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特許異議申立

2019-700079

スロットマシン

審判番号
2019-700079
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-024884外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年02月05日
審決日
2019年10月31日
公報発行日
2020年01月31日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第126条、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6371536号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】
特許第6371536号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。
特許第6371536号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

目次 ▾ 24項目
【理 由】

【目次】

第1 手続の経緯

第2 訂正請求について

1 訂正の内容

2 訂正の適否

3 まとめ

第3 特許異議の申立について

1 本件訂正発明

2 特許異議申立理由の概要

3 取消理由の概要

4 甲各号証について

(1)甲第1号証

(2)甲第2号証

5 当審の判断

(1)取消理由(特許法第29条第2項)について

ア 対比

イ 判断

(2)特許異議申立理由について

(3)特許異議申立人の意見について

第4 むすび

第1 手続の経緯

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本件特許第6371536号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成26年2月12日の特許出願であって、平成30年7月20日に特許の設定登録がなされ、平成31年2月5日にその特許に対し、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、当審により同年4月26日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より令和1年7月5日付けで意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して、特許異議申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、特許異議申立人から同年9月2日付けで意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について

1 訂正の内容

令和1年7月5日付け訂正請求書による本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。

(1)訂正事項1

本件特許の特許請求の範囲の請求項1(以下「訂正前の請求項1」という。)に「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、」と記載されているのを、

「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、性能試験を行う際に中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能なスロットマシンにおいて、」に訂正する(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)。

(2)訂正事項2

訂正前の請求項1に「前記事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、性能試験を行う際に接続される試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力するための出力制御を行う事前決定信号出力制御手段と、」と記載されているのを、

「前記事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力するための出力制御を行う事前決定信号出力制御手段と、」に訂正する。

(3)訂正事項3

訂正前の請求項1に「前記試験装置に対して前記複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段と、」と記載されているのを、

「前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段と、」に訂正する。

(4)訂正事項4

訂正前の請求項1に「前記再遊技状態信号出力制御手段は、前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されるまでの期間において、前記事前決定信号出力制御手段により前記事前決定信号の出力制御に用いられる信号線と共通の信号線を用いて前記再遊技状態信号の出力制御を行う、」と記載されているのを、

「前記再遊技状態信号出力制御手段は、前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されるまでの期間において、前記事前決定信号出力制御手段により前記事前決定信号の出力制御に用いられる信号線と共通の信号線を用いて前記再遊技状態信号の出力制御を行い、」に訂正する。

(5)訂正事項5

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
遊技者により操作される導出操作手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(6)訂正事項6

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記可変表示部の変動表示を開始した後、前記導出操作手段の操作を有効化する第1有効化手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(7)訂正事項7

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記第1有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第1状態において、前記導出操作手段が操作されたこと、または前記試験用信号として特定信号が前記試験装置から前記中継基板を介して入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(8)訂正事項8

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記開始操作手段が操作された後、前記可変表示部の変動表示を開始する前に、フリーズ状態に制御することが可能なフリーズ状態制御手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(9)訂正事項9

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記フリーズ状態において前記導出操作手段の操作を有効化する第2有効化手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(10)訂正事項10

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記第2有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第2状態において、前記導出操作手段が操作されたことにより前記可変表示部の表示態様を変化させる表示態様変更手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(11)訂正事項11

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(12)訂正事項12

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記第1状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、前記第2状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、に前記導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行う駆動信号出力制御手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(13)訂正事項13

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記駆動信号を、導出操作有効信号として前記中継基板を介して前記試験装置に対して出力する導出操作有効信号出力手段と、
・・・
をさらに備え、」を加える。

(14)訂正事項14

訂正前の請求項1に

「前記スロットマシンは、
・・・
前記フリーズ状態において前記導出操作有効信号の出力を規制するための出力規制信号を前記中継基板に対して出力する制御を行う出力規制信号出力制御手段と、
をさらに備え、」を加える。

(15)訂正事項15

訂正前の請求項1に「前記試験装置は、前記中継基板を介して出力された前記導出操作有効信号が入力されたことに基づき前記特定信号を出力するものであり、」を加える。

(16)訂正事項16

訂正前の請求項1に「前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されていない場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力され、」を加える。

(17)訂正事項17

訂正前の請求項1に「前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されている場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力されない、」を加える。

(18)訂正事項18

願書に添付した明細書の段落【0008】に

「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者が前記可変表示部の変動表示を開始させるために操作する開始操作手段と、
続きを表示(全18行)
表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段により決定の対象となる再遊技の付与を伴う再遊技入賞の種類または前記再遊技入賞の発生を許容する旨が決定される確率が異なる複数種類の再遊技状態に制御可能な再遊技状態制御手段と、
前記事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、性能試験を行う際に接続される試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力するための出力制御を行う事前決定信号出力制御手段と、
前記試験装置に対して前記複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段と、
1ゲームに要する最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する進行規制手段と、
前記事前決定信号の出力制御を開始してからの経過時間を計時する計時手段と、
を備え、
前記事前決定手段は、前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してからの経過時間に関わらず、今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されたときに、入賞の発生を許容するか否かを決定し、
前記事前決定信号出力制御手段は、
前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過する前に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該所定の規制時間が経過したときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過した後に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該事前決定信号の出力制御が開始可能となったときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
前記再遊技状態信号出力制御手段は、前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されるまでの期間において、前記事前決定信号出力制御手段により前記事前決定信号の出力制御に用いられる信号線と共通の信号線を用いて前記再遊技状態信号の出力制御を行う
ことを特徴としている。
・・・」と記載されているのを、
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、性能試験を行う際に中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能なスロットマシンにおいて、
遊技者が前記可変表示部の変動表示を開始させるために操作する開始操作手段と、
続きを表示(全33行)
表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段により決定の対象となる再遊技の付与を伴う再遊技入賞の種類または前記再遊技入賞の発生を許容する旨が決定される確率が異なる複数種類の再遊技状態に制御可能な再遊技状態制御手段と、
前記事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力するための出力制御を行う事前決定信号出力制御手段と、
前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段と、
1ゲームに要する最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する進行規制手段と、
前記事前決定信号の出力制御を開始してからの経過時間を計時する計時手段と、
を備え、
前記事前決定手段は、前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してからの経過時間に関わらず、今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されたときに、入賞の発生を許容するか否かを決定し、
前記事前決定信号出力制御手段は、
前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過する前に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該所定の規制時間が経過したときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過した後に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該事前決定信号の出力制御が開始可能となったときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
前記再遊技状態信号出力制御手段は、前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されるまでの期間において、前記事前決定信号出力制御手段により前記事前決定信号の出力制御に用いられる信号線と共通の信号線を用いて前記再遊技状態信号の出力制御を行い、
前記スロットマシンは、
遊技者により操作される導出操作手段と、
前記可変表示部の変動表示を開始した後、前記導出操作手段の操作を有効化する第1有効化手段と、
前記第1有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第1状態において、前記導出操作手段が操作されたこと、または前記試験用信号として特定信号が前記試験装置から前記中継基板を介して入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
前記開始操作手段が操作された後、前記可変表示部の変動表示を開始する前に、フリーズ状態に制御することが可能なフリーズ状態制御手段と、
前記フリーズ状態において前記導出操作手段の操作を有効化する第2有効化手段と、
前記第2有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第2状態において、前記導出操作手段が操作されたことにより前記可変表示部の表示態様を変化させる表示態様変更手段と、
前記導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段と、
前記第1状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、前記第2状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、に前記導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行う駆動信号出力制御手段と、
前記駆動信号を、導出操作有効信号として前記中継基板を介して前記試験装置に対して出力する導出操作有効信号出力手段と、
前記フリーズ状態において前記導出操作有効信号の出力を規制するための出力規制信号を前記中継基板に対して出力する制御を行う出力規制信号出力制御手段と、
をさらに備え、
前記試験装置は、前記中継基板を介して出力された前記導出操作有効信号が入力されたことに基づき前記特定信号を出力するものであり、
前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されていない場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力され、
前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されている場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力されない
ことを特徴としている。
・・・」に訂正する。

