すように、エリア番号が1であるエリアに関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスに、1番目にアクセスしてきたユーザ端末10をユーザ端末10A、2番目にアクセスしてきたユーザ端末10をユーザ端末10B、3番目にアクセスしてきたユーザ端末10をユーザ端末10Cと称す。
また、受注部214は、注文を受けた商品、注文を行ったユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号等の情報を、送信部217を介して店舗端末30に送信する。
【0024】
(課金部)
課金部215は、予め定められた複数の課金方法の中から、ユーザ端末10において選択された会計方法に応じた課金方法にて、ユーザ端末10に課金する。また、課金部215は、ユーザ端末10を用いて支払うべき金額を、送信部217を介して、当該ユーザ端末10に対して送信する。
【0025】
複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法がある。
また、複数の課金方法の中には、ユーザ端末10を介して注文された商品のみの合計金額を、当該ユーザ端末10に対して課金する端末毎課金方法がある。
また、複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、当該一のエリアに関連付けて記憶されているユーザ端末10の数にて同等割した金額を、各ユーザ端末10に対して課金する同等割課金方法がある。
また、複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、ユーザが入力した割合で分割した金額を、各ユーザ端末10に対して課金する特殊割課金方法がある。
【0026】
言い換えれば、ユーザ端末10を有するユーザは、予め定められた複数の会計方法の中から、一の会計方法を選択可能である。複数の会計方法の中には、一のエリアで飲食した全商品(全ユーザ端末10を介して注文した商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10を用いて支払うまとめ会計方法がある。また、複数の会計方法の中には、ユーザ端末10を介して注文した商品のみの合計金額を、当該ユーザ端末10を用いて支払う端末毎会計方法がある。ユーザが、まとめ会計方法、端末毎会計方法を選択した場合には、サーバ20は、それぞれ、まとめ課金方法、端末毎課金方法にて課金する。
【0027】
また、複数の会計方法の中には、一のエリアで飲食した全商品の合計金額を、当該一のエリアに関連付けて記憶されているユーザ端末10の数にて同等割した金額を、各ユーザ端末10を用いて支払う同等割会計方法がある。
また、複数の会計方法の中には、一のエリアで飲食した全商品の合計金額を、ユーザが入力した割合で分割した金額を、各ユーザ端末10を用いて支払う特殊割会計方法がある。ユーザが、同等割会計方法、特殊割会計方法を選択した場合には、サーバ20は、それぞれ、同等割課金方法、特殊割課金方法にて課金する。
【0028】
図7は、ユーザ端末10に表示される会計画面72の一例を示す図である。
会計画面72は、図5に示したメニュー画面71に表示された会計ボタン71eが押下された場合に表示される。会計画面72には、「まとめ会計」と記載されたまとめ会計ボタン72aと、「端末毎会計」と記載された端末毎会計ボタン72bと、「同等割会計」と記載された同等割会計ボタン72cと、「特殊割会計」と記載された特殊割会計ボタン72dとが表示される。
【0029】
図8は、ユーザ端末10に表示されるまとめ会計画面73の一例を示す図である。
まとめ会計画面73は、まとめ会計ボタン72aが押下された場合に表示される。まとめ会計画面73には、どのユーザ端末10を用いて支払うかを選択するためのボタンとして、ユーザ番号が記載されたボタンがユーザ端末10の数の分だけ表示される。例えば、エリア番号が1であるエリアにて登録されたユーザ端 末10が3個である場合には、図8に示すように、「ユーザ番号:1」、「ユーザ番号:2」、「ユーザ番号:3」と記載された3つのユーザ番号ボタン73aが表示される。
【0030】
図9は、ユーザ端末10に表示されるまとめ会計時の支払い画面74の一例を示す図である。
支払い画面74は、まとめ会計画面73にていずれかのユーザ番号ボタン73aが押下された場合に表示される。
