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特許異議申立

2019-700035

農業用資材、食品包装材料及び化粧料・洗浄剤用容器

審判番号
2019-700035
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-120571外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年01月18日
審決日
2019年04月26日
公報発行日
2019年06月28日
結論
維持
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-Y (A01G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6386495号発明「農業用資材、食品包装材料及び化粧料・洗浄剤用容器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6386495号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 特許第6386495号の請求項1~8に係る特許についての出願は、平成28年6月17日に出願され、平成30年8月17日にその特許権の設定登録がされ、平成30年9月5日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、平成31年1月18日に特許異議申立人藤江桂子(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。 2 本件発明 特許第6386495号の請求項1~8の特許に係る発明(以下「本件発明1」等といい、全体を「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 両方の最外層が無機充填剤及び熱可塑性樹脂を含み、前記両方の最外層の間に位置する中間層が無機充填剤を含まない多層積層体であり、 全体として無機充填剤を50重量%以上70重量%未満含み、 無機充填剤は、純度97重量%以上の炭酸カルシウムであり、 フィルム・シート又はこれを切断したひもであることを特徴とする農業用資材包装袋ではない農業用資材。 【請求項2】 請求項1記載のフィルム・シートを切断したひもを複数本組み合わせてロープ状としたものである農業用資材。 【請求項3】 フィルム・シートである請求項1の農業用資材を貼りあわせて袋状の形状としたものであることを特徴とする果実保管用袋。 【請求項4】 フィルム・シートである請求項1記載の農業用資材からなることを特徴とする植物栽培用土壌フィルム・シート。 【請求項5】 フィルム・シートを切断したひもである請求項1記載の農業用資材又は請求項2記載の農業用資材からなる、植物を直立させるために使用する誘引ひも。 【請求項6】 フィルム・シートを切断したひもである請求項1記載の農業用資材又は請求項2記載の農業用資材からなる、植物を支柱又は誘引ひもに括りつけるために使用する結束ひも。 【請求項7】 両方の最外層が無機充填剤及び熱可塑性樹脂を含み、前記両方の最外層の間に位置する中間層が無機充填剤を含まない多層積層体であり、 全体として無機充填剤を50重量%以上70重量%未満含み、 無機充填剤は、純度97重量%以上の炭酸カルシウムであり、 フィルム・シート又はこれを切断したひもであることを特徴とする食品包装材料。 【請求項8】 両方の最外層が無機充填剤及び熱可塑性樹脂を含み、前記両方の最外層の間に位置する中間層が無機充填剤を含まない多層積層体であり、 全体として無機充填剤を50重量%以上70重量%未満含み、 無機充填剤は、純度97重量%以上の炭酸カルシウムであり、 フィルム・シート形状を有するものを使用した化粧料・洗浄剤用容器。」 3 申立理由の概要 申立人は、以下の証拠を提示して、本件発明1ないし6は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術、または甲第2号証に記載された発明及び周知技術に基いて、本件発明7、8は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術、または甲第2号証、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 〔刊行物〕 甲第1号証:特開2003-175558号公報 甲第2号証:特開2000-272633号公報 甲第3号証:実願昭48-48351号(実開昭49-147221号)のマイクロフィルム 甲第4号証:特開2006-25719号公報 甲第5号証:特開2004-242521号公報 4 文献の記載 (1)甲第1号証 甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は異議の決定で付した。以下同様。) ア 「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、不織布と樹脂フィルムとが接合し、クロス的な感触を保持した積層シートおよびその製造方法に関する。