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特許拒絶査定不服審判

2024-019130

発光装置

審判番号
2024-019130
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-157426
請求日
2024年11月29日
審決日
2026年04月23日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日亜化学工業株式会社
  • 【請求人代理人】奥田 誠司
  • 【請求人代理人】喜多 修市
  • 【請求人代理人】村瀬 成康
  • 【請求人代理人】武田 寛之
審判長/審判官
  • 審判長 岡田 吉美
  • 審判官 道祖土 新吾
  • 審判官 東松 修太郎
分類
P18 .121-Z (H01S) / P18 .575-Z (H01S)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-157426「発光装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 3月31日出願公開、特開2022- 51125〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年9月18日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和6年 5月27日付け:拒絶理由通知書 同年 7月26日 :意見書、手続補正書の提出 同年 8月20日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年 9月 3日 :原査定の謄本の送達) 同年11月29日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年12月26日付け:前置報告書 令和7年 3月27日 :上申書の提出 第2 令和6年11月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年11月29日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和6年11月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年7月26日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項2の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「【請求項2】 少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材と、 第1発光点から、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1発光素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る第1平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第2発光点から、前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2発光素子と、を含む複数の発光素子と、 前記複数の発光素子が並べて配置される上面を有するサブマウントと、 を備え、 前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記サブマウントの前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第1発光点を通る第1直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第2発光点を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ部材から近い点を通り、 前記第1の光及び第2の光は、前記少なくとも1のレンズ面を通過し、 前記少なくとも1のレンズ面は、前記上面視において曲率を有し、 前記少なくとも1のレンズ面は、単一のレンズ面である発光装置。」 (2) 本件補正後 「【請求項1】 少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材と、 第1発光点から、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1半導体レーザ素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る第1平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第2発光点から、前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2半導体レーザ素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第3発光点から、前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子と、を含む複数の半導体レーザ素子と、 前記複数の半導体レーザ素子が並べて配置される上面を有するサブマウントと、 を備え、 前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記サブマウントの前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第1発光点を通る第1直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第2発光点を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ部材から近い点を通り、また、 前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記上面視で、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第3発光点を通る第3平面、前記第2直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ部材から近い点をさらに通り、 前記第1の光、前記第2の光、及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態で前記少なくとも1のレンズ面を通過し、 前記第1の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有さず、 前記第2の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有し、 前記少なくとも1のレンズ面は、前記上面視及び前記上面視で前記第1直線に垂直な方向からみた平面視において曲率を有する球面または非球面であり、 前記少なくとも1のレンズ面は、単一のレンズ面である発光装置。」 2 補正の目的 (1) 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項2に記載された発明を特定するために必要な事項について、次のアからキの限定をするものである。 ア 「第1発光素子」、「第2発光素子」及び「発光素子」について、それぞれ「第1半導体レーザ素子」、「第2半導体レーザ素子」及び「半導体レーザ素子」に限定すること。 イ 「発光素子」について、「前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第3発光点から、前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子と、を含む」ものに限定すること。 ウ 「前記サブマウントの前記上面の外縁」について、「前記上面視で、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第3発光点を通る第3平面、前記第2直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ部材から近い点をさらに通[る]」ものに限定すること。 エ 「光」が「前記少なくとも1のレンズ面を通過[する]」態様について、「前記第1の光、前記第2の光、及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態で」通過するものに限定すること。 オ 「前記第1の光」について、「前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有さ[ない]」ものに限定すること。 カ 「前記第2の光」について、「前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有[する]」ものに限定すること。 キ 「前記少なくとも1のレンズ面」について、「前記上面視及び前記上面視で前記第1直線に垂直な方向からみた平面視において曲率を有する球面または非球面であ[る]」ものに限定すること。 (2) そして、本件補正前の請求項2に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (3) したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成Xと構成Aから構成Fまでに分説する。また、参考図1、2として、本願の【図2】に部材名を記入したもの及び【図7】を掲載する。 <本件補正発明の分説> (構成A) 少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材と、 (構成B) 第1発光点から、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1半導体レーザ素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る第1平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第2発光点から、前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2半導体レーザ素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第3発光点から、前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子と、を含む複数の半導体レーザ素子と、 (構成C) 前記複数の半導体レーザ素子が並べて配置される上面を有するサブマウントと、 を備え、 (構成D) 前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記サブマウントの前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第1発光点を通る第1直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第2発光点を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ部材から近い点を通り、また、前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記上面視で、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第3発光点を通る第3平面、前記第2直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ部材から近い点をさらに通り、 (構成E) 前記第1の光、前記第2の光、及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態で前記少なくとも1のレンズ面を通過し、前記第1の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有さず、前記第2の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有し、 (構成F) 前記少なくとも1のレンズ面は、前記上面視及び前記上面視で前記第1直線に垂直な方向からみた平面視において曲率を有する球面または非球面であり、前記少なくとも1のレンズ面は、単一のレンズ面である (構成X) 発光装置。 <本件補正発明参考図1(【図2】を元に作成)> [図:0001436819000001.jpg] <本件補正発明参考図2(【図7】)> [図:0001436819000002.jpg] m1 第1平面、 m2 第2平面、 m3 第3平面 n1 第1直線、 n2 第2直線、 n3 第3直線 イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。なお、図は、対応する記載箇所に挿入して示した。また、下線は合議体が付した。 (ア) 技術分野、背景技術、発明の概要等 「【技術分野】 【0001】 本開示は、発光装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、パッケージ内に複数の構成要素が実装される発光装置がある。複数の構成要素としては、例えば、複数の発光素子が挙げられる。また、例えば、発光素子に加えてツェナーダイオード、サーミスタ、または、フォトダイオードなどが挙げられる。 【0003】 例えば、特許文献1には、サブマウントと、サブマウントの上面に配置された複数のレーザダイオードと、複数のレーザダイオードからそれぞれ出射されるレーザ光をコリメートする単一のコリメータレンズと、を備える発光装置が開示されている。パッケージ内に複数の発光素子が実装されることで、小型の発光装置が実現され得る。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2017-147420号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 複数の発光素子から出射される光の出射位置が精度良く実装された発光装置を提供する。 …(中略)… 【発明の効果】 【0007】 本開示による発光装置によれば、複数の発光素子から出射される光の出射位置が精度良く実装された発光装置を提供できる。」 (イ) 発明を実施するための形態 「【0015】 本実施形態に係る発光装置100を説明する。図1から図5は、発光装置100の例示的な一形態を説明するための図面である。図1は、本実施形態に係る発光装置100の斜視図である。図2は、発光装置100からパッケージ10のキャップ16を除いた状態の上面図である。図3は、基板90の上面図である。図4は、図1のIV-IV断面線における断面図である。図5は、パッケージ10の内部の上面拡大図である。図4および図5において、発光素子20から出射されるレーザ光LBが点線の矢印で記載されている。説明の便宜上、二次元平面内における1Dおよび2Dの矢印が添付図面に記載されている。2Dの矢印は、レンズ部材80の光軸Lが延びる方向に平行な方向を示し、1Dの矢印は2Dの矢印の方向に直交する方向を示す。 【図1】 [図:0001436819000003.jpg] 【0016】 本実施形態に係る発光装置100は、パッケージ10、複数の発光素子20、1または複数のサブマウント30、1または複数の保護素子60A、温度測定素子60B、1または複数の配線70、レンズ部材80、および、基板90を含む複数の構成要素を備える。 【0017】 図示される発光装置100の例では、パッケージ10の内部の空間に、3つの発光素子20、1つのサブマウント30、3つの保護素子60A、温度測定素子60B、および、複数の配線70が配されている。また、3つの発光素子20から出射された発散光は、それぞれ、パッケージ10から外部に側方に出射された後、レンズ部材80によってコリメートされる。 …(中略)… 【0024】 図4に例示されるように、パッケージ10は、透光性を有する領域である透光性領域13を有する。また、パッケージ10は、透光性領域13が含まれる光取出面10Aを有する。この光取出面10Aは、パッケージ10の側壁部12における1または複数の外側面のうちの1面に含まれる。なお、透光性を有するとは、そこに入射する主要な光の透過率が80%以上である性質を意味する。 【図4】 [図:0001436819000004.jpg] 【0051】 (レンズ部材80) レンズ部材80は、少なくとも1のレンズ面、つまり、1または複数のレンズ面を有して形成される。レンズ部材80は、入射光をコリメートする。例えば、1または複数のレンズ面は、焦点位置から発散する光を受け、屈折によって発散光をコリメート光に変換してレンズ部材80から出射するように設計される。レンズ面は、球面または非球面である。レンズ部材80の光入射側の表面および/または光出射側の表面にレンズ面が形成される。レンズ部材80の光入射側の表面および/または光出射側の表面には、反射防止膜または保護膜などの光学膜が設けられていてもよい。図2に示されるレンズ部材80の例において、光入射側に凹レンズ面80Aが形成され、光出射側に凸レンズ面80Bが形成されている。なお、光入射側の表面に、複数のレンズ面が形成されてもよく、レンズ部材80は、光入射側の表面に1または複数のレンズ面を形成し得る。また、光出射側の表面に複数のレンズ面が形成されてもよく、レンズ部材80は、光出射側の表面に1または複数のレンズ面を形成し得る。 【図2】 [図:0001436819000005.jpg] …(中略)… 【0068】 図6は、3つの発光素子20が配列されたサブマウント30の上面30Mの拡大図である。図7は、3つの発光素子20のそれぞれの光出射面21が位置する側のサブマウント30の外縁の平面拡大図である。 【図6】 [図:0001436819000006.jpg] 【図7】 [図:0001436819000007.jpg] 【0069】 図示される例において、複数の発光素子20は、各光出射面21が同じ方向を向くようにして、並べて配される。複数の発光素子20は、各光出射面21が平行になるように、ならべて配され得る。複数の発光素子20の各光出射面21から出射される光は、光取出面10Aを有するパッケージ10の側面に向かって進む。ただし、複数の発光素子20の各光出射面21は平行である必要はない。 【0070】 図示される例において、複数の発光素子20は、発光ピーク波長が互いに異なる3つの半導体レーザ素子20A、20Bおよび20Cを含む。半導体レーザ素子20Aの発光ピーク波長は、半導体レーザ素子20Bの発光ピーク波長よりも短く、かつ、半導体レーザ素子20Bの発光ピーク波長は、半導体レーザ素子20Cの発光ピーク波長よりも短い。半導体レーザ素子20Aは、光出射面に位置する発光点22Aから、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する。半導体レーザ素子20Bは、光出射面に位置する発光点22Bから、第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する。半導体レーザ素子20Cは、光出射面に位置する発光点22Cから、第1波長および第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する。 【0071】 本実施形態において、第1の光は青色の光であり、第2の光は緑色の光であり、第3の光は赤色の光である。換言すると、半導体レーザ素子20Aは青色の光を出射し、半導体レーザ素子20Bは緑色の光を出射し、半導体レーザ素子20Cは赤色の光を出射する。本実施形態では、上面視において、赤色の光を出射する半導体レーザ素子20Cは、緑色の光を出射する半導体レーザ素子20Bまたは青色の光を出射する半導体レーザ素子20Aと比較して、レンズ部材80の少なくとも1のレンズ面の光軸方向における長さが長い。なお、レンズ部材80における1のレンズ面の光軸は、レンズ部材80の光軸Lと一致し得る。長さを調整することにより、レーザ光の出力を調整することができるが、長さの関係はこの例示に限らない。3つの発光素子20をRGBの3色の光で構成する形態は、例えば、カラー画像表示の用途に採用され得る。なお、各発光素子20が発する光の色は、これに限らず、また、用途によっては可視光に限られない。 【0072】 図示される例において、サブマウント30の上面30Mの法線方向から見る上面視で、1Dの矢印方向における発光点22Aと発光点22Bとの間隔w1は、例えば100μm以上150μm以下であり、発光点22Bと発光点22Cとの間隔w2は、例えば100μm以上150μm以下である。発光点の間隔が小さいほどサブマウント30の形状も1D方向に小さくすることができ、発光装置100を小型にすることができる。説明を分かり易くするために、発光点は1Dの矢印方向において光出射面の中心付近に楕円の形状で記載されているが、本開示はこれに限定されない。発光点は、上面視において光出射面の中心を基準として1Dの矢印方向にシフトし得る。 【0073】 ここで、幾つかの仮想的な平面および直線を定義する。レンズ部材80の少なくとも1のレンズ面の光軸Lに垂直な平面であり、半導体レーザ素子20Aの発光点22Aを通る平面を第1平面と呼ぶ。また、このレンズ面の光軸Lに垂直な平面であり、半導体レーザ素子20Bの発光点22Bを通る平面を第2平面と呼ぶ。また、このレンズ面の光軸Lに垂直な平面であり、半導体レーザ素子20Cの発光点22Cを通る平面を第3平面と呼ぶ。また、このレンズ面の光軸Lに平行で、かつ、半導体レーザ素子20Aの発光点22Aを通る直線を第1直線と呼ぶ。また、このレンズ面の光軸Lに平行で、かつ、半導体レーザ素子20Bの発光点22Bを通る直線を第2直線と呼ぶ。また、このレンズ面の光軸Lに平行で、かつ、半導体レーザ素子20Cの発光点22Cを通る直線を第3直線と呼ぶ。 【0074】 図6および図7において、上面視で、第1から第3平面が、それぞれ、一点鎖線m1、m2およびm3によって示されている。同様に、第1から第3直線が、それぞれ、二点鎖線n1、n2およびn3によって示されている。以降、第1から第3平面を、それぞれ、平面m1、m2およびm3と表記し、第1から第3直線を、それぞれ、直線n1、n2およびn3と表記する。 【0075】 半導体レーザ素子20Bの発光点22Bは平面m1よりもレンズ部材80から遠い位置に配置される。半導体レーザ素子20Cの発光点22Cは平面m2よりもレンズ部材80から遠い位置に配置される。このように、レンズ面の光軸L方向において、半導体レーザ素子20Bの発光点22Bは、半導体レーザ素子20Aの発光点22Aに対して後退し、半導体レーザ素子20Cの発光点22Cは、半導体レーザ素子20Bの発光点22Bに対して後退している。発光点のシフト量は、発光素子の発光ピーク波長、隣接する2つの発光点の間隔、レンズ部材80の、屈折率を含む光学特性などによって適宜調整され得る。本実施形態において、レンズ面の光軸L方向における半導体レーザ素子20Aの発光点22Aに対する半導体レーザ素子20Cの発光点22Cのシフト量、つまり、平面m1と平面m3との間隔d1は、例えば50μm以上100μm以下であり得る。色収差の低減や各光の光路長を調整するなどの光学制御の観点から光を調整する場合に、発光点のシフトによる調整であれば新たな光学部品を必要とせず実行できるため、部品点数の低減に寄与し得る。 【0076】 発光装置100において、複数の発光素子20が接合されたサブマウント30は、パッケージ10の内部に配される。サブマウント30は、一方の接合面、つまり上面30Mで発光素子20と接合する。また、反対側の他方の接合面で実装面11Mに接合する。 【0077】 サブマウント30は、複数の発光素子20が並べて配置される上面30Mを有する。図示される例において、サブマウント30の上面30Mの形状は平行四辺形である。この平行四辺形を構成する二組の互いに平行な二辺のうち、一方の互いに平行な二辺は、レンズ部材80の少なくとも1のレンズ面の光軸Lに平行である。本実施形態における上面30Mの平行四辺形の高さw3は500μm程度である。光軸L方向(2Dの矢印方向)における平行四辺形の頂点P1からP2までの距離d2は50μm以上100μm以下であり得る。 【0078】 図7に例示されるように、サブマウント30の上面30Mの外縁30Bは、サブマウント30の上面30Mの法線方向から見る上面視において、平面m1、平面m2、直線n1、および直線n2によって囲まれる領域s1の内側で、平面m1よりもレンズ部材80から遠く、かつ、平面m2よりもレンズ部材80から近い点を通る。サブマウント30の上面30Mの外縁30Bは、さらに、上面視において、平面m2、平面m3、直線n2、および直線n3によって囲まれる領域s2の内側で、平面m2よりもレンズ部材80から遠く、かつ、平面m3よりもレンズ部材80から近い点を通る。 【0079】 サブマウント30は、上面30Mおよび上面30Mと交わる側面30Aを有する。