審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2020-007634

半導体被加工物処理システム

審判番号
2020-007634
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-058131外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年06月03日
審決日
2021年04月21日
公報発行日
2021年10月29日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018- 58131「半導体被加工物処理システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月12日出願公開,特開2018-110268〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,2006年(平成18年)11月 7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2005年11月 7日,米国 2006年11月 3日,米国 2006年11月 7日,米国)を国際出願日とする特願2008-540154号(以下,「原出願」という。)の一部を,平成26年 7月25日に新たな特許出願とした特願2014-152289号の一部を,平成30年 3月26日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 3月26日  :上申書の提出 平成31年 2月 6日付け:拒絶理由通知 令和 1年 8月 9日  :意見書,手続補正書の提出 令和 2年 1月28日付け:拒絶査定(原査定) 令和 2年 6月 3日  :審判請求書の提出 第2 本願発明について 本願の請求項に係る発明は,令和 1年 8月 9日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。 「  【請求項1】 半導体基板を処理する少なくとも1つの基板処理ツールと, 伸長され且つ運動方向を画定する第1搬送部であって,前記第1搬送部が,基板保持容器に相互作用する部分を有し,前記運動方向に沿って前記基板保持容器を支持して搬送し,且つ,前記少なくとも1つの基板処理ツールを別の基板処理ツールに接続する,第1搬送部と, 前記第1搬送部と分離して別個である第2搬送部であって,前記第2搬送部が,前記少なくとも1つの基板処理ツールの頭上で前記第1搬送部に相互作用し,且つ前記第1搬送部と前記少なくとも1つの基板処理ツールとの間で前記基板保持容器を搬送するように構成され,前記第2搬送部が,前記少なくとも1つの基板処理ツールの上方に配置された少なくとも1つのオーバーヘッド構造体を含む,第2搬送部と,を備え, 前記少なくとも1つのオーバーヘッド構造体は,前記第1搬送部に直接相互作用し,前記第2搬送部は,前記第1搬送部から前記基板保持容器を拾い上げ,前記基板保持容器を前記第1搬送部から前記少なくとも1つの基板処理ツールのロードポートへ1つの連続移動で搬送し,且つ,異なる基板保持容器の前記第1搬送部からバッファへの異なる1つの連続移動で,前記第1搬送部上の前記異なる基板保持容器を前記バッファへ搬送し,前記バッファは,前記少なくとも1つの基板処理ツールの上方の水平面に配置されたバッファストレージに配列されていることを特徴とする半導体被加工物処理システム。」 第3 原査定の理由 原査定(令和 2年 1月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 理由1 本願請求項1-7に係る発明は,以下の引用文献1-4に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1 特開2005-136294号公報 引用文献2 特表2002-532362号公報 引用文献3 再公表特許第2003/105216号 引用文献4 特表2001-509465号公報 第4 引用文献 1 引用文献1に記載されている技術的事項及び引用発明 (1)原査定の拒絶理由通知において引用された,特開2005-136294号公報(以下,「引用文献1」という。)には,以下の事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。以下同じ。) 「【請求項1】 コンベヤと,複数のロードポートを一列に配置した設備との間で物品を移載するための装置において, コンベヤとロードポート間で物品を移載する途中で物品を仮置きするバッファを設け,ロードポートとバッファとの間で物品を移載するために,物品を鉛直方向に移載する巻き上げ装置と,巻き上げ装置を少なくともロードポートの列と平行に移動させるためのローダとを設けると共に,バッファとコンベヤ間で物品を移載するための移載手段と,前記物品の向きをコンベヤとロードポート間の搬送の間に転換するための転換手段を設けたことを特徴とする移載装置。」 