2019-700171
スロットマシン
- 審判番号
- 2019-700171
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2015-115851外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年03月01日
- 審決日
- 2019年12月24日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許株式会社
- 【異議申立人代理人】特許業務法人 武和国際特許事務所
- 分類
- P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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特許第6385313号の請求項1に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成26年3月25日に出願した特願2014-62337号の一部を平成27年6月8日に新たな特許出願(特願2015-115851号)としたものであって、平成30年8月17日にその特許権の設定登録がされ、同年9月5日に特許掲載公報が発行された。
その後、その特許に対し、平成31年3月1日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされた。
その後、当審より、令和1年6月28日付けで取消理由が通知され、同年8月28日に特許権者から意見書及び訂正請求書が提出された。
なお、令和1年9月10日付けで申立人に、特許法第120条の5第5項の規定に基づく訂正請求があった旨の通知を行い意見を求めたが、その指定期間内に応答はなかった。
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、上記訂正請求書の記載によれば、以下の訂正事項1ないし2のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示し、「・・・」は、転記を省略している箇所を示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、
「・・・前記スロットマシンは、・・・前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となるまでにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能である、スロットマシン。」と記載されているのを、
「・・・前記スロットマシンは、・・・前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となるまでにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能であり、前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了し、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった後、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が上限数未満である場合には、遊技媒体の投入が検出されているか否かを判定し、遊技媒体の投入が検出されていない場合には、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する、 スロットマシン。」に訂正する。
(2)訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0007】において、
「・・・前記スロットマシンは、・・・前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となるまでにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能である。」と記載されているのを、
「・・・前記スロットマシンは、・・・前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となるまでにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能であり、前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了し、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった後、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が上限数未満である場合には、遊技媒体の投入が検出されているか否かを判定し、遊技媒体の投入が検出されていない場合には、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する。」に訂正する。
2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1において、「スロットマシン」が、「前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了し、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった後、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が上限数未満である場合には、遊技媒体の投入が検出されているか否かを判定し、遊技媒体の投入が検出されていない場合には、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する」ことを限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
訂正事項1は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
ウ 新規事項の追加でないこと
訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の記載、特に段落【0053】、【0227】-【0230】、【0233】-【0235】、【0239】、【0256】、図13及び図14の記載に基づいて導き出される構成であるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正を行ったことにより、願書に添付した明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の請求項1の記載と整合をとるために訂正するものであることから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである
ウ 新規事項の追加でないこと
訂正事項2は、上記アのとおり、訂正事項1に係る訂正を行ったことにより、願書に添付した明細書の段落【0007】の記載を、特許請求の範囲の請求項1の記載と整合をとるために訂正するものであるから、訂正事項1において検討したとおり、訂正事項2も、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
3 まとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び同項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件特許の明細書及び特許請求の範囲についての訂正を認める。
第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
上記第2のとおり本件訂正は認められたので、本件訂正により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(AからRの符号は、当審にて分説して付した。)。
本件訂正発明
「【請求項1】A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、C 遊技を行うための賭数を設定する賭数設定手段と、続きを表示(全21行)D 表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段と、E 導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段と、F 賭数を設定するために用いられる遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段と、G 遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能な遊技用価値更新手段と、H 設定された賭数を特定可能な賭数設定報知を行う賭数設定報知手段とを備え、I 前記事前決定手段による決定結果には、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する再遊技表示結果組合せのうち、特定表示結果組合せの導出が許容される第1再遊技決定結果と、前記特定表示結果組合せとは異なる所定表示結果組合せの導出が許容される第2再遊技決定結果とが含まれ、J 前記事前決定手段の決定結果が前記第1再遊技決定結果であるときには有利状態への制御に関する抽選が実行不可能であるのに対して、前記事前決定手段の決定結果が前記第2再遊技決定結果であるときには当該抽選が実行可能であり、K 前記導出制御手段は、前記事前決定手段による決定結果が前記第1再遊技決定結果である場合には前記特定表示結果組合せを導出可能な制御を行い、L 前記事前決定手段による決定結果が前記第2再遊技決定結果である場合には前記所定表示結果組合せを導出可能な制御を行い、M 