特許訂正審判
2019-390029
医療装置送達システム
- 審判番号
- 2019-390029
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2006-533819
- 登録番号
- 特許第4833848号(P4833848)
- 請求日
- 2019年02月18日
- 審決日
- 2019年03月27日
- 公報発行日
- 2019年06月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ボストン サイエンティフィック リミテッド
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 【請求人代理人】本田 淳
- 審判長/審判官
- 審判長 内藤 真徳
- 審判官 芦原 康裕
- 審判官 瀬戸 康平
- 分類
- P141 .852-Y (A61M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第4項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4833848号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4833848号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-15〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4833848号(以下、「本件特許」という。)は、2004年(平成16年)6月24日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2003年10月9日(US)アメリカ合衆国 2004年6月23日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2006-533819号に係り、平成23年9月30日に特許権の設定登録がなされ、平成31年2月18日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~15について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、次のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
明細書の段落【0002】、【0004】、【0005】、【0006】、【0007】、【0008】、【0015】、【0016】、【0024】及び【0028】に「体腔」と記載されているのを、「体管腔」に訂正する。
この明細書の訂正は、請求項1~15について行うものである。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「体腔」と記載されているのを、「体管腔」に訂正する。
また、請求項1の記載を引用する請求項2~15も同様に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的について
ア 本件特許の明細書(以下、「本件明細書」という。)は、国際出願であるPCT/US2004/020386号の国際出願日における明細書(以下、「本件国際出願明細書」という。)の日本語による翻訳文が、願書に添付して提出した明細書とみなされたものである。
イ 本件明細書の段落【0002】、【0004】、【0005】、【0006】、【0007】、【0008】、【0015】、【0016】、【0024】及び【0028】に記載された「体腔」は、それぞれ、本件国際出願明細書の第1ページ第10-11行(ページ及び行数は国際公開第2005/039448号を参照した。また、空行は行数として数えない。以下同様。)、第1ページ第28行、第2ページ第6行、第2ページ第15行、第2ページ第24-25行、第3ページ第6行、第4ページ第21行、第4ページ第25行、第8ページ第6行及び第9ページ第7行に記載された「body lumen」を翻訳したものである。
ウ 本件明細書における「体腔」は、「ステッドマン医学大事典 第4版」第294ページの「cavity」における「body c.」を参照すれば、体幹の内臓を収める腔所を意味するといえる。
エ 本件国際出願明細書における「body lumen」は、本件国際出願明細書の第1ページ第10-11行に「delivering medical devices, such as stents, into a body lumen」と記載されていること、ステント(stent)は血管・消化管などの狭くなった部分を内側から広げる医療器具であること(「広辞苑 第七版」第1573ページ)、「body」には「体」との意味があること、及び「lumen」には「管腔」との意味があること(「ステッドマン医学大事典 第4版」第991ページ)から、体管腔を意味するといえる。
オ 上記アないしエから、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書において、翻訳により本件国際出願明細書における意味とは異なる意味を有するものとなった記載である「体腔」を、本件国際出願明細書における意味を表す記載である「体管腔」に訂正するものであり、誤訳の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。
(2)明細書の訂正に係る請求項について
訂正前の請求項1~15について、請求項2~15はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~15は一群の請求項である。
そして、訂正事項1に係る明細書の訂正は、当該訂正が関係する請求項1を含む一群の請求項〔1~15〕の全てについて行うものであるから、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。
(3)新規事項の追加について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件特許の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(5)独立特許要件について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、同条第7項の規定に適合するものであるかどうか検討したところ、訂正後の請求項1~15に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由はない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的について
ア 本件特許の特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)は、国際出願であるPCT/US2004/020386号の国際出願日における特許請求の範囲(以下、「本件国際出願特許請求の範囲」という。)の日本語による翻訳文が、願書に添付して提出した特許請求の範囲とみなされたものである。
イ 本件特許請求の範囲の請求項1に記載された「体腔」は、本件国際出願特許請求の範囲の請求項1に記載された「body lumen」を翻訳したものである。
ウ 本件特許請求の範囲における「体腔」は、「ステッドマン医学大事典 第4版」第294ページの「cavity」における「body c.」を参照すれば、体幹の内臓を収める腔所を意味するといえる。
エ 上記1(1)エのとおり、本件国際出願明細書における「body lumen」は体管腔を意味することから、同様に、本件特許請求の範囲における「body lumen」も体管腔を意味するといえる。
オ 上記アないしエから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許請求の範囲において、翻訳により本件国際出願特許請求の範囲における意味とは異なる意味を有するものとなった記載である「体腔」を、本件国際出願特許請求の範囲における意味を表す記載である「体管腔」に訂正するものであり、誤訳の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。
(2)一群の請求項について
訂正前の請求項1~15について、請求項2~15はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~15は一群の請求項である。
したがって、訂正事項2に係る特許請求の範囲の訂正は、一群の請求項ごとに請求されたものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。
(3)新規事項の追加について
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件特許の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(5)独立特許要件について
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、同条第7項の規定に適合するものであるかどうか検討したところ、訂正後の請求項1~15に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由はない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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