2 訂正の適否

(1)訂正事項1

ア 訂正の目的について

訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に「性能試験を行う際に中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能な」という発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項1は、願書に添付した明細書の【0008】の「遊技の試験を行う際に接続される試験装置(試験装置1300)からの試験用信号(試験用信号)の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能であり、」との記載、【0305】の「本実施例では、図21に示すように、遊技制御基板40が、インターフェイス(IF)基板(メイン)1100を介して試験装置1300と接続可能とされており、試験用信号が試験装置1300から遊技制御基板40に対して入力されるとともに、遊技の結果に関連して発生する試験信号が遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力されるようになっており、遊技制御基板40と試験装置1300を接続することにより自動的にシミュレーション試験を行うことが可能とされている。」との記載、すなわち、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、性能試験を行う際に中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)を介して接続される試験装置(試験装置1300)からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能なスロットマシンである旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(2)訂正事項2

ア 訂正の目的について

訂正事項2において、訂正前の請求項1の「性能試験を行う際に接続される試験装置」を「前記試験装置」とする訂正は、訂正事項1により追加された「性能試験を行う際に・・・接続される」を「前記」に置き換える訂正であるから、当該訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項2における「・・・前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力する・・・」とする訂正は、訂正前の請求項1の「事前決定信号」を「中継基板を介して」出力することを限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであることに加えて、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項2は、願書に添付した明細書の上記(1)の【0305】の記載、【0307】の「図21に示すように、・・・内部当選フラグ8信号、内部当選フラグ7信号、内部当選フラグ1~6(RT種別1~4)信号、・・・が試験信号として遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力される。」という記載、【0318】の「内部当選フラグ8信号は、内部当選フラグ1~6信号が特別役の当選状況を示している旨を示す信号であり、内部当選フラグ7信号は、内部当選フラグ1~6信号が特別役の当選状況を示している旨を示す信号である。」との記載、【0319】の「内部当選フラグ1~6信号は、内部当選フラグ8信号がON、内部当選フラグ7信号がOFFの場合に特別役の当選状況を示す信号であり、内部当選フラグ8信号がOFF、内部当選フラグ7信号がONの場合に一般役の当選状況を示す信号である。また、内部当選フラグ1~4信号は、内部当選フラグ8信号、内部当選フラグ7信号がともにOFFの状態であり、かつゲーム終了後、スタート可能ランプ信号がONに変化してから所定期間(一定時間が経過するまでの期間またはリールスタートスイッチ信号がONとなるまでの期間)において、RT種別信号として機能し、この間における内部当選フラグ1~4(RT種別1~4信号)は、次ゲームのRTの種別(RT0~5)を示す信号となる。」との記載、すなわち、事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)を介して試験装置(試験装置1300)に対して事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号(内部当選フラグ8信号、内部当選フラグ7信号、内部当選フラグ1~6(RT種別1~4)信号)を出力するための出力制御を行う旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正事項3

ア 訂正の目的について

訂正事項3は、訂正前の請求項1の「再遊技状態信号を出力する」ために「前記中継基板を介して」行うことを限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項3は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項3は、願書に添付した明細書の上記(1)の【0305】の記載、上記(2)の【0307】、【0319】の記載、すなわち、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)を介して試験装置(試験装置1300)に対して、複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号(内部当選フラグ1~6信号(RT種別1~4信号)を出力するための出力制御を行う旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(4)訂正事項4

ア 訂正の目的について

訂正事項4は、訂正事項5~17を付加したことに伴って、記載内容を整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(5)訂正事項5

ア 訂正の目的について

訂正事項5は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、遊技者により操作される導出操作手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項5は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項5は、願書に添付した明細書の【0008】の「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)を含む操作手段と、」との記載に基づくものである。

したがって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(6)訂正事項6

ア 訂正の目的について

訂正事項6は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記可変表示部の変動表示を開始した後、前記導出操作手段の操作を有効化する第1有効化手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項6は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項6は、願書に添付した明細書の【0288】の「また、メイン制御部41は、擬似遊技演出において全てのリールが仮停止した後、継続抽選にて非継続が当選している場合には、フリーズ状態を終了し、これに伴いサブ制御部91に対してフリーズ状態の終了を示すフリーズ終了コマンドを送信し、その後、リールの回転を開始させ、定速回転となることで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与する操作として受付可能とする。」との記載、【0333】の「内部当選フラグ1~6信号、内部当選フラグ8信号、内部当選フラグ7信号による内部抽選の結果の出力後、リールの回転が開始し、定速回転となってストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化した時点で、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯状態とし、第1~3リールストップ可能ランプをONにする。」との記載、すなわち、スロットマシンは、可変表示部の変動表示を開始した後(リールの回転を開始させ)、導出操作手段の操作を有効化する(リールの回転を開始し、定速回転となると、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する)旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(7)訂正事項7

ア 訂正の目的について

訂正事項7は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記第1有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第1状態において、前記導出操作手段が操作されたこと、または前記試験用信号として特定信号が前記試験装置から前記中継基板を介して入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項7は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項7は、願書に添付した明細書の【0008】の「前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が遊技の進行に関与する第1の状態(遊技を進行させるための停止操作が有効な状態)において、前記試験用信号として前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作を示す特定信号(第1~3リールストップスイッチ信号)が試験装置(試験装置1300)から入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(メイン制御部41)と、」という記載、【0113】の「次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。」との記載、上記(1)の【0305】の記載、【0333】の「内部当選フラグ1~6信号、内部当選フラグ8信号、内部当選フラグ7信号による内部抽選の結果の出力後、リールの回転が開始し、定速回転となってストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化した時点で、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rを点灯状態とし、第1~3リールストップ可能ランプをONにする。これに基づき試験装置1300から第1~3リールストップスイッチ信号のいずれかが入力されるようになっており、第1~3リールストップスイッチ信号のいずれかを検出すると、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rのうち対応するLEDを消灯し、対応する第1~3リールストップ可能ランプをOFFにする。そして、検出した第1~3リールストップスイッチ信号に対応するリールを停止させる制御を行った後、回転中のリールに対応する停止有効LEDを再び点灯状態とし、対応するリールストップ可能ランプをONにする。」との記載、すなわち、スロットマシンは、第1有効化手段により導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が有効化される第1状態(遊技を進行させるための停止操作が有効な状態)において、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたこと、または試験用信号として特定信号(第1~3リールストップ信号)が試験装置(試験装置1300)から中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)を介して入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(8)訂正事項8

ア 訂正の目的について

訂正事項8は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記開始操作手段が操作された後、前記可変表示部の変動表示を開始する前に、フリーズ状態に制御することが可能なフリーズ状態制御手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項8は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項8は、願書に添付した明細書の【0273】の「本実施例においてメイン制御部41は、RT2中の弱チェリー、強チェリーの当選を契機に、所定期間にわたり遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に制御するか否かを決定するフリーズ抽選を行い、当該フリーズ抽選に当選することで、所定期間にわたりストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効化されるタイミングを遅延させるフリーズ状態に制御する。また、メイン制御部41は、フリーズ状態においてリール2L、2C、2Rを変動させるとともに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作により対応するリールを仮停止させる擬似遊技演出を行うようになっている。」との記載、【0278】の「メイン制御部41は、フリーズ状態の開始ゲームにおいて、当該ゲームの開始操作(スタートスイッチ7の操作)に伴ってフリーズ状態の開始を示すフリーズ開始コマンドをサブ制御部91に送信するとともに、フリーズ状態を継続させるか否か(非継続、継続)を決定する継続抽選を行い、継続抽選の結果を特定可能な継続抽選結果コマンドをサブ制御部91に送信する。」との記載、上記(6)の【0288】の記載、すなわち、スロットマシンは、開始操作手段(スタートスイッチ)が操作された後、可変表示部の変動表示を開始する前に(リールの回転を開始する前に)、フリーズ状態に制御することが可能である旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(9)訂正事項9