前記遊技用価値更新手段は、前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せのいずれが導出されたときでも、遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能であり、N 前記賭数設定報知手段は、前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せのいずれが導出されたときでも、前記賭数設定手段によって遊技用価値を用いることなく遊技を行うための賭数が設定されるときに、当該遊技の前の遊技における前記賭数設定報知の態様を引き継ぎ、O 前記スロットマシンは、ゲームが行われているときにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、1ゲームに対して設定されている賭数を記憶する賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、P 前記再遊技表示結果組合せが導出されずにゲームが終了した後において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が予め定められた上限数未満であるときには前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新し、当該上限数に達しているときには前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新し、Q 前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となるまでにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能であり、R 前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了し、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった後、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が上限数未満である場合には、遊技媒体の投入が検出されているか否かを判定し、遊技媒体の投入が検出されていない場合には、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する、 スロットマシン。」
2 特許異議申立理由の概要
申立人は、本件訂正による訂正前の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)に対し、以下の甲第1号証から甲第5号証を提示し、本件特許発明は、甲第1号証から甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである旨、申し立てている。
3 取消理由の概要
当審により、本件特許発明に対して、令和1年6月28日付けで特許権者に通知した取消理由(この通知を以下「取消理由通知」という。)の概要は、次のとおりである。
本件特許発明は、以下の甲第1号証から甲第5号証及び引用文献6に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。
4 甲第1号証及び甲第2号証について
(1)甲第1号証
甲第1号証(特開2010-115328号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同様。記載事項の摘記にあたり、後で認定を行う、甲1発明の符号aからrに対応するよう、例えば、記載事項アは符号aの認定の根拠、同イは符号bの認定の根拠、・・・、記載事項クは符号i’、k’、l’の認定の根拠となる段落の摘記となるよう対応付け、記載事項ケ及びコは符号g、pの認定の根拠、記載事項サ~セは符号m’、q、r’の認定の根拠となるよう対応付けて摘記を行った。なお、複数の符号aからrの認定の根拠となる段落については、初出の箇所で摘記した。また、摘記を省略した箇所「・・・」は、各符号aからrの認定に必要でない箇所を表しているので、当該箇所「・・・」に、他の符号aからrの認定の根拠となる段落番号が含まれることがある。 )。
・記載事項
ア 「【技術分野】【0001】本発明は、スロットマシン(パチスロ)等の遊技台に関する。・・・続きを表示(全11行)【0010】<全体構成>図1に示すスロットマシン10は本体11と本体11の正面に取付けられ、本体11に対して開閉可能な前面扉12とを備える。本体11の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール1、中リール2、リール3)収納され、スロットマシン10の内部で回転できるように構成されている。これらのリール1乃至3は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。【0011】本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール1乃至3が構成されている。リール1乃至3上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール1乃至3を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール1乃至3は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン10の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。【0012】図5は各リール1乃至3に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール1乃至3には、複数種類の図柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。なお、同図の左端に示した番号0乃至20は、各リール1~112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール1の番号0のコマにはベルの図柄、番号1のコマにはリプレイの図柄、番号2のコマには白7の図柄、がそれぞれ配置されている。図柄は、ある図柄と他の図柄とを識別可能な識別子であれば如何なるものも採用でき、数字、英字、図形、イラスト、等が採用可能である。」
イ 「【0053】S7では全リール1乃至3の回転を開始させるリール回転処理を行なう。S8ではリール停止制御処理を行なう。ここでは、S6で選択したリール停止制御テーブルに従い、ストップボタン37乃至39に対する操作に応じて、リール1乃至3のうち、操作されたストップボタン37乃至39に対応するいずれかのリールを制御して停止させる。全リール1乃至3が停止するとS9へ進む。【0054】S9では入賞判定処理及び内部当選状態設定処理2を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役又は内部当選中のボーナスの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ-スイカ-スイカ」が揃っていたならばスイカ(小役)入賞と判定する。判定結果は、RAM313の所定の記憶領域に記憶し、判定結果を示すコマンド(入賞判定結果コマンド)を副制御部400へ送信する。・・・」
ウ 「【0016】ベットボタン30乃至32は、スロットマシン10に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)の投入指示操作を受け付けるためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン30が押下されると1枚投入、ベットボタン31が押下されると2枚投入、ベットボタン32が押下されると、その遊技で投入可能なメダルの数(規定数という)のうち、最大の規定数のメダルが投入されるようになっており、メダルの投入数を選択する操作部を構成している。なお、ベットボタン32はMAXベットボタンとも言う。・・・【0064】<再遊技入賞時処理>再遊技に入賞すると次遊技のメダル投入が免除される。本実施形態では、仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更可能とする。しかし、免除するメダル投入数を、遊技者に最も有利な投入数に設定し、変更不能とする構成も採用可能である。例えば、本実施形態の場合、通常遊技の場合は3枚、BB一般遊技の場合は2枚とする。RBゲームの場合は規定数が2のみであるので、2枚である。」
エ 「【0024】<主制御部>まず、図2を参照してスロットマシン10の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。・・・【0048】続きを表示(全11行)<遊技の基本的制御>図8は、本実施形態のスロットマシン10における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御はCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この処理について説明する。なお、主制御部300はスロットマシン10に対する遊技者の操作や、各処理の処理結果を示すコマンドを随時副制御部400へ送信する。副制御部400はスロットマシン10のステータス情報としてこれをRAM513に格納しておき、スロットマシン10の状態を常時把握することができる。以下の説明においては、特に重要なコマンドについてのみ説明する。・・・【0051】S6では、リール停止制御テーブル選択処理を行なう。ここでリール1乃至3の停止制御の例について簡単に説明する。本実施形態においては滑りコマ制御、蹴飛ばし制御等と称される公知のリール停止制御を採用する。このリール停止制御は、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する図柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する図柄組合せが揃って表示されないように構成されている。・・・【0052】リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データテーブルの中から内部抽選結果等に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データテーブルに示された停止位置データに従って行なわれる。S6ではこのリール停止制御テーブルの選択を行なう。」
