特許拒絶査定不服審判
2025-002812
洗浄水注出装置
- 審判番号
- 2025-002812
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-005786
- 請求日
- 2025年02月25日
- 審決日
- 2026年03月24日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ホシザキ株式会社
- 【請求人代理人】永井 裕輔
- 審判長/審判官
- 審判長 深草 祐一
- 審判官 田口 裕健
- 審判官 原 賢一
- 分類
- P18 .121-Z (C02F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021- 5786「洗浄水注出装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 7月29日出願公開、特開2022-110397〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年1月18日を出願日とするものであり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和6年 9月 4日付け 拒絶理由通知
同年11月 7日 手続補正書及び意見書の提出
同年11月29日付け 拒絶査定
令和7年 2月25日 審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、令和6年11月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、単に「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
洗浄に用いる洗浄水を注出する洗浄水注出装置であって、
前記洗浄水注出装置は、電解水生成装置により生成された電解水を注出するものであって、有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え、前記操作パネルには前記複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の有効塩素濃度に対応した被洗浄物に関連した図柄を表示したことを特徴とする洗浄水注出装置。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、令和6年11月29日付け拒絶査定に記載された理由2であって、その理由2は、本願発明は、その出願日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
記
引用文献1:特開2005-144335号公報(周知技術を示す文献)
引用文献2:特開2006-223940号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特開2002-210465号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開2003-334553号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2017-018897号公報
第4 当審の判断
当審は、第3に記載の理由によって、本願は拒絶すべきものと判断する。
その理由について、以下、詳述する。
1 各引用文献に記載された事項
下線は当審で付し、「・・・」は、記載の省略を示す。以下、同様。
(1)引用文献5に記載された事項
ア 「【請求項1】
電解用電極対により電解液を電解し次亜塩素酸類を含む電解水を生成する電解部と、希釈用水流路から供給された希釈用水により前記電解部で生成された電解水を希釈する希釈部と、前記希釈部により希釈された電解水が流れる希釈電解水流路と、前記希釈電解水流路を流れた電解水を吐出する第1吐出口とを備え、
前記希釈部及び前記希釈電解水流路は、前記希釈用水流路から前記希釈部へ希釈用水が供給されていないときに前記希釈部又は前記希釈電解水流路の少なくとも一部が希釈用水又は希釈された電解水で塞がれるように設けられたことを特徴とする電解水生成器。」
【請求項2】
前記希釈電解水流路を流れた電解水を吐出する第2吐出口をさらに備え、
前記希釈電解水流路は、電解水の第1又は第2吐出口への流れを切り替える流路切替部を備え、
前記希釈部と前記流路切替部と第1吐出口とを接続する前記希釈電解水流路は、実質的に水平に配置され、
前記流路切替部と第2吐出口とを接続する前記希釈電解水流路は、その最上部が前記希釈部よりも上部に位置するように配置された請求項1に記載の電解水生成器。」
イ 「【0029】
4.希釈部・希釈用水流路
希釈部20は、希釈用水流路15から供給された希釈用水17により電解部5で生成された電解水19を希釈するように設けられる。このことにより、適切な有効塩素濃度を有する電解水18を生成することができ、この電解水18を第1吐出口13又は第2吐出口14から吐出させることができる。
また、電解部5により生成した電解水19を希釈部20で希釈することにより、製造する電解水18の量を多くすることができる。即ち少量の電解液12を原液として、電解部5で高濃度の電解水19を生成したのち、希釈用水17によって所望の濃度の電解水18を得る事ができる。これにより、効率よく電解水18を生成する事ができる。また、電解部5に希釈用水が流入しない構成にすることができ、電解用電極対1にミネラル成分が析出することを抑制することができる。
・・・
【0032】
希釈用水流路15は、希釈部20に供給する希釈用水の量を変えることができるように設けてもよい。例えば、希釈部20に供給する水の量を変化させることができるように、希釈用水流路15に流量調節部23を設けることができる。流量調節部23は、流量計21及び流量調節弁22を備えることができる。このことにより、有効塩素濃度の異なる電解水18を生成することができ、電解水18の用途により電解水の有効塩素濃度を変えることができる。また、洗濯物の汚染度合や、散布する対象、除菌対象の度合いによって、電解水の濃度やpHを変えることが可能になる。
また、通常濃度の電解水18と、高濃度の電解水18とを切り替えることができるように、制御部6により流量調節部23を制御することができる。例えば、通常濃度の電解水18の有効塩素濃度は、15~25ppmとすることができ、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる。高濃度の電解水18の有効塩素濃度は、45~55ppmとすることができ、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる。また、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合は、5~15ppmの低濃度で沢山散布する方が、少量でより高濃度で散布するより洗い流し効果が増強されるとともに有効塩素が残ったまま排水されてしまうような無駄を減らす事ができ、作業性も良いので好ましい。
流量調節弁22は、電動ニードルバルブであることが好ましい。電動ニードルバルブであれば、流量を連続的に変化させる事ができるので最大流量時の最低濃度から連続的に任意のより高い濃度の電解水を生成する事ができる。
なお、電解水18のpHは電解液12の電解部5への供給速度を変える事で変化させる事ができる。供給速度を速くする事でpHを低くする事ができる。」
ウ 「【0043】
電解水生成器50は、操作部11を操作することにより、電解水が第2吐出口14から吐出されるように設けることができる。具体的には、制御部6は操作部11における操作に基づき電解水18を第2吐出口14から吐出させるように電解水生成部及び流路切替部9を制御することができる。このことにより、ユーザーが操作部11を操作することにより、第2吐出口14から電解水18を吐出させることができる。このため、ユーザーは第2吐出口14から吐出された電解水18を汲み出して、雑巾の除菌、便器の洗浄、食器洗い、台所の除菌処理などの除菌用途や消臭用途に使用することができる。
【0044】
具体的には、ユーザーが操作部11を操作し、制御部6へ信号を出力させる。信号を入力した制御部6は、ポンプ8に信号を出力し、ポンプ8はタンク7に貯留した電解液12を電解部5に供給する。また、制御部6は電解用電極対1に電圧を印加し、電解部5により電解液12を電気分解し電解水18を生成する。また、制御部6は、電磁弁45に信号を出力し、電磁弁45は希釈部20に水道水を供給し、希釈部20において電解水18を水道水により希釈する。また、制御部6は、流路切替部9に信号を出力し、流路切替部9は、希釈部20から流れてきた電解水18が第2吐出口14に流れるように流路を切り替える。そして、第2吐出口14から吐出された電解水18を注ぎ口部材24からバケツに注ぐことができる。
