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特許異議申立

2022-700006

無菌状態でのパウチ充填方法

審判番号
2022-700006
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-534467
登録番号
6900379
請求日
2022年01月06日
審決日
2022年04月27日
公報発行日
2022年05月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】ショール・アイピーエヌ・コーポレイション
  • 【権利者代理人】村山 靖彦
  • 【権利者代理人】実広 信哉
  • 【権利者代理人】阿部 達彦
  • 【権利者代理人】黒田 晋平
  • 【権利者代理人】源田 正宏
  • 【異議申立人】佐藤 綾子
審判長/審判官
  • 審判長 藤原 直欣
  • 審判官 塩治 雅也
  • 審判官 井上 茂夫
分類
P1651.16 -Y (B65B) / P1651.121-Y (B65B) / P1651.537-Y (B65B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項、特許法第29条の2、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6900379号発明「無菌状態でのパウチ充填方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6900379号の請求項1ないし18に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6900379号の請求項1~18に係る特許についての出願は、平成28年9月19日(優先権主張外国庁受理 平成27年9月21日 米国(US))を国際出願日とする出願であって、令和3年6月18日にその特許権の設定登録がされ、令和3年7月7日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和4年1月6日に特許異議申立人佐藤綾子(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第6900379号の請求項1~18の特許に係る発明(以下、「本件発明」、各発明を「本件発明1」等という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~18に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 無菌状態のパウチの充填方法であって: - パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合された複数のパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程と、 - 洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、 - 前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程と、 - 前記パウチを前記第一端から前記第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程と、 - 前記第一端と前記第二端の間で、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程と、 - 前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、前記無菌ゾーン内で陽圧気流の滅菌済みガス源を有する、前記誘導する工程と、 - 前記プラグの取り外し工程と、 - 前記パウチに流動素材を充填する工程と、 - 前記空洞を密封するために、前記プラグを前記スパウトに再装着する工程と、 - 前記スパウトと前記プラグを前記無菌ゾーンから取り出す工程と、 - 前記プラグをキャップに、前記キャップを前記スパウトに結合する工程であって、前記キャップを外すと、前記プラグも取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程と、を有し、 前記充填方法はさらに、 - 前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有するロータリ充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされている、工程と、 - 前記プラグの取り外し工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで回転させる工程と、 - 前記充填する工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで回転させる工程と、を有する充填方法。 【請求項2】 請求項1に記載の充填方法において、前記充填方法はさらに、 - 前記プラグを再装着する工程後、前記取り出す工程の前に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを回転させる工程を有する充填方法。 【請求項3】 請求項1に記載の充填方法において、前記プラグの取り外し工程はさらに、結果として前記プラグが前記ロータリ充填機上の前記パウチと共に回転するように前記プラグを前記パウチ付近に配置する工程を有する充填方法。 【請求項4】 請求項3に記載の充填方法において、前記プラグの取り外し工程はさらに、前記スパウトから前記プラグを引き抜く工程を有し、前記プラグは、密封シールを形成する締りばめで前記スパウトに結合される充填方法。 【請求項5】 請求項1に記載の充填方法において、前記ロータリ充填機内の前記パウチを回転させる工程はさらに、前記スパウトの保持により前記パウチを回転させる工程を有する充填方法。 【請求項6】 請求項1に記載の充填方法において、前記結合する工程はさらに、 - キャップ取付ヘッドを有するロータリキャップ取付機上で前記パウチを受け取る工程と、 - 前記結合する工程前に、前記パウチを前記キャップ取付ヘッドまで回転させる工程と、 - 前記結合する工程後に、前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる工程と、 - 前記パウチを前記ロータリキャップ取付機から排出する工程と、を有する充填方法。 【請求項7】 請求項6に記載の充填方法において、前記結合する工程はさらに、前記キャップを前記スパウトに回転可能に結合する工程と、前記プラグを前記キャップに固定係合させる工程と、を有する充填方法。 【請求項8】 請求項1に記載の充填方法において、前記パウチ供給工程はさらに、前記空洞の事前滅菌工程を有する充填方法。 【請求項9】 請求項8に記載の充填方法において、前記空洞の事前滅菌工程はさらに、ガンマ線、X線および電子ビーム照射のうち、少なくとも一つによる前記空洞の事前滅菌工程を有する充填方法。 【請求項10】 複数の無菌状態のパウチの充填方法であって、 - 複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合された複数のパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程と、 - 洗浄剤で前記複数のパウチの外面を洗浄する工程と、 - 前記複数のパウチの各々の前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ順次誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、陽圧気流の滅菌済みガスの供給源を有する、前記順次誘導する工程と、 - 前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、 - 前記複数のパウチを、前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、 - 前記プラグ取り外しステーション内で、ほぼ同時に前記プラグを取り外す工程と、 - 前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、 - 前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程と、 - 前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程と、 - 前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトにほぼ同時に前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程と、 - 前記複数のパウチを前記無菌ゾーンから取り出す工程と、 - 前記複数のパウチを、ロータリキャップ取付機内へ回転可能に誘導する第四工程であって、前記ロータリキャップ取付機は、複数のキャップ取付ヘッドを有する工程と、 - 前記ロータリキャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程であって、前記キャップを外すと前記プラグも同時に取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程と、を有する方法。 【請求項11】 請求項10に記載の方法において、前記複数のプラグ取り外しステーション、前記複数の充填ステーション、前記複数のプラグ再装着ステーションは、同一数を有する方法。 【請求項12】 請求項11に記載の方法において、前記同一数として四つを有する方法。 【請求項13】 請求項12に記載の方法において、前記複数のキャップ取付ヘッドは四つのキャップ取付ヘッドを有する方法。 【請求項14】 請求項10に記載の方法において、前記プラグを取り外す工程はさらに、 - 前記プラグを取り外した前記複数のパウチの各々に隣接して、前記複数のプラグの各々を配置する工程を有する方法。 【請求項15】 請求項14に記載の方法において、前記回転可能に誘導する第二工程と前記回転可能に誘導する第三工程はさらに、前記複数のパウチの各々の前記プラグを回転可能に誘導する第一工程と第二工程を有する方法。 【請求項16】 請求項10に記載の方法において、前記プラグを結合する工程がさらに、前記複数のパウチかの各々から取り外された前記プラグを、前記各々のプラグが取り外された元の前記パウチに結合する工程を含む方法。 【請求項17】 請求項10に記載の方法において、前記パウチの本体が、前記スパウトと前記プラグが前記無菌ゾーンに配置される間は前記無菌ゾーンの外に残される方法。 【請求項18】 請求項10に記載の方法において、前記複数のパウチを供給する工程はさらに、前記空洞の事前滅菌工程を含む方法。」 第3 申立理由の概要 申立人は、次の甲第1号証~甲第10号証(以下「甲1」~「甲10」という。)を提出し、以下の1.~4.の理由を申立てている。 甲1:特願2014-128254号(特開2016-8055号公報) 甲2:株式会社日報編、「2001包装関連機器カタログ集」、171ページ、2000年9月22日発行 甲3:東洋自動機株式会社、「スパウト付パウチ自動充填包装機 TT-15CW型」カタログ、2005年発行 甲4:(社)日本包装技術協会編、「新・包装技術便覧」、(財)日本生産性本部、1971年12月20日、第2巻第V編、1782~1785ページ 甲5:特開2006-16010号公報 甲6:特開2000-109189号公報 甲7:欧州特許出願公開第0694477号明細書及び訳文 甲8:特開2002-128026号公報 甲9:特開2007-145370号公報 甲10:特開2003-237742号公報 1.拡大先願について 本件発明1~18は、その出願の日(優先日)前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた甲1に係る先願明細書等に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願の日(優先日)前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもなく、本件発明1~18に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。 2.進歩性について 本件発明1~18は、甲7に記載された発明及び甲2~甲6、甲8~甲10に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1~18に係る発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 3.明確性要件について 本件特許の請求項1~18に係る発明は明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 4.サポート要件について 本件特許の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでなく、特許法第36条第6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 第4 当審の判断 1.拡大先願について (1)甲1記載事項、甲1発明 ア 甲1には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】 栓により密栓されたスパウトが取付けられ、密封状態で内部が滅菌されたスパウト付きパウチの、少なくとも前記スパウトの一部及び前記栓を無菌チャンバー内に供給する供給工程と、 前記供給工程後に、少なくとも前記スパウトの表面の一部及び前記栓の表面を滅菌する滅菌工程と、 前記滅菌工程後に前記栓を前記スパウトから取外す開栓工程と、 前記開栓工程後に前記スパウトから前記スパウト付きパウチ内に内容物を充填する充填工程と、 前記充填工程後に前記開栓工程で取外した何れかの栓を前記スパウトに取付ける再密栓工程と、 前記再密栓工程後に前記栓を覆うように前記スパウトにキャップを装着するキャッピング工程と、を有し、 前記滅菌工程、前記開栓工程、前記充填工程及び前記再密栓工程は、前記無菌チャンバー内で行われる、内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法。」 「【技術分野】 【0001】 本発明は、内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法及び集積物に関する。」 「【0008】 そこで、本発明は、簡便にスパウト付きパウチに食品等の内容物を無菌充填でき、改ざん防止機能を有する複雑な構造のキャップを用いたとしても、装置の小型化が図れ、メンテナンスが容易な、内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法を提供することを目的とする。」 「【発明を実施するための形態】 【0012】 <内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法> 図1~3を用いて、本発明の内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法(以下、単に「本法」ともいう。)の一実施形態について説明する。 図1は、本法の一実施形態の各工程を示す概略図である。 本実施形態は、供給工程と、滅菌工程と、開栓工程と、充填工程と、再密栓工程と、キャッピング工程と、を有する。