オ 「【0049】電源が投入されるとS1で初期化処理が行なわれる。そして、メダルの投入を条件に遊技が開始される。S2ではメダル投入・スタート操作受付処理を行なう。ここでは、主としてメダルのベットに関する処理と、スタートレバー35に対する遊技の開始操作の検知に関する処理等を行う。詳細は後述する。S3では、S2の処理結果に応じて内部抽選データ及び入賞ラインの設定処理を行なう。ここではS2の処理で確定したメダルの投入数と現在の遊技状態とに基づいて内部抽選データを設定する。また、その遊技で有効となる入賞ラインを確定し、対応する入賞ライン表示ランプ20を点灯させる。【0050】S4では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。S5ではS4で取得した乱数値と、S3で設定した内部抽選データとに基づいて、入賞役の内部抽選及び内部当選状態設定処理1を行う。内部当選状態設定処理1は、内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグをONとし、その入賞役の内部当選状態を設定する処理である。」
カ 「【0026】また、CPU310には各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止制御データ等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。RAM313は、遊技者が所有するメダルをその投入操作によって電子的にクレジットとして貯留するために、該クレジットの数を記憶する記憶手段としても機能する。・・・」
キ 「【0014】入賞ライン表示ランプ20は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。」
ク 「【0041】・・・○再遊技入賞により、次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である。」
ケ 「【0057】<メダル投入・スタート操作受付処理>次に、S2のメダル投入・スタート操作受付処理について図9乃至図13を参照して説明する。概説すると、メダル投入口41に対する実メダルの投入或いはベットボタン30乃至32に対する操作(ベット操作)があると、その投入数を仮投入数として受け付ける。仮投入数は変更可能であり、本実施形態の場合、実メダルが投入された場合は、仮投入数を加算することで変更し、ベットボタン30乃至32に対するベット操作がされた場合は、各ボタンに対応するメダル投入数に仮投入数を変更する。仮投入数は、RAM313の所定の記憶領域に記憶する。」
コ 「【0060】S22では、前回の遊技の結果が、再遊技に入賞であったか否かを判定する。該当する場合はS23へ進み、該当しない場合はS24へ進む。S23では、再遊技入賞時処理を行う。詳細は後述する。S24では、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する。投入を検出した場合はS25へ進み、そうでない場合はS26へ進む。S25では、実メダルの投入を検出したことを示すコマンド(実メダル投入検出コマンド)を副制御部400へ送信し、実メダル投入時処理を行う。詳細は後述する。・・・【0070】<実メダル投入時処理>図11(a)はS25の実メダル投入時処理を示すフローチャートである。S61では、現在の仮投入数が最大規定数であるか否かを判定する。該当する場合はS63へ進み、該当しない場合はS62へ進む。S62では、仮投入数を1つ加算する。S63では、クレジット加算・返却処理を行う。ここでは、クレジット数を1つ加算する。クレジット数が最大数を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出す。つまり、実メダルの投入の場合は、仮投入数が最大規定数に達していない場合のみ、仮投入数を変更し、変更は加算のみである。クレジット数を変更した場合は、その内容を示すコマンド(クレジット更新コマンド)を副制御部400へ送信する。」
サ 「【0065】図10はS23の再遊技入賞時処理を示すフローチャートである。S41では、仮投入数を、S21で設定した規定数のうちの最大規定数に設定する。S42では、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する。投入を検出した場合はS43へ進み、そうでない場合はS44へ進む。S43では、クレジット加算・返却処理を行う。ここでは、クレジット数を1つ加算する。クレジット数が最大数を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出す。つまり、再遊技入賞後、実メダルが投入された場合は、仮投入数を一律に変更しないようにしている。【0066】S44では、メダル投入ボタンセンサ323の検出結果を取得し、ベットボタン30に対するベット操作があったか否かを判定する。・・・【0067】S47では、メダル投入ボタンセンサ323の検出結果を取得し、ベットボタン31に対するベット操作があったか否かを判定する。・・・【0068】S49では、メダル投入ボタンセンサ323の検出結果を取得し、MAXベットボタン32に対するベット操作があったか否かを判定する。・・・【0069】S51では、スタートレバーセンサ321の検出結果を取得し、スタートレバー35に対する開始操作があったか否かを判定する。開始操作を検出した場合はS52へ進み、そうでない場合はS42へ戻る。S52では、現在の仮投入数をその遊技に遊技者がベットした投入数として確定する。また、仮投入数をリセット(=0)とする。以上により一単位の処理が終了する。」
シ 「【0027】・・・精算スイッチ324は、精算ボタン34に対する操作を検出し、精算ボタン34が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルであるが、貯留されているメダルとベットされているメダルの双方としてもよい。・・・」
ス 「【図面の簡単な説明】【0153】・・・【図10】S23の再遊技入賞時処理を示すフローチャートである。・・・」
セ 図10
・認定事項
ア 認定事項1
甲第1号証には、「【0064】・・・再遊技に入賞すると次遊技のメダル投入が免除される。本実施形態では、仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更可能とする。しかし、免除するメダル投入数を、遊技者に最も有利な投入数に設定し、変更不能とする構成も採用可能である。・・・」(上記記載事項ウ)と記載されるので、甲第1号証には、再遊技に入賞すると次遊技のメダル投入が免除され、仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能とすることが記載されていると認められる(【0064】)。
イ 認定事項2
甲第1号証の図10の記載(記載事項セ)と、上記認定事項1とを併せると、「仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能とする」(上記認定事項1)場合、再遊技入賞時処理を示すフローチャートである図10において、仮投入数をベット操作により変更するための処理である、「「1ベット操作検出?」という「S44」のステップ、「2ベット操作検出?」という「S47」のステップ、「MAXベット操作検出?」という「S49」のステップ」という一連のステップが不要となる。
以上を踏まえ、「仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能とする」(上記認定事項1)場合、甲第1号証には、「再遊技入賞処理」として、「実メダル投入検出?」という「S42」のステップに続いて、「S42」が「Yes」であれば、「クレジット加算・返却処理」を行う「S43」というステップの後に、「開始操作検出?」という「S51」のステップに続き、又は、「S42」が「No」であれば、「開始操作検出?」という「S51」のステップに続くことが記載されているといえる。
そうすると、甲第1号証の「【0065】図10はS23の再遊技入賞時処理を示すフローチャートであるS41では、仮投入数を、S21で設定した規定数のうちの最大規定数に設定する。S42では、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する。投入を検出した場合はS43へ進み、そうでない場合はS44へ進む。S43では、クレジット加算・返却処理を行う。ここでは、クレジット数を1つ加算する。クレジット数が最大数を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出す。つまり、再遊技入賞後、実メダルが投入された場合は、仮投入数を一律に変更しないようにしている。」との記載、及び、「【0069】S51では、スタートレバーセンサ321の検出結果を取得し、スタートレバー35に対する開始操作があったか否かを判定する。・・・」との記載(上記記載事項サ)と、「仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能とする」(上記認定事項1)場合、上記のとおり、「再遊技入賞処理」として、「実メダル投入検出?」という「S42」のステップに続いて、「S42」が「Yes」であれば、「クレジット加算・返却処理」を行う「S43」というステップの後に、「開始操作検出?」という「S51」のステップに続き、又は、「S42」が「No」であれば、「開始操作検出?」という「S51」のステップに続くこととを併せると、