このように制御部6が電解水生成部及び流路切替部9を制御すると、ユーザーは、電解水生成器50で製造した電解水18をバケツ41などに注ぐことができ、様々な用途に電解水18を利用することができる。
なお、制御部6は、操作部11からの信号を入力できるように設けられる。操作部11は、操作ボタンであってもよく、タッチパネルであってもよい。また、操作部11は、制御部6と信号線で接続されてもよく、電解水生成器50を遠隔操作するものであってもよい。
【0045】
また、電解水生成器50は、操作部11を操作することにより、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができるように設けることができる。このことにより、洗濯物の汚染度合や、散布する対象、除菌対象の度合いによって、電解水の有効塩素濃度やpHを変える事ができる。電解水の有効塩素濃度やpHを変える方法は、上述と同様である。
操作部11は視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示する事が好ましい。例えばモード、濃度を変更するためのボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン、操作部11で吐出開始と停止できるボタンの4つのボタンを備えることができる。モードは第1吐出口13と第2吐出口14から電解水が吐出するモードを2つずつ備えることができる。第1吐出口13から吐出されるモードは、外部機器からの信号で吐出が制御されるモードと、電解水生成器50の操作部11での操作(ボタン)で吐出が制御されるモードの2つを設けることができる。第2吐出口14から吐出されるモードは、センサーにより非接触で吐出できるモードと、電解水生成器50の操作部11の操作(ボタン)で吐出できるモードの2つを設けることができる。これらのモードは、操作部11で視認できるように配置される。また、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるように操作部11を設けることができる。操作部11の表示はそれぞれの設定の他、原液(電解液)の供給が途切れた事を示し、原液タンクの確認及び交換を促す表示を備える。また操作部11は、電解水を吐出中である事を示す表示を備えることができる。
なお、これまでの説明では、第1吐出口13を洗浄装置等への配管接続し、第2吐出口14を電解水取り出し口とした例を示してきたが、逆にしても構わない。第1吐出口13及び第2吐出口14のうちの一方を水抜き、他方を水が滞留できるように設けることができる。」
エ 「【図1】
[図:0001435906000001.jpg]
」
(2)引用文献1に記載された事項
ア 「【請求項1】
電解槽での水の電気分解で得られる電解水を吐出する電解水生成装置であって、その器体表面には電解槽の動作を指示するための操作パネルが配設されており、該操作パネルは、操作指示される内容に応じてその表示を変更するとともに表示に対応した動作を電解槽に行わせるものであることを特徴とする電解水生成装置。」
イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは使い慣れない人にも容易に目的とする電解水を得ることができるとともに細かい設定も容易に行うことができる電解水生成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る電解水生成装置は、電解槽での水の電気分解で得られる電解水を吐出する電解水生成装置であって、その器体表面には電解槽の動作を指示するための操作パネルが配設されており、該操作パネルは、操作指示される内容に応じてその表示を変更するとともに表示に対応した動作を電解槽に行わせるものであることに特徴を有している。操作パネルにはその時点で操作可能な内容のみが表示されるものである。
・・・
【発明の効果】
【0011】
本発明は、器体表面に配した操作パネルが操作指示される内容に応じてその表示を変更するとともに表示に対応した動作を電解槽に行わせるものであるために、操作パネルには用途別や目的別といった内容で操作を行うことができるものとすることができるものであり、しかもその時点で不必要な内容は表示しない上に指示することもできないようにできるものであって、このために使い馴れない使用者においても、希望する電解水を確実に吐出させることができるものであり、また細かい設定も説明書無しで容易に行うことができる。」
ウ 「【0014】
図1に上記操作パネル2の表示及び操作に関する一例を示す。操作パネル2の全面に背景画像が表示されているとともにこの背景画像上に「水の種類で選ぶ」と「使用目的で選ぶ」と「パーソナルモード切替」と「その他の設定」の各ボタン21が表示されており、これらボタン21のうち、「使用目的で選ぶ」のボタン21に触れたならば、それまでの表示に代えて、「健康管理に使う水」と「料理に使う水」と「美容に使う水」の各ボタン21が表示される。また、この中の「健康管理に使う水」のボタン21に触れたならば、「消化不良・慢性下痢・胃酸過多などに」のコメントの表示とともに、「飲み始めの方に」と「飲みなれてきたら」と「日常的な飲用に」と「薬を飲む」の各ボタン21がそれまでの表示に代えて表示され、ここから「日常的な飲用に」のボタン21に触れたならば、図5に示すように、それまでの表示に代えて吐出する電解水がpH9.5のアルカリイオン水であり且つ日常飲用のためのものであることが表示される。
【0015】
「水の種類で選ぶ」のボタン21に触れた時には、それまでの表示に代えて「アルカリ水」と「酸性水」と「浄水」の各ボタン21が表示され、ここで「アルカリ水」のボタン21に触れたならば、それまでの表示に代えて「飲み始めの方に」と「炊飯やお茶を入れるときに」と「日常的な飲用に」と「煮物やアク抜きに」のボタン21が表示される。なお、これらのボタン21は、アルカリの強度表示と共に表示され、「煮物やアク抜きに」のボタン21には、「のめません」の注記も表示される。そして、ここから「アルカリ水」のボタン21に触れたならば、図5に示す表示に入れ替わる。
・・・
【0017】
図7に示した「かんたんモード」の画面は、アルカリ水と酸性水の主要な用途を夫々示す「飲み始めの方に」と「炊飯やお茶を入れるときに」と「日常的な飲用に」と「煮物やアク抜きに」のボタン21並びに「アストリンゼント」と「洗い物」のボタン21、そして浄水の用途である「薬・ミルク」のボタン21を表示しているとともに、上記「パーソナルモード」に移行するためのボタン26を表示しているもので、この「かんたんモード」で表示されているいずれかのボタン21に触れた時、該当する電解水または浄水の吐出がなされる。」
エ 「【図1】
[図:0001435906000002.jpg]
」
「【図7】
[図:0001435906000003.jpg]
」
(3)引用文献2に記載された事項
ア 「【請求項1】
電解槽に電圧を印加して該電解槽に供給した水から電解イオン水を複数種生成するイオン整水器において、電解イオン水の表示を用途別に分け、該用途別の表示をさらに細分化して表示することを特徴とするイオン整水器。」
イ 「【0002】
本発明に係る電解処理装置として、例えば、特許文献1が開示されている。特許文献1には、設定ボタンが、アルカリ水、酸性水、浄水といった電解の度合い別に分かれており、該設定ボタンを選択することによって、所望の水を得ることができるようになっているアルカリイオン整水器が記載されている。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のイオン整水器においては、取水されるべき電解イオン水の表示は、アルカリ性や酸性といった水の性質、つまり、pH(ペーハー)の度合いを基に分けられているので、適用例は併記されてはいるものの、用途別にまとめられていないため、使用者にとってわかりづらいものであった。
【0005】
本発明の目的は、イオン整水器などの電解処理装置において、電解イオン水の表示を用途別に分け、該用途別の表示をさらに細分化して表示することにより、使用者にわかりやすい表示にすることにある。」
ウ 「【0019】
