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特許拒絶査定不服審判

2019-002737

光モジュール

審判番号
2019-002737
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-092446外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年02月28日
審決日
2020年10月12日
公報発行日
2021年01月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H01S)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016- 92446「光モジュール」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月 9日出願公開、特開2017-201652〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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本願は、平成28年5月2日を出願日とする特許出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 7月10日付け:拒絶理由通知(同年同月17日発送)

同年 8月28日  :手続補正、意見書提出

同年 9月 7日付け:拒絶理由通知(同年同月25日発送)

同年11月 8日  :手続補正、意見書提出

同年11月30日付け:補正の却下の決定・拒絶査定

(同年12月4日送達)

平成31年 2月28日  :審判請求、手続補正
令和 2年 3月19日  :面接

同年 4月 3日付け:拒絶理由通知(同年同月8日発送)

同年 6月 3日  :意見書提出

第2 本願発明

平成31年2月28日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
光を形成する光形成部と、
前記光形成部からの光を透過する出射窓を有し、前記光形成部を取り囲むように配置される保護部材と、を備え、
前記光形成部は、
続きを表示(全15行)
ベース部材と、
前記ベース部材上に搭載される半導体発光素子と、
前記ベース部材上に搭載され、前記半導体発光素子から出射される光のスポットサイズを変換するレンズと、
前記ベース部材と前記レンズとの間に配置され、前記ベース部材に対して前記レンズを支持する、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる第1の支持部材と、を含み、
前記ベース部材は、前記第1の支持部材を保持する第1の保持部を有し、
前記第1の保持部は、前記ベース部材から突出し、前記ベース部材の主面に交差する側面と、前記側面に接続される頂面とを有する柱体であり、
前記第1の支持部材は、くびれ部を有し、
前記くびれ部は、前記第1の支持部材の厚み方向に垂直な断面において、前記第1の支持部材の、前記レンズに接触する第1の領域および前記頂面に接触する第2の領域よりも断面積が小さい領域を有し、
前記レンズの、前記第1の領域に接触するレンズ接触面が、前記頂面に沿って広がる平面であり、
前記レンズの光軸に垂直な断面において、前記第1の支持部材の、前記レンズに接触する第1の領域の幅よりも、前記頂面に接触する第2の領域の幅の方が狭い、
光モジュール。」