より詳細には、クロス的な感触を保持した上で通気性および止水性を備えた積層シート、あるいは良好な伸縮性を備えた積層シート、およびその製造方法に関する。 【0002】 【発明の技術的背景】不織布上に熱可塑性樹脂フィルムを積層した二層シートが製造され、そのシート物性に注目して、包装材料、紙オムツや生理用品等の衛生材料、止水シート等の土木建築資材等の広い産業分野の資材として使用されている。」 イ 「【0005】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、不織布上に少なくとも2層からなる樹脂フィルムが接合した積層体であって、不織布層に接する側の樹脂フィルム層はその一部が不織布の繊維間隙に浸透している積層シートに関する。」 ウ 「【0009】また前記の樹脂フィルム層としては、その全体の目付けが10~60(g/m2)であり、その内前記の不織布層に接する側の樹脂フィルム層の目付けが5~50(g/m2)であることが望ましい。また、樹脂フィルム層を形成する樹脂としては、少なくともその1層が無機充填剤を含有していてもよく、その場合の含有量は20~70(重量%)の範囲が好ましい。このような樹脂フィルム層は、ポリオレフィンから形成されていることが望ましく、特にエチレン・α-オレフィン共重合体を含むポリオレフィンが望ましい。不織布層に接する側の樹脂フィルム層は、密度0.870~0.935(g/cm3)、メルトフローレート1~90(g/10分)、およびメルトテンション0.5~10(g)のポリオレフィンから形成されていることが好ましい。」 エ 「【0037】本発明において、樹脂フィルム層は少なくとも2層から構成されていることが必要で、各層を形成する樹脂は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよいが、互いに強固に接着する組み合わせを採用することが望ましい。不織布層に直接接する樹脂フィルム層は、不織布との接着性および積層シートに必要な柔軟性付与と言う観点からポリエチレン、特にエチレンとα-オレフィンとの共重合体から形成することが好ましいが、その場合2層目以上の樹脂フィルム層も同様のポリエチレンから形成すると、互いに接着性が良好であることから望ましい。 【0038】樹脂フィルム層を形成する樹脂には、無機充填剤が含有されていてもよいし、含有されていなくてもよい。良好な通気性および耐水性を備えた樹脂シートを得る場合には、すべての樹脂フィルム層に無機充填剤が含有されていることが望ましく、後述する延伸効果とあいまって高い通気性が得られる。しかし、良好な伸縮性を備えた樹脂シートを得る場合には、無機充填剤は含有されていなくてもよいが、少なくともその1層は無機充填剤を含有していることが望ましい。特にその2層目以降の少なくとも1層が無機充填剤を含有していると、積層シートの破断点伸びおよび引張強度を高める効果が得られる。 【0039】ここで使用可能な無機充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等、通常プラスチック配合剤として使用されている無機物を用いることができる。その含有量は、樹脂中に好ましくは20~70(重量%)、より好ましくは50~65(重量%)の範囲にある。無機充填剤を前記の範囲内で含有させると、積層シートの手触りが軟らかくなると共に、積層シートを触った時に発する「がさがさした音」が発生しなくなり、感触が向上する効果も同時に得られる。」 オ 「【0079】 【発明の効果】本発明に係わる積層シートは、不織布層と樹脂フィルム層とから構成されているが、不織布が本来持つクロス的な感触を保持している。その上で、高度の止水性を保持しつつ通気性をも有するシートが得られており、クロス的な感触を要求する止水材用途、特に包装材料や衛生材料に適している。また樹脂シートが本来的に有する高度の伸縮性を保持したシートも得られており、高い引張強度と伸度とを必要とする包装材料や衛生材料として使用することができる。また、本発明に係わる積層シートの製造方法によれば、そのような特性を有する積層シートを生産性高く製造することができる。」 カ 上記アないしオからみて、甲第1号証には次の発明が記載されているものと認める。 「不織布上に少なくとも2層からなる樹脂フィルムが接合した積層体であって、 樹脂フィルム層は、ポリオレフィンから形成されていることが望ましく、 すべての樹脂フィルム層に無機充填剤が含有されていることが望ましく、その含有量は、樹脂中に好ましくは50~65重量%の範囲にあり、 無機充填剤として炭酸カルシウム等を用いることができ、 包装材料や衛生材料として使用することができる積層シート。」 (2)甲第2号証 ア 「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、茶、コーヒー豆、入浴剤、医薬、農薬、肥料、キャンディ(あめ)等の粉体や、ミリン、酒、果汁ジュース等の液体の包装等に適した袋状容器に関する。」 イ 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、これらの従来技術の問題を解消することを課題とした。すなわち本発明は、内容物を充填して開放口をヒートシールした後であっても金属検査が可能で、かつ使用後に完全に燃焼するか再生することが可能な包装材を使用し、さらに開封後も内容物を封入することが可能な袋状容器の提供することを解決すべき課題とした。 