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特許拒絶査定不服審判

2019-009250

遊技機

審判番号
2019-009250
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-228517外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年07月10日
審決日
2020年02月12日
公報発行日
2021年06月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-228517号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年5月31日出願公開、特開2018-82947号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
【理 由】

第1 手続の経緯の概要

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本願は、平成28年11月25日の出願であって、平成30年2月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月11日付けで最後の拒絶の理由の通知がされ、同年11月9日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年4月10日付けで、平成30年11月9日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(謄本の送達日:平成31年4月16日。以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和1年7月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和1年7月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和1年7月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 補正の内容

本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を補正するものであり、本件補正により、平成30年4月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における

「【請求項1】
それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群が変動表示され、全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせが全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせとなることで当否判定結果が当たりであることが報知される遊技機であって、
前記複数の識別図柄群として、第一識別図柄群および第二識別図柄群と、これらの識別図柄群よりも後に変動が停止または擬似停止する第三識別図柄群が設定され、
前記第一識別図柄群および前記第二識別図柄群の変動が停止または擬似停止することによって表示される識別図柄が同じとなる態様であって、未だ当否判定結果が当たりとなる可能性が残されている態様がリーチ態様として設定されており、
前記複数種の識別図柄のそれぞれには、前記当たり組み合わせを構成するものとなった場合に前記遊技者が享受する利益を示唆する価値要素が設定されており、
前記リーチ態様が構成されていない状態から、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。」は、

令和1年7月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における

「【請求項1】
それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群が変動表示され、全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせが全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせとなることで当否判定結果が当たりであることが報知される遊技機であって、
前記複数の識別図柄群として、第一識別図柄群および第二識別図柄群と、これらの識別図柄群よりも後に変動が停止または擬似停止する第三識別図柄群が設定され、
前記第一識別図柄群および前記第二識別図柄群の変動が停止または擬似停止することによって表示される識別図柄が同じとなる態様であって、未だ当否判定結果が当たりとなる可能性が残されている態様がリーチ態様として設定されており、
前記複数種の識別図柄のそれぞれには、前記当たり組み合わせを構成するものとなった場合に前記遊技者が享受する利益を示唆する価値要素が設定されており、
前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、前記第三識別図柄群の変動が停止または擬似停止して特殊組み合わせが構築されたときには、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した)。

2 補正の目的及び新規事項について

本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「リーチ変化演出」に関して、

(1)「前記リーチ態様が構成されていない状態」が、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致」しないものであることを限定するとともに、

(2)「リーチ変化演出が実行可能である」のが、「前記第三識別図柄群の変動が停止または擬似停止して特殊組み合わせが構築されたとき」であることを限定するものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0031】~【0033】及び図4等の記載からみて、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記「1 補正の内容」において示した次のとおりのものである(記号A~Eは、分説するため当審にて付した)。

「A それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群が変動表示され、全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせが全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせとなることで当否判定結果が当たりであることが報知される遊技機であって、
B 前記複数の識別図柄群として、第一識別図柄群および第二識別図柄群と、これらの識別図柄群よりも後に変動が停止または擬似停止する第三識別図柄群が設定され、
C 前記第一識別図柄群および前記第二識別図柄群の変動が停止または擬似停止することによって表示される識別図柄が同じとなる態様であって、未だ当否判定結果が当たりとなる可能性が残されている態様がリーチ態様として設定されており、
D 前記複数種の識別図柄のそれぞれには、前記当たり組み合わせを構成するものとなった場合に前記遊技者が享受する利益を示唆する価値要素が設定されており、
E 前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、前記第三識別図柄群の変動が停止または擬似停止して特殊組み合わせが構築されたときには、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。」

なお、本件補正発明は、平成31年4月10日付け補正の却下の決定により却下された、平成30年11月9日付け手続補正書における請求項1に係る発明と同じものである。

(2)引用文献1に記載された事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由及び平成31年4月10日付け補正の却下の決定において引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2002-200260号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ)。

・記載事項

ア 「【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のパチンコ機(遊技機)では、図柄が変動を開始してからリーチ状態になるまでの一連の動作が単純である。例えば、左、右、中の順で変動を停止する3つの図柄表示列を備えたパチンコ機において、リーチ状態を形成するためには、最初に左図柄表示列に表示される図柄によって、次に右図柄表示列に表示される図柄は一義的に特定される。従って、例えばすべり等の特殊な動作によって図柄表示列の変動態様を種々変化させても、遊技者の抱くリーチや大当たりに対する期待感を今一歩増加させることができなかった。
【0004】本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示画面に図柄を変動させて表示する遊技機において、表示画面の図柄が変動を開始してから特定の表示態様を形成するまでの遊技過程に新規な興趣を与え、遊技者の期待感を増加させることができる技術を提供することである。」

イ 「【0013】図1において、本発明の遊技機としてのパチンコ機10の遊技盤面12上には、複合装置14、装飾ランプ16、第1種始動口30、中ゲート32、大入賞口34、下部第1種始動口62、一般の入賞口等が適宜に配置されている。・・・」