第3 当審における拒絶の理由

令和2年4月3日付けで当審が通知した拒絶理由のうち、理由2は、次のとおりである。

本件の請求項1~11に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献

1 特開2016-15415号公報

2 特開平2-194580号公報

3 特開2007-87511号公報

4 特開2013-110199号公報

第4 当審の判断

当審は、以下のとおり、上記理由2によって、本願は拒絶されるべきものであると判断する。

1 引用文献に記載された発明

(1)引用文献1(特開2016-15415号公報)の記載

引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

ア 第1実施形態

「【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る三色光光源1を示す斜視図である。図2は、三色光光源1からキャップ2を取り外した状態を示す斜視図である。図1及び図2に示されるように、三色光光源1は、赤色レーザ光LR及び緑色レーザ光LGを合波した第1の合波光L1を生成し、第1の合波光L1と青色レーザ光LBを合波した第2の合波光L2を生成する。三色光光源1は、赤色LD11、緑色LD12、青色LD13、第1のサブマウント21、第2のサブマウント22、第3のサブマウント23、キャリア30、TEC(温調素子)40、ベース部材50、ミラー91、PD(フォトダイオード)92及びサーミスタ(温測抵抗体)93を備える。
【0014】
続きを表示(全30行)
・・・(中略)・・・
【0018】
すなわち、キャリア30は、互いに高さが異なる第1の主面30a及び第2の主面30bを有しており、これらの主面30a,30bによって段差を形成している。また、平面視におけるキャリア30の形状は、例えば、一辺が10mm程度の正方形状となっている。平面視において第1の主面30aはL字状に形成されている。第1の主面30aは、赤色LD11、緑色LD12及び青色LD13を搭載するLD搭載領域とされている。また、第1~第3のサブマウント21,22,23も、それぞれ平坦な主面21a,22a,23aを有する。
・・・(中略)・・・
【0024】
三色光光源1は、更に、第1のコリメートレンズ61、第2のコリメートレンズ62、第3のコリメートレンズ63、第1のサブベース部材71、第2のサブベース部材72、第3のサブベース部材73、第1の波長フィルタ81、第2の波長フィルタ82、第4のサブベース部材74及び第5のサブベース部材75を備える。また、キャリア30における第2の主面30bは、第1のコリメートレンズ61、第2のコリメートレンズ62及び第3のコリメートレンズ63が搭載されるレンズ搭載領域とされている。第1~第5のサブベース部材71~75の厚さは、例えば0.1mm程度である。
【0025】
第1のコリメートレンズ61は、赤色LD11の光出射端面と光学的に結合されており、赤色LD11から出射された赤色レーザ光LRをコリメート(平行化)する。第1のコリメートレンズ61は、第1のサブベース部材71上に搭載されており、第1のサブベース部材71を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されている。
【0026】
第2のコリメートレンズ62は、緑色LD12の光出射端面と光学的に結合されており、緑色LD12から出射された緑色レーザ光LGをコリメートする。第2のコリメートレンズ62は、第2のサブベース部材72上に搭載されており、第2のサブベース部材72を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されている。
【0027】
第3のコリメートレンズ63は、青色LD13の光出射端面と光学的に結合されており、青色LD13から出射された青色レーザ光LBをコリメートする。第3のコリメートレンズ63は、第2のサブベース部材72の側方(前方)に並んで配置された第3のサブベース部材73上に搭載されている。第3のコリメートレンズ63は、第3のサブベース部材73を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されている。
【0028】
第1~第3のコリメートレンズ61~63それぞれの光軸とLD11~13それぞれの光軸とは、互いに略一致するように調整されている。一例として、第1~第3のサブマウント21~23それぞれの厚さが0.15mmであり、サブマウント21~23それぞれの主面21a~23aに対するLD11~13それぞれのレーザ光出射点の高さが0.1mmであり、第1の主面30aを基準とする当該レーザ光出射点の高さは0.25mmである。
【0029】
ここで、第1~第3のコリメートレンズ61~63が、例えば、一辺が1.0mmである側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズであって、側面視におけるレンズホルダの一辺からレンズ中心までの距離が0.5mmである場合、第1の主面30aと第2の主面30bとの段差の高さを0.25mm程度とすると、LD11~13の光軸高さとコリメートレンズ61~63の光軸高さとが略一致することとなる。
【0030】
また、キャリア30における第1の主面30aと第2の主面30bとの段差の高さは、コリメートレンズ61~63を調芯する際における上下方向の調芯代、及びコリメートレンズ61~63の各レンズホルダを第2の主面30b上に固定させる紫外線硬化樹脂の塗布厚を考慮すると、0.25mmよりも数百μm程度高くすることが望ましい。よって、例えば、キャリア30自体の厚さ(キャリア30のLD搭載領域の厚さ)を1.0mm、キャリア30における第2の主面30bの厚さ(キャリア30のレンズ搭載領域の厚さ)を0.4mmとし、第1の主面30aと第2の主面30bとの段差の高さを0.6mmとしている。
【0031】
・・・(中略)・・・
【0035】
コリメートレンズ61~63及び波長フィルタ81,82のそれぞれは、サブベース部材71~75のそれぞれに対し、例えばAgペースト又は半田によって固定される。サブベース部材71~75の材料は、コリメートレンズ61~63及び波長フィルタ81,82と熱膨張係数が近い材料、例えばガラスであることが望ましい。また、サブベース部材71~75は、セラミック又は金属によって構成されていてもよい。サブベース部材71~75の搭載面(上面)の面積は、それらが搭載するコリメートレンズ61~63及び波長フィルタ81,82を固定するために必要な量の紫外線硬化樹脂を塗布可能な面積、例えば0.3~0.5平方ミリメートル程度であることが望ましい。
【0036】
・・・(中略)・・・
【0041】
以上のように構成される三色光光源1では、赤色LD11、緑色LD12及び青色LD13のそれぞれから、赤色レーザ光LR、緑色レーザ光LG及び青色レーザ光LBのそれぞれが出射される。これらのレーザ光LR,LG,LBは、それぞれ第1のコリメートレンズ61、第2のコリメートレンズ62及び第3のコリメートレンズ63を透過する際にコリメートされる。そして、赤色レーザ光LR及び緑色レーザ光LGは第1の波長フィルタ81によって合波されて合波光L1が出力され、この合波光L1と青色レーザ光LBとは第2の波長フィルタ82によって合波されて第2の合波光L2が出力される。赤色レーザ光LR、緑色レーザ光LG及び青色レーザ光LBから成る合波光L2は、ミラー91の斜面91aによってキャリア30における第2の主面30bの法線方向に反射され、三色光光源1の外部へ出射される。」