【0005】 【課題を解決するための手段】これらの課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは特定の構成と物性を有する包装材を用いて入口部に開閉可能な咬合手段を有する袋状容器を形成することによって所期の目的を効果的に達成しうることを見出して、本発明を提供するに至った。 【0006】すなわち、本発明の第一発明は、2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される袋状の容器において、該袋状容器の入口部には開閉可能な咬合手段が設けられており、前記2枚の包装材の少なくとも一方が、不透明度(JIS P-8138)が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の一方の面にヒートシール性樹脂接着層(Ia)を積層し、もう一方の面に無機酸化物薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を積層してなる層構成を有する積層物であって、該積層物の透湿度(JIS Z-0208)が5g/m2・24hr以下で、酸素透過度(JIS Z-1707)が5cc/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする袋状容器である。 【0007】本発明の第二発明は、2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される袋状の容器において、該袋状容器の入口部には開閉可能な咬合手段が設けられており、前記2枚の包装材の少なくとも一方が、不透明度(JIS P-8138)が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)上に、無機酸化物薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を積層し、さらにその上にヒートシール性樹脂接着層(IV)を積層してなる層構成を有する積層物であって、該積層物の透湿度(JIS Z-0208)が5g/m2・24hr以下で、酸素透過度(JIS Z-1707)が5cc/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする袋状容器である。」 ウ 「【0008】 【発明の実施の形態】以下において、本発明の袋状容器の構造、材料および実施の態様について詳細に説明する。本発明の袋状容器は2枚のシートの端面同士を熱溶着することによって袋状に形成したものである。そこで、該袋状容器の説明をする前に、まず袋状容器を構成するシート状の包装材について詳細に説明する。なお、以下に説明する包装材は、袋状容器の2枚のシートのうち、少なくとも1枚に適用されていればよい。 【0009】包装材の構造 包装材の構造は、ヒートシール性樹脂接着層(Ia)/不透明度が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)/無機酸化物の薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を含むか、或いは、不透明度が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)/無機酸化物薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)/ヒートシール性樹脂接着層(IV)を含むものである。具体的には、図1及び図3の包装材の断面拡大図に例示されるような積層物である。包装材を構成する「無機酸化物の薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)」は、通常はガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)に無機酸化物の薄膜層(III)を積層した構造を有しており、そのいずれの面が微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)側に形成されていても構わない。 【0010】該積層物は、透湿度(JIS Z-0208)が5g/m2・24hr以下、及び酸素透過度(JIS Z-1707)が5cc/m2・24hr・atm以下の物性を示すものである。これらの特性を有していることから、加工することにより例えば図2及び図4に示すような本発明の袋状容器である煎茶用袋として用いることができる。図1は包装材の一実施例の断面拡大図であり、図2はこれを加工した煎茶用袋の斜視図である。また、図3は包装材の一実施例の断面拡大図であり、図4はこれを加工した煎茶用袋の斜視図である。図中、Iは微多孔性樹脂延伸フィルム基層、Iaはヒートシール性樹脂接着層、Ibは必要により設けられる接着層、IIはガスバリヤー性樹脂フィルム層、IIIは無機酸化物薄膜層、IVはヒートシール性樹脂層、Pは印刷である。必要により行なわれる印刷Pは、微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)、無機酸化物薄膜層(III)のいずれに施してもよい。