「【請求項3】 前記巻き上げ装置を水平面内でXY双方向に移動させるように前記ローダを構成すると共に,前記バッファを前記コンベヤから見てロードポートの列の反対側に設けて,巻き上げ装置で,コンベヤとバッファ間,及びバッファとロードポート間の物品の移載を行うようにしたことを特徴とする,請求項1の移載装置。」 「【課題を解決するための手段】 【0004】 この発明の移載装置は,コンベヤと,複数のロードポートを一列に配置した設備との間で物品を移載するための装置において,コンベヤとロードポート間で物品を移載する途中で物品を必要に応じて仮置きするバッファを設け,ロードポートとバッファとの間で物品を移載するために,物品を鉛直方向に移載する巻き上げ装置と,巻き上げ装置を少なくともロードポートの列と平行に移動させるためのローダとを設けると共に,バッファとコンベヤ間で物品を移載するための移載手段と,前記物品の向きをコンベヤとロードポート間の搬送の間に転換するための転換手段を設けたことを特徴とする。 【0005】 好ましくは,前記バッファを前記コンベヤとほぼ同じ高さレベルで,かつ平面視で前記ロードポートの列とほぼ同じ延長線上にかつロードポートと上下方向に重ならないように設けると共に,物品の底部を支持するための昇降自在な台と前記転換手段とを備えた台車で,バッファとコンベヤ間を走行するものを設けて,コンベヤとバッファ間で物品を搬送すると共に物品の向きを転換する。 【0006】 また好ましくは,前記巻き上げ装置を水平面内でXY双方向に移動させるように前記ローダを構成すると共に,前記バッファを前記コンベヤから見てロードポートの列の反対側に設けて,巻き上げ装置で,コンベヤとバッファ間,及びバッファとロードポート間の物品の移載を行う。」 「【0009】 ローダを水平面内でXY双方向に移動できるようにすると,コンベヤから見てロードポートの列の反対側に,バッファを設けることができる。このため例えばロードポートと同じ数のバッファを例えば1:1に対応させて設けることができ,またロードポートの列の左右にバッファ用のスペースを必要としない。さらにコンベヤとバッファ間,バッファとロードポート間の移載作業をローダに集約できる。」 「【0011】 図1~図5に,実施例とその変形を示し,図1~図4に最初の実施例を示す。2は移載装置で,ここではクリーンルーム内で半導体カセット8などの物品を,処理装置12や検査装置などのロードポート14と,コンベヤシステム4との間で移載する。コンベヤシステム4はいわゆる工程内コンベヤ(ベイ内コンベヤ)で,複数の処理装置12に対してカセット8を搬送し,例えば一対のローラコンベヤ5,6で構成され,これらは共に動力コンベヤとしても良く,あるいは一方を動力コンベヤ,他方をフリーローラのコンベヤとしても良い。7はローラコンベヤ6に設けた空隙で,カセット8の底部を支持して搬送するための搬送台20を通すための隙間である。 【0012】 カセット8にはその前面に蓋9が設けられ,ロードポート14で蓋9を開くことにより,半導体基板の出し入れが行える。またカセット8の頂部にはフランジ10を設けて,巻き上げ装置32のチャック部34で把持できるようにする。そしてカセット8は,例えば搬送の都合上,コンベヤシステム4では進行方向前面に蓋9が位置し,ロードポート14では処理装置12側に蓋9が位置する必要があるので,コンベヤシステム4とロードポート14との間で,向きの90°転換を行う。さらにロードポート14は,処理装置12の前面などに複数1列に配置し,平面視でその左右例えば両側にバッファ16を設け,例えば一方をコンベヤシステム4からの搬入用,他方をコンベヤシステム4への搬出用とする。なお図2に示すように,コンベヤシステム4とバッファ16とは高い位置にあり,これに対してロードポート14は低い位置にある。」 「【0015】 図1,図2に戻り,30はローダで,巻き上げ装置32をコンベヤシステム4での搬送方向,言い換えるとロードポート14の配列方向と平行に往復動させ,巻き上げ装置32はベルトやロープなどの吊持材35を用いてチャック部34を昇降させる。このようにローダ30の動作は,巻き上げ装置32を水平方向に往復動させて,左右のバッファ16やロードポート14に対してカセット8を移載できる位置へと移動させることと,巻き上げ装置32により,バッファ16やロードポート14に対してカセット8を移載することの2つである。また搬送装置18の作業は,コンベヤシステム4とバッファ16間でカセット8の移載を行うこと,並びにこの間にカセット8の向きを90°転換することの2つである。