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特許異議申立

2019-700544

真空包装機

審判番号
2019-700544
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-259056
登録番号
特許第6452436号(P6452436)
請求日
2019年07月11日
審決日
2021年01月12日
公報発行日
2021年05月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ホシザキ株式会社
  • 【権利者代理人】永井 裕輔
  • 【異議申立人】株式会社 TOSEI
  • 【異議申立人代理人】井上 正則
審判長/審判官
  • 審判長 間中 耕治
  • 審判官 石井 孝明
  • 審判官 村山 達也
分類
P1651.121-YAA(B65B) / P1651.111-YAA(B65B) / P1651.537-YAA(B65B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項第1号、特許法第29条第1項第2号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6452436号発明「真空包装機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6452436号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕、9について訂正することを認める。 特許第6452436号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6452436号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~9に係る特許についての出願は、平成26年12月22日に出願され、平成30年12月21日にその特許権の設定登録がされ、平成31年1月16日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和1年7月11日    : 特許異議申立人株式会社TOSEI(以下、「異議申立人」という。)による本件特許に対する特許異議の申立て 令和1年10月10日付け : 審尋 令和1年10月30日   : 異議申立人による回答書の提出 令和1年12月24日付け : 取消理由通知 令和2年3月5日     : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出(訂正請求書による訂正を、以下、「本件訂正」という。) 令和2年4月21日    : 異議申立人による意見書の提出 令和2年7月1日付け   : 取消理由通知(決定の予告) 令和2年9月4日     : 特許権者による意見書の提出 第2 本件訂正の適否 1.本件訂正の内容 下線は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、 「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に直ぐ隣接する位置に、前記包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、前記検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、」と記載されているのを、 「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に隣接する位置に、前記包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、前記検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、」に訂正する。 なお、本件訂正前の請求項1~8は、請求項2~8が、本件訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項1~8について請求されている。 (2)訂正事項2 明細書段落0006において、 「チャンバの一方の側には上下のブロック体よりも他方の側にて直ぐ隣接する位置に、包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、」と記載されているのを、 「チャンバの一方の側には上下のブロック体よりも他方の側に隣接する位置に、包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、」に訂正する。 (3)訂正事項3 明細書段落0007において、 「上記のように構成した真空包装機においては、チャンバの一方の側には上下のブロック体よりも他方に直ぐ隣接する位置に、包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、真空ポンプによりチャンバ内を脱気して負圧化させたときに膨張する包装袋によって検知部材が上動したことを位置検出センサにより検出することで、包装袋の膨らみを検知するようにしたので、チャンバ内に収容した包装袋が小さなものであっても、検知部材は上下のブロック体に直ぐ隣接する位置で膨張する包装袋によって確実に上動するようになり、」と記載されているのを、 「上記のように構成した真空包装機においては、チャンバの一方の側には上下のブロック体よりも他方に隣接する位置に、包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、真空ポンプによりチャンバ内を脱気して負圧化させたときに膨張する包装袋によって検知部材が上動したことを位置検出センサにより検出することで、包装袋の膨らみを検知するようにしたので、チャンバ内に収容した包装袋が小さなものであっても、検知部材は上下のブロック体に隣接する位置で膨張する包装袋によって確実に上動するようになり、」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項9において、 「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の側にて直ぐ隣接する位置で前記上下のブロック体の長手方向の両側に、前記包装袋の上側を通過する光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたことを特徴とする真空包装機。」と記載されているのを、 「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の側にて隣接する位置で前記上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたことを特徴とする真空包装機。」に訂正する。 (5)訂正事項5 明細書段落0013において、 「また、上記課題を解決するための他の発明は、被包装物をを横たえて収納した包装袋を収容するチャンバと、」と記載されているのを、 「また、上記課題を解決するための他の発明は、被包装物を横たえて収納した包装袋を収容するチャンバと、」に訂正する。 (6)訂正事項6 明細書段落0013において、 「チャンバの一方の側には、上下のブロック体よりも他方にて直ぐ隣接する位置で上下のブロック体の長手方向の両側に、包装袋の上側を通過する光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたことを特徴とする真空包装機を提供するものである。」と記載されているのを、 「チャンバの一方の側には、上下のブロック体よりも他方にて隣接する位置で上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたことを特徴とする真空包装機を提供するものである。」に訂正する。 (7)訂正事項7 明細書段落0014において、 「上記のように構成した真空包装機においては、チャンバの一方の側には上下のブロック体よりも他方にて直ぐ隣接する位置で上下のブロック体の長手方向の両側に、包装袋の上側を通過する光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたため、」と記載されているのを、 「上記のように構成した真空包装機においては、チャンバの一方の側には上下のブロック体よりも他方にて隣接する位置で上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたため、」に訂正する。 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1~3 訂正事項1に係る請求項1についての訂正、訂正事項2に係る段落0006についての訂正及び訂正事項3に係る段落0007についての訂正は、本件訂正前「直ぐ隣接する」となっていたものを本件訂正後の「隣接する」へ訂正するものである。 