例えば、図1に示すようにガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)側の面に印刷を施してもよいし、図3に示すように微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の非積層面に印刷を施してもよい。また、図3において、印刷Pはヒートシール性樹脂接着層(IV)と接するガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)面に設けてもよい。 【0011】積層物の層構成 (1)微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I) 上記微多孔性樹脂延伸フィルム(I)は、包装材に腰強度を与え、不透明にすることによって印刷の識別を容易ならしめるとともに、光線透過率を低くする機能を有するものである。不透明度(JIS-P8138)は80%以上であるのが好ましく、85~100%であるのがより好ましい。微多孔性樹脂延伸フィルムとしては、例えば以下に記載する3つのフィルムを例示することができる。 【0012】第1の微多孔性樹脂延伸フィルムとして、無機又は有機充填剤を8~65重量%の割合で含有する微多孔を有する熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを挙げることができる(特公昭54-31032号公報、米国特許第3,775,521号明細書、米国特許第4,191,719号明細書、米国特許第4,377,616号明細書、米国特許第4,560,614号明細書等)。 【0013】第2の微多孔性樹脂延伸フィルムとして、白色無機微細粉末を0~40重量%含有する一軸または二軸延伸熱可塑性フィルムをコア層とし、このコア層の両面又は片面に白色無機微細粉末を10~65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムを紙状層として設けた合成紙を挙げることができる(特公昭46-40794号公報、特開昭57-149363号公報、特開昭57-181829号公報等)。 【0014】この合成紙は、2層構造であっても、コア層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する3層構造(特公昭46-40794号公報、米国特許第4318950号明細書)であっても、紙状層とコア層間に他の樹脂フィルム層が存在する3層~7層の合成紙(特公昭50-29738号公報、特開昭57-149363号公報、特開昭56-126155号公報、特開昭57-181829号公報、米国特許第4,472,227号明細書)であってもよい。また、これら合成紙の裏面にプロピレン・エチレン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、塩素化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の基層(I)の樹脂よりも低融点の樹脂よりなるヒートシール層(Ia)を設けた3層以上の合成紙であってもよい(特公平3-13973号公報)。 【0015】特に好ましい微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)は、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0~40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルム、または二軸延伸フィルムをコア層(A)とし、このコア層の両面に、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0~65重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムを表裏層(B,B′)として設けた積層延伸フィルムである。このような3層構造の合成紙の製造方法として、例えば、無機微細粉末および/または有機充填剤を0~40重量%、好ましくは8~25重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムを、該樹脂の融点より低い温度で一方向に延伸し、得られた一軸延伸フィルムの両面に無機微細粉末および/または有機充填剤を0~65重量%、好ましくは3~65重量%、更に好ましくは10~65重量%含有する熱可塑性樹脂の溶融フィルムを積層し、次いで前記方向と直角の方向にこの積層フィルムを延伸する方法を挙げることができる。この方法によって製造される合成紙は、紙状層が一軸方向に配向し、微細な空隙を多数有するフィルムであり、コア層は二軸方向に配向した積層構造物である。」 エ 「【0022】(2)ヒートシール性樹脂接着層(Ia)、(IV) ヒートシール性樹脂接着層は、包装材を袋、カートンボックスに二次加工する際に加熱により溶融接着するために形成するものである。ヒートシール性樹脂接着層には感熱性接着剤樹脂を用いる。感熱性接着剤樹脂としては、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の融点が60~135℃のものを例示することができる。 