ウ 「【0016】次に、図2を参照しながら複合装置14の構成について説明する。図2に示すように、複合装置14には、天入賞口14a、特別図柄表示器20等が設けられている。天入賞口14aは一般の入賞口の一つである。特別図柄表示器20には、例えば液晶表示器が用いられ、この特別図柄表示器20の表示画面21には特別図柄等が表示される。なお、特別図柄として用いる図柄は、数字、文字(英数字や漢字等)、記号、図形、絵柄等がある。また、背景図柄には、例えば動画(映像、アニメーション等)や静止画等がある。・・・
【0017】特別図柄表示器20の表示画面21は方形に形成され、この表示画面21に3つの図柄表示列(左図柄表示列110、中図柄表示列130、右図柄表示列150)が形成されるように構成されている。そして、図柄表示列110,130,150に表示された特別図柄の配列によって、遊技者に大当たり遊技を付与する大当たりか否かを報知する。具体的には、表示画面21の図柄表示列110,130,150に表示された特別図柄によって大当たり図柄配列(例えば、同じ図柄が3つ揃った場合)を形成した場合が「大当たり」であり、それ以外の図柄配列が形成された場合が「はずれ」である。なお、本実施の形態では、図柄表示列110,130,150に表示される特別図柄はいずれも「0」~「9」の計10種類である。」

【0018】次に、第1実施の形態の特別図柄表示器20の表示画面21に表示される態様について、図3~図8を参照しながら詳細に説明する。なお、これらの図において、変動している図柄表示列を図中下向きの矢印で示している。遊技盤面12に打ち出されたパチンコ球が第1種始動口30に入賞すると、特別図柄表示器20の表示画面21の3つの図柄表示列110,130,150は、図3に示すように順変動方向(図2中の矢印40方向)にほぼ一斉に変動(例えば、図柄が認識できない程度の高速で)を開始する。そして、左図柄表示列110、右図柄表示列150、中図柄表示列130の順で図柄の変動を停止する。」

エ 「【0019】なお、パチンコ機の遊技制御部では4[msec]毎に各種乱数が更新されており、第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、この入賞球を検知したタイミングで大当たり判定乱数、大当たり図柄用乱数が取得される。大当たり判定乱数は大当たりにするか否かの決定に用いられ、大当たり図柄用乱数は大当たりが決定した場合に大当たりの特別図柄の停止態様を決定する乱数である。・・・」

オ 「【0020】表示画面21に、例えば図4に示すような図柄配列「3,↓,7」が表示されると、中図柄表示列130が変動を停止して表示する図柄に関わらずはずれ図柄配列を形成することとなる。そこで、本実施の形態では、左図柄表示列110および右図柄表示列150が順に変動を停止して、はずれ図柄配列を形成するような図柄配列が一旦表示されても、遊技制御部から送信された変動パターン番号に従って表示されている図柄を再変動させる。なお、ここでいう「停止」には、所定の位置で完全に変動が止まっている場合以外に、所定の位置で小刻みに微動や揺動しているような場合も含むものとする。このような場合、一旦停止して表示された左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」を、遊技制御部から送信された変動パターン番号に従って再変動させる。そして、この再変動によって表示画面21にリーチ図柄配列や大当たり図柄配列を形成させることができる。なお、この図柄「3」および図柄「7」が本発明における所定図柄に対応している。
【0021】以下、第1実施の形態における左図柄表示列110および右図柄表示列150に表示されている図柄が再変動する際の変動態様について説明する。図4に示すように、再変動する際に、各構成面に図柄が配置された多面体120,160、本実施の形態では全構成面が六面である立方体が表示される。変動開始時には、まず一旦変動を停止した図柄がこれら多面体120,160の第1面121,161に表示される。すなわち、多面体120の構成面の一つに図柄「3」が表示され、多面体160の構成面の一つに図柄「7」が表示されている。そして、これら多面体120,160が回転軸110aおよび回転軸150aを回転中心として所定の方向、例えば左回り方向へ回転変動(再変動)して表示される。このような回転変動では、多面体120,160の構成面(六面)のうち最大で二面が表示されることとなる。すなわち、六面のうちの一面あるいは二面が表示されることとなる。また、これら多面体120,160の構成面には、10種類の図柄のうちの例えば6種類が配置されている。
【0022】具体的には、多面体120,160が回転変動する過程において例えば図5に示すような図柄が表示される。すなわち、左図柄表示列110では、回転変動開始前に第1面121に表示されていた図柄「3」に加え、回転変動開始後に第2面122に図柄「7」が表示される。また、右図柄表示列150では、回転変動開始前に第1面161に表示されていた図柄「7」に加え、回転変動開始後に第2面162に図柄「2」が表示される。また、多面体120,160の各構成面に配置され、これら多面体120,160が所定の方向へ回転変動する際に表示される図柄の配列は、本来の図柄の順列とは異なるようになっている。すなわち、左図柄表示列110および右図柄表示列150における図柄の配列は、例えば0,1,2…7,8,9といった連続した配列ではなく、本来の図柄の順列とは異なる配列で表示されることとなる。
【0023】このような場合、左図柄表示列110と右図柄表示列150に同じ図柄「7」が表示されており、この図柄「7」を用いてリーチ図柄配列「7,↓,7」を形成させることができる。なお、本実施の形態では、図5に示す状態から更に、左図柄表示列110および右図柄表示列150の立方体が回転変動する場合について説明する。今度は、左図柄表示列110および右図柄表示列150の多面体120,160が、回転軸110bおよび回転軸150bを回転中心として所定の方向、例えば前回り方向へ回転変動する。このような回転変動では、多面体120,160の構成面(六面)のうち最大で三面が表示されることとなる。
【0024】具体的には、多面体120,160が回転変動する過程において例えば図6に示すような図柄が表示される。すなわち、左図柄表示列110では、従前に第1面121に表示されていた図柄「3」および第2面122に表示されていた図柄「7」に加え、第3面123に図柄「6」が表示される。また、右図柄表示列150では、従前に第1面161に表示されていた図柄「7」および第2面162に表示されていた図柄「2」に加え、第3面163に図柄「3」が表示される。
【0025】そして、このような場合、左図柄表示列110および右図柄表示列150に、同じ図柄「3」と図柄「7」が表示されており、この図柄「3」と図柄「7」を改めて左図柄表示列110および右図柄表示列150に表示させることで、図7に示すようにいわゆるダブルリーチを形成させることができる。この場合、リーチラインL11上にリーチ図柄配列「7,↓,7」が形成され、リーチラインL12上にリーチ図柄配列「3,↓,3」が形成されることとなる。そして、その後図8に示すように中図柄表示列130に例えば図柄「7」が停止すると大当たり図柄配列となり、遊技者は引き続き大当たり遊技を行うこととなる。また、中図柄表示列130に図柄「3」あるいは図柄「7」以外の図柄が停止するとはずれ図柄配列となり、大当たり遊技は付与されない。」