図8に示したまとめ会計画面73において、例えば「ユーザ番号:2」と記載されたユーザ番号ボタン73aが押下された場合には、サーバ20の課金部215は、ユーザ番号が2であるユーザ端末10を用いてまとめ会計が行われると判断する。そして、課金部215は、ユーザ番号が2であるユーザ端末10に対して、合計金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介して送信する。その結果、ユーザ端末10の表示部13には、図9に示した支払い画面74が表示される。支払い画面74には、当該ユーザ端末10を用いて支払うべき金額(例えば12,000円)が請求金額として表示されるとともに、「確認」と記載された確認ボタン74aが表示される。ユーザが、支払い画面74に表示された確認ボタン74aを押下することにより、上述した電子決済サービスを利用して支払いが完了する。つまり、課金部215は、確認ボタン74aが押下された旨の情報を取得した場合には、ユーザ端末10において選択された電子決済サービスに応じた所定の決済処理を実行する。そして、課金部215は、所定の決済処理を実行した場合には、支払いが完了した旨の通知をユーザ端末10に対して送信しても良い。なお、ユーザ端末10が例えばクレジットカード決済サービスやキャリア決済サービスを利用する場合であって、認証手続きが必要なサービスを利用する場合には、課金部215は、ユーザ端末10において所定の認証手続きが行われた後に決済処理を実行する。」
「【0054】
本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1によれば、ユーザは、その場の状況に応じて、支払い方法を選択することができるので便利である。言い換えれば、本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1は、ユーザに、複数の選択肢の中から課金方法を選択可能にするので、使い勝手を向上させることができる。また、ユーザ端末10を介して注文を受け付けるので、飲食店においては、従業員が注文を伺う手間を削減することが可能となる。また、課金部215がユーザ端末10に対して課金するので、ユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスが利用されることで、飲食店においては、従業員が会計処理を行う手間を削減することが可能となる。例えば、クレジットカードや電子マネーにて会計処理を行う場合には、従業員が金額を入力する親機と、客(ユーザ)が暗証番号や認証を行う子機とによって構成されるため、従業員が、会計の都度、親機に金額を入力する必要がある。これに対して、課金部215がユーザ端末10に対して課金し、客(ユーザ)がユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスを利用することで、従業員が親機に金額を入力する手間を削減することができる。」
【図6】記憶部に記憶する情報の一例
[図:0001399879000001.jpg]
イ 上記アによると、以下のことがいえる。
(ア)段落【0004】、【0008】の記載によると、引用文献1には、「飲食店にて複数人で飲食した後に、複数人で飲食した複数の商品の合計金額を複数人で分割して支払うことを可能とする、ユーザが所有するユーザ端末10と、飲食店等の店舗にて提供可能なメニューの管理等を行うサーバ20と、店舗が所有する店舗端末30とを備えたキャッシュレスシステム」が記載されている。
また、段落【0015】には、「サーバ20」は「制御部21」を備えることが記載され、段落【0016】には、「制御部21」は、「ユーザ端末10から、店舗にて提供可能な商品の注文を受け付ける受注部214」と、「ユーザ端末10からなされた注文に対して料金を課す課金手段の一例としての課金部215」とを有することが記載されている。
よって、引用文献1には、「飲食店にて複数人で飲食した後に、複数人で飲食した複数の商品の合計金額を複数人で分割して支払うことを可能とする、ユーザが所有するユーザ端末10と、飲食店等の店舗にて提供可能なメニューの管理等を行うサーバ20と、店舗が所有する店舗端末30とを備えたキャッシュレスシステムにおけるサーバ20であって、サーバ20は、制御部21を備え、制御部21は、ユーザ端末10から、店舗にて提供可能な商品の注文を受け付ける受注部214と、ユーザ端末10からなされた注文に対して料金を課す課金手段の一例としての課金部215を有」することが記載されている。
