2020-001509
LED照明装置を検査して特徴付けるためのシステム及び方法
- 審判番号
- 2020-001509
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-545324外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年02月04日
- 審決日
- 2021年10月18日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
1 手続の経緯
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本願は、2015年1月7日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2014年1月8日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2 本願発明
令和3年6月15日の手続補正(以下「本件補正」という。)によって補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「LEDのグループから2つ以上のLEDを選択する方法であって、複数のLEDの1つ以上の測定されたパラメータと、LED温度、LED駆動電流、デューティサイクル、及び、照明器具で使用されるLEDの総数のうちの1つ以上を含む前記測定されたパラメータと関連付けられた1つ以上の駆動条件を含むデータにアクセスすることと、測定されて格納された前記パラメータのうちの1つ以上に基づいて、前記複数のLEDのうちの2つ以上の混合出力を計算することと、前記複数のLEDは、同じ1つ以上の駆動条件を用いて駆動され、前記混合出力に基づいて、前記複数のLEDから2つ以上のLEDを選択することと、を含む方法。」
3 当審における拒絶の理由
令和2年12月14日付けで当審が通知した拒絶理由は、次の内容を含むものである。
(進歩性)本件補正前の請求項1~12に係る発明は、本願の優先日前に頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
〔引用文献〕
1 特開2013-26237号公報
4 当審の判断
当審は、以下のとおり、上記3の理由によって、本願は拒絶されるべきものであると判断する。
(1)引用発明の認定
ア 当審の拒絶理由通知において引用された引用文献1(特開2013-26237号公報)には、次の記載がある。(下線は当審にて付した。以下同じ。)
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は、複数の発光ダイオード(LED)などの複数の発光素子チップをパッケージ化して発光素子を生産する発光素子の生産装置およびその生産方法、パッケージ化された複数の発光素子を基板上に実装する発光モジュールの生産装置およびその生産方法、この発光モジュールが複数用いられた光源装置、この光源装置がバックライトとして用いられた液晶表示装置に関する。」
(イ)「【0076】(実施形態2)上記実施形態1では、例えばパッケージ工程において、色度特性の各ランクA,Bから4個ずつ抽出したLEDチップの色度特性をそれぞれ測定し、各組み合わせ後の色度特性の結果が特定波長域F内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップを各ランクA,Bから選択してパッケージ基板13上に実装する場合について説明したが、本実施形態2では、ウエハからLEDチップ9に分断後、分断した複数のLED素子をテストし、そのテスト結果の特性データがチップアドレスに対応して記憶された状態で、粘着シート上に複数のLEDチップ9がマトリクス状に載置されているが、パッケージ工程において、ウエハの全チップアドレスの特性データを用いて、複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合について説明する。【0077】続きを表示(全17行)図13は、本発明のLED素子の生産方法の実施形態2において複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合を説明するための図である。【0078】図13において、本実施形態2のLED素子の生産方法は、ウエハからLEDチップ9に分断後、分断した複数のLEDチップ9が粘着シート14に貼り付けられた状態のウエハ15ごとテストするテスト工程を有している。そのテストは、色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)をテストする。テストデータ16は、ハードディスクなど、コンピュータで取り扱える媒体のデータベース(記憶手段)に記憶されていることが望ましい。テスト結果は、粘着シート14上のチップ座標(チップアドレス)と、記憶された特性データとが1対1に対応している。このテスト結果に応じて複数のランクに分ける。粘着シート14上にマトリクス状に配列された複数のLEDチップ9にチップアドレスを付与し、チップアドレスに対応してテストデータ16がデータベース(記憶手段)に記憶されている。要するに、チップテスト時に、全てのテストデータ16をデータベースに保持しておく。上記実施形態1のようにLEDチップはソートしなくてもよい。【0079】実施形態2のLED素子の生産方法は、ウエハ15上のLEDチップ9の特性データの全部または一部(複数)を選択する。複数のLEDチップ9のアドレスに対応するテストデータ16を用いて、各組み合わせ後の色度特性の結果が上記特定波長域F内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップ9を選択し、選択したLEDチップ9をピックアップコレット12でパッケージ基板13上に実装し、所定の蛍光体を含むモールドをドーム状に封止してパッケージ化してLED素子3を生産する素子実装工程を有している。