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特許拒絶査定不服審判

2019-011080

BIOS設定の自動切替え方法、BIOS設定自動切替え装置、およびBIOS設定自動切替えプログラム

審判番号
2019-011080
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-243433外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年08月22日
審決日
2020年06月30日
公報発行日
2020年10月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-243433「BIOS設定の自動切替え方法、BIOS設定自動切替え装置、およびBIOS設定自動切替えプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月 4日出願公開、特開2019-109801〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 本願は,平成29年12月20日の出願であって,平成30年12月20日付けで拒絶理由通知がされ,平成31年1月22日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが,令和1年6月27日付けで拒絶査定がなされた。これに対し,令和1年8月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2.令和1年8月22日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和1年8月22日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により,特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおり補正された。(下線部は,補正箇所である。) 「【請求項1】 情報処理装置にて、BIOS(BasicInput/Output System)の設定を自動的に切り替える方法であって、 外部から、第1乃至第N(Nは2以上の整数)のキーデータと第1乃至第Nのタイミングデータとの組から成る、入力用データを取得し、 一度のタイマー開始後に定期的なタイマー割込みが発生した時点で確認される、第n(1≦n≦N)のタイミングデータによって予め定めたタイミングで、該第nのタイミングデータに対応する第nのキーデータを出力し、 前記第nのキーデータの設定を実行する、 BIOS設定の自動切替え方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の,平成31年1月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 情報処理装置にて、BIOS(BasicInput/Output System)の設定を自動的に切り替える方法であって、 外部から、第1乃至第N(Nは2以上の整数)のキーデータと第1乃至第Nのタイミングデータとの組から成る、入力用データを取得し、 タイマー開始後に定期的なタイマー割込みが発生した時点で確認される、第n(1≦n≦N)のタイミングデータによって予め定めたタイミングで、該第nのタイミングデータに対応する第nのキーデータを出力し、 前記第nのキーデータの設定を実行する、 BIOS設定の自動切替え方法。」 2.補正の適否 本件補正は,補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「タイマー開始」を「一度の」として限定するものである。また,本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。したがって,請求項1についての本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下,「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か(特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否か)を検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は,上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献,引用発明 ア.引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由において引用された,特開2006-190061号公報(以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は,当審において付加した。以下,同じ。) a.「【0006】 そこで、設定内容をパターン化して、これらのパターンを予め複数用意しておくことが従来より提案されている(たとえば特許文献1参照)。