イ 製造方法

「【0042】
次に、三色光光源1の製造方法について説明する。まず、図4(a)に示されるように、LD11~LD13をそれぞれサブマウント21~23の各主面21a,22a,23aに搭載する。
・・・(中略)・・・
【0049】
続きを表示(全27行)
次に、コリメートレンズ61~63の搭載について説明する。
【0050】
図7に示されるように、コリメートレンズ61~63の搭載時には、各コリメートレンズ61~63からの出射光の投影パターンを観測しつつ各コリメートレンズ61~63の位置を調整することによってコリメートレンズ61~63の光学調芯を行う。
【0051】
各コリメートレンズ61~63の位置調整時には、各コリメートレンズ61~63からの出射光がコリメートされているか否かが確認される。ここで、仮に上記コリメートの品質が低い場合(コリメート性が良くない場合)には、赤色レーザ光LR、緑色レーザ光LG及び青色レーザ光LBの合波光L2において収差(非点収差及び球面収差)が大きくなり、例えば画像の品質が劣化するという問題を生じさせる可能性がある。よって、コリメート性を高く維持すべく、本実施形態では、下記の手順によって3つのコリメートレンズ61~63の光学調芯を実施している。
【0052】
最初に赤色LD11と第1のコリメートレンズ61との相対位置を決定する。このとき、第1のコリメートレンズ61を、第1のサブベース部材71を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載する。そして、赤色LD11を発光させつつ、第1のコリメートレンズ61を第1のサブベース部材71上に固定する。ここで、赤色LD11からの赤色レーザ光LRは、反射されることなく前方に直進する。
【0053】
また、赤色レーザ光LRの光軸がキャリア30の主面30a,30bに対して実質平行となるように第1のコリメートレンズ61の上下位置を調整する。このとき、例えば、第1のサブベース部材71に紫外線硬化樹脂を塗布し且つその厚みを確保しながら、第1のコリメートレンズ61をコレット等によって吸着しつつコレットの上下位置を調整させる。これにより、主面30a,30bに対する赤色レーザ光LRの煽り角が調整される。
【0054】
そして、例えば、赤色LD11の光出射端面から前方に所定距離(例えば1~2m)離れた位置にCCD等の撮像素子を配置し、CCD等に投影される赤色レーザ光LRのビーム径を観測しつつ第1のコリメートレンズ61の調芯を行うことによって、第1のコリメートレンズ61の一方の焦点と赤色LD11の光出射端面とを一致させる。このように第1のコリメートレンズ61の一方の焦点と赤色LD11の光出射端面とを一致させることによって、第1のコリメートレンズ61が出力する赤色レーザ光LRは実質コリメート光となる。
【0055】
なお、第1のコリメートレンズ61と赤色LD11の光出射端面との距離が第1のコリメートレンズ61の焦点距離よりも短い場合には、第1のコリメートレンズ61から出射する赤色レーザ光LRは発散光となる。一方、第1のコリメートレンズ61と上記光出射端面との距離が上記焦点距離よりも長い場合には、第1のコリメートレンズ61から出射する赤色レーザ光LRは収束光となる。
【0056】
しかしながら、本実施形態では、上述したように第1のコリメートレンズ61の一方の焦点と赤色LD11の光出射端面とを一致させているので、第1のコリメートレンズ61から出射する赤色レーザ光LRの光束は実質平行となっており、数m離れた位置においても投影パターンを観測することが可能である。以上のように第1のコリメートレンズ61の一方の焦点と赤色LD11の光出射端面とを一致させた後、第1のサブベース部材71上の紫外線硬化樹脂を硬化させて第1のコリメートレンズ61を第1のサブベース部材71上に固定させる。
【0057】
次に、緑色LD12と第2のコリメートレンズ62との相対位置を決定する。
・・・(中略)・・・
【0061】
続いて、青色LD13と第3のコリメートレンズ63との相対位置を決定する。このとき、緑色LD12と第2のコリメートレンズ62との相対位置を決定する工程と同様、第3のコリメートレンズ63の一方の焦点と青色LD13の光出射端面とを一致させることによって、第3のコリメートレンズ63が出力する青色レーザ光LBをコリメート光とさせる。なお、上述した各工程では、赤色レーザ光LRの光軸と緑色レーザ光LGの光軸と青色レーザ光LBの光軸とを互いに同一の高さとすることが望ましい。
・・・(中略)・・・
【0070】
また、三色光光源1では、三色のLD11~13のそれぞれに対応して、コリメートレンズ61~63のそれぞれが配置されている。そして、これらのコリメートレンズ61~63は、互いに独立した3つのサブベース部材71~73を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されている。このような構成によれば、コリメートレンズ61~63を固定させるための樹脂が別のコリメートレンズ61~63の固定位置にまで流れ出ることを防ぐことができる。従って、LD11~13から出射される赤色レーザ光LR、緑色レーザ光LG及び青色レーザ光LBの光軸の変動を抑制し、光軸調整を精度良く行うことが可能となる。」