図1および図2に示すように、健康を連想できる、例えば、「健康」という文字から成る健康表示部91a、料理を連想できる、例えば、「料理」という文字から成る料理表示部91b、美容を連想できる、例えば、「美容」という文字から成る美容表示部91c、洗浄を連想できる、例えば、「洗浄」という文字から成る洗浄表示部91dの4つの用途別表示部が縦一列に配設されており、各表示部には健康選択スイッチ91a’、料理選択スイッチ91b’、美容選択スイッチ91c’、洗浄選択スイッチ91d’の用途別選択スイッチが近接して配設されている。そして、健康表示部91aには細分化表示部があり、細分化表示部には飲み始め表示部92a、慣れてきたら表示部92b、日常飲用表示部92c、薬表示部92dといった健康という用途に合った適用例が横一列に連なって表示されている。同様に、用途別表示部それぞれには細分化表示部があり、細分化表示部にはそれぞれの用途に合った適用例が横一列に連なって表示されている。本実施形態のイオン整水器は、健康選択スイッチ91a’、料理選択スイッチ91b’、美容選択スイッチ91c’、洗浄選択スイッチ91d’の4つの用途別選択スイッチによって使用者は適用例に合った電解イオン水を得ることができる。また、用途別選択スイッチを選択するごとに各選択スイッチに対応した細分化表示部が順に表示されるようになっており、例えば、健康表示部91aにおいては、健康選択スイッチ91a’を選択するごとに飲み始め表示部92a、慣れてきたら表示部92b、日常飲用表示部92c、薬表示部92dが順に表示されるようになっている。また、全ての表示部はLEDランプにより点灯自在となっており、使用者に現在どの適用例に合った水が選択されているかがランプの点灯によってわかるようになっている。なお、用途別の分け方は4つとは限らず、それ以上でもそれ以下でも良い。また、用途別表示部は文字から成るものとは限らず、絵、図、アイコン、シンボルマークなどから成るものでも良く、さらには、大きさ、色、形を異ならせたものや用途別表示部がなしといった用途を何も連想できないものでも他との識別が可能であれば良い。
・・・
【0026】
健康選択スイッチ91a’は、本イオン整水器に「飲み始め」、「慣れてきたら」、「日常飲用」、「薬」といった健康に関する水の生成を指示するためのスイッチである。「飲み始め」は、例えば、ペーハー(pH)値8.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「慣れてきたら」は、例えば、ペーハー(pH)値9.0程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「日常飲用」は、例えば、ペーハー(pH)値9.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「薬」は、実質的に電解されていないきれいで中性の水を生成しようと制御中に表示される表示部である。料理選択スイッチ91b’は、本イオン整水器に「炊飯」、「煮物」、「アク抜き」、「野菜ゆで」、「麺ゆで」、「お茶」、「ミルク」といった料理に関する水の生成を指示するためのスイッチである。「炊飯」、「お茶」は、例えば、ペーハー(pH)値9.0程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「煮物」、「アク抜き」、「野菜ゆで」は、例えば、ペーハー(pH)値10.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「麺ゆで」は、例えば、ペーハー(pH)値5.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「ミルク」は、実質的に電解されていないきれいで中性の水を生成しようと制御中に表示される表示部である。美容選択スイッチ91c’は、本イオン整水器に「洗顔」といった美容に関する水の生成を指示するためのスイッチである。「洗顔」は、例えば、ペーハー(pH)値5.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部である。洗浄選択スイッチ91d’は、「洗い物」、「除菌」、「殺菌」といった洗浄に関する水の生成を指示するためのスイッチである。「洗い物」は、例えば、ペーハー(pH)値3.0程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「除菌」、「殺菌」は、例えば、ペーハー(pH)値2.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部である。上記からわかるように、例えば、pH(ペーハー)値9.0に相当する水を「慣れてきたら」、「お茶」、「炊飯」と複数に適用させても良いし、適用例一つ一つでpH(ペーハー)値を異ならせても良い。なお、上記pH(ペーハー)値は正確な数値にこだわるものではなく、制御の度合いを示しているものである。」
エ 「【図1】
[図:0001435906000004.jpg]
【図2】
[図:0001435906000005.jpg]
」
(4)引用文献3に記載された事項
ア 「【請求項1】 原水をろ過する浄水槽と、ろ過した浄水をアルカリイオン水と酸性イオン水に電気分解する電解槽と、注出する水を前記アルカリイオン水、酸性イオン水または浄水に選択するスイッチおよび設定状態を表示する表示部を有するパネルとを備えたイオン水生成器において、
前記パネルの一部に浄水表示部を設けるとともに他部に酸性表示部を設け、これらの間にアルカリ表示部を設け、該アルカリ表示部を、前記浄水表示部の側から弱、中、強のレベル順で配置したことを特徴とするイオン水生成器。
【請求項2】 前記浄水表示部、アルカリ表示部、酸性表示部に、浄水レベルまたは電解レベルを段階表示するレベル表示部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のイオン水生成器。」
イ 「【0002】
【従来の技術】この種のイオン水生成器は、本体の内部に浄水槽と電解槽とを備え、水道の蛇口に取り付けた切換器のレバーを操作することにより、接続管を介して前記本体内に水道水を給水し、その水を浄水槽でろ過して浄水とし、その浄水を前記電解槽で電気分解して注出するものである。また、このイオン水生成器は、注出するイオン水の電解レベルを「強」、「中」、「弱」に設定可能であるとともに、前記電解槽では電気分解を実行せずに、浄水槽でろ過した浄水を注出可能とする機能も備えている。
【0003】前記イオン水生成器の本体正面には、多数のスイッチおよび表示部を備えたパネルが配設されている。そして、ユーザがパネルのスイッチを操作することによって、アルカリイオン水、酸性イオン水および浄水のうち、いずれの種類の水を注出するか選択できるとともに、表示部で設定状態や、アルカリイオン水の電気分解のレベルを示すレベル表示を含む動作状態を表示するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記イオン水生成器は、パネルにおける注出する水質の順序が酸性イオン水、浄水、アルカリイオン水の順番であり、電気分解するものや飲料可能、飲料不可能なもの等の関連性が理解し難い配置となっている。そのため、ユーザは違和感を感じるうえ、飲料可能なものと不可能なものを錯誤し、飲料不可能な酸性イオン水を誤飲する可能性がある。
【0005】また、動作状態をレベル表示するのはアルカリイオン水の電気分解のレベルのみであり、その他の浄水の浄水レベルや酸性水の電解レベルはレベル表示しないため、これらの設定ではユーザが動作状況を判別できないという問題がある。特に、この種のイオン水生成器は、使っていない時間に応じて注出された水の使用を禁止する時間が設定されている。そして、近年では、使用可能になるとその状況を表示するようにしたイオン水生成器が提供されている。しかし、ユーザは、使っていない非使用時間を記憶していることはないうえ、動作状況が判らないため、使用可能となった状況が表示されるまでの時間を、非常に長く感じさせてしまう。
【0006】そこで、本発明は、パネルの表示をユーザが理解し易くして飲料不可能な酸性イオン水の誤飲を確実に防止するとともに、ユーザが動作状況を理解し易いイオン水生成器を提供することを課題とするものである。」
ウ 「【0014】具体的には、前記操作パネル3には7つのスイッチの操作部4a~4gが配設されている。なお、操作部4aは「浄水」の動作設定、操作部4bは「アルカリ弱」の動作設定、操作部4cは「アルカリ中」の動作設定、操作部4dは「アルカリ強」の動作設定、操作部4eは「酸性」の動作設定、操作部4fは「リセット」の動作設定、操作部4gは「洗浄」の動作設定を行うものである。なお、前記操作部4a~4eは、後述する浄水表示部6、アルカリ弱表示部8a、アルカリ中表示部8b、アルカリ強表示部8c、酸性表示部7と上下に対応するように配置されている。
・・・
【0017】また、操作パネル3には、注出された水を使用しても良い状態であることを示すLEDからなる使用可能状態表示部11が、前記水質表示部5の略中央に設けられている。さらに、前記操作部4a~4eには、その設定に対応する一般的な使用方法を意味する絵図からなる表示が設けられるとともに、その設定を選択していることを表示するLED13a~13eが配設されている。さらに、これら操作部4a~4eの下部には、洗浄時期を示す洗浄表示部14と、後述する浄水カートリッジ19の交換時期を示す交換表示部15と、浄水カートリッジ19の交換時期を予告表示する予告表示部16が設けられている。」