ア 訂正の目的について

訂正事項9は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記フリーズ状態において前記導出操作手段の操作を有効化する第2有効化手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項9は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項9は、願書に添付した明細書の上記(8)の【0273】の記載、【0280】の「そして、継続抽選の後、リールの回転を開始させることで擬似遊技演出を開始し、リールが定速回転となることでストップスイッチ8L、8C、8Rの操作をゲームの進行に関与しない操作として受付可能とする。この際、図20(a)に示すように、停止有効LED22L、22C、22Rを点灯してストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作を促す。」との記載、すなわち、スロットマシンは、フリーズ状態において導出操作手段の操作を有効化する(ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール停止操作を有効化する)旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(10)訂正事項10

ア 訂正の目的について

訂正事項10は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記第2有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第2状態において、前記導出操作手段が操作されたことにより前記可変表示部の表示態様を変化させる表示態様変更手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項10は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項10は、願書に添付した明細書の上記(8)の【0273】の記載、上記(9)の【0280】の記載、【0282】の「この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると、図20(b)~(d)に示すように、操作されたストップスイッチに対応するリールを継続抽選の結果に応じて仮停止させる制御を行う。詳しくは、継続抽選にて継続が当選していれば、図20(b)に示すように、全てのリールについて引込範囲内に位置する「黒7」を中段に引き込んで「黒7-黒7-黒7」の組み合わせを仮停止させる制御を行い、継続抽選にて継続が当選していなければ、図20(d)に示すように、いずれか2つのリールが仮停止するまでは引込範囲内に位置する「黒7」を中段に引き込んで「黒7-黒7-黒7」の組み合わせの一部を停止させる制御を行うが、最後に仮停止するリールについては中段に「黒7」以外の図柄を仮停止させる制御を行う。尚、継続抽選にて継続が当選していても「黒7」を中段に引き込めない場合には、図20(c)に示すように、中段に「黒7」以外の図柄を仮停止させる制御を行う。」との記載、すなわち、スロットマシンは、第2有効化手段により導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が有効化されている第2状態(フリーズ状態において停止操作が有効な状態)において、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたことにより可変表示部の表示態様を変化させる(図20(b)~(d)に示すように、操作されたストップスイッチに対向するリールを継続抽選の結果に応じて仮停止させる制御を行う)旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(11)訂正事項11

ア 訂正の目的について

訂正事項11は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項11は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項11は、願書に添付した明細書の【0028】の「ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。」との記載、すなわち、スロットマシンは、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段(左、中、右停止有効LED22L、22C、22R)を備えることに基づくものである。

したがって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(12)訂正事項12

ア 訂正の目的について

訂正事項12は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記第1状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、前記第2状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、に前記導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行う駆動信号出力制御手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項12は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項12は、願書に添付した明細書の【0312】の「第1~3リールストップ可能ランプ信号は、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rの駆動信号、すなわち左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯しているか否かを示す信号であり、左リール、中リール、右リールの停止操作が可能か否かを特定可能とされている。」との記載、【0408】の「メイン制御部41は、ゲーム開始後、フリーズ状態に制御されず、リールが定速回転となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が遊技の進行に関与する状態となることで停止有効LED22L、22C、22Rを点灯し、第1~3リールストップ可能ランプ信号(メイン→IF)を出力するとともに、」との記載、【0409】の「また、メイン制御部41は、フリーズ状態に制御し、擬似遊技演出を行う場合にも、リールが定速回転となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が遊技の進行に関与しない状態となることで停止有効LED22L、22C、22Rを点灯し、第1~3リールストップ可能ランプ信号(メイン→IF)を出力するが、」との記載、すなわち、スロットマシンは、第1状態(遊技を進行させるための停止操作が有効な状態)において導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が有効である場合と、第2状態(フリーズ状態において停止操作が有効な状態)において導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が有効である場合と、に導出操作可能報知手段(左、中、右停止有効LED22L、22C、22R)の駆動信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)を出力する制御を行う旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(13)訂正事項13

ア 訂正の目的について

訂正事項13は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記駆動信号を、導出操作有効信号として前記中継基板を介して前記試験装置に対して出力する導出操作有効信号出力手段と、・・・をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項13は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項13は、願書に添付した明細書の【0008】の「・・・前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が可能である旨を示す導出操作可能信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)を前記試験装置(試験装置1300)に対して出力するための制御を行う導出操作可能信号出力制御手段(メイン制御部41)と、をさらに備え、・・・」との記載、【0306】の「図21は、遊技制御基板40からIF基板(メイン)1100を介して試験装置1300に対して出力される試験信号、及び、試験装置1300からIF基板(メイン)1100を介して遊技制御基板40に対して出力される試験用信号を示す図である。」との記載、【0307】の「図21に示すように、投入要求ランプ信号、スタート可能ランプ信号、BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号、第1~3リールストップ可能ランプ信号、第1~3リールインデックス信号、払出要求信号、払出カウント信号、打止信号、設定値表示用7セグメント表示a~g信号、内部当選フラグ8信号、内部当選フラグ7信号、内部当選フラグ1~6(RT種別1~4)信号、信号遅延中信号、第1リールモータ励磁信号、第2リールモータ励磁信号、第3リールモータ励磁信号が試験信号として遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力される。」との記載、上記(12)の【0312】の記載、上記(7)の【0333】の記載、すなわち、スロットマシンは、駆動信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)を、導出操作有効信号として中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)を介して試験装置(試験装置1300)に対して出力する旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(14)訂正事項14

ア 訂正の目的について

訂正事項14は、訂正前の請求項1に「前記スロットマシンは、・・・前記フリーズ状態において前記導出操作有効信号の出力を規制するための出力規制信号を前記中継基板に対して出力する制御を行う出力規制信号出力制御手段と、をさらに備え」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項14は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項14は、願書に添付した明細書の【0405】の「図29に示すように、遊技制御基板40のメイン制御部41は、第1~3リールストップ可能ランプ信号(メイン→IF)に加え、第1~3リールストップ可能ランプ信号(IF→試)の出力を規制するための出力規制信号(メイン)をIF基板(メイン)1100に出力可能とされている。」との記載、【0409】の「図30に示すように、フリーズ状態の開始から終了するまでの期間にわたり出力規制信号(メイン)を出力するようになっており、出力規制信号(メイン)がON状態となることで、リレー回路1102に第1~3リールストップ可能ランプ信号(メイン→IF)が入力されても、第1~3リールストップ可能ランプ信号(IF→試)が試験装置1300に出力されないようになっている。」との記載、すなわち、スロットマシンは、フリーズ状態において導出操作有効信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)の出力を規制するための出力規制信号を中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)に対して出力する制御を行う旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(15)訂正事項15

ア 訂正の目的について

訂正事項15は、訂正前の請求項1に「前記試験装置は、前記中継基板を介して出力された前記導出操作有効信号が入力されたことに基づき前記特定信号を出力するものであ」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項15は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項15は、願書に添付した明細書の、上記(13)の【0306】~【0307】の記載、上記(7)の【0333】の記載、すなわち、試験装置(試験装置300)は、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)を介して出力された導出操作有効信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)が入力されたことに基づいて特定信号(第1~3リールストップスイッチ信号)を出力するものである旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(16)訂正事項16

ア 訂正の目的について

訂正事項16は、訂正前の請求項1に「前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されていない場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力され」るという発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項16は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項16は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項16は、願書に添付した明細書の【0408】の「メイン制御部41は、ゲーム開始後、フリーズ状態に制御されず、リールが定速回転となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が遊技の進行に関与する状態となることで停止有効LED22L、22C、22Rを点灯し、第1~3リールストップ可能ランプ信号(メイン→IF)を出力するとともに、この場合には、出力規制信号(メイン)を出力しないようになっており、出力規制信号(メイン)がOFF状態のままとなるので、リレー回路1102に入力された第1~3リールストップ可能ランプ信号(メイン→IF)が、第1~3リールストップ可能ランプ信号(IF→試)として試験装置1300に出力される。」との記載、すなわち、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)に導出操作有効信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)が入力され、かつ出力規制信号が入力されていない場合には、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)に入力された導出操作有効信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)が試験装置(試験装置1300)に出力される旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項16は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項16は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(17)訂正事項17