ウ 第2実施形態

「【0071】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る三色光光源101について説明する。図10は三色光光源101の外観を示す斜視図であり、図11は三色光光源101からキャップ102を外した状態を示す斜視図である。なお、図11では、便宜上、ボンディングワイヤB1~B10等、一部の図示を省略している。
【0072】
続きを表示(全11行)
図10及び図11に示されるように、三色光光源101は、合波光L2の出射方向がキャリア30の主面30a,30bに対して略平行な方向(前方)である点が第1実施形態と異なっている。三色光光源101は、前方に開口102aを有するキャップ102を備えている。また、三色光光源101は、第1実施形態のミラー91とPD92に代えて、ビームスプリッタ191とPD192とを備えている。ビームスプリッタ191は、例えば半透明ミラーである。なお、PD192の機能は、第1実施形態のPD92の機能と同様である。
【0073】
ビームスプリッタ191は、キャリア30の前端に位置する台座131の斜面131aに接触し傾斜した状態で保持されている。ビームスプリッタ191は斜面191aを有し、斜面191aはキャリア30の第2の主面30bに対して例えば45度の角度を成している。PD192は、斜面191aの下方に配置されている。
【0074】
また、ビームスプリッタ191の斜面191aには例えば誘導体多層膜が貼り付けられており、この斜面191aは合波光L2の一部を下方に反射させる機能を有する。すなわち、ビームスプリッタ191は、第2の波長フィルタ82から出射される合波光L2の一部を下方に反射させると共に残部を前方に透過させる。このように、斜面191aは、レーザ光LR,LG,LBを反射させる反射面となっている。斜面191aにおいて下方に反射されたレーザ光LR,LG,LBは、PD192に入射する。PD192は、ビームスプリッタ191の斜面191aにおいて反射した光を受光することによって、合波光L2の強度を検知可能となっている。
【0075】
以上のように構成される第2実施形態の三色光光源101でも、キャリア30がTEC40上に搭載されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。」

エ ここで、図2,図10及び図11は次のものである。

図2

図10

図11

オ 前記ウの段落【0072】に記載のとおり、「三色光光源101は、前方に開口102aを有するキャップ102を備えている」ところ、図10,11に示されるように、当該キャップ102により覆われる各LD11~13,各コリメートレンズ61~63,各波長フィルタ81,82により第2の合波光L2が開口102aから出力されるから、当該キャップ102は、合波光L2を形成する部分を覆うものであることは明らかである。

カ 前記ウの記載とともに図11を参照すると、三色光光源101は、図2に示されている「三色光光源1」と同様に、「第1のコリメートレンズ61」、「第2のコリメートレンズ62」及び「第3のコリメートレンズ63」を備えるところ、当該各コリメートレンズの形状が、前記アの段落【0029】に記載された「例えば、一辺が1.0mmである側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズ」となっており、当該各コリメートレンズのキャリア30側底面が各サブベース部材71~73の上面に面していることが見て取れる。

前記ウの段落【0072】の記載によれば、図11の三色光光源101は、図2に示されている「三色光光源1」と同様に、「第1のコリメートレンズ61」、「第2のコリメートレンズ62」及び「第3のコリメートレンズ63」を備えるといえるとともに、当該各コリメートレンズの形状が、前記アの段落【0029】に記載された「例えば、一辺が1.0mmである側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズ」となっているといえる。そして、図11によれば、当該各コリメートレンズのキャリア30側底面が、各サブベース部材71~73の上面に面していることが見て取れる。

キ 図11に示されている三色光光源101において、サブベース部材73は、キャリア30の第2の主面30b上に設けられた直方体状の突出部分であるという構造からなることが見て取れる。そして、前記アの段落【0024】の記載も参照すると、当該構造は、サブベース部材71、72についても同様であることは、明らかである。

キ 前記アの段落【0025】~【0027】の記載から、各コリメートレンズ61~63は、それぞれ各LD11~13の光出射端面と光学的に結合されており、各LD11~13から出射された各色のレーザ光LR,LG、LBをコリメートし、各コリメートレンズ61~63は、各サブベース部材71~73上に搭載されており、各サブベース部材71~73を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されているものといえる。

ク 上記イの記載から、三色光光源1の製造時における各コリメートレンズ61~63の搭載は、各コリメートレンズ61~63の上下方向の調整、及び当該コリメートレンズの一方の焦点と対応するLDの光出射端面とを一致させた後に、各サブベース部材71~73上の紫外線硬化樹脂を硬化させて、各コリメートレンズ61~63を各サブベース部材71~73上に固定させるものである。よって、各コリメートレンズ61~63は、各サブベース部材71~73上に、硬化された紫外線硬化樹脂により固定されているものである。

また、上記ウの「第2実施形態」に係る三色光光源101についても、上記ア、イの三色光光源1と同様に製造され、上記のとおり、各コリメートレンズの固定がなされることは明らかである。