本実施形態において、スパウト付きパウチ10は、図1の右方向に移動しながら、装置1により連続的に処理される。本実施形態では、滅菌工程、開栓工程、充填工程及び再密栓工程は、装置1の無菌チャンバー30内で行われ、キャッピング工程は、装置1の無菌チャンバー30外で行われる。 以下、本実施形態の各構成について説明する。」 「【0014】 本実施形態のパウチ20は、袋状であり、パウチとして用いられる公知の構造であれば特に限定されない。パウチ20には、水等を大量に充填するなどの場合に持ち運びやすくするため、取っ手を取り付けてもよい。 パウチ20の材質は、食品等の内容物を充填するために用いられる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム等が挙げられる。また、パウチ20の材質をポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム等のオレフィン系樹脂フィルムとすれば、パウチ20とスパウト12との接着性をより高めることができる。 また、パウチ20の材質は、外部から透過する酸素により内容物が酸化することを防止するため、ガス透過性が抑えられた樹脂フィルムであることが好ましく、中でも、積層フィルムがより好ましい。 積層フィルムの構成としては、例えば、基材層と熱融着層とからなる積層フィルム、バリア層と熱融着層とからなる積層フィルム、基材層とバリア層と熱融着層とからなる積層フィルム、基材層とバリア層と機能層と熱融着層とからなる積層フィルム等が挙げられる。」 「【0018】 図2に示すように、本実施形態のスパウト12は、パウチ20に取付けられるプラスチック樹脂からなる成形品であって、パウチ20の内部と外部を連通させる管状体である。パウチ20におけるスパウト12の取り付け箇所は、特に限定されないが、開封時に内容物が吹出さないようにするため、通常、パウチ20の上部である。 本実施形態のスパウト12は、後述するキャップ42がネジ式で嵌められるため、外側面上にネジ山17が形成されている。 また、本実施形態のスパウト12には、外側面から外方向に突き出たフランジ18が形成されている。スパウト付きパウチ10は、フランジ18で搬送プレート34に吊り下げられて装置1内を搬送される。また、装置1内において、スパウト付きパウチ10の搬送間隔はフランジ18を利用して維持され、さらに、各工程における処理が的確に施されるように、フランジ18を利用してスパウト付きパウチ10の位置が制御される。また、フランジ18は、後述するホルダー50の吊下げ部51に引っ掛ける際にも利用される。 また、本実施形態のスパウト12には、フランジ18の下方に、パウチ取付け部19が形成されている。パウチ20は、熱融着により、パウチ取付け部19に隙間無く固定される。」 「【0021】 本実施形態の栓11は、たらい型であり、上方から見ると円形状である。図3に示すとおり、栓11の底部21がスパウト12の開口部13に挿入される。栓11の縁部14は、外側に広がっており、その広がった部分の下面22が該スパウト12の口部15に密着している。また、栓11の外側面23も、該スパウト12の内壁上部に密着している。栓11は、このようにスパウト12と密着することにより、該スパウト12を密栓している。 栓11の外側面23における外径は、スパウト12の内径よりも0.05~0.5mm大きいことが好ましく、0.1~0.3mmがより好ましい。栓11の外側面23における外径がスパウト12の内径よりもこの範囲で大きいことにより、密栓がより確実になり、さらに、栓11がスパウト12から外れにくくなる。また、この範囲で大きければ、栓11を圧縮してスパウト12に嵌め込むことができる。 【0022】 栓11の高さh(図3参照)は、後述する開栓工程で栓11を取外しやすい範囲で適宜設定できるが、スパウト12を充分に密栓でき、かつ、後述する栓脱着機38によるスパウト12からの取外しや、再密栓が行える範囲であることが好ましい。具体的な好適例としては、栓11の高さhは1.5~10mmであることが好ましく、2.5~5.5mmであることがより好ましい。 栓11は、以上に説明した構造を有することにより、スパウト付きパウチ10の内圧を上げてもスパウト12から外れにくくなり、スパウト付きパウチ10の内部の滅菌状態を維持できる。」 「【0024】 スパウト付きパウチ10は、その内部が予め滅菌された状態で後述の供給工程に供される。 スパウト付きパウチ10の内部を予め滅菌する方法は、特に限定されないが、例えば、放射線照射が挙げられる。放射線としては、例えば、γ線、電子線、X線等が挙げられる。照射する放射線の線量は、通常、滅菌操作で行われる程度でよく、例えば、スパウト付きパウチ10の内部を充分に滅菌でき、栓11、スパウト12及びパウチ20の品質を劣化させない程度が好ましい。 【0025】 (供給工程) 図1に示すように、本実施形態の供給工程においては、スパウト付きパウチ10のうち、スパウト12の一部及び栓11(以下、「無菌チャンバー供給部位」とも称する。)は、供給部31を通じて、無菌チャンバー30内に供給される。無菌チャンバー供給部位の無菌チャンバー30内への供給は、フランジ18(図2,3参照)を搬送プレート34上に乗せてスパウト付きパウチ10を吊り下げることによって行われる。したがって、本実施形態では、スパウト12のうち、フランジ18よりも上部が「スパウト12の一部」に相当する。 搬送治具によって、搬送プレート34上に吊り下げられたスパウト付きパウチ10が図1の右方向へと搬送されることにより、無菌チャンバー供給部位が、供給部31を通じて無菌チャンバー30内に供給され、後の工程により処理される。無菌チャンバー30内は、滅菌室32と充填室33の2室により構成されている。無菌チャンバー30内を無菌に保つため、無菌チャンバー30内に外気が入り込まないよう、いずれの空間も陽圧に保たれている。 【0026】 (滅菌工程) 本実施形態の滅菌工程においては、無菌チャンバー30内に供給された無菌チャンバー供給部位の表面が、該無菌チャンバー30内の滅菌室32にて、滅菌される。 本実施形態の滅菌方法の手順としては、まず、スプレー装置35により、過酸化水素が無菌チャンバー供給部位の表面に向けて噴霧される。噴霧された過酸化水素は、無菌チャンバー供給部位の表面で液化して付着したり、滅菌室32内で蒸気化過酸化水素となったりすることにより、滅菌作用を発揮する。 【0027】 次いで、UV照射器36により、無菌チャンバー供給部位の表面に紫外線が照射される。 本実施形態では、滅菌室32と充填室33の間には、シャッター40が設けられている。シャッター40は、無菌チャンバー供給部位が通過する際に開閉するようになっている。シャッター40の開閉方向は、上下方向でもよく、横方向でもよい。シャッター40が閉まっている間は、滅菌室32内を蒸気化過酸化水素で充満又は飽和させることができ、これにより滅菌作用がより高まる。滅菌室32内に蒸気化過酸化水素を充満又は飽和させた上で、さらに、UV照射器36による紫外線照射を同時に行うことにより、蒸気化過酸化水素処理及び紫外線照射をそれぞれ単独で連続的に行った場合に比べ、滅菌作用が相乗的に向上する。 【0028】 次いで、乾燥機37により、熱風が、無菌チャンバー供給部位の表面に吹付けられ、栓11の表面及びスパウト12の表面が充分に乾燥される。該熱風は、無菌チャンバー30の外部から取込んだ空気を利用したものでもよく、無菌チャンバー30内を循環させたものでもよいが、いずれの場合も、HEPAフィルター等の滅菌フィルター等により無菌化されている。 滅菌工程後、スパウト付きパウチ10は、充填室33に移される。 本実施形態では、充填室33に移された無菌チャンバー供給部位の表面には、乾燥機39により、さらに熱風が吹付けられ、無菌チャンバー供給部位の表面が完全に乾燥される。 【0029】 (開栓工程) 本実施形態の開栓工程においては、表面が完全に乾燥された後、無菌チャンバー30内の充填室33にて、栓脱着機38により、栓11がスパウト12から取外される。 取外しの操作では、栓11は、上述の突起16が利用されて、摘み上げられる。上述したように、該突起16は先端部24が基部25よりも太い構造を有しているため、栓11は、本開栓工程でスパウト12から摘み上げて取外しやすく、また、後述する再密栓工程までの間に、栓脱着機38から落下しにくい。 【0030】 (充填工程) 本実施形態の充填工程においては、無菌チャンバー30内の充填室33にて、スパウト12からスパウト付きパウチ10内に内容物が充填される。内容物は、充填前に滅菌処理が施され、滅菌状態で充填される。 内容物は、長期に保存した場合に、雑菌等の増殖により腐敗させたくないものであり、例えば、食品、飲料、内服薬、医薬部外品等が挙げられる。内容物の性状は、液状物、ゼリー状物が好ましい。 内容物の滅菌方法は、その内容物の滅菌に用いられる公知の方法であれば、特に限定されず、例えば、超高温加熱処理(UHT)プレート殺菌、チューブラー殺菌、スピンジェクション殺菌、ジュール殺菌、フィルター滅菌等が挙げられる。ミルク等の液体を内容物とする場合は、超高温加熱処理(UHT)プレート殺菌が好ましい。果肉入りジュース等の固形物が混在する内容物とする場合には、チューブラー殺菌が好ましい。 【0031】 (再密栓工程) 本実施形態の再密栓工程においては、無菌チャンバー30内の充填室33にて、上述の開栓工程で取外した何れかの栓11が、スパウト12に取付けられ、密栓される。栓11は、上述の栓脱着機38により運ばれ、スパウト12に取り付けられる。 したがって、上述の開栓工程から再密栓工程まで、スパウト付きパウチ10の内部及び上述の無菌チャンバー供給部位の表面は、滅菌状態が維持される。 栓11は、開栓工程で該栓11が取外された元のスパウト12に取付けられてもよく、又は、開栓工程で該栓11とは別の栓11が取外されたスパウト12に取付けられてもよい。すなわち、開栓工程で取外した何れかの栓11が何れかのスパウト12に取付けられればよい。 本実施形態では、再密栓工程後、スパウト付きパウチ10がさらに図1の右方向へと搬送されることにより、無菌チャンバー供給部位は無菌チャンバー30外へと移される。 【0032】 (キャッピング工程) 本実施形態のキャッピング工程においては、無菌チャンバー30外で、まず、キャップ42が栓11を覆うようにして装着され、次いで、キャップ巻締機41によりスパウト12に巻締められる。 キャップ42は、品質上清潔にされたものであればよく、内容物を腐敗させないという観点から、必ずしも完全滅菌されたものでなくてよい。キャップ42の構造は、スパウト12に組合せて取付けられる公知のものでよいが、通常、片側端が開口した円筒状である。本実施形態では、スパウト12にネジ式で嵌められるため、内側面上に、スパウト12のネジ山17に対応するネジ山が設けられている。」 「【0039】 キャッピング工程により、栓11は、キャップ42と一体化してもよく、キャップ42と一体化しなくてもよい。ここでいう「一体化する」とは、栓11がキャップ42内部に嵌め込まれることにより、キャップ42をスパウト12から取外した際に、栓11がスパウト12側に残ることなくキャップ42内部に嵌った状態で外れることを意味する。図4~6に、栓11がキャップ42と一体化した状態の例の正面断面図を示す。 図4では、栓11の縁部14の端部がキャップ42の内壁に密着し、栓11はキャップ42から外れにくくなっている。栓11の材質とキャップ42の材質を摩擦係数が高い組合せにする等により、栓11はキャップ42からより外れにくくなる。 また、図5に示すアンダーカット43や図6に示すアンダーカット44を設ければ、栓11はキャップ42とより一体化しやすくなる。 本発明により無菌充填された内容物を使用するためキャップ42を開けた際に、栓11を開ける手間を省ける点から、キャッピング工程により、栓11は、キャップ42と一体化することが好ましい。」 「【0042】 (ホルダー) 本実施形態のホルダー50は、カーテンレール状であり、スパウト12のフランジ18から該スパウト12を密栓している栓11までを、ホルダー50内部に収めている。集積物2を持ち運ぶ際、ホルダー50を持てば、フランジ18が吊り下げ部51に引っ掛かり、スパウト付きパウチ10が吊り下げられた状態になる。この状態で、栓11の頭部の先端とホルダー50の内壁との間には、0.1~3mmの隙間があるようにするのが好ましい。この隙間があることにより、スパウト付きパウチ10をホルダー50に出し入れする際、栓11の表面が傷つきにくくなる。また、ホルダー50を用いなくても栓11はスパウト12から充分外れにくいが、ホルダー50を用いた場合に隙間がこの範囲であれば、集積物2の保管又は搬送時に、圧力や衝撃により栓11がスパウト12から浮き上がりそうになっても、ホルダー50の内壁により栓11の頭部が抑え込まれるため、栓11がスパウト12から外れることをより確実に防止できる。そして、スパウト付きパウチ10の内部の滅菌状態をより確実に維持できる。 また、本実施形態において、10個のスパウト付きパウチ10は、1個のホルダー50により、整列された状態で一纏めに集積されている。集積物2は、この状態で、保管又は搬送される。 集積物2が上述の内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチ10の製造方法に用いられる際、スパウト付きパウチ10は、供給工程で、ホルダー50から連続的に、搬送プレート34上に吊り下げられ、無菌チャンバー30内に供給される(図8参照)。」 「【0044】 (他の態様) 集積物中のスパウト付きパウチ10の数は、10個に限定されず、2個以上の範囲で適宜設定される。 集積物は、全体が外装により包装されていてもよい。スパウト付きパウチ10内部の滅菌状態がより確実に維持されるため、包装は密封されていることが好ましい。この場合、スパウト付きパウチ10の内部の滅菌は、包装前に行われてもよく、包装後に行われてもよい。」 「 [図:0001384298000001.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001384298000002.jpg] 」(【図2】) 「 [図:0001384298000003.jpg] 」(【図4】) 「 [図:0001384298000004.jpg] 」(【図7】) 「 [図:0001384298000005.jpg] 」(【図8】) イ 上記記載からみて、特に、【0012】、【0014】、【0025】、【0026】、【0028】―【0032】、【図1】、【図2】、【図4】、【図7】、【図8】に着目すると、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 (甲1発明) 「内容物が無菌充填されたスパウト付きパウチ10の製造方法であって、 パウチ10は袋状であり、栓11はスパウト12を密栓しており、スパウト12は、パウチ20の内部と外部を連通させる管状体であり、スパウト付きパウチ10のうち、スパウト12の一部及び栓11は、供給部31を通じて、無菌チャンバー30内に供給される工程と、 搬送プレート34に吊り下げられたスパウト付きパウチ10が搬送され、無菌チャンバー30内の滅菌室32にて、無菌チャンバー30内に供給された無菌チャンバー供給部位の表面に向けて、スプレー装置35により過酸化水素が噴霧される滅菌工程と、 滅菌工程後、スパウト付きパウチ10を充填室33に移す工程と、 栓脱着機38により、栓11がスパウト12から取り外される開栓工程と、 スパウト付きパウチ10に内容物を充填する充填工程と、 開栓工程で取り外された栓11がスパウト12に取り付けられる再密栓工程と、 再密栓工程後、スパウト付きパウチ10が搬送され、無菌チャンバー供給部位は無菌チャンバー30外へと移される工程と、 キャップ42が栓11を覆うようにして装着され、次いで、キャップ巻締機41によりスパウト12に巻締められ、栓11がキャップ42内部に嵌め込まれるキャッピング工程と、 滅菌工程とスパウト付きパウチ10を充填室33に移す工程の後に、栓脱着機38と充填機とを有する工程と、 開栓工程後に、充填室33内のスパウト付きパウチ10を、栓脱着機38から充填機まで移動させる工程と、 充填工程後に、充填室33内のスパウト付きパウチ10を、充填機から栓脱着機38まで移動させる工程と、を有する充填方法。」 (2)甲2~甲6記載事項 ア 甲2には、次の事項が記載されている。 「 [図:0001384298000006.jpg] 」 「 [図:0001384298000007.jpg] 」 以上から、甲2には、以下の事項が記載されている。 「充填ノズルを複数設けたロータリ充填機を用いた充填方法。」 イ 甲3には、次の事項が記載されている。 「●高速ダブル型 スパウト付パウチ充填機をレトルト及び飲料用に開発。 ●パウチの供給は、パウチストックレールにてワンタッチ供給。 ●2回シール、1回冷却にてインナーシールは確実。 ●洗浄ノズル方式にてスパウト部の世惚れは除去。 ●バキューム式ノズルにてスパウト口部からの高速充填が可能。」 「1.給袋 2.袋検出 3.印字 4.液充填 5.スパウト部清掃(ウォーターシャワー式)、受台 6.スパウト部清掃(エアーブロー式) 7.予備 8.シールフィルム打抜き・仮シール 9.プレス脱気、第1シール 10.第2シール 11.冷却、シールフィルム有無検出 12.予備 13.キャッピング 14.製品排出 15.不良品排出」 「 [図:0001384298000008.jpg] 」 以上から、甲3には、以下の事項が記載されている。 「給袋工程、複数の液充填部と複数のシールフィルム打ち抜き・仮シール部を有するロータリ充填機上に袋を配置する工程を有し、液充填部及びシールフィルム打ち抜き・仮シール部は、ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされているものであり、ロータリ充填機内の袋を、充填部まで回転させる工程と、充填する工程後に、ロータリ充填機内のパウチを、充填部からシールフィルム打ち抜き・仮シール部まで回転させる工程と、を有する充填方法。」 ウ 甲4には、次の事項が記載されている。 「3.2.1液体充填機 (1)液体充填機の利用状況 液体充填機は比較的古くから,酒類,調味料と飲料の充填用として実用化されていた.現代においては,あらゆる個装される液体に種々に開発,研究され用途に応じた充填機が完成されているが,人手不足の近年,いっそう高性能のものが,他の包装機械とともに要求されている. それらの充填液は,おもにガス入り清涼飲料をはじめとし,ビール,酒類,乳酸飲料,ドリンクと,しょう油,酢,ソース,ケチャップ等の液体調味料類,および食用油等と,食品液系の充填,そして薬品系の一般薬剤液,農薬,消毒液,工業薬品をはじめ化粧品,調髪液と各種洗剤液,塗料,インキ,溶剤,潤滑油,油圧用油,不凍液,等の化学系と,多分野にわたり,現在また新しく生まれる液体も含め,個装されるほとんどの液体に使用されるに至っている. これらの液体を充填される容器は,主として,ガラスびんやプラスチック容器と金属罐がほとんどで,最近では,紙質の容器も多く使用されるようになっている. 容器は最小で1mlより,20lまでの充填機が開発されているが,一般的には1lより2lまでの範囲の充填機が多く,高能力のものが使用されている. (2)充填機の形式,種類と充填方式 充填機の形式はその容器の移送方式によって直進形と回転形とに分けられる. 直進形機は間欠移送式で容器を充填ノズルの下に停止させて充填し,大半が移送されるコンベヤー上にて充填させる機械で,回転形機に比べ,比較的機構もシンプルなものである.この場合能力を高めるためには,ノズルの多頭式を採用するが,充填ノズルの並びに沿って平行に容器が移送される単列型と,充填ノズルの並びに対し直角に移送される多列型とがある. 多列型には2~10頭充填ノズル形式があるが,機構的には均一移送(繰入れ),分配,および統合に難点が生じやすく,また容器の強度も要求され,間欠運動による初速,停止時の移送物の安定,液の飛散などに留意せねばならない. したがって一般的には高速充填においては,直進形機より回転形機が多く採用されている. 回転形機はコンベヤー上に移送される容器を,いったん回転するテーブルに移し,同時にテーブルと同期に回転する多数本の充填ノズルより,回転中に連続的に充填を行なうものであり,高速でもスムーズに充填できる利点がある. 回転形機のノズルヘッド数は4本立てから72本立てが普通であるが,最近では超高速型として,90本立てから120数本立てに及ぶ回転形機が開発され実用化されている。」 以上から、甲4には、以下の事項が記載されている。 「複数のノズルヘッドを有する回転形機を用いた充填方法。」 エ 甲5には、次の事項が記載されている。 「【実施例1】 【0022】 図1は本発明の実施例1を示すスパウト付き包装袋(パウチ)に内容物を充填する装置の斜視図、図2は内容物を充填するためのパウチの正面図である。なお、図5に示す従来例の内容物充填装置20aと重複するものについては、説明の理解のしやすさを考慮して同じ符号を付けた。両図において、この内容物充填装置20は、パウチ22を保持した包装袋保持機26が回転盤27の回転に連れて各工程を順次移動することにより、パウチ22を供給し、その中に液状物を充填して、密封し最終製品として取り出すものである。 この内容物充填装置20により、本発明のパウチの充填方法を説明する。 【0023】 前記内容物充填装置20の包装袋保持機26が回転盤27の回転に連れて工程1に位置した時、袋供給機(図示せず)により包装袋保持機26にパウチ22が供給される。包装袋保持機26のパウチ22が工程2に位置した時、検出器28にて包装袋保持機26にパウチ22が確かに供給されているかを検出し、供給されていれば工程3に進み、供給されていなければ、一時停止すると共に警報等で知らせ供給を確認してから工程3に進む。パウチ22が工程3に位置したら、先ず、包装袋保持機26がバキュームによりパウチ内の空気を除去する脱気工程を経て、印刷機29にてパウチ22の表面および/または裏面に必要な各種情報を印刷して工程4に進む。 【0024】 パウチ22が工程4の時、充填ノズル21から内容物をパウチ22内に充填し、この充填工程が終了し次第、工程5に進む。充填ノズル21の内部には、バキューム、内容物充填、窒素供給の手段が、いずれもバルブの切り替えにより行われるようになっている。このような充填ノズルは本願出願前より知られており、例えば特開2003-252314号公報などに記載されている。 工程5の時、洗浄機30にてスパウト23回りを洗浄し、工程6に進む。更に、工程6の時、乾燥機31にて洗浄後のスパウト23回りを乾燥させて工程7に進む。工程7の時、パウチ22内にガス供給ノズルにて窒素を供給し内部を窒素にて置換して、この置換工程が終了し次第、工程8に進む。 【0025】 工程8以降において、スパウト23にキャップ25を嵌める直前にパウチ22を加圧してスパウト23からパウチ22内の窒素を吹き出させ、その窒素流によりキャップ25内の空気を置換してから、スパウト23にキャップ25を嵌めスパウト付き包装袋22内を密封する封止工程Aが行われる。 【0026】 上記の封止工程Aは、工程8の時、キャップフィーダー32にて供給されたキャップ25をキャップ締付装置33にてスパウト23に嵌めるが、その際に、パウチ22に脱気板34を当て押圧することでパウチを袋の外部(この実施例においては側面)から加圧し、パウチ22の上部に溜まっている窒素をスパウト23から吹き出させて窒素流を形成しておく。そして、スパウト23にキャップ25を嵌める直前にスパウト23からの窒素流をキャップ25内に当てて、キャップ25内に存在する空気を上記窒素で置換してから、スパウト23にキャップ25を締め付ける。この時、スパウト付き包装袋22内から窒素を吹き出させるが、内容物がスパウト23から出ない程度に、脱気板34をパウチ22に押圧することが重要である。 【0027】 この封止工程Aは、工程9の時、スパウト付き包装袋22内の密封を行うが、この際にも脱気板34によるパウチの加圧は行われる。これ以外にも、必ずしも必須ではないが、図1に示したように、工程5ないし工程7においても脱気板34によるパウチの加圧は行われてもよい。さらに、上記各工程における脱気板34と脱気板34の間には、必要に応じて表裏両面からパウチを挟み込みながらガイドする脱気レール(ガイド)35を設けておいてもよい。パウチの密封は、図3に示すように、キャップ25内にヒートシール材40を予め装着しておき、この状態のキャップ25を上記の工程8の時にスパウト23に嵌めてあるから、外部の加熱器、例えば、高周波誘導加熱器41により加熱してヒートシール材40を加熱して、スパウト23天面に溶着させる。 【0028】 すなわち、このヒートシール材40は、図4に示すように、自身に剛性を付与するためのサポート層42と、ガスバリアー性を付与すると共に高周波誘導加熱を可能とするアルミ層43と、スパウト付き包装袋22のスパウト23天面にヒートシールさせるためのシーラント層44と、を含んでなる。このようなヒートシール材40をキャップ25の天板25a下内に突起25bを乗り越え装着し脱落不可にして、工程8の時、スパウト23にキャップ25を締め付け易くしている。 【0029】 更に、この封止工程Aは、工程10において自然冷却によりスパウト23及びキャップ25を冷却して終了する。そのあと、工程11、12、13において、シール不良等の不良品検出をして工程14に進む。この工程14の時、包装袋保持機26からパウチ22内に内容物を充填したものを最終製品として送り出す。そして、工程15において、不良品があれば排除し、包装袋保持機26からパウチ22を完全に除去して、再び、包装袋保持機26が回転盤27の回転に連れて移動し、工程1に位置させる。以後、上記と同じことが行われる。」 「 [図:0001384298000009.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001384298000010.jpg] 」(【図5】) 以上から、甲5には、以下の事項が記載されている。 「パウチ22を回転盤27を備えた内容物充填装置20に供給する工程、複数の充填ノズル21から内容物をパウチ22に充填する工程を有し、充填ノズル21及びキャップ締付装置33は、内容物充填装置20の回転盤27に沿って角度方向にずらされ、内容物充填装置20内のパウチ22を充填ノズル21の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、内容物充填装置20内のパウチ22を、充填ノズル21の位置からキャップ締付装置33の位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」 オ 甲6には、次の事項が記載されている。 「【0016】この実施の形態の液充填装置では、水平面上で回転される連続回転テーブル1を有する容器移送手段Aを備えており、その連続回転テーブル1の周囲には、容器供給手段B,液充填手段C,洗浄手段D,中蓋供給手段E,中蓋シール手段F,容器取出し手段Gが上流側から下流側にかけてこの順に配置されている。さらに、容器取出し手段Gの周囲には、外蓋供給手段H、外蓋締着手段Iが配置され、この外蓋締着手段Iを介して容器排出手段Jが配置されている。また、上記連続回転テーブル1の下方には駆動手段Kが配設されている。そして、口栓付パウチ等の容器Yは、容器供給手段Bによって連続回転テーブル1に供給され、連続回転テーブル1に備えられたグリッパ2により容器Yの首部に備えられたフランジにおいて容器Yが支持される。その容器Yは、連続回転テーブル1の回転によって液充填手段C,洗浄手段D,中蓋供給手段E,中蓋シール手段Fを経て容器取出し手段Gまで移送され、該容器取出し手段Gで連続回転テーブル1から取り出され、さらにその容器Yは外蓋供給手段H,外蓋締着手段Iを経て容器排出手段Jにおいて外部(次工程等)へ移送される。」 「 [図:0001384298000011.jpg] 」(【図1】) 以上から、甲6には、以下の事項が記載されている。 「容器Yを、連続回転テーブル1を備えた液充填装置に供給する工程と、複数の充填ノズル40から内容物を容器Yに充填する工程を有し、充填ノズル40及び中蓋シール手段Fは、液充填装置の連続回転テーブル1に沿って角度方向にずらされ、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置から中蓋シール手段Fの位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」 (3)本件発明1について ア 対比 甲1発明1の「スパウト付きパウチ10」、「スパウト12」、「栓11」、「搬送プレート34」、「開栓工程」、「キャップ42」は、本件発明1の「パウチ」、「スパウト」、「プラグ」、「レール」、「プラグの取り外し工程」、「キャップ」にそれぞれ相当し、本件発明1の「洗浄剤」について、本件明細書の段落【0035】には、「洗浄剤(蒸気、液体、ガスまたはそれらの組み合わせ)による薬品処理を受ける。示した構成では、高温の過酸化水素蒸気を処理室から指向的に噴射して、パウチの外面を洗浄することが想定される。」と記載されていることからすると、甲1発明1の「過酸化水素」は、本件発明1の「洗浄剤」に相当する。 また、甲1発明の「スパウト付きパウチ10に内容物を充填する充填工程」、「開栓工程で取り外された栓11がスパウト12に取り付けられる再密栓工程」、「再密栓工程後に、スパウト付きパウチ10が搬送され、無菌チャンバー供給部位は無菌チャンバー30外へと移される工程」、「キャップ42が栓11を覆うようにして装着され、次いで、キャップ巻締機41によりスパウト12に巻締められ、栓11がキャップ42内部に嵌め込まれるキャッピング工程」、は、本件発明1の「パウチに流動素材を充填する工程」、「空洞を密封するために、プラグをスパウトの再装着する工程」、「スパウトとプラグを無菌ゾーンから取り出す工程」、「前記プラグをキャップに、前記キャップを前記スパウトに結合する工程であって、前記キャップを外すと、前記プラグも取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程」にそれぞれ相当する。 また、甲1の【0025】によれば、無菌チャンバー30内は、滅菌室32と充填室33の2室により構成され、無菌チャンバー30内に外気が入り込まないよう、陽圧に保たれていることが記載されており、無菌状態で陽圧に保つためには、陽圧気流の滅菌済みガス源を要することは明らかであるから、甲1発明の「滅菌工程後、スパウト付きパウチ10を充填室33に移す工程は、本件発明1の「前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、前記無菌ゾーン内で陽圧気流の滅菌済みガス源を有する、前記誘導する工程」に相当する。 甲1発明の「パウチ10」は、袋状であり、袋状のものがパネルを有する本体を有することは明らかであるから、甲1発明の「パウチ10は袋状であり、栓11はスパウト12を密栓しており、スパウト12は、パウチ20の内部と外部を連通させる管状体であり、スパウト付きパウチ10のうち、スパウト12の一部及び栓11は、供給部31を通じて、無菌チャンバー30内に供給される工程」と、本件発明1の「パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合された複数のパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程」とは、パウチに関して、「複数のパネル」を有する本体を省いた「パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合されたパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程」で共通し、その限りで一致する。 