そこで、当該訂正について検討すると、「直ぐ」は「距離をおかないさま。ごく近く。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)という意味であり、「隣接」は「となりあってつづくこと。近隣関係にあること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)という意味であり、「近隣」は「近所となり。近辺。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)という意味であり、「近い」は、「距離のへだたりが小さい。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)という意味であるから、同様の意味を有する語を繰り返したことによって、不明瞭な記載となっていたものを、「直ぐ」を削除することによって、同様の意味を有する語の繰り返しを解消し、明瞭な記載としたものである。 したがって、当該訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そして、当該訂正は、本件特許の出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面に記載されていなかった語を削除しただけであるから、新規事項の追加に該当せず、同様の意味を有する語の繰り返しを解消しただけであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項4 訂正事項4に係る請求項9についての訂正は、本件訂正前「直ぐ隣接する」となっていたものを本件訂正後の「隣接する」へ訂正するものである。 この点は、前記(1)で検討したとおりであるから、当該訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 また、訂正事項4に係る請求項9についての訂正は、請求項9に係る発明の「発光部」が「光の発射する」ことについて、本件訂正前の「前記包装袋の上側を通過する」を、本件訂正後は「膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で」へ訂正するものであるところ、本件訂正前は、「包装袋の膨らみを検知でき」ないものが包含されていたものを、本件訂正後は、「包装袋の膨らみを検知でき」ないものが包含されないものへ減縮するものであるから、当該訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件訂正後の「膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で」は、本件特許の願書に添付した明細書の【0047】に記載された内容に依るものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項5 訂正事項5に係る段落0013についての訂正は、本件訂正前「被包装物をを横たえて」となっていたものを本件訂正後の「被包装物を横たえて」へ訂正するものであり、誤記の訂正を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項6、7 訂正事項6に係る段落0013についての訂正及び訂正事項7に係る段落0014についての訂正は、本件訂正前「直ぐ隣接する」となっていたものを本件訂正後の「隣接する」へ訂正するものである。 この点は、前記(1)で検討したとおりであるから、当該訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 また、訂正事項6に係る段落0013についての訂正及び訂正事項7に係る段落0014についての訂正は、「発光部」が「光の発射する」ことについて、本件訂正前の「前記包装袋の上側を通過する」を、本件訂正後は「膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で」へ訂正するものである。 この点は、前記(2)で検討したとおりであるから、当該訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 3.小括 上記のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕、9について訂正すること、及び、訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、訂正後の明細書について訂正することを認める。 第3 取消理由の概要 本件特許に対して、当審が令和1年12月24日付けで特許権者に通知した取消理由(以下、単に「当審取消理由」という。)の要旨は、次のとおりである。 [取消理由1] 本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 [取消理由2] 本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 [取消理由3] 本件特許の請求項1~9に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物(引用例1~2)に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明(引用例3)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用例1:特開2013-203402号公報(甲第1号証) 引用例2:「NEW真空包装機LYNXシリーズ ホットテンプ(HotTemp)誕生」(平成26年3月公開)(甲第8号証) 引用例3:動画サイトYouTube「ニチワ電機 ホットテンプ」(平成26年1月14日公開、URL:http://www.youtube.com/watch?v=7-28nU1nT3w)(甲第10号証) 第4 当審の判断 1.訂正後の請求項1~9に係る発明 本件訂正により訂正された訂正後の請求項1~9に係る発明(以下、単に、「請求項1~9に係る発明」という。)は、次のとおりのものである。なお、下線は訂正箇所を示す。 「【請求項1】 被包装物を収納した包装袋を横たえて収容するチャンバと、 前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する細長い形状をした上下のブロック体と、該上下のブロック体の少なくとも一方に前記包装袋を加熱溶着するヒータとを有して、横たえて収容した前記包装袋の開口部周縁を前記上下のブロック体により狭持した状態で前記ヒータにより加熱溶着して密封する加熱封止装置と、 前記チャンバ内を脱気して負圧化させる真空ポンプとを備え、 前記包装袋の開口部周縁を前記チャンバ内の一方の側にて前記下側のブロック体の上側に載せ、前記包装袋の開口部と反対側となる閉止底部を前記チャンバ内にて前記下側のブロック体よりも他方の側に配置して、前記包装袋を前記チャンバ内に収容して真空包装する真空包装機であって、 前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に隣接する位置に、前記包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と、前記検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサとの両方を備え、 前記真空ポンプにより前記チャンバ内を脱気して負圧化させたときに膨張する前記包装袋によって前記検知部材が上動したことを前記位置検出センサにより検出することで、前記包装袋の膨らみを検知するようにしたことを特徴とする真空包装機。 【請求項2】 請求項1に記載の真空包装機において、 検知部材は前記ブロック体の長手方向に延びた両端が水平軸線回りに回動可能に支持された帯板状の検知プレートよりなり、前記位置検出センサは前記検知プレートの長手方向と直交する方向にて前記チャンバの他方の側の端部の上下方向の位置を検出するようにしたことを特徴とする真空包装機。 【請求項3】 請求項2に記載の真空包装機において、 前記検知プレートの長手方向の端部には前記チャンバの他方の側に延びる検知アームを備え、 前記位置検出センサは前記検知アームの上下方向の位置を検出するようにしたことを特徴とする真空包装機。 【請求項4】 請求項2または3に記載の真空包装機において、 前記検知プレートの長手方向と直交する方向の端縁を曲げ加工したことを特徴とする真空包装機。 【請求項5】 請求項2~4の何れか1項に記載の真空包装機において、 前記チャンバ内には前記検知プレートの長手方向の両端部を回動可能に支持する支持ブラケットを備え、 前記支持ブラケットの前記検知プレートの長手方向の両端部と対向する位置と、前記検知プレートの両端部との一方には前記検知プレートの長手方向にて同じ方向に突出する一対の支持軸部を設けるとともに、前記支持ブラケットの前記検知プレートの長手方向の両端部と対向する位置と、前記検知プレートの両端部との他方には前記支持軸部に係止する一対の係止孔部を形成し、 前記一対の支持軸部を前記一対の係止孔部に挿通するように前記検知プレートを前記長手方向に移動させることにより、前記検知プレートを前記支持ブラケットに支持させたことを特徴とする真空包装機。 