ア 訂正の目的について

訂正事項17は、訂正前の請求項1に「前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されている場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力されない、」という発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮するものである。

したがって、訂正事項17は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項17は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項17は、願書に添付した明細書の上記(12)、(14)の【0409】の記載、すなわち、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)に導出操作有効信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)が入力され、かつ出力規制信号が入力されている場合には、中継基板(インターフェイス(IF)基板(メイン)1100)に入力された導出操作有効信号(第1~3リールストップ可能ランプ信号)が試験装置(試験装置1300)に出力されない旨の記載に基づくものである。

したがって、訂正事項17は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項17は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(18)訂正事項18

ア 訂正の目的について

訂正事項18は、訂正事項1~17に係る訂正により、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった願書に添付した明細書の段落【0008】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記訂正事項18は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

上記訂正事項18は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、上記訂正事項18は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(19)小括

訂正事項1~3、5~17は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5~6項の規定に適合するものである。

また、訂正事項2、4、18は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5~6項の規定に適合するものである。

3 まとめ

上記1、2において検討したとおりであるから、本件特許の明細書及び特許請求の範囲についての訂正を認める。

第3 特許異議の申立について

1 本件訂正発明

本件特許の訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1をA~AAに分説した。なお、下線は、訂正された箇所を示す。)。

(本件訂正発明)

「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B1 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、性能試験を行う際に中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能なスロットマシンにおいて、
C 遊技者が前記可変表示部の変動表示を開始させるために操作する開始操作手段と、
続きを表示(全31行)
D 表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
E 前記事前決定手段により決定の対象となる再遊技の付与を伴う再遊技入賞の種類または前記再遊技入賞の発生を許容する旨が決定される確率が異なる複数種類の再遊技状態に制御可能な再遊技状態制御手段と、
F1 前記事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力するための出力制御を行う事前決定信号出力制御手段と、
G1 前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段と、
H 1ゲームに要する最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する進行規制手段と、
I 前記事前決定信号の出力制御を開始してからの経過時間を計時する計時手段と、
を備え、
J 前記事前決定手段は、前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してからの経過時間に関わらず、今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されたときに、入賞の発生を許容するか否かを決定し、
K 前記事前決定信号出力制御手段は、
前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過する前に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該所定の規制時間が経過したときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
L  前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過した後に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該事前決定信号の出力制御が開始可能となったときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
M 前記再遊技状態信号出力制御手段は、前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されるまでの期間において、前記事前決定信号出力制御手段により前記事前決定信号の出力制御に用いられる信号線と共通の信号線を用いて前記再遊技状態信号の出力制御を行い、
N 前記スロットマシンは、
O  遊技者により操作される導出操作手段と、
P  前記可変表示部の変動表示を開始した後、前記導出操作手段の操作を有効化する第1有効化手段と、
Q  前記第1有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第1状態において、前記導出操作手段が操作されたこと、または前記試験用信号として特定信号が前記試験装置から前記中継基板を介して入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
R  前記開始操作手段が操作された後、前記可変表示部の変動表示を開始する前に、フリーズ状態に制御することが可能なフリーズ状態制御手段と、
S  前記フリーズ状態において前記導出操作手段の操作を有効化する第2有効化手段と、
T  前記第2有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第2状態において、前記導出操作手段が操作されたことにより前記可変表示部の表示態様を変化させる表示態様変更手段と、
U  前記導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段と、
V  前記第1状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、前記第2状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合と、に前記導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行う駆動信号出力制御手段と、
W  前記駆動信号を、導出操作有効信号として前記中継基板を介して前記試験装置に対して出力する導出操作有効信号出力手段と、
X  前記フリーズ状態において前記導出操作有効信号の出力を規制するための出力規制信号を前記中継基板に対して出力する制御を行う出力規制信号出力制御手段と、
をさらに備え、
Y 前記試験装置は、前記中継基板を介して出力された前記導出操作有効信号が入力されたことに基づき前記特定信号を出力するものであり、
Z  前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されていない場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力され、
AA 前記中継基板に前記導出操作有効信号が入力され、かつ前記出力規制信号が入力されている場合には、前記中継基板に入力された前記導出操作有効信号が前記試験装置に出力されない、スロットマシン。」

2 特許異議申立理由の概要

異議申立人は、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)に対して、証拠として甲第1号証及び甲第2号証を提示し、本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明、及び、甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、取り消されるべきものである旨、主張する。

<証拠方法>

甲第1号証:特開2013-223668号公報
甲第2号証:特開2009-247538号公報

3 取消理由の概要

特許異議申立人による、特許異議の申立書の提出を受け、当審により、平成31年4月26日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。