エ 「【図1】
[図:0001435906000006.jpg]
」
(5)引用文献4に記載された事項
ア 「【請求項1】イオン水を生成する電解槽を備えたイオン水生成器であって、このイオン水生成器は、その本体の少なくとも3面を設置面として選択可能とし、かつ、吐水管と操作部とを設置面以外のいずれかの側面に配置してなり、この吐水管は、側面に斜めに配置した突設部とこの突設部に連通されたフレキシブルホースとから構成され、さらに、突設部は、回転自在に設けられていることを特徴とするイオン水生成器。」
イ 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を電気分解したのちの酸性イオンリッチ水及び/又はアルカリイオンリッチ水(以下、「イオン水」と称する)等のイオン水を生成する電解槽を備えたイオン水生成器に関する。」
ウ 「【0023】次に図5には、操作部2の表示を示している。この操作部2は、イオン水のpHの切替やイオン水生成器1の処理情報を表示している。アルカリイオン水、清水(浄水)、酸性水の操作ボタン3がpHの順に配列している。特に、使用者に分かりやすくするために、pHに応じて使用する対象物(用途)を表示している。また、ランプ3aにより何を選択しているか分かるようにしている。なお、図5(A)では、図1乃至4に示すように設置形態を変えた場合においても表示が使用者に分かりやすくなるように斜めに表示している。このように操作部の表示を斜めにしていることで、3側面18、19、20のどの向きにイオン水生成器1を配置しても文字や表示が逆さまとなるようなことがなく、使用者に不快感を与えることがない。また、図5(B)と図5(C)の表示の2シートをシールとして用意しておき、設置向きに合わせていずれかを選択して貼付するようにしてもよい。」
エ 「【図1】
[図:0001435906000007.jpg]
」
「【図5】
[図:0001435906000008.jpg]
」
2 引用文献5に記載された発明及び引用文献1~4に記載された周知技術
(1)引用文献5に記載された発明
引用文献5の上記1(1)ウの【0043】の「電解水生成器50は、操作部11を操作することにより、電解水が第2吐出口14から吐出されるように設けることができる。具体的には、制御部6は操作部11における操作に基づき電解水18を第2吐出口14から吐出させるように電解水生成部及び流路切替部9を制御することができる。このことにより、ユーザーが操作部11を操作することにより、第2吐出口14から電解水18を吐出させることができる。このため、ユーザーは第2吐出口14から吐出された電解水18を汲み出して、雑巾の除菌、便器の洗浄、食器洗い、台所の除菌処理などの除菌用途や消臭用途に使用することができる。」との記載によれば、電解水生成器50に設けられる操作部11が記載され、この操作部11は、ユーザーが操作することにより、(電解水生成器50の)第2吐出口14から電解水18を吐出させることができるものであり、このため、ユーザーは第2吐出口14から吐出された電解水18を汲み出して、雑巾の除菌、便器の洗浄、食器洗い、台所の除菌処理などの除菌用途や消臭用途に使用することができるものである。
また、同ウの【0044】の「具体的には、ユーザーが操作部11を操作し、制御部6へ信号を出力させる。信号を入力した制御部6は、ポンプ8に信号を出力し、ポンプ8はタンク7に貯留した電解液12を電解部5に供給する。また、制御部6は電解用電極対1に電圧を印加し、電解部5により電解液12を電気分解し電解水18を生成する。また、制御部6は、電磁弁45に信号を出力し、電磁弁45は希釈部20に水道水を供給し、希釈部20において電解水18を水道水により希釈する。また、制御部6は、流路切替部9に信号を出力し、流路切替部9は、希釈部20から流れてきた電解水18が第2吐出口14に流れるように流路を切り替える。そして、第2吐出口14から吐出された電解水18を注ぎ口部材24からバケツに注ぐことができる。
・・・
なお、制御部6は、操作部11からの信号を入力できるように設けられる。操作部11は、操作ボタンであってもよく、タッチパネルであってもよい。また、操作部11は、制御部6と信号線で接続されてもよく、電解水生成器50を遠隔操作するものであってもよい。」との記載、及び同ウの【0045】の「また、電解水生成器50は、操作部11を操作することにより、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができるように設けることができる。このことにより、洗濯物の汚染度合や、散布する対象、除菌対象の度合いによって、電解水の有効塩素濃度やpHを変える事ができる。電解水の有効塩素濃度やpHを変える方法は、上述と同様である。
操作部11は視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示する事が好ましい。例えばモード、濃度を変更するためのボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン、操作部11で吐出開始と停止できるボタンの4つのボタンを備えることができる。モードは第1吐出口13と第2吐出口14から電解水が吐出するモードを2つずつ備えることができる。第1吐出口13から吐出されるモードは、外部機器からの信号で吐出が制御されるモードと、電解水生成器50の操作部11での操作(ボタン)で吐出が制御されるモードの2つを設けることができる。第2吐出口14から吐出されるモードは、センサーにより非接触で吐出できるモードと、電解水生成器50の操作部11の操作(ボタン)で吐出できるモードの2つを設けることができる。これらのモードは、操作部11で視認できるように配置される。また、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるように操作部11を設けることができる。操作部11の表示はそれぞれの設定の他、原液(電解液)の供給が途切れた事を示し、原液タンクの確認及び交換を促す表示を備える。また操作部11は、電解水を吐出中である事を示す表示を備えることができる。」との記載によれば、操作部11は、ユーザーが操作し、(電解水生成器50の)制御部6へ信号を出力するものであり、操作ボタンであってもよく、操作することにより、電解水生成器50における、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができ、視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであり、例えばモード、濃度を変更するための操作ボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定する操作ボタン、吐出開始と停止できる操作ボタンの4つの操作ボタンを備えることができ、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものである。
さらに、上記の【0045】の記載から読み取れる「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べる」ことに関し、同イの【0032】の「また、通常濃度の電解水18と、高濃度の電解水18とを切り替えることができるように、制御部6により流量調節部23を制御することができる。例えば、通常濃度の電解水18の有効塩素濃度は、15~25ppmとすることができ、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる。高濃度の電解水18の有効塩素濃度は、45~55ppmとすることができ、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる。また、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合は、5~15ppmの低濃度で沢山散布する方が、少量でより高濃度で散布するより洗い流し効果が増強されるとともに有効塩素が残ったまま排水されてしまうような無駄を減らす事ができ、作業性も良いので好ましい。」との記載によれば、選べる電解水18の有効塩素濃度は、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる15~25ppm、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる、高濃度の45~55ppm、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合の、低濃度の5~15ppmである。