(2) 引用発明

上記アないしクから、「第2実施形態」に注目すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「三色光光源101であって、
赤色レーザ光LR及び緑色レーザ光LGを合波した第1の合波光L1を生成し、第1の合波光L1と青色レーザ光LBを合波した第2の合波光L2を生成するものであり、
三色光光源101は、赤色LD11、緑色LD12、青色LD13、第1のサブマウント21、第2のサブマウント22、第3のサブマウント23、キャリア30、TEC(温調素子)40、ベース部材50、ミラー91、PD(フォトダイオード)92及びサーミスタ(温測抵抗体)93を備え、さらに、合波光L2を形成する部分を覆い、前方に開口102aを有するキャップ102を備え、
キャリア30は、互いに高さが異なる第1の主面30a及び第2の主面30bを有しており、第1の主面30aは、赤色LD11、緑色LD12及び青色LD13を搭載するLD搭載領域とされており、
三色光光源101は、更に、第1のコリメートレンズ61、第2のコリメートレンズ62、第3のコリメートレンズ63、第1のサブベース部材71、第2のサブベース部材72、第3のサブベース部材73、第1の波長フィルタ81、第2の波長フィルタ82、第4のサブベース部材74及び第5のサブベース部材75を備え、
各サブベース部材71~73は、キャリア30の第2の主面30b上に設けられた直方体状の突出部分であり、
各コリメートレンズ61~63の形状は、例えば、一辺が1.0mmである側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズであり、当該レンズのキャリア30側底面が各サブベース部材71~73の上面に面しており、
各コリメートレンズ61~63は、それぞれ各LD11~13の光出射端面と光学的に結合されており、各LD11~13から出射された各色のレーザ光LR,LG、LBをコリメートし、各コリメートレンズ61~63は、各サブベース部材71~73上に、硬化された紫外線硬化樹脂により固定されており、各サブベース部材71~73を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されているものであり、
三色光光源101の製造時における各コリメートレンズ61~63の搭載は、各コリメートレンズ61~63の上下方向の調整、及び当該コリメートレンズの一方の焦点と対応するLDの光出射端面とを一致させた後に、各サブベース部材71~73上の紫外線硬化樹脂を硬化させて、各コリメートレンズ61~63を各サブベース部材71~73上に固定させるものである、
三色光光源101。」

2 対比

(1)本願発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「三色光光源101」は、「赤色レーザ光LR及び緑色レーザ光LGを合波した第1の合波光L1を生成し、第1の合波光L1と青色レーザ光LBを合波した第2の合波光L2を生成するものであ」るところ、「赤色LD11、緑色LD12、青色LD13、第1のサブマウント21、第2のサブマウント22、第3のサブマウント23、キャリア30、TEC(温調素子)40、ベース部材50、ミラー91、及びサーミスタ(温測抵抗体)93」は、「合波光L2を形成する部分」といえ、当該部分は、本願発明の「光を形成する光形成部」に相当する。

イ 引用発明の「合波光L2を形成する部分を覆い、前方に開口102aを有するキャップ102」において、「開口102a」から「第2の合波光L2」が出射されることは明らかであるから、前記「キャップ102」は、本願発明の「前記光形成部からの光を透過する出射窓を有し、前記光形成部を取り囲むように配置される保護部材」に相当する。

ウ 引用発明においては、「キャリア30は、互いに高さが異なる第1の主面30a及び第2の主面30bを有しており、第1の主面30aは、赤色LD11、緑色LD12及び青色LD13を搭載するLD搭載領域とされて」いるから、当該「キャリア30」は、本願発明の「ベース部材」に相当し、また、引用発明の当該「赤色LD11、緑色LD12及び青色LD13」は、本願発明の「前記ベース部材上に搭載される半導体発光素子」に相当する。

エ 引用発明においては、「コリメートレンズ61~63は、それぞれ各LD11~13の光出射端面と光学的に結合されており、各LD11~13から出射された各色のレーザ光LR,LG、LBをコリメートし、各コリメートレンズ61~63は、各サブベース部材71~73上に、硬化された紫外線硬化樹脂により固定されて」おり、ここで「各LD11~13から出射された各色のレーザ光LR,LG、LBをコリメート」するとこにより、各レーザ光LR,LG、LBのスポットサイズが変わることは明らかであるから、引用発明の「コリメートレンズ61~63」に係る前記構成は、本願発明の「前記ベース部材上に搭載され、前記半導体発光素子から出射される光のスポットサイズを変換するレンズ」に相当する。

オ 引用発明においては、「各コリメートレンズ61~63は、各サブベース部材71~73上に、硬化された紫外線硬化樹脂により固定されており、各サブベース部材71~73を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されているもの」であるから、当該「紫外線硬化樹脂」は、本願発明の「前記ベース部材と前記レンズとの間に配置され、前記ベース部材に対して前記レンズを支持する、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる第1の支持部材」に相当する。

カ 引用発明においては、「各コリメートレンズ61~63は、各サブベース部材71~73上に、硬化された紫外線硬化樹脂により固定されており、各サブベース部材71~73を介してキャリア30の第2の主面30b上に搭載されているもの」であるから、当該「各サブベース部材71~73」は、本願発明の「前記ベース部材」が「有する」「前記第1の支持部材を保持する第1の保持部」に相当する。