(イ)段落【0018】には、「エリアは、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画された領域である」ことが記載され、段落【0023】には、「受注部214は、ユーザ端末10からの注文を受け付ける。」こと、「受注部214は、注文を受けた商品及びその金額と、注文を行ってきたユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号とを関連付けて記憶部22に記憶する。」ことが記載され、そして、段落【0023】、【図6】より、「記憶部22が記憶する情報の一例」として、「エリア番号1」には、「ユーザ端末10A」、「ユーザ端末10B」、「ユーザ端末10C」が関連付けられ、「ユーザ端末10A」には「ユーザ番号1」とその「注文履歴」が、「ユーザ端末10B」には「ユーザ番号2」とその「注文履歴」が、「ユーザ端末10C」には「ユーザ番号3」とその「注文履歴」が、それぞれ関連付けられ、「ユーザ端末10A」の「注文履歴」の「商品」には、「ビール」、「揚げ出し豆腐」、「から揚げ」、「シーザーサラダ」、「ビール」が含まれ、「ユーザ端末10B」の「注文履歴」の「商品」には、「ビール」、「焼き鳥盛り合わせ」、「刺身盛り合わせ」、「ビール」が含まれ、「ユーザ端末10C」の「注文履歴」の「商品」には、「ビール」、「枝豆」、「天ぷら盛り合わせ」、「焼酎ボトル」が含まれることが読み取れる。
よって、上記(ア)の「受注部214」は、「ユーザ端末10からの注文を受け付け、注文を受けた商品及びその金額と、注文を行ってきたユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号とを関連付けて記憶部22に記憶する」ものであり、「エリアは、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画された領域であり、記憶部22が記憶する情報の一例として、エリア番号1には、ユーザ端末10A、ユーザ端末10B、ユーザ端末10Cが関連付けられ、ユーザ端末10Aにはユーザ番号1とその注文履歴が、ユーザ端末10Bにはユーザ番号2とその注文履歴が、ユーザ端末10Cにはユーザ番号3とその注文履歴が、それぞれ関連付けられ、ユーザ端末10Aの注文履歴の商品には、ビール、揚げ出し豆腐、から揚げ、シーザーサラダ、ビールが含まれ、ユーザ端末10Bの注文履歴の商品には、ビール、焼き鳥盛り合わせ、刺身盛り合わせ、ビールが含まれ、ユーザ端末10Cの注文履歴の商品には、ビール、枝豆、天ぷら盛り合わせ、焼酎ボトルが含まれ」ることが記載されている。
(ウ)段落【0024】には、「課金部215は、予め定められた複数の課金方法の中から、ユーザ端末10において選択された会計方法に応じた課金方法にて、ユーザ端末10に課金する。」ことが記載されており、段落【0025】には、「複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法がある。」ことが記載されている。
また、段落【0054】には、「課金部215がユーザ端末10に対して課金し、客(ユーザ)がユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスを利用する」ことが記載されている。
よって、上記(ア)の「課金部215」は、「予め定められた複数の課金方法の中から、ユーザ端末10において選択された会計方法に応じた課金方法にて、ユーザ端末10に課金するものであり、複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法があり、課金部215がユーザ端末10に対して課金し、客(ユーザ)がユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスを利用する」ものである。
ウ 上記イによると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
「飲食店にて複数人で飲食した後に、複数人で飲食した複数の商品の合計金額を複数人で分割して支払うことを可能とする、ユーザが所有するユーザ端末10と、飲食店等の店舗にて提供可能なメニューの管理等を行うサーバ20と、店舗が所有する店舗端末30とを備えたキャッシュレスシステムにおける、サーバ20であって、
サーバ20は、制御部21を備え、制御部21は、ユーザ端末10から、店舗にて提供可能な商品の注文を受け付ける受注部214と、ユーザ端末10からなされた注文に対して料金を課す課金手段の一例としての課金部215を有し、
受注部214は、ユーザ端末10からの注文を受け付け、注文を受けた商品及びその金額と、注文を行ってきたユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号とを関連付けて記憶部22に記憶するものであり、
エリアは、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画された領域であり、記憶部22が記憶する情報の一例として、エリア番号1には、ユーザ端末10A、ユーザ端末10B、ユーザ端末10Cが関連付けられ、
ユーザ端末10Aにはユーザ番号1とその注文履歴が、ユーザ端末10Bにはユーザ番号2とその注文履歴が、ユーザ端末10Cにはユーザ番号3とその注文履歴が、それぞれ関連付けられ、