甲1の【0025】、【図1】には、搬送プレート34沿いにスパウト付きパウチ10が平行移動することは明らかであるから、甲1発明の「搬送プレート34に吊り下げられたスパウト付きパウチ10が搬送され、無菌チャンバー30内の滅菌室32にて、無菌チャンバー30内に供給された無菌チャンバー供給部位の表面に向けて、スプレー装置35により過酸化水素が噴霧される滅菌工程」と、本件発明1の「洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程と、前記パウチを前記第一端から前記第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程と、前記第一端と前記第二端の間で、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程」とは、洗浄する工程に関して、「洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、前記パウチを、レール上に配置する工程と、前記パウチを、前記レール沿いに平行移動させる工程と、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程」で共通し、その限りで一致する。 甲1発明の「滅菌工程とスパウト付きパウチ10を充填室33に移す工程の後に、栓脱着機38と充填機を有する工程と、開栓工程後に、充填室33内のスパウト付きパウチ10を、栓脱着機38から充填機まで移動させる工程と、充填工程後に、充填室33内のスパウト付きパウチ10を、充填機から栓脱着機38まで移動させる工程」と、本件発明1の「前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有するロータリ充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされている、工程と、前記プラグの取り外し工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで回転させる工程と、前記充填する工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで回転させる工程」とは、充填機の構造及び充填機内のパウチの移動に関して、「前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有する充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記充填機に沿ってずらされている、工程と、前記プラグの取り外し工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで移動させる工程と、前記充填する工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで移動させる工程」で共通し、その限りで一致する。 以上から、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「無菌状態のパウチの充填方法であって: パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合されたパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程と、 洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、前記パウチを、レール上に配置する工程と、前記パウチを、前記レール沿いに平行移動させる工程と、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程と、 前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、前記無菌ゾーン内で陽圧気流の滅菌済みガス源を有する、前記誘導する工程と、 前記プラグの取り外し工程と、 前記パウチに流動素材を充填する工程と、 前記空洞を密封するために、前記プラグを前記スパウトに再装着する工程と、 前記スパウトと前記プラグを前記無菌ゾーンから取り出す工程と、 前記プラグをキャップに、前記キャップを前記スパウトに結合する工程であって、前記キャップを外すと、前記プラグも取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程と、を有し、 前記充填方法はさらに、 前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有する充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記充填機に沿ってずらされている、工程と、前記プラグの取り外し工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで移動させる工程と、前記充填する工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで移動させる工程と、を有する充填方法。」 <相違点1-1> パウチに関して、本件発明1は、「複数のパネルを有する本体」を含むのに対し、甲1発明は、パネルが複数であるのか不明な点。 <相違点1-2> 洗浄する工程に関して、本件発明1は、「前記パウチを前記第一端から第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程」を有するのに対して、甲1発明では、パウチを、レール沿いに平行移動させる工程を有する点。 <相違点1-3> 充填機の構造及び充填機内のパウチの移動に関して、本件発明1の充填機は、「ロータリ充填機」であり、「前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされている工程と、」「前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで回転させる工程と、前記充填する工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで回転させる工程」とを有するのに対して、甲1発明の充填機はロータリ充填機ではなく、栓脱着機、充填機、栓脱着機が角度方向にずらされておらず、パウチが栓脱着機から充填機まで回転せず、また、パウチが充填機から栓脱着機まで回転しない点。 イ 相違点についての判断 (ア)相違点1-3について 事案に鑑み、相違点1-3より検討する。 上記(2)アのとおり、甲2には、「充填ノズルを複数設けたロータリ充填機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)イのとおり、甲3には、「給袋工程、複数の液充填部と複数のシールフィルム打ち抜き・仮シール部を有するロータリ充填機上に袋を配置する工程を有し、液充填部及びシールフィルム打ち抜き・仮シール部は、ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされているものであり、ロータリ充填機内の袋を、充填部まで回転させる工程と、充填する工程後に、ロータリ充填機内のパウチを、充填部からシールフィルム打ち抜き・仮シール部まで回転させる工程と、を有する充填方法。」が記載されている。 上記(2)ウのとおり、甲4には、「複数のノズルヘッドを有する回転形機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)エのとおり、甲5には、「パウチ22を回転盤27を備えた内容物充填装置20に供給する工程、複数の充填ノズル21から内容物をパウチ22に充填する工程を有し、充填ノズル21及びキャップ締付装置33は、内容物充填装置20の回転盤27に沿って角度方向にずらされ、内容物充填装置20内のパウチ22を充填ノズル21の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、内容物充填装置20内のパウチ22を、充填ノズル21の位置からキャップ締付装置33の位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 上記(2)オのとおり、甲6には、「容器Yを、連続回転テーブル1を備えた液充填装置に供給する工程と、複数の充填ノズル40から内容物を容器Yに充填する工程を有し、充填ノズル40及び中蓋シール手段Fは、液充填装置の連続回転テーブル1に沿って角度方向にずらされ、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置から中蓋シール手段Fの位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 しかし、甲2~甲6には、いずれも「前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされている工程」と、「前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで回転させる工程と、前記充填する工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで回転させる工程」とを有するロータリ充填機は記載されておらず、このようなロータリ充填機は、周知・慣用技術とはいえず、相違点1-3に係る本件発明1の構成は、周知・慣用技術の付加又は転換とはいえないから、相違点1-3は、実質的な相違点である。 よって、相違点1-1、相違点1-2について判断するまでもなく、本件発明1は、甲1発明と同一ではない。 (4)本件発明2~9について 本件発明2~9は、本件発明1に対して、さらに技術的事項を追加したものである。 よって、上記(2)に示した理由と同様の理由により、本件発明2~9は、甲1発明と同一ではない。 (5)本件発明10について ア 対比 甲1発明の「スパウト付きパウチ10」、「スパウト12」、「栓11」、「過酸化水素」、「キャップ42」は、本件発明10の「パウチ」、「スパウト」、「プラグ」、「洗浄剤」、「キャップ」に相当する。 また、甲1発明の「パウチ10」が複数あることは明らかであるから、甲1発明の「再密栓工程後に、スパウト付きパウチ10が搬送され、無菌チャンバー供給部位は無菌チャンバー30外へと移される工程」は、本件発明10の「前記複数のパウチを前記無菌ゾーンから取り出す工程」に相当する。 また、甲1の【0025】によれば、無菌チャンバー30内は、滅菌室32と充填室の2室により構成され、無菌チャンバー30内に外気が入り込まないよう、陽圧に保たれていることが記載されており、無菌状態で陽圧に保つためには、陽圧気流の滅菌済みガス源を要することは明らかであるから、甲1発明の「滅菌工程後、スパウト付きパウチ10を充填室33に移す工程」は、本件発明10の「前記複数のパウチの各々の前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ順次誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、陽圧気流の滅菌済みガスの供給源を有する、前記順次誘導する工程」に相当する。 また、甲1発明の「パウチ10」が複数あることは明らかであり、また、パウチが袋状であり、袋状のものがパネルを有する本体を有することは明らかであるから、甲1発明の「パウチ10は袋状であり、栓11はスパウト12を密栓しており、スパウト12は、パウチ20の内部と外部を連通させる管状体であり、スパウト付きパウチ10のうち、スパウト12の一部及び栓11は、供給部31を通じて、無菌チャンバー30内に供給される工程」と、本件発明10の「複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合された複数のパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程」とは、パウチに関して、「複数のパネル」を有する本体を省いた「複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合されたパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程」で共通し、その限りで一致する。 また、甲1発明の「キャップ42が栓11を覆うようにして装着され、次いで、キャップ巻締機41によりスパウト12に巻締められ、栓11がキャップ42内部に嵌め込まれるキャッピング工程と、滅菌工程とスパウト付きパウチ10を充填室33に移す工程の後に、栓脱着機38と充填機とを有する工程と、開栓工程後に、充填室33内のスパウト付きパウチ10を、栓脱着機38から充填機まで移動させる工程と、充填工程後に、充填室33内のスパウト付きパウチ10を、充填機から栓脱着機38まで移動させる工程」と本件発明10の「前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、前記複数のパウチを、前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、前記プラグ取り外しステーション内で、ほぼ同時に前記プラグを取り外す工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程と、前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程と、前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトにほぼ同時に前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程と、前記複数のパウチを前記無菌ゾーンから取り出す工程と、前記複数のパウチを、ロータリキャップ取付機内へ回転可能に誘導する第四工程であって、前記ロータリキャップ取付機は、複数のキャップ取付ヘッドを有する工程と、前記ロータリキャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程であって、前記キャップを外すと前記プラグも同時に取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程」とは、充填機の構造、充填機内のパウチの移動、キャップ取付機の構造に関して、「前記複数のパウチを充填機内へ誘導する工程であって、前記充填機は、プラグ取り外しステーションと、充填ステーションと、プラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションの一つの中へ誘導する第一工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションへ誘導する第二工程と、前記複数のパウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで誘導する第三工程と、- 前記複数のパウチを、キャップ取付機内へ誘導する第四工程であって、前記キャップ取付機は、キャップ取付ヘッドを有する工程と、前記キャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程であって、前記キャップを外すと前記プラグも同時に取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程」で共通し、その限りで一致する。 