40は移載装置2の支柱で,42はフレームであり,ここに移載装置2は,ローダ30とバッファ16,16並びに搬送装置18,18を含み,コンベヤシステム4やロードポート14を含まないものとする。なお,本実施例では,移載装置2は,支柱40で支持するようになっているが,処理装置の側方にメンテナンス用の空間を形成できるように,天井から吊すようにしても良い。 【0016】 図4に,実施例での1カセット分の移載操作を示す。コンベヤを停止させ,搬送装置の搬送台を上昇させて,カセットをコンベヤから搬送台へ移載し,搬送台の上昇が完了すると,搬送台を旋回させるのと同時にコンベヤシステム内からバッファ内へと搬送台を水平移動させる。搬送台がコンベヤシステムから抜け出すとコンベヤを再起動できるので,バッファとの移載の際にコンベヤを停止させる時間を短くできる。搬送台がバッファ上に達すると,搬送台を下降させてバッファへカセットを移載し,この時カセットの向きの90°転換は完了しているものとする。次いで搬送台は低い位置で,ローラコンベヤの底部を潜るようにして,コンベヤシステム内に復帰する。バッファからロードポートへのカセットの移載が必要になるまで待ち,移載が必要になると,巻き上げ装置をバッファ上へと水平移動させて,カセットをピックアップし,次いで巻き上げ装置の水平移動とチャック部の下降とを同時に行って,ロードポートへカセットを荷下ろしする。この時,カセットはロードポートに対して正しい向きで荷下ろしされる。 【0017】 次にロードポートからコンベヤへのカセットの搬出を示す。この場合,用いるバッファは,搬入に用いたバッファとは別のバッファとし,カセットがロードポートから搬出可能になると,巻き上げ装置を水平移動させると共にチャック部を下降させて,カセットをピックアップし,チャック部の上昇と巻き上げ装置の水平移動を同時に行って,バッファへカセットを荷下ろしする。次いで搬送台を上昇させてカセットの底部を支持し,コンベヤシステム内への水平移動と搬送台の旋回とを同時に行い,コンベヤへカセットを移載する。この際にコンベヤを停止させるのは,カセットがコンベヤと干渉する位置に達した後,コンベヤ上に移載されるまでの時間で,比較的短い時間で良い。」 「【0020】 図5に第2の実施例を示し,特に指摘した点以外は図1~図4の実施例と同様である。この実施例ではローダ60がY方向(コンベヤシステム4の搬送方向と直角な方向)に移動自在で,ローダ60に対して巻き上げ装置32がX方向(ロードポート14a~14cの配列方向)に平行な方向に移動自在とする。またチャック部34’に,チャックしたカセットの向きを90°転換する機構を設ける。なおカセットの向きの転換機構を,巻き上げ装置32に設けて,チャック部ごと向きを転換しても良い。コンベヤシステム4から見て,ロードポート14a~14cの反対側には,バッファ62a~62cを設け,例えばバッファとロードポートを1:1に対応させる。このように,コンベヤシステム4を挟んでバッファとロードポートを反対側に設けることで,ロードポートが連続するような場合であっても,充分な数のバッファを確保することができる。特に,バッファとロードポートを1:1にすることで,バッファとロードポートとの間でローダ60をX方向に移動させることなくカセットを移載でき,移載効率が良い。 【0021】 なおバッファ62a~62cの高さ位置は,ロードポート14a~14cと揃えても,あるいはコンベヤシステム4と揃えても,またこれらの中間の高さでも良い。さらにバッファ62a~62cに,ターンテーブル64を設けて,バッファ側でカセットの向きを転換しても良い。バッファ62a~62cでカセットの向きを転換する場合,図5の姿勢Aと姿勢Bの間で向きを転換すればよい。これに対してロードポート上でカセットの向きを転換すると,蓋の角が処理装置12に衝突する恐れがある。 【0022】 図5の変形例では,ロードポート14a~14cと1:1に対応させてバッファ62a~62cを設けることができ,ロードポート14a~14cの左右にバッファを設けるスペースがない場合にも対応できる。またターンテーブル64を設ける場合の向きの転換を除いて,カセットの搬送作業をローダ60に集約できる。 【0023】 実施例では,クリーンルームでの半導体基板などを収容したカセットの移載を例にしたが,これに限るものではなく,コンベヤとロードポートとの間で物品の向きを転換しながら移載する用途一般に適用できる。処理装置12は設備の例で,検査装置その他の装置でも良い。」 「【図1】 」 「【図2】 」 「【図5】 」 (2) ここで,引用文献1に記載されている事項を検討する。 ア 段落0011,0015及び図1,2の記載を参酌すると,引用文献1には,「処理装置12」と,「移載装置2」と,「コンベヤシステム4」とを備えたシステムが記載されている。 イ 段落0011の「2は移載装置で,ここではクリーンルーム内で半導体カセット8などの物品を,処理装置12や検査装置などのロードポート14と,コンベヤシステム4との間で移載する。」