以上をまとめると、引用文献5には、操作部に関する以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「電解水生成器に設けられる操作部であって、
この操作部は、ユーザーが操作することにより、電解水生成器の第2吐出口から電解水を吐出させることができるものであり、このため、ユーザーは第2吐出口から吐出された電解水を汲み出して、雑巾の除菌、便器の洗浄、食器洗い、台所の除菌処理などの除菌用途や消臭用途に使用することができるものであり、
上記操作部は、ユーザーが操作し、電解水生成器の制御部へ信号を出力するものであり、操作ボタンであってもよく、操作することにより、電解水生成器における、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができ、視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであり、例えばモード、濃度を変更するための操作ボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定する操作ボタン、吐出開始と停止できる操作ボタンの4つのボタンを備えることができ、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであり、
選べる電解水の有効塩素濃度は、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる15~25ppm、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる、高濃度の45~55ppm、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合の、低濃度の5~15ppmである、操作部。」
(2)引用文献1~4に記載された事項から認定できる周知技術
ア 引用文献1には、電解槽での水の電気分解で得られる電解水を吐出する電解水生成装置であって、その器体表面には電解槽の動作を指示するための操作パネルが配設され(上記1(2)アの【請求項1】)、この操作パネルには、「アルカリ水」のボタン21に触れたならば、アルカリの強度表示と共に、「飲み始めの方に」と「炊飯やお茶を入れるときに」と「日常的な飲用に」と「煮物やアク抜きに」のボタン21が表示され(同ウの【0015】)、そのボタン21には、アルカリの強度表示の強度に対応して、アルカリ水の主要な用途(同ウの【0017】)に対応した図柄が表示されている(【図1】、【図7】)電解水生成装置が記載されている。
イ 引用文献2には、電解槽に電圧を印加して該電解槽に供給した水から電解イオン水を複数種生成するイオン整水器において、電解イオン水の表示を用途別に分け、該用途別の表示をさらに細分化して表示し(上記1(3)アの【請求項1】)、例えば、洗浄選択スイッチ91d’は、「洗い物」、「除菌」、「殺菌」といった洗浄に関する水の生成を指示するためのスイッチであり、「洗い物」は、ペーハー(pH)値3.0程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり、「除菌」、「殺菌」は、ペーハー(pH)値2.5程度に相当する水を生成しようと制御中に表示される表示部であり(同【0026】)、用途別表示部は文字から成るものとは限らず、絵、図、アイコン、シンボルマークなどから成るものでも良い(同【0019】)、イオン整水器が記載されている。
ウ 引用文献3には、原水をろ過する浄水槽と、ろ過した浄水をアルカリイオン水と酸性イオン水に電気分解する電解槽と、注出する水を前記アルカリイオン水、酸性イオン水または浄水に選択するスイッチおよび設定状態を表示する表示部を有するパネルとを備えたイオン水生成器において(上記1(4)アの【請求項1】)、パネルには、「浄水」の動作設定を行う操作部4a、「アルカリ弱」の動作設定を行う操作部4b、「アルカリ中」の動作設定を行う操作部4c、「アルカリ強」の動作設定を行う操作部4d、「酸性」の動作設定を行う操作部4eが配設され(同ウの【0014】)、前記操作部4a~4eには、その設定に対応する一般的な使用方法を意味する絵図からなる表示が設けられる(同ウの【0017】、同エの【図1】)、イオン水生成器が記載されている。
エ 引用文献4には、水を電気分解したのちの酸性イオンリッチ水及び/又はアルカリイオンリッチ水等のイオン水を生成する電解槽を備えたイオン水生成器であって(上記1(5)イの【0001】)、このイオン水生成器は、その本体の少なくとも3面を設置面として選択可能とし、かつ、吐水管と操作部とを設置面以外のいずれかの側面に配置してなり(同アの【請求項1】)、この操作部は、アルカリイオン水、清水(浄水)、酸性水の操作ボタンがpHの順に配列し、使用者に分かりやすくするために、pHに応じて使用する対象物(用途)を図柄として表示している(同ウの【0023】、同エの【図5】)ものである、イオン水生成器が記載されている。
オ 上記ア~エによれば、引用文献1に記載される電解水生成装置からは、異なるアルカリ強度の電解水を選択するボタンに、それぞれのアルカリ強度の電解水の用途である「飲み始めの方に」、「炊飯やお茶を入れるときに」、「日常的な飲用に」、「煮物やアク抜きに」といった表示をすると共に、その用途に対応した図柄を表示していることが理解でき、引用文献2に記載されるイオン整水器からは、異なるペーハー(pH)の電解イオン水を選択するスイッチに、それぞれのペーハー(pH)の電解イオン水の用途である例えば「洗い物」、「除菌」、「殺菌」に対応する絵、図、アイコン、シンボルマークなどを表示していることが理解でき、引用文献3に記載されるイオン水生成器からは、異なるpH(「アルカリ弱」~「アルカリ強」、「酸性」等)のイオン水を選択する操作部に、それぞれのpHのイオン水の使用方法を意味する絵図を表示していることが理解でき、引用文献4に記載されるイオン水生成器からは、異なるpHのイオン水を選択する操作ボタンに、それぞれのpHのイオン水の使用する対象物(用途)を図柄として表示していることが理解できる。
そして、引用文献1に記載される「電解水生成装置」、引用文献2に記載される「イオン整水器」、引用文献3、4に記載される「イオン水生成器」は、「電解水生成装置」として共通するものであり、引用文献1に記載される電解水生成装置で、「異なるアルカリ強度の電解水を選択するボタンに、それぞれのアルカリ強度の電解水の用途である「飲み始めの方に」、「炊飯やお茶を入れるときに」、「日常的な飲用に」、「煮物やアク抜きに」といった表示をすると共に、その用途に対応した図柄を表示していること」、引用文献2に記載されるイオン整水器で「異なるペーハー(pH)の電解イオン水を選択するスイッチに、それぞれのペーハー(pH)の電解イオン水の用途である例えば「洗い物」、「除菌」、「殺菌」に対応する絵、図、アイコン、シンボルマークなどを表示している」こと、引用文献3に記載されるイオン水生成器で、「異なるpH(「アルカリ弱」~「アルカリ強」、「酸性」等)のイオン水を選択する操作部に、それぞれのpHのイオン水の使用方法を意味する絵図を表示していること」、引用文献4に記載されるイオン水生成器で、「異なるpHのイオン水を選択する操作ボタンに、それぞれのpHのイオン水の使用する対象物(用途)を図柄として表示していること」は、「異なる濃度の電解水を選択する操作ボタンに、それぞれの濃度の電解水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示すること」で共通しているといえる。
そうすると、引用文献1~4の記載から以下の周知技術が認定できるといえる。
「電解水生成装置において、異なる濃度の電解水を選択する操作ボタンに、それぞれの濃度の電解水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示すること」
3 対比・判断
(1)本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「電解水生成器」は、本願発明の「電解水生成装置」に相当する。