この第1の提案では、パーソナルコンピュータの記憶媒体に、異なるバイオス設定の内容のパターンが予め複数格納されており、その中から入力装置の操作によって、コンピュータシステムの環境に適合したパターンを選択することができるようになっている。これにより、たとえばキーボードの1つのキーを押下するだけで簡単にバイオスの設定を行うことができ、設定ミスの可能性を低減させることができる。」 b.「【0030】 図1は、本発明の一実施例による情報処理装置としてのパーソナルコンピュータの構成を表わしたものである。このパーソナルコンピュータ201には、装置を構成する各種デバイスの入出力状態の設定を行う基本的な制御内容を規定したバイオス(Basic Input Output System)を格納したバイオス部202が備えられている。また、各種の情報の視覚的な表示を行う液晶ディスプレイ203と、情報の入力を行うためのキーボード204および書き替え可能な記録メディアからデータを入出力するためのドライブ装置205が備えられており、それぞれバイオス部202に接続されている。また、ユーザがパーソナルコンピュータ201を操作するためのオペレーティングシステムとして機能するオペレーティングシステム部206が備えられており、バイオス部202に接続されている。 【0031】 バイオス部202には、バイオス部202が使用する各種パラメータを設定するための装置部であるバイオス設定装置207と、その設定内容を格納するためのバイオス設定格納部208が備えられている。バイオス設定装置207には、キーボード204に配置された図示しないキーの押下に対応してキーボード204から送られてきたキー情報を一時的に格納するためのキーボードバッファメモリ209が設けられている。また、各種デバイスの機能をチェックするための一連の処理であるポスト(POST:Power-On Self Test)処理を行うポスト処理部210と、ドライブ装置205に挿着された図示しないリムーバブルメディアに格納された内容を判別する記録メディア判別処理部211が備えられている。更に、この記録メディア判別処理部211の判別結果に応じて、ポスト処理部210が実行する処理に対応付けてキーボードバッファメモリ209に送られてくるキー情報を取得する等の処理を行うキー情報制御処理部212と、計時を行うためのタイマ213が備えられている。」 c.「【0038】 逆に言えば、バイオス設定メニューを立ち上げるためのキーとバイオス設定メニューの内容およびキー操作の対応付けが同じであり、正しい設定を行ったときの同じキー操作を適切なタイミングで再現すれば、同じように正しい設定内容をバイオス設定格納部208に格納することができる。そこで、本実施例では、キー情報制御処理部212を設け、適切な設定を実現する場合にキーボード204から出力されるべきキー情報を、ドライブ装置205に挿着されたリムーバブルメディアに格納しておくようにする。そして、同じ内容でのバイオス設定を繰り返すときには、このリムーバブルメディアあるいはその内容をコピーした他のリムーバブルメディアからキー情報を読み出して、あたかもキーボード204からリアルタイムでキー情報が送られてきているかのようにポスト処理部210へ送るようにする。以下、正しい設定を行ったときのキー情報をリムーバブルメディアに格納するための処理、およびこのようにして格納されたキー情報をリムーバブルメディアから読み出してバイオス設定を行う処理について説明する。 【0039】 まず、記録メディア判別処理部211は、ポスト処理部210によるポスト処理が開始されると、リムーバブルメディアに格納されたキー情報を読み出してポスト処理部210へ送るべきか否かを判別する。この判別は、後に説明するキー情報を含むキー入力情報がドライブ装置205に装着されたリムーバブルメディアに格納されているか否かを判別するキー入力情報有無判別処理によって行われる。キー入力情報が格納されたリムーバブルメディアを、以下、簡易設定用ディスクという。」 d.「【0042】 すなわち、記録メディア判別処理部211はキー情報制御処理部212に対して、簡易設定用ディスクが装着されていればそこからキー入力情報を読み出して簡易設定用の処理を実行することを指示する。そして、それ以外のリムーバブルメディアが装着されていればこれにキー入力情報を新たに書き込むことも可能な通常設定用の処理を実行することを指示し、ドライブ装置205に何も装着されていなければ特に処理の実行を指示しないようになっている。キー情報は、キーボード204の操作に応じてキーボードバッファメモリ209へと入力されるものであり、どこに配置されたキーが押下されたかを示すスキャンコード(Scan Code)と、どの文字に対応するかを示すアスキーコード(Ascii Code)により構成されている。キー情報制御処理部212は、通常設定用の処理の実行が指示されると、このキー情報を任意の期間にキャプチャするようになっている。 ・・・ 中略 ・・・ 【0046】 ポスト処理がまだ終了していない場合(ステップS323:N)、キー情報がキーボードバッファメモリ209へ送られてくるか否か、すなわちキー入力を逐次監視し(ステップS324)、キー入力があると(Y)、そのキー情報が前記した終了用ホットキーに対応するキー情報と一致するか否かを判別する(ステップS325)。