カ 「【0027】以上のように、第1実施の形態のパチンコ機によれば、表示画面21に一旦はずれ図柄配列を形成した場合でも、多面体120,160を回転変動させることで図柄の表示数を増加させリーチ図柄配列を形成させることができる。とりわけ、各多面体120,160を回転方向が異なる2つの回転軸を用いて回転変動させるため、図柄数の変更における自由度が増す。これにより、画面表示に今までにない新規な面白さをもたらすことができる。また、第1実施の形態のパチンコ機によれば、図柄が回転変動する際に表示される図柄(数字)が連続していなため、回転変動する際に増える図柄に意外性を持たせ、遊技者の期待感を増加させることができる。また、回転変動時に増える図柄にいわゆる確率変動図柄(例えば奇数)を用いることで、遊技者の抱く期待感を更に高めることができる。」

キ 【図4】

ク 【図5】

ケ 【図6】

コ 【図7】

・認定事項

サ 上記オにて摘記した【0020】における「表示画面21に、例えば図4に示すような図柄配列「3,↓,7」が表示される・・・このような場合、一旦停止して表示された左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」を、・・・再変動させ・・・、この再変動によって表示画面21にリーチ図柄配列・・・を形成させることができる。」との記載、同【0021】における「左図柄表示列110および右図柄表示列150に表示されている図柄が・・・再変動する際に、各構成面に図柄が配置された多面体120,160・・・が表示される。変動開始時には、・・・多面体120の構成面の一つに図柄「3」が表示され、多面体160の構成面の一つに図柄「7」が表示されている。」との記載、同【0022】における「多面体120,160が回転変動する過程において例えば図5に示すような図柄が表示される。・・・左図柄表示列110では、回転変動開始前に・・・表示されていた図柄「3」に加え、・・・図柄「7」が表示される。また、右図柄表示列150では、回転変動開始前に・・・表示されていた図柄「7」に加え、・・・図柄「2」が表示される。」との記載、同【0024】における「多面体120,160が回転変動する過程において例えば図6に示すような図柄が表示される。・・・左図柄表示列110では、・・・図柄「3」および・・・図柄「7」に加え、・・・図柄「6」が表示される。また、右図柄表示列150では、・・・図柄「7」および・・・図柄「2」に加え、・・・図柄「3」が表示される。」との記載、同【0025】における「このような場合、左図柄表示列110および右図柄表示列150に、同じ図柄「3」と図柄「7」が表示されており、この図柄「3」と図柄「7」を改めて左図柄表示列110および右図柄表示列150に表示させることで、図7に示すようにいわゆるダブルリーチを形成させることができる。この場合、リーチラインL11上にリーチ図柄配列「7,↓,7」が形成され、リーチラインL12上にリーチ図柄配列「3,↓,3」が形成されることとなる。」との記載、及び、上記キ~コに示した図4~7の図示内容を参酌すると、引用文献1には、表示画面21において、左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」が一旦停止して表示された後、左図柄表示列110および右図柄表示列150に、各構成面に図柄が配置された多面体120,160をそれぞれ表示し、当該多面体120,160を回転変動させて、左図柄表示列110の図柄および右図柄表示列150の図柄を再変動させ、再変動の過程において、左図柄表示列110では、回転変動開始前に表示されていた図柄「3」に加えて図柄「7」が表示され、右図柄表示列150では、回転変動開始前に表示されていた図柄「7」に加えて図柄「3」が表示され、左図柄表示列110および右図柄表示列150に同じ図柄「3」と図柄「7」が表示される場合があり、この場合、図柄「3」によるリーチ図柄配列と図柄「7」によるリーチ図柄配列とが形成されることが記載されていると認められる。

シ 上記ウにて摘記した【0018】には「特別図柄表示器20の表示画面21に表示される態様について、図3~図8を参照しながら詳細に説明する。なお、これらの図において、変動している図柄表示列を図中下向きの矢印で示している。」と記載され、上記キ~コに示した図4~7における中図柄表示列130の位置には、いずれも「変動中」という文字が付された下向きの矢印が図示されている。

したがって、上記サの認定事項も合わせて考慮すると、引用文献1には、左図柄表示列110の図柄および右図柄表示列150の図柄が、一旦停止して表示された後、再変動し、リーチ図柄配列を形成する過程において、中図柄表示列130は変動し続けることが記載されていると認められる。

上記ア~コの記載事項及び上記サ~シの図示内容を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~eは、本件補正発明のA~Eに対応させて付与した)。

(引用発明)