ユーザ端末10Aの注文履歴の商品には、ビール、揚げ出し豆腐、から揚げ、シーザーサラダ、ビールが含まれ、ユーザ端末10Bの注文履歴の商品には、ビール、焼き鳥盛り合わせ、刺身盛り合わせ、ビールが含まれ、ユーザ端末10Cの注文履歴の商品には、ビール、枝豆、天ぷら盛り合わせ、焼酎ボトルが含まれており、
課金部215は、予め定められた複数の課金方法の中から、ユーザ端末10において選択された会計方法に応じた課金方法にて、ユーザ端末10に課金するものであり、複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法があり、課金部215がユーザ端末10に対して課金し、客(ユーザ)がユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスを利用する
サーバ20。」
(2)引用文献2
ア 当審拒絶理由に引用した引用文献2には、以下の事項が記載されている。
「【0005】
本開示の一側面では、複数人での割り勘決済を容易にし、割り勘処理の利便性を向上させることを可能にするプログラム、情報処理方法、および情報処理装置を提供することを目的とする。」
「【0237】
ステップS1426で、端末120Aの通信部1304は、ユーザBからの許可通知を受信すると、決済リクエストをサーバ110に送信する。決済リクエストは、割り勘額又は支払額、及び支払先である店舗IDを含み、割り勘の対象となるユーザAのユーザIDとユーザBのユーザIDとをさらに含んでもよい。なお、割り勘額は端末120Aを使用するユーザAによって、ユーザ毎に設定されても良い。
【0238】
ステップS1428で、サーバ110の割り勘処理部1208及び決済処理部1210は、決済リクエストに含まれる情報に基づいて、支払先を特定し、上述したユーザAとユーザBとの割り勘処理、店舗等への決済処理を実行する。ステップS1428では、割り勘処理と、決済処理との順序は問わない。例えば、先に、ユーザBのアカウントから割り勘額を引き出し、ユーザAの残高に振り込んだ後で、ユーザAから支払額を店舗の口座に振り込んでもよい。また、先に、ユーザAのアカウントから支払額を店舗の口座に振り込んだ後で、ユーザBの残高から割り勘額を減算し、ユーザAの残高に加算するようにしてもよい。」
2 本願発明11について
(1)本願発明11と引用発明1を対比すると、以下のとおりとなる。
ア 引用発明1の「エリア番号1」と関連付けられた「ユーザ番号1」、「ユーザ番号2」、「ユーザ番号3」は、エリアが、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画された領域を意味し、ユーザ番号が、ユーザを識別するための識別番号を意味することを踏まえると、「ユーザ番号1」で識別されるユーザ、「ユーザ番号2」で識別されるユーザ、「ユーザ番号3」で識別されるユーザが、「エリア番号1」で識別されるテーブル、又は、部屋に位置するのであるから、本願発明11の「所定のグループに該当する複数の利用者」に相当する。
引用発明1の「ユーザ端末10」は、本願発明11の「端末装置」に相当するから、引用発明1の「ユーザ端末10A」、「ユーザ端末10B」、「ユーザ端末10C」のそれぞれは、本願発明11の「複数の端末装置の各々」に相当する。
引用発明1の「ユーザ端末10A」には「ユーザ番号1」が関連付けられ、「ユーザ端末10B」には「ユーザ番号2」が関連付けられ、「ユーザ端末10C」には「ユーザ番号3」が関連付けられることは、「ユーザ端末10A」は、「ユーザ番号1」で識別されるユーザが有し、「ユーザ端末10B」は、「ユーザ番号2」で識別されるユーザが有し、「ユーザ端末10C」は、「ユーザ番号3」で識別されるユーザが有することを意味するから、引用発明1の「エリア番号1」と関連付けられ、かつ、「ユーザ番号1」とも関連付けられた「ユーザ端末10A」、「エリア番号1」と関連付けられ、かつ、「ユーザ番号2」とも関連付けられた「ユーザ端末10B」、「エリア番号1」と関連付けられ、かつ、「ユーザ番号3」とも関連付けられた「ユーザ端末10C」のそれぞれは、「所定のグループに該当する複数の利用者が有する複数の端末装置の各々」に相当する。