【請求項6】 請求項2~5の何れか1項に記載の真空包装機において、 前記チャンバ内には前記検知プレートの長手方向の両端部を回動可能に支持する支持ブラケットを備え、 前記支持ブラケットには前記検知プレートの回動角度を規制するストッパを設けたことを特徴とする真空包装機。 【請求項7】 請求項1に記載の真空包装機において、 前記検知部材は前記ブロック体の長手方向に延びて上下方向に移動可能に支持された検知バーよりなり、前記位置検出センサは前記検知バーの長手方向の端部の上下方向の位置を検出するようにしたことを特徴とする真空包装機。 【請求項8】 請求項1に記載の真空包装機において、 前記検知部材は前記ブロック体の長手方向に延びて長手方向の一端を支点として他端が上下方向に移動可能に支持された検知バーよりなり、前記位置検出センサは前記検知バーの長手方向の他端の上下方向の位置を検出するようにしたことを特徴とする真空包装機。 【請求項9】 被包装物を収納した包装袋を横たえて収容するチャンバと、 前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する細長い形状をした上下のブロック体と、該上下のブロック体の少なくとも一方に前記包装袋を加熱溶着するヒータとを有して、横たえて収容した前記包装袋の開口部周縁を前記上下のブロック体により狭持した状態で前記ヒータにより加熱溶着して密封する加熱封止装置と、 前記チャンバ内を脱気して負圧化させる真空ポンプとを備え、 前記包装袋の開口部周縁を前記チャンバ内の一方の側にて前記下側のブロック体の上側に載せ、前記包装袋の開口部と反対側となる閉止底部を前記チャンバ内にて前記下側のブロック体よりも他方の側に配置して、前記包装袋を前記チャンバ内に収容して真空包装する真空包装機であって、 前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の側にて隣接する位置で前記上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたことを特徴とする真空包装機。」 2.当審取消理由に記載した取消理由1について 訂正前の請求項1に係る発明の「直ぐ隣接した」という記載について、同様の意味を有する語を繰り返したことによって、不明瞭な記載となっていたものを、「直ぐ」を削除することによって、同様の意味を有する語の繰り返しを解消したため、明瞭な記載となった。 したがって、請求項1~9に係る発明は明確である。 3.当審取消理由に記載した取消理由2について 請求項9に係る発明の「発光部」が「光の発射する」ことについて、本件訂正前の「前記包装袋の上側を通過する」が、本件訂正後は「膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で」になったことで、「包装袋の膨らみを検知でき」ないものが排除され、本件訂正後の請求項9に係る発明は、「・・・真空包装機において、包装袋の大きさに関わらず包装袋の膨らみを検知できるようにするとともに包装袋の膨張の検知精度を高くすることを目的とする。」(段落0005)という課題の解決ができないものを包含しないものとなった。 よって、請求項9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものである。 4.当審取消理由に記載した取消理由3について (1)引用例 ア.引用例1 引用例1には、図面と共に、次の記載がある。 「【請求項6】 液体が含まれた被包装物を収納した包装袋を収容するチャンバーと、該チャンバー内を減圧して包装袋内の脱気を行う脱気装置と、チャンバー内に設けられ、包装袋の被包装物投入口を閉じる投入口閉成装置と、閉状態の被包装物投入口を封止する封止装置と、脱気装置と投入口閉成装置と封止装置とを制御する制御装置と、を備えた真空包装装置において、 前記制御装置は、 前記脱気装置を制御して、予め設定された投入口閉成前設定圧までチャンバー内を減圧した後、このチャンバー内において投入口閉成装置を制御して被包装物投入口を閉じ、この状態で脱気装置を制御してチャンバー内を投入口閉成前設定圧よりも低い投入口閉成時設定圧まで減圧する包装減圧制御手段と、 該包装減圧制御手段により投入口閉成時設定圧まで減圧したチャンバー内において投入口閉成装置を制御して被包装物投入口の閉状態を解除する閉成解除制御手段と、 該閉成解除制御手段により被包装物投入口の閉状態を解除した後、投入口閉成装置を制御して被包装物投入口を再び閉じ、この閉状態で封止装置により封止する封止制御手段と、を備えたことを特徴とする真空包装装置。 【請求項7】 前記チャンバー内の包装袋の膨張を検出可能な膨張検出手段を備え、 チャンバー内を投入口閉成時設定圧まで減圧して前記被包装物投入口が閉じられた状態の包装袋が膨張すると、膨張検出手段が包装袋の膨張を検出し、該検出に基づいて制御装置がチャンバー内の脱気を停止するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の真空包装装置。 【請求項8】 前記膨張検出手段は、包装袋の上部に当接する袋当接部を上下動自在な状態で備え、該袋当接部により膨張状態の包装袋を押し潰し可能であることを特徴とする請求項7に記載の真空包装装置。 【請求項9】 前記脱気装置は、真空ポンプと、該真空ポンプの駆動により減圧されるチャンバー内の減圧速度を予め設定された第1減圧速度と、該第1減圧速度よりも遅い第2減圧速度とに切替可能な減圧調整機構と、を備え、 前記制御装置は、 前記脱気装置を制御して、前記投入口閉成前設定圧よりも高い準備設定圧まで第1減圧速度でチャンバー内を減圧した後、第2減圧速度で前記投入口閉成前設定圧までチャンバー内を減圧する準備減圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の真空包装装置。 【請求項10】 前記減圧調整機構は、 前記真空ポンプとチャンバーとを連通可能な吸気流路と、 該吸気流路よりも流路抵抗が大きく設定され、吸気流路を迂回して真空ポンプとチャンバーとを連通可能なバイパス流路と、 前記吸気流路を介して真空ポンプとチャンバーとを連通する吸気連通状態と、バイパス流路を介して真空ポンプとチャンバーとを連通するバイパス連通状態とに切替可能な流路切替弁と、を備え、 該流路切替弁を吸気連通状態に切り替えた状態で真空ポンプを駆動すると、チャンバー内が第1減圧速度で減圧され、バイパス連通状態に切り替えた状態で真空ポンプを駆動すると、チャンバー内が第2減圧速度で減圧されるように構成したことを特徴とする請求項9に記載の真空包装装置。」 「【0024】 以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。 真空包装装置1は、図1および図2に示すように、被包装物を収容した包装袋Bを収納するチャンバー2と、該チャンバー2内を減圧して包装袋B内の脱気を行う脱気装置3と、チャンバー2の内部に設けられ、包装袋Bの被包装物投入口Baを閉じる投入口閉成装置5と、包装袋Bの被包装物投入口Baを封止するシール用ヒーター6(本発明における封止装置に相当)と、脱気装置3と投入口閉成装置5とシール用ヒーター6とを制御する制御装置7と、を備えて構成されている。なお、脱気装置3については、後で詳細に説明する。 【0025】 チャンバー2は、上面に包装袋Bを載置可能な本体部2aと、該本体部2aを上方から閉塞する蓋部2bとから構成された耐圧容器であり、蓋部2bを上下方向に回動して開閉可能とし、蓋部2bと本体部2aとの当接部分にシール材(図示せず)を設けてチャンバー2内の気密性を維持できるように構成されている。また、本体部2aには吸引口9を穿設して脱気装置3へ接続し、脱気装置3を駆動するとチャンバー2内の空気が吸引口9から吸引されてチャンバー2内が減圧されるように構成されている。 【0026】 投入口閉成装置5は、本体部2a側に昇降可能な状態で設けられた下側閉成ブロック10と、蓋部2bの下面側に固定された上側閉成ブロック11とを対向する状態で備え、下側閉成ブロック10を閉成用シリンダ12の駆動により昇降可能とし、上側閉成ブロック11と上昇状態の下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持して被包装物投入口Baを閉成するように構成されている。・・・さらに、下側閉成ブロック10の上側閉成ブロック11側(上部)および上側閉成ブロック11の下側閉成ブロック10側(下部)にはシール用ヒーター6をそれぞれ備え、上側閉成ブロック11と下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持した状態でシール用ヒーター6に通電すると、被包装物投入口Baが閉成した状態で加熱圧着されて封止されるように構成されている。」 