側面30Aは、発光素子20の発光点が位置する側にあるサブマウント30の端面である。半導体レーザ素子20Aは、発光点22Aが、サブマウント30の上面30Mと側面30Aとの境界に位置する外縁30Bから突き出るように配置される。半導体レーザ素子20Bは、発光点22Bが外縁30Bから突き出るように配置される。半導体レーザ素子20Cは、発光点22Cが外縁30Bから突き出るように配置される。 【0080】 上面30Mの平行四辺形の4辺のうちの1辺に沿って3つの発光点22A、22Bおよび22Cが並ぶように、3つの半導体レーザ素子20A、20Bおよび20Cがサブマウント30に配置される。上面視において、レンズ部材80の少なくとも1のレンズ面の光軸方向(2Dの矢印方向)と、サブマウント30の外縁30Bが延びる方向とは90°以外の角度で交差する。換言すると、サブマウント30の側面30Aは、パッケージ10の側壁部12の内側面との関係で、90°以外の角度を成す。本実施形態において、1Dの矢印方向に対するこの傾斜角度は、上述した発光点のシフト量、および隣り合う2つの発光素子の間隔に基づいて決定され得る。この傾斜角度は例えば5°超20°以下の範囲に調整され得る。発光点のシフト量が同じであっても、傾斜角度を大きくすることによって、隣り合う2つの発光素子の間隔、つまり、2つの発光点の間隔をより小さくすることが可能となる。 【0081】 半導体レーザ素子20Aの発光点22Aから出射される第1の光(青色の光)、半導体レーザ素子20Bの発光点22Bから出射される第2の光(緑色の光)および半導体レーザ素子20Cの発光点22Cから出射される第3の光(赤色の光)は、それぞれ、レンズ部材80の少なくとも1つのレンズ面を通過する。また、レンズ部材80の1つのレンズ面を、第1の光、第2の光、及び、第3の光が通過する。レンズ部材80の少なくとも1つのレンズ面は第1、第2および第3の光をコリメートする。 【0082】 第1の光、第2の光および第3の光の少なくとも1つは、レンズ部材80の1のレンズ面の光軸L上を進む光を有し、残りは、このレンズ面の光軸L上を進む光を有しない。図示される例において、レンズ部材80の1のレンズ面を通過する第1の光、第2の光、及び、第3の光のうち、第2の光がこのレンズ面の光軸L上を進む光を有し、第1の光および第3の光は、このレンズ面の光軸L上を進む光を有さない。また、第1の光の発光点22Aからこのレンズ面の光軸Lまでの距離と、第3の光の発光点22Cからこのレンズ面の光軸Lまでの距離は同じになり得る。」 (2) 各引用文献の記載事項及び引用発明等の認定 ア 引用文献2の記載事項及び引用発明の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2004-304111号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記(ウ)の引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 a 特許請求の範囲 「【請求項1】 青色レーザダイオード、赤色レーザダイオード、および赤外色レーザダイオードのうちで2以上のレーザダイオードが同一基体上で同一方向に配置された多波長レーザ装置であって、より短い波長のレーザダイオードの順序でレーザ光出射点がその光出射方向に向いて前方に配置されていることを特徴とする多波長レーザ装置。 …(中略)… 【請求項4】 前記基体には、前記各レーザダイオードからのレーザ光の通過を確保するための切り込みが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多波長レーザ装置。 …(後略)」 b 【0001】~【0013】 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、多種の光ディスクの互換性を保つことが可能な光ピックアップ装置に関し、特に、複数の波長のレーザ光を出射することが可能な多波長レーザ装置に係る。 【0002】 【従来の技術】 近年、記録密度を向上させる記録媒体およびその記録再生装置の開発が盛んに行われている。例えば、デジタル多用途ディスク(DVD)は映像の記録媒体として多方面に普及しつつあり、今後の需要の増大が期待されるメディアである。したがって、従来のコンパクトディスク(CD)や録再できるCD(CD-R、CD-RW)等とDVDとの互換性を維持し得る光ピックアップを開発する要望が高まっている。 【0003】 現在、DVDの再生用光源には波長650nm帯の半導体レーザダイオード(LD)が使用されており、CDやCD-Rには波長780nm帯のLDが使用されている。さらに、次世代のDVDには、波長410nm帯のLDが使用される。CD、CD-R/RW、およびDVDなどの規格ではディスク側の録再方式の相違も存在し、一種類のLDでそれらの異なる規格をカバーすることは不可能である。したがって、種々のデバィス間で録再の互換性を確実に維持するためには、複数種類の波長のレーザ光を読み書きできるピックアップを搭載することが望ましい。 【0004】 この場合、それぞれの波長に対応するピックアップを一つの録再装置に3つ搭載するという手段もある。しかし、一つの録再装置に3つものピックアップを搭載すれば、その録再装置の大型化が避けられないのみならず、コストの増大を引き起こす。したがって、一つのピックアップによって3種類のメディアに関して読み書きできることが望ましい。そのためには、3つの波長を出射することが可能な多波長レーザ装置を光ピックアップに使用することが必要となる。具体的には、波長780nmの赤外半導体LDと、波長650nmの赤色半導体LDと、波長410nmの青色半導体LDとを近接して配置した半導体レーザ装置が望まれる。 【0005】 図18の模式的斜視図は、このように互いに発光波長が異なる3種類の半導体LDを集積した多波長半導体レーザ装置の一例を示している(例えば、特許文献1の特開2000-174398号公報参照)。図18の装置では各LDが個別に作製された後に集積されており、これはいわゆるハイブリッド型の多波長レーザ装置である。すなわち、ヒートシンク131の平坦な一側面に沿って、それぞれ赤外色、赤色、および青色の発光波長を有する半導体LD132、133、および134が、この順でそれらのレーザビームの出射方向が互いにほぼ平行になるようにマウントされている。それらのLD132、133、および134にはそれぞれワイヤ135、136、および137が接続されており、それぞれのLDが独立に動作することができる。このようなハイブリッド型多波長レーザ装置では、一つのLDに不良が生じても良品のLDと交換できるので、多波長レーザ装置の歩留まりの低下を抑制し得るメリットがある。 【0006】 【特許文献1】 特開2000-174398号公報 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、互いに発光波長の異なる3つ以上のLDを集積する場合、それらのLDをどのように並べるべきかについて、これまでにあまり考慮されていない。しかし、複数のLDを集積して使用する場合、本発明者らの考えによれば、複数のLDの並べ方と光ピックアップの光学系との関係を考慮すべきであり、複数のLDの配置を適切に行うことが重要であると考えられる。 【0008】 理想的には、一つの録再装置に3つのピックアップを搭載する場合と同様に、レーザの一波長に対応して一つの光学系を準備することが望ましいが、それでは複数のLDを集積して一つのピックアップにする利点が得られない。したがって、一つの発光波長のLDのみを搭載したピックアップの場合と同様に、複数のLDを含むピックアップにおいても単一の光学系を使用することが好ましい。他方、複数のLDが集積されたレーザ装置において、それら複数のLDのレーザ光出射点を1点に一致させることは物理的に不可能であるから、各波長のLDのそれぞれに最適な複数の光学系の役割を単一の光学系のみによって果たさせることは困難である。 【0009】 このような従来技術の状況に鑑みて、本発明は、互いに異なった波長の光を出射する複数のLDを含む多波長レーザ装置と単一光学系との関係を改善することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】 本発明によれば、青色レーザダイオード、赤色レーザダイオード、および赤外色レーザダイオードのうちで2以上のレーザダイオードが同一基体上で同一方向に配置された多波長レーザ装置において、より短い波長のレーザダイオードの順序でレーザ光出射点がその光出射方向に向いて前方に配置されていることを特徴としている。 【0011】 なお、それら2以上のレーザダイオードは、同一基板上にモノリシックに形成されていてもよい。他方、2以上の個別のレーザダイオードが、それぞれ融点の異なる半田を用いて基体上にマウントされていてもよい。 【0012】 基体には、各レーザダイオードからのレーザ光の通過を確保するための切り込みが設けられていることが好ましい。2以上のレーザダイオードがモノリシックに形成されている場合には、その基板において、各レーザダイオードのレーザ光の通過を確保するための切り込みが設けられていることが好ましい。レーザダイオードは、pサイドダウンで基体上にマウントされてもよい。 【0013】 本発明による多波長レーザ装置を製造するための方法においては、2以上のレーザダイオードは、それぞれ融点の異なる半田を融点の高い順に使用して基体上にマウントされることが好ましい。」 c 【0015】~【0033】 「【0015】 本発明者らの検討によれば、異なる各波長のレーザ光を単一光学系で集光する場合の問題点の一つとして、波長の違いによる焦点距離の相違が存在する。光学系に使用されるレンズは波長に依存して屈折率が異なり、波長の短い青色に対しては焦点距離が短く、波長の長い赤外色に対しては焦点距離が長くなる。複数の光学系が準備できれば、異なるレンズを用いることによって、異なる波長の光の間で焦点距離の差をなくすことができる。しかし、単一光学系において、波長に依存する焦点距離の変動はディスク面における焦点ずれを生じ、読み書きエラーの原因になり得ることを意味する。 【0016】 このような焦点距離の相違は光学系の設計によって変わるが、一般には青色LDと赤外LDとの間で数十μmないし百μm程度の相違がある。これを考慮して、光学系の焦点距離の違いに伴う像点までの距離の違いを補正するように各波長のLDを配置することによって、すなわちレーザ光出射点位置を調整することによって、異なる波長間における焦点距離の相違の問題を解決することができる。 【0017】 (実施形態1) 図1は、本発明の実施形態1における多波長レーザ装置のヘッダの先端部を模式的に図解した斜視図である。ヘッダの先端部では支持基体11の一主面上に青色LD12、赤外LD13、および赤色LD14が配設されており、それらのLDはリッジストライプ212、312、および412をそれぞれ有し、ストライプ状の導波路を含んでいる。LD12、13、および14には、それらが独立に動作し得るように電力を供給する第一のワイヤ18、第二のワイヤ19、および第三のワイヤ20がそれぞれ接続されている。 【図1】 [図:0001436819000008.jpg] 【0018】 支持基体11は、銅を主成分とする金属からなっており、ヒートシンクとして作用する。支持基体11上におけるそれぞれのLDは、それらが出射するレーザビームが互いにほぼ平行になるようにマウントされている。また、各LDはn電極側が支持基体11側になるように、すなわちpサイドアップでマウントされており、p電極側にワイヤが接続されている。これらのワイヤは、対応するLDのリッジストライプ212、312、および412の直上を避けた位置に接続され、ストライプ状導波路にワイヤボンディングによるダメージが入ることを防止している。各LDのリア側には多層反射膜が形成されており、支持基体11側およびワイヤ側から閾値以上の電流が注入されれば、そのフロント側からレーザ光が出射される。ここで、赤色LD14はフロント側を向いて青色LD12より50μm後方に配置され、赤外LD13は赤色LD14よりさらに50μm後方に配置されている。次に、図1の多波長レーザ装置の製造方法について説明する。 【0019】 まず、図2を参照して、青色のレーザ光を出射する青色LD12の作製について説明する。このLD12は複数のGaN系半導体層を含み、n型GaN基板201上に、有機金属気相成長法(MOCVD)にて形成される。