甲第1号証には、再遊技入賞時処理では、仮投入数を最大規定数に設定し(S41)、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定し(S42)、投入を検出した場合は、クレジット数を1つ加算するがクレジット数が最大数を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出すクレジット加算・返却処理を行い(S43)、続いて、スタートレバー35に対する開始操作があったか否かを判定する(S51)とともに、投入を検出しない場合は、スタートレバー35に対する開始操作があったか否かを判定する(S51)ことが記載されていると認められる(【0064】、【0065】、【0069】、図10)。
ウ 認定事項3
甲第1号証の図10の記載(記載事項セ)から、「再遊技入賞処理」として、「仮投入数←最大規定数」という「S41」のステップより前に、「実メダル投入検出?」という「S42」のステップは存在せず、かつ、「仮投入数←最大規定数」という「S41」のステップより前に実行されるステップは存在しないので、甲第1号証の「【0065】図10はS23の再遊技入賞時処理を示すフローチャートであるS41では、仮投入数を、S21で設定した規定数のうちの最大規定数に設定する。S42では、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する。・・・」との記載(上記記載事項サ)を併せると、
甲第1号証には、再遊技入賞時処理では、仮投入数を最大規定数に設定する(S41)までに、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する(S42)ことを含む他の処理を実行しないことが記載されていると認められる(【0064】、【0065】、図10)。
上記記載事項及び認定事項より、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(aからrの符号は、当審にて付した。)。
甲1発明
「a 外周面に複数種類の図柄が配置され、図柄は、ある図柄と他の図柄とを識別可能な識別子であれば如何なるものも採用でき、複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する3個のリール1乃至3(左リール1、中リール2、リール3)を備え(【0010】-【0012】)、
b 全リール1乃至3の回転を開始させるリール回転処理を行ない、ストップボタン37乃至39に対する操作に応じて、リール1乃至3のうち、操作されたストップボタン37乃至39に対応するいずれかのリールを制御して停止させ、全リール1乃至3が停止すると、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役又は内部当選中のボーナスの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定するスロットマシン10において(【0011】、【0053】、【0054】)、
c スロットマシン10に電子的に貯留されているメダルの投入指示操作を受け付けるためのベットボタン30乃至32を備え、ベットボタン30が押下されると1枚投入、ベットボタン31が押下されると2枚投入、ベットボタン32が押下されると、通常遊技では最大の規定数である3枚投入されるようになっているメダルの投入数を選択する操作部と(【0016】、【0064】)、
d リール1乃至3の停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データテーブルの中から内部抽選結果等に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データテーブルに示された停止位置データに従って行なわれ、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する図柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する図柄組合せが揃って表示されないようにリールの停止制御を行う主制御部300と(【0024】、【【0051】、【0052】)、
e 確定したメダルの投入数と現在の遊技状態とに基づいて内部抽選データ及び入賞ラインを設定し、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得し、当該取得した乱数値と、前記設定された内部抽選データとに基づいて、入賞役の内部抽選を行う主制御部300と(【0024】、【0049】、【0050】)、
f 遊技者が所有するメダルをその投入操作によって電子的にクレジットとして貯留するために、該クレジットの数を記憶する記憶手段として機能する主制御部300のCPU310に接続されたRAM313と(【0026】)、
h メダルの投入数を選択する前記操作部の操作により、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって有効となる入賞ラインは予め定まっていて、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効となるものとし、有効となる入賞ラインを示すランプである入賞ライン表示ランプ20とを備え(【0014】、【0016】)、
i’、k’、l’ 主制御部300が内部抽選を行う入賞役には、入賞により次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である再遊技が含まれ(【0024】、【0041】、【0048】-【0050】)、
n’ 前記スロットマシン10は、
メダル投入口41に対する実メダルの投入或いはベットボタン30乃至32に対するベット操作があると、その投入数を仮投入数として受け付け、仮投入数は変更可能であり、実メダルが投入された場合は、仮投入数を加算することで変更し、ベットボタン30乃至32に対するベット操作がされた場合は、各ボタンに対応するメダル投入数に仮投入数を変更し、仮投入数を主制御部300のCPU310に接続されたRAM313に記憶する処理を行い、
再遊技に入賞すると次遊技のメダル投入が免除され、仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能として、免除するメダル投入数である最大規定数を、通常遊技の場合は3枚、BB一般遊技の場合は2枚、RBゲームの場合は2枚という遊技者に最も有利な投入数に設定する再遊技入賞時処理を行うことでメダルの投入数が確定すると、その遊技で有効となる入賞ラインを確定し、対応する入賞ライン表示ランプ20を点灯させ(【0011】、【0049】、【0057】、【0064】、認定事項1)、
g、p 主制御部300が行う遊技の基本的制御に含まれる実メダル投入時処理として、前回の遊技の結果が再遊技に入賞であったか否かを判定し(S22)、該当しない場合は、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定し(S24)、投入を検出した場合、実メダル投入時処理(S25)において、現在の仮投入数が前記最大規定数であるか否かを判定し(S61)、該当する場合は、クレジット数を1つ加算するか又はクレジット数が最大数である50枚を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出すクレジット加算・返却処理を行う(S63)とともに、該当しない場合は仮投入数を1つ加算し(S62)(【0048】、【0057】、【0060】、【0070】)、
m’、q、r’ 主制御部300が行う遊技の基本的制御に含まれる再遊技入賞時処理では、
仮投入数を最大規定数に設定し(S41)、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定し(S42)、投入を検出した場合は、クレジット数を1つ加算するがクレジット数が最大数を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出すクレジット加算・返却処理を行い(S43)、続いて、スタートレバー35に対する開始操作があったか否かを判定する(S51)とともに、投入を検出しない場合は、スタートレバー35に対する開始操作があったか否かを判定し(S51)、
仮投入数を最大規定数に設定する(S41)までに、メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する(S42)ことを含む他の処理を実行せず、
精算スイッチ324は、精算ボタン34に対する操作を検出し、精算ボタン34が一回押されると、貯留されているメダルが払い出される、スロットマシン10(【0011】、【0027】、【0064】、【0065】、【0069】、図10、認定事項2、認定事項3)。
(2)甲第2号証に記載の技術
甲第2号証(特開2014-42743号公報)には、以下の技術(以下、「甲2技術」という。)が記載されていると認められる。
甲2技術