【0080】要するに、組合せ時に、最も狙いに近くなる2つのLEDチップ9を、テストデータ16のうちの一部または全部(ウエハデータ全部ではおよそ10万個前後)を用いて選択し、選択したペアのLEDチップ9をピックアップコレット12でパッケージ基板13上にダイボンドする。使ったLEDチップ9の座標データは「使用済み」としてデータベースに保持しておく。1枚の粘着シート14のみでは特性が偏り、狙い通りの特性が得られない場合に備えて、2枚またはそれ以上の異なる特性分布を持つ粘着シート14を同時にセットして使える機能を持つとより好ましい。【0081】図14は、本発明の実施形態2における発光素子としてのLED素子3の生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。【0082】図14において、本実施形態2によるLED素子3の生産装置40は、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップ9と1対1に対応するように記憶する記憶手段41と、記憶手段41に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップ9の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップ9を決定する素子決定手段42と、全素子の中から任意に希望する組み合わせのLEDチップ9を取り出せる手段を持ち、決定した組み合わせのLEDチップ9をパッケージ化する素子実装手段43とを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子3を生産する。【0083】この本実施形態2によるLED素子3の生産装置40を用いた本実施形態2のLED素子3の生産方法は、記憶手段41が、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップ9と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段42が、記憶手段41に記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップ9の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップ9を決定する素子決定工程と、全素子チップの中から任意に希望する組み合わせのLEDチップ9が取り出せる手段を持ち、決定した組み合わせのLEDチップ9をパッケージ化する素子実装工程とを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子3を生産する。」
イ 引用発明
上記アによれば、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(なお、引用発明の認定に関連する段落番号等を参考までに括弧内に付してある。)。
「複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る(【0077】)、方法であって、複数のLEDチップについて、色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)をテストし、複数のLEDチップにチップアドレスを付与し、チップアドレスに対応してテストデータがデータベース(記憶手段)に記憶され、要するに、チップテスト時に、全てのテストデータをデータベースに保持しておき(【0078】)、LEDチップの特性データの全部または一部(複数)を選択し、複数のLEDチップのアドレスに対応する前記テストデータを用いて、各組み合わせ後の色度特性の結果が特定波長域内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップを選択し、選択したLEDチップをピックアップコレットでパッケージ基板上に実装するものであって(【0079】)、LED素子の生産装置が、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップと1対1に対応するように記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップを決定する素子決定手段と、全素子の中から任意に希望する組み合わせのLEDチップを取り出せる手段を持ち、決定した組み合わせのLEDチップをパッケージ化する素子実装手段とを有し、複数のLEDチップをパッケージ化して所望する特性のLED素子を生産する(【0082】)、方法。」
(2)対比・判断
ア 本願発明と引用発明との対比
(ア)引用発明の「LEDチップ」は、本願発明の「LED」に相当する。
引用発明の「複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る、方法であって」、「2個のLEDチップを選択」し、「複数のLEDチップをパッケージ化して所望する特性のLED素子を生産する、方法」は、本願発明の「LEDのグループから2つ以上のLEDを選択する方法」に相当する。
(イ)引用発明の「複数のLEDチップについて、」「チップテスト時」に「テスト」される「色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)」は、本願発明の「複数のLEDの1つ以上の測定された」「パラメータ」に相当する。
そして、引用発明では、上記の各特性についての「テスト」の結果が「テストデータ」、「LEDチップの特性データ」及び「LEDチップ製造時の特性測定結果データ」とされ、いずれも同じものを意味していると解されるところ、当該データは、本願発明でいう「複数のLEDの1つ以上の測定された」「パラメータ」「を含むデータ」であるといえる。