より具体的には、n型GaN基板201の第一主面上に、n型GaNの下部コンタクト層202、n型Al0.1Ga0.9Nの下部クラッド層203、n型GaNの下部ガイド層204、Inx1Ga1-x1NとInx2Ga1-x2N(但しx1>x2)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層205、p型Al0.2Ga0.8Nの蒸発防止層206、p型GaNの上部ガイド層207、p型Al0.1Ga0.9Nの上部クラッド層208、およびp型GaNの上部コンタクト層211を順に積層したウエハを成長させる。なお、活性層205は、波長約405nmの光を放射するように、その組成および構造が設定される。 【図2】 [図:0001436819000009.jpg] …(中略)… 【0021】 続いて、基板201の第二主面側を研磨等で削ることによって、ウエハ全体の厚みを調整する。その後、基板201の第二主面側にTi/Alをこの順で真空蒸着等により積層してn電極215を形成し、さらにLDのマウント時の密着性を向上させるためにMo/Auをこの順で真空蒸着してウェハの形成を完了する。完成されたウェハは650μm幅で劈開され、レーザの共振器端面が形成される。その劈開後に、レーザバーのリア側に2種類以上の誘電体の積層からなる多層反射膜(図示せず)を形成し、レーザ光をフロント側から取り出せるようにする。さらにバー状に分割されたウェハが幅200~300μm程度のチップに分割され、これによって青色LD12が得られる。 【0022】 次に、図3を参照して、赤外のレーザ光を出射する赤外LD13の作製について説明する。このLD13は複数のAlGaAs系半導体層を含み、n型GaAs基板301上にMOCVD法や分子線エピタキシー(MBE)法により形成される。より具体的には、n型GaAs基板301の第一主面上に、n型Al0.55Ga0.45Asの下部クラッド層303、Alx3Ga1-x3AsとAlx4Ga1-x4As(但しx3>x4)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層305、p型Al0.55Ga0.45Asの上部第一クラッド層308 、p型GaAsのエッチストップ層309、p型Al0.55Ga0.45Asの上部第二クラッド層310、p型GaAsの上部コンタクト層311を順に積層してウエハを成長させる。なお、活性層305は、波長約780nmの光を放射するように、その組成および構造が設定される。 【図3】 [図:0001436819000010.jpg] …(中略)… 【0024】 続いて、n型GaAs基板301の第二主面側をウェットエッチング等で削ることによって、ウエハ全体の厚みを調整する。その後、n型GaAs基板301の第二主面側にNi/Ge/Auをこの順で真空蒸着等により積層してn電極315を形成し、さらにLDのマウント時の密着性を向上させるために、Mo/Auをこの順で真空蒸着してウェハの形成を完了する。完成されたウェハは250μm幅で劈開され、レーザの共振器端面が形成される。その劈開後に、レーザバーのリア側に2種類以上の誘電体の積層からなる多層反射膜(図示せず)を形成して、レーザ光をフロント側から取り出せるようにする。さらに、バー状に分割されたウェハが幅200~300μm程度のチップに分割され、これによって赤外LD13が得られる。 【0025】 次に、図4を参照して、赤色のレーザ光を出射する赤色LD14の作製について説明する。このLD14は複数のInAlGaP系半導体層を含み、n型GaAs基板401上にMBE法により形成される。より具体的には、n型GaAs基板401の第一主面上に、n型Al0.35Ga0.15In0.5Pの下部クラッド層403、n型Al0.25Ga0.25In0.5Pの下部ガイド層404、Inx5Ga1-x5PとAlx6Gax7In1-x6-x7Pとの交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層405、p型Al0.25Ga0.25In0.50Pの上部ガイド層407、p型Al0.35Ga0.15In0.50Pの上部第一クラッド層408、p型In0.5Ga0.5Pのエッチストップ層409、p型Al0.35Ga0.15In0.50Pの上部第二クラッド層410、p型GaAsの上部コンタクト層411を順に積層してウエハを成長させる。なお、活性層405は、波長650nmの光を放射するように、その組成と構造が設定される。 【図4】 [図:0001436819000011.jpg] …(中略)… 【0027】 続いて、n型GaAs基板401の第二主面側をウェットエッチング等で削ることによって、ウエハ全体の厚みを調整する。その後に、n型GaAs基板401の第二主面側にNi/Ge/Auをこの順で真空蒸着等により積層することでn電極415を形成し、さらにLDのマウント時に密着性を向上させるために、Mo/Auをこの順で真空蒸着してウェハの形成を完了する。完成したウェハは250μm幅で劈開され、レーザの共振器端面が形成される。その劈開後に、レーザバーのリア側に2種類以上の酸化物の積層からなる多層反射膜(図示せず)を形成し、レーザをフロント側から取り出せるようにする。さらにバー状に分割されたウェハが幅200~300μm程度のチップに分割され、これによって赤色LD14が得られる。 …(中略)… 【0029】 得られたLDは、支持基体11にマウントされる。支持基体11にまず青色LD12を載せ、その近傍で青色LD12のレーザ光出射点からフロント側を向いて後方100μmの位置に赤外LD13のレーザ光出射点が来るように赤外LD13をマウントする。そして、青色LD12と赤外LD13との間で、青色LD12のレーザ光出射点からフロント側を向いて後方50μmの位置に赤色LD14のレーザ光出射点が来るように赤色LD14をマウントする。この時、それぞれのLDのストライプ方向が互いに平行になるように注意する。また。LD間で接触してショートしないように、LD間が10~数10μm程度に設定される。 【0030】 マウントにおいて、青色LD12にはAu80Sn20半田、赤外LD13にはAu10Sn90半田、そして赤色LD14にはIn半田を用い、融点の高い順にAu80Sn20半田、Au10Sn90半田、およびIn半田を用いてそれらのLDを支持基体11に取り付ける。すなわち、まず耐熱性に優れる青色LD12、次に赤外LD13、そして最後に耐熱性の弱い赤色LD14をマウントする。それぞれのLDに同じ半田材を使用することも不可能ではないが、このように融点の異なる半田を用いて複数のLDを支持基体11に接続すれば、一つのLDをマウントする際に他のLDの位置ずれなどが起こりにくくて便利である。なお、種々の融点を有する半田材は、インジウム基、鉛基、錫基、アルミニウム基、金基などの種々の半田材から選択し得る。なお、図1では左から順に赤外LD13、赤色LD14、青色LD12という並び方を示しているが、この順序を変えてもよいことは言うまでもない。 【0031】 次に、図5に示されているように、それぞれのLDにワイヤを接続し、外部から電力が供給できるようにする。なお、図5において、レーザ装置の内部をわかりやすくするために、透光材51とキャップ52は一部破断されて示されている。支持基体11は、円形の放熱板15と共にステム10本体を構成し、ステム10外部のリード41に接続されていて電力が供給され得る。それぞれのLDのp側に電力を供給するピン38、39、40はステム10から絶縁され、外部のリード48、49、50にそれぞれ直結している。各LDのマウント後に、青色LD12、赤外LD13、および赤色LD14は、ワイヤ18、19、および20によってピン38、39、および40へそれぞれ接続される。その後、レーザ光として出射される3つの波長の光を透過しうる透光材51を有するキャップ52をステム10に接続し、これによって多波長レーザ装置100が完成する。 【図5】 [図:0001436819000012.jpg] …(中略)… 【0033】 本発明では、多波長レーザ装置に対して単一の光学系を使用する場合にそれぞれのレーザ光の焦点距離が異なるという問題が、レーザ光出射点位置を調整することによって解決され得る。前述のように、実施形態1では赤色LD14のレーザ光出射点位置がフロント側に向いて青色LD12に比べて50μm後方で、赤外LD13のレーザ光出射点位置がフロント側に向いて赤色LD14に比べて50μm後方にされた。しかし、光学系の設計に応じてこれらの距離を各LD間で変更してもよいことは言うまでもない。そのような距離の調整によって、光ピックアップの設計を容易にすることができる。また、光ピックアップの設計が容易になることによって光学系が簡素化され、そのピックアップのコストを低く押えることが可能となる。」 d 【0034】~【0038】 「【0034】 (実施形態2) 図7は、実施形態2における多波長レーザ装置のステムの先端部を模式的に図解した斜視図である。なお、図7の実施形態2において、実施形態1と同一または相当する部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。 [図:0001436819000013.jpg] 【0035】 本実施形態2は実施形態1に類似しているが、支持基体11上で各LDがpサイドダウンでマウントされている点が特徴的である。このような構成では、支持基体11からの発光点位置までの距離(高さ)の制御が行いやすい利点が得られる。他方、pサイドダウンでは発光点位置が支持基体11に近づくので、放射されたレーザ光の一部が支持基体11によって遮られる危険性が高くなる。したがって、支持基体11に切り込み21を設け、レーザ光が支持基体11によって遮断されることを防止している。次に、この切り込み21について説明する。 【0036】 図8に示されているように、LDのレーザ光出射点を原点として、レーザ光出射方向をz軸、z軸に垂直でLDの活性層に平行な方向をx軸、同じく活性層に垂直な方向をy軸とすれば、LDから出射されるレーザ光の水平放射角θ||および垂直放射角θ⊥から、切り込み21のLDからの位置や深さを算出することができる。具体的には、z軸からy軸方向の距離Dに関しては、レーザ光出射点からのz軸方向の距離をL(ただしL≧0)として、 |D|<L×tan(θ⊥/2)・・・(1) を満たすDの範囲内に光の遮蔽物がないように溝を作ればよい。例えば、レーザ光出射点の支持基体11からの距離(高さ)が10μmの場合に、LDのθ||=10°でθ⊥=30°であれば、Lが約37μm以上の位置において、式(1)を満たすDの範囲に溝を形成する必要がある。なお、溝の形状はその空間が直方体になるものに限られず、z軸方向にスロープ状に形成されてもよい。 【0037】 同様に、x軸方向の距離Wに関しては、z軸方向の距離L(L≧0)に対して |W|<L×tan(θ||/2)・・・(2) を満たすWの範囲内に遮蔽物がないようにLDをマウントすればよい。そのような遮蔽物としては隣接して配置されたLDが考えられるが、本実施形態では隣りのLDまでの距離が少なくとも100μmはあるので、常に式(2)の条件を満たす。なお、式(1)と(2)を満たせばレーザ光が遮蔽されないことが確実であるが、レーザ光の放射パターンは楕円形状であることを考慮して、溝21のy軸に垂直な面(底面)と溝のx軸に垂直な面(側面)との交差領域を曲面に加工してもよいし、y軸に垂直な面を傾斜させててもよい。他に楕円形状の放射パターンが遮蔽されない溝の形状としては、溝21の底面をV字状に形成する、溝21の側面を傾ける、溝21のそれぞれの面を曲面に加工するなど、様々なバリエーションが考えられ得る。 【0038】 なお、本実施形態2においても、実施形態1と同様の利点が得られることは言うまでもない。」 (イ) 引用文献2の記載から読み取れる事項の認定 【0034】の記載を踏まえれば、実施形態2に示されるステムの先端が搭載される多波長レーザ装置は、ステムの先端以外は、【0017】~【0033】、【図2】~【図6】に記載された実施形態1と同様の構成を備えることが理解できる。 (ウ) 引用発明の認定 前記(イ)において認定した事項及び前記(ア)に摘記した引用文献2の記載事項を総合すると、引用文献2には、実施形態2(【図7】(及び【図5】))に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「青色レーザダイオード、赤色レーザダイオード及び赤外色レーザダイオードのうちで2以上のレーザダイオードが同一基体上で同一方向に配置された多波長レーザ装置であって、(【請求項1】) より短い波長のレーザダイオードの順序でレーザ光出射点がその光出射方向に向いて前方に配置されており、(【請求項1】) 多波長レーザ装置のヘッダの先端部では支持基体11の一主面上に青色LD12、赤外LD13及び赤色LD14が配設されており、(【0017】) 支持基体11は、銅を主成分とする金属からなっており、ヒートシンクとして作用し、支持基体11上におけるそれぞれのLDは、それらが出射するレーザビームが互いにほぼ平行になるようにマウントされており、(【0018】) 支持基体11は、円形の放熱板15と共にステム10本体を構成し、レーザ光として出射される3つの波長の光を透過しうる透光材51を有するキャップ52をステム10に接続され、(【0031】) 多波長レーザ装置に対して単一の光学系を使用する場合にそれぞれのレーザ光の焦点距離が異なるという問題が、レーザ光出射点位置を調整することによって解決され、(【0033】) 支持基体11上で各LDがpサイドダウンでマウントされており、支持基体11に切り込み21を設け、レーザ光が支持基体11によって遮断されることを防止する、(【0035】) 多波長レーザ装置」 <引用発明参考図> 【図7】 【図5】 [図:0001436819000014.jpg] イ 引用文献1に記載された事項及び引用文献1技術事項の認定 (ア) 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2002-57411号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 1つのサブマウント上に発光波長の互いに異なる2つの半導体レーザが配置されており、前記2つの半導体レーザは、それぞれの出射光軸同士が平行になるように、かつ接近するように配置され、また、2つの半導体レーザの主出射端面は同一平面になくて、所定の距離を隔てて配置されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記2つの半導体レーザのうちの一方の半導体レーザは、他方の半導体レーザに対して後退して配置され、他方の半導体レーザに対して後退して配置される一方の半導体レーザの主出射端面の主出射方向前方のサブマウントには溝あるいは穴が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 【請求項3】 請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有していることを特徴とする半導体レーザ装置。 【請求項4】 請求項3記載の半導体レーザ装置において、前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有しており、2つの半導体レーザの共振器長が異なっている場合、共振器長の短かい半導体レーザの後方の出射端面側のサブマウントには溝あるいは穴が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置を備えていることを特徴とする光ピックアップ。」 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の半導体レーザを1つのパッケージに収めた半導体レーザ装置および光ピックアップに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、次世代の記録メディアとしてDVDが注目されている。一般に、一台のDVDプレーヤーでは、DVDとCDとの両者を互換再生できることが望まれる。そのためには、DVD再生用に波長の短い635nmあるいは650nmの赤色半導体レーザとCD再生用に780nmの近赤外半導体レーザとを搭載する光ピックアップが必要とされている。さらに、装置の小型化のためには、2種類の半導体レーザを1つのパッケージの中に組み込んだ集積型光ピックアップの実現が期待されている。しかし、2つの光源を1つのパッケージに組み込んで、光学系を共通化するためには、2つの半導体レーザの発光点間隔をできるだけ接近させる必要があり、その間隔としては300μm以下が望ましい。 【0003】従来、上記課題を解決するために、数多くの技術が提案されている。たとえば、特開平11-97804号には、図3に示すように、1つのサブマウント1上に発光波長の異なる2つの半導体レーザ2,3を接近して配置する方法が示されている。すなわち、図3を参照すると、サブマウント(シリコン基板)1上に、発光波長が互いに異なる第1の半導体レーザ2と第2の半導体レーザ3とが、それぞれの出射光が平行となるように、かつ接近させて配置されている。さらに、図3では、サブマウント1にレーザパワーモニタ用のホトダイオード7が作り込まれている。 【0004】しかし、2つの異なる波長に対して1つの光学系で対応する場合、2つの半導体レーザ2,3の光路長が異なる不具合が発生する。一般に、光ピックアップ光学系の結像系としては、半導体レーザの光をコリメータを使用して平行光として対物レンズに入射させる無限仕様型が用いられる。例として、コリメータレンズの材料としてBK7を使用した場合、650nm,780nmでの屈折率nはそれぞれ1.51452,1.511183である。このBK7で650nmに合わせて焦点距離f=17mmのコリメータレンズを設計すれば、780nmでの焦点距離が0.11097mm長くなる。つまり、発光波長780nmの半導体レーザは、発光波長650nmの半導体レーザよりも111μm後退させて配置することが望ましいことが分かる。 【0005】しかし、1つのサブマウント1上で、2つの半導体レーザ2,3の一方の主出射端面を後退させて実装することは難しい。一般に、半導体レーザは、放熱性を考慮して、ジャンクションダウンでAu-Sn共晶ハンダを介して絶縁性のサブマウントにダイボンディングされる。この時、半導体レーザの発光層はダイボンド面から数μmと極めて接近したところに位置しているため、Au-Snハンダが発光層端面に回り込んで電気的に短絡する可能性がある。そのため、半導体レーザの主出射端面をサブマウント端面より数μm突き出して接合するのが一般的である。 【0006】仮に、上記問題を解決し、一方の半導体レーザを後退させて接合しても、半導体レーザからの出射光がサブマウントで反射して迷光となって信号読み出しに不具合が生じる。 【0007】逆に、一方の半導体レーザの主出射端面を出射方向にサブマウント端部から100μm突き出して配置することも考えられるが、この場合には、突き出して配置された半導体レーザとサブマウントの熱抵抗が増大し、発光層温度が上昇し発光波長の変動が起こったり、また、ハンドリング時に半導体レーザを破損する可能性が増大する。 【0008】一般に、サブマウントには、熱伝導率の高い絶縁性部材,たとえば窒化アルミ(AlN)などを用い、その表面には半導体レーザを固定するためのAu-Sn層が形成された方形型のものが使用される。サブマウントは所定のメタライジングを行った後でダイシングソー等で切り出されるため、方形型以外の、たとえば凸型や端部の一部が切り込まれた様な形状は作れない。 【0009】また、特開平11-97804号には、図4に示すように、サブマウントを二段に積み上げた例が示されている。すなわち、図4を参照すると、第1のサブマウント1上には、第1の半導体レーザ2と第1のホトダイオード7とが配置され、また、第1のサブマウント1上には、第2のサブマウント8が積み上げられ、第2のサブマウント8には、第2の半導体レーザ3と第2のホトダイオード9とが配置されている。この技術の目的は、発光点間隔を接近させるためになされたもので、発光波長の差を解決する目的でなされていない。また、第2のサブマウント8に配置された第2の半導体レーザ3から出た光が、第1のサブマウント1で蹴られることも考慮されていない。仮に、第1のサブマウント1での蹴られを考慮した高さ関係にしたとしても、2つの半導体レーザ2,3の間隔は、第1のサブマウント1に配置された第1の半導体レーザ2の共振器長(約300μm)以下での調整が出来ないという欠点がある。 【0010】このように従来技術では、半導体レーザの波長の違いを考慮したレイアウトになっていなかった。 【0011】また別の問題として、発光波長650nmの半導体レーザは、利得を確保するため、共振器長は、発光波長780nmの半導体レーザよりも長いのが一般的である。一般的に、その共振器長は、発光波長780nmの半導体レーザが300μm程度であり、発光波長650nmの半導体レーザが700μm程度であり、400μm程度の差がある。そのため、2つの半導体レーザを並べて配置した場合でも、発光波長780nmの半導体レーザの後方出射端面から出た光がサブマウントで蹴られる不具合が発生する。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】このように、1つのサブマウント上に、発光波長が互いに異なる半導体レーザを実装する場合には、光ピックアップでの発光波長差による光路差の解消、共振器長の差による迷光の解消、と言う技術的課題がある。 【0013】本発明は、同一のサブマウント上に発光波長が互いに異なる2つの半導体レーザを実装する場合に、共通の光学系においても発光波長に適した光路差を確保することが可能な半導体レーザ装置および光ピックアップを提供することを目的としている。 …(中略)… 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a),(b)は本発明に係る半導体レーザ装置の構成例を示す図である。なお、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のX-X線における断面図である。 【図1】 [図:0001436819000015.jpg] 【0020】図1(a),(b)を参照すると、サブマウント1上には、半導体レーザとして、DVD用の発光波長650nmの第1の半導体レーザ2と、CD用の発光波長780nmの第2の半導体レーザ3とが配置されている。第1の半導体レーザ2は、その主出射端面2aがサブマウント1の端面1aからわずかに突き出して(約10μmだけ突き出して)配置されている。また、第2の半導体レーザ3は、その主出射端面3aが第1の半導体レーザ2の主出射端面2aから約100μm後退させた位置に配置されている。 【0021】換言すれば、図1(a),(b)の構成例では、半導体レーザ装置は、1つのサブマウント1上に発光波長の互いに異なる2つの半導体レーザ2,3が配置されており、2つの半導体レーザ2,3は、それぞれの出射光軸同士が平行になるように、かつ接近するように配置され、また、2つの半導体レーザ2,3の主出射端面2a,3aは同一平面になくて、所定の距離を隔てて配置されている。これにより、共通の光学系においても発光波長に適した光路長を確保することが可能になる。 【0022】また、図1(a),(b)の構成例では、第2の半導体レーザ3から出射される光ビームがサブマウント1の表面によって蹴られないように、サブマウント1の一部に溝4が形成されている。 【0023】ここで、サブマウント1に形成される溝4は、例えば、第2の半導体レーザ3の垂直ビーム広がり角が26°,水平ビーム広がり角が10°の場合、深さdは約23μm以上、幅wは約17.5μm以上であるのが良い。 【0024】なお、図1(b)において、図1(a)では図示を省略しているが、符号5は金属膜、符号6はAu-Sn層である。 【0025】図1(a),(b)の半導体レーザ装置は、例えば次のような工程によって作製される。すなわち、サブマウント1の主材料として高純度なシリコン基板を使用するとし、このシリコン基板1を酸化して、シリコン基板1の両面にシリコン酸化膜を形成する。次に、溝4を形成する領域のシリコン酸化膜を取り除き、下地のシリコン基板1を露出させる。次に、KOHエッチャントを用いて異方性エッチングを行い、所定の深さの溝4を形成する。その後、シリコン酸化膜を除去し、シリコン基板1の表面および裏面のメタライジングを行う。これにより、例えば、シリコン基板1の両面に、Ti/Pt/Auの金属膜5が順次成膜される。Ti/Pt/Auの各層の厚みは、たとえば、0.1μm/0.2μm/0.5μm程度である。さらに、シリコン基板1(金属膜5)の表面の一部に、半導体レーザを固定するためにAu-Sn層6を約3μmの厚さで形成する。そして、Au-Sn層6上に半導体レーザ2,3を固定する。ここで、半導体レーザ2,3はアノード側がダイボンド面であるならば、前記金属膜5は、2つの領域に分離されている。 【0026】なお、上述の例では、サブマウント1に溝4を形成したが、溝4のかわりに穴を形成しても良い。 【0027】このように、図1(a),(b)の構成例では、2つの半導体レーザ2,3のうちの一方の半導体レーザ3は、他方の半導体レーザ2に対して後退して配置され、他方の半導体レーザ2に対して後退して配置される一方の半導体レーザ3の主出射端面3aの主出射方向前方のサブマウント1には溝4あるいは穴が形成されている。