「スロットマシン10において、当該遊技で投入したメダル枚数を維持したメダルを自動投入する再遊技を行うことができる役であるリプレイとして、それぞれ所定の図柄の組合せを設定したリプレイ01~28の28種類を備えており(【0027】、【0048】)、当選役として、第1~第27リプレイの27種類のリプレイを有し、当選役には、 リプレイ01とリプレイ02という2個の役が割り当てられ重複当選可能とした第2リプレイと、リプレイ10~15、リプレイ24、リプレイ26とリプレイ27という9個の役が割り当てられ重複当選可能とした第11リプレイが含まれ (【0077】、【0111】、【0119】、図8、図9)、リプレイは、リプレイA群~リプレイD群の4つに大別され、リプレイA群は、逆押し時には、リプレイ23~26が入賞可能となって、「赤7」-「赤7」-「赤7」が停止表示可能となるリプレイの一群であって、第3~第10、第18~第20、及び第23~第26リプレイが属し、リプレイB群は、逆押しで操作しても、「赤7」-「赤7」-「赤7」が停止表示可能にはならないリプレイの一群であって、第1、第2、第21、第22、及び第27リプレイが属し、リプレイC群は、左第1停止時には、リプレイ10、17、又は21が入賞可能となって、左リール31の中段若しくは下段に「チェリーA」が停止表示可能となるか、又は「チェリーA」-「チェリーA/チェリーB」-「チェリーA/チェリーB」が停止表示可能となるとともに、逆押し時には、リプレイ23~26のいずれかが入賞可能となって、「赤7」-「赤7」-「赤7」が停止表示可能となるリプレイの一群であって、第11~第13、第15、及び第17リプレイが属し、リプレイD群は、左第1停止時には、リプレイ10、又は21が入賞可能となって、左リール31の中段又は下段に「チェリーA」が停止表示可能となるものの、逆押しで操作しても、「赤7」-「赤7」-「赤7」が停止表示可能にはならないリプレイの一群であって、第14、及び第16リプレイが属し(【0127】~【0130】、図8、図9)、非AT遊技中に役抽選手段61で左第1停止で「チェリー」が停止表示可能なリプレイであるリプレイC群に当選したときは、AT遊技の実行権利を付与するか否かを決定するAT抽選を行い、AT抽選の当選確率は、1/10に設定され、AT抽選で当選したときは、AT遊技の実行権利を付与する(【0252】)技術。 」
第4 当審の判断
1 取消理由について
(1)本件訂正発明と甲1発明との対比
ア 発明特定事項Aについて
甲1発明の「図柄」は、本件訂正発明の「識別情報」に相当し、同様に、甲1発明の「図柄は、ある図柄と他の図柄とを識別可能な識別子」であることは、本件訂正発明の「識別情報」は、「各々が識別可能」であることに、甲1発明の「変動可能に表示する」ことは、本件訂正発明の「変動表示可能」であることに、甲1発明の「リール1乃至3(左リール1、中リール2、リール3)」は、本件訂正発明の「可変表示部」に、甲1発明の「3個」は、本件訂正発明の「複数」にそれぞれ相当する。
よって、甲1発明の構成aは、本件訂正発明の発明特定事項Aに相当する。
イ 発明特定事項Bについて
甲1発明の「全リール1乃至3の回転を開始させるリール回転処理」を行うことは、「変動可能に表示する」こと(甲1発明の構成a)にほかならないから、その後、甲1発明の「全リール1乃至3が停止する」ことは、本件訂正発明の「可変表示部を変動表示した後」、「可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出」することに相当し、同様に、甲1発明の「有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役又は内部当選中のボーナスの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する」ことは、本件訂正発明の「複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能」とすることに、甲1発明の「スロットマシン10」は、本件訂正発明の「スロットマシン」にそれぞれ相当する。
よって、甲1発明の構成bは、本件訂正発明の発明特定事項Bに相当する。
ウ 発明特定事項Cについて
甲1発明の「ベットボタン30乃至32」と「メダルの投入数を選択する操作部」のいずれも、本件訂正発明の「遊技を行うための賭数を設定する賭数設定手段」に相当する。
よって、甲1発明の構成cは、本件訂正発明の発明特定事項Cに相当する。
エ 発明特定事項Dについて
甲1発明は、「全リール1乃至3が停止する」(構成b)際に、「内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する図柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する図柄組合せが揃って表示されないようにリールの停止制御を行う」ことから、甲1発明の当該「リールの停止制御」は、本件訂正発明の「表示結果組合せを導出させる制御」に相当し、甲1発明の「主制御部300」は、本件訂正発明の「導出制御手段」に相当する。
よって、甲1発明の構成dは、本件訂正発明の発明特定事項Dに相当する。
オ 発明特定事項Eについて
甲1発明の「入賞役の内部抽選を行う」ことは、本件訂正発明の「導出を許容する表示結果組合せを決定する」ことに相当し、甲1発明の「主制御部300」は、本件訂正発明の「事前決定手段」に相当する。
よって、甲1発明の構成eは、本件訂正発明の発明特定事項Eに相当する。
カ 発明特定事項Fについて
上記ウのとおり、甲1発明の「ベットボタン30乃至32」(構成c)は、本件訂正発明の「遊技を行うための賭数を設定する賭数設定手段」(発明特定事項C)に相当し、当該「ベットボタン30乃至32」は、「スロットマシン10に電子的に貯留されているメダルの投入指示操作を受け付ける」(構成c)ためのものであるから、甲1発明の「投入操作によって」「電子的に」「貯留」された「メダル」である「クレジット」は、「賭数を設定するために用いられる」ものということができるとともに、これは、本件訂正発明の「遊技用価値」に相当する。また、甲1発明の「該クレジットの数を記憶する記憶手段として機能する主制御部300のCPU310に接続されたRAM313」は、本件訂正発明の「遊技用価値記憶手段」に相当する。
よって、甲1発明の構成fは、本件訂正発明の発明特定事項Fに相当する。
キ 発明特定事項Gについて
甲1発明の「メダル投入口41に実メダル・・・投入を検出した場合、・・・クレジット数を1つ加算する・・・クレジット加算・返却処理」(構成g、p)について、当該処理は、「主制御部300が行う遊技の基本的制御に含まれる実メダル投入時処理」の一部であって、「クレジット数を1つ加算する」ときに、「該クレジットの数を記憶する記憶手段として機能する主制御部300のCPU310に接続されたRAM313」(構成f)に記憶された「クレジットの数」を更新することは明らかである。
よって、甲1発明は、本件訂正発明の「遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能な遊技用価値更新手段」(発明特定事項G)に相当する構成を備えているということができる。
ク 発明特定事項Hについて
甲1発明の「有効となる入賞ライン」は、「遊技媒体としてベットされたメダルの数によって」「予め定まって」おり、具体的には、甲1発明において、「中段の水平入賞ラインが有効」となるのは、「メダルが1枚ベットされた場合」であり、「中段の水平入賞ライン」に加えて「上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効」となるのは、「メダルが2枚ベットされた場合」であり、さらに、「中段の水平入賞ライン」及び「上段水平入賞ラインと下段水平入賞ライン」に加えて「右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効」となるのは、「メダルが3枚ベットされた場合」である。したがって、甲1発明の「有効となる入賞ラインを示すランプである入賞ライン表示ランプ20」を見れば、メダルが何枚ベットされているかを遊技者が知ることができるから、甲1発明の「入賞ライン表示ランプ20」は、本件訂正発明の「設定された賭数を特定可能な賭数設定報知を行う賭数設定報知手段」に相当する。
よって、甲1発明の構成hは、本件訂正発明の発明特定事項Hに相当する。
ケ 発明特定事項Iについて
甲1発明の「主制御部300」(本件訂正発明の「事前決定手段」に相当。)が「内部抽選を行う入賞役には、入賞により次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である再遊技」が含まれる。
甲1発明の「次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である再遊技」は、本件訂正発明の「遊技者所有の遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する再遊技表示結果組合せ」に相当するから、甲1発明の構成i’、k’、l’と本件訂正発明の発明特定事項Iとは、「前記事前決定手段による決定結果には、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する再遊技表示結果組合せが含まれ」るという点で共通する。
コ 発明特定事項K、Lについて
甲1発明の「主制御部300」(本件訂正発明の「導出制御手段」に相当。)は、「内部抽選で内部当選した入賞役」については、「対応する図柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する図柄組合せが揃って表示されないようにリールの停止制御を行う」(構成d)ものであり、「主制御部300」(本件訂正発明の「事前決定手段」に相当。)が「内部抽選を行う入賞役には、入賞により次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である再遊技が含まれ」る(構成i’、k’、l’)から、甲1発明の構成i’、k’、l’と本件訂正発明の発明特定事項K,Lとは、「前記導出制御手段は、前記事前決定手段による決定結果が再遊技表示結果組合せの導出を許容する場合には前記再遊技表示結果組合せを導出可能な制御を行う」という点で共通する。
サ 発明特定事項Mについて