【0023】これらは、前述のように微多孔性樹脂延伸フィルム(I)製造の際に同時にヒートシール性樹脂フィルム層(Ia)をラミネートして製造してもよいし、微多孔性樹脂延伸フィルム(I)の裏面にヒートシール性樹脂(Ia)を押出ラミネートしてもよい。また、微多孔性樹脂延伸フィルム(I)の裏面にこれらのヒートシール性樹脂(Ia)をトルエン、キシレン、テトラリン等の有機溶剤に溶解ないし分散した樹脂溶液を塗布し、乾燥することによって形成してもよい。また、包装材表面に光沢を寄与したり、包装材をカートンボックス用途に用いる場合は、無機酸化物薄膜層(III)の表面にヒートシール性樹脂層(IV)を設けるのが好ましい。ヒートシール性樹脂接着層(Ia)、(IV)の肉厚は、好ましくは1~50μm、より好ましくは2~40μmである。 【0024】(3)ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II) ガスバリヤー性樹脂フィルム層には、水蒸気や酸素などの透過性を大幅に下げるために形成するものであり、ガスバリヤー性樹脂を使用する。ガスバリヤー性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等の飽和ポリエステル、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,6等のポリアミド、芳香族ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体等の透湿度(JIS Z-0208)が100g/m2・24hr以下、好ましくは50g/m2・24hr以下、酸素透過度(JIS Z-1707)が300cc/m2・24hr・atm以下、好ましくは200cc/m2・24hr・atm以下のものを使用する。ガスバリヤー性樹脂フィルム層は延伸されていても、延伸されてなくてもよい。また、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚は、好ましくは6~40μm、より好ましくは8~20μmである。 【0025】(4)無機酸化物薄膜(III) 包装材のガスバリヤー性をさらに向上させるために、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の表面に無機酸化物薄膜(III)を形成する。無機酸化物薄膜には、非晶性のAl2O3、SiOX、SnOX、ZnOX、IrOX(xは1~2の数)等を使用することができる。これらの無機酸化物の中でも、非晶性のAl2O3、SiOXが透明性、加工性の面で好ましく、ガスバリヤー性の面でSiOXが好ましい。これらの薄膜の厚みは透明性、蒸着速度、ガスバリヤー性、フィルムの巻取性等から制約され、好ましくは5~600nm、より好ましくは20~500nmである。5nmより薄いと、ガスバリヤー性が不充分になり、600nmより厚いと透明性が悪くなって、無機酸化物薄膜自体に亀裂や剥離が生じ易くなる傾向にある。また、無機酸化物薄膜の光線透過率は75%以上で透明なものが好ましい。 【0026】無機酸化物薄膜を形成するための蒸着法としては、高周波誘導加熱方式の蒸着機内で成形品を真空下(1×10-6~1×10-3Torr)で無機酸化物を蒸着する方法(特公昭53-12953号公報、特開昭62-101428号公報参照)や、予め排気し、真空下蒸着機内で揮発した有機シリコン化合物、酸素及び不活性ガスを含むガス流れをマグネトロングロー放電によってプラズマを発生させてSiOXを該蒸着機内で成形品に蒸着させる方法(特開昭64-87772号公報、米国特許第4,557,946号明細書、米国特許第4,599,678号明細書)等がある。薄膜形成法については、1990年11月発刊の工業材料第38巻第14号第104~105頁で、イオンプレーティング法、高周波プラズマCVD法、電子ビーム(EB)蒸着法、スパッタリング法として分類され、その原理が紹介されている。 【0027】上記酸化アルミニウムの結晶性又は非晶性の判定は、CuのKα線を用いた通常のX線回折装置で容易に測定できる。例えば、結晶性のα-Al2O3が含まれていると、回折角2θが43.39度や57.56度等の位置に明瞭な回折ピークが現れる。β-Al2O3の場合は、回折角2θが66.65度や33.43度等の位置回折ピークが現れる。これらの回折ピークの半値幅から結晶の粒子サイズを測定することもできる。この外、γ-Al2O3、δ-Al2O3等の他の結晶性アルミニウムについても同様に固有の回折ピークが測定できる。非結晶性の酸化アルミニウムの場合は、X線回折装置では、特定の回折ピークは測定されない。ここで言う非結晶性の酸化アルミニウムとは、X線回折によって特定の回折が観測されないものである。 【0028】(5)接着層 ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の種類によっては、該フィルム層(II)と無機酸化物薄膜(III)との密着性が不足する場合もある。このような場合には、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)と無機酸化物薄膜(III)との間に、プライマー(接着剤)を塗布することができる。