引用発明1の「アップルペイ(登録商標)」、「グーグルウォレット(登録商標)」は、「電子マネー」を用いた「電子決済」が可能である「アプリケーション」であるから、本願発明11の「電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーション」に相当する。そして、引用発明1では、「客(ユーザ)がユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスを利用する」ことから、引用発明1の「ユーザ端末10A」、「ユーザ端末10B」、「ユーザ端末10C」のそれぞれには、「アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)」が「インストール」されていることは自明である。よって、引用発明1の「アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)」が「インストール」された「ユーザ端末10A」、「ユーザ端末10B」、「ユーザ端末10C」のそれぞれは、本願発明11の「電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々」に相当する。
引用発明1の「記憶部22が記憶する情報」における、「ユーザ端末10Aの注文履歴の商品」に含まれる「ビール、揚げ出し豆腐、から揚げ、シーザーサラダ、ビール」、「ユーザ端末10Bの注文履歴の商品」に含まれる「ビール、焼き鳥盛り合わせ、刺身盛り合わせ、ビール」、「ユーザ端末10Cの注文履歴の商品」に含まれる「ビール、枝豆、天ぷら盛り合わせ、焼酎ボトル」の、それぞれの注文は、「ユーザ番号1」で識別されるユーザが「ユーザ端末10A」が用いて行い、「ユーザ番号2」で識別されるユーザが「ユーザ端末10B」を用いて行い、「ユーザ番号3」で識別されるユーザが「ユーザ端末10C」を用いて行ったものであることは明らかであるから、本願発明11の「所定のグループに該当する複数の利用者が有する複数の端末装置であって、電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々を用いて、前記複数の利用者の各々が利用する端末装置を用いて個別に注文操作を行った複数の注文を示す注文情報」に相当する。
そして、引用発明1の「記憶部22が記憶する情報」は、「受注部214」が「ユーザ端末10からの注文を受け付け」ることにより記憶するものであるから、引用発明1の「ユーザ端末10からの注文を受け付け」る「受注部214」は、本願発明11の「所定のグループに該当する複数の利用者が有する複数の端末装置であって、電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々を用いて、前記複数の利用者の各々が利用する端末装置を用いて個別に注文操作を行った複数の注文を示す複数の注文情報を取得する取得部」に相当する。
イ 引用発明1の「一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法」は、本願発明11の「前記複数の注文情報が示す前記複数の注文を、前記所定のグループに対応する支払いとする決済処理であって、前記複数の利用者のうち、一の利用者」「を対象として前記複数の注文の決済処理を実行」することに相当する。
そして、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスにおいて、利用者の口座を対象とした決済を行うことは周知の事項であることから、引用発明1の「一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法」において、「ユーザ端末10に対して課金」する際に、「客(ユーザ)がユーザ端末10を介して、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービスを利用する」ことは、本願発明11の「前記複数の注文情報が示す前記複数の注文を、前記所定のグループに対応する支払いとする決済処理であって、前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行」することに相当する。
そうすると、引用発明1の「課金部215」と、本願発明11の「前記複数の注文情報が示す前記複数の注文を、前記所定のグループに対応する支払いとする決済処理であって、前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行し、前記複数の利用者のうち、前記一の利用者以外の他の利用者の口座から、前記一の利用者の口座へ前記複数の注文の支払い額に基づく金額を移行させる決済処理部」は、「前記複数の注文情報が示す前記複数の注文を、前記所定のグループに対応する支払いとする決済処理であって、前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行する決済処理部」という点で共通する。
ウ 引用発明1の「サーバ20」は、「制御部21」を備え、「制御部21」は、「受注部214」と「課金部215」を有するから、後述の相違点は別として本願発明11の「情報処理装置」に相当する。
エ 以上のことから、本願発明11と引用発明1とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