「a、b 遊技盤面12上には、複合装置14、第1種始動口30が配置され(【0013】)、複合装置14には特別図柄表示器20が設けられ(【0016】)、特別図柄表示器20の表示画面21に3つの図柄表示列(左図柄表示列110、中図柄表示列130、右図柄表示列150)が形成され、図柄表示列110,130,150に表示される特別図柄はいずれも「0」~「9」の計10種類であり(【0017】)、
第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、遊技制御部では、大当たり判定乱数が取得され、大当たり判定乱数は大当たりにするか否かの決定に用いられ(【0019】)、
パチンコ球が第1種始動口30に入賞すると、特別図柄表示器20の表示画面21の3つの図柄表示列110,130,150は、変動を開始し、左図柄表示列110、右図柄表示列150、中図柄表示列130の順で図柄の変動を停止し(【0018】)、「停止」には、所定の位置で完全に変動が止まっている場合以外に、所定の位置で小刻みに微動や揺動しているような場合も含み(【0020】)、
図柄表示列110,130,150に表示された特別図柄の配列によって、遊技者に大当たり遊技を付与する大当たりか否かを報知し、特別図柄によって大当たり図柄配列(同じ図柄が3つ揃った場合)を形成した場合が「大当たり」である(【0017】)、パチンコ機10であって(【0013】)、
c、d、e 表示画面21において、左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」が一旦停止して表示された後、左図柄表示列110および右図柄表示列150に、各構成面に図柄が配置された多面体120,160をそれぞれ表示し、当該多面体120,160を回転変動させて、左図柄表示列110の図柄および右図柄表示列150の図柄を再変動させ、再変動の過程において、左図柄表示列110では、回転変動開始前に表示されていた図柄「3」に加えて図柄「7」が表示され、右図柄表示列150では、回転変動開始前に表示されていた図柄「7」に加えて図柄「3」が表示され、左図柄表示列110および右図柄表示列150に同じ図柄「3」と図柄「7」が表示される場合があり、この場合、図柄「3」によるリーチ図柄配列と図柄「7」によるリーチ図柄配列とが形成され(認定事項サ)、
左図柄表示列110の図柄および右図柄表示列150の図柄が、一旦停止して表示された後、再変動し、リーチ図柄配列を形成する過程において、中図柄表示列130は変動し続け(認定事項シ)、
回転変動時に増える図柄に確率変動図柄(奇数)を用いる(【0027】)、パチンコ機10(【0013】)。」

(3)引用文献2に記載された事項

平成31年4月10日付け補正の却下の決定において引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2013-17525号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア 「【0007】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑みなされたものであり、疑似連続演出の継続を報知する特定の識別情報の表示により遊技の興趣を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。」
イ 「【0052】
上記の通り、補助遊技としての特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)は、遊技盤30に設けられた状態表示器42で実行される。そして、変動表示装置35では、状態表示器42での特図変動表示ゲームに対応して、複数の識別情報(飾り図柄)を変動表示する飾り特図変動表示ゲームが実行される。変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームの制御は演出制御装置700(変動表示ゲーム制御手段)によって行われる。状態表示器42で実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームの結果態様は特別結果態様(「7、7、7」のように識別情報等が特定の並び順で揃った状態)となる。このように演出制御装置700は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を特別結果態様に制御する特別結果態様制御手段として機能する。」
ウ 「【0071】
よって、例えば特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域において特別結果態様となる条件を満たした状態、すなわち同一の識別情報で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。・・・」
エ 「【0228】
期待度が高く、変動時間が長めに設定される変動パターン4、5、7、8、10、11では、1つの始動記憶を使用して実行される1回の特図変動表示ゲーム中において、変動表示装置35に変動表示される飾り図柄(識別図柄)を特別結果態様以外の停止態様で疑似的に停止(仮停止)させて複数回の変動表示ゲームが連続して行われているかのような疑似連続演出を実行する。疑似連続演出では、飾り図柄の仮停止を伴う疑似変動表示ゲームが所定回数連続して行われる。変動パターン4、5、7、8、10、11における疑似連続回数は1回の特図変動表示ゲーム中における疑似変動表示ゲームの回数であり、変動パターン4、7、10では疑似連続回数が2回に設定され、変動パターン5、8、11では疑似連続回数が3回に設定される。」
オ 「【0384】
図37は、特殊リプレイ図柄の種類を示す図である。図37に示す特殊リプレイ図柄1~4(予告対応識別情報)は、疑似連続演出の継続及び特図変動表示ゲームの期待度を報知可能な識別情報である。」
カ 「【0408】
本実施形態における遊技機1では、疑似連続演出が実行されない場合においても、リーチ後予告演出が実行される時に特殊リプレイ図柄が表示されることがある(S1315→S1316→S1318)。例えば、変動パターンが図17(A)の変動パターン3である場合には、図42(A)及び43(A-1)に示すように、左右2つの飾り図柄がはずれ態様を形成した後に、中央の飾り図柄が特殊リプレイ図柄(例えば特殊リプレイ図柄2)に制御され仮停止する。疑似連続演出が実行されないパターンである場合には、特殊リプレイ図柄2の仮停止直後に図43(B-1)に示すように特殊リプレイ図柄2からイカの図柄が飛び出し、図43(C-1)に示すように左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成するように変化するとともに、飛び出したイカの図柄がリーチ後予告演出2を構成するように変化する。」

キ 【図43】(A-1)~(C-1)

上記ア~キの記載事項を総合すると、引用文献2には次の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されていると認められる。