かかるプライマーとしては、例えばポリウレタン系プライマーのポリエステルポリオール・ポリイソシアネート、ポリエーテルポリオール・ポリイソシアネートを挙げることができる。プライマーの塗布量は0.5~5g/m2(固形分)が一般的である。」 オ 「【0068】(製造例4)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造 MFR4g/10分のポリプロピレン(融点約164~167℃)70重量%、高密度ポリエチレン8重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム22重量%配合した混合物を(A)とし、MFR20g/10分のポリプロピレン(融点約164~167℃)40重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム60重量%配合した混合物を(B)とし、これらを別々の押出機にて270℃で溶融混練し、配合物(A)がコア層に、配合物(B)がその両側になる様に積層して共押出し、冷却装置により冷却して無延伸の3層構造のシートを得た。このシートを135℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸した1軸延伸フィルムを得た。」 カ 上記アないしオからみて、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認める。 「シート状の包装材から構成される包装容器において、 包装材の構造は、ヒートシール性樹脂接着層(Ia)/不透明度が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)/無機酸化物の薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を含むか、或いは、不透明度が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)/無機酸化物薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)/ヒートシール性樹脂接着層(IV)を含むものであって、 微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)は、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0~40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルム、または二軸延伸フィルムをコア層(A)とし、このコア層の両面に、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0~65重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムを表裏層(B,B′)として設けた積層延伸フィルムであって、 微多孔性樹脂延伸フィルムの製造は、MFR4g/10分のポリプロピレン(融点約164~167℃)70重量%、高密度ポリエチレン8重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム22重量%配合した混合物を(A)とし、MFR20g/10分のポリプロピレン(融点約164~167℃)40重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム60重量%配合した混合物を(B)とし、これらを別々の押出機にて270℃で溶融混練し、配合物(A)がコア層に、配合物(B)がその両側になる様に積層して共押出し、冷却装置により冷却して得た無延伸の3層構造のシートを、135℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸して1軸延伸フィルムを得る、 包装容器。」 (3)甲第3号証 「この考案はポリオレフイン製の積層袋に関するものである。 ポリオレフイン、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのフイルムから作られた袋は各種物品の包装袋またはごみ袋として広く使用されており、これに伴いその廃棄量は年々増加している。廃棄されたポリオレフインフイルム製の袋は、都市生ごみに比較して単位重量当りの発熱量が著しく大きく燃焼時に焼却炉内の温度が非常に高くなるために、通常の焼却炉で処分することができず、回収されたごみの中から分別し専用の焼却炉で焼却する必要がある。 近年、ポリオレフインに無機質充填剤を高配合してポリオレフインの発熱量を低下させることが試みられているが、無機質充填剤を高配合したポリオレフインから製造されるフイルムは強度が低くヒートシール性が悪く、袋素材としては不適当である。」(明細書1頁9行~2頁7行) (4)甲第4号証 「【0014】 本発明に係る抗菌性を有する農業用繊維資材は、その用途に応じて、マット状、シート状、ネット状、紐状、ロープ状、テープ状等所望の形状に加工して使用することができる。