「【0028】 次に、脱気装置3について説明する。 脱気装置3は、真空ポンプ16と、該真空ポンプ16とチャンバー2との間を接続する減圧調整機構17とを備えて構成されている。・・・」 「【0033】 まず、被包装物を入れた包装袋Bをチャンバー2内にセットするセット工程(準備工程)を行う。セット工程では、蓋部2bを開けた状態で、作業員が包装袋Bを本体部2a上に載せるとともに被包装物投入口Baを下側閉成ブロック10上に載せる。」 「【0046】 ところで、上記各実施形態においては、チャンバー2内が予め設定された第3設定圧P3まで減圧されると、チャンバー2内の脱気を停止するように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図13に示す第3実施形態では、基本的には第2実施形態と同じであるが、第3設定圧を設定せず、その代わりに包装袋B(詳しくは、内部で液体が沸騰している包装袋B)の膨張状態を検出し、この検出結果に基づいてチャンバー2内の脱気を停止するように構成されている。 【0047】 具体的に説明すると、図13に示すように、第3実施形態における真空包装装置1のチャンバー2には、包装袋Bの膨張状態を検出可能な膨張検出手段50を備えている。膨張検出手段50は、本体部2a上に載置された包装袋Bよりも上方に位置する平板状の袋当接部51と、該袋当接部51の姿勢の変化により包装袋Bの膨張状態を検出可能な膨張検出センサ52とを備えて構成されている。そして、袋当接部51の投入口閉成装置5側の端部(図13中、左端部)を上側閉成ブロック11の側部に回動自在な状態で軸着し、蓋部2bの軸着側に位置する自由端部(図13中、右端部)が昇降(上下方向に移動)して、自由端部が蓋部2b側に位置する上昇姿勢(図13中、実線で示す姿勢)と、本体部2a側に位置する下降姿勢(図13中、二点鎖線で示す姿勢)とに変換できるように構成されている。さらに、袋当接部51には、温度検出センサ40を包装袋Bに臨ませる開口部(図示せず)を開設し、温度検出センサ40が誤って袋当接部51の温度を検出することを避けている。 【0048】 また、袋当接部51の自由端部の上面(蓋部2b側を向いた面)には検出片53を備え、下面には自由端部が本体部2aに当接することを阻止するストッパー54を備えている。そして、チャンバー2のうち検出片53の上方に位置する箇所には、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53を検出可能な膨張検出センサ52を備え、該膨張検出センサ52の検出信号を制御装置7のインターフェイス回路31へ送信できるように構成されている(図14参照)。なお、本実施形態では、膨張検出センサ52を磁気センサによって構成するとともに検出片53を磁性体で構成し、検出片53の接近により変化する磁界の強さを膨張検出センサ52で感知することで、袋当接部51の姿勢変化を検出可能としている。 【0049】 このような構成の膨張検出手段50を備えた真空包装装置1の包装減圧工程では、図15に示すように、第2設定圧P2まで減圧されたチャンバー2内において、被包装物投入口Baを閉成した状態の包装袋B内で、被包装物内の液体(水)が沸騰し始め、液体が気化して発生する気体(水蒸気)により包装袋B内の気圧がチャンバー2内の気圧よりも高くなって包装袋Bが膨らんでくる。そして、包装減圧制御手段として機能している制御装置7の制御に基づいて、被包装物投入口Baを閉成した状態で真空ポンプ16の駆動を継続し、チャンバー2内を第2減圧速度で減圧して被包装物内の液体を沸騰させ続けると、膨張した包装袋Bの上面が袋当接部51に当接する。引き続き真空ポンプ16の駆動を継続して包装袋Bをさらに膨張させると、袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換し、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53が膨張検出センサ52により検出される。 【0050】 膨張検出センサ52により検出片53を検出した旨の検出信号(言い換えると、包装袋Bの膨張を検出した旨の検出信号)を制御装置7が受信すると、真空包装装置1が閉成解除工程に移行し、制御装置7が閉成解除制御手段として機能する。そして、図16に示すように、チャンバー2内の脱気を停止(チャンバー2と真空ポンプ16との間の通気を阻止)するとともに、下側閉成ブロック10を下降させて上側閉成ブロック11から離間させて膨張状態の包装袋Bの被包装物投入口Baを開放、言い換えると被包装物投入口Baの閉状態を解除する。すると、包装袋B内で発生した気体が被包装物投入口Baからチャンバー2内に放出され、さらに、準備減圧工程および包装減圧工程において包装袋B内から吸引(脱気)しきれなかった残留空気も前記気体とともに包装袋Bの外方へ放出される。また、包装袋Bの膨張により上昇姿勢に変換していた袋当接部51がその自重により下方に移動して下降姿勢に戻り、膨張していた包装袋Bを押し潰す。これにより、包装袋Bの膨張状態を検出する構成を利用して包装袋B内に停留する残気(空気や前記気体)を外方へ追い出すことができ、包装袋B内を十分に脱気することができる。したがって、残留空気を含み難い良好な真空包装を行うことができる。」 「【0052】 なお、袋当接部51は、上側閉成ブロック11に軸着された平板で構成されることに限定されない。要は、チャンバー2内のうち包装袋Bの上方に昇降自在な状態で配置され、膨張した包装袋Bにより押し上げられ、膨張状態の包装袋Bの上面に載って包装袋Bを押し潰すことができれば、どのような構成でもよい。例えば、チャンバー2内に立設された柱状のスライドガイドに沿って昇降自在な部材で構成してもよいし、あるいは蓋部2bの内側からチェーンや紐等で吊り下げられた部材で構成してもよい。さらに、袋当接部をばね等の付勢部材の付勢力により下方の包装袋B側へ常時付勢し、包装減圧工程においては、膨張する包装袋Bが付勢部材の付勢力に抗して袋当接部を押し上げ、閉成解除工程においては、袋当接部が付勢部材の付勢力により膨張状態の包装袋Bを押し潰すように構成してもよい。また、膨張検出センサ52は、磁気センサで構成されることに限定されず、包装袋Bの膨張に伴う袋当接部51の状態変化を検知可能であればどのようなものでもよい。例えば、マイクロスイッチ等の機械式センサで構成してもよい。 【0053】 さらに、膨張検出手段は、包装減圧工程における包装袋Bの膨張を検出可能であれば、袋当接部を有する構成に限定されない。例えば、チャンバー2内の包装袋Bを撮影する監視カメラを備え、包装袋Bの膨張状態を予め撮影した画像に基づくデータを制御装置7に記憶しておき、監視カメラで撮影された包装袋Bの画像と前記データとを比較して包装袋Bの膨張状態を検出する手段(画像認識による検出手段)であってもよい。」 引用例1における請求項6の「液体が含まれた被包装物を収納した包装袋を収容するチャンバーと、・・・」という記載、【0024】の「・・・真空包装装置1は、図1および図2に示すように、被包装物を収容した包装袋Bを収納するチャンバー2と、・・・」という記載、【0025】の「チャンバー2は、上面に包装袋Bを載置可能な本体部2aと、・・・」という記載、【0026】の「・・・上側閉成ブロック11と上昇状態の下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持して被包装物投入口Baを閉成するように構成されている。・・・」という記載、【0033】の「・・・セット工程では、蓋部2bを開けた状態で、作業員が包装袋Bを本体部2a上に載せるとともに被包装物投入口Baを下側閉成ブロック10上に載せる。・・・」という記載、図1及び図13を参照すれば、「チャンバー2」は、「液体が含まれた被包装物を収納した包装袋Bを」横たえて「収容する」ものといえ、また、「包装袋B」の「被包装物投入口Ba」を「チャンバー2」内の一方の側にて「下側閉成ブロック10上に載せ」、「包装袋B」の「被包装物投入口Ba」と反対側となる閉止底部を、「チャンバー2」内にて「下側閉成ブロック10」よりも他方の側に配置して、「包装袋B」を「チャンバー2」内に「収容」しているといえる。 ここで、「位置」とは「ある人・物・事柄が、他との関係もしくは全体との関係で占める場所、あるいは立場。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)という意味であること、及び「隣接」は「となりあってつづくこと。近隣関係にあること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)という意味であることをふまえると、【0047】の「・・・そして、袋当接部51の投入口閉成装置5側の端部(図13中、左端部)を上側閉成ブロック11の側部に回動自在な状態で軸着し、・・・」という記載及び図13を参照すれば、「袋当接部51」は、その軸着部分において、「上側閉成ブロック11」に対して、近隣関係にあるから、「袋当接部51」は、「チャンバー2」の一方の側の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」よりも他方に隣接する位置にあるといえる。 