終了用ホットキー以外のキーに対応するキー情報がキーボードバッファメモリ209から送られてきた場合には(N)、キー情報の記録を継続するので、実行中のポストタスクのポストコードをポスト処理部210から取得するとともに、そのポストタスクが開始されてからの時間(以下、タスク内経過時間という。)をタイマ213から取得する(ステップS326)。」 e.「【0047】 タイマ213は、ポスト処理部210が新たなポストタスクを開始する度に、その開始タイミングで値を初期化して計時を開始し、その時間情報を逐次出力するようになっている。ステップS326では、タイマ213から出力された最新の時間情報をそのとき実行中のポストタスクのタスク内経過時間として取得する。このようにポストコードだけではなくタスク内経過時間をも取得するのは、各ポストタスクでポスト処理部210がキー情報の割り込み処理を正しく認識できるのにある程度の時間を要する場合が多く、適切なタイミングでキー情報の割り込みを再現できるようにするためである。また、ポストタスク内で複数回にキー情報の入力を待機するような場合に適切な入力間隔で再現するためである。 【0048】 そして、ステップS324で取得したキー情報と、ステップS326で取得したポストコードとタスク内経過時間により構成されるポストタスク情報とをドライブ装置205に送り、挿着されているリムーバブルメディアに記録させる(ステップS327)。記録が正常に行われた場合には(ステップS328:Y)、ステップS323へ戻ってポスト処理が継続している場合には次のキー入力を待機する。 ・・・ 中略 ・・・ 【0051】 図6は、図5の処理による簡易設定用ディスクの内容を表わしたものである。簡易設定用ディスク351には、書き込まれた順序が分かる状態で、第1~第nのキー入力情報3521~351nが格納されている。第1のキー入力情報3521は、キー情報353とポストタスク情報354によって構成されている。そして、キー情報353は、前記したようにスキャンコード355とアスキーコード356により構成されている。また、ポストタスク情報354は、ポストコード357と、タスク内経過時間358により構成されている。第2~第nのキー入力情報3522~351nも同様の構成となっており、これらについての図示および説明を省略する。」 f.「【0053】 図7は、キー情報制御処理部による簡易設定用キー情報制御処理の流れを表わしたものであり、図4のステップS314に対応している。キー情報制御処理部212は、まずドライブ装置205に挿着された簡易設定用ディスクからキー入力情報352を1つ読み出す。このとき、まだ読み出していないキー入力情報352のうち最も先に書き込みが行われたものを読み出すようにする(ステップS361)。次に、ポスト処理部210が実行中のポストタスクのポストコードを取得し(ステップS362)、ステップS361で読み出したキー入力情報352のポストコード357と一致するか否かを判別する(ステップS363)。 【0054】 一致する場合には(Y)、タイマ213が出力するそのポストタスクのタスク内経過時間がステップS361で読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間に達するのを監視する(ステップS364)。読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間358に達すると(Y)、ステップS361で読み出したキー入力情報352のキー情報353をキーボードバッファメモリ209に格納する(ステップS365)。そして、簡易設定用ディスクに次に読み出すべきキー入力情報352が存在する場合には(ステップS366:Y)、ステップS361へ戻って該当するキー入力情報352を読み出す。簡易設定用ディスクに次に読み出すべきキー入力情報352が存在しない場合には(ステップS366:N)、必要な一連のキー入力情報352の読み出しが終了したことになり、処理を終了する(エンド)。 【0055】 また、ステップS363でポストコード357が一致せず(N)、まだポスト処理が終了していない場合には(ステップS367:N)、その次以降のポストタスクで入力されるべきキー情報である可能性があるため、ステップS362へ戻って実行中のポストタスクのポストコードとの比較を続ける。ステップS363でポストコードが一致しないまま(N)、ポスト処理が終了した場合には(ステップS367:Y)、キー情報の入力が失敗した旨を原因と共に液晶ディスプレイ203に表示してユーザに通知し(ステップS368)、処理を終了する(エンド)。 【0056】 このようにして、図5に示した通常設定用キー情報制御処理によって、ポスト処理中の一連のキーボード操作をキー入力情報としてリムーバブルメディアに記録することができる。そして、このようにして作成された自装置あるいは他の装置で作成されたリムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を、図7に示した簡易設定用キー情報制御処理によって適切なタイミングでポスト処理部へと渡し、あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行うことができる。