以上から、本件発明10と甲1発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「複数の無菌状態のパウチの充填方法であって、 複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合されたパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程と、 洗浄剤で前記複数のパウチの外面を洗浄する工程と、 前記複数のパウチの各々の前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ順次誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、陽圧気流の滅菌済みガスの供給源を有する、前記順次誘導する工程と、 前記複数のパウチを充填機内へ誘導する工程であって、前記充填機は、プラグ取り外しステーションと、充填ステーションと、プラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、 前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションの一つの中へ誘導する第一工程と、 前記プラグ取り外しステーション内で、前記プラグを取り外す工程と、 前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションへ誘導する第二工程と、 前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材を充填する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで誘導する第三工程と、 前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトに前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程と、 前記複数のパウチを前記無菌ゾーンから取り出す工程と、 前記複数のパウチを、キャップ取付機内へ回転可能に誘導する第四工程であって、前記キャップ取付機は、キャップ取付ヘッドを有する工程と、 前記キャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程であって、前記キャップを外すと前記プラグも同時に取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程と、を有する方法。」 <相違点1-4> パウチに関して、本件発明10は、「複数のパネルを有する本体」を含むのに対し、甲1発明は、パネルが複数であるのか不明な点。 <相違点1-5> 充填機の構造、充填機内のパウチの移動、キャップ取付機の構造に関して、本件発明10の「充填機」、「キャップ取付機」は、「ロータリ充填機」、「ロータリキャップ取付機」であり、「 前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、 前記プラグ取り外しステーション内で、ほぼ同時に前記プラグを取り外す工程と、 前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、 前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程と、 前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトにほぼ同時に前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程と、 前記複数のパウチを、ロータリキャップ取付機内へ回転可能に誘導する第四工程であって、前記ロータリキャップ取付機は、複数のキャップ取付ヘッドを有する工程と、 前記ロータリキャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程であって、前記キャップを外すと前記プラグも同時に取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程」とを有するのに対して、甲1発明の「充填機」、「栓脱着機」は、「ロータリ充填機」、「ロータリキャップ取付機」ではなく、栓脱着機、充填機、栓脱着機、キャップ巻締機が、複数設けられておらず、パウチが栓脱着機から充填機まで回転せず、また、パウチが充填機から栓脱着機まで回転せず、パウチをキャップ取付機まで回転せず、栓11がスパウト12から同時に取り外される開栓工程を有さず、スパウト付きパウチ10に内容物がほぼ同時に充填する充填工程を有さず、開栓工程で取り外された栓11がスパウト12に、ほぼ同時に取り付けられる再密栓工程を有しない点。 イ 相違点についての判断 (ア)相違点1-5について 事案に鑑み、相違点1-5より検討する。 上記(2)アのとおり、甲2には、「充填ノズルを複数設けたロータリ充填機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)イのとおり、甲3には、「給袋工程、複数の液充填部と複数のシールフィルム打ち抜き・仮シール部を有するロータリ充填機上に袋を配置する工程を有し、液充填部及びシールフィルム打ち抜き・仮シール部は、ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされているものであり、ロータリ充填機内の袋を、充填部まで回転させる工程と、充填する工程後に、ロータリ充填機内のパウチを、充填部からシールフィルム打ち抜き・仮シール部まで回転させる工程と、を有する充填方法。」が記載されている。 上記(2)ウのとおり、甲4には、「複数のノズルヘッドを有する回転形機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)エのとおり、甲5には、「パウチ22を回転盤27を備えた内容物充填装置20に供給する工程、複数の充填ノズル21から内容物をパウチ22に充填する工程を有し、充填ノズル21及びキャップ締付装置33は、内容物充填装置20の回転盤27に沿って角度方向にずらされ、内容物充填装置20内のパウチ22を充填ノズル21の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、内容物充填装置20内のパウチ22を、充填ノズル21の位置からキャップ締付装置33の位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 上記(2)オのとおり、甲6には、「容器Yを、連続回転テーブル1を備えた液充填装置に供給する工程と、複数の充填ノズル40から内容物を容器Yに充填する工程を有し、充填ノズル40及び中蓋シール手段Fは、液充填装置の連続回転テーブル1に沿って角度方向にずらされ、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置から中蓋シール手段Fの位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 しかし、甲2~甲6には、いずれも「前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、 前記プラグ取り外しステーション内で、ほぼ同時に前記プラグを取り外す工程と、 前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、 前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程と、 前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトにほぼ同時に前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程」とを有するロータリ充填機が記載されていない。 また、甲2~甲6には、「前記複数のパウチを、ロータリキャップ取付機内へ回転可能に誘導する第四工程であって、前記ロータリキャップ取付機は、複数のキャップ取付ヘッドを有する工程と、前記ロータリキャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程」を有するロータリキャップ取付機は記載されていない。 また、このようなロータリ充填機、ロータリキャップ取付機は、周知・慣用技術とはいえず、相違点1-5に係る本件発明10の構成は、周知・慣用技術の付加又は転換とはいえないから、相違点1-5は、実質的な相違点である。 よって、相違点1-4について判断するまでもなく、本件発明10は、甲1発明と同一ではない。 (6)本件発明11~18について 本件発明11~18は、本件発明10に対して、さらに技術的事項を追加したものである。 よって、上記(5)に示した理由と同様の理由により、本件発明11~18は、甲1発明と同一ではない。 2.進歩性について (1)甲7記載事項、甲7発明 ア 甲7には、以下の事項が記載されている(以下、該当箇所の訳文を記載する。)。 「本発明は、無菌環境で容器を充填および密封するための機械に関する。 本発明は、特に、流動性、軟性、硬性などのいくつかの性質の食品を、柔軟で内部滅菌された容器に連続的に充填するために使用することができる。容器には、あらかじめキャップで密閉されたネックが付いている。充填操作は、無菌環境で行う必要がある。」(第1ページ第1欄第3行-第10行) 「本発明の主な目的は、無菌環境において、単位時間あたり多数の容器を充填およびキャップすることができる機械を利用可能にすることによって、上記の問題に対する解決策を提供することである。」(第1ページ第1欄第28行-第31行) 「図1を参照すると、無菌環境下で容器を充填し、キャッピングするための機械の全体図が示されている。この機械はフレーム2から成り、その上にコンベヤ・ラインが取り付けられている。フレキシブルな容器、通常はプラスチック製のサックは、ライン3に沿って矢印4で示す方向に進む。各サック5の上部には、キャップ7で密閉されたネック6がある。コンベアライン3は、水平ローラ面8、チェーンコンベア9、傾斜ローラ面10で構成されている。」(第1ページ第2欄第12行-第21行) 「機械は、チェーンコンベヤ9のアクティブプランチ15aに平行なトンネル20を含み、そのトンネルの壁は、無菌環境をカプセル化する。トンネルには入口21と出口22が設けられている。トンネル20の底壁は、入口21から出口22まで長手方向に延びる開口部23を備えており、それを通って、ネック6の少なくとも一部がトンネルを通過する。」(第1ページ第2欄第31行-第33行) 「トンネルは、隔壁26によって様々なゾーンに細分され、各隔壁は、トンネルに対して38で、自由にヒンジで固定される(水平軸で)ゲート27を備える。2つの隔壁26は、入口21および出口22の近くのトンネル20の内側に配置されている。入口21と出口22との間のトンネル20に配置された2つの中間隔壁26は、トンネル20を3つのゾーンに細分する。 各ゾーン内の温度は、他のゾーンとは独立して調整できる。 トンネル20を通過する各ネック6は、ネプライザステーション28、ならびに第1および第2の加熱ステーション29'および29’’を通過する。 上記のステーションにおいて、ネック6は、適用順に、滅菌液を噴霧するネブライザー43と、2つのヒーター44および45とを含む滅菌装置42によって、既知のタイプの滅菌処理を受ける。」(第3ページ第3欄第24行-第41行) 「既知のタイプのキャッピング装置31は、ネック6が充填ステーシヨン30で停止したときに、ネック6のキャップを外すとともに再度キャップをする。同じく既知のタイプのバッチ装置32は、食品をサック5に導入する。」(第3ページ第3欄第49行-第52行) 「その後ネック6は、キャッピング装置31およびバッチ装置32が作用する充填ステーシヨン30を含む、第1の処理ゾーンの下流にある第2の処理ゾーンに到達する。ディスク33は、第1の位置にある(図5参照)。キャッピング装置31は、ネック6からキャップを取り外すとディスク33は、第2の位置(図7)に移動し、バッチ装置32は、容器を充填する。 次に、ディスク33は第1の位置に戻り、キャッピング装置31がネック6のキャップと置き換わる。最後に、ネック6はトンネル20から出て、コンテナは傾斜した傾斜路10に運ばれる。」(第3ページ第4欄第40行-第50行) 「 [図:0001384298000012.jpg] 」(第1図) 「 [図:0001384298000013.jpg] 」(第2図) 「 [図:0001384298000014.jpg] 」(第3図) 「 [図:0001384298000015.jpg] 」(第5図) 「 [図:0001384298000016.jpg] 」(第7図) イ 上記記載からみて、甲7には、次の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されている。 (甲7発明) 「無菌環境下でのサック5の充填方法であって、サックは、ラインに沿って進み、各サック5の上部には、キャップ7で密閉されたネック6があり、トンネル20を通過する各ネック6は、ネブライザステーション28、ならびに第1および第2の加熱ステーション29'および29’’を通過し、各ステーションにおいて、ネック6は、滅菌液を噴霧するネブライザー43と、2つのヒーター44及び45とを含む滅菌装置42において、滅菌処理を受け、開口部23を通ってネック6の一部がトンネル20を通過し、キャッピング装置31は、ネック6が充填ステーション30で停止したときに、ネック6のキャップを外すと共に再度キャップし、ネック6は、キャッピング装置31及びバッチ処理装置32が作用する充填ステーションに到達し、キャッピング装置31は、ネック6からキャップを取り外し、バッチ装置32は、容器を充填する、無菌環境下でのサック5の充填方法。」 (2)甲2~甲6、甲8~甲10記載事項 ア 甲2~甲6には、上記1.(2)の事項が記載されている。 イ 甲8には、次の事項が記載されている。 「【0033】先ず、袋11を複数保持可能な袋装填用具101により、搬送レール61に複数の袋11を装填する。袋装填用具101は前述の搬送レール61に似た形状をしており、図6に示されるように、横断面が四角形の貫通孔を有する筒状部材であり、その1つの壁、図6においては下側の壁107には軸方向に延びるスリット103が形成されている。スリット103の幅は、スパウト15の径より大きく且つフランジ17の径より小さい。したがって開口部106から、フランジ17が下側の壁107に載るようにして袋11を多数装填することができる。この袋11の装填は袋11の製造工程において行われ、運搬時には、袋装填用具101の両端開口にはキャップが被せられ、袋11が外れないようにする。このようにして供給された袋11を装填済みの袋装填用具101を、一方の開口部からキャップを外して、搬送レール61に取りつけられた案内部材67の内部に挿入する(図5参照)。案内部材67に案内されて、袋装填用具101の軸芯が、搬送レール61の軸芯とほぼ一致するように、袋装填用具101を搬送レール61に突き合わせる。この時袋装填用具101のスリット103と搬送レール61のスリット62が一致するようになっている。その後、袋装填用具101に保持された袋11群を搬送レール61側に手で押し出し、搬送レール61に袋11群を装填する。この装填は、搬送レール61の並ぶ順序に関係なく行うことができ、また、チェーン51の上側、下側にも関係なく行うことができる。搬送装置31は、間欠駆動され、搬送レール61の2つ分の距離を移動すると一旦停止するようになっている。」 