本件特許発明は、甲1発明及び甲2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

よって、本件特許発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

4 甲各号証について

(1)甲第1号証

甲第1号証(特開2013-223668号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。

・記載事項

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンに関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のスロットマシンでは、信号を外部出力する契機となる操作が行なわれたタイミングで、該信号を外部出力するものであった。このため、たとえば有利遊技状態の開始に伴って有利遊技状態に制御されている旨を示す信号を外部出力中であるときなど、受付けた操作に基づく信号を外部出力しても外部機器で正確にゲームの進行状況を把握できないような期間中においては、当該操作を無効にして、当該操作の受付開始タイミングを遅延させていた。その結果、信号を外部出力するために、ゲームの進行が阻害されてしまうという問題が生じていた。
【0008】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ゲームの進行を阻害することなく、外部機器においてゲームの進行状況を正確に把握できるように信号を外部出力できるスロットマシンを提供することである。」
イ 「【0030】
まず、本実施例に用いたスロットマシン1について以下に説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筐体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されている。
【0031】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
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【0032】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0033】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
・・・
【0036】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。」
ウ 「【0048】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0049】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
・・・
【0058】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1~3BETLED14~16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。」
エ 「【0099】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0~65535の整数)を取得する。詳しくは、RAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
・・・
【0103】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506Aに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。」
オ 「【0151】
図6~図9は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態及びRTの遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。
【0152】
本実施例におけるスロットマシンは、図10に示すように、通常遊技状態、内部中1、2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0~4のいずれかに制御される。」
カ 「【0265】
一方、本実施例では、対象役の判定値数が定められた抽選テーブルとして、内部中1用の抽選テーブル、内部中2用の抽選テーブル、RB用の抽選テーブル、BB(RB)用の抽選テーブル、通常遊技状態用の抽選テーブルをそれぞれ有しており、さらに通常遊技状態用の抽選テーブルとして、RT0用の抽選テーブル、RT1用の抽選テーブル、RT2用の抽選テーブル、RT3用の抽選テーブルをそれぞれ有している。
【0266】
そして、内部抽選処理においてRAMに格納されている遊技状態フラグの値及びRTフラグの値を参照して遊技状態及びRTの種類を特定し、それに応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行なうことにより、遊技状態及びRTの種類に応じた抽選対象役について、遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて抽選が行なわれるようになっている。」
キ 「【0316】
これら外部出力信号は、図19に示すように、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
【0317】
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、通常・RT2の開始及び終了のいずれか一方を示すRT2信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。」
ク 「【0338】
図21は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0339】
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
続きを表示(全13行)
【0340】
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、該賭数が設定されることによりスタートスイッチ7への操作が有効となり、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
【0341】
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAMに当選フラグが設定される。
・・・
【0343】
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、フリーズ期間が設定されているか否かが判定される。フリーズ期間が設定されていないと判定されたときには、前述したウェイト中であるか否かが判定される。ウェイト中であると判定されたときには、ウェイト中でないと判定されるまで(ウェイトが経過するまで)、当該判定が繰り返し行なわれる。
【0344】
ウェイト中でないと判定されたとき(ウェイトが経過していると判定されたとき)には、各リール2L、2C、2Rを通常態様で回転させる通常回転処理が開始された後、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理が開始される。通常回転処理では、リール2L~2Rの回転速度を一定速度で回転させる制御が行なわれる。」
ケ 「【0386】
以上では、スロットマシン1において遊技者によりゲームが行なわれたときに、当該ゲームの進行に応じて信号が外部出力されることについて説明したが、スロットマシン1は、型式試験に用いる信号についても外部出力可能に構成されている。
【0387】
スロットマシンなどの遊技機が流通する業界においては、出荷前段階において第三者機関による検査(前述の型式試験)が義務づけられており、当該型式試験において所定の基準を満たしていると判定された機種のみ遊技場への出荷が許されるといった特別な事情を有している。また、近年においては、スロットマシンにおけるゲームを盛り上げるために複雑化・多様化する演出の影響を受けることなく試験用の信号(以下、試験信号ともいう)を外部出力することにより、外部機器である試験装置において正確に試験を行なえるようにすることが求められている。
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【0388】
そこで、スロットマシン1は、このような特別な事情およびニーズを考慮して、試験装置において正確な試験を行なえるように、試験信号が外部出力されるように構成されている。
【0389】
スロットマシン1は、試験に用いる信号を入出力するための入出力基板を備えている。入出力基板は、遊技制御基板40および演出制御基板90と電気的に接続されている。スロットマシン1から試験装置に出力される試験信号には、ゲーム開始および当選状況を特定するための当選状況信号、リールモータ32L~32R各々の回転位置(たとえば、所定位置のステップ番号、下段に位置している図柄の領域番号など)を特定するための回転位置信号、ナビ演出の有無などを考慮して実際に遊技者によって操作されることが予測される推奨操作手順を特定するための推奨操作手順信号が含まれる。なお、スロットマシン1から試験装置に出力される試験信号には、入賞が発生したことおよびその種類を特定するための入賞信号やメダルが払い出されたことを特定するための払出信号など、その他の信号が含まれるものであってもよい。
【0390】
また、試験装置からスロットマシン1に入力される信号には、ゲームを開始するために賭数設定やリール回転などゲームを開始させるためのゲーム開始信号、リールを停止させるなどゲームを終了させるためのゲーム終了信号が含まれる。
・・・
【0393】
そして、遊技制御基板40のメイン制御部41は、試験信号を出力するための試験信号出力処理を実行する。試験信号出力処理を実行することにより、ゲーム開始時に当選状況情報が生成されて、当選状況信号が外部出力される。当選状況信号は、入出力基板を介して試験装置に入力される。これにより、試験装置において、ゲームが開始されたこと、および当選状況などを特定することができる。
・・・
【0396】
次に、図30(b)を参照して、ウェイト発生する場合について説明する。ウェイト発生する場合でも、スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられて、当該操作が無効とされることなく、当該操作に応じてリール回転が開始される。ウェイト発生する場合には、スタートスイッチ7が操作された後、ウェイトが経過したとき、すなわち前回ゲームにおいてゲーム進行用変動が開始されてから所定時間(4.1秒)経過したときに、リール回転処理における通常回転処理が開始されて、今回ゲームのゲーム進行用変動が開始される。また、当選状況信号については、ウェイト発生する場合、当該ウェイトが経過したときであって、実際にゲーム進行用変動が開始されるときに外部出力される。具体的には、ウェイト期間を特定するためのウェイトカウンタの値からウェイト経過したことが特定されたときに、当選状況信号が外部出力される。
【0397】
さらに、図30(c)を参照して、フリーズ発生する場合について説明する。フリーズ発生する場合でも、スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられ、当該操作が無効とされることなく、当該操作に応じてリール回転が開始される。フリーズ発生する場合には、スタートスイッチ7が操作されたときに、フリーズの種類に応じた態様で各リール2L、2C、2Rを回転させる特定回転処理が開始されて、ゲームを進行させるためではなくフリーズ中の演出効果を高めるための演出用の変動(以下、演出用変動ともいう)が開始される。
【0398】
その後、フリーズ期間が経過したときに演出用変動を終了させるとともにフリーズを終了させて、リール回転処理における通常回転処理が開始されて、ゲーム進行用変動が開始される。なお、図30(c)では、フリーズ期間が経過したときに演出用変動を終了させる例について説明しているが、前述したように、回転を継続させたままの状態で通常回転
処理に移行させてゲーム進行用変動を開始させるようにしてもよい。
・・・
【0401】
以上のように、ウェイトやフリーズが発生するか否かに関わらず、スタートスイッチ7の操作を有効に受付けて、当該操作が無効とされることなくリール回転が行なわれる。また、スタートスイッチ7の操作に応じた当選状況信号は、ウェイトやフリーズが発生するか否かに関わらず、リール回転処理のうち通常回転処理が開始されて実際にゲーム進行用変動が開始されたときに外部出力される。このため、スタートスイッチ7が有効であるときの操作であるにも関わらず当該操作を無効にするなどしてゲームの進行が阻害されてしまうことなく、かつ、ウェイトやフリーズの発生の有無に関わらず、ゲーム進行用変動が実際に開始された正確なタイミングで当選状況信号を出力できる。」
コ 「【0416】
また、ゲーム進行用変動の開始を契機として出力される信号として当選状況信号を外部出力する。このため、当選状況信号が出力されることによりゲーム進行用変動が開始されたことに加えて、当該ゲームにおいて当選している入賞役の種類を特定することができる。このため、より詳細にゲームの進行状況を試験装置において把握でき、たとえば前述した入賞信号と照合することなどにより、当選していない入賞役が不正に発生させられたことなどについても把握可能となる。」

サ 上記ア~コの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。a~v’は、本件訂正発明の分説(A~V)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。

「a 外周に複数種の図柄が配列され、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32Rによって回転されることで、図柄を透視窓3に連続的に変化しつつ表示することが可能なリール2L、2C、2R(【0031】、【0033】)を備え、
b1 各リール2L、2C、2Rの回転後、回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示され、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせが表示結果として停止した場合には入賞が発生し、出荷前段階において第三者機関による型式試験を行う際に、試験に用いる信号を入出力するための入出力基板を介して接続される試験装置からのゲーム開始信号に基づいてゲームを開始させると共に、ゲーム終了信号に基づいてゲームを終了させることが可能なスロットマシン(【0048】~【0049】、【0386】~【0390】、【0001】)において、
c ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7(【0036】)と、
d 各役への入賞を許容するか否かをスタートスイッチ7の検出時に決定する内部抽選処理(Sd2)を実行する、遊技制御基板40のメイン制御部41(【0099】、【0338】~【0339】)とを備え、
続きを表示(全17行)
e メイン制御部41は、その種類に応じた抽選対象役について、遊技状態及びその種類に応じた当選確率にて抽選が行なわれるRTについて、RT0の遷移を制御し(【0151】、【0266】)、
f1 メイン制御部41は、型式試験の試験信号出力処理において、スロットマシン1から入出力基板を介して試験装置に、入賞役の種類を特定することのできる当選状況信号を出力し(【0387】、【0389】、【0393】、【0416】)、
g1’メイン制御部41は、通常遊技状態において、RT0~4のいずれかに制御し、外部出力基板1000に対し 通常・RT2の開始及び終了のいずれか一方を示すRT2信号を出力し(【0151】~【0152】、【0317】、【0393】)、
h メイン制御部41は、リール回転処理(Sd3)において、ウェイト中であると判定されたときには、ウェイト中でないと判定されるまで(ウェイトが経過するまで)、当該判定を繰り返し行い(【0338】~【0339】、【0343】)、
i メイン制御部41は、リール回転処理において、当選状況信号を、通常回転処理が開始されて実際にゲーム進行用変動が開始されたときに外部出力し、前回ゲームにおいてゲーム進行用変動が開始されてから所定時間(4.1秒)経過したときに、通常回転処理を開始するためのウェイト期間を特定するためのウェイトカウンタを備え(【0338】~【0339】、【0396】、【0401】)、
j メイン制御部41は、内部抽選処理(Sd2)において、BET処理(Sd1)におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行ない(【0338】~【0339】、【0341】)、
k~l メイン制御部41は、当選状況信号については、ウェイト発生する場合、当該ウェイトが経過したときであって、実際にゲーム進行用変動が開始されるときに外部出力し(【0316】、【0396】)、
n スロットマシン(【0001】)は、
o  リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R(【0036】)と、
p、u、v’左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが接続されている遊技制御基板40(【0058】)とを備え、
q  遊技制御基板40のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行ない、また、ゲーム終了信号が入出力基板を介して入力されると、リールを停止させる制御を行い(【0103】、【0389】~【0390】)、
r  メイン制御部41は、フリーズが発生する場合には、スタートスイッチ7が操作されたときに演出用変動が開始され、フリーズ期間が経過したときに演出用変動を終了させるとともにフリーズを終了させて、リール回転処理における通常回転処理が開始されて、ゲーム進行用変動が開始される(【0393】~【0394】、【0397】~【0398】)、
スロットマシン。」