そして、本願発明において、「洗浄に用いる洗浄水」とは、「電解水生成装置により生成された電解水」であるところ、本願発明における「洗浄」は、本願明細書の【0007】の「この種の電解水注出装置が用いられる電解水生成装置は、例えば有効塩素濃度が異なる(性質の異なる)電解水(洗浄水)を生成可能としたものもあり、有効塩素濃度の異なる電解水を注出することにより、電解水を洗浄水として用いた洗浄、殺菌等の種々のニーズに対応することができる。また、上述した特許文献1に記載した電解水注出装置のような操作パネルに配設された複数の注出スイッチ(操作スイッチ)を操作することで、有効塩素濃度の異なる電解水を注出させるようにすることができる。この場合に、各注出スイッチに注出される電解水に含まれる有効塩素濃度を表示することで、所望の有効塩素濃度の電解水を選択して注出させることができるが、多くのユーザは有効塩素濃度に応じた電解水の用途を把握しているわけでない。このため、例えば、食材の殺菌に過剰な有効塩素濃度の電解水を注出させたり、テーブル等の拭き掃除に充分な有効塩素濃度に満たない電解水を注出させたりするおそれがあった。本発明は、性質の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを備えた洗浄水注出装置で、操作ボタンの操作によって選択または注出される洗浄水の性質を直感的に理解しやすくすることを目的とする。」との記載によれば、「殺菌」の態様が含まれるものであるといえる。
他方、引用発明において「電解水」を用いる「雑巾の除菌、便器の洗浄、食器洗い、台所の除菌処理などの除菌用途」からは、「電解水」を、「除菌」(殺菌)に用いると共に、「洗浄」に用いることも理解できるから、引用発明における「電解水生成器の第2吐出口から」「吐出させ」た「電解水」は、本願発明の「電解水生成装置により生成された電解水」であって、「洗浄に用いる洗浄水」に相当する。
また、本願発明の「洗浄水を注出する洗浄水注出装置」は、同【0014】の「洗浄水注出装置10は、ケーシング11と、ケーシング11の前面に設けた操作パネル12と、ケーシング11の下部に設けられた非接触式の注出センサ13と、ケーシング11の下部から導出された洗浄水の注出管14とを備えている。操作パネル12には、有効塩素濃度の異なる電解水を選択または注出するための3つ(複数)の操作ボタン(第1~第3操作ボタン12a~12c)と、6つの表示ランプ(第1~第6表示ランプ12d~12i)が設けられている。」との記載、及び同【0015】の「第1~第3操作ボタン12a~12cによって電解水の有効塩素濃度が選択された状態で注出センサ13により操作信号が電解水生成装置20に出力されると、選択された有効塩素濃度の電解水が電解水生成装置20で生成され、選択された有効塩素濃度の電解水が注出管14から注出される。また、第1~第3操作ボタン12a~12cの一つを長押し操作する(2秒以上押し続ける)と、長押し操作された第1~第3操作ボタン12a~12cに対応した有効塩素濃度の電解水を生成するための操作信号が電解水生成装置20に出力される。」との記載によれば、電解水生成装置に対して操作信号を出力し、電解水生成装置において、電解水を生成させ、電解水を注出管から注出させる態様が含まれるものであるといえる。
他方、引用発明の「操作部」も、「ユーザーが操作することにより、電解水生成器の第2吐出口から電解水を吐出させることができるものであり、」「電解水生成器の制御部へ信号を出力するものであり、」「電解水生成器における、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができ」るものであり、本願発明の「洗浄水を注出する洗浄水注出装置」と同じ機能を有するものであるといえる。
そうすると、引用発明の「ユーザーが操作することにより、電解水生成器の第2吐出口から電解水を吐出させることができるものであり、」「電解水生成器の制御部へ信号を出力するものであり、」「電解水生成器における、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができ」る「操作部」は、本願発明の「洗浄に用いる洗浄水を注出する洗浄水注出装置であって、前記洗浄水注出装置は、電解水生成装置により生成された電解水を注出するもの」に相当する。
イ (ア)引用発明の「操作部」は、「ユーザーが操作し、」「操作ボタン」があり、「視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであ」ることから、本願発明の「操作パネル」に相当する構成を有するものであるといえる。
そして、引用発明において「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選」ぶことができることは、本願発明における「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択」することに相当するところ、引用発明において、「例えばモード、濃度を変更するための操作ボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定する操作ボタン、吐出開始と停止できる操作ボタンの4つの操作ボタンを備える」ことのうち、少なくとも、「濃度を変更するための操作ボタン」、「変更後の」「濃度の設定を決定する操作ボタン」は、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選」ぶためのものであるといえるから、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選」ぶためのものとして、複数の操作ボタンがあることになる。
そうすると、引用発明の「操作部」において、「ユーザーが操作し、」「操作ボタン」があり、「視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであ」り、「例えばモード、濃度を変更するための操作ボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定する操作ボタン、吐出開始と停止できる操作ボタンの4つの操作ボタンを備えることができ、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであ」ることは、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択(または注出)するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え」ることに相当する。
(イ)また、引用発明の「操作部」において、「視認性と操作性が良いように」した上で、「濃度を変更するための操作ボタン」、「変更後の」「濃度の設定を決定する操作ボタン」を備えるとの記載を踏まえて、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べる」との記載を見れば、当業者であれば、この少なくとも2種類の濃度を選択できる、少なくとも2種類の濃度それぞれに対応した操作ボタンがある場合も対応の一つとして十分認識することができるといえる。
そして、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出する「ため」の複数の操作ボタン」との特定における「・・・ため」では、有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出することに関係するボタンでありさえすれば、「・・・ため」に該当するといえるから、上述の少なくとも2種類の濃度それぞれに対応した操作ボタンは、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」に合致するといえる。
そうすると、この点からも、引用発明の「操作部」において、「ユーザーが操作し、」「操作ボタン」があり、「視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであ」り、「例えばモード、濃度を変更するための操作ボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定する操作ボタン、吐出開始と停止できる操作ボタンの4つの操作ボタンを備えることができ、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであ」ることは、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え」ることに相当する。
ウ 上記イで述べたように、引用発明の「操作部」は、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え」ることに相当する構成を有するものである。