これにより、半導体レーザ3からの光がサブマウント1によって蹴られるのを防止することが可能になる。 …(中略)… 【0029】図2(a),(b)は本発明に係る半導体装置の他の構成例を示す図である。なお、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のX-X線における断面図である。図2の構成例では、サブマウント1は、たとえば窒化アルミ(AlN)からなり、菱形の形状のものとなっている。また、2つの半導体レーザ2,3は、光の主出射方向とサブマウント1の端部とが所定の角度で交差するように配置されている。 【図2】 [図:0001436819000016.jpg] 【0030】より詳細に、このサブマウント1上は2つの電極領域5,5に分割されており、その一部に半導体レーザ2,3を接合するためのAu-Sn共晶合金6が堆積されている。半導体レーザ2,3は、ジャンクションダウンでアノード側がダイボンディングされるため、電気的に絶縁されている。サブマウント1上に実装された半導体レーザ2,3は、その表面とサブマウント1の表面からそれぞれワイヤーボンディングで電気的に接続される。また、1つのサブマウント1上で、2つの半導体レーザ2,3の主出射端面間距離Dを確保するために、半導体レーザ2,3は、サブマウント1の一辺に沿って、斜めに配置されている。 【0031】図2(a),(b)の例では、サブマウント1の形状は菱形となっているが、サブマウント1の一辺に、所定の角度で2つの半導体レーザ2,3を配置できれば、サブマウント1の形状は他の形状であっても良い。 【0032】また、発光波長650nmの半導体レーザと発光波長780nmの半導体レーザとは、その共振器長が異なるのが一般的である。例えば、発光波長650nmの半導体レーザの外形は300×650×100tμm、発光波長780nmの半導体レーザの外形は300×380×100tμmである。そのため、図2(a),(b)の仕方で2つの半導体レーザ2,3を配置した場合、共振器長の短い半導体レーザの後方の出射端面からの光がサブマウント1で蹴られ、迷光となることが考えられる。そこで、共振器の短い780μmの半導体レーザの後方の出射端面側のサブマウント1の表面に溝あるいは穴を形成すれば、共振器の短い780μmの半導体レーザの後方の出射端面から出射される光がサブマウント1で蹴られることが防止され、迷光を低減することができる。 【0033】このように、図2(a),(b)の構成例では、サブマウント1は方形で、2つの半導体レーザ2,3の主出射端面とサブマウント1の一辺とが平行でなく、所定の角度を有していることにより、熱抵抗の増大を抑え、かつサブマウント1に複雑な加工を施すことなく、その形状は方形であるため従来のダイシングソーで切り出すことが可能で、安価な半導体レーザ装置を提供することが可能になる。 【0034】また、2つの半導体レーザ2,3の主出射端面とサブマウント1の一辺とが平行でなく、所定の角度を有しており、2つの半導体レーザ2,3の共振器長が異なっている場合、共振器長の短い半導体レーザの後方の出射端面側のサブマウント1に溝あるいは穴が形成されていることにより、共振器長の異なる2つの半導体レーザ2,3を配置した場合に問題となるサブマウント1でのレーザ光の蹴られを軽減することが可能になる。 【0035】また、上述した本発明の半導体レーザ装置を光ピックアップに用いることができ、この場合、光学系が簡略された小型,低価格な高性能の光ピックアップを提供できる。 【0036】 【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、1つのサブマウント上に発光波長の互いに異なる2つの半導体レーザが配置されており、前記2つの半導体レーザはそれぞれの出射光軸同士が平行になるように、かつ接近するように配置され、また、2つの半導体レーザの主出射端面は同一平面になくて、所定の距離を隔てて配置されているので、共通の光学系においても発光波長に適した光路長を確保することが可能になる。 【0037】また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記2つの半導体レーザのうちの一方の半導体レーザは、他方の半導体レーザに対して後退して配置され、他方の半導体レーザに対して後退して配置される一方の半導体レーザの主出射端面の主出射方向前方のサブマウントには溝あるいは穴が形成されているので、サブマウントによるレーザ光の蹴られを防止することが可能になる。 【0038】また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有しているので、熱抵抗の増大を抑え、かつサブマウントに複雑な加工を施すことなく、その形状は方形であるため従来のダイシングソーで切り出すことが可能で、安価な半導体レーザ装置を提供することが可能になる。 【0039】また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の半導体レーザ装置において、前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有しており、2つの半導体レーザの共振器長が異なっている場合、共振器長の短かい半導体レーザの後方の出射端面側のサブマウントに溝あるいは穴が形成されているので、共振器長の異なる2つの半導体レーザを配置した場合に問題となるサブマウントでのレーザ光の蹴られを軽減することが可能になる。 【0040】また、請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4記載のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置を備えた光ピックアップであるので、小型,低価格な高性能の光ピックアップを提供することができる。」 (イ) 引用文献1技術事項の認定 前記(ア)に示した引用文献1の摘記事項より、引用文献1には、次の技術事項が記載されていると認められる。(以下「引用文献1技術事項」という。) <引用文献1技術事項> 「1つのサブマウント上に発光波長の互いに異なる2つの半導体レーザが配置されており、前記2つの半導体レーザは、それぞれの出射光軸同士が平行になるように、かつ接近するように配置され、また、2つの半導体レーザの主出射端面は同一平面になくて、所定の距離を隔てて配置されており、(【請求項1】) 同一のサブマウント上に発光波長が互いに異なる2つの半導体レーザを実装する場合に、共通の光学系においても発光波長に適した光路差を確保することが可能な半導体レーザ装置において、(【0013】) 前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有しているものとすることにより、(【請求項3】) 熱抵抗の増大を抑え、かつサブマウント1に複雑な加工を施すことなく、安価な半導体レーザ装置を提供することが可能になること。(【0033】)」 ウ 引用文献3に記載された事項及び技術常識1の認定 (ア) 引用文献3に記載された事項 当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2017-147420号公報には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、赤色レーザ光を出射する赤色レーザダイオードと青色レーザ光を出射する青色レーザダイオードとを備える発光装置、照明装置、及び投影装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、半導体レーザ(レーザダイオード、以下「LD」ともいう)を光源とする発光装置が知られている。レーザダイオードは、小型、高効率、長寿命、エテンデュー(光源のサイズと発散角との積)が小さいといった様々な利点を有している。そのため、ランプや発光ダイオードの代わりにレーザダイオードを用いることにより、装置を高効率化、及び小型化することができる。 【0003】 例えば、特許文献1に開示された多波長半導体レーザ装置100は、図16に示すように、サブマウント110上に実装された、赤色LD111aと赤外LD111bとからなる2波長レーザ111と、青紫色LD112とを備えている。これにより、1つの装置でCD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びBD(Blu-ray Disc:登録商標)の情報を取り扱うことができると共に、チップサイズを小さくすることができる。すなわち、CD用LDの発振波長は780nm帯(赤外)であり、DVD用LDの発振波長は650nm帯(赤色)であり、BD用LDの発振波長は405nm帯(青紫色)である。したがって、1つの光ディスク装置でCD、DVD及びBDの情報を取り扱うためには、赤外、赤色、青紫色の3つの光源が必要となる。」 「【0018】 本実施の形態の発光装置1Aは、図1の(a)(b)に示すように、円盤状のステム20と、ステム20の上面の搭載部品を保護するように覆うキャップ21と、コリメートレンズ22とを備えた封止容器となっている。また、上記封止容器の内部に、赤色レーザ光を出射する赤色LD(Laser Diode)12と青色レーザ光を出射する青色LD13とを備えている。 [図:0001436819000017.jpg] 【0019】 上記のような封止容器は一般にCAN型と称されるが、本発明の発光装置が有する封止容器は、これに限定されず、例えばフラット型や、COBパッケージを板ガラス等で封止した構造であってもよい。」 (イ) 技術常識1の認定 前記(ア)に示した引用文献3の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる。(以下「技術常識1」という。) <技術常識1> 「CAN型のレーザ装置において、キャップ部に単一のレンズ面を持つ平凸レンズを設けること。」 (3) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア) 構成Xの観点(発光装置) 「発光装置」の発明である本件補正発明と「多波長レーザ装置」の発明である引用発明は、「発光装置」の発明である点において一致する。 (イ) 引用発明の構成と本件補正発明の構成の相当関係 本件補正発明と引用発明の対比分析の見通しをよくするために、引用発明の構成と本件補正発明の構成の相当関係を最初にまとめると、次の引用発明の欄に記載した引用発明の各構成は、それぞれ、対応する本件補正発明の欄に記載した次の本件補正発明の構成に相当する。 <引用発明> <本件補正発明> 青色LD12 第1半導体レーザ素子 赤色LD14 第2半導体レーザ素子 赤外LD13 第3半導体レーザ素子 支持基体11 サブマウント (ウ) 構成Aの観点(レンズ部材について) a 構成Aは、「少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材」を備えることである。 b 引用発明においては、「多波長レーザ装置に対して単一の光学系を使用する場合にそれぞれのレーザ光の焦点距離が異なるという問題が、レーザ光出射点位置を調整することによって解決され[る]」(【0033】)ことから、引用発明は、「青色LD12」、「赤色LD14」及び「赤外LD13」が発するレーザ光に対して集光作用(レンズ作用)を奏する部材とともに用いることが理解される。 c そうすると、本件補正発明の引用発明との、構成Aの観点における、一致点及び相違点は、それぞれ次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成Aの観点での一致点 「第1半導体レーザ素子」~「第3半導体レーザ素子」が発するレーザ光に対してレンズ作用をする部材とともに用いるものである点。 (b) 構成Aの観点での相違点 「第1半導体レーザ素子」~「第3半導体レーザ素子」が発するレーザ光に対して用いるレンズ作用を奏する部材が、 本件補正発明においては 「少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材」であるのに対して、 引用発明においては、 「多波長レーザ装置」自体が「少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材」を備えることの特定が少なくとも無い点。 (エ) 構成Bの観点(半導体レーザ素子について) a 構成Bは、「第1発光点から、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1半導体レーザ素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る第1平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第2発光点から、前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2半導体レーザ素子と、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面よりも前記レンズ部材から遠い位置に配置される第3発光点から、前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子と、を含む複数の半導体レーザ素子と」を備えることである。 b(a) 前記(イ)の相当関係を踏まえると、次のi~iiiに示す相当関係は自明のことである。 i 引用発明における「青色LD12」が本件補正発明における「第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1半導体レーザ素子」に相当し、引用発明における「青色LD12」の発する「レーザ光」及び「レーザ光出射点」がそれぞれ本件補正発明における「第1波長に発光ピークを有する第1の光」及び「第1発光点」に相当すること。 ii 引用発明における「赤色LD14」が本件補正発明における「前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2半導体レーザ素子」に相当し、引用発明における「赤色LD14」の発する「レーザ光」及び「レーザ光出射点」がそれぞれ本件補正発明における「前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光」及び「第2発光点」に相当すること。 iii 引用発明における「赤外LD13」が本件補正発明における「前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子」に相当し、引用発明における「赤外LD13」の発する「レーザ光」及び「レーザ光出射点」がそれぞれ本件補正発明における「前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光」及び「第3発光点」に相当すること。 (b) また、前記(ウ)において検討したとおり、引用発明は、「第1半導体レーザ素子」~「第3半導体レーザ素子」が発するレーザ光に対して用いるレンズ作用をする部材」(以下「レンズ作用部材」という。)を含むといえるところ、かかる「レンズ作用部材」における「少なくとも一つのレンズ作用を奏する面」に「光軸」を定義できることは自明である。 そうすると、前記(イ)及び前記(a)の相当関係も踏まえると、次のi及びiiに示す相当関係は自明のことである。 i 引用発明における「レンズ作用部材」の「少なくとも一つのレンズ作用を奏する面」の光軸に垂直な平面であり「青色LD12」の「レーザ光出射点」を通る平面が、本件補正発明における「前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る」「第1平面」に相当すること。 ii 引用発明における「レンズ作用部材」の「少なくとも一つのレンズ作用を奏する面」の光軸に垂直な平面であり「赤色LD14」の「レーザ光出射点」を通る平面が、本件補正発明における「前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る」「第2平面」に相当すること。 c 引用発明においては、「多波長レーザ装置のヘッダの先端部では支持基体11の一主面上に青色LD12、赤外LD13及び赤色LD14が配設されており」(【0017】)、「青色LD12」、「赤外LD13」及び「赤色LD14」は、「より短い波長のレーザダイオードの順序でレーザ光出射点がその光出射方向に向いて前方に配置され」(【請求項1】)、「多波長レーザ装置に対して単一の光学系を使用する場合にそれぞれのレーザ光の焦点距離が異なるという問題が、レーザ光出射点位置を調整することによって解決され[る]」(【0033】)。 そうすると、「赤色LD14」の「レーザ光出射点」(「第2発光点」に相当する。)は、「第1平面」よりも、「レンズ作用部材」から遠い位置に配置されるといえる。 また、「赤外LD13」の「レーザ光出射点」(「第3発光点」に相当する。)は、「第1平面」よりも、「レンズ作用部材」から遠い位置に配置されるといえる。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、前記構成Aに係る相違点を除き、次の点において一致する。 「「第1発光点から、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1半導体レーザ素子と、」レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用を奏する面「の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る第1平面よりも」前記レンズ作用部材「から遠い位置に配置される第2発光点から、前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2半導体レーザ素子と、」レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用を奏する面「の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面よりも」前記レンズ作用部材「から遠い位置に配置される第3発光点から、前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子と、を含む複数の半導体レーザ素子と」を備える点。 (オ) 構成Cの観点(レンズ部材について) a 構成Cは、「前記複数の半導体レーザ素子が並べて配置される上面を有するサブマウントと、」を備えることである。 b 引用発明における「支持基体11」は、「支持基体11上におけるそれぞれのLDは、それらが出射するレーザビームが互いにほぼ平行になるようにマウントされて[いる]」ことから、本件補正発明でいう「前記複数の半導体レーザ素子が並べて配置される上面を有するサブマウント」であるといえる。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記複数の半導体レーザ素子が並べて配置される上面を有するサブマウントと、」を備える点。 (カ) 構成Dの観点(サブマウントの外縁について) a 構成Dは、「前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記サブマウントの前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第1発光点を通る第1直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第2発光点を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ部材から近い点を通り、また、前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記上面視で、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第3発光点を通る第3平面、前記第2直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ部材から近い点をさらに通[る]」ことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Dに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明においては、「前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記サブマウントの前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第1発光点を通る第1直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第2発光点を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ部材から近い点を通り、また、前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記上面視で、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第3発光点を通る第3平面、前記第2直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ部材から近い点をさらに通[る]」のに対して、 引用発明においては「支持基体11に切り込み21を設け、レーザ光が支持基体11によって遮断されることを防止する」点。 (キ) 構成Eの観点(光軸について) a 構成Eは、「前記第1の光、前記第2の光、及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態で前記少なくとも1のレンズ面を通過し、前記第1の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有さず、前記第2の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有[する]」ことである。 b 引用発明の「青色LD12」、「赤色LD14」及び「赤外LD13」は、「支持基体11上におけるそれぞれのLDは、それらが出射するレーザビームが互いにほぼ平行になるようにマウントされて[いる]」(【0018】)ことから、本件補正発明でいう「前記第1の光、前記第2の光、及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態」で前記レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用をする面を通過するといえる。 c 一方で、引用発明の「青色LD12」及び「赤色LD14」の発する各レーザ光のそれぞれと前記レンズ作用部材の少なくとも一つレンズ作用をする面の光軸の間の関係は不明である。 d 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明の引用発明との構成Eの観点における一致点及び相違点は、それぞれ次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成Eの観点での一致点 「前記第1の光、前記第2の光、及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態で」前記レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用をする面を通過する点。 (b) 構成Eの観点での相違点 本件補正発明においては、 前記第1の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有さず、前記第2の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有[する]のに対して、 引用発明においては、 「青色LD12」及び「赤色LD14」の発する各レーザ光の中心が進む方向のそれぞれと前記集光部材の少なくとも1のレンズ面の光軸との関係は不明である」点。 (ク) 構成Fの観点(レンズ面について) a 構成Fは、「前記少なくとも1のレンズ面は、前記上面視及び前記上面視で前記第1直線に垂直な方向からみた平面視において曲率を有する球面または非球面であり、前記少なくとも1のレンズ面は、単一のレンズ面である」ことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Fに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 「前記少なくとも1のレンズ面は、前記上面視及び前記上面視で前記第1直線に垂直な方向からみた平面視において曲率を有する球面または非球面であり、前記少なくとも1のレンズ面は、単一のレンズ面である」点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。 (ア) 一致点 第1半導体レーザ素子~第3半導体レーザ素子が発するレーザ光に対してレンズ作用をする部材(以下「レンズ作用部材」という。)とともに用いるものであり、 第1発光点から、第1波長に発光ピークを有する第1の光を出射する第1半導体レーザ素子と、前記レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用を奏する面の光軸に垂直な平面であり前記第1発光点を通る第1平面よりも前記レンズ作用部材から遠い位置に配置される第2発光点から、前記第1波長とは異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光を出射する第2半導体レーザ素子と、レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用を奏する面の光軸に垂直な平面であり前記第2発光点を通る第2平面よりも前記レンズ作用部材から遠い位置に配置される第3発光点から、前記第1波長および前記第2波長とは異なる第3波長に発光ピークを有する第3の光を出射する第3半導体レーザ素子と、を含む複数の半導体レーザ素子と、 前記複数の半導体レーザ素子が並べて配置される上面を有するサブマウントと、 を備え、 前記第1の光、前記第2の光及び前記第3の光は、互いの光軸が重ならない状態で前記レンズ作用部材の少なくとも一つのレンズ作用をする面を通過する、 発光装置」の発明である点。 (イ) 相違点 a 相違点1(構成A、B及びFに係る相違点) レンズ作用部材(第1半導体レーザ素子~第3半導体レーザ素子が発するレーザ光に対して用いるレンズ作用を奏する部材)が、 本件補正発明においては 「少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材」であり、 「前記少なくとも1のレンズ面は、前記上面視及び前記上面視で前記第1直線に垂直な方向からみた平面視において曲率を有する球面または非球面であり、前記少なくとも1のレンズ面は、単一のレンズ面である」のに対して、 引用発明においては、 「多波長レーザ装置」自体が「少なくとも1のレンズ面を有するレンズ部材」を備えることの特定が少なくとも無く、 レンズ作用部材が具体的にどのようなものであるのか不明である点。 b 相違点2(構成Eに係る相違点) 本件補正発明においては、 前記第1の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有さず、前記第2の光は、前記少なくとも1のレンズ面の光軸上を進む光を有[する]のに対して、 引用発明においては、 「青色LD12」及び「赤色LD14」の発する各レーザ光の中心が進む方向のそれぞれと前記集光部材の少なくとも1のレンズ面の光軸との関係は不明である」点。 c 相違点3(構成Dに係る相違点) 本件補正発明においては、「前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記サブマウントの前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第1発光点を通る第1直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第2発光点を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ部材から近い点を通り、また、前記サブマウントの前記上面の外縁は、前記上面視で、前記第2平面、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に垂直な平面であり前記第3発光点を通る第3平面、前記第2直線、および、前記少なくとも1のレンズ面の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ部材から近い点をさらに通[る]」のに対して、 引用発明においては、「支持基体11に切り込み21を設け、レーザ光が支持基体11によって遮断されることを防止する」点。 (4) 判断 ア 相違点1及び相違点2について (ア) 相違点1について 「CAN型のレーザ装置において、キャップ部に単一のレンズ面を持つ平凸レンズを設けること」は技術常識である(前記(2)ウ(イ)の「技術常識1」参照)。したがって、引用発明におけるレンズ作用部材(三つのレーザダイオード(半導体レーザ素子)が発するレーザ光に対してレンズ作用をする部材)として、技術常識である「キャップ部に設けられた単一のレンズ面を持つ平凸レンズ」を採用して、相違点1に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者には自明の設計事項にすぎない。 (イ) 相違点2について 引用発明の三つのレーザダイオード(半導体レーザ素子)のうち中間の位置に位置するものは「赤色LD14」であるから、「赤色LD14」の発するレーザ光の中心が進む方向と、単一の光学系の光軸(前記集光部材の少なくとも1のレンズ面の光軸)の方向とを一致させることは、当業者にはごく自明でごく自然の選択にすぎない。そして、この場合、青色LD12の発するレーザ光の中心が進む方向と単一の光学系の光軸(前記集光部材の少なくとも1のレンズ面の光軸)とはずれることとなる。その結果、相違点2を満たすこととなる。したがって、相違点2は、当業者にとっては、ごく自然に選択される設計事項にすぎず、引用発明において、相違点2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者には自明の設計事項にすぎない。 イ 相違点3について (ア) 前記(2)イ(イ)において認定したとおり、引用文献1には、次の引用文献1技術事項が記載されている。 「1つのサブマウント上に発光波長の互いに異なる2つの半導体レーザが配置されており、前記2つの半導体レーザは、それぞれの出射光軸同士が平行になるように、かつ接近するように配置され、また、2つの半導体レーザの主出射端面は同一平面になくて、所定の距離を隔てて配置されており、(【請求項1】) 同一のサブマウント上に発光波長が互いに異なる2つの半導体レーザを実装する場合に、共通の光学系においても発光波長に適した光路差を確保することが可能な半導体レーザ装置において、(【0013】) 前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有しているものとすることにより、(【請求項3】) 熱抵抗の増大を抑え、かつサブマウント1に複雑な加工を施すことなく、安価な半導体レーザ装置を提供することが可能になること(【0033】)こと。」 (イ) 引用発明と引用文献1技術事項は、「同一のサブマウント上に発光波長が互いに異なる2つの半導体レーザを実装する場合に、共通の光学系においても発光波長に適した光路差を確保することが可能な半導体レーザ装置」として共通するものであるところ、引用発明においても、支持基体11に複雑な加工を施すことなく安価な半導体レーザ装置を提供するようにするため、引用文献1技術事項における「前記2つの半導体レーザの主出射端面とサブマウントの一辺とが平行でなく、所定の角度を有しているものとすること」は、当業者には自明の設計事項である。 なお、引用文献1技術事項は、半導体レーザが2つの場合を想定しているが、半導体レーザが3つ以上であったとしても適用可能であることは、当業者にとって自明である。 そうすると、「前記「支持基体11」(「サブマウント」に相当する。)の上面の外縁は、前記「支持基体11」の前記上面の法線方向から見る上面視において、前記第1平面、前記第2平面、単一の光学系の光軸(「前記少なくとも1のレンズ面の光軸」に相当する。)に平行で「青色LD12」の「レーザ光出射点」(「第1発光点」に相当する。)を通る第1直線、及び、単一の光学系の光軸に平行で「赤色LD14」の「レーザ光出射点」(「第2発光点」に相当する。)を通る第2直線によって囲まれる領域の内側で、前記第1平面よりも前記レンズ作用部材から遠く、かつ、前記第2平面よりも前記レンズ作用部材から近い点を通ることとなる。 また、前記「支持基体11」の前記上面の外縁は、前記上面視で、前記第2平面、単一の光学系の光軸に垂直な平面であり前記「赤外LD13」の「レーザ光出射点」(「第3発光点」に相当する。)を通る第3平面、前記第2直線、及び、前記単一の光学系の光軸に平行で前記第3発光点を通る第3直線によって囲まれる領域の内側で、前記第2平面よりも前記レンズ作用部材から遠く、かつ、前記第3平面よりも前記レンズ作用部材から近い点をさらに通る」こととなり、前記相違点3に係る本件補正発明の構成を備えることとなる。 したがって、引用発明において相違点3に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明及び引用文献1技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 総合評価 前記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明及び引用文献1技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難でありかつ格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献1技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張の内容 請求人は、上申書において、審査官は、拒絶査定において、引用文献2を主引例とした場合の進歩性について本願発明と引用発明の対比判断を行っていないから、出願人(請求人)に適切な機会保障が図られていない旨主張している。 (イ) 請求人の主張1についての検討 原査定の理由2では、本件補正前発明は、引用文献1を主引例とした場合だけでなく、引用文献2を主引例とし引用文献1を副引例とした場合についても、進歩性を有しないことが示されている。 そして、令和6年5月27日付け拒絶理由通知書において、出願当初の請求項1に係る発明と、引用文献2に記載された発明との対比判断、及び、引用文献2に記載された発明に引用文献1に記載された「サブマウント1」適用することの容易想到性については、既に判断が示されている。 また、「CAN型のレーザ装置において、キャップ部に単一のレンズ面を持つ平凸レンズを設けること」は技術常識(「技術常識1」)である。 そうすると、請求人の前記主張は採用できない。 オ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本願補正発明は、引用発明及び引用文献1記載技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(4)オのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項2(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由2(進歩性の欠如) 本願発明は、出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 <主たる引用文献> 引用文献2.特開2004-304111号公報 引用文献1.特開2002-057411号公報 <周知技術を示す文献> 引用文献3.特開2017-147420号公報 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等 引用文献2に記載された事項並びに引用発明及び引用文献1技術事項は、前記第2の3(2)ア(ウ)及び同イ(イ)において示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明から、前記第2の2(1)のアからキに示した限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成を全て含み、その構成の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(4)において説示したとおり、引用発明及び引用文献1技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により引用発明及び引用文献1技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-019130

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