キ 引用発明においては、「各サブベース部材71~73は、キャリア30の第2の主面30b上に設けられた直方体状の突出部分であ」り、一般に「直方体」は、いずれも平面からなる側面及び頂面を備えるから、当該構成は、本願発明の「前記第1の保持部は、前記ベース部材から突出し、前記ベース部材の主面に交差する側面と、前記側面に接続される頂面とを有する柱体であ」ることに相当する。

ク 引用発明において、各コリメートレンズ61~63が、それぞれ各サブベース部材71~73上に固定されるところ、上記キのとおり、各サブベース部材71~73の頂面は平面であるといえるから、引用発明の、「各コリメートレンズ61~63の形状は、例えば、一辺が1.0mmである側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズであり、当該レンズのキャリア30側底面が各サブベース部材71~73の上面に面して」いる構成は、本願発明の「前記レンズの、前記第1の領域に接触するレンズ接触面が、前記頂面に沿って広がる平面であ」ることに相当する。

ケ 引用発明の「三色光光源101」は、本願発明の「光モジュール」に相当する。

(2)したがって、本願発明と引用発明との間には、以下の一致点及び相違点がある。

・一致点

「光を形成する光形成部と、
前記光形成部からの光を透過する出射窓を有し、前記光形成部を取り囲むように配置される保護部材と、を備え、
前記光形成部は、
ベース部材と、
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前記ベース部材上に搭載される半導体発光素子と、
前記ベース部材上に搭載され、前記半導体発光素子から出射される光のスポットサイズを変換するレンズと、
前記ベース部材と前記レンズとの間に配置され、前記ベース部材に対して前記レンズを支持する、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる第1の支持部材と、を含み、
前記ベース部材は、前記第1の支持部材を保持する第1の保持部を有し、
前記第1の保持部は、前記ベース部材から突出し、前記ベース部材の主面に交差する側面と、前記側面に接続される頂面とを有する柱体であり、
前記レンズの、前記第1の領域に接触するレンズ接触面が、前記頂面に沿って広がる平面である、
光モジュール。」

《相違点1》

本願発明は、「前記第1の支持部材は、くびれ部を有し、前記くびれ部は、前記第1の支持部材の厚み方向に垂直な断面において、前記第1の支持部材の、前記レンズに接触する第1の領域および前記頂面に接触する第2の領域よりも断面積が小さい領域を有」するとの構成を備えるのに対して、引用発明はそのような構成を備えるか否か不明である点。

《相違点2》

本願発明は、「前記レンズの光軸に垂直な断面において、前記第1の支持部材の、前記レンズに接触する第1の領域の幅よりも、前記頂面に接触する第2の領域の幅の方が狭い」との構成を備えるのに対して、引用発明はそのような構成を備えるか否か不明である点。

3 判断

(1)相違点1について

ア 引用発明に係る「三色光光源101」の製造に際しては、前記第4 1(1)「イ 製造方法」に摘記したとおり、「各コリメートレンズ61~63の搭載は、各コリメートレンズ61~63の上下方向の調整、及び当該コリメートレンズの一方の焦点と対応するLDの光出射端面とを一致させた後に、各サブベース部材71~73上の紫外線硬化樹脂を硬化させて、各コリメートレンズ61~63を各サブベース部材71~73上に固定させる」ところ、「赤色レーザ光LRの光軸がキャリア30の主面30a,30bに対して実質平行となるように第1のコリメートレンズ61の上下位置を調整する。このとき、例えば、第1のサブベース部材71に紫外線硬化樹脂を塗布し且つその厚みを確保しながら、第1のコリメートレンズ61をコレット等によって吸着しつつコレットの上下位置を調整させる」(段落【0053】等)ことによるものであって、サブベース部材に塗布される紫外線硬化樹脂の量を、コリメートレンズの上下位置調整の調整範囲において、コリメートレンズの固定に過不足がない量とすることは、当然になされることである。

イ そして、上記アのように、紫外線硬化樹脂を用いて、レンズ位置の調整を伴うレンズの固定をする場合、当該紫外線硬化樹脂の断面形状に凹みが発生し、くびれを有する形状となることは、例えば、以下オ、カの引用文献2及び引用文献3にも示されているように、普通に生ずることであるから、引用発明においても同様に生じて、当該「くびれ」は、「前記第1の支持部材の厚み方向に垂直な断面において、前記第1の支持部材の、前記レンズに接触する第1の領域および前記頂面に接触する第2の領域よりも断面積が小さい領域を有」するものとなるといえる。