旨の記載や,段落0023の「実施例では,クリーンルームでの半導体基板などを収容したカセットの移載を例にした」旨の記載を参照すると,引用文献1の「処理装置12」が,「半導体基板を処理するもの」であることは明らかである。 ウ 段落0011の記載から,「移載装置2」は,「半導体カセット8などの物品を,処理装置12や検査装置などのロードポート14と,コンベヤシステム4との間で移載する」ものであり,また,段落0015の記載から,「移載装置2」は,「ローダ30とバッファ16,16並びに搬送装置18,18を含む」ものと認められる。 エ 段落0011の記載から,「コンベヤシステム4」は「複数の処理装置12に対してカセット8を搬送」するものである。 ここで,図1,2を参照すると,「コンベヤシステム4」が「伸長され且つ運動方向を画定」していること,及び,「カセット8」を搬送するために,何らかの「相互作用する部分」を有することは明らかである。 オ 段落0015-0016の記載から,「ローダ30」は,「巻き上げ装置32をバッファ16上へと水平移動させて,カセット8をピックアップし,次いで巻き上げ装置の水平移動とチャック部の下降とを同時に行って,ロードポート14へカセット8を荷下ろしする」ものであると認められる。 カ 段落0015-0016の記載から,「搬送装置18」は,「コンベヤシステム4とバッファ16間でカセット8の移載を行う」ものであると認められる。 (3)以上から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「処理装置12と,移載装置2と,コンベヤシステム4とを備えたシステムであって, 処理装置12は,半導体基板を処理するものであり, 移載装置2は,半導体カセット8などの物品を,処理装置12や検査装置などのロードポート14と,コンベヤシステム4との間で移載するものであり, コンベヤシステム4は,複数の処理装置12に対してカセット8を搬送するものであり,伸長され且つ運動方向を画定し,カセット8に相互作用する部分を有し, 移載装置2は,ローダ30とバッファ16,16並びに搬送装置18,18を含み, ローダ30の動作は,巻き上げ装置32をバッファ16上へと水平移動させて,カセット8をピックアップし,次いで巻き上げ装置の水平移動とチャック部の下降とを同時に行って,ロードポート14へカセット8を荷下ろしするものであり, 搬送装置18は,コンベヤシステム4とバッファ16間でカセット8の移載を行うものである, システム。」 2 引用文献2に記載されている技術的事項 (1)原査定の拒絶理由通知において引用された,特表2002-532362号公報(以下,「引用文献2」という。)の,段落0077及び図27には,「配送ロボットにより,コンベアシステム14から移送ポッドをピックアップし,移送ポッドを貯蔵ステーション19またはワークステーション16へ配送すること。」(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 3 引用文献3に記載されている技術的事項 (1)原査定の拒絶理由通知において引用された,再公表特許第2003/105216号(以下,「引用文献3」という。)には,以下の事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。以下同じ。) ア「技術分野 本願の発明は,容器搬送システムに関し,特に半導体装置や液晶装置等の製造工場において,半導体ウエハやレチクル,ガラス基板等の基板を収納するFOUPやSMIFポッド等の容器を,クリーンルーム内に設置される複数の処理装置間および複数の処理装置と搬送装置との間で自在に搬送することができるようにされてなる容器搬送システムの改良に関する。」(第3頁第16-21行) イ「本実施形態3において,クリーンルーム内生産ラインの1エリアには,図6および図7に図示されるように,中央の通路23の両側に,処理装置群4-2と処理装置群4-3とがそれぞれ配列され,また,通路23の上方の天上空間に,通路23に沿って搬送装置7が設けられ,搬送装置7の左右両側に,移載装置20がそれぞれ設けられている。これら2つの移載装置20は,クリーンルーム内上方の天井空間を,搬送装置7に沿った鉛直面(二次元移動空間)内で,自由に移動することができる。 処理装置群4-2,4-3は,それぞれ複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・からなり,これら複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・は,通路23に沿って1列に並べられて整列配置されており,通路23に面する側に,インターフェイス装置6-1,6-2,6-3・・・をそれぞれ備えている。