具体的には、底面給水栽培や水耕栽培に用いる底面給水マット、カイワレ大根・もやし・ブロッコリー等のスプラウト栽培用マット、保温・防草・遮光等の内張りシート、防虫・防霜・防風・農作物保管用の各種シート、防鳥・防風・つる・い草の倒伏防止用の各種網類、ピーマン等の吊り紐、煙草乾燥用ロープ等を挙げることができる。」 (5)甲第5号証 「【請求項1】 単層もしくは多層の高分子フィルムよりなる包装袋において、孔径が20μm以上100μm未満の微細孔と孔径が100μm以上700μm以下の微細孔がそれぞれ少なくとも1個以上存在し、かつ全体の孔数に対する20μm以上100μm未満の微細孔の割合が5%以上であることを特徴とする青果物鮮度保持包装袋。」 5 当審の判断 (1)本件発明1について ア 甲1発明を主引用発明として検討 (ア)対比 本件発明1と甲1発明を対比すると、両発明は、 「無機充填剤と熱可塑性樹脂を含んだ層と、無機充填剤を含まない層からなる多層積層体であり、無機充填剤は炭酸カルシウムである積層シート。」で一致するものの、以下の3点で相違している。 〔相違点1〕本件発明1は、両方の最外層が無機充填材及び熱可塑性樹脂を含み、前記両方の最外層の間に位置する中間層が無機充填剤を含まないのに対し、甲1発明は、無機充填剤及び熱可塑性樹脂を含んだ層が、無機充填剤を含まない層の片面に位置し、両面かどうか不明な点。 〔相違点2〕無機充填剤について、本件発明1は、全体として50重量%以上70重量%未満含み、純度97重量%以上の炭酸カルシウムであるのに対し、甲1発明は、炭酸カルシウムであるが、全体としての含有量及び純度の特定がない点。 〔相違点3〕本件発明1は、フィルム・シート又はこれを切断したひもである農業用資材包装袋ではない農業用資材であるのに対し、甲1発明は、そのような特定がない点。 (イ)判断 上記相違点1~3のうち、相違点1及び2について検討する。 a 相違点1 上記相違点1について、申立人は、特許異議申立書では一致点とし、相違点と判断していない。 しかしながら、甲1発明の「少なくとも2層からなるポリオレフィンから形成される樹脂フィルム」は、不織布上に形成されているものの、不織布の両面との特定はない。また甲第1号証には、不織布の両面に該樹脂フィルムを設けることを示唆する記載もない。 よって、相違点1は、実質的な相違点である。 また、相違点1に係る構成は、申立人が提示するその他の文献にも記載も示唆もないから、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 b 相違点2 申立人が提示するその他の文献にも、相違点2に係る構成は記載されていない。 よって、甲1発明、甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 申立人は、相違点2(特許異議申立書における相違点1-1及び相違点1-2)について、「全体として無機充填剤を高配合する点は、例えば、甲3に記載されているように、プラスチック製品を通常の焼却炉で処分するための周知技術である。また、本件特許明細書段落【0030】において『更に無機充填剤の含有量を50重量%以上とすることで、・・・可燃物としての処理を可能とするものである。』とも記載されているように、プラスチック製品を通常の焼却炉で処分するため無機充填剤の量を50重量%以上とすることも周知技術である。」(特許異議申立書17頁下から2行~18頁8行)、「純度97重量%以上の炭酸カルシウムについては、すでに本件特許明細書段落【0047】に『樹脂に対する添加剤として使用される炭酸カルシウムは、鉱物資源として得られたものをそのまま精製することなくしようすることが多い。このため、産地によって純度が大きく異なり、炭酸カルシウムが70重量%程度の低品位のものから、高純度のものまで多くの種類のものが存在する。更に、食品用・医療品用等の人体の体内に摂取される用途においては、高純度である合成品の炭酸カルシウムも知られている。』と記載されているように、従来周知の技術である。」(特許異議申立書18頁14~22行)と主張する。 しかしながら、申立人が提示する文献には、相違点2に係る含有量や純度は記載されておらず、さらに、申立人が主張する周知技術は、本件特許明細書の記載を参照するものであって、本件特許の出願前の公知文献に基づくものではないから、本件特許の出願前の周知技術とは認められず、申立人の主張は採用できない。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲2発明を主引用発明として検討 (ア)対比 本件発明1と甲2発明を対比すると、両発明は、 「2つの層が無機充填剤及び熱可塑性樹脂を含み、該2つの層の間に中間層が位置する多層積層体であり、 無機充填剤は炭酸カルシウムである積層シート。」で一致するものの、以下の3点で相違している。 〔相違点A〕本件発明1は、2つの層が両方共に最外層であって、中間層は無機充填剤を含まないのに対し、甲2発明は、2つの層の両方が最外層であるとの特定はなく、また中央層は、無機充填剤を0~40重量%含有するか、特に製造においては22重量%配合されている点。 〔相違点B〕無機充填剤について、本件発明1は、全体として50重量%以上70重量%未満含み、純度97重量%以上の炭酸カルシウムであるのに対し、甲2発明は、炭酸カルシウムであるものの、全体としての含有量及び純度の特定がない点。 