さらに、引用発明の上記データは、「記憶手段」に「記憶」されるものであるから、本願発明の「測定されて格納された前記パラメータ」に係るものである。
(ウ)上記(イ)によれば、引用発明の「複数のLEDチップについて、色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)をテストし、複数のLEDチップにチップアドレスを付与し、チップアドレスに対応してテストデータがデータベース(記憶手段)に記憶され、要するに、チップテスト時に、全てのテストデータをデータベースに保持しておき、LEDチップの特性データの全部または一部(複数)を選択し、複数のLEDチップのアドレスに対応する前記テストデータを用い」ることは、本願発明の「複数のLEDの1つ以上の測定されたパラメータと、LED温度、LED駆動電流、デューティサイクル、及び、照明器具で使用されるLEDの総数のうちの1つ以上を含む前記測定されたパラメータと関連付けられた1つ以上の駆動条件を含むデータにアクセスすること」とは、「複数のLEDの1つ以上の測定されたパラメータ」「を含むデータにアクセスすること」との点で一致する。
(エ)a 引用発明は、「LEDチップの特性データの全部または一部(複数)を選択し、複数のLEDチップのアドレスに対応する前記テストデータを用いて、各組み合わせ後の色度特性の結果が特定波長域内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップを選択」するものであるとともに、「テストデータ」は、「色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性」をテストしたデータであるから、当該「各組み合わせ後の色度特性の結果」の取得は「前記テストデータを用いて」なされていると解される。そして、引用発明においては「記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップを決定」しているところ、当該「記憶手段に記憶された特性」が「前記テストデータ」に対応し、当該「LEDチップの組合せ」「の計算結果」が当該「各組み合わせ後の色度特性の結果」に対応すると解される。
そうすると、引用発明では、当該「各組み合わせ後の色度特性の結果」の取得は、「前記テストデータ」を用いた(「LEDチップの組合せ」に係る)「計算」によってなされるものと解される。
b 上記aによれば、引用発明は、「前記テストデータ」に基づいて、「各組み合わせ後の色度特性の結果」を「計算」するものといえる。
そして、引用発明の「前記テストデータ」は、上記(イ)のとおり、本願発明の「測定されて格納された前記パラメータ」に係るものである。また、引用発明の当該「各組み合わせ後の色度特性の結果」は、本願発明の「前記複数のLEDのうちの2つ以上の混合出力」とは、「前記複数のLEDのうちの2つ以上の」所定の値である点で一致する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、「測定された格納された前記パラメータのうちの1つ以上に基づいて、前記複数のLEDのうちの2つ以上の」所定の値を「計算する」点で一致する。
c 引用発明は、当該「各組み合わせ後の色度特性の結果」「が特定波長域内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップを選択」するものであるから、「2個のLEDチップ」の「選択」は、当該「各組み合わせ後の色度特性の結果」に基づいてなされているといえる。
このように、引用発明は、「各組合せ後の色度特性の結果」に基づいて「2個のLEDチップを選択」するものであるとともに、当該「各組合せ後の色度特性の結果」は、上記bで説示したとおり、「『前記複数のLEDのうちの2つ以上の』所定の値」といえるものである。そうすると、本願発明と引用発明とは、「前記」所定の値「に基づいて、前記複数のLEDから2つ以上のLEDを選択する」点で一致する。
(オ)以上(ア)ないし(エ)によれば、本願発明と引用発明とは、
「LEDのグループから2つ以上のLEDを選択する方法であって、複数のLEDの1つ以上の測定されたパラメータを含むデータにアクセスすることと、測定されて格納された前記パラメータのうちの1つ以上に基づいて、前記複数のLEDのうちの2つ以上の所定の値を計算することと、前記所定の値に基づいて、前記複数のLEDから2つ以上のLEDを選択することと、を含む方法。」
である点で一致し、下記各点で相違するか一応相違する。
(相違点1)
「アクセス」される「データ」が、本願発明は、「LED温度、LED駆動電流、デューティサイクル、及び、照明器具で使用されるLEDの総数のうちの1つ以上を含む前記測定されたパラメータと関連付けられた1つ以上の駆動条件」を含むのに対して、引用発明は、このような「駆動条件」を含まない点。
(相違点2)
本願発明は、「前記複数のLEDは、同じ1つ以上の駆動条件を用いて駆動され」るのに対して、引用発明は、このように駆動されるのか不明である点。
(相違点3)
所定の値が、本願発明は「混合出力」であるのに対し、引用発明は「各組み合わせ後の色度特性の結果」であって、「混合出力」であるとは明記されていない点。
イ 判断
(ア)相違点1及び相違点2について
引用発明は、「LEDチップ」の「色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)をテスト」するものであるところ、一般に、LEDの発光特性等は駆動条件に依存するから、当該特性等をテストするに際して駆動条件を定める必要があることは当然であるし、その際の駆動条件として、LED駆動電流やLED温度などがあることは技術常識である。そして、引用発明は、上記「テスト」される「LEDチップ」が「複数」あるところ、「各組合せ後の色度特性の結果」に基づいて「2個のLEDチップを選択」するものであり(上記ア(エ)c)、当該「各組合せ後の色度特性の結果」は「前記テストデータ」を用いた(「LEDチップの組合せ」に係る)「計算」によって得られたのである(同a)から、「複数のLEDチップ」の「前記テストデータ」を得る際の駆動条件は、当然に同じものとされるはずである。