そして、引用発明の「操作部」は、「視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであ」るところ、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであり、選べる電解水の有効塩素濃度は、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる15~25ppm、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる、高濃度の45~55ppm、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合の、低濃度の5~15ppmである」。ここで、適切な、次亜塩素酸類の濃度の電解水を選ぶのに、所定の次亜塩素酸類の濃度の電解水の選択手段である操作ボタン等に、対応する濃度に関する情報が表示されていなければ、適切な濃度の電解水を選択することができないのであるから、引用発明の「操作ボタン」には、少なくともそれにより選択される「次亜塩素酸類の濃度」に関連する情報が表示されているといえる。
そうすると、引用発明の「操作部」において、「操作ボタン」があり、「視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであ」り、「例えばモード、濃度を変更するための操作ボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定する操作ボタン、吐出開始と停止できる操作ボタンの4つの操作ボタンを備えることができ、電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであり、選べる電解水の有効塩素濃度は、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる15~25ppm、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる、高濃度の45~55ppm、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合の、低濃度の5~15ppmである」ることは、本願発明の「前記操作パネルには前記複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の有効塩素濃度に対応した被洗浄物に関連した図柄を表示したこと」と、「前記操作パネルには前記複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の有効塩素濃度に対応した情報を表示したこと」で共通している。
エ 上記ア~ウを踏まえると、本願発明と引用発明は、「洗浄に用いる洗浄水を注出する洗浄水注出装置であって、
前記洗浄水注出装置は、電解水生成装置により生成された電解水を注出するものであって、有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え、前記操作パネルには前記複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の有効塩素濃度に対応した情報を表示した洗浄水注出装置。」の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。
<相違点1>
表示された洗浄水の有効塩素濃度に対応した情報が、本願発明では、被洗浄物に関連した図柄であるのに対し、引用発明では、アイコンで表示するものではあるものの、被洗浄物に関連した図柄であるのかは明らかでない点。
(2)相違点に対する判断
ア まず、引用発明は、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであり、選べる電解水の有効塩素濃度は、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる15~25ppm、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる、高濃度の45~55ppm、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合の、低濃度の5~15ppmである」ものである。
そして、引用発明における電解水の有効塩素濃度が、15~25ppmである際の除菌の対象の「手」、「様々な(もの)」、高濃度の45~55ppmである際の除菌の対象となる「モップや雑巾」、「感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等」、低濃度の5~15ppmである際の除菌の対象となる「トイレや、作業場など床面等」は、本願発明の「洗浄水の有効塩素濃度に対応した被洗浄物」に相当するものである。
ここで、引用発明の操作部で、ユーザーが、電解水の次亜塩素酸類の少なくとも2種類の濃度を選ぶ場合を考えてみると、ここでの電解水は、洗浄に用いるものであるから、洗浄しようとする被洗浄物を念頭におきながら、それに対応する所定の次亜塩素酸類の濃度の電解水を選択することになるといえる。
この際に、洗浄しようとする被洗浄物と、それに対応する次亜塩素酸類の濃度の対応が分かり易ければ、ユーザーにとり利便性が高いのであるから、引用発明には、操作部において、洗浄しようとする被洗浄物と、それに対応する次亜塩素酸類の濃度の対応をより分かり易くすることに関する動機付けが存在するといえる。
そして、上記2(2)オで述べたように、「電解水生成装置において、異なる濃度の電解水を選択する操作ボタンに、それぞれの濃度の電解水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示すること」は、周知技術である。
そして、上記周知技術の「電解水」の「濃度」、「電解水を使用する対象物(用途)」は、引用発明の「次亜塩素酸類の濃度」(有効塩素濃度)、「手、モップや雑巾、トイレや、作業場など床面等」(被洗浄物)にそれぞれ対応するものであるから、引用発明に、上記周知技術を適用し、洗浄しようとする被洗浄物と、それに対応する次亜塩素酸類の濃度の対応をより分かり易くするように、異なる次亜塩素酸の濃度(有効塩素濃度)を選択する操作ボタンに、次亜塩素酸の濃度(有効塩素濃度)に対応した被洗浄物に関連した図柄を表示することは、当業者ならば容易に想到し得るといえる。
そうすると、上記相違点1に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得るものであるといえる。
なお、上記(1)の本願発明と引用発明の対比では、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え」との構成は、引用発明に記載されているものとしたが、仮に、この点が引用発明に記載されたものではないとしても、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べるものであり、選べる電解水の有効塩素濃度は、手洗除菌や様々な除菌処理に用いる事ができる15~25ppm、例えばモップや雑巾のうち通常の洗濯や通常濃度の電解水では除菌し切れなかったり、多量の菌が付着したと思われる場合、感染者の吐しゃ物等の病原菌が多量に含まれると思われる汚物等を処理する場合等に用いる事ができる、高濃度の45~55ppm、トイレや、作業場など床面等へ洗い流しをしながら大量に散布する場合の、低濃度の5~15ppmである」引用発明に、「電解水生成装置において、異なる濃度の電解水を選択する操作ボタンに、それぞれの濃度の電解水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示すること」である上述の周知技術を適用し、引用発明において、有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水毎に、その洗浄水を選択できる操作ボタンを設けると共に、操作ボタンに、その洗浄水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示することは、当業者であれば容易に想到し得ることであるといえる。
イ 本願発明の効果について
本願明細書の【0007】に記載される「電解水注出装置のような操作パネルに配設された複数の注出スイッチ(操作スイッチ)を操作することで、有効塩素濃度の異なる電解水を注出させるようにすることができる。この場合に、各注出スイッチに注出される電解水に含まれる有効塩素濃度を表示することで、所望の有効塩素濃度の電解水を選択して注出させることができるが、多くのユーザは有効塩素濃度に応じた電解水の用途を把握しているわけでない。このため、例えば、食材の殺菌に過剰な有効塩素濃度の電解水を注出させたり、テーブル等の拭き掃除に充分な有効塩素濃度に満たない電解水を注出させたりするおそれがあった。」という課題に対し、同【0008】に記載されるように、「洗浄水注出装置は性質の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタンを操作パネルに備え、操作パネルには複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の性質に対応した図柄を表示」することにより、同【0009】に記載されるように、「ユーザは求められる洗浄水の性質に対応した操作ボタンを図柄から直感的に選んで操作することができ、所望の性質の洗浄水を注出させることができるように」なったことが本願発明の効果であるといえる。