既に説明したように、バイオス設定を開始するための指示は、適切なタイミングで再現されなければならないが、各デバイスの状態や実行されるポストタスクの種類等、状況によって指示を行うべきタイミングが到来するまでの時間は異なる。したがって、情報処理装置の起動時刻からの時間を基に適切に指示を再現することは難しい。本実施例では、各ポストタスクの開始タイミングを基準に同じタスク内経過時間で指示を再現するため、指示タイミングを逸する可能性を低減することができる。」 g.「 」 h.「 」 i.「 」 (イ)上記b.の段落【0030】には,「パーソナルコンピュータ201には,装置を構成する各種デバイスの入出力状態の設定を行う基本的な制御内容を規定したバイオス(Basic Input Output System)を格納したバイオス部202が備えられている」ことが記載され,また,段落【0031】及び図1(上記g.)には,バイオス部202が,キーボードバッファメモリ209とポスト処理部210と記録メディア判別処理部211とキー情報制御処理部212とタイマ213とからなるバイオス設定装置207と,バイオス設定格納部208を備えることが記載されている。 してみると,引用文献1には,“キーボードバッファメモリ209とポスト処理部210と記録メディア判別処理部211とキー情報制御処理部212とタイマ213とからなるバイオス設定装置207と,バイオス設定格納部208を備え,装置を構成する各種デバイスの入出力状態の設定を行う基本的な制御内容を規定したバイオス(Basic Input Output System)を格納したバイオス部202を備えるパーソナルコンピュータ201”が記載されているといえる。 また,上記f.の段落【0056】には,「リムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を,図7に示した簡易設定用キー情報制御処理によって適切なタイミングでポスト処理部へと渡し,あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行うことができる」と記載され,図7,及び図7の説明である上記f.の段落【0053】~【0056】には,リムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を,適切なタイミングでポスト処理部210へと渡し,あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行うバイオスの設定方法が記載されているといえる。 してみると,引用文献1には,“キーボードバッファメモリ209とポスト処理部210と記録メディア判別処理部211とキー情報制御処理部212とタイマ213とからなるバイオス設定装置207と,バイオス設定格納部208を備え,装置を構成する各種デバイスの入出力状態の設定を行う基本的な制御内容を規定したバイオス(Basic Input Output System)を格納したバイオス部202を備えるパーソナルコンピュータ201において,リムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を,適切なタイミングでポスト処理部210へと渡し,あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行うバイオスの設定方法”が記載されているといえる。 (ウ)上記f.の段落【0053】,【0054】,及び図7(上記h.)には前記バイオスの設定方法が,「キー情報制御処理部212は,まずドライブ装置205に挿着された簡易設定用ディスクからキー入力情報352を1つ読み出す」「ステップS361」と,「ポスト処理部210が実行中のポストタスクのポストコードを取得」する「ステップS362」と,「読み出したキー入力情報352のポストコード357と一致するか否かを判別する」「ステップS363」と,「一致する場合には(Y),タイマ213が出力するそのポストタスクのタスク内経過時間がステップS361で読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間に達するのを監視する」「ステップS364」と,「読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間358に達すると(Y),ステップS361で読み出したキー入力情報352のキー情報353をキーボードバッファメモリ209に格納する」「ステップS365」と,「簡易設定用ディスクに次に読み出すべきキー入力情報352が存在する場合には」「ステップS361へ戻って該当するキー入力情報352を読み出す」「ステップS366:Y」とからなることが記載されている。 (エ)上記e.の段落【0047】には,「タイマ213は,ポスト処理部210が新たなポストタスクを開始する度に,その開始タイミングで値を初期化して計時を開始し,その時間情報を逐次出力するようになっている」ことが記載されている。 (オ)上記c.の段落【0039】には,「キー入力情報が格納されたリムーバブルメディアを」「簡易設定用ディスクという」ことが記載され,そして,上記e.