また、一般に、測定結果を記録するに際して測定条件を合わせて記録することは常套手段であるところ、引用発明においては、「複数のLEDチップ」の発光特性等を「テスト」した後に「テストデータがデータベース(記憶手段)に記憶され」るのであるから、当該駆動条件を「テストデータ」と合わせて「データベース(記憶手段)」に記憶しておくことは当業者が適宜になし得ることである。
したがって、引用発明において、「複数のLEDチップ」の「色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)をテスト」するに際して、その駆動条件としてLED駆動電流やLED温度を選択すること、さらには、そのようにして得られた「テストデータ」を「データベース(記憶手段)」に「記憶」させるに際して、当該駆動条件を合わせて記憶させる構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
(イ)相違点3について
引用発明の「各組み合わせ後の色度特性の結果」の意味について検討すると、引用発明は、「複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る」ものであるから、引用発明の「組み合わせ」とは、上記ア(エ)の説示の際も前提としていたとおり、複数のLEDチップを組み合わせることを意味しており、複数のLEDチップを組み合わせることの目的は「狙いの色度特性」を得ることにあるといえる。そして、複数の光源からの光を混合させると混色して異なる色度特性の光が得られること(いわゆる加法混色)は技術常識であることから、「狙いの色度特性」を得ることは当該技術常識に基づきなされていると解される。そうすると、引用発明の「各組み合わせ後の色度特性の結果」とは、複数のLEDチップからの光を混合させて得られた色度特性を意味していると解される。
したがって、引用発明の「各組み合わせ後の色度特性の結果」は、本願発明の「混合出力」に相当すると認められる。
よって、相違点3は、実質的なものではない。
(ウ)本願発明の効果について
本願発明の効果は、上記各相違点を総合的に勘案しても、引用発明及び技術常識から予想される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
ウ 請求人の主張について
(ア)請求人は、引用文献1に記載された発明は、2つのLEDチップ9を選択して1つのLED素子3を生産することに関するものであるものの、1つのLED素子3を形成するために複数のLEDチップが選択された場合であっても、その後に生産されたLED素子3の混合出力の計算について記載されておらず示唆もなされていない旨主張する。
しかしながら、本願発明は、「混合出力」の「計算」に関して、「測定されて格納された前記パラメータのうちの1つ以上に基づいて、前記複数のLEDのうちの2つ以上の混合出力を計算すること」を特定するにとどまり、「LED」が「その後に生産されたLED素子」であるとまでは特定していないし、また、「LED」との文言は一般に「LEDチップ」を含有するものであるから、本願発明は、その後に生産されたLED素子の混合出力の計算を必須とするものとはいえない。
よって、請求人の主張は、本願発明の特定事項に基づかないものである。
(イ)請求人は、引用文献1に記載された発明では、ウェーハ15内のLEDチップ9の複数の組み合わせを用いて、LEDチップ9間の類似した色度特性を決定しており、「LEDの混合出力を計算する」ものではない旨主張するが、上記イ(イ)で検討したとおりである。そして、このことは、引用文献1の「以上により、本実施形態2によれば、上記実施形態1の場合と同様に、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。」(【0097】)及び「この合計16通りの組み合わせ後の色度特性の合成結果を計算する。・・・これによって、ランクAのLEDチップ9とランクBのLEDチップ9を組み合わせた場合に、特定波長域F内の領域中心付近に合成結果を納めることができる。」(【0068】)との記載からみても、首肯できるものである。
(ウ)請求人は、引用文献1に記載された発明は、LEDチップ9の可能な組み合わせを決定するためにウェーハ15内のLEDチップ9について繰り返して分析を行うものであって、そのようなことは、単なる試行錯誤の分析であり、本願発明のような測定され格納されたパラメータを用いて「LEDの混合出力を計算する」こととは異なるものである旨主張する。
しかしながら、上記ア(イ)で説示したとおり、引用発明の「テストデータ」、「LEDチップの特性データ」及び「LEDチップ製造時の特性測定結果データ」は、「記憶手段」に「記憶」されるものであって、本願発明でいう「測定されて格納された前記パラメータ」に係るものである。
そして、引用発明は、「前記テストデータ」に基づいて「各組み合わせ後の色度特性の結果」を「計算」するものであり(上記ア(エ)b)、「各組み合わせ後の色度特性の結果」に基づいて「2個のLEDチップを選択」するものである(同c)から、「2個のLEDチップ」の「選択」は「テストデータ」を用いてなされているところ、当該「テストデータ」は「データベース(記憶手段)」に記憶されているのであるから、引用発明においては、1つのLEDチップに対して分析がなされるのは一度きりであることが明らかである。
(エ)よって、上記(ア)ないし(ウ)の請求人の主張は採用できない。
エ 小括
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
よって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-001509