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特許訂正審判

2019-390099

血液逆流を防止するための装置および使用の方法

審判番号
2019-390099
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2015-528583
登録番号
特許第6290889号(P6290889)
請求日
2019年08月23日
審決日
2019年10月18日
公報発行日
2020年01月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
  • 【請求人代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 千壽 哲郎
  • 審判官 沖田 孝裕
  • 審判官 関谷 一夫
分類
P141 .852-Y (A61M) / P141 .853-Y (A61M) / P141 .855-Y (A61M) / P141 .856-Y (A61M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第184条の3第1項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6290889号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第6290889号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6290889号(以下「本件特許」という。)は、2013年(平成25年)8月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年(平成24年)8月20日 米国)を国際出願日とする特願2015-528583号に係り、その請求項1~20に係る発明について平成30年2月16日に特許権の設定登録がなされ、令和1年8月23日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は「特許第6290889号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正事項 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~6のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記筒内に配置された細長いプランジャーロッドであって、(中略)ストッパを含む基端端部を備え、」とあるのを、「前記筒内に配置された細長いプランジャーロッドであって、(中略)ストッパを含む末端端部を備え、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「前記筒の前記内面と密に流体接触するストッパ」とあるのを、「前記筒の前記内面と流体漏れなく接触するストッパ」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項20に「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山、または、締まり嵌めと係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山によって前記VADと係合する」とあるのを、「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山と係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山、または、締まり嵌めによって前記VADと係合する」に訂正する。 (4)訂正事項4 段落0010に「該プランジャーロッドは、(中略)ストッパを含む基端端部を備え、」とあるのを、「該プランジャーロッドは、(中略)ストッパを含む末端端部を備え、」に訂正する。 (5)訂正事項5 段落0010に「前記筒の前記内面と密に流体接触するストッパ」とあるのを、「前記筒の前記内面と流体漏れなく接触するストッパ」に訂正する。 (6)訂正事項6 段落0022に「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山、または、締まり嵌めと係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山によって前記VADと係合する」とあるのを、「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山と係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山、または、締まり嵌めによって前記VADと係合する」に訂正する。 第3 当審の判断 1 はじめに 本件特許に係る出願(特願2015-528583号)は、特許法第184条の3第1項の規定により、同法第184条の4第1項の「外国語特許出願」である国際出願PCT/US2013/055773(以下「本件国際出願」という。)の国際出願の日にされた特許出願とみなされたものである。 よって、同法第126条第5項括弧書の「外国語書面出願」及び「外国語書面」は、同法第184条の19の規定により、それぞれ「第184条の4第1項の外国語特許出願」及び「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となるので、同法第126条第5項括弧書で規定する「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となる。 そして、同法第184条の6第2項の規定により、外国語特許出願に係る国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面の翻訳文は、同法第36条第2項の規定により願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲又は図面とみなされる。 したがって、本件訂正審判に係る訂正事項のうち、同法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものについて、同法第126条第5項括弧書を適用する際の「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、本件国際出願の国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面の翻訳文(以下「基準明細書」という。)となる。 2 訂正事項1 (1)訂正の目的について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1には「前記筒内に配置された細長いプランジャーロッドであって、(中略)ストッパを含む基端端部を備え、」という記載がある。 一方、願書に添付した明細書の段落【0036】には「図1に表されたプランジャーロッド120は、プランジャーロッド120の末端端部123に位置するストッパ150を含む。ストッパ150の形状および大きさは、例えば、筒110およびプランジャーロッド120の形状および大きさに応じた、どのような適切な形状または大きさであってもよい。ストッパ150が筒110の内面112と流体漏れなく接触するように、および、筒110に対して末端へのプランジャーロッド120の動きが原因でストッパ150に筒110から流体を押し出させるように、ストッパ150は筒110内にスライド可能に位置決めされている。」と記載され、段落【0037】には「いくつかの実施形態において、ストッパ150は、チャンバ114の内容物を筒110の末端端部116を通してストッパ150が放出するのに有効であるように、筒110の末端端部の形状に対し相補的な形状を含む。ストッパ150は、チャンバ114に流体を引き込みおよびチャンバ114から流体を引き出すために、流体漏れなく筒110の内面112と係合した状態でスライド可能に位置決めすることができる。」と記載されている。 当該願書に添付した明細書の段落【0036】、【0037】及び図1の記載を踏まえると、プランジャーロッド120を動作することによりプランジャーロッド120に設けられたストッパ150がスライドし、ストッパ150が流体を押し出すことで、チャンバ114から内容物を筒110の末端部分116を通して放出することができるものと認められるところ、当該機能を発揮するためには、プランジャーロッド120とストッパ150との位置関係として、ストッパ150がプランジャーロッド120の末端側に位置する必要があることは明らかである。 