〔相違点C〕本件発明1は、フィルム・シート又はこれを切断したひもである農業用資材包装袋ではない農業用資材であるのに対し、甲2発明は、そのような特定がない点。 (イ)判断 上記相違点A~Cのうち、相違点A及びBについて検討する。 a 相違点A 上記相違点Aについて、申立人は、特許異議申立書では一致点とし、相違点と判断していない。 しかしながら、甲2発明において、微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の少なくとも片面には、無機酸化物の薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)が設けられていることから、甲2発明の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)において、コア層(A)の両面に設けた表裏層(B、B’)のうちの少なくとも一方は、最外層ではないことは明らかである。 さらに、甲2発明は、上記4の(2)で特定したとおり、コア層(A)には、無機充填剤を0~40重量%を含有するか、特に製造においては炭酸カルシウムが22重量%配合されているものである。 仮に、その無機充填剤の数値範囲から0重量%含有することのみを選択した場合については、コア層(A)が無機充填剤を含まないこととなるものの、甲第2号証には、該0重量%を積極的に選択することを示唆する記載はないない。 してみれば、甲2発明のコア層(A)は、基本的には無機充填剤を含有するものといえる。 よって、相違点Aは、実質的な相違点である。 また、相違点Aに係る構成は、申立人が提示するその他の文献にも記載も示唆もないから、甲2発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、相違点Aに係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 b 相違点B 申立人が提示するその他の文献にも、相違点Bに係る構成は記載されていない。 よって、甲2発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、相違点Bに係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 申立人の主張についても、上記ア(イ)bに記載したとおり、採用できない。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、相違点Cについて検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2ないし6について 本件発明2ないし6は、本件発明1の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)のア及びイで説示した理由と同じ理由により、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、または、甲2発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明7について 本件発明7は、本件発明1の「農業用資材包装袋ではない農業用資材」を「食品用包装材」に変えた発明であって、その他の構成は本件発明1と同じである。 してみると、本件発明7と甲1発明または甲2発明は、それぞれ、少なくとも、上記(1)ア(ア)で挙げた相違点1及び2または上記(1)イ(ア)で挙げた相違点A及びBで相違している。 そして、その判断も、それぞれ上記(1)ア(イ)または上記(1)イ(イ)で説示したとおりであるから、本件発明7は、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、または、甲2発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明8について 本件発明8は、本件発明1の「フィルム・シート又はこれを切断したひもであることを特徴とする農業用資材包装用袋ではない農業用資材」を「フィルム・シート形状を有するものを使用した化粧料・洗浄剤用容器」に変えた発明であって、その他の構成は本件発明1と同じである。 してみると、本件発明8と甲1発明または甲2発明は、それぞれ、少なくとも、上記(1)ア(ア)で挙げた相違点1及び2または上記(1)イ(ア)で挙げた相違点A及びBで相違している。 そして、その判断も、それぞれ上記(1)ア(イ)または上記(1)イ(イ)で説示したとおりであるから、本件発明8は、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、または、甲2発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第5号証に記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によって、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2019-700035

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