したがって、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「上面に包装袋Bを載置可能な本体部2aと、該本体部2aを上方から閉塞する蓋部2bとから構成された耐圧容器であり、液体が含まれた被包装物を収納した包装袋Bを横たえて収容するチャンバー2と、 本体部2a側に昇降可能な状態で設けられた下側閉成ブロック10と、蓋部2bの下面側に固定された上側閉成ブロック11とを対向する状態で備え、下側閉成ブロック10を閉成用シリンダ12の駆動により昇降可能とし、上側閉成ブロック11と上昇状態の下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持して被包装物投入口Baを閉成するように構成されている投入口閉成装置5と、上側閉成ブロック11と下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持した状態で通電すると、被包装物投入口Baが閉成した状態で加熱圧着されて封止されるように構成された、上側閉成ブロック11側(上部)および上側閉成ブロック11の下側閉成ブロック10側(下部)にそれぞれ備えられたシール用ヒーター6と、 真空ポンプ16と、該真空ポンプ16とチャンバー2との間を接続する減圧調整機構17とを備えて構成されており、チャンバー2内を減圧して包装袋B内の脱気を行う脱気装置とを備え、 包装袋Bの被包装物投入口Baをチャンバー2内の一方の側にて下側閉成ブロック10上に載せ、包装袋Bの被包装物投入口Baと反対側となる閉止底部を、チャンバー2内にて下側閉成ブロック10よりも他方の側に配置して、包装袋Bをチャンバー2内に収容して真空包装する真空包装装置であって、 チャンバー2の一方の側の上側閉成ブロック11及び下側閉成ブロック10よりも他方に隣接する位置に、その自由端部の上面に検出片53を備えた袋当接部51を備え、チャンバー2のうち検出片53の上方に位置する箇所には、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53を検出可能な膨張検出センサ52を備え、 被包装物投入口Baを閉成した状態で真空ポンプ16の駆動を継続し、チャンバー2内を減圧して被包装物内の液体を沸騰させ続けると、膨張した包装袋Bの上面が袋当接部51に当接し、引き続き真空ポンプ16の駆動を継続して包装袋Bをさらに膨張させると、袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換し、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53が膨張検出センサ52により検出される、真空包装装置」 イ.引用例2 引用例2には、次の記載がある。 「吹きこぼれやすい粘性のある液体も、レバープレートが運転を制御し、吹きこぼれを防止します(ホットテンプ:液体・粘性モード)。」(2ページ「ホットテンプ機能」の欄) また、この記載の右側の図から、被包装物が収納された包装袋の膨張によって、被包装物が収納された包装袋の開口部周縁に隣接した位置にある自由端が、膨張した包装袋によって上動する部材が看取されるが、当該上動する部材の形状について3面図や説明が付されているわけではないから、その形状や機能・作用は不明である。仮に、当該上動する部材がレバープレートであったとしても、その機能・作用は、前記「レバープレートが運転を制御し、吹きこぼれを防止します」にとどまる。 ここで、異議申立人は、引用例2に記載された「レバープレート」について、本件特許の出願日後に公開された甲第9号証を提出しているが、引用例2に記載された事項の認定は、引用例2の記載内容全体から、当業者の技術常識を考慮してなされるべきところ、甲第9号証は、本件特許の出願前に、本件特許の出願前に引用例2に記載された「レバープレート」が、包装袋の膨張を検知するものと理解する当業者の技術常識を示す証拠ではないから、引用例2に記載された「レバープレートが」真空包装機の「運転を制御」することを、「レバープレート」が包装袋の膨張を検知すると解すべき根拠はない。 したがって、引用例2には次の事項(以下「引用例2事項」という。)が示されている。 「真空包装機において、レバープレートが運転を制御し、吹きこぼれを防止すること。」 ウ.引用例3 引用例3には、ニチワ電機の真空包装機であるホットテンプについて紹介されており、動画開始2分47秒-2分52秒及び4分15秒-4分20秒において、被包装物を収納した包装袋を真空パックする過程で、膨張する包装袋によって、画面上で「吹きこぼれを防止するレバープレート」と明示された部品の自由端が上動する様子が示されると共に、「レバープレートが運転を制御して、吹きこぼれを防止します。」との音声が付されている。 また、動画から前記「吹きこぼれを防止するレバープレート」の自由端は、包装袋の開口部周縁に隣接した位置にあることが看取される。 したがって、引用例3には次の事項(以下「引用例3事項」という。)が示されている。 「真空包装機において、被包装物が収納された包装袋の膨張によって、包装袋の開口部周縁に隣接した位置にある吹きこぼれを防止するレバープレートの自由端が上動し、レバープレートが運転を制御して、吹きこぼれを防止すること。」 (2)請求項1に係る発明について ア.対比 請求項1に係る発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「包装袋B」及び「液体が含まれた被包装物」は、それぞれ請求項1に係る発明の「包装袋」及び「被包装物」に相当するから、引用発明の「チャンバー2」は、請求項1に係る発明の「チャンバ」に相当する。 引用発明の「本体部2a側に昇降可能な状態で設けられた下側閉成ブロック10と、蓋部2bの下面側に固定された上側閉成ブロック11とを対向する状態で備え、下側閉成ブロック10を閉成用シリンダ12の駆動により昇降可能とし」たという態様は、請求項1に係る発明の「前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され」た態様に相当するから、引用発明の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」は、「前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する上下のブロック体」という限りで、請求項1に係る発明の「上下のブロック体」と一致する。 引用発明の「上側閉成ブロック11と下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持した状態で通電すると、被包装物投入口Baが閉成した状態で加熱圧着されて封止される」ことは、請求項1に係る発明の「包装袋を加熱溶着する」ことに他ならないから、引用発明の「シール用ヒーター6」は、請求項1に係る発明の「ヒータ」に相当する。 したがって、引用発明の「投入口閉成装置5」及び「シール用ヒーター6」を合わせると、その構成と機能から、「前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する上下のブロック体と、該上下のブロック体の少なくとも一方に前記包装袋を加熱溶着するヒータとを有して、横たえて収容した前記包装袋の開口部周縁を前記上下のブロック体により狭持した状態で前記ヒータにより加熱溶着して密封する加熱封止装置」という限りで、請求項1に係る発明の「加熱封止装置」に一致する。 また、引用発明の「チャンバー2内を減圧して包装袋B内の脱気を行う」ことは、請求項1に係る発明の「前記チャンバ内を脱気して負圧化させる」ことに他ならないから、引用発明の「脱気装置」の「真空ポンプ16」は、請求項1に係る発明の「真空ポンプ」に相当し、引用発明の「包装袋Bの被包装物投入口Baをチャンバー2内の一方の側にて下側閉成ブロック10上に載せ、包装袋Bの被包装物投入口Baと反対側となる閉止底部を、チャンバー2内にて下側閉成ブロック10よりも他方の側に配置して、包装袋Bをチャンバー2内に収容して真空包装する」ことは、請求項1に係る発明の「前記包装袋の開口部周縁を前記チャンバ内の一方の側にて前記下側のブロック体の上側に載せ、前記包装袋の開口部と反対側となる閉止底部を前記チャンバ内にて前記下側のブロック体よりも他方の側に配置して、前記包装袋を前記チャンバ内に収容して真空包装する」ことに相当し、引用発明の「真空包装装置」は、請求項1に係る発明の「真空包装機」に相当する。 