言い換えると、上記アのとおり、当然に採用される程度の、過不足ない紫外線硬化樹脂の量とすることで、前記「くびれ」はおのずと生ずるものである。

仮に、引用発明において、直ちに「くびれ」が生じないことがあるとしても、当業者は、紫外線硬化樹脂の量を、上記アのとおり、当然に調整するものであるところ、相違点1に係る構成は、その調整の結果として、適宜得られることにすぎないといえる。

ウ また、本願明細書の記載を見ても、本願発明に係る、完成品たる「光モジュール」にあって、相違点1に係る構成を備えることに格別な技術的意義は見いだせない。

エ よって、引用発明は、相違点1に係る構成を実質的に備えるものであり、仮にそうでないとしても、相違点1に係る構成を備えることは、当業者が適宜になし得たことである。

オ 引用文献2(特開平2-194580号公報)には、次の記載がある。

「次に、第1図に示す発光装置の製造方法を説明する。
・・・(中略)・・・
次に、第2図(b)に示す如く、球レンズ3を例えばパルスモータを動力とする微動台に取り付けた真空ピンセット6などで吸着し、台座5に塗布した紫外線硬化型樹脂4の表面に徐々に近づけ、僅かに接触させる。接触と同時に紫外線硬化型樹脂4はレンズ3表面と親和して第2図(c)に示す如くレンズ3表面を僅かに這い上がるが、液の粘性を適切にしておくことで、光路の障害とならないように制御することが可能である。
次に、半導体レーザ1に電流を流して動作し、その発光ビームがレンズ3を通るようにレンズ位置を移動する。このとき紫外線硬化型樹脂4が適度な粘性を有する液体であることから、僅かな移動の範囲内においては、レンズ3と紫外線硬化型樹脂4との接触を保ちながらレンズ3を移動することが可能であり、逆に、レンズ3の調整移動範囲が紫外線硬化型樹脂4との接触を保ちながら為し得る範囲となるように各部材の公差を抑えることが可能である。このようにして、レンズ3を通過してきた光ビームを観測し、所望のビームになるようにレンズ位置を微動調整する。
・・・(中略)・・・
レンズ3の最適位置が求められたら、次に、その位置を保持したまま第2図(d)に示す如くレンズ3、樹脂4およびその他の部材にまったく触れずに紫外線ランプ7で樹脂4に紫外線を照射し、樹脂4を硬化する。」(3ページ右上欄13行~4ページ左上欄3行)

ここで、第2図は次のものである。

カ 引用文献3(特開2007-87511号公報)には次の記載がある。「【0011】

(実施の形態1)

図1に本発明の実施の形態1における光学ユニットの構成図を示す。

【0012】

図1において、レンズホルダ1の角度調整部2に、レンズ3を載置する。レンズホルダ1の角度調整部2の周囲あるいは隣接する位置に溝状接着部4が存在する。ここで、溝状接着部4には、あらかじめUV硬化樹脂である接着剤5を塗布する。理由は後述するが、ここで、接着剤5と角度調整部2との間には空隙を設けた状態で塗布することが必要である。

・・・(中略)・・・

【0020】

接着剤5を硬化させて、レンズホルダ1とレンズ3を固定するが、ここで、角度調整部2と接着剤5の間に空隙を設けたことで、取付け角度調整時の熱によって接着剤が気化することがなく、また、分解した樹脂蒸気が接着剤内部に残留することがないため、環境変化時の接着剤の膨張、収縮による取付け角度のおよび位置の変化への影響が軽減できる。また、溝状接着部4を設けていることにより、常に一定量の接着剤5を塗布することで接着面積の一定化を図ることが出来、接着強度のばらつきの低減と、硬化時の収縮によるレンズ3の位置ずれの低減も可能である。

【0021】

図4に本発明の実施の形態1における光学ユニット固定部の拡大図を示す。

・・・(中略)・・・

【0026】

なお、レンズ3の傾き調整後に接着剤5を硬化させているのは、接着剤塗布用のディスペンサニードルの先端が接触することにより、レンズ3が動く可能性があるため、調整前に接着剤を塗布し、調整後に硬化させる方法が有効であるためである。硬化後の接着剤5の形状は、図4に示すように、中央部がくびれた構造となっている。」

ここで、図4は次のものである。

(2)相違点2について

ア 引用文献1に記載された、紫外線硬化性樹脂によりレンズ位置を調整・固定する方法は、本願明細書を見る限り、本願発明に係る同方法と格別変わるところはない。すなわち、前記第4 1(1)「イ 製造方法」に摘記したとおり、引用発明に係る当該方法の具体的手順は、本願明細書に記載された具体的手順と格別相違するものではなく、また、前記1(1)エの図11を見ると、第3のコリメートレンズ63である「側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズ」の1辺の長さは、第3のサブベース部材73の当該1辺方向の幅よりも大きいものと見て取れ、さらに、上記(1)で指摘したとおり、引用発明に係るコリメートレンズの固定に際しては、サブベース部材に塗布される紫外線硬化樹脂の量を、上下位置調整の調整範囲においてコリメートレンズの固定に過不足がない量とすることは、当然になされることである。