「 [図:0001384298000017.jpg] 」(【図6】) 以上から、甲8には、以下の事項が記載されている。 「第一端及び第二端を有する袋装填用具101。」 ウ 甲9には、次の事項が記載されている。 「【0036】 本発明のボトル容器においては、二つの方法が考えられる。第1の方法は、第1中栓(20)に第2中栓(30)を組み込んで中栓(2)を予め組み立てておく方法である。この場合、従来の充填ラインをそのまま使用して、ボトル本体(1)に内容物を充填後、組み立てた中栓(2)をボトル本体の開口部分(12)に打栓し、最後にオーバーキャップ(4)を被せ、内容物の充填されたボトル容器とする(図6参照)。 第2の方法は、第1中栓と第2中栓をセットし、その中栓をオーバーキャップの中に組み込んでおく方法である。この場合は、ボトル本体に内容物を充填後、オーバーキャップをボトル本体の開口部分に打栓する一工程だけで良く、充填ラインの合理化になる。 【0037】 つぎに内容物の注ぎ出し方について述べる。 オーバーキャップ(4)を開けると、オーバーキャップ(4)に嵌合している第2中栓(30)がオーバーキャップと共に上方に持ち上がる。第2中栓(30)に嵌合している第1中栓(20)の中央部分の突起係止部(27)が持ち上げられ、薄肉部(25)が破断して注出口が出現し、そこから内容物を注ぎ出すことができる。第1中栓(20)から切り離された突起係止部(27)は第2中栓(30)に保持されたままとなり、その後のオーバーキャップの開閉に悪影響を与えることはない。」 「 [図:0001384298000018.jpg] 」(【図6】) 以上から、甲9には、以下の事項が記載されている。 「ボトル本体(1)に内容物を充填後、組み立てた中栓(2)をボトル本体の開口部分(12)に打栓し、最後にオーバーキャップ(4)を被せ、内容物の充填されたボトル容器とする、オーバーキャップの装着方法。」 エ 甲10には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】密封した状態で、予めパウチ容器を放射線滅菌処理したスパウト付きパウチを充填機内で外面殺菌処理を施し、密封を解除して内容物を充填した後、別工程で殺菌処理を施したキャップを用いて、前記パウチ容器を密封することを特徴とするスパウト付きパウチの無菌充填方法。 【請求項2】前記放射線滅菌処理が、γ線照射、電子線照射、X線照射のいずれかの照射であることを特徴とする請求項1記載のスパウト付きパウチの無菌充填方法。」 「【0016】図1は、本発明のスパウト付きパウチの無菌充填方法におけるスパウト付きパウチ容器の外面殺菌を行う無菌充填装置の概略図である。上記の仮栓を付けた状態で、予め容器に殺菌処理を施したスパウト付きパウチ4を、図1に示した無菌充填装置1に備えたスパウト部分を搬送用チェーンに挿入してパウチ供給部3を介して、無菌チャンバー2内に送り込まれ、スパウト付きパウチ4は間欠送りで、無菌チャンバー2内を移動する。 【0017】まず、スパウト付きパウチ4の容器の外面殺菌が行われる。外面殺菌は、一例として過酸化水素ガス発生装置5に備えた過酸化水素ガス噴出ノズル6を介して、過酸化水素ガスをパウチ容器4に吹き付け、殺菌する。この工程で、過酸化水素ガスはパウチ容器4の表面に凝縮膜となって容器外面に均一に付着する。この凝縮膜を乾燥するために、無菌状態を保持するためのブロアー8、除菌フィルタ(ヘパフィルター)9を備えた無菌エア供給管に接続した乾燥ノズル10から噴出される高温(80~150℃程度)の無菌エアを吹き付ける。 パウチ容器4の外面殺菌が完了した後、仮栓外し装置もしくは口部切り外し装置12により、パウチ容器4に予め備えた仮栓11を外し、もしくは、図4に示すように、密封タイプの口栓部を有するパウチ容器4の場合は、口栓部を切り外し、殺菌済みの液体食品等を蓄えておく充填タンク13より充填ノズル14を介して内容液を充填する。」 「【0019】次ぎに、無菌状態を保持するためのブロアー20、除菌フィルタ(ヘパフィルター)21、を備えた無菌エア供給管に接続した乾燥ノズル22から噴出される無菌ホットエアを吹き付け、過酸化水素を活性化させると同時に乾燥除去する。 【0020】その後、キャップフィーダー部23で内容液を充填済みの容器本体にキャップ15を装着し、キャップ巻締め装置23で完全に密封した後、内容液を充填したスパウト付きパウチ24を無菌チャンバー2より排出する。」 「【0022】 【発明の効果】本発明により、清涼飲料、栄養剤等の液状食品もしくは飲料等をスパウト付きパウチに無菌充填する方法を提供することが可能である。本発明の無菌充填する方法によればパウチ容器内部は放射線照射滅菌することで薬剤の残留の問題がなく、外面殺菌で薬剤を使用してもパウチ容器内部に薬剤が入ることがない、内容液充填後の殺菌効果に優れた信頼性の高いので、スパウト付きパウチに無菌充填する方法を提供できる。さらに、内容液の味覚、品質等の変質を起こさない官能的に極めて優れた液状食品もしくは飲料等を充填したスパウト付きパウチ製品を提供できる。」 「 [図:0001384298000019.jpg] 」(【図1】) 以上から、甲10には、以下の事項が記載されている。 「ブロアー8から、除菌フィルタ9を備えた無菌エア供給管に接続した乾燥ノズル10から噴出される無菌エアを吹き付け、パウチ容器4の外面殺菌が完了した後、仮栓外し装置により仮栓を外し、充填ノズル14より内容液を充填し、その後、容器本体にキャップ15を装着する、スパウト付きパウチの無菌充填方法。」 (3)本件発明1について ア 対比 甲7発明の「サック5」、「ネック6」、「滅菌液」、「開口部23」は、本件発明1の「パウチ」、「スパウト」、「洗浄剤」、「レール」に相当する。 また、甲7発明の「バッチ装置32は、容器を充填する」ことは、本件発明1の「前記パウチに流動素材を充填する工程」に相当する。 また、甲7発明の「キャッピング装置31は、ネック6からキャップを取り外」すことと、本件発明1の「前記プラグの取り外し工程」とは、「密封係合手段の取り外し工程」の限りで一致する。 また、甲7発明の「キャッピング装置31は、ネック6が充填ステーション30で停止したときに、ネック6のキャップを外すと共に再度キャップ」することと、本件発明1の「空洞を密封するために、前記プラグを前記スパウトに再装着する工程」とは、「空洞を密封するために、密封係合手段をスパウトに再装着する工程」の限りで一致する。 甲7発明の「各サック5の上部には、キャップ7で密閉されたネック6があ」る態様と、本件発明1の「パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合された複数のパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程」とは、「パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合された本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合手段を有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程」の限りで一致する。 また、甲7発明の「キャッピング装置31は、ネック6が充填ステーション30で停止したときに、ネック6のキャップを外すと共に再度キャップし、ネック6は、キャッピング装置31及びバッチ処理装置32が作用する充填ステーションに到達し、キャッピング装置31は、ネック6からキャップを取り外し、バッチ装置32は、容器を充填する」態様と、本件発明1の「前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有するロータリ充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされている、工程と、前記プラグの取り外し工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで回転させる工程と、前記充填する工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで回転させる工程」とは、「前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、密封係合手段取り外しステーション、また、充填ステーションと密封係合手段再装着ステーションを有する充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記密封係合手段取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記密封係合手段再装着ステーションは、前記充填機に沿ってずらされている、工程と、前記密封係合手段の取り外し工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記密封係合手段取り外しステーションから前記充填ステーションまで移動させる工程と、前記充填する工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記密封係合手段再装着ステーションまで移動させる工程」の限りで一致する。 以上から、本件発明1と甲7発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「無菌状態のパウチの充填方法であって: パウチ供給工程であって、前記パウチは空洞を画定するようにともに結合された本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは前記スパウトに密封係合手段を有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、パウチ供給工程と、 洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、 前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程と、 前記パウチを前記第一端から前記第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程と、 前記第一端と前記第二端の間で、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程と、 前記密封係合手段の取り外し工程と、 前記パウチに流動素材を充填する工程と、 前記空洞を密封するために、前記密封係合手段を前記スパウトに再装着する工程と、 前記スパウトと前記密封係合手段を前記無菌ゾーンから取り出す工程と、 前記充填方法はさらに、 前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、密封係合手段取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有する充填機上に前記パウチを配置する工程であって、前記密封係合手段取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記密封係合手段再装着ステーションは、前記充填機に沿ってずらされている、工程と、 前記密封係合手段の取り外し工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記密封係合手段取り外しステーションから前記充填ステーションまで移動させる工程と、 前記充填する工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記密封係合手段再装着ステーションまで移動させる工程と、を有する充填方法。」 <相違点7-1> パウチに関して、本件発明1は、「複数のパネルを有する本体」を含むのに対し、甲7発明は、本体が複数のパネルを有するのか否かが明らかではない点。 <相違点7-2> 滅菌済みのガス源に関して、本件発明1では、「前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ誘導する工程であって、前記無菌ゾーンは、前記無菌ゾーン内で陽圧気流の滅菌済みガス源を有する、前記誘導する工程」を有するのに対して、甲7発明は、無菌ゾーン内で陽圧気流の滅菌済みガス源を有するか特定されていない点。 <相違点7-3> 密封係合手段に関して、本件発明1では、「前記プラグの取り外し工程」と、「前記空洞を密封するために、前記プラグを前記スパウトに再装着する工程」と、「前記プラグをキャップに、前記キャップを前記スパウトに結合する工程であって、前記キャップを外すと、前記プラグも取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程」と、を有するのに対して、甲7発明は、そのような工程を有さない点。 <相違点7-4> 充填機の構造及び充填機内のパウチの移動に関して、本件発明1の充填機は、「ロータリ充填機」であり、「前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記充填機に沿ってずらされている、工程」と、「前記プラグの取り外し工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで移動させる工程と、前記充填する工程後に、前記充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで移動させる工程」とを有するのに対して、甲7発明は、充填機がロータリ充填機ではなく、キャッピング装置31、バッチ装置32、キャッピング装置31が角度方向にずらされておらず、パウチがキャッピング装置31からバッチ装置32まで回転せず、また、パウチが充填機からキャッピング装置31まで回転しない点。 イ 相違点についての判断 (ア)相違点7-4について 事案に鑑み、相違点7-4より検討する。 上記(2)アのとおり、甲2には、「充填ノズルを複数設けたロータリ充填機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)イのとおり、甲3には、「給袋工程、複数の液充填部と複数のシールフィルム打ち抜き・仮シール部を有するロータリ充填機上に袋を配置する工程を有し、液充填部及びシールフィルム打ち抜き・仮シール部は、ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされているものであり、ロータリ充填機内の袋を、充填部まで回転させる工程と、充填する工程後に、ロータリ充填機内のパウチを、充填部からシールフィルム打ち抜き・仮シール部まで回転させる工程と、を有する充填方法。」が記載されている。 上記(2)ウのとおり、甲4には、「複数のノズルヘッドを有する回転形機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)エのとおり、甲5には、「パウチ22を回転盤27を備えた内容物充填装置20に供給する工程、複数の充填ノズル21から内容物をパウチ22に充填する工程を有し、充填ノズル21及びキャップ締付装置33は、内容物充填装置20の回転盤27に沿って角度方向にずらされ、内容物充填装置20内のパウチ22を充填ノズル21の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、内容物充填装置20内のパウチ22を、充填ノズル21の位置からキャップ締付装置33の位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 上記(2)オのとおり、甲6には、「容器Yを、連続回転テーブル1を備えた液充填装置に供給する工程と、複数の充填ノズル40から内容物を容器Yに充填する工程を有し、充填ノズル40及び中蓋シール手段Fは、液充填装置の連続回転テーブル1に沿って角度方向にずらされ、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置から中蓋シール手段Fの位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 上記3.