甲1発明の、「主制御部300が行う遊技の基本的制御」に含まれる「再遊技入賞時処理」は、「メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定し(S42)、投入を検出した場合は、クレジット数を1つ加算するがクレジット数が最大数を超える場合は実メダルをメダル払出口42から払い出すクレジット加算・返却処理を行」うことから、「実メダル」の「投入を検出した場合」、クレジット数が最大数を超えない場合は、「クレジット数を1つ加算する」こととなる。
そして、上記の「クレジット加算・返却処理」は、「主制御部300が行う遊技の基本的制御に含まれる実メダル投入時処理」の一部であるから(構成g、p)、上記キと同様、「クレジット数を1つ加算する」ときに、「該クレジットの数を記憶する記憶手段として機能する主制御部300のCPU310に接続されたRAM313」(構成f)に記憶された「クレジットの数」を更新することは明らかである。
したがって、甲1発明の構成m’、q、r’と本件訂正発明の発明特定事項Mとは、「前記遊技用価値更新手段は、再遊技表示結果組合せが導出されたときでも、遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能」である点で共通する。
シ 発明特定事項Nについて
甲1発明の「再遊技」は、本件訂正発明の「再遊技表示結果組合せ」に相当し、同様に、甲1発明の「入賞する」ことは、本件訂正発明の「導出され」ることに、甲1発明の「免除するメダル投入数である最大規定数を、通常遊技の場合は3枚、BB一般遊技の場合は2枚、RBゲームの場合は2枚という遊技者に最も有利な投入数に設定する再遊技入賞時処理を行うことでメダルの投入数が確定」するときは、本件訂正発明の「前記賭数設定手段によって遊技用価値を用いることなく遊技を行うための賭数が設定されるとき」に、それぞれ相当するから、甲1発明の構成n’と本件訂正発明の発明特定事項Nとは、「前記賭数設定報知手段は、前記再遊技表示結果組合せが導出されたとき、前記賭数設定手段によって遊技用価値を用いることなく遊技を行うための賭数が設定されるときに、前記賭数設定報知を行」うという点で共通する。
ス 発明特定事項Pについて
甲1発明の「前回の遊技の結果が再遊技に入賞であったか否かを判定し(S22)、該当しない場合」は、本件訂正発明の「前記再遊技表示結果組合せが導出されずにゲームが終了した後」に相当し、その後において、甲1発明の「メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定し(S24)、投入を検出した場合」は、本件訂正発明の「遊技者により遊技媒体が投入された場合」に相当し、同様に、甲1発明の「現在の仮投入数が前記最大規定数であるか否かを判定し(S61)、」「該当しない場合」は、本件訂正発明の「前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が予め定められた上限数未満であるとき」に、甲1発明の「仮投入数を1つ加算」することは、本件訂正発明の「前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新」することに、甲1発明の「現在の仮投入数が前記最大規定数であるか否かを判定し(S61)、該当する場合」は、本件訂正発明の「当該上限数に達しているとき」に、それぞれ相当する。
また、甲1発明の「クレジット数を1つ加算する」ことは、「クレジット加算・返却処理」は、「主制御部300が行う遊技の基本的制御に含まれる実メダル投入時処理」の一部であって、上記キと同様、「クレジット数を1つ加算する」ときに、「該クレジットの数を記憶する記憶手段として機能する主制御部300のCPU310に接続されたRAM313」(構成f)に記憶された「クレジットの数」を更新することは明らかであるから、これは、本件訂正発明の「前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新」することに相当する。
よって、甲1発明は、本件訂正発明の発明特定事項Pに相当する構成を備えているということができる。
セ 発明特定事項Qについて
甲1発明が、「再遊技入賞時処理」において、「仮投入数を最大規定数に設定」することは、「再遊技に入賞すると次遊技のメダル投入が免除され、仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能」(構成n’)としていることと併せると、本件訂正発明の「前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となる」ことに相当する。
そして、甲1発明が、「再遊技入賞時処理」において、「仮投入数を最大規定数に設定する(S41)まで」において、「メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定する(S42)ことを含む他の処理を実行しない」ことは、本件訂正発明の「前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となる」までにおいて「前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもな」いことに相当する。
また、上で検討したとおり、甲1発明が、「再遊技入賞時処理」において、「仮投入数を最大規定数に設定」することは、本件訂正発明の「前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能」となることに相当することを踏まえると、甲1発明の「仮投入数を最大規定数に設定し(S41)」、「メダル投入センサ320の検出結果を取得し、メダル投入口41に実メダルが投入されたか否かを判定し(S42)、投入を検出した場合」は、本件訂正発明の「遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において」「遊技者により遊技媒体が投入された場合」に相当し、同様に、甲1発明の「クレジット数を1つ加算する」ことは、上記キと同様、「クレジット数を1つ加算する」ときに、「該クレジットの数を記憶する記憶手段として機能する主制御部300のCPU310に接続されたRAM313」(構成f)に記憶された「クレジットの数」を更新することは明らかであるから、本件訂正発明の「前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能である」ことに相当する。
よって、甲1発明は、本件訂正発明の発明特定事項Qに相当する構成を備えているということができる。
ソ 発明特定事項Rについて
甲1発明の「スロットマシン10」が、本件訂正発明の「スロットマシン」に相当することは、上記イで検討したとおりである。
甲1発明は、上記キの検討と併せると、甲1発明の「主制御部300のCPU310に接続されたRAM313」、「記憶手段として機能する」こと、「貯留されているメダル」、「払い出される」こと、「精算スイッチ324は、精算ボタン34に対する操作を検出」することは、それぞれ、本件訂正発明の「遊技用価値記憶手段」、「記憶されている」こと、「記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体」、「返却する」こと、「精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する」ことに相当する。
したがって、甲1発明の構成m’、q、r’と本件訂正発明の発明特定事項Rとは、「前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する、スロットマシン。」である点で共通する。
(2)一致点及び相違点
上記(1)より、本件訂正発明と甲1発明との一致点・相違点は以下のとおりである。
ア 一致点
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、C 遊技を行うための賭数を設定する賭数設定手段と、D 表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段と、続きを表示(全15行)E 導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段と、F 賭数を設定するために用いられる遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段と、G 遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能な遊技用価値更新手段と、H 設定された賭数を特定可能な賭数設定報知を行う賭数設定報知手段とを備え、I’ 前記事前決定手段による決定結果には、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する再遊技表示結果組合せが含まれ、K’、L’ 前記導出制御手段は、前記事前決定手段による決定結果が再遊技表示結果組合せの導出を許容する場合には前記再遊技表示結果組合せを導出可能な制御を行い、M’ 前記遊技用価値更新手段は、再遊技表示結果組合せが導出されたときでも、遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能であり、N’ 前記事前決定手段による決定結果には、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する再遊技表示結果組合せが含まれ、P 前記再遊技表示結果組合せが導出されずにゲームが終了した後において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数が予め定められた上限数未満であるときには前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新し、当該上限数に達しているときには前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新し、Q 前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了した後から遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となるまでにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもなく、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった以降において遊技者により遊技媒体が投入された場合、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能であり、R’ 前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する、スロットマシン。」
