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特許拒絶査定不服審判

2020-015251

システム、装置、電子機器およびプログラム等

審判番号
2020-015251
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-003327外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年11月04日
審決日
2021年08月24日
公報発行日
2021年12月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G01S) / P18 .537-WZ (G01S)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2020-3327「システム、装置、電子機器およびプログラム等」拒絶査定不服審判事件〔令和2年10月15日出願公開、特開2020-169974〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、令和元年5月24日に出願された特願2019-97536号(優先権主張平成31年4月4日)の一部を令和2年1月14日に新たな特許出願としたものであって、令和2年3月25日付け(発送日:令和2年3月31日)で拒絶理由が通知され、令和2年4月28日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年7月31日付け(発送日:令和2年8月4日)で拒絶査定がされ、これに対して令和2年11月4日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、令和3年4月22日付け(発送日:令和3年4月27日)で当審において拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和3年6月28日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし8に係る発明は、令和3年6月28日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 車両の速度を測定するためのレーザー光を発して車両の存在を検出する第1装置の存在を報知するシステムであって、 車両の車室のダッシュボードに配置される第1筐体と、 前記第1筐体に設けられ、前記レーザー光を受光可能な受光部と、 前記第1筐体に設けられ、前記受光部により受光される光が入射する入射部と、 前記第1筐体とは別体の第2筐体と、 前記第2筐体に設けられた表示部と、 前記受光部により受光された前記レーザー光に応じて、前記表示部を用いて前記第1装置の存在を報知する制御を行う制御部と を有し、 さらに、車両のダッシュボードに配置された前記第1筐体において、前記受光部が車室内から見てワイパーの初期位置にかからない位置に設置されるシステム。」 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由のうち、進歩性に係る拒絶の理由の概要は、次のとおりである。 (進歩性)本願の請求項1ないし12に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 <引用文献等一覧> 1.特表2003-508859号公報 2.特開平6-324144号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2017-107474号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2012-251888号公報(周知技術を示す文献) 5.特開2019-21326号公報 第4 引用文献、引用発明 当審拒絶理由において引用された特表2003-508859号公報(以下「引用文献」という。)には、「マルチセンシングおよび報告機能を備えたレーダ/レーザ検出デバイス」に関して、図面と共に次の事項が記載されている。なお、下線は当審で付与したものである。 (1)「【0012】 好ましい実施形態の説明 多くの別個のセンサ機能が、単一のマイクロプロセッサによってプログラムされ、操作され、ユーザインターフェイスのために、単一の内蔵ディスプレイを使用することができる1つのユニットに経済的に組み込まれることを可能にする目的のために、本発明の様々な実施形態において、マルチセンシング検出システムが提供されている。本発明の方法および装置は、以下の様々な実施形態において、実現できる詳細で開示される。 【0013】 図1は、本発明の実施形態によるマルチセンシング検出システムが装備された車両9の透視図である。車両9は、レーダ/レーザ検出器ユニット11、レーダ/レーザセンサ13、および、外部センサパケット15を少なくとも含むマルチセンシング検出器システムを有する。レーダ/レーザ検出器11は、通過する自動車の速度を計測し、決定するために、法制施行交通警官などによって使用されているレーダおよび/またはレーザの放射信号の標準的早期警告検出のために適合されている。検出器ユニット11は、本明細書に示す従来のダッシュボードの搭載位置などのユーザの手の届く、車両9内のいかなる便利な位置にも搭載することができる。 【0014】 検出器ユニット11は、接続ケーブルによってこれに装着されたレーダ/レーザセンサ13を有する。この図は、装置の構造をよりよく説明するためのもので、センサは、多くの場合、検出ユニット11に含まれている。レーダ/レーザセンサ13は、法制施行官などによって使用されるレーダおよびレーザガンなどから発するレーダ/レーザ信号を感知し、報告するように構成され、検出器ユニット11に、早期警告の形で情報を報告する。他の実施形態において、センサ13は、ラジオ波信号または他の無線リンクを介して、検出器11へ通信するために、機能を拡張することもできる。しかし、この実施例において、センサ13は、ケーブル接続を介して検出器11に通信する。センサ13は、車両9のダッシュボードの頂部、または、他のいかなる便利かつ操作可能な位置に搭載することもできる。 【0015】 センサ13は、レーダ信号、レーザ信号、または、その両方を検出するように構成することができる。いつくかの場合において、2つの別個のセンサ13があり、1つはレーダ、1つはレーザのためである。なぜなら、レーダ信号は、ホーンアンテナによって、レーザ信号は、感光ダイオードによって典型的に検出されるためである。この実施形態において、1つのセンサ13は、単一のセンサにレーダおよびレーザの両方のタイプのセンサ要素を含めることによって、レーダの存在およびレーザの存在の両方を検出するように構成されている。