(2)イのとおり、甲8には、「第一端及び第二端を有する袋装填用具101。」が記載されている。 上記3.(2)ウのとおり、甲9には、「ボトル本体(1)に内容物を充填後、組み立てた中栓(2)をボトル本体の開口部分(12)に打栓し、最後にオーバーキャップ(4)を被せ、内容物の充填されたボトル容器とする、オーバーキャップの装着方法。」が記載されている。 上記3.(2)エのとおり、甲10には、「ブロアー8から、除菌フィルタ9を備えた無菌エア供給管に接続した乾燥ノズル10から噴出される無菌エアを吹き付け、パウチ容器4の外面殺菌が完了した後、仮栓外し装置により仮栓を外し、充填ノズル14より内容液を充填し、その後、容器本体にキャップ15を装着する、スパウト付きパウチの無菌充填方法。」が記載されている。 しかし、甲2~甲6、甲8~甲10には、いずれも「前記プラグ取り外しステーション、前記充填ステーションおよび前記プラグ再装着ステーションは、前記ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされている工程」と、「前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションまで回転させる工程と、前記充填する工程後に、前記ロータリ充填機内の前記パウチを、前記充填ステーションから前記プラグ再装着ステーションまで回転させる工程」とを有するロータリ充填機は記載も示唆もされていないから、相違点7-4に係る本件発明1の構成は、甲7発明及び甲2~甲6、甲8~甲9に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 よって、相違点7-1~相違点7-3について判断するまでもなく、本件発明1は、甲7発明及び甲2~6、甲8~甲10に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明2~9について 本件発明2~9は、本件発明1に対して、さらに技術的事項を追加したものである。 よって、上記(3)に示した理由と同様の理由により、本件発明2~9は、甲7発明及び甲2~甲6、甲8~甲10に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。 (5)本件発明10について ア 対比 甲7発明の「サック5」、「ネック6」、「滅菌液」は、本件発明10の「パウチ」、「スパウト」、「洗浄剤」に相当する。 また、甲7発明の「ネック6」は、開口部23を通ってネック6の一部がトンネル20を通過する」態様は、本件発明10の「前記複数のパウチを前記無菌ゾーンから取り出す工程」に相当する。 また、甲7発明の「サック5」が複数あることは明らかであるから、甲7発明の「キャッピング装置31は、ネック6が充填ステーション30で停止したときに、ネック6のキャップを外す」態様は、本件発明10の「前記プラグ取り外しステーション内で、ほぼ同時に前記プラグを取り外す工程」とは、「プラグ取り外しステーション内で、密封係合手段を取り外す工程」の限りで一致する。 また、甲7発明の「バッチ装置32は、容器を充填する」ことと、本件発明10の「前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程」は、「前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材を充填する工程」の限りで一致する。 また、甲7発明の「ネック6のキャップを外すと共に再度キャップ」する態様と、本件発明10の「前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトにほぼ同時に前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程」とは、「前記密封係合手段再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトに密封係合手段を再装着して各空洞を封止する工程」の限りで一致する。 甲7発明の「各サック5の上部には、キャップ7で密閉されたネック6があ」る態様と、本件発明10の「複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合された複数のパネルを有する本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合するプラグを有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程」とは、「複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合されたと、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合する密封係合手段を有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程」の限りで一致する。 また、甲7発明の「各サック5」の「ネック6は、キャッピング装置31及びバッチ処理装置32が作用する充填ステーションに到着し、キャッピング装置31は、ネック6からキャップを取り外し、バッチ装置は、容器を充填する」ことと、本件発明10の「前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、誘導する工程と、前記複数のパウチを前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程」とは、「前記複数のパウチを充填機内へ誘導する工程であって、前記充填機は、プラグ取り外しステーションと、充填ステーションと、プラグ再装着ステーションとを有する、誘導する工程と、前記複数のパウチを前記プラグ取り外しステーションの一つの中へ誘導する第一工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記充填ステーションへ誘導する第二工程と、前記複数のパウチを、前記充填ステーションから前記密封係合手段再装着ステーションまで誘導する第三工程」の限りで一致する。 以上から、本件発明10と甲7発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「複数の無菌状態のパウチの充填方法であって、 複数のパウチを供給する工程であって、各パウチは、空洞を画定するようにともに結合された本体と、前記空洞への進入口として機能するスパウトとを含み、前記スパウトは、前記スパウトに密封係合する密封係合手段を有することにより、前記空洞へのアクセスを防止する、複数のパウチを供給する工程と、 洗浄剤で前記複数のパウチの外面を洗浄する工程と、 前記複数のパウチの各々の前記スパウトと前記プラグを無菌ゾーンへ順次誘導する工程と、 前記複数のパウチを充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、前記誘導する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ誘導する第一工程と、 前記プラグ取り外しステーション内で、前記密封係合手段を取り外す工程と、 前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ誘導する第二工程と、 前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材を充填する工程と、 前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数の密封係合手段再装着ステーションまで誘導する第三工程と、 前記密封係合手段再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトに前記密封係合手段を再装着して各空洞を封止する工程と、 前記複数のパウチを前記無菌ゾーンから取り出す工程と、 を有する方法。」 <相違点7-5> 無菌ゾーンに関して、本件発明10は、「前記無菌ゾーンは、陽圧気流の滅菌済みガスの供給源を有する」のに対して、甲7発明は、このような無菌ゾーンを有さない点。 <相違点7-6> ロータリキャップ取付機に関して、本件発明10は、「前記複数のパウチを、ロータリキャップ取付機内へ回転可能に誘導する第四工程であって、前記取付機は、複数のキャップ取付ヘッドを有する工程と、前記ロータリキャップ取付機内で解除可能に係合するように、前記プラグをキャップおよび前記スパウトにほぼ同時に結合する工程であって、前記キャップを外すと前記プラグも同時に取り外され、前記空洞にアクセスできるようになる工程」を有するのに対して、甲7発明は、複数のキャップ取り付けヘッドを有する工程と、空洞にアクセスできるようになる工程を有さない点。 <相違点7-7> 充填機の構造、充填機内のパウチの移動に関して、本件発明10の「充填機」は、「ロータリ充填機」であり、「前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、誘導する工程と、前記複数のパウチを前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、前記プラグ取り外しステーション内で、ほぼ同時に前記プラグを取り外す工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、前記充填ステーション内で、前記複数のパウチの各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程と、前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程と、前記プラグ再装着ステーション内で、前記複数のパウチの各々の前記スパウトにほぼ同時に前記プラグを再装着して各空洞を封止する工程」と、を有するのに対して、甲7発明は、「充填機」が「ロータリ充填機」ではなく、キャッピング装置31、バッチ処理装置32、キャッピング装置31が複数設けられておらず、サック5が、キャッピング装置31からバッチ処理装置32まで回転せず、また、サック5がバッチ処理装置32からキャッピング装置31まで回転せず、キャッピング装置31内で、ほぼ同時に密封係合手段を取り外す工程を有さず、バッチ装置32内で、複数のサック5の各々に流動素材をほぼ同時に充填する工程を有さず、キャッピング装置31内で、複数のサック5の各々のスパウトにほぼ同時に密封係合手段を再装着して各空洞を封止する工程を有しない点。 イ 相違点についての判断 (ア)相違点7-7について 事案に鑑み、相違点7-7より検討する 上記(2)アのとおり、甲2には、「充填ノズルを複数設けたロータリ充填機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)イのとおり、甲3には、「給袋工程、複数の液充填部と複数のシールフィルム打ち抜き・仮シール部を有するロータリ充填機上に袋を配置する工程を有し、液充填部及びシールフィルム打ち抜き・仮シール部は、ロータリ充填機に沿って角度方向にずらされているものであり、ロータリ充填機内の袋を、充填部まで回転させる工程と、充填する工程後に、ロータリ充填機内のパウチを、充填部からシールフィルム打ち抜き・仮シール部まで回転させる工程と、を有する充填方法。」が記載されている。 上記(2)ウのとおり、甲4には、「複数のノズルヘッドを有する回転形機を用いた充填方法。」が記載されている。 上記(2)エのとおり、甲5には、「パウチ22を回転盤27を備えた内容物充填装置20に供給する工程、複数の充填ノズル21から内容物をパウチ22に充填する工程を有し、充填ノズル21及びキャップ締付装置33は、内容物充填装置20の回転盤27に沿って角度方向にずらされ、内容物充填装置20内のパウチ22を充填ノズル21の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、内容物充填装置20内のパウチ22を、充填ノズル21の位置からキャップ締付装置33の位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 上記(2)オのとおり、甲6には、「容器Yを、連続回転テーブル1を備えた液充填装置に供給する工程と、複数の充填ノズル40から内容物を容器Yに充填する工程を有し、充填ノズル40及び中蓋シール手段Fは、液充填装置の連続回転テーブル1に沿って角度方向にずらされ、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置まで回転させる工程と、充填する工程の後に、液充填装置内の容器Yを、充填ノズル40の位置から中蓋シール手段Fの位置まで回転させる工程とを有する、充填方法。」が記載されている。 上記3.(2)イのとおり、甲8には、「第一端及び第二端を有する袋装填用具101。」が記載されている。 上記3.(2)ウのとおり、甲9には、「ボトル本体(1)に内容物を充填後、組み立てた中栓(2)をボトル本体の開口部分(12)に打栓し、最後にオーバーキャップ(4)を被せ、内容物の充填されたボトル容器とする、オーバーキャップの装着方法。」が記載されている。 上記3.(2)エのとおり、甲10には、「ブロアー8から、除菌フィルタ9を備えた無菌エア供給管に接続した乾燥ノズル10から噴出される無菌エアを吹き付け、パウチ容器4の外面殺菌が完了した後、仮栓外し装置により仮栓を外し、充填ノズル14より内容液を充填し、その後、容器本体にキャップ15を装着する、スパウト付きパウチの無菌充填方法。」が記載されている。 しかし、甲2~甲6、甲8~甲10には、いずれも「前記複数のパウチをロータリ充填機内へ誘導する工程であって、前記ロータリ充填機は、複数のプラグ取り外しステーションと、複数の充填ステーションと、複数のプラグ再装着ステーションとを有する、誘導する工程と、前記複数のパウチを前記複数のプラグ取り外しステーションの一つの中へ回転可能に誘導する第一工程と、前記複数のパウチを、前記プラグ取り外しステーションから前記複数の充填ステーションへ回転可能に誘導する第二工程と、前記複数のパウチを、前記複数の充填ステーションから前記複数のプラグ再装着ステーションまで回転可能に誘導する第三工程」とを有するロータリ充填機は記載も示唆もされていないから、相違点7-7に係る本件発明10の構成は、甲7発明及び甲2~甲6、甲8~甲9に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 よって、相違点7-5~相違点7-6について判断するまでもなく、本件発明10は、甲7発明及び甲2~6、甲8~甲10に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (6)本件発明11~18について 本件発明11~18は、本件発明10に対して、さらに技術的事項を追加したものである。 よって、上記(3)に示した理由と同様の理由により、本件発明10~18は、甲7発明及び甲2~甲6、甲8~甲10に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。 3.明確性について (1)申立人は、特許法36条第6項2号(明確性)について、以下のとおりに申し立てている。 