イ 相違点
(ア)相違点1(発明特定事項I)
本件訂正発明は、「前記事前決定手段による決定結果には、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する再遊技表示結果組合せのうち、特定表示結果組合せの導出が許容される第1再遊技決定結果と、前記特定表示結果組合せとは異なる所定表示結果組合せの導出が許容される第2再遊技決定結果とが含まれ」るのに対し、甲1発明は、「再遊技表示結果組合せ」に相当する構成を備えるものの、当該「再遊技表示結果組合せ」に、「特定表示結果組合せの導出が許容される第1再遊技決定結果と、前記特定表示結果組合せとは異なる所定表示結果組合せの導出が許容される第2再遊技決定結果とが含まれ」るものではない点。
(イ)相違点2(発明特定事項J)
本件訂正発明は、「前記事前決定手段の決定結果が前記第1再遊技決定結果であるときには有利状態への制御に関する抽選が実行不可能であるのに対して、前記事前決定手段の決定結果が前記第2再遊技決定結果であるときには当該抽選が実行可能」であるのに対し、甲1発明は、そのような構成を備えるものではない点。
(ウ)相違点3(発明特定事項K)
本件訂正発明は、「前記導出制御手段は、
前記事前決定手段による決定結果が前記第1再遊技決定結果である場合には前記特定表示結果組合せを導出可能な制御」を行うのに対し、上記(ア)のとおり、甲1発明は、「第1再遊技決定結果」に対応する役を有していないので、当該「第1再遊技決定結果」に対応する図柄組合せとしての「特定表示結果組合せ」を備えるものではない点。
(エ)相違点4(発明特定事項L)
本件訂正発明は、「前記事前決定手段による決定結果が前記第2再遊技決定結果である場合には前記所定表示結果組合せを導出可能な制御」を行うのに対し、甲1発明は、上記(ア)のとおり、「第2再遊技決定結果」に対応する役を有していないので、当該「第1再遊技決定結果」に対応する図柄組合せとしての「所定表示結果組合せ」を備えるものではない点。
(オ)相違点5(発明特定事項M)
本件訂正発明は、「前記遊技用価値更新手段は、前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せのいずれが導出されたときでも、遊技用価値が投入されることにより前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することが可能」であるのに対し、甲1発明は、導出される「再遊技表示結果組合せ」として、「前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せ」を含むものとしていない点。
(カ)相違点6(発明特定事項N)
本件訂正発明は、「前記賭数設定報知手段は、前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せのいずれが導出されたときでも、前記賭数設定手段によって遊技用価値を用いることなく遊技を行うための賭数が設定されるときに、当該遊技の前の遊技における前記賭数設定報知の態様を引き継」ぐのに対し、甲1発明は、「再遊技表示結果組合せ」として「前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せ」を備えるものでなく、また、「賭数設定報知手段」が、「当該遊技の前の遊技における前記賭数設定報知の態様を引き継」ぐものではない点。
(キ)相違点7(発明特定事項O)
本件訂正発明は、「ゲームが行われているときにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、1ゲームに対して設定されている賭数を記憶する賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもな」いのに対し、甲1発明は、そのような構成を備えるかどうか不明である点。
(ク)相違点8(発明特定事項R)
「前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する」契機として、本件訂正発明は、「前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了し、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった後、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が上限数未満である場合には、遊技媒体の投入が検出されているか否かを判定し、遊技媒体の投入が検出されていない場合」に、精算操作がされた否かの判定を行うのに対し、甲1発明は、「再遊技入賞時処理」において、精算操作がされたか否かの判定を行うものではない点。
(3)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1(発明特定事項I)及び相違点5(発明特定事項M)について
相違点1と相違点5とをまとめて検討する。
甲2技術の「リプレイ01~28」に「それぞれ」「設定」された「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「再遊技表示結果組合せ」に相当し、同様に、甲2技術の「リプレイ02」となる「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「特定表示結果組合せ」に、甲2技術の「第2リプレイ」は、本件訂正発明の「第1再遊技決定結果」に、甲2技術の「リプレイ10」となる「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「特定表示結果組合せとは異なる所定表示結果組合せ」に、甲2技術の「第11リプレイ」は、本件訂正発明の「第2再遊技決定結果」に、それぞれ相当する。
そして、甲1発明と甲2技術とは、ともにスロットマシンの技術分野に属し、遊技者所有のメダルを消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定するリプレイ入賞可能としているという点で機能が共通するから、甲1発明における「再遊技」という「入賞役」に、甲2技術を適用することにより、本件訂正発明の上記相違点1及び相違点5に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2(発明特定事項J)について
甲2技術における「第11リプレイ」(本件訂正発明の「第2再遊技決定結果」に相当。)は、「リプレイC群」に属し、甲2技術は、さらに、「非AT遊技中に役抽選手段61で左第1停止で「チェリー」が停止表示可能なリプレイであるリプレイC群に当選したときは、AT遊技の実行権利を付与するか否かを決定するAT抽選を行い、AT抽選の当選確率は、1/10に設定され、AT抽選で当選したときは、AT遊技の実行権利を付与する」から、甲2技術の「役抽選手段61」は、本件訂正発明の「事前決定手段」に相当し、同様に、甲2技術の「当選」することは、本件訂正発明の「決定結果」に、甲2技術の「AT遊技の実行権利を付与する」ことは、本件訂正発明の「有利状態」に、甲2技術の「AT抽選」は、本件訂正発明の「抽選」に、それぞれ相当する。また、甲2技術において、「第2リプレイ」(本件訂正発明の「第1再遊技決定結果」に相当。)は、AT抽選が実行される「リプレイ群C」ではなく、「リプレイ群B」に属することから、甲2技術は、本件訂正発明の「前記事前決定手段の決定結果が前記第1再遊技決定結果であるときには有利状態への制御に関する抽選が実行不可能である」ことに相当する構成を備えていることは明らかである。
そして、甲1発明と甲2技術とは、ともにスロットマシンの技術分野に属し、遊技者所有のメダルを消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定するリプレイ入賞可能としているという点で機能が共通するから、甲1発明における「再遊技」という「入賞役」に、甲2技術を適用することにより、本件訂正発明の上記相違点2に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 相違点3(発明特定事項K)及び相違点4(発明特定事項L)について
検討の都合上、相違点3と相違点4とをまとめて検討する。
甲2技術には、スロットマシンにおける再遊技表示結果組合せに関し、「役抽選手段61」による決定結果が「第2リプレイ」である場合には「リプレイ02」となる「所定の図柄の組合せ」が「停止表示可能」であり、「役抽選手段61」による決定結果が「第11リプレイ」である場合には「リプレイ10」となる「所定の図柄の組合せ」が「停止表示可能」である技術が含まれる。