「変動表示装置35では、特図変動表示ゲームに対応して、複数の識別情報(飾り図柄)を変動表示する飾り特図変動表示ゲームが実行され、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、飾り特図変動表示ゲームの結果態様は特別結果態様となり(「【0052】)、
飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであり、左、右の変動表示領域において同一の識別情報で変動表示が停止した状態がリーチ状態となり(【0071】)、
1回の特図変動表示ゲーム中において、変動表示装置35に変動表示される飾り図柄を特別結果態様以外の停止態様で仮停止させて複数回の変動表示ゲームが連続して行われているかのような疑似連続演出を実行し(【0228】)、
特殊リプレイ図柄は、疑似連続演出の継続を報知可能な識別情報であり(【0384】)、
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疑似連続演出が実行されない場合においても、特殊リプレイ図柄が表示されることがあり、左右2つの飾り図柄が一致しないはずれ態様を形成した後に、中央の飾り図柄が特殊リプレイ図柄に制御され仮停止し、特殊リプレイ図柄の仮停止直後に、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成するように変化する(【0408】、【図43】(A-1)~(C-1))、
遊技機(【0007】)。」
(4)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)引用発明における「「0」~「9」の計10種類であ」る「特別図柄」は、本件補正発明の構成Aの「複数種の識別図柄」に相当し、引用発明の「いずれも「0」~「9」の計10種類であ」る「特別図柄」が「表示される」「左図柄表示列110、中図柄表示列130、右図柄表示列150」は、本件補正発明の構成Aの「それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群」に相当し、引用発明の「表示画面21の3つの図柄表示列110,130,150は、変動を開始」することは、本件補正発明の構成Aの「複数の識別図柄群が変動表示され」ることに相当する。
また、引用発明の「左図柄表示列110、右図柄表示列150、中図柄表示列130の順で図柄の変動を停止」することは、引用発明の「「停止」には、所定の位置で完全に変動が止まっている場合以外に、所定の位置で小刻みに微動や揺動しているような場合も含」むことも踏まえると、本件補正発明の構成Aの「識別図柄群の変動が停止または擬似停止すること」に相当し、引用発明における「左図柄表示列110、右図柄表示列150、中図柄表示列130の順で図柄の変動を停止し」、「図柄表示列110,130,150に表示された特別図柄の配列」は、本件補正発明の構成Aの「全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせ」に相当し、引用発明における「大当たり図柄配列(同じ図柄が3つ揃った場合)」は、本件補正発明の構成Aの「全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせ」に相当する。
そして、引用発明の「大当たりにするか否かの決定」は、本件補正発明の構成Aの「当否判定」に相当し、引用発明における「図柄表示列110,130,150に表示された特別図柄の配列によって、遊技者に大当たり遊技を付与する大当たりか否かを報知し、特別図柄によって大当たり図柄配列(同じ図柄が3つ揃った場合)を形成した場合が「大当たり」である」ことは、本件補正発明の構成Aの「全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせが全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせとなることで当否判定結果が当たりであることが報知される」ことに相当する。
さらに、引用発明における「パチンコ機10」は、本件補正発明の構成Aの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明は、本件補正発明の構成Aに相当する構成を具備している。
(b)引用発明における「左図柄表示列110」、「右図柄表示列150」は、それぞれ、本件補正発明の構成Bの「第一識別図柄群」、「第二識別図柄群」に相当する。
また、引用発明は「左図柄表示列110、右図柄表示列150、中図柄表示列130の順で図柄の変動を停止」することから、引用発明の「中図柄表示列130」は、本件補正発明の構成Bの「これらの識別図柄群よりも後に変動が停止または擬似停止する第三識別図柄群」に相当する。
してみると、引用発明は、本件補正発明の構成Bに相当する構成を具備している。
(c)引用発明の「左図柄表示列110および右図柄表示列150に同じ図柄」「が表示される」「リーチ図柄配列」は、本件補正発明の構成Cの「前記第一識別図柄群および前記第二識別図柄群の変動が停止または擬似停止することによって表示される識別図柄が同じとなる態様であ」る「リーチ態様」に相当する。
また、引用発明は「特別図柄によって大当たり図柄配列(同じ図柄が3つ揃った場合)を形成した場合が「大当たり」である」ところ、引用発明の「左図柄表示列110および右図柄表示列150に同じ図柄」「が表示される」「リーチ図柄配列」が形成された状態では、未だ大当りとなる可能性が残されていることは明らかであるから、かかる「リーチ図柄配列」は、本件補正発明の構成Cの「未だ当否判定結果が当たりとなる可能性が残されている態様」に相当する。
してみると、引用発明は、本件補正発明の構成Cに相当する構成を具備している。
(d)引用発明は「回転変動時に増える図柄にいわゆる確率変動図柄(奇数)を用いる」ことから、引用発明においては、「「0」~「9」の計10種類であ」る「特別図柄」のうち、「奇数」の「特別図柄」が「確率変動図柄」として設定されており、それ以外の「特別図柄」は「確率変動図柄」ではない図柄として設定されているものと認められる。
引用発明において「奇数」の「特別図柄」が「確率変動図柄」として設定され、それ以外の「特別図柄」は「確率変動図柄」ではない図柄として設定されることは、本件補正発明の構成Dの「前記複数種の識別図柄のそれぞれには、前記当たり組み合わせを構成するものとなった場合に前記遊技者が享受する利益を示唆する価値要素が設定されて」いることに相当する。
してみると、引用発明は、本件補正発明の構成Dに相当する構成を具備している。
(e)引用発明における「一旦停止して表示された」「左図柄表示列110の図柄「3」」及び「右図柄表示列150の図柄「7」」は、それぞれ、本件補正発明の構成Eの「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄」及び「前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄」に相当し、引用発明における「左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」が一旦停止して表示された」状態は、本件補正発明の構成Eの「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」に相当する。
また、引用発明における「図柄「3」によるリーチ図柄配列と図柄「7」によるリーチ図柄配列とが形成され」た状態は、本件補正発明の構成Eの「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態」に相当する。