(2)甲第2号証

甲第2号証(特開2009-247538号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
(ア)「【0001】
本発明は、パチスロ機(スロットマシン)やパチンコ遊技機に代表される遊技台および遊技台試験システムに関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2記載の遊技台は、単にAT状態となった場合に、AT信号を出力するのみで、AT時にどのような手順で停止操作したのか等、きめ細かい副制御部における遊技情報を出力することができない。近年では、演出やゲーム性が複雑多岐になり、遊技者が多くの配当を得ることができる遊技方法が指示、示唆される演出も実施されており、このような演出が実施されている演出状況を遊技台外部において簡単に把握したいといった要望があった。さらに、従来の試験装置におけるハード構成を変更することなく、遊技台の試験を実施したいといった要望もあった。
【0009】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、従来の遊技台の試験装置におけるハード構成を大幅に変更する必要がなく、遊技台が多種多様な演出制御を備えていても遊技台の試験を的確に実施することができる遊技台試験システムおよびこれに用いられる遊技台を提供することを目的とする。」
(ウ)「【0091】
最終リールストップ可能ランプ信号は、主制御部300が遊技台試験データ収集装置550に出力する遊技情報信号1に含まれる第1リール停止可能ランプ、第2リール停止可能ランプ、および第3リール停止可能ランプの各信号のうち、最後に停止されるリールに対応する信号のことである。この例では、最終リールストップ可能ランプ信号がオンレベルの状態では、3つのリール110~112のうち、2つのリールが既に停止され、残りの1つのリールが停止可能な状態にあることを示している。また、最終リール回転の信号は、オンレベルからオフレベルに変化し、回転中の最後のリールが停止されたことを示している。
・・・
【0093】
リールスタートスイッチは、遊技台試験データ収集装置550が主制御部300に出力する遊技情報信号3に含まれるリールスタートスイッチのことである。この例では、同図の符号fの時点で、遊技台試験データ収集装置550がスタートレバー135の押下操作時の処理を主制御部300に指示している。
・・・
【0095】
条件装置1~8信号は、主制御部300が遊技台試験データ収集装置550に出力する遊技情報信号1に含まれる条件装置1~8信号のことである。この例では、同図の符号gの時点で、条件装置8信号をオンレベルに設定することによって条件装置の作動(役物の内部当選)を示すとともに、同時に出力する条件装置1~6信号の6ビットの組み合わせによって条件装置の種類(内部当選した役物の種類)を示している。また、同図の符号hの時点で、条件装置8信号をオフレベルに設定し、且つ、条件装置7信号をオンレベルに設定することによって入賞を示すとともに、同時に出力する条件装置1~6信号の6ビットの組み合わせによって入賞役の種類を示している。また、同図の符号iの時点で、条件装置7および条件装置8信号をオフレベルに設定している。
【0096】
再遊技状態識別信号1~4は、主制御部300が遊技台試験データ収集装置550に出力する遊技情報信号1に含まれる条件装置1~4信号のことである。この例では、同図の符号b~符号eの期間で、条件装置1~4信号の4ビットの組み合わせによって再遊技状態を識別するための信号を出力している。このように、条件装置1~4信号は、再遊技状態を識別するための信号と、条件装置の種類および入賞役の種類を示すための信号の両方を兼ねており、前者を同図の符号b~符号eの期間で出力し、後者を前者の期間とは異なる同図の符号g~符号iの期間で出力することで、複数の情報を時分割で出力するように構成されている。」
(エ)「【0136】
スロットマシン100に電源が投入されると、図示していないが、初期設定処理を行い、主制御部メイン処理として、ステップS101では、再遊技信号出力処理が実行される。この再遊技信号出力処理では、遊技状態信号1に含まれる条件装置1~4信号の4ビットによって再遊技状態を識別するための信号を出力する。本実施例では、RT状態が通常遊技RT1モード(再遊技高確率遊技1)の場合には、条件装置1~4信号の4ビットによって再遊技高確率遊技1に対応する信号の組み合わせを出力し、RT状態が通常遊技RT2モード(再遊技高確率遊技2)には、条件装置1~4信号の4ビットによって再遊技高確率遊技2に対応する信号の組み合わせを出力する。」

イ 認定事項

(ア)上記【0091】、【0096】の記載事項、及び、最終のリールが停止されて次回の遊技が開始可能となってから、次回の遊技においてリールの回転が開始されるまでの各種信号の入出力タイミングの一例を示した図である【図21】の図示内容から、

甲第2号証には、回転中の最後のリールが停止された後の時点(符号a)から、遊技台試験データ収集装置550がスタートレバー135の押下操作時の処理を主制御部300に指示する時点(符号f)までの期間に含まれる、期間(符号b~符号e)に出力される再遊技状態を識別するための信号と、条件装置の作動(役物の内部当選)から条件装置7をオフレベルに設定する期間(符号g~符号i)に出力される入賞役の種類を示すための信号とを、主制御部300が出力することが示されているものと認められる。

なお、上記【0095】の記載事項から、【図21】中における「条件装置7信号(役物用ビット)」は、「条件装置8信号(役物用ビット)」の誤記であり、「条件装置9信号(入賞用ビット)」は、「条件装置7信号(入賞用ビット)」の誤記であると認められる。

ウ 上記アの記載事項、及び、上記イの認定事項から、甲第2号証には、次の発明(以下、「甲2に記載された技術事項」という。g2、m2は、本件特許の請求項1の分説(G、M)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。

「g2 再遊技信号出力処理において、遊技台試験データ収集装置550に出力する遊技情報信号1に含ませて再遊技状態識別信号1~4を送信する主制御部300(【0096】、【0136】)を備え、
m2 主制御部300は、回転中の最後のリールが停止された後の時点(符号a)から、遊技台試験データ収集装置550がスタートレバー135の押下操作時の処理を主制御部300に指示する時点(符号f)までの期間に含まれる、期間(符号b~符号e)に出力される再遊技状態を識別するための信号と、条件装置の作動(役物の内部当選)から条件装置7をオフレベルに設定する期間(符号g~符号i)に出力される入賞役の種類を示すための信号とを時分割で出力する(認定事項(ア)、【0093】、【0095】~【0096】、【0099】)、
スロットマシン。」

5 当審の判断

(1)取消理由(特許法第29条第2項)について

ア 対比

本件訂正発明と甲1発明とを対比する。

甲1発明の構成b1の「型式試験」、「入出力基板」、「試験に用いる信号」である「ゲーム開始信号」と「ゲーム終了信号」は、それぞれ、本件訂正発明の構成B1の「性能試験」、「中継基板」、「試験用信号」に相当し、