よって、本件訂正前の請求項1に記載された「前記筒内に配置された細長いプランジャーロッドであって、(中略)ストッパを含む基端端部を備え、」は、「前記筒内に配置された細長いプランジャーロッドであって、(中略)ストッパを含む末端端部を備え、」の誤記であることは明らかである。 したがって、上記訂正事項「前記筒内に配置された細長いプランジャーロッドであって、(中略)ストッパを含む末端端部を備え、」に係る訂正は、誤記の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加について 訂正事項1に係る訂正は、基準明細書の段落【0036】に「図1に表されたプランジャーロッド120は、プランジャーロッド120の末端端部123に位置するストッパ150を含む。」と記載されており、ストッパ150がプランジャーロッド120の末端端部に備えられた点が記載されていることから、基準明細書に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、同条第7項の規定に適合するものであるか検討したところ、訂正後の請求項1~20に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 3 訂正事項2 (1)訂正の目的について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1には「前記筒の前記内面と密に流体接触するストッパ」という記載があるが、筒の内面とストッパが「流体接触」する態様がいかなるものであるか明らかでないことから、技術的に不明瞭である。 この点に関して本件訂正により「前記筒の前記内面と流体漏れなく接触するストッパ」に訂正するものであるところ、筒の内面とストッパとの接触態様が明らかとなることからこれは上記不明瞭な記載を正すものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加について 訂正事項2に係る訂正は、願書に添付した明細書の段落【0036】に「ストッパ150が筒110の内面112と流体漏れなく接触するように、および、筒110に対して末端へのプランジャーロッド120の動きが原因でストッパ150に筒110から流体を押し出させるように、ストッパ150は筒110内にスライド可能に位置決めされている。」と記載されており、ストッパ150と筒110の内面112とが流体漏れなく接触する点が記載されていることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4 訂正事項3 (1)訂正の目的について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項20には「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山、または、締まり嵌めと係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山によって前記VADと係合する」という記載があるが、係合するための部材である「ねじ山」が係合の態様を表す「締まり嵌め」と「係合する」という記載となっており、文理上不明瞭である。 そこで本件訂正において「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山と係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山、または、締まり嵌めによって前記VADと係合する」と訂正するものであり、これにより「キャップ」と「VAD」とが、「ねじ山」と「ねじ山」により係合すること及び締まり嵌めにより係合することが明らかとなることから、これは上記不明瞭な記載を正すものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加について 訂正事項3に係る訂正は、願書に添付した明細書の段落【0080】に「図30および31を参照すると、この時点で血管アクセス装置199を、示されている実施形態においては、協働するねじ山または他の接続タイプによってキャップ130に接続することができる。」と記載されており、キャップ130と血管アクセス装置199とが協働するねじ山で接続される点が記載されているといえ、段落【0022】に「一またはそれよりも多くの実施態様では、前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山、または、締まり嵌めと係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山によって前記VADと係合する。」と記載されており、キャップとVADとが締まり嵌めによる係合が記載されているといえることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項3に係る訂正は、上記(1)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 5 訂正事項4 (1)訂正の目的について 訂正事項4は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るために、本件訂正前の明細書段落【0010】の「該プランジャーロッドは、(中略)ストッパを含む基端端部を備え、」を、「該プランジャーロッドは、(中略)ストッパを含む末端端部を備え、」に訂正するものである。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加について 上記(1)で述べたとおり、訂正事項4は、訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 上記(1)で述べたとおり、訂正事項4は、訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 6 訂正事項5 (1)訂正の目的について 訂正事項5は、訂正事項2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るために、本件訂正前の明細書段落【0010】の「前記筒の前記内面と密に流体接触するストッパ」を「前記筒の前記内面と流体漏れなく接触するストッパ」に訂正するものである。 したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加について 上記(1)で述べたとおり、訂正事項5は、訂正事項2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 上記(1)で述べたとおり、訂正事項5は、訂正事項2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 7 訂正事項6 (1)訂正の目的について 訂正事項6は、訂正事項3に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るために、本件訂正前の段落【0022】の「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山、または、締まり嵌めと係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山によって前記VADと係合する」を、「前記キャップは、前記VADの相補的なねじ山と係合する、1つまたはそれよりも多いねじ山、または、締まり嵌めによって前記VADと係合する」に訂正するものである。 したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の追加について 上記(1)で述べたとおり、訂正事項6は、訂正事項3に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 上記(1)で述べたとおり、訂正事項6は、訂正事項3に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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