そして、引用発明は、「左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」が一旦停止して表示された」状態から、「左図柄表示列110および右図柄表示列150に、各構成面に図柄が配置された多面体120,160をそれぞれ表示し、当該多面体120,160を回転変動させて、左図柄表示列110の図柄および右図柄表示列150の図柄を再変動させ」、「再変動の過程において」、「左図柄表示列110および右図柄表示列150に同じ図柄「3」と図柄「7」が表示される場合」には、「図柄「3」によるリーチ図柄配列と図柄「7」によるリーチ図柄配列とが形成され」た状態とするものであり、かかる構成は、本件補正発明の構成Eの「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、」「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能である」ことに相当する。
してみると、引用発明と本件補正発明の構成Eとは、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、」「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能である」「遊技機」である点で共通している。
上記(a)~(e)によれば、本件補正発明と引用発明とは、
「A それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群が変動表示され、全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせが全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせとなることで当否判定結果が当たりであることが報知される遊技機であって、
B 前記複数の識別図柄群として、第一識別図柄群および第二識別図柄群と、これらの識別図柄群よりも後に変動が停止または擬似停止する第三識別図柄群が設定され、
C 前記第一識別図柄群および前記第二識別図柄群の変動が停止または擬似停止することによって表示される識別図柄が同じとなる態様であって、未だ当否判定結果が当たりとなる可能性が残されている態様がリーチ態様として設定されており、
D 前記複数種の識別図柄のそれぞれには、前記当たり組み合わせを構成するものとなった場合に前記遊技者が享受する利益を示唆する価値要素が設定されており、
E’ 前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能である遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点](構成Eに関して)
本件補正発明が、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、前記第三識別図柄群の変動が停止または擬似停止して特殊組み合わせが構築されたときには、リーチ変化演出が実行可能であるのに対して、引用発明は、左図柄表示列110(「第一識別図柄群」)の図柄および右図柄表示列150(「第二識別図柄群」)の図柄が、一旦停止して表示された後、再変動し、リーチ図柄配列を形成する過程において、中図柄表示列130(「第三識別図柄群」)は変動し続けるものであり(認定事項シ)、中図柄表示列130の変動が停止または擬似停止して特殊組み合わせが構築されたときに、リーチ変化演出が実行可能なものではない点。
(5)当審合議体の判断
ア 相違点について
上記(3)にて説示したとおり、引用文献2記載の事項は以下のとおりである。
「変動表示装置35では、特図変動表示ゲームに対応して、複数の識別情報(飾り図柄)を変動表示する飾り特図変動表示ゲームが実行され、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、飾り特図変動表示ゲームの結果態様は特別結果態様となり、
飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであり、左、右の変動表示領域において同一の識別情報で変動表示が停止した状態がリーチ状態となり、
1回の特図変動表示ゲーム中において、変動表示装置35に変動表示される飾り図柄を特別結果態様以外の停止態様で仮停止させて複数回の変動表示ゲームが連続して行われているかのような疑似連続演出を実行し、
特殊リプレイ図柄は、疑似連続演出の継続を報知可能な識別情報であり、
疑似連続演出が実行されない場合においても、特殊リプレイ図柄が表示されることがあり、左右2つの飾り図柄が一致しないはずれ態様を形成した後に、中央の飾り図柄が特殊リプレイ図柄に制御され仮停止し、特殊リプレイ図柄の仮停止直後に、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成するように変化する、
遊技機。」
引用文献2記載の事項の「複数の識別情報(飾り図柄)」は、本件補正発明の「複数種の識別図柄」に相当し、同様に、「左、中、右の変動表示領域の各々で」「変動表示」される「複数の識別情報」は、「識別図柄群」に相当する。
また、引用文献2記載の事項の「左、中、右の変動表示領域の各々で」「変動表示」される「複数の識別情報」は、「左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示する」ものであるから、引用文献2記載の事項の「左」「の変動表示領域」で「変動表示」される「複数の識別情報」、「右の変動表示領域」で「変動表示」される「複数の識別情報」及び「中」「の変動表示領域」で「変動表示」される「複数の識別情報」は、それぞれ、本件補正発明の「第一識別図柄群」、「第二識別図柄群」及び「第三識別図柄群」に相当する。
そして、引用文献2記載の事項の「左右2つの飾り図柄が一致しないはずれ態様を形成した」状態は、本件補正発明の「前記第一識別図柄群から選択されて停止」「した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止」「した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」に相当し、以下同様に、「中央の飾り図柄が特殊リプレイ図柄に制御され仮停止」したときは、「前記第三識別図柄群の変動が」「擬似停止して特殊組み合わせが構築されたとき」に、「左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成するように変化する」ことは、「リーチ態様が構成された状態に変化する」ことに、それぞれ相当する。
してみると、引用文献2記載の事項の「疑似連続演出が実行されない場合においても、特殊リプレイ図柄が表示される」場合に、「左右2つの飾り図柄が一致しないはずれ態様を形成した後に、中央の飾り図柄が特殊リプレイ図柄に制御され仮停止し、特殊リプレイ図柄の仮停止直後に、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成するように変化する」ことは、本件補正発明の「前記第一識別図柄群から選択されて停止」「した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止」「した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、前記第三識別図柄群の変動が」「擬似停止して特殊組み合わせが構築されたときには、」「リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能であること」に相当する。
そして、引用発明と引用文献2記載の事項とは、遊技機という共通の技術分野に属し、図柄変動表示における興趣を向上させるという共通の課題を解決するものであり(上記(2)の記載事項ア、上記(3)の記載事項アを参照)、また、リーチ態様が構成されていない状態から、リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出という共通の演出技術に関するものである。