の段落【0051】には、「簡易設定用ディスク351には,書き込まれた順序が分かる状態で,第1~第nのキー入力情報3521~351nが格納され」「第1のキー入力情報3521は,キー情報353とポストタスク情報354によって構成され」「キー情報353は」「スキャンコード355とアスキーコード356により構成され」「また,ポストタスク情報354は,ポストコード357と,タスク内経過時間358により構成され」「第2~第nのキー入力情報3522~351nも同様の構成となって」いることが記載されている。 また,上記d.の段落【0042】には,「キー情報は,キーボード204の操作に応じてキーボードバッファメモリ209へと入力されるものであり,どこに配置されたキーが押下されたかを示すスキャンコード(Scan Code)と,どの文字に対応するかを示すアスキーコード(Ascii Code)により構成されている」ことが記載されている さらに,段落【0046】には「キー入力があると(Y),そのキー情報が前記した終了用ホットキーに対応するキー情報と一致するか否かを判別する(ステップS325)。終了用ホットキー以外のキーに対応するキー情報がキーボードバッファメモリ209から送られてきた場合には(N),キー情報の記録を継続するので,実行中のポストタスクのポストコードをポスト処理部210から取得するとともに,そのポストタスクが開始されてからの時間(以下、タスク内経過時間という。)」ことが記載されており,キー入力が有り,終了用ホットキー以外のキーに対応するキー情報がキーボードバッファメモリ209から送られてきた場合に,ポスト処理部210から取得される実行中のポストタスクのポストコード,そのポストタスクが開始されてからの時間をタスク内経過時間ということが記載されているといえる。 してみると,引用文献1には,“リムーバブルメディアである簡易設定用ディスクには,書き込まれた順序が分かる状態で,第1~第nのキー入力情報3521~351nが格納され,第1のキー入力情報3521は,キー情報353とポストタスク情報354によって構成され,キー情報353は,どこに配置されたキーが押下されたかを示すスキャンコード355と,どの文字に対応するかを示すアスキーコード356により構成され,また,ポストタスク情報354は,キー入力が有り、終了用ホットキー以外のキーに対応するキー情報がキーボードバッファメモリ209から送られてきた場合に、ポスト処理部210から取得される実行中のポストタスクのポストコードと、そのポストタスクが開始されてからの時間であるタスク内経過時間により構成され,第2~第nのキー入力情報3522~351nも同様の構成となっている”ことが記載されているといえる。 (カ)したがって,上記引用文献1の上記各記載及び図面を総合すると,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が開示されていると認められる。 「キーボードバッファメモリ209とポスト処理部210と記録メディア判別処理部211とキー情報制御処理部212とタイマ213とからなるバイオス設定装置207と,バイオス設定格納部208を備え,装置を構成する各種デバイスの入出力状態の設定を行う基本的な制御内容を規定したバイオス(Basic Input Output System)を格納したバイオス部202を備えるパーソナルコンピュータ201において,リムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を,適切なタイミングでポスト処理部210へと渡し,あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行うバイオスの設定方法であって, タイマ213は,ポスト処理部210が新たなポストタスクを開始する度に,その開始タイミングで値を初期化して計時を開始し,その時間情報を逐次出力するようになっており, リムーバブルメディアである簡易設定用ディスクには,書き込まれた順序が分かる状態で,第1~第nのキー入力情報3521~351nが格納され,第1のキー入力情報3521は,キー情報353とポストタスク情報354によって構成され,キー情報353は,どこに配置されたキーが押下されたかを示すスキャンコード355と,どの文字に対応するかを示すアスキーコード356により構成され,また,ポストタスク情報354は,キー入力が有り、終了用ホットキー以外のキーに対応するキー情報がキーボードバッファメモリ209から送られてきた場合に、ポスト処理部210から取得される実行中のポストタスクのポストコードと、そのポストタスクが開始されてからの時間であるタスク内経過時間358により構成され,第2~第nのキー入力情報3522~351nも同様の構成となっており, キー情報制御処理部212は,まずドライブ装置205に挿着された簡易設定用ディスクからキー入力情報352を1つ読み出すステップS361と, ポスト処理部210が実行中のポストタスクのポストコードを取得するステップS362と, 読み出したキー入力情報352のポストコード357と一致するか否かを判別するステップS363と 一致する場合には(Y),タイマ213が出力するそのポストタスクのタスク内経過時間がステップS361で読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間に達するのを監視するステップS364と, 読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間358に達すると(Y),ステップS361で読み出したキー入力情報352のキー情報353をキーボードバッファメモリ209に格納するステップS365と, 簡易設定用ディスクに次に読み出すべきキー入力情報352が存在する場合には,ステップS361へ戻って該当するキー入力情報352を読み出すステップS366:Yと, からなるバイオスの設定方法。」 