イ そして、一般に、引用例1に記載されるような、キャップによってシールされた光源装置においては、内部に配置される各構成部品の表面を組み立て前に清浄化することは当然であり、当該清浄化に伴い、以下オの引用文献4に記載されているように、接着剤との濡れ性が向上するものである。

ウ それゆえ、引用発明においても、本願発明と同様に「前記レンズの光軸に垂直な断面において、前記第1の支持部材の、前記レンズに接触する第1の領域の幅よりも、前記頂面に接触する第2の領域の幅の方が狭い」との構成が備わるものといえ、仮に、そうでないとしても、相違点2に係る構成を備えることは、当業者が適宜になし得たことである。

エ そして、本願明細書の記載を参照しても、本願発明に係る、完成品たる「光モジュール」にあって、相違点2に係る構成を備えることにより、格別な効果が得られるものとも認められない。

オ 引用文献4(特開2013-110199号公報)には、次の記載がある。

「【0029】
蛍光体板12は実装装置を用いて接着剤を介してLED素子11の発光面11a上に貼付けられる。蛍光体板12を発光面11a上に貼付けた時に蛍光体板12の一部分でも発光面11aからはみ出さないようにするために、蛍光体板12の面積を発光面11aの面積より小さく設定している。そして、蛍光体板12が発光面11aからはみ出さないようにして接着固定している。
・・・(中略)・・・
【0030】
第1実施形態において、用いている蛍光体板12は所要の厚みを有して厚みの均一な板のものを用いている。従って、どの部位をとっても蛍光体の含有分布の度合いが均一である。そのため、励起されて発光する蛍光体の蛍光色の濃淡にはバラツキが小さく、均一な蛍光色が得られる。
また、蛍光体板12は板であることから、その硬さは堅く、取扱いにおいて変形しない。そのため、組立性が容易になると言う効果を生む。
また更に、板であることから、表面を研削加工などによって平滑面に仕上げることができる。表面が平滑面であると接着剤との濡れ性が良くなり、接着強度が高められる効果も生む。」

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、令和2年6月3日に提出した意見書において次の主張をする。

「紫外線硬化性樹脂(第1の支持部材)の量を減らすことで達成可能となる構成Dを前提として、第1の支持部材とレンズとが接触する領域の幅を大きくする構成Fを達成するためには、紫外線硬化性樹脂の量が少ないにもかかわらず第1の支持部材とレンズとが接触する領域の幅を大きくする必要があります。そのためには、レンズの材質と紫外線硬化性樹脂の材質との組み合わせ、レンズの表面の清浄度、レンズの表面の粗さ等を適切に組み合わせる必要があり、構成Dと構成Fとを両立するという意図がなければ、これらは適切に組み合わされ得ません。さらに、引用文献1~4には、紫外線硬化性樹脂(第1の支持部材)の量を低減してレンズの光軸の経時的な変動を抑制しつつ、第1の支持部材とレンズとが接触する領域の幅を大きくすることにより歩留まりの向上を図るという請求項1に係る発明の主要な技術思想が含まれません。」

イ しかしながら、前記(1)のとおり、「構成D」に係る相違点1は、引用発明において、コリメートレンズの位置調整及び固定によって、適宜に得られるような構成であり、また、前記(2)のとおり、「構成F」に係る相違点2は、当業者が適宜になし得たことである。

それゆえ、「構成D」及び「構成F」の両立を意図せずとも、引用発明において、「構成D」及び「構成F」を採用することは、当業者が容易になし得たことである。

ウ 本願明細書には、「第1くびれ部101を有する程度にまで大きな厚みt1を有する第2レンズ支持部材105を形成することで、第2レンズ92の光軸調1整における第2レンズ92の高さおよび向きの調整の幅(自由度)が大きくなる。その結果、充分な光軸の調整を達成することができる。」(段落【0047】)、及び、「このように、充分な厚みを有する未硬化の紫外線硬化性樹脂108上にレンズ92を配置した状態でレンズの光軸調整を行うことにより、充分な光軸の調整を達成することができる。」(段落【0058】)と記載されているところ、当該作用効果は、前記(1)で検討したとおり、紫外線硬化樹脂の量を、コリメートレンズの上下位置調整の調整範囲において、コリメートレンズの固定に過不足がない量とすることに伴い、当然に得られることである。

エ そして、前記アで主張されている、「構成D」及び「構成F」を備えることによる、「レンズの光軸の経時的な変動を抑制しつつ、」「歩留まりの向上を図る」との効果は、本願明細書の記載からは見いだせない。

(4)小活

よって、本願発明は、引用発明、周知技術、及び引用文献4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第5 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2019-002737

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