搬送装置7は,2つの搬送路を有していて,これら2つの搬送路は,処理装置群4-2,4-3にそれぞれ略並行して,左右に並行に配列されている。そして,それぞれの搬送路を走行する左部搬送装置ユニット7a,右部搬送装置ユニット7bが設けられている。左部搬送装置ユニット7aは往路をなし,右部搬送装置ユニット7bは復路をなしていて,これらの往路と復路とは,それらの両端部で移替え機構24によってつながれている。」(第13頁第2-16行) ウ「前記のような搬送装置7,移載装置20,分岐搬送路22,移替え機構24等により,本実施形態3の容器搬送システムが構成されている。なお,分岐搬送路22は,常に必ず使用されなければならないといったものではなく,これを使用しなくても,搬送装置7を間歇駆動することにより,搬送装置7から複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・へ,移載装置20による容器8の直接搬送が可能である。 本実施形態3の容器搬送システムは,前記のように構成されているので,次のような効果を奏することができる。 容器搬送システムが,クリーンルーム内上方の天井空間に搬送装置7と移載装置20とを備え,搬送装置7は,通路23の両側にそれぞれ配列された複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・に沿って所定の位置(所定の分岐搬送路22がある位置または所定の処理装置がある位置の上方位置)まで容器8を搬送し,移載装置20は,複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・が配置されるエリアを覆うクリーンルーム内上方の天井空間を搬送装置7に沿った鉛直面内で移動して,その動作エリア内の容器8を分岐搬送路22を介して,もしくは介さないで,自在に移載し,搬送装置7と複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・との間または複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・の間で容器8の受渡しを行なうことができる。 このように,クリーンルーム内上方の天井空間を複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・に沿って移動して容器8の搬送を担当する搬送装置7と,クリーンルーム内上方の天井空間を搬送装置7に沿って移動して容器8の受渡しを担当する移載装置20とを備えていて,それぞれの機能を分離しているので,以下に述べるような種々の効果を奏することができる。」(第14頁第20-40行) (2) ここで,引用文献3に記載されている事項を検討する。 ア 上記(1)アから,引用文献3は,「半導体ウエハ等の基板を収納する容器を,クリーンルーム内に設置される複数の処理装置間および複数の処理装置と搬送装置との間で自在に搬送することができるようにされてなる容器搬送システム」に関するものである。 イ 上記(1)イ,ウから,引用文献3の「容器搬送システム」は,「クリーンルーム内上方の天井空間を複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・に沿って移動して容器8の搬送を担当する搬送装置7と,クリーンルーム内上方の天井空間を搬送装置7に沿って移動して容器8の受渡しを担当する移載装置20とを備え」ている。 ウ 上記(1)ウから,引用文献3の「容器搬送システム」において,「搬送装置7から複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・へ,移載装置20による容器8の直接搬送が可能である」点も記載されている。 (3)以上から,引用文献3には,次の事項(以下,「引用文献3記載事項」という。)が記載されているものと認められる。 「半導体ウエハ等の基板を収納する容器を,クリーンルーム内に設置される複数の処理装置間および複数の処理装置と搬送装置との間で自在に搬送することができるようにされてなる容器搬送システムにおいて, クリーンルーム内上方の天井空間を複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・に沿って移動して容器8の搬送を担当する搬送装置7と,クリーンルーム内上方の天井空間を搬送装置7に沿って移動して容器8の受渡しを担当する移載装置20とを備えており, 搬送装置7から複数の処理装置5-1,5-2,5-3・・・へ,移載装置20による容器8の直接搬送が可能であること。」 4 引用文献4に記載されている技術的事項 (1)原査定の拒絶理由通知において引用された,特表2001-509465号(以下,「引用文献4」という。)