検出器11およびセンサ13のレーダ/レーザ検出機能は、当技術分野において一般に知られているため、いくつかの実施形態においてセンサ13と検出器11との間には接続ケーブルの代わりにラジオ波通信が使用されること以外は、そのような知られている技術に関する特定の詳細は、ここには述べない。」 (2)「【0027】 図2は、本発明の実施形態による検出器ユニット11の内部回路、および、その外部構成要素との対話用パスを示すブロックダイヤグラムである。上述したように、検出器ユニット11は、主にレーダおよび/またはレーザ検出器として構成され、付加的に、マルチセンシングおよび報告ユニットとして機能拡張されたダッシュボード搭載用のデバイスである。マルチセンシング拡張機能は、いくつかの実施形態において、現在のレーダ/レーザセンサシステムに多少の改変を加えて、追加することができるか、または、それらを、新しいレーダ/レーザシステムに関する機能として設けることができる。 【0028】 検出器ユニット11は、ここに図示された設けられた回路に、組み込まれ、一体化されたセンサによって、いくつかの専用かつ組み合わされた感知/報告機能を行うことができるコンピュータ化されたデバイスである。 【0029】 示す実施形態における検出器11は、様々なセンサ、および、行われるセンサ報告機能を管理し、制御するとともに、主要なレーダ/レーザ検出システムの機能を管理するように構成されたマイクロプロセッサ35を有する。マイクロプロセッサ35は、検出器11の一部である、または、これに接続された他のデジタル構成要素と通信する目的で、通信バス構造27に接続されている。メモリモジュール37が設けられ、コードの保存、センサデータのキャッシュ、処理ルーチンの保存などの意図された機能を行うために必要な大きさとタイプのメモリを含む。フラッシュRAMを含むRAM/ROMの組み合わせなどの揮発性および非揮発性メモリのなんらかの適切な混合体が、検出器11の動作の完全性を実現し、維持するために必要であるので使用することができる。 【0030】 メモリモジュール37は、プロセッサ35の一部としてそれに1つの構成要素として組み込んでもよく、または、当技術分野でそのいくつかのタイプが知られている取り外し可能なタイプのメモリなどのように別個に保持することもできる。 【0031】 ディスプレイモジュール29が設けられ、プロセッサ35に接続される。モジュール29は、様々なセンサから受け取られたデータが、デバイスを操作するユーザの目に見える、検出器11の前面に設けられた適切な視覚的ディスプレイ上に表示されることを可能にするよう構成された必要な回路の全てを含む。好ましい実施形態において、ディスプレイ29は、液晶ディスプレイおよびこれを操作するために必要な回路を含む。」 (3)「【0057】 図4は、本発明の実施形態による図1の検出器11のための典型的なユーザディスプレイインターフェイスである。検出器11は、センサの読み、警報、および、他の識別印などを表示するための構成されたディスプレイウィンドウ63(液晶ディスプレイ)を有し、同じく、機能を選択するためユーザが操作可能な制御ボタンのアレーを有する。」 (4)引用文献に記載された「センサ13」は、技術常識からみて「感光ダイオードにより受光される光が入射する入射部」を有しているといえる。 上記記載事項、認定事項及び図面(特に、図1、2及び4を参照。)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 〔引用発明〕 「車両9の速度を測定するためのレーザー光を発して車両9の存在を検出するレーザガンの存在を報知するマルチセンシング検出器システムであって、 車両9の車室のダッシュボードに配置されるセンサ13と、 前記センサ13に設けられ、前記レーザー光を受光可能な感光ダイオードと、 前記センサ13に設けられ、前記感光ダイオードにより受光される光が入射する入射部と、 前記センサ13とは別体の検出器11と、 前記検出器11に設けられたディスプレイウィンドウ63と、 前記感光ダイオードにより受光された前記レーザー光に応じて、前記ディスプレイウィンドウ63を用いて前記レーザガンの存在を報告する制御を行うマイクロプロセッサ35と を有する、 マルチセンシング検出器システム。」 第5 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「車両9」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本願発明における「車両」に相当し、以下同様に、「レーザガン」は「第1装置」に、「マルチセンシング検出器システム」は「システム」に、「感光ダイオード」は「受光部」に、「ディスプレイウィンドウ63」は「表示部」に、「報告」は「報知」に、「マイクロプロセッサ35」は「制御部」に、それぞれ相当する。 引用発明における「センサ13」及び「検出器11」は、図1の図示内容及び技術常識から、「筐体」を備えているといえる。そうすると、引用発明における「センサ13」及び「検出器11」は、本願発明における「第1筐体」及び「第2筐体」に、それぞれ相当する。 よって、両者の一致点及び相違点は、次のとおりである。 〔一致点〕 「車両の速度を測定するためのレーザー光を発して車両の存在を検出する第1装置の存在を報知するシステムであって、 車両の車室のダッシュボードに配置される第1筐体と、 前記第1筐体に設けられ、前記レーザー光を受光可能な受光部と、 前記第1筐体に設けられ、前記受光部により受光される光が入射する入射部と、 前記第1筐体とは別体の第2筐体と、 前記第2筐体に設けられた表示部と、 前記受光部により受光された前記レーザー光に応じて、前記表示部を用いて前記第1装置の存在を報知する制御を行う制御部と を有する、 システム。」 〔相違点〕 本願発明においては「受光部が車室内から見てワイパーの初期位置にかからない位置に設置される」ものであるのに対して、引用発明においては、受光部が車室内から見てワイパーの初期位置にかからない位置に設置されるか否か不明な点。 上記相違点について検討する。 光を検出するセンサを、受光の妨げとなるような物がない位置に設置することは、当業者が当然に考慮することである。 また、光を検知するシステムを、ワイパー等の干渉を受けないように配置することは、例えば、特開2004-138436号(特に、段落【0019】ないし【0023】、【0027】及び【0028】並びに図1ないし4を参照。)に見られるように、周知の技術である(以下「周知技術」という。)。 上記を踏まえれば、引用発明において、受光部が車室内から見てワイパーの初期位置にかからない位置に設置することにより、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 そして、全体としてみても、本願発明が奏する作用効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-015251

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