イ.引用文献2 拒絶査定において引用された,特開2017-120467号公報(以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。 a.「【0043】 図5は、所定間隔のタイマ割り込みにより実行される関数の概念を説明するための図である。ここでは、カウントクロックごとにカウント値がインクリメントされ、カウント値がコンペア値に達した場合に、割り込み信号が発生することを示す。そして、割り込み信号に応じて関数Aが実行されることを示す。ここで、割り込み信号が発生する周期は、タイマ割り込み周期、すなわち、関数Aの呼び出し間隔Tといえる。そのため、関数Aの処理時間の制約条件は、1回当たりの処理時間が呼び出し間隔T以内であることといえる。よって、上述した方法によりソースコードから呼び出し間隔Tを抽出することは、関数Aの処理時間制約情報を抽出していることと等価であると言える。」 ウ.引用文献3 拒絶査定において引用された,特開2005-284737号公報(以下,「引用文献3」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。 a.「【0046】 サーバ10の処理手順を図2のフローチャートに基づいて説明する。このプログラムは微小時間毎のタイマ割り込みにより実行される。ステップ100において、LAN20に新たな周辺装置が接続されたか否かを検出し、新たに周辺装置が接続された場合には、ステップ102においてその周辺装置に対して制御プログラムの送信要求が出力される。次に、ステップ104において、周辺装置から送信された制御プログラムが受信され、HD15の制御プログラム領域152に記憶される。次に、ステップ106において、その制御プログラムをインストールした後、そのプログラムを起動して、ウェブページがHD15のウェブページ領域151に作成される。」 (3)引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア.引用発明の「パーソナルコンピュータ201」,「バイオス(Basic Input Output System)」は,各々,本件補正発明の「情報処理装置」,「BIOS(Basic Input/Output System)」に相当する。 また,引用発明の「バイオスの設定方法」は,引用文献1の段落【0006】に従来例として記載される、複数のバイオスの設定内容をパターンを用意することで、1つのパターンを選択することでバイオスの設定を、(自動的)に切り替わるものをさらに改良したものであるから,引用発明もパーソナルコンピュータ201にてバイオスを自動的に切り替える方法といえる。 したがって、引用発明と,本件補正発明とは“情報処理装置にて,BIOS(Basic Input/Output System)の設定を自動的に切り替える方法”である点で共通する。 イ.引用発明の「キー情報353」は,どこに配置されたキーが押下されたかを示すスキャンコード355と,どの文字に対応するかを示すアスキーコード356により構成され,キー入力に関するデータといえるから,本件補正発明の「キーデータ」に相当する。 また,引用発明の「ポストタスク情報354」の「タスク内経過時間358」は,キー入力があった際のポストタスクが開始されてからの時間であり,キー情報の時間に関するデータといえる。してみると,引用発明の「ポストタスク情報354」の「タスク内経過時間358」と,本件補正発明の「タイミングデータ」とは,後記する点で相違するものの「時間に関するデータ」である点では共通する。 そして,引用発明の「第1~第nのキー入力情報3521~351n」の個々の「キー入力情報352」は,「キー情報353」と「タスク内経過時間358」を含む「ポストタスク情報354」から成るものであるから,引用発明と本件補正発明とは,“第1乃至第N(Nは2以上の整数)のキーデータと第1乃至第Nの時間に関するデータとの組から成る,入力用データ”である点で共通する。 さらに,引用発明の「ステップS361」及び「ステップS366」は,簡易設定用ディスクからキー入力情報352を1つ読み出すステップ、及び,それを繰り返すステップであって、また、簡易用設定用ディスクはパーソナルコンピュータ201の外部から提供されるものであるから,本件補正発明の「外部から、第1乃至第N(Nは2以上の整数)のキーデータと第1乃至第Nの時間に関するデータとの組から成る、入力用データを取得」することに相当する。 ウ.