これに対し、まず、引用発明において、「上記操作部は・・・操作ボタンであってもよく、操作することにより、電解水生成器における、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができ、視認性と操作性が良いように、アイコンと文字の両方で表示するものであ」るものであることからすれば、操作部には操作ボタンがあり、操作ボタンにはアイコンと文字の両方が表示され、視認性と操作性が良いものとなっているといえる。
ここで、この「アイコン」とは、本願発明の「図柄」に相当するものといえるし、「視認性と操作性が良い」とは、まさに、本願発明の効果における「操作ボタンを図柄から直感的に選んで操作することができ」ることに対応するといえる。
また、上記2(2)オで述べたように、「電解水生成装置において、異なる濃度の電解水を選択する操作ボタンに、それぞれの濃度の電解水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示すること」は、周知技術であるところ、この認定の基礎となった、例えば、引用文献4の上記1(5)ウの【0023】には、「特に、使用者に分かりやすくするために、pHに応じて使用する対象物(用途)を表示している。」と記載され、この記載に対応する、対象物(用途)として図柄が記載されている、同エの【図5】も参照すれば、pHに応じて使用する対象物(用途)の図柄を表示することにより、使用者に分かりやすくなることが理解できる。そして、この「使用者に分かりやすく」とは、本願発明の効果における「操作ボタンを図柄から直感的に選んで操作することができ」ることに対応するといえる。
そうすると、選択すべき操作ボタンに、その対象物(用途)等の図柄を表示することにより、「操作ボタンを図柄から直感的に選んで操作することができ」ることは、よく知られた効果であるといえるから、本願発明に、「ユーザは求められる洗浄水の性質に対応した操作ボタンを図柄から直感的に選んで操作することができ、所望の性質の洗浄水を注出させることができるように」なるという効果があるとしても、その効果は、引用発明に上述の周知技術を適用したものから、当然予測できる効果に過ぎず、格別なものとはいえない。
(3)小括
以上のとおり、上記相違点1に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得るものであるから、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものである。
4 審判請求書における審判請求人の主張に対する当審の判断
(1)上記審判請求書における審判請求人の主張の概要
ア 引用文献5の【0045】に、「操作部11を操作することにより、電解水の有効塩素濃度やpHを変えることができる」と記載されていても、「第2吐出口14から吐出される電解水の有効塩素濃度を選択できる」とは記載されていない。同【0045】の記載で、「例えばモード、濃度を変更するためのボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン、操作部11で吐出開始と停止できるボタンの4つのボタンを備えることができる。」と記載されていることから、「濃度を変更するためのボタン」を操作してから「変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン」を操作すると考えられ、操作部11のボタンが本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」に相当するとすることはできない。
イ 引用文献1~4にはアイコン表示が記載されていても、有効塩素濃度に対応した被洗浄物に関連した図柄が記載されているわけではなく、上述した引用文献5の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」に相当する構成について記載されていない操作部11に、有効塩素濃度に対応した被洗浄物に関連した図柄が記載されているわけでない引用文献1~4のアイコン表示を記載しても、本願発明のように操作パネルには複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の有効塩素濃度に対応した被洗浄物に関連した図柄を表示することにはならない。
(2)上記(1)の主張に対する当審の判断
ア 上記(1)アの主張について
上記(1)アで、「濃度を変更するためのボタン」を操作してから「変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン」を操作することは、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」を操作することではない、としていることから、審判請求人は、本願発明の「複数の操作ボタン」は、有効塩素濃度の異なるものとして、選択すれば注出までまでが行われるものを意図しているともいえる。
しかしながら、本願発明は、あくまで、「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」と特定され、仮に、「例えばモード、濃度を変更するためのボタンの他、変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン、操作部11で吐出開始と停止できるボタンの4つのボタンを備えることができる。」との記載が、「濃度を変更するためのボタン」を操作してから「変更後のモードや濃度の設定を決定するボタン」を操作するとしても、この場合は、どちらのボタンも、上記3(1)イ(ア)で述べたように、「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択するための操作ボタン」といえるものであり、しかも複数あることになるから、本願発明の特定に合致するものである。
そうすると、審判請求人の主張は、本願発明の特定に対応するものではない。
また、同(イ)で述べたように、引用発明の「操作部」において、「視認性と操作性が良いように」した上で、「濃度を変更するための操作ボタン」、「変更後の」「濃度の設定を決定する操作ボタン」を備えるとの記載を踏まえて、「電解水の次亜塩素酸類の濃度は少なくとも2種類の濃度を選べる」との記載を見れば、当業者であれば、この少なくとも2種類の濃度を選択できる、少なくとも2種類の濃度それぞれに対応した操作ボタンがある場合も対応の一つとして十分認識することができるといえる。
そして、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出する「ため」の複数の操作ボタン」との特定における「・・・ため」では、有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出することに関係するボタンでありさえすれば、「・・・ため」に該当するといえるから、上述の少なくとも2種類の濃度それぞれに対応した操作ボタンは、本願発明の「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」に合致するといえる。
イ 上記(1)イの主張について
まず、引用発明に「有効塩素濃度の異なる複数種の洗浄水を選択または注出するための複数の操作ボタン」があることを認定できることは、上記3(1)イで述べたとおりである。
そして、引用文献1~4の記載からは、上記2(2)オで述べた「電解水生成装置において、異なる濃度の電解水を選択する操作ボタンに、それぞれの濃度の電解水を使用する対象物(用途)に関連した図柄を表示すること」という周知技術が認定でき、この周知技術の「電解水」の「濃度」、「対象物(用途)」は、引用発明の「次亜塩素酸の濃度」(有効塩素濃度)、被洗浄物に対応することが理解できるから、引用発明に上記周知技術を適用すれば、複数の操作ボタンに対応する位置に各操作ボタンによって選択または注出される洗浄水の有効塩素濃度に対応した被洗浄物に関連した図柄を表示する構成を導き出すことができることは、当業者であれば容易に理解することができるといえる。
ウ 上記ア及びイによれば、審判請求書における審判請求人の主張は、いずれも採用することができない。
第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明及び引用文献1~4に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-002812