甲1発明の構成eの「種類」を有する「RT」は、本件訂正発明の構成Eの「複数種類の再遊技状態」に相当し、

甲1発明の構成f1の「当選状況信号」は、本件訂正発明の構成F1の「事前決定信号」に相当し、

甲1発明の構成iの「ウェイトカウンタ」は、本件訂正発明の構成Iの「経過時間」に相当し、

甲1発明の構成k~lの「ウェイト」は、本件訂正発明の「所定の規制時間」に相当する。

したがって、甲1発明の構成a~f1、h~lは、それぞれ、本件訂正発明の構成A~F1、H~Lに相当する。

そして、甲1発明の構成g’と、本件訂正発明の構成G1とは、「中継基板を介して試験装置に対して複数種類の再遊技状態のうち少なくとも1つの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段」である点で共通する。

また、甲1発明の構成oの「ストップスイッチ8L、8C、8R」は、本件訂正発明の構成Oの「導出操作手段」に相当する。

さらに、甲1発明の「ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効」な状態、「ストップスイッチ8L、8C、8R」が「操作され」ること、「ゲーム終了信号が入出力基板を介して入力され」たこと、「リールを停止させる制御を行なう」ことは、それぞれ、本件訂正発明の「第1有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第1状態」、「導出操作手段が操作された」こと、「試験用信号として特定信号が試験装置から中継基板を介して入力された」こと、「表示結果を導出する制御を行う」ことに相当する。

したがって、甲1発明の構成qは、本件訂正発明の構成Qに相当する。

さらに、甲1発明の「リール回転処理における通常回転処理が開始され」ること、「フリーズが発生する」ことは、それぞれ、本件訂正発明の「可変表示部の変動表示を開始する」こと、「フリーズ状態に制御する」ことに相当することから、甲1発明の構成rは、本件訂正発明の構成Rに相当する。

次に、甲1発明の構成p、u、v’と本件訂正発明の構成P、U、Vとを対比する。

甲1発明の「左、中、右停止有効LED22L、22C、22R」は、「ストップスイッチ8L、8C、8R」の操作が有効である場合に点灯されるLEDであるから、本件訂正発明の「導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段」に相当する。

そして、甲1発明の「左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが接続されている遊技制御基板40」は、「ゲーム進行用変動」の「開始」後(構成k~l)、「ストップスイッチ8L、8C、8R」の「操作が有効」化された場合(構成q)に、「左、中、右停止有効LED22L、22C、22R」を点灯させるものである。

また、甲1発明の「遊技制御基板40のメイン制御部41」は、「左、中、右停止有効LED22L、22C、22R」を点灯させる場合に、点灯させるための駆動信号を出力することは、当業者にとって明らかである。

したがって、甲1発明の構成p、u、v’は、本件訂正発明の構成Pの「可変表示部の変動表示を開始した後、導出操作手段の操作を有効化する第1有効化手段」、及び、構成Uの「導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段」に相当する。

また、甲1発明の構成p、u、v’と本件訂正発明の構成Vとは、甲1発明の構成rが、本件訂正発明の構成Rに相当することからみて、「第1状態において導出操作手段の操作が有効である場合に導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行う駆動信号出力制御手段」であることで共通する。

ゆえに、本件訂正発明と甲1発明とは、

「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B1 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、性能試験を行う際に中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能なスロットマシンにおいて、
C 遊技者が前記可変表示部の変動表示を開始させるために操作する開始操作手段と、
続きを表示(全23行)
D 表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
E 前記事前決定手段により決定の対象となる再遊技の付与を伴う再遊技入賞の種類または前記再遊技入賞の発生を許容する旨が決定される確率が異なる複数種類の再遊技状態に制御可能な再遊技状態制御手段と、
F1 前記事前決定手段が入賞の発生を許容するか否かを決定したときに、前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記事前決定手段により入賞の発生が許容されたか否かの決定結果を特定可能な事前決定信号を出力するための出力制御を行う事前決定信号出力制御手段と、
G1’前記中継基板を介して前記試験装置に対して前記複数種類の再遊技状態のうち少なくとも1つの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段と、
H 1ゲームに要する最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する進行規制手段と、
I 前記事前決定信号の出力制御を開始してからの経過時間を計時する計時手段と、
を備え、
J 前記事前決定手段は、前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してからの経過時間に関わらず、今回のゲームにおける前記開始操作手段が操作されたときに、入賞の発生を許容するか否かを決定し、
K 前記事前決定信号出力制御手段は、
前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過する前に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該所定の規制時間が経過したときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
L  前回のゲームにおいて前記計時手段が計時を開始してから前記所定の規制時間が経過した後に今回のゲームにおける前記事前決定信号の出力制御が開始可能となった場合、該事前決定信号の出力制御が開始可能となったときに前記事前決定信号の出力制御を開始し、
N 前記スロットマシンは、
O  遊技者により操作される導出操作手段と、
P  前記可変表示部の変動表示を開始した後、前記導出操作手段の操作を有効化する第1有効化手段と、
Q  前記第1有効化手段により前記導出操作手段の操作が有効化されている第1状態において、前記導出操作手段が操作されたこと、または前記試験用信号として特定信号が前記試験装置から前記中継基板を介して入力されたことに基づいて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
R  前記開始操作手段が操作された後、前記可変表示部の変動表示を開始する前に、フリーズ状態に制御することが可能なフリーズ状態制御手段と、
U  前記導出操作手段の操作が有効である旨を点灯により報知する導出操作可能報知手段と、
V’ 前記第1状態において前記導出操作手段の操作が有効である場合に前記導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行う駆動信号出力制御手段と、
をさらに備えた、スロットマシン。」の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1](構成G1)

再遊技状態信号出力制御手段が、中継基板を介して試験装置に対して出力制御を行う再遊技状態を特定可能な再遊技状態信号について、本件訂正発明は、複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号であるのに対して、甲1発明は、通常・RT2の開始及び終了のいずれか一方を示すRT2信号である点。

[相違点2](構成M)

本件訂正発明は、再遊技状態信号出力制御手段は、前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける開始操作手段が操作されるまでの期間において、事前決定信号出力制御手段により事前決定信号の出力制御に用いられる信号線と共通の信号線を用いて再遊技状態信号の出力制御を行うのに対して、甲1発明は、構成Mを備えない点。

[相違点3](構成S~T)

本件訂正発明は、構成S~Tを備えるが、甲1発明は、構成S~Tを備えない点。

[相違点4](構成V)

駆動信号出力制御手段に関して、本件訂正発明は、「第2状態において導出操作手段の操作が有効である場合」にも、「駆動信号を出力する制御を行う」が、甲1発明は、そのような構成を備えない点。

[相違点5](構成W~AA)

本件訂正発明は、構成W~AAを備えるが、甲1発明は、構成W~AAを備えない点。

イ 判断

(ア)相違点1~2(構成G1、M)について

上記相違点1~2は、試験装置に対して再遊技状態信号を出力することに関する特定事項であって、互いに関連しているのでまとめて検討する。

甲2に記載された技術事項と本件訂正発明を対比する。

甲2に記載された技術事項の構成g2の「再遊技状態識別信号1~4」は、本件訂正発明の構成G1の「複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号」に相当することから、甲2に記載された技術事項の構成g2の「主制御部300」は、本件訂正発明の構成G1のうち、「試験装置に対して複数種類の再遊技状態のうちいずれの再遊技状態に制御されているかを特定可能な再遊技状態信号を出力するための出力制御を行う再遊技状態信号出力制御手段」に相当する。

そして、甲2に記載された技術事項の構成m2の

「回転中の最後のリールが停止された後の時点(符号a)から、遊技台試験データ収集装置550がスタートレバー135の押下操作時の処理を主制御部300に指示する時点(符号f)までの期間に含まれる、期間(符号b~符号e)」、

「再遊技状態を識別するための信号」、

「入賞役の種類を示すための信号」、

「再遊技状態を識別するための信号と」「入賞役の種類を示すための信号とを時分割で出力する」ことは、それぞれ、

本件訂正発明の構成Mの

「前回のゲームが終了してから今回のゲームにおける開始操作手段が操作されるまでの期間」、

「再遊技状態信号」、

「事前決定信号」、

「共通の信号線を用いて」「出力制御を行う」ことに相当することから、甲2に記載された技術事項の構成m2の「主制御部300」は、本件訂正発明の構成Mの「再遊技状態信号出力制御手段」に相当する。