引用発明の「タイマ213」は,「ポスト処理部210が新たなポストタスクを開始する度に,その開始タイミングで値を初期化して計時を開始」するものであり,1つのポストタスクに対しては一度のタイマーの開始がされているものである。 そして,引用発明では,「ステップS361」で,簡易設定用ディスクに格納された第1~第nのキー入力情報3521~351nのいずれか1つを読み出し,さらに,「ステップS364」で,タイマ213が出力するそのポストタスクのタスク内経過時間がステップS361で読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間に達するのを監視し,「ステップS365」で,読み出したキー入力情報352のポストタスク情報354のタスク内経過時間358に達すると(Y),ステップS361で読み出したキー入力情報352のキー情報353をキーボードバッファメモリ209に格納するものであり,一度のタイマー開始後に、タイマーの出力を常時確認し,読み出された1つのキー入力情報352のタスク内経過時間358で,タスク内経過時間358に対応するキー情報353をキーバッファメモリ209に出力しているといえる。 してみると,引用発明の「ステップS361」,「ステップS364」及び「ステップS365」と,本件補正発明の「一度のタイマー開始後に定期的なタイマー割込みが発生した時点で確認される,第n(1≦n≦N)の時間に関するデータによって予め定めたタイミングで,該第nのタイミングデータに対応する第nのキーデータを出力」することとは,後記する点で相違するものの“一度のタイマー開始後に確認される,第n(1≦n≦N)時間に関するデータによって予め定めた時間で,該第nのタイミングデータに対応する第nのキーデータを出力”する点で共通する。 エ.引用発明の「バイオスの設定方法」は,リムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を,適切なタイミングでポスト処理部へと渡し,あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行うものであり,ステップS365でキーボードバッファメモリ209に格納されたキー情報353は、ポスト処理部へと渡されバイオスの設定が実行されていることは明らかであるから、引用発明においても、本件補正発明の「前記第nのキーデータの設定を実行する」ことに相当する構成を有するものと認められる。 したがって,本件補正発明と引用発明とを対比すると,両者は,以下の点で一致し,また,相違している。 (一致点) 「情報処理装置にて,BIOS(BasicInput/Output System)の設定を自動的に切り替える方法であって, 外部から,第1乃至第N(Nは2以上の整数)のキーデータと第1乃至第Nの時間に関するデータとの組から成る,入力用データを取得し, 一度のタイマー開始後に確認される,第n(1≦n≦N)の時間に関するデータによって予め定めたタイミングで,該第nの時間に関するデータに対応する第nのキーデータを出力し, 前記第nのキーデータの設定を実行する, BIOS設定の自動切替え方法。」 (相違点1) 前記「時間に関するデータ」が,本件補正発明では,「タイミングデータ」であるのに対して,引用発明では,「ポストタスク情報354」の「タスク内経過時間358」がタイミングであるか不明である点。 (相違点2) 前記「確認」が,本件補正発明では,「定期的なタイマー割込みが発生した時点」で確認されるのに対して,引用発明では,「読み出したキー入力情報352のタスク内経過時間358に達」した時点であり,定期的なタイマー割込みが発生した時点であることが特定されていない点。 (4)判断 上記各相違点について検討する。 (相違点1)について 引用発明は,「リムーバブルメディアに記録された個々のキー入力情報を,適切なタイミングでポスト処理部210へと渡し,あたかもリアルタイムでキーボードが操作されているかのようにバイオスの設定を行う」ものである。 そして,そのために,引用発明は、タイマ213が出力するポストタスクのタスク内経過時間が,「キー入力情報352のタスク内経過時間358」に達すると,キー入力情報352のキー情報353をキーボードバッファメモリ209に格納するものであるから引用発明の「タスク内経過時間358」は出力するタイミングを表しているといえ,この点においては相違しない。 この点に関して,審判請求人は審判請求書において, 「(ニ)本願発明と各引用例の対比説明: まず、本願発明と引用文献1に記載された引用発明とを対比して説明します。 本願発明では、前述したように、タイマーは一度だけ開始後(図4のステップ404参照)、定期的なタイマー割込みが発生した時点で、タイミング時間が経過したか否かをチェックしています(図4のステップ405および段落[0054]参照)。 これに対して、引用文献1は、『タイマ213は、ポスト処理部210が新たなポストタスクを開始する度に、その開始タイミングで値を初期化して計時を開始し』ています(引用文献1の段落[0047]参照)。したがって、引用文献1では、その図7から明らかなように、ポストコードが一致した時に、タイマ213が初期化されて計時を開始して、タスク内経過時間に達するのを監視することになります(引用文献1の段落[0053]、[0054]参照)。 