の,段落0001,0030,0032,0072及び図9Aには,「半導体プロセスツール124の上部の未利用のスペースに,複数のウェーハ支持ポット132を格納すること。」(以下「引用文献4記載事項」という。)が記載されていると認められる。 第5 対比 1 本願発明と引用発明とを対比する。 (1) 引用発明の「処理装置12」,「半導体カセット8」が,それぞれ,本願発明の「基板処理ツール」,「基板保持容器」に相当することは明らかである。 (2) 引用発明の「コンベヤシステム4」は,「複数の処理装置12に対してカセット8を搬送する」から,「少なくとも1つの基板処理ツールを別の基板処理ツールに接続」していると認められる。 すると,引用発明の「コンベヤシステム4」は,本願発明の「第1搬送部」に相当する。 (3) 引用発明の「移載装置2」は,「コンベヤシステム4」と「分離して別個」であることは明らかであり,また,「半導体カセット8などの物品を,処理装置12や検査装置などのロードポート14と,コンベヤシステム4との間で移載するもの」であるから,本願発明の「第2搬送部」と,「前記第1搬送部と分離して別個であ」り,「前記第1搬送部に相互作用し,且つ前記第1搬送部と前記少なくとも1つの基板処理ツールとの間で前記基板保持容器を搬送する」点で一致する。 (4) 引用発明の「移載装置2」に含まれる「バッファ16」は,本願発明の「バッファ」に対応する。 ここで,引用文献1の図1,2の記載を参酌すると,「バッファ16,16」は水平面に設けられているから,引用発明の「バッファ16,16」は「水平面に配置されたバッファストレージに配列されている」点で,本願発明の「バッファ」と一致する。 (5) 引用発明の「移載装置2」に含まれる「搬送装置18」は,「コンベヤシステム4とバッファ16間でカセット8の移載を行うもの」であり,ここで,その移載が1つの連続移動で行われていることは明らかであるから,本願発明の「第2搬送部」と,「基板保持容器の前記第1搬送部からバッファへの」「1つの連続移動で,前記第1搬送部上の前記」「基板保持容器を前記バッファへ搬送」する点で一致する。 (6) 引用発明の「移載装置2」は,「搬送装置18」と「ローダ30」とにより,「半導体カセット8などの物品を,処理装置12や検査装置などのロードポート14と,コンベヤシステム4との間で移載」するものであるから,本願発明の「第2搬送部」と,「前記基板保持容器を前記第1搬送部から前記少なくとも1つの基板処理ツールのロードポートへ」「搬送」する点で一致する。 2 以上から,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。 <一致点> 「 半導体基板を処理する少なくとも1つの基板処理ツールと, 伸長され且つ運動方向を画定する第1搬送部であって,前記第1搬送部が,基板保持容器に相互作用する部分を有し,前記運動方向に沿って前記基板保持容器を支持して搬送し,且つ,前記少なくとも1つの基板処理ツールを別の基板処理ツールに接続する,第1搬送部と, 前記第1搬送部と分離して別個である第2搬送部であって,前記第2搬送部が,前記第1搬送部に相互作用し,且つ前記第1搬送部と前記少なくとも1つの基板処理ツールとの間で前記基板保持容器を搬送するように構成された第2搬送部と,を備え, 前記第2搬送部は,前記基板保持容器を前記第1搬送部から前記少なくとも1つの基板処理ツールのロードポートへ搬送し,且つ,基板保持容器の前記第1搬送部からバッファへの1つの連続移動で,前記第1搬送部上の前記異なる基板保持容器を前記バッファへ搬送し,前記バッファは,水平面に配置されたバッファストレージに配列されていることを特徴とする半導体被加工物処理システム。」 <相違点1> 「第2搬送部」に関して,本願発明は,「前記少なくとも1つの基板処理ツールの頭上で前記第1搬送部に相互作用し」,「前記少なくとも1つの基板処理ツールの上方に配置された少なくとも1つのオーバーヘッド構造体を含」み,「前記少なくとも1つのオーバーヘッド構造体は,前記第1搬送部に直接相互作用し」と特定されているのに対して,引用発明は,そのように特定されていない点。 <相違点2> 「第2搬送部」に関して,本願発明は,「前記第1搬送部から前記基板保持容器を拾い上げ,前記基板保持容器を前記第1搬送部から前記少なくとも1つの基板処理ツールのロードポートへ1つの連続移動で搬送,且つ,異なる基板保持容器の前記第1搬送部からバッファへの異なる1つの連続移動で,前記第1搬送部上の前記異なる基板保持容器を前記バッファへ搬送」すると特定されているのに対して,引用発明は,そのように特定されていない点。 <相違点3> 「バッファ」に関して,本願発明は,「前記少なくとも1つの基板処理ツールの上方の水平面に配置されたバッファストレージに配列されている」と特定されているのに対し,引用発明は,そのように特定されていない点。 