そして、上記アで検討したとおり、甲2技術の「リプレイ01~28」に「それぞれ」「設定」された「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「再遊技表示結果組合せ」に相当し、同様に、甲2技術の「リプレイ02」となる「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「特定表示結果組合せ」に、甲2技術の「第2リプレイ」は、本件訂正発明の「第1再遊技決定結果」に、甲2技術の「リプレイ10」となる「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「特定表示結果組合せとは異なる所定表示結果組合せ」に、甲2技術の「第11リプレイ」は、本件訂正発明の「第2再遊技決定結果」に、それぞれ相当し、上記イで検討したとおり、甲2技術の「役抽選手段61」は、本件訂正発明の「事前決定手段」に相当し、さらに、甲2技術の「停止表示可能」であることは、本件訂正発明の「導出可能な制御」に相当する。
そして、甲1発明と甲2技術とは、ともにスロットマシンの技術分野に属し、遊技者所有のメダルを消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定するリプレイ入賞可能としているという点で機能が共通するから、甲1発明に、甲2技術を適用することにより、本件訂正発明の上記相違点3及び相違点4に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得たことである。
エ 相違点6(発明特定事項N)について
相違点6のうち、「再遊技表示結果組合せ」として「前記特定表示結果組合せおよび前記所定表示結果組合せ」を備える点については、上記アで検討したとおり、甲2技術の「リプレイ02」となる「所定の図柄の組合せ」は、本件訂正発明の「特定表示結果組合せ」に、甲2技術の「第11リプレイ」は、本件訂正発明の「第2再遊技決定結果」に、それぞれ相当するものである。
以下、「賭数設定報知手段」が、「当該遊技の前の遊技における前記賭数設定報知の態様を引き継」ぐ点について検討する。
甲1発明は、「メダル投入口41に対する実メダルの投入或いはベットボタン30乃至32に対するベット操作があると、その投入数を仮投入数として受け付け、仮投入数は変更可能であり、実メダルが投入された場合は、仮投入数を加算することで変更し、ベットボタン30乃至32に対するベット操作がされた場合は、各ボタンに対応するメダル投入数に仮投入数を変更し、仮投入数を主制御部300のCPU310に接続されたRAM313に記憶する処理を行い、
再遊技に入賞すると次遊技のメダル投入が免除され、仮投入数を最大規定数に設定し、その後のベット操作により変更不能として、免除するメダル投入数である最大規定数を、通常遊技の場合は3枚、BB一般遊技の場合は2枚、RBゲームの場合は2枚という遊技者に最も有利な投入数に設定する再遊技入賞時処理を行うことでメダルの投入数が確定すると、その遊技で有効となる入賞ラインを確定し、対応する入賞ライン表示ランプ20を点灯させ」(構成n’)るものである。したがって、甲1発明は、再遊技前のゲームのメダル投入数は、1乃至3枚のいずれかであり、再遊技後のメダル投入数は、「通常遊技の場合は3枚、BB一般遊技の場合は2枚、RBゲームの場合は2枚」に確定するものであるから、再遊技の前後のゲームでメダル投入数、すなわち、賭数が異なる場合があり得るものとなっている。
ここで、例えば、甲2技術における「リプレイ」は、「当該遊技で投入したメダル枚数を維持したメダルを自動投入する再遊技を行うことができる役」であって、このようにスロットマシンにおいてリプレイ入賞すると、当該遊技で投入したメダル枚数を維持したメダルを自動投入する扱いとすることはスロットマシンにおける従来周知の技術である。
また、引用文献6には、スロットマシンの前面扉1bに、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16が設けられた遊技用表示部13が設けられ、前回ゲームでリプレイが入賞して前回ゲームと同一BET数がBETされた場合には、前回ゲームに引き続き行われる今回ゲームにおいて、前回ゲームでBET数が1枚のときには1BETLED14の点灯を一旦消灯させることなく維持し、前回ゲームでBET数が2枚のときには1BETLED14および2BETLED15の点灯を一旦消灯させることなく維持し、前回ゲームでBET数が3枚のときには1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16の点灯を一旦消灯させることなく維持することにより、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16によるBET数の表示を前回ゲームから引き継ぐことによって更新する技術(以下、「引用文献6に記載の技術」という。)が記載されている(【0026】、【0145】、【0146】)。
引用文献6に記載の技術の「賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16」は、本件訂正発明の「賭数設定報知手段」に相当し、引用文献6に記載の技術の「前回ゲームでリプレイが入賞して前回ゲームと同一BET数がBETされた場合には、前回ゲームに引き続き行われる今回ゲームにおいて、前回ゲームでBET数が1枚のときには1BETLED14の点灯を一旦消灯させることなく維持し、・・・1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16によるBET数の表示を前回ゲームから引き継ぐ」ことは、本件訂正発明の「当該遊技の前の遊技における前記賭数設定報知の態様を引き継」ぐことに相当する。
そして、甲1発明、甲2技術、甲2技術に例示される従来周知の技術及び引用文献6に記載の技術のいずれも、スロットマシンの技術分野に属し、遊技者所有のメダルを消費することなく次のゲームが開始可能となるように賭数を設定するリプレイ入賞可能としているという点で機能が共通するから、甲1発明に、甲2技術、上記甲2技術に例示される従来周知の技術及び引用文献6に記載の技術を適用することにより、本件訂正発明の上記相違点6に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得たことである。
オ 相違点7(発明特定事項O)について
ゲームが行われているときにおいて遊技者により遊技媒体が投入された場合、賭数記憶手段に記憶されている賭数を更新することも遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値を更新することもない点、すなわち、ゲーム中にメダルを投入するとベットもされず、クレジットもされないという構成は、甲第3号証の【0030】、【0037】、【0050】、【0064】、【0065】、図12、図18、甲第4号証の【0101】、【0115】、【0141】-【0143】、図14、甲第5号証の【0016】、【0023】-【0025】、図6等に記載されているように、スロットマシンにおける従来周知の技術である。
よって、本件訂正発明の上記相違点7に係る構成は、甲1発明に、上記従来周知の技術を適用することによって、当業者が容易に想到し得たことである。
カ 相違点8(発明特定事項R)について
「前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値に相当する遊技媒体を返却する精算制御を行うための精算操作が遊技者によってされたか否かを判定する」契機として、本件訂正発明のように、「前記再遊技表示結果組合せが導出されてゲームが終了し、遊技者所有の遊技用価値を消費することなく賭数が設定されて次のゲームが開始可能となった後、前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値が上限数未満である場合には、遊技媒体の投入が検出されているか否かを判定し、遊技媒体の投入が検出されていない場合」に、精算操作がされた否かの判定を行うことは、申立人が示した甲第1号証から甲第5号証及び当審による取消理由通知で引用した引用文献6のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、それが、本件特許の出願時において周知又は技術常識であったとも、単なる設計事項であるともいえない。
そうすると、申立人が示した甲第1号証から甲第5号証及び当審による取消理由通知で引用した引用文献6に接した当業者といえども、上記相違点8に係る本件訂正発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
キ 本件訂正発明の効果について
本件訂正発明によってもたらされる効果は、令和1年8月29日に特許権者から提出された意見書の第6頁第20行から第25行に記載されているように、本件訂正発明は、相違点8に係る構成を備えることにより、精算制御が行われる時点で既に遊技媒体が投入されてしまうことがなく、既に投入された遊技媒体を精算制御中に飲み込んでしまうといった不都合の発生を回避することができるという効果を奏するものである。そして、当該効果は、申立人が示した甲第1号証から甲第5号証及び当審による取消理由通知で引用した引用文献6から、当業者が予測し得ないものである。
(4)小括
したがって、本件訂正発明は、甲1発明、甲第2-5号証記載の事項、引用文献6に記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 特許異議申立理由について
当審による令和1年6月28日付け取消理由通知は、上記第3 2~3において示したように、申立人が提出した甲第1-5号証をすべて含めて検討していることから、特許異議申立の理由も上記第4 1において検討済みである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知で通知した取消理由並びに特許異議申立書に記載した理由及び証拠方法によっては、本件訂正請求により訂正された請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正請求により訂正された請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2019-700171