所定のグループに該当する複数の利用者が有する複数の端末装置であって、電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々を用いて、前記複数の利用者の各々が利用する端末装置を用いて個別に注文操作を行った複数の注文を示す複数の注文情報を取得する取得部と、
前記複数の注文情報が示す前記複数の注文を、前記所定のグループに対応する支払いとする決済処理であって、前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行する決済処理部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
[相違点]
「決済処理部」が実行する決済処理が、本願発明11は、「前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行」した後に、「前記複数の利用者のうち、前記一の利用者以外の他の利用者の口座から、前記一の利用者の口座へ前記複数の注文の支払い額に基づく金額を移行させる」のに対して、引用発明1では、「前記複数の利用者のうち、一の利用者の口座を対象として前記複数の注文の決済処理を実行」するにとどまり、その後の「前記複数の利用者のうち、前記一の利用者以外の他の利用者の口座から、前記一の利用者の口座へ前記複数の注文の支払い額に基づく金額を移行させる」処理を行わない点。
(2) 判断
ア 上記[相違点]について、判断する。
引用文献2の段落【0238】には「ユーザBのアカウントから割り勘額を引き出し、ユーザAの残高に振り込んだ後で、ユーザAから支払額を店舗の口座に振り込んでもよい。また、先に、ユーザAのアカウントから支払額を店舗の口座に振り込んだ後で、ユーザBの残高から割り勘額を減算し、ユーザAの残高に加算するようにしてもよい。」ことが記載されており、
引用発明1と、引用文献2は、決済機能を提供するサーバという共通する技術分野に属し、当該サーバは、同じグループに属する複数のユーザからの注文に基づく支払いを、一のユーザがまとめて行う機能を提供するという点で関連しており、引用発明1において、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金したのであれば、その後に、他のユーザが一のユーザに、自己の負担額(例、割り勘額)を支払うことは、グループ飲食において一般に行われることであるから、引用発明1に、引用文献2に記載された技術事項を適用して、本願発明11の上記[相違点]に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。
イ 請求人の主張について
請求人は、意見書において、本願発明11は、所定のグループに該当する複数の利用者が有する複数の端末装置であって、電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々を用いて、前記複数の利用者の各々が利用する端末装置を用いて個別に注文操作を行った複数の注文を示す複数の注文情報を用いて決済処理を実行することができるため、複数の利用者による注文を適切に決済することができるという効果を奏するのに対し、引用文献1には、段落【0054】に、単に電子決済サービスを利用する点が記載されているに過ぎず、本願発明11の効果を奏することはできないと主張する。
しかしながら、請求項11には、「電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーション」と決済処理との関係は特定されておらず、単に、「端末装置」に「電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストール」されていることを特定したにすぎないから、上記(1)アのとおり、引用発明1の「アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)」が「インストール」された「ユーザ端末10A」、「ユーザ端末10B」、「ユーザ端末10C」のそれぞれは、本願発明11の「電子マネーを用いた電子決済用のアプリケーションがインストールされた複数の端末装置の各々」に相当するものであり、相違点とはならない。
よって、請求人の上記主張は採用できない。
(3)まとめ
したがって、本願発明11は、引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願は、特許請求の範囲の請求項19の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、又、本願発明11は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-017002