すなわち、本願発明では、引用文献1において必須の、ポストコードが一致するかを判別する処理(引用文献1の図7のステップS363および段落[0053]参照)や、実行中のポストタスクのタスク内経過時間がキー入力情報のタスク内経過時間に達するのを監視する処理(引用文献1の図7のステップS364および段落[0054]参照)を行っていません。 換言すれば、本願発明の「タイミングデータ」と、引用文献1の「ポストタスク情報(タスク内経過時間)」とは、全く異なるデータであることは明らかです。すなわち、本願発明の「タイミングデータ」はタイマーが一度開始した後の時間(いわゆる「絶対経過時間」)を表しているのに対して、引用文献1の「タスク内経過時間」は新たなポストタスクを開始した時点からの経過時間(いわゆる「相対経過時間」)を表しています。」 と主張している。 しかしながら,本件補正発明は,「第1乃至第Nのタイミングデータ」のうちのいずれかの「第n(1≦n≦N)のタイミングデータ」の確認が,ある時点から開始される「一度のタイマー開始後に」なされるものであって,必ずしも全ての「第1乃至第Nのタイミングデータ」が同じ時点から開始される「一度のタイマー開始後」になされているとは認められないことから,本件発明の「タイミングデータ」がいわゆる「絶対経過時間」を表しているとはいえない。 また,引用発明には,1つのポストタスクおいてのみBIOSを設定し,この1つのポストタスクに対して複数のキー情報がある場合も含むものであり,その際には,「キー入力情報」の全ての「タスク内経過時間」は該1つのポストタスクのために開始した一度のタイマー開始後の経過時間を表すものであって,「絶対経過時間」を表すものであるから,引用文献1の「タスク内経過時間」がいわゆる「相対経過時間」を表しているとはいえない。 したがって,上記主張を採用することはできず,相違点1は格別なものとはいえない。 (相違点2)について タイミングに達したか否かの確認を,常時行うか定期的に行うかは設計的事項に過ぎない。 また、定期的に何らかの処理を行う手段としてタイマー割り込みは周知の技術(上記「(2)イ」,「(2)ウ」)である。 してみると,引用発明におけるタイミングの確認を定期的に行う際に該周知のタイマー割り込みを用いて本件補正発明の上記相違点2の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。 そして,本件補正発明の作用効果も,引用発明に基づいて当業者が予測できる範囲のものである。 したがって,本件補正発明は,引用発明並びに引用文献2及び3に記載されたような周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3.結語 以上検討したとおり,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3.本願発明について 1.本願発明 令和1年8月22日付けの手続補正(本件補正)は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1ないし10に係る発明は,平成31年1月22日に補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は上記第2の[理由]1 (2)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は,この出願の請求項1に係る発明は,引用文献1(特開2006-190061号公報)に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条2項の規定により特許を受けることができない,という理由を含むものである。 3.引用文献,引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項並びに引用発明は,上記第2の[理由]2「(2)引用文献,引用発明」で説示したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は,上記第2の[理由]2 で検討した本件補正発明の発明特定事項である「タイマー開始」についての限定を省いたものである。 そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含み,さらに他の事項を付加したものに実質的に相当する本件補正発明が,上記第2の[理由]2「(4)判断」に記載したとおり,引用発明及び周知の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も引用発明及び周知の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4.むすび 以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,引用文献1に記載された発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2019-011080

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