引用発明の「チャンバー2の一方の側の上側閉成ブロック11及び下側閉成ブロック10よりも他方に隣接する位置」は、請求項1に係る発明の「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に隣接する位置」に相当し、引用発明の「その自由端部の上面に検出片53を備えた袋当接部51」及び「上昇姿勢における袋当接部51の検出片53を検出可能な膨張検出センサ52」は、それぞれ請求項1に係る発明の「前記包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材」及び「前記検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサ」に相当するから、引用発明の「被包装物投入口Baを閉成した状態で真空ポンプ16の駆動を継続し、チャンバー2内を減圧して被包装物内の液体を沸騰させ続けると、膨張した包装袋Bの上面が袋当接部51に当接し、引き続き真空ポンプ16の駆動を継続して包装袋Bをさらに膨張させると、袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換し、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53が膨張検出センサ52により検出される」ことは、請求項1に係る発明の「前記真空ポンプにより前記チャンバ内を脱気して負圧化させたときに膨張する前記包装袋によって前記検知部材が上動したことを前記位置検出センサにより検出することで、前記包装袋の膨らみを検知するようにしたこと」に相当する。 以上のことから、請求項1に係る発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「被包装物を収納した包装袋を横たえて収容するチャンバと、 前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する上下のブロック体と、該上下のブロック体の少なくとも一方に前記包装袋を加熱溶着するヒータとを有して、横たえて収容した前記包装袋の開口部周縁を前記上下のブロック体により狭持した状態で前記ヒータにより加熱溶着して密封する加熱封止装置と、 前記チャンバ内を脱気して負圧化させる真空ポンプとを備え、 前記包装袋の開口部周縁を前記チャンバ内の一方の側にて前記下側のブロック体の上側に載せ、前記包装袋の開口部と反対側となる閉止底部を前記チャンバ内にて前記下側のブロック体よりも他方の側に配置して、前記包装袋を前記チャンバ内に収容して真空包装する真空包装機であって、 前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に隣接する位置に前記包装袋の上側で上下に移動可能に支持された検知部材と備え、前記検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサを備え、 前記真空ポンプにより前記チャンバ内を脱気して負圧化させたときに膨張する前記包装袋によって前記検知部材が上動したことを前記位置検出センサにより検出することで、前記包装袋の膨らみを検知するようにした真空包装機。」 [相違点1] 「上下のブロック体」について、請求項1に係る発明は「細長い形状をした」ものであるのに対し、引用発明の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」は、細長い形状か否か不明である点。 [相違点2] 「検知部材の上下方向の位置を検出する位置検出センサ」について、請求項1に係る発明は「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に隣接する位置に」「備えて」いるのに対し、引用発明の「膨張検出センサ52」は、「チャンバー2のうち検出片53の上方に位置する箇所」にあって、「チャンバー2」の一方の側の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」よりも他方に隣接する位置にあるとは言えない点。 イ.判断 (ア)[相違点1]について 包装袋の加熱溶着による封止の際、その加熱溶着幅を無意味に増すことは不自然であるから、加熱溶着される包装袋の開口部周縁の寸法との関係で、溶着部分が細長くなる、すなわち、加熱溶着する装置の、包装袋の開口部周縁を挟持・加熱する部分も細長くなるのが自明である。 したがって、引用発明の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」を細長い形状に構成することは、引用発明を具体化する際、当業者が設計上適宜になし得たことである。 (イ)[相違点2]について 引用例1の「さらに、膨張検出手段は、包装減圧工程における包装袋Bの膨張を検出可能であれば、袋当接部を有する構成に限定されない。・・・」(【0053】)という記載を当業者がみれば、結局、「膨張検出手段」は、「包装袋B」の膨張を検出可能に構成されていれば良いものであると理解できる。 そのうえで、「袋当接部51」の上面に備えられた「検出片53」の位置及び「検出片53」を検出可能な「膨張検出センサ」の位置について検討する。 「検出片53」の「袋当接部51」の回動範囲内であれば、「袋当接部51」の姿勢変化は検知可能であり、「包装袋B」の膨張を検出可能である。 しかし、引用例1の「また、袋当接部51の自由端部の上面(蓋部2b側を向いた面)には検出片53を備え、・・・」(【0048】)という記載及び図13によれば、「検出片53」は「袋当接部51」の「上面」に突出した状態で設けられているところ、「袋当接部51」の回動角が同一の場合には、「袋当接部51」の「自由端部」の回動量に比較して、「袋当接部51」の「軸着」部分近辺の回動量は少ないから、「検出片53」を、「袋当接部51」の「自由端部」から移設できたとしても、「袋当接部51」の「軸着」部分近辺まで移設すると、「袋当接部51」の「自由端部」に「検出片53」を備えた場合よりも、「袋当接部51」の回動角が小さい場合でも「膨張検出センサ」が「検出片53」を検知してしまうという阻害要因がある。 そして、当該阻害要因を克服するためには、新たな構成を検討せざるを得ないから、「袋当接部51」の上面に備えられた「検出片53」の位置及び「検出片53」を検出可能な「膨張検出センサ」の位置を「上側閉成ブロック11」と「下側閉成ブロック10」に隣接する位置として、前記相違点に係る請求項1に係る発明のように構成することは、引用発明を具体化する際、当業者が設計上適宜になし得たこととはいえない。 また、上記(1)イ.及びウ.のとおり、引用例2事項及び引用例3事項は、レバープレートが運転を制御するものではあるものの、包装袋の膨らみを検知する構成は不明であるから、引用例2事項または引用例3事項を参考にしても、引用発明において、「袋当接部51」の上面に備えられた「検出片53」の位置及び「検出片53」を検出可能な「膨張検出センサ」の位置を、「上側閉成ブロック11」と「下側閉成ブロック10」に隣接する位置とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 ウ.小括 したがって、請求項1に係る発明は、引用発明、または、引用発明、及び引用例2事項または引用例3事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるとはいえない。 (3)請求項2~8に係る発明について 上記(2)ウ.のとおり、請求項1に係る発明が、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるとはいえない以上、請求項1を引用して記載された請求項2~8に係る発明も、同様に、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるとはいえない。 (4)請求項9に係る発明について ア.対比 請求項9に係る発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「包装袋B」及び「液体が含まれた被包装物」は、それぞれ請求項9に係る発明の「包装袋」及び「被包装物」に相当するから、引用発明の「チャンバー2」は、請求項9に係る発明の「チャンバ」に相当する。 引用発明の「本体部2a側に昇降可能な状態で設けられた下側閉成ブロック10と、蓋部2bの下面側に固定された上側閉成ブロック11とを対向する状態で備え、下側閉成ブロック10を閉成用シリンダ12の駆動により昇降可能とし」たという態様は、請求項9に係る発明の「前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され」た態様に相当するから、引用発明の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」は、「前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する上下のブロック体」という限りで、請求項9に係る発明の「上下のブロック体」と一致する。 