第6 当審の判断 上記相違点1-3について検討する。 1 相違点2について まず,相違点2について検討する。 半導体被加工物処理システムにおいて,基板保持容器の運搬を最適化することは,当業者が実施に当たり適宜なし得る設計的事項にすぎない。 そして,引用文献1の段落0006には,「また好ましくは,前記巻き上げ装置を水平面内でXY双方向に移動させるように前記ローダを構成すると共に,前記バッファを前記コンベヤから見てロードポートの列の反対側に設けて,巻き上げ装置で,コンベヤとバッファ間,及びバッファとロードポート間の物品の移載を行う。」と,段落0022には「またターンテーブル64を設ける場合の向きの転換を除いて,カセットの搬送作業をローダ60に集約できる。」と,「移載装置2」として「ローダ」のみを用いる点も記載されていおり,この際,「ローダ」が「第1搬送部」から「基板保持容器」を拾い上げることは明らかである。 また,引用文献3記載事項に,「搬送装置7」から複数の「処理装置5-1,5-2,5-3・・・」(本願発明の「基板処理ツール」に対応すると認められる。)へ,「移載装置20」による「容器8」(本願発明の「基板保持容器」に対応すると認められる。)の直接搬送が可能な点が記載されているように,「第1搬送部」から「基板保持容器」を「基板処理ツール」へ直接搬送,すなわち,異なる1つの連続移動で搬送することも,周知の事項であると認められる。 ここで,「第1搬送部」から「基板処理ツール」へ直接搬送する際に搬送される「基板保持容器」は,「第1搬送部」から「バッファ」へ搬送される「基板保持容器」と異なるものであることは明らかである。 すると,引用発明において,「第2搬送部」における「基板保持容器」の搬送を特定し,相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易になし得たものである。 2 相違点1,3について 相違点1,3についてまとめて検討する。 半導体被加工物処理システムにおいて,それぞれの構成要素間の位置関係を最適化することは,当業者が実施に当たり適宜なし得る設計的事項にすぎない。 そして,引用文献1の段落0015には,「なお,本実施例では,移載装置2は,支柱40で支持するようになっているが,処理装置の側方にメンテナンス用の空間を形成できるように,天井から吊すようにしても良い。」と,「ローダ30とバッファ16,16並びに搬送装置18,18を含む」「移載装置2」を天井から吊す点も示唆されている。 また,引用文献3記載事項には,「処理装置5-1,5-2,5-3・・・に沿って移動して容器8の搬送を担当する搬送装置7」(本願発明の「第1搬送部」に対応すると認められる。)や「搬送装置7に沿って移動して容器8の受渡しを担当する移載装置20」(本願発明の「第2搬送部」に対応すると認められる。)を「クリーンルーム内上方の天井空間」に配置する点が,引用文献4記載事項には,「半導体プロセスツール124の上部の未利用のスペース」(本願発明の「基板処理ツールの上方の水平面に配置されたバッファストレージ」に対応すると認められる。)に「ウェーハ支持ポット132」(本願発明の「基板保持容器」に対応すると認められる。)を格納,すなわち,バッファとする点が記載されているように,半導体被加工物処理システムにおいて,「第1搬送部」や「第2搬送部」,「バッファ」等を上方に配置することは,周知の事項であると認められる。 ここで,「第2搬送部」を,上方に配置した際には,基板処理ツールの上方に,第1搬送部に直接相互作用する構造体,すなわち,「オーバーヘッド構造体」を含むことは明らかである。 すると,引用発明において,「移載装置2」や「バッファ16」の配置を,「基板処理ツール」の上方と特定し,相違点1,3に係る構成とすることは,当業者が容易になし得たものである。 3 請求人の主張について 請求人は,審判請求書において,概略,「搬送装置は,(引用文献1に 明示的に開示されているように)ローダ60をX方向に移動させることなく,ローダ60を使用してカセットをロードポート14に移載するために必要であるので,引用文献1のいかなる実施形態からもこの搬送装置18を省略できることを示唆するものは引用文献1にはありません。」と主張していると認められるが,引用文献1の請求項3や段落0006には,「巻き上げ装置」で「コンベヤ」と「バッファ」間で物品の移載を行う点も記載されている。 そして,この場合,引用文献1の段落0022に「カセットの搬送作業をローダ60に集約できる」と記載されているように,「バッファとコンベヤ間で物品を移載するための移載手段」,すなわち,「搬送装置」が省略できることは明らかであり,その主張を採用することはできない。 第7 むすび 以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2020-007634