よって、引用発明におけるリーチ変化演出における興趣を向上させるために、リーチ変化演出が実行可能となる契機として、引用文献2記載の事項の「リーチ態様が構成されていない状態で、前記第三識別図柄群の変動が」「擬似停止して特殊組み合わせが構築されたとき」を採用し、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態で、前記第三識別図柄群の変動が」「擬似停止して特殊組み合わせが構築されたときには、リーチ変化演出が実行可能である」ようにして、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 効果について
本件補正発明により奏される、リーチに関する演出により遊技の趣向性を向上させる(【0004】)という効果は、当業者が、引用発明及び引用文献2記載の事項から予測し得る範囲内のものであり、格別顕著なものということはできない。
ウ 請求人の主張について
(ア)請求人は、令和1年7月10日付け審判請求書において、次のとおり主張している。なお、以下の主張における「引用文献1」は上記引用文献1である。
「(4)原査定が取り消されるべきものである理由
4-1)第一の理由
審査においては、出願人がした平成30年11月9日付け意見書の主張が採用できない理由として、
『また、出願人は、同意見書において、「引用文献1においては、図7に示されるダブルリーチが構成された状態の前の状態である図6に示される状態においては、左図柄は「3」「6」「7」であり、右図柄は「2」「3」「7」であることから、左図柄と右図柄の一部が一致しているといえる。」と主張するが、図6に示される状態(左図柄に「3」「6」「7」、右図柄に「2」「3」「7」が 表示された状態)は、回転変動による再変動を示すものであるから、補正後の請求項1で特定される、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」と差異があるものとは認められず、出願人の主張は採用することができない。』(以下、第一の判断と称する)としている(下線部は出願人が付した)。
以下、当該第一の判断が妥当であるかどうか検討する。
(a)引用文献1の図6に示す状態は「回転変動による再変動を示すもの」であることを根拠に出願人の主張を退けていることから、まずかかる点について検討する。
本願発明は、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄・・・」(下線部は出願人が付した)と特定している。このように、「停止または擬似停止」と特定しているにも拘わらず、何故『「回転変動による再変動を示すもの」と差異があるものとは認められない』のか不明である。すなわち、図6に示される状態が「回転変動による再変動を示すもの」と認定するのであれば、それは「停止または擬似停止」したものであるとは認められず、本願発明と相違するということになる。
(b)また、引用文献1の段落0024、0025には「多面体120,160が回転変動する過程において例えば図6に示すような図柄が表示される。すなわち、左図柄表示列110では、従前に第1面121に表示されていた図柄「3」および第2面122に表示されていた図柄「7」に加え、第3面123に図柄「6」が表示される。また、右図柄表示列150では、従前に第1面161に表示されていた図柄「7」および第2面162に表示されていた図柄「2」に加え、第3面163に図柄「3」が表示される。」「そして、このような場合、左図柄表示列110および右図柄表示列150に、同じ図柄「3」と図柄「7」が表示されており、この図柄「3」と図柄「7」を改めて左図柄表示列110および右図柄表示列150に表示させる」と記載されている(下線部は出願人が付した)。
かかる記載からすると、引用文献1に記載される発明では、図6に示す状態で既にリーチが構成されていることは表示されているのであって、それが図7に示すように「改めて」表示されるのに過ぎないといえる。すなわち、図7が「改めて」表示された状態であるということは、図6に示す段階からリーチが構成されていることは表示された状態にあると認定するのが日本語の解釈として妥当である(図6から図7の変化は、リーチを構成しない図柄が排除されたに過ぎない)。そうすると、図6に示される状態は、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」と認定することはできない。
上記(a)および(b)の理由から、審査においてなされた第一の判断は妥当性を欠くものであると思料する。よって、当該第一の判断に基づいてなされた原査定は取り消されるべきものである。」
請求人の上記主張について検討する。
請求人の主張の概略は、引用文献1の図6に示される状態が、本件補正発明における「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」に相当するものではないことを理由に、原査定は取り消されるべきものであるとの主張である。
しかしながら、上記(4)(e)で説示したとおり、引用発明における「左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」が一旦停止して表示された」状態(引用文献1の図4に示される状態)が、本件補正発明の上記「リーチ態様が構成されていない状態」に相当するのであって、引用文献1の図6に示される状態が、本件補正発明の上記「リーチ態様が構成されていない状態」に相当するものではない。
そして、原査定の拒絶の理由(平成30年9月11日付けで通知された拒絶の理由)において、「引用文献1(特に、段落0020~0027、図4~図7)には、左図柄に「3」、右図柄に「7」が停止し、中図柄が変動している状態から、「3」と「7」のダブルリーチを形成する遊技機が記載されている。・・・したがって、請求項1に係る発明と、引用文献1に記載された発明とは、発明を特定する事項に差異はない。」と説示されていることからすると、引用文献1の図4に示される状態ではなく、引用文献1の図6に示される状態が、本件補正発明の上記「リーチ態様が構成されていない状態」に相当するとの認定の基で、審査における判断がなされたと解することもできない。
したがって、請求人の上記主張は当を得ないものであり、採用することはできない。
(イ)また、請求人は、上記審判請求書において、次のとおり主張している。
「4-2)第二の理由
審査においては、出願人がした平成30年11月9日付け意見書の主張が採用できない理由として、
『なお、仮に、その点が相違するとしても、引用文献1の段落0036には、図柄が再変動する変動態様は回転変動や展開変動に限定されず、必要に応じて種々変更可能であることが記載されており、補正後の請求項1に記載されたようなリーチ変化演出とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。』(以下、第二の判断と称する)としているが、何故「図柄が再変動する変動態様」を変更することが、本願発明のリーチ変化演出に結びつくのか不明である(「図柄が再変動する変動態様」を変更することは、本願発明と全く関係ないのではないか)。
すなわち、本願発明は、リーチ変化演出に関する識別図柄の変動態様を特殊な態様とするといった特定を全くしていないのであるから、「図柄が再変動する変動態様を必要に応じて種々変更」したからといって、本願発明に到達することはない。つまり、上記第二の判断は、図柄が再変動する変動態様を必要に応じて種々変更」すること(原因・理由)と、本願発明を当業者が容易に想到し得たこと(結果)とが結びついていない論理展開がなされたものであるから、これに基づいて本願を拒絶とした原査定は取り消されるべきものであると思料する。」