引用発明の「上側閉成ブロック11と下側閉成ブロック10との間に包装袋Bを挟持した状態で通電すると、被包装物投入口Baが閉成した状態で加熱圧着されて封止される」ことは、請求項9に係る発明の「包装袋を加熱溶着する」ことに他ならないから、引用発明の「シール用ヒーター6」は、請求項9に係る発明の「ヒータ」に相当する。 したがって、引用発明の「投入口閉成装置5」及び「シール用ヒーター6」を合わせると、その構成と機能から、「前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する上下のブロック体と、該上下のブロック体の少なくとも一方に前記包装袋を加熱溶着するヒータとを有して、横たえて収容した前記包装袋の開口部周縁を前記上下のブロック体により狭持した状態で前記ヒータにより加熱溶着して密封する加熱封止装置」という限りで、請求項9に係る発明の「加熱封止装置」に一致する。 また、引用発明の「チャンバー2内を減圧して包装袋B内の脱気を行う」ことは、請求項9に係る発明の「前記チャンバ内を脱気して負圧化させる」ことに他ならないから、引用発明の「脱気装置」の「真空ポンプ16」は、請求項9に係る発明の「真空ポンプ」に相当し、引用発明の「包装袋Bの被包装物投入口Baをチャンバー2内の一方の側にて下側閉成ブロック10上に載せ、包装袋Bの被包装物投入口Baと反対側となる閉止底部を、チャンバー2内にて下側閉成ブロック10よりも他方の側に配置して、包装袋Bをチャンバー2内に収容して真空包装する」ことは、請求項9に係る発明の「前記包装袋の開口部周縁を前記チャンバ内の一方の側にて前記下側のブロック体の上側に載せ、前記包装袋の開口部と反対側となる閉止底部を前記チャンバ内にて前記下側のブロック体よりも他方の側に配置して、前記包装袋を前記チャンバ内に収容して真空包装する」ことに相当し、引用発明の「真空包装装置」は、請求項9に係る発明の「真空包装機」に相当する。 引用発明の「チャンバー2の一方の側の上側閉成ブロック11及び下側閉成ブロック10よりも他方に隣接する位置」は、請求項9に係る発明の「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方に隣接する位置」に相当するから、引用発明の「チャンバー2の一方の側の上側閉成ブロック11及び下側閉成ブロック10よりも他方に隣接する位置に、その自由端部の上面に検出片53を備えた袋当接部51を備え、チャンバー2のうち検出片53の上方に位置する箇所には、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53を検出可能な膨張検出センサ52を備え、被包装物投入口Baを閉成した状態で真空ポンプ16の駆動を継続し、チャンバー2内を減圧して被包装物内の液体を沸騰させ続けると、膨張した包装袋Bの上面が袋当接部51に当接し、引き続き真空ポンプ16の駆動を継続して包装袋Bをさらに膨張させると、袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換し、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53が膨張検出センサ52により検出される」ことは、「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の位置に、包装袋の膨張を検知するセンサを備えた」ことの限りで、請求項9に係る発明の「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の側にて隣接する位置で前記上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えたこと」と一致する。 以上のことから、請求項9に係る発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「被包装物を収納した包装袋を横たえて収容するチャンバと、 前記チャンバ内の一方の側にて上下の少なくとも一方が上下動可能に支持され、前記包装袋の開口部周縁を上下から狭持する上下のブロック体と、該上下のブロック体の少なくとも一方に前記包装袋を加熱溶着するヒータとを有して、横たえて収容した前記包装袋の開口部周縁を前記上下のブロック体により狭持した状態で前記ヒータにより加熱溶着して密封する加熱封止装置と、 前記チャンバ内を脱気して負圧化させる真空ポンプとを備え、 前記包装袋の開口部周縁を前記チャンバ内の一方の側にて前記下側のブロック体の上側に載せ、前記包装袋の開口部と反対側となる閉止底部を前記チャンバ内にて前記下側のブロック体よりも他方の側に配置して、前記包装袋を前記チャンバ内に収容して真空包装する真空包装機であって、 前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の位置に、包装袋の膨張を検知するセンサを備えた真空包装機。」 [相違点3] 「上下のブロック体」について、請求項9に係る発明は「細長い形状をした」ものであるのに対し、引用発明の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」は、細長い形状か否か不明である点。 [相違点4] 「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の位置に、包装袋の膨張を検知するセンサを備えた」ことについて、請求項9に係る発明は「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の側にて隣接する位置で前記上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した光学式センサを備えた」ものであるのに対し、引用発明は「チャンバー2の一方の側の上側閉成ブロック11及び下側閉成ブロック10よりも他方に隣接する位置に、その自由端部の上面に検出片53を備えた袋当接部51を備え、チャンバー2のうち検出片53の上方に位置する箇所には、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53を検出可能な膨張検出センサ52を備え、被包装物投入口Baを閉成した状態で真空ポンプ16の駆動を継続し、チャンバー2内を減圧して被包装物内の液体を沸騰させ続けると、膨張した包装袋Bの上面が袋当接部51に当接し、引き続き真空ポンプ16の駆動を継続して包装袋Bをさらに膨張させると、袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換し、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53が膨張検出センサ52により検出される」ものである点。 イ.判断 (ア)[相違点3]について 包装袋の加熱溶着による封止の際、その加熱溶着幅を無意味に増すことは不自然であるから、加熱溶着される包装袋の開口部周縁の寸法との関係で、溶着部分が細長くなる、すなわち、加熱溶着する装置の、包装袋の開口部周縁を挟持・加熱する部分も細長くなるのが自明である。 したがって、引用発明の「上側閉成ブロック11」及び「下側閉成ブロック10」を細長い形状に構成することは、引用発明を具体化する際、当業者が設計上適宜になし得たことである。 (イ)[相違点4]について 引用例1の「さらに、膨張検出手段は、包装減圧工程における包装袋Bの膨張を検出可能であれば、袋当接部を有する構成に限定されない。・・・」(【0053】)という記載を当業者がみれば、結局、「膨張検出手段」は、「包装袋B」の膨張を検出可能に構成されていれば良いものであると理解できるが、「袋当接部を有する構成」以外の構成について、具体的な記載はない。 そこで、引用発明における「膨張した包装袋Bの上面が袋当接部51に当接し、引き続き真空ポンプ16の駆動を継続して包装袋Bをさらに膨張させると、袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換し、上昇姿勢における袋当接部51の検出片53が膨張検出センサ52により検出される」態様と同等の機能・作用を奏するための構成を検討すると、引用発明における「袋当接部51」は、「膨張した包装袋Bの上面」が「袋当接部51」の「軸着」部分から「自由端部」までのいずれの部位に当接しても、「袋当接部51が包装袋Bに押し上げられて下降姿勢から上昇姿勢に変換」するものであるから、「袋当接部を有する構成」以外の構成とするとしても、「引用発明」における「袋当接部51」の「軸着」部分から「自由端部」までの範囲内のいずれの部位に「膨張した包装袋Bの上面」があっても検出することが可能でなければならない。 そうすると、異議申立人が特許異議申立書において「・・・発光素子と受光素子とによる光学センサは極めて周知である。