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決18件(ブルックス オートメーション インコーポレイテッド)
  • 2021-005663拒絶査定不服審判 / 2022-10-06 / 原査定取消(特許/登録すべき)機械的スイッチ機構を利用する複数の可動アームを有する基板搬送装置
    同じ当事者: ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
  • 2019-016069拒絶査定不服審判 / 2022-03-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)基板搬送装置
    同じ当事者: ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
  • 2020-010050拒絶査定不服審判 / 2021-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)自動位置合わせ基板搬送装置
    同じ当事者: ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
  • 2020-015173拒絶査定不服審判 / 2021-05-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)半導体処理ツール
    同じ当事者: ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
  • 2020-009286拒絶査定不服審判 / 2021-05-12 / 請求不成立基板処理システム
    同じ当事者: ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2025-006291拒絶査定不服審判 / 2025-12-24 / 請求不成立Al配線材
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-018372拒絶査定不服審判 / 2025-10-08 / 請求不成立SiOC薄膜の形成
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-019686拒絶査定不服審判 / 2025-08-22 / 請求不成立金属誘電体光学フィルター、センサーデバイス、および製造方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-014345拒絶査定不服審判 / 2025-07-25 / 請求不成立二元金属ライナ層
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-015245拒絶査定不服審判 / 2025-07-11 / 請求不成立接合体及びその製造方法
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,479件(121・H01L)
  • 2025-000609拒絶査定不服審判 / 2026-08-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)軽量太陽光発電パネル及びその製造方法
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2025-001807拒絶査定不服審判 / 2026-08-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)太陽電池セルおよび太陽電池
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2025-002107拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 請求不成立熱硬化性樹脂組成物
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2025-001151拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 請求不成立光電変換装置及び飛行体
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2024-013328拒絶査定不服審判 / 2026-03-30 / 請求不成立光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール
    共通の審決分類: 121・H01L

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存