請求人の上記主張について検討する。

請求人が上記主張において引用する、平成31年4月10日付け補正の却下の決定には、次のとおり記載されている(下線は、当審にて付した)。

「また、出願人は、同意見書において、「引用文献1においては、図7に示されるダブルリーチが構成された状態の前の状態である図6に示される状態においては、左図柄は「3」「6」「7」であり、右図柄は「2」「3」「7」であることから、左図柄と右図柄の一部が一致しているといえる。」と主張するが、図6に示される状態(左図柄に「3」「6」「7」、右図柄に「2」「3」「7」が表示された状態)は、回転変動による再変動を示すものであるから、補正後の請求項1で特定される、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」と差異があるものとは認められず、出願人の主張は採用することができない。
なお、仮に、その点が相違するとしても、引用文献1の段落0036には、図柄が再変動する変動態様は回転変動や展開変動に限定されず、必要に応じて種々変更可能であることが記載されており、補正後の請求項1に記載されたようなリーチ変化演出とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。」

上記記載中の「なお、仮に、その点が相違するとしても、」以降の記載は、本件補正発明と引用発明とが「その点」において相違するとした場合の、予備的な見解を示したものであると解され、また、当該記載における「その点」とは、その前段における「補正後の請求項1で特定される、「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」」との点を指しているものと解される。

そして、上記(4)(e)にて説示したとおり、引用発明は、本件補正発明の「前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄と前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄とが一致せず前記リーチ態様が構成されていない状態」に相当する構成を具備しており、本件補正発明と引用発明とは、上記補正の却下の決定における「その点」で相違するものではないから、上記補正の却下の決定において示された予備的な見解は、その前提を欠くものであり、当該予備的な見解の妥当性は、原審における補正の却下の決定の妥当性に影響を及ぼすものでないから、補正の却下の上でされた原査定における判断の妥当性に影響を及ぼすものでもない。

したがって、請求人の上記主張は当を得ないものであり、採用することはできない。

(6)小括

よって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 まとめ

上記1~3より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成30年4月25日付け手続補正書における特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものであると認める(記号A~E’’は、分説するため当審にて付した)。

「A それぞれが複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群が変動表示され、全ての識別図柄群の変動が停止または擬似停止することで生じる図柄組み合わせが全て同じ識別図柄によって構成される当たり組み合わせとなることで当否判定結果が当たりであることが報知される遊技機であって、
B 前記複数の識別図柄群として、第一識別図柄群および第二識別図柄群と、これらの識別図柄群よりも後に変動が停止または擬似停止する第三識別図柄群が設定され、
C 前記第一識別図柄群および前記第二識別図柄群の変動が停止または擬似停止することによって表示される識別図柄が同じとなる態様であって、未だ当否判定結果が当たりとなる可能性が残されている態様がリーチ態様として設定されており、
D 前記複数種の識別図柄のそれぞれには、前記当たり組み合わせを構成するものとなった場合に前記遊技者が享受する利益を示唆する価値要素が設定されており、
E’’ 前記リーチ態様が構成されていない状態から、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要

原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、との理由を含むものである。

1.特開2002-200260号公報

3 引用文献

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明の認定については、上記「第2 3(2)引用文献1に記載された事項及び引用発明」に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明の構成A~Dは、本件補正発明の構成A~Dと同じであり、上記「第2 3(4)対比」で説示したとおり、引用発明は、本願発明の構成A~Dに相当する構成を具備している。

また、引用発明が、「左図柄表示列110の図柄「3」および右図柄表示列150の図柄「7」が一旦停止して表示された」状態から、「左図柄表示列110および右図柄表示列150に、各構成面に図柄が配置された多面体120,160をそれぞれ表示し、当該多面体120,160を回転変動させて、左図柄表示列110の図柄および右図柄表示列150の図柄を再変動させ」、「再変動の過程において」、「左図柄表示列110および右図柄表示列150に同じ図柄「3」と図柄「7」が表示される場合」には、「図柄「3」によるリーチ図柄配列と図柄「7」によるリーチ図柄配列とが形成され」た状態とすることは、本願発明の構成E’’の「前記リーチ態様が構成されていない状態から、前記第一識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第一リーチ態様と、前記第二識別図柄群から選択されて停止または擬似停止した識別図柄による第二リーチ態様が構成された状態に変化するリーチ変化演出が実行可能である」ことに相当する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成E’’に相当する構成を具備している。

したがって、本願発明と引用発明との間に相違点はなく、本願発明は引用発明である。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2019-009250

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