・・・」(21ページ10~11行)と主張するとおり、発光素子と受光素子とによる光学センサが周知技術であったとしても、上記相違点4に係る構成のように「前記チャンバの一方の側には前記上下のブロック体よりも他方の側にて隣接する位置で前記上下のブロック体の長手方向の両側に、膨張していない前記包装袋の上側を通過するとともに膨張した前記包装袋に遮られる位置で光を発射する発光部と該発光部の光を受光する受光部とを分けて配置した」だけでは、「引用発明」における「袋当接部51」の「軸着」部分から「自由端部」までの範囲内のいずれの部位に、「膨張した包装袋Bの上面」があっても検出することはできない。 したがって、引用発明及び周知技術に基いて、前記相違点4に係る請求項9に係る発明のように構成することは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 ウ.小括 したがって、請求項9に係る発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるとはいえない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1.異議申立理由1について 異議申立人は、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1~9に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証~甲第12号証のいずれか(特に、甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第8号証、甲第10号証のいずれか)に記載された事項に基づき、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである旨を主張する。 甲第1号証(引用例1)、甲第8号証(引用例2)、甲第9号証、甲第10号証(引用例3)については、上記第4のとおりであるので、甲第2号証~甲第7号証、甲第11号証、甲第12号証について検討する。 (1)甲第2号証について 甲第2号証(「卓上型真空包装機トスパックホットシリーズHVP-382N」のカタログ)には、頒布された日を確認できる記載がないから、特許法第29条第1項第3号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」であるかが不明である。 仮に、甲第2号証が、特許法第29条第1項第3号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」であるとしても、甲第2号証には、真空包装機の具体的な構成、特に、包装袋の膨らみを検知する構成について記載されていない。 したがって、請求項1~9に係る発明は、引用発明及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない (2)甲第3号証について 甲第3号証(「TOSEI ホットパック機に機能追加」、包装タイムス、平成26年11月17日発行)には、「新製品では、吹きこぼれ対策として新たに二つの機能を追加。」等の記載があるが、真空包装機の具体的な構成、特に、包装袋の膨らみを検知する構成について記載されていない。 したがって、請求項1~9に係る発明は、引用発明及び甲第3号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない (4)甲第4号証について 甲第4号証(受領書、平成26年12月11日)には、商品名HPV-382Nを、つるや旅館佐藤守が受領したことを示すだけであって、真空包装機の具体的な構成、特に、包装袋の膨らみを検知する構成について記載されていない。 したがって、請求項1~9に係る発明は、引用発明及び甲第4号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない (5)甲第5号証について 甲第5号証(卓上型真空包装機HPV-382N取扱説明書)には、頒布された日を確認できる記載がないから、特許法第29条第1項第3号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」であるかが不明である。 ここで、甲第4号書には、前記のとおり、商品名HPV-382Nを、つるや旅館佐藤守が受領したことは示されているが、当該受領されたHPV-382Nに、取扱説明書が付されていたとしても、甲第5号証と同一物が付されていたことを示す証拠はないから、甲第4号証をもってしても、甲第5号証が頒布された日は不明である。 (6)甲第6号証、甲第7号証について 甲第6号証及び甲第7号証は、つるや旅館において撮影されたHVP-382Nとのことであるが、甲第6号証及び甲第7号証によって示されたHVP-382Nが、甲第4号証に記載されたとおり、平成26年12月11日に、つるや旅館佐藤守が受領したHVP-382Nそのものであることの証拠はない。 また、甲第6号証の<写真5>には「装置の右側面拡大(製造年の表示あり)」との説明文が記載されているが、当該<写真5>からは、製造年は看取されない。なお、甲第6号証の<写真3>から「製造年度2014年製造」とも読めなくもない文字が看取されるが、判然としない。さらに、甲第7号証については、製造年が記載された箇所は撮影されていないから、製造年は看取されない。 仮に、甲第6号証及び甲第7号証によって示されたHVP-382の製造年が2014年であり、これが正しいものであったとしても、製造年月までは不明である。また、製造年月は明確であったとしても、これが直ちに、特許法第29条第1項第1号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた」こと及び特許法第29条第1項第2号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた」ことを証明するものでもない。 (7)甲第11号証について 甲第11号証は、甲第10号証を撮影したものに過ぎない。 そして、甲第10号証については上記第4の4.(2)ウ.で引用例3事項として認定したとおりである。 (8)甲第12号証について 甲第12号証(「真空包装機ホットテンプLYNX32」を撮影した写真)の<写真5>には「製造年月2013.12」との記載が看取されるが、当該製造年月が正しいものであったとしても、製造年月が直ちに、特許法第29条第1項第1号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた」こと及び特許法第29条第1項第2号に規定された「特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた」ことを証明するものでもない。 なお、<写真4>には「チャンバー内の下側ブロックとセンサー(前方側円柱)」との説明文が記載され、<写真7>には「レバープレート拡大(センサーに対向する磁石取付位置)」との説明文が記載されているが、円柱がセンサーであるにせよ、外見からは、どのような種類・構造のセンサーであるのかは不明であるし、「センサーに対向する磁石取付位置」と主張する部分も、外見からは磁石であるのか否かは不明であるから、包装袋の膨らみを検知する構成の有無は不明である。 また、異議申立人は、甲第12号証によって示された真空包装機ホットテンプLYNX32について、特許異議申立書の21ページ21~23行において「・・・同様に、甲第8号証~甲第12号証によれば、ニチワ電機株式会社の「真空包装機ホットテンプLYNX32」は、本件特許発明の構成(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)(J)(L)(M)を備えている。・・・」と主張されているが、甲第8号証の5ページに掲載されたLYNX32の写真には、甲第12号証の<写真4>の「センサー(前方側円柱)」は存在しないから、甲第8号証によって示されたものと、甲第12号証によって示されたものとを、同一物として扱うことができない。 したがって、異議申立人のかかる主張は、採用することができない。 2.異議申立理由2について 異議申立人は、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1、2、4及び6に係る発明は、甲第2号証~甲第12号証に示す真空包装機は出願前に販売されたことによって公知であるから、特許法第29条第1項第1号及び特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである旨を主張する。 しかし、甲第2号証~甲第12号証については、第4及び第5の1.のとおりであるから、異議申立人のかかる主張は、採用することができない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、当審取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

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2019-700544

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