そうすると、甲2に記載された技術事項の構成g2、m2は、それぞれ、上記相違点1~2に係る本件訂正発明の構成G1、Mに相当するものである。

そして、甲1発明と甲2に記載された技術事項とは、遊技機から試験装置に試験信号を出力するという共通の構成を備えると共に、遊技機の試験を正確に行うという同一の課題を解決するものである。

したがって、甲1発明の入出力基板に甲2に記載された技術事項を適用して、スロットマシンから試験装置に入出力基板を介して、当選状況信号に加え、再遊技状態識別信号を送信可能とし、上記相違点1~2に係る本件訂正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

(イ)相違点3~4(構成S~T、V)について

上記相違点3~4は、フリーズ状態において導出操作手段が操作された場合の、導出操作可能報知手段の駆動に関する技術であって、互いに関連しているのでまとめて検討する。

本件訂正発明は、構成R~Vを備えることで、「可変表示部の変動表示を開始した後」、遊技の結果として「表示結果を導出」させるために「導出操作手段の操作が有効化されている第1状態」において、「導出操作可能報知手段」を「点灯」させることで「導出操作手段の操作が有効である旨」が「報知」されると共に、「可変表示部の表示態様を変化させる」ために「導出操作手段の操作が有効化されている第2状態において」も、第1状態と共通の「導出操作可能報知手段」を「点灯」させることで「導出操作手段の操作が有効である旨」が「報知」されるので、「フリーズ状態」であっても違和感なく遊技者に対して「導出操作手段」の操作を促すことができるという、格別の効果を奏するものである。

これに対して、甲1発明及び甲2に記載された技術事項は、本件訂正発明のフリーズ状態において導出操作可能報知手段の駆動信号を出力することに関する構成S~T、Vを備えるものではなく、また、甲第1号証及び甲第2号証には、本件訂正発明のフリーズ状態において導出操作可能報知手段の駆動信号を出力する制御を行うことに関する構成S~T、Vについて記載も示唆もされていない。

したがって、甲1発明に甲2に記載された技術事項を適用しても、上記相違点3~4に係る本件訂正発明の構成S~T、Vに到達することはできない。

よって、甲1発明及び甲2に記載された技術事項に基づいて、本件訂正発明の相違点3~4に係る構成を備えることは、当業者が容易になし得たものではない。

(ウ)相違点5(構成W~AA)について

本件訂正発明は、構成W~AAを備えることで、「フリーズ状態において」、「可変表示部の表示態様を変化させる」ために「導出操作手段の操作が有効化されている第2状態」となり、「導出操作可能報知手段」を駆動する「駆動信号」が「導出操作有効信号」が「出力」されても、「フリーズ状態において」は「出力規制信号」が「出力」されることで、「中継基板」から「試験装置」に「導出操作有効信号が」「出力され」ず、試験装置側が本来特定信号を出力する状況でないにも関わらず、特定信号を出力する状況であると誤認させてしまうことを防止するという、格別の効果を奏するものである。

これに対して、甲1発明及び甲2に記載された技術事項は、本件訂正発明のフリーズ状態において出力規制信号を試験装置に出力することに関する構成W~AAを備えるものではなく、また、甲第1号証及び甲第2号証には、本件訂正発明のフリーズ状態において出力規制信号を試験装置に出力することに関する構成W~AAを備えるものではなく、また、甲第1号証及び甲第2号証には、本件訂正発明の構成W~AAについて記載も示唆もされていない。

したがって、甲1発明に甲2に記載された技術事項を適用しても、上記相違点5に係る本件訂正発明の構成W~AAに到達することはできない。

よって、甲1発明及び甲2に記載された技術事項に基づいて、本件訂正発明の相違点5に係る構成を備えることは、当業者が容易になし得たものではない。

(エ)小括

上記(ア)~(ウ)における検討内容からみて、特許異議申立人が提出した証拠によっては、本件訂正発明についての特許を取り消すことはできない。

(2)特許異議申立理由について

当審による平成31年4月26日付け取消理由通知は、前記第3 2及び3に示したように、特許異議申立の理由と同じものであることから、特許異議申立理由は、「5 当審の判断(1)取消理由について」において検討済みである。

(3)特許異議申立人の意見について

令和1年9月2日付け意見書において、特許異議申立人は、訂正の請求により追加された訂正事項1に係る構成により、いわゆる、メダルを投入することで「可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であ」る「スロットマシン」(構成B1)から、「中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行う」「スロットマシン」に変更されたものであって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に違反する旨、主張する。

しかしながら、訂正により追加された訂正事項1に係る本件訂正発明の構成B1は、「性能試験を行う際に中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うことが可能なスロットマシン」(下線は、当審判合議体が強調して示す箇所に付した。)というものであって、本件訂正発明は、あくまでも、メダルを投入することで「可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であ」る「スロットマシン」を前提構成とするものであり、訂正事項1は、「性能試験を行う際に」、「中継基板を介して接続される試験装置からの試験用信号の入力に基づき自動的に遊技を行うこと」が「可能」であるという構成を付加するものである。

ところで、本件特許明細書等の全記載(特に【発明が解決しようとする課題】の【0006】~【0007】)を参酌すれば、試験装置にて自動的に試験を行う場合に、試験装置側で「1ゲームの最短時間を正確に計測すること」を目的として、「1ゲームの最短時間」の「計測」に、従来のスロットマシンに換えて、「内部抽選の抽選結果を特定可能な信号を利用」する構成を採用するという技術事項が把握できると認められる。

そうすると、訂正前の請求項1に係る「スロットマシン」の発明は、試験装置側で「1ゲームの最短時間を正確に計測する」ことを目的とするものであることは、本件特許明細書等の全記載からみて、明らかである。

したがって、訂正事項1により加えられる事項は、訂正前の請求項1に係る「スロットマシン」の発明がそもそも目的としていたものを達成するために必要な「スロットマシン」の前提技術を限定するものであって、訂正前の請求項1に係る「スロットマシン」の発明に含まれていた事項であると認められるから、訂正事項1が、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。

ゆえに、特許異議申立人の当該主張を採用することはできない。

また、令和1年9月2日付け意見書において、特許異議申立人は、本件訂正発明の構成Y「前記試験装置は、前記中継基板を介して出力された前記導出操作有効信号が入力されたことに基づき前記特定信号を出力するものであり、」は、これは、スロットマシンとは別体の試験装置の構成を限定するものであり、スロットマシンに係る発明において、別異の試験装置の構成を加えることは、実質変更に等しい旨、主張する。

しかしながら、本件訂正発明によると、試験装置は、スロットマシンに接続される(構成B1)ものであり、「導出操作有効信号」は、スロットマシンから試験装置に出力される信号(構成W)であり、「特定信号」は、試験装置からスロットマシンに入力される信号(構成Q)である。そうすると、本件訂正発明の構成Yは、スロットマシンから出力される「導出操作有効信号」と、スロットマシンに入力される「特定信号」との関係を特定するものであって、あくまでも、試験装置が接続されたスロットマシンの構成を限定するものといえる。

ゆえに、特許異議申立人の当該主張を採用することはできない。

さらに、令和1年9月2日付け意見書において、特許異議申立人は、本件訂正発明の構成R~Vに係る構成の効果は、「フリーズ状態であっても違和感なく遊技者に対して導出操作手段の操作を促すことができる」であり、構成W~AAに係る構成の効果は、「試験装置側が本来特定信号を出力する状況でないにも関わらず、特定信号を出力する状況であると誤認させてしまうことが防止される」であり、訂正前発明の効果とは全く異なるものである旨、主張する。

しかしながら、本件訂正発明は、訂正前の構成を有するものであるから、訂正前の構成により奏される効果も依然として奏するものである。

ゆえに、特許異議申立人の当該主張を採用することはできない。

よって、特許異議申立人の令和1年9月2日付け意見書における主張を採用することはできない。

第4 むすび

以上のことから、上記取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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2019-700079

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