ア 請求項1について 請求項1は、 「洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、 前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程と、 - 前記パウチを前記第一端から前記第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程と、 - 前記第一端と前記第二端の間で、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程と、」 を有するとともに、 「- 前記パウチに流動素材を充填する工程」において、さらに、 「- 前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有するロータリ充填機上に前記パウチを配置する工程」を有するものである。 ここで、上記の各「第一端」及び「第二端」について、「カートリッジ充填組立体12」におけるフレームの「第一端28」又は「第二端30」を指すのか、「カートリッジ100」において対向レール106が「本体に沿って第一端と第二端の間に延び、中心スロット107を形成」する際の「第一端」(カートリッジ100の両端部104、105のうちの一方(カートリッジの第一端(段落0032))又は「第二端」(カートリッジ100の両端部104、105のうちのもう一方(カートリッジの第二端(段落0032))を指すのかが不明であり、その技術的意味が明確でない。 イ 請求項2について 請求項2の「前記ロータリ充填機内の前記パウチを回転させる工程」について、パウチをどのように回転させるのか、その回転方向、回転手段等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 ウ 請求項3について 請求項3の「前記プラグが前記ロータリ充填機上の前記パウチと共に回転するように前記プラグを前記パウチ付近に配置する」について、パウチ付近に配置したプラグとパウチとを、どのようにすれば共に回転させ得るのか等、その回転方向、回転手段等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 エ 請求項5について 請求項5の「前記ロータリ充填機内の前記パウチを回転させる工程はさらに、前記スパウトの保持により前記パウチを回転させる工程を有する」について、スパウトの保持によりどのようにパウチを回転させるのか等、その回転方向、回転手段等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 オ 請求項6について 請求項6の「キャップ取付ヘッドを有するロータリキャップ取付機上で前記パウチを受け取る」について、ロータリキャップ取付機上がどこを指すのかが明確でなく、当該規定の技術的意味等が明確でない。 請求項6の「前記パウチを前記キャップ取付ヘッドまで回転させる」及び「前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる」について、それぞれ具体的にどのようにパウチを回転させるのか等、その回転方向、回転手段等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 請求項6の「前記結合する工程はさらに、・・・ - 前記結合する工程後に、前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる工程と、・・・、を有する充填方法。」について、結合する工程と、結合する工程後のパウチを回転させる工程との技術的関係等が明確ではない。 カ 請求項10について 請求項10の「回転可能に誘導する」について、具体的にどのような手段等で回転可能に誘導するのか、どのような誘導手段等が回転可能に誘導することに相当するのか等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 キ 請求項15について 請求項15の「回転可能に誘導する」について、具体的にどのような手段等で回転可能に誘導するのか、どのような誘導手段等が回転可能に誘導することに相当するのか等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 請求項15の「前記複数のパウチの各々の前記プラグを回転可能に誘導する第一工程と第二工程」について、具体的にどのような手段等で回転可能に誘導するのか、どのような誘導手段等がプラグを回転可能に誘導することに相当するのか等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 請求項15の「前記複数のパウチの各々の前記プラグを回転可能に誘導する第一工程と第二工程」について、第一工程と第二工程の詳細、異同等が不明であるから、当該規定の技術的意味等が明確でない。 ク 特許法第36条第6項第2号(明確性)のまとめ 上記のとおりであるから、本件の特許請求の範囲の記載は、明確でなく、その特許が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願にされたものであるから、同法113条第4項の規定に該当し、取り消されるべきである。 (2)本件発明1について 請求項1には、「前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程と、 前記パウチを前記第一端から前記第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程と、 前記第一端と前記第二端の間で、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程」と記載されている。 そして、「前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程」との記載から、この記載以降の「前記第一端」及び「前記第二端」との記載は、レールの第一端及び第二端を特定しているものと理解できる。 さらに、請求項1では、第一端及び第二端について、レールの第一端及び第二端以外の端部は特定されていないから、請求項1における「前記第一端」及び「前記第二端」は、フレームの第一端及び第二端、または、カートリッジの第一端及び第二端を示すものではない。 よって、請求項1における「第一端」及び「第二端」の記載は明確である。 (3)本件発明2について 請求項2には、「前記ロータリ充填機内の前記パウチを回転させる工程」と記載されている。 通常、ロータリ充填機は、パウチを回転させ、回転方向は、時計回りか反時計回りであり、回転手段等は、電動機等であることは、明らかであり、当該規定の技術的意味は、ロータリ充填機内でパウチを回転させ、パウチに充填することであることは明らかである。 (4)本件発明3について 請求項3には、「前記プラグが前記ロータリ充填機上の前記パウチと共に回転するように前記プラグを前記パウチ付近に配置する」と記載されている。 通常、プラグをパウチ付近に配置し、プラグとパウチを一体的に固定したり、パウチを固定する手段にプラグも同時に固定する等により、プラグとパウチとを共に回転させることができることは、明らかであり、回転方向は、時計回りか反時計回りであり、回転手段等は、電動機等であることは、明らかであり、当該規定の技術的意味は、ロータリ充填機内でパウチを回転させ、パウチに充填し、プラグをパウチ付近に配置しておくことであることは明らかである。 (5)本件発明5について 請求項5には、「前記ロータリ充填機内の前記パウチを回転させる工程はさらに、前記スパウトの保持により前記パウチを回転させる工程を有する」と記載されている。 請求項5が引用する請求項1では、「前記パウチは」、「スパウト」「を含」むものであるから、スパウトの保持によりパウチが回転できることは明らかであり、スパウトを保持することにより、パウチをロータリ充填機内で回転させることは明らかである。また、パウチの回転方向は、時計回りか反時計回りであり、回転手段等は、電動機等であることも明らかであり、請求項5における当該規定の技術的意味は、ロータリ充填機内でパウチを回転させ、パウチに充填し、スパウトを保持することでパウチを回転させることであることは明らかである。 (6)本件発明6について ア 請求項6には、「キャップ取付ヘッドを有するロータリキャップ取付機上で前記パウチを受け取る」と記載されている。 請求項6における「ロータリキャップ取付機上」は、「ロータリキャップ取付機」の「上」を表していることは明らかであり、当該規定の技術的意味は、ロータリキャップ取付機の上でパウチを受け取ることにより、ロータリキャップ取付機の上にパウチを配置することであることは明らかである。 イ 請求項6には、「前記パウチを前記キャップ取付ヘッドまで回転させる」及び「前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる」と記載されている。 ここで、パウチの回転方向は、時計回りか反時計回りであり、回転手段等は、電動機等であることも明らかであり、当該規定の技術的意味は、ロータリ充填機内でパウチを回転させ、パウチに充填し、パウチをパウチ取付ヘッドまで回転させること、パウチを取付ヘッドから離れるように回転させることであることは明らかである。 ウ 請求項6には、「前記結合する工程はさらに、 - 前記・・・、 - 前記結合する工程後に、前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる工程と、・・・を有する充填方法。」と記載されている。 当該記載は、「結合する工程」と「前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる工程」とが、時間的に、「結合する工程」の後に「前記キャップ取付ヘッドから離れるように前記パウチを回転させる工程」を有することを特定していることは明らかである。 (7)本件発明10について 請求項10には、「回転可能に誘導する」と記載されている。 当該記載は、ガイド等を用いて回転可能に誘導することは明らかであり、当該規定の技術的意味は、回転可能に誘導することであることは明らかである。 (8)本件発明15について ア 請求項15には、「回転可能に誘導する」と記載されている。 当該記載は、ガイド等を用いて回転可能に誘導することは明らかであり、当該規定の技術的意味は、回転可能に誘導することであることは明らかである。 イ 請求項15には、「前記複数のパウチの各々の前記プラグを回転可能に誘導する第一工程と第二工程」と記載されている。 当該記載は、ガイド等を用いて回転可能に誘導することは明らかであり、当該規定の技術的意味は、プラグを回転可能に誘導することであることは明らかである。 ウ 請求項15には、「前記複数のパウチの各々の前記プラグを回転可能に誘導する第一工程と第二工程」と記載されている。 当該記載から、第一工程と第二工程はいずれも、複数のパウチの各々のプラグを回転可能に誘導することが明らかである。 4.サポート要件について (1)申立人は、特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について、以下のとおりに申し立てている。 請求項1においては、 「洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程であって、前記洗浄する工程は、 - 前記パウチを、第一端と第二端とを有するレール上に配置する工程と、 - 前記パウチを前記第一端から前記第二端まで、前記レール沿いに平行移動させる工程と、 - 前記第一端と前記第二端の間で、洗浄剤を前記パウチに向ける工程と、を有する、前記洗浄する工程と、」 を有するとともに、 「- 前記パウチに流動素材を充填する工程」において、さらに、 「- 前記パウチの外面を洗浄する工程と前記パウチを前記第二端へ平行移動させる工程との後に、プラグ取り外しステーション、また、充填ステーションとプラグ再装着ステーションを有するロータリ充填機上に前記パウチを配置する工程」を有する旨が規定されている。 ここで、発明の詳細な説明(段落0031~0035)及び図面(図1等)には、「洗浄剤でパウチの外側を洗浄する工程」として、図4で表されるカートリッジ100における第一端及び第二端の間(カートリッジ100の両端部104、105の間)にパウチが保持されている間に、パウチを第二端へ移動させることなくパウチ洗浄組立体14に導入してパウチの洗浄を行う工程が記載されていると解される。これより、「第一端」及び「第二端」が特定の部位等である態様については発明の詳細な説明又は図面に示されものの、その余の態様等について、ついては何ら記載されていないことから、請求項1の記載は、発明の詳細な説明及び図面に記載されている範囲を超えるものである。 したがって、本件の特許請求の範囲の記載は、発明の詳細な説明の記載及び図面の記載により当業者が認識できる範囲を超えて特許を請求するもので、その特許が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願にされたものであるから、同法113条第4号の規定に該当し、取り消されるべきである。 (2)本件発明1について ア 特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定される要件に適合するか否かは、特許請求の範囲と発明の詳細な説明とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。 イ 本件明細書の発明の詳細な説明の段落【0005】には、本件発明の解決しようとする課題について、「従来、補助具を装備している直立型パウチの無菌充填は困難であって。特に、パウチは無菌状態にすることが難しく、そのようなパッケージ包装材にねじ込み式閉鎖部を導入することは高価である。実際、補助具を有する直立型パウチの無菌充填のためのコスト効果に優れる解決方法は大きな課題であった。」と記載されている。 また、この課題の解決のために、発明の詳細な説明の段落【0035】、【0039】、【0040】には、「処理室内において、パウチは、例えば、洗浄剤(上記、液体、ガスまたはそれらの組み合わせ)による薬品処理を受ける。示した構成では、高温の過酸化水素蒸気を処理室から指向的に噴射して、パウチの外面を洗浄することが想定される。」(【0035】)、「各プラグ取り外しステーションにおいて、プラグ取り外し機は、各容器のスパウトからプラグ220を取り外し、プラグを移送組立体に沿って、パウチに隣接して配置し、それにより、プラグをパウチと共にロータリ充填機上を回転可能に移動するように構成されている。」(【0039】)、「充填ステーションは、四つのパウチに同時に流動素材を充填するように構成されている。」(【0040】)、「プラグ再装着ステーション62は、各々のパウチと共に移動している各々のプラグを把持し、プラグをパウチに移動させ、パウチに再びキャップを取り付ける。」(【0041】)と記載されている。 ウ 本件明細書の上記記載からすると、「洗浄剤でパウチの外面を洗浄する工程」と、「前記プラグの取り外し工程」と、「前記パウチに流動素材を充填する工程」と、「前記空洞を密封するために、前記プラグを前記スパウトに再装着する工程」との事項を備えることにより課題を解決し得ると認識できるから、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載したものである。 第5 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~18に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~18に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700006

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