特許異議申立
2018-700348
火災報知設備の支援システム
- 審判番号
- 2018-700348
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-076200
- 登録番号
- 特許第6228254号(P6228254)
- 請求日
- 2018年04月25日
- 審決日
- 2019年06月17日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】能美防災株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人朝日特許事務所
- 【異議申立人】市東 勇
- 審判長/審判官
- 審判長 北岡 浩
- 審判官 丸山 高政
- 審判官 吉田 隆之
- 分類
- P1651.841-ZAA(G08B) / P1651.537-ZAA(G08B) / P1651.121-ZAA(G08B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法36条6項2号特許法113条2号特許法113条4号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項、特許法第113条第4号、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6228254号発明「火災報知設備の支援システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6228254号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし3について訂正することを認める。
特許第6228254号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6228254号の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成28年4月5日(原出願日 平成23年10月19日)に出願され、平成29年10月20日にその特許権の設定登録がされ、平成29年11月8日に特許公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
平成30年 4月25日 : 特許異議申立人市東勇による請求項1~3
に係る特許に対する特許異議の申立て
平成30年 7月26日付け: 取消理由通知書
平成30年10月 1日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提
出
平成30年12月10日 : 特許異議申立人市東勇による意見書の提出
平成31年 3月 1日付け: 取消理由通知書(決定の予告)
第2 訂正の適否
1.訂正の内容
訂正事項
訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記火災受信機の現在の状態の確認と、」と記載されているのを、「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報と、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2及び3も同様に訂正する)。
訂正事項2
明細書の段落【0006】に「前記火災受信機の現在の状態の確認」と記載されているのを、「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」に訂正する。
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1
訂正事項1に係る訂正は、「前記火災受信機の現在の状態の確認と、」との記載を、「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報と、」との記載に訂正することで、「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」の取得という、火災受信機の現在の状態を確認することができるという目的を達成するための手段を限定するものものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
明細書には、段落【0012】に「この外部サーバSV1は、イベントログ機能に加え、受信したイベント情報に基づいて火災受信機REの状態を示す閲覧ページをHTML等で自動作成して公開するページ作成機能を有している。また、イベント情報を受信する火災受信機REが設置される防火対象物となる建物等の設備図面のデータを用い、火災発生場所や故障の端末機器の場所を示すCRTシステムの機能を備えている。」、段落【0020】に「イベント情報として、火災受信機REが出力した情報がベースとなり、火災信号であれば、火災を検出した火災感知器のアドレスや種別、さらには位置情報を示すテキスト、発生した日時などで構成される。このイベント情報に必要な情報はイベントの種類によって異なり、故障の場合には、故障の種別などが用いられる。」と記載されていることからみて、外部サーバSV1は、火災に限らず、故障の場合についてもイベント情報を受信して閲覧ページを自動作成して公開することが把握できるから、上記記載により導かれる技術的事項は、火災発生や故障のイベント発生を認識した火災受信機REは、外部サーバSV1にその火災発生や故障のイベント情報を送信し、火災発生や故障のイベント情報を受信した外部サーバSV1は、受信した火災発生や故障のイベント情報に基づいて火災受信機REの状態を示す閲覧ページをHTML等で自動作成して公開し、火災発生場所や故障の端末機器の場所を示すという事項である。
一方、段落【0022】には、「すなわち、火災発生であれば、現在火災受信機REの盤面に表示されている火災発生の端末情報と同様に、ページのデータに端末情報を掲載するように更新する。」と記載されているから、上記記載を考慮すると、故障であれば、現在火災受信機REの盤面に表示されている故障の端末情報と同様に、ページのデータに端末情報を掲載するように更新するものであって、火災発生、故障のどちらの場合でも、現在火災受信機REの盤面に表示されている端末情報と同様に、ページのデータに端末情報を掲載するように更新するという技術的事項が導かれる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものとまではいえないから、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
3.小括
上記のとおり、訂正事項1及び2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正することを認める。
第3 取消理由の概要
平成30年10月1日付けの訂正請求書により訂正された請求項1ないし3に係る特許に対して、当審が平成31年3月1日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。
1.本件発明1~3の「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」がどのような「端末情報」であるのかが、明細書及び図面の記載を考慮しても不明確であるから、その発明に係る特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するので、取り消すべきものである。
2.本件発明1及び2は、甲第1号証に記載された発明並びに周知技術1及び周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定により、取り消すべきものである。
3.本件発明3は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1~周知技術3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定により、取り消すべきものである。
第4 当審の判断
1.訂正後の請求項1~3に係る発明
上記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は適法であるので、訂正後の請求項1~3に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明3」という。)は、次のとおりである(下線部は、訂正された箇所を示すものであり、当審が付した。)。
「【請求項1】
通信手段を介してインターネットに接続される火災受信機と、
前記火災受信機から移報されたイベント情報を受信して保管する、前記インターネットに接続された外部サーバとを備えた支援システムにおいて、
前記外部サーバは、
前記火災受信機が設置される防火対象物となる建物の設備図面データが格納され、
前記イベント情報に基づいて前記火災受信機の状態を示す閲覧ページを自動作成して公開するページ作成機能と、を有し、
火災が発生すると、前記外部サーバは、インターネット経由で閲覧されるページのデータを更新し、登録された関係者が携帯するモバイル端末に火災情報有りの通報動作を行い、
前記モバイル端末は、外部から前記インターネットを介して外部サーバにアクセスし、
前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報と、火災発生場所を示す地図情報を取得することができることを特徴とする火災報知設備の支援システム。
【請求項2】
前記外部サーバは、前記イベント情報を受信すると、該イベント情報を履歴として格納するとともに、前記閲覧ページのデータを更新することを特徴とする請求項1記載の支援システム。
【請求項3】
非火災の場合に、モバイル端末で撮影された誤報源を関係者に通報することを特徴とする請求項1および2に記載の火災報知設備の支援システム。」
2.特許法第36条第6項第2項について
本件発明1の「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」がどのような「端末情報」であるのかが、明細書及び図面の記載を考慮しても不明確である。
本件明細書における「端末情報」に関する記載は、「すなわち、火災発生であれば、現在火災受信機REの盤面に表示されている火災発生の端末情報と同様に、ページのデータに端末情報を掲載するように更新する。」(【0022】)との記載の他は、訂正事項2に係る訂正による「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」(【0006】)との記載のみである。
請求項1の記載及び段落【0006】の記載からでは、「火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報」がどのような情報により構成されているのかが不明である。
他方、段落【0022】の前記記載における「ページのデータ」は、「イベント情報を受信した外部サーバSV1は(S03)、イベントログ機能として、そのイベント情報を履歴として格納し、同時に、現在の火災受信機REの状態としてイベントを保持し、インターネット経由で閲覧されるページのデータを更新する(S04)。」(【0022】)との記載の「ページのデータ」のことであると解される。
そして、該「ページのデータ」は、イベント情報を受信した外部サーバSV1が更新するのであるから、「ページのデータ」に掲載する「端末情報」は、外部サーバSV1が受信する「イベント情報」に含まれると解する余地がある。しかし、段落【0020】によれば、例示されているイベント情報は「火災を検出した火災感知器のアドレスや種別、さらには位置情報を示すテキスト、発生した日時など」であるが、明細書及び図面をみてもそれらの「イベント情報」が火災受信機REの盤面に表示されていることを示す記載はない。結局、本願明細書及び図面を参照しても、「端末情報」の前記解釈を裏付けることはできず、結果として本件発明1の「火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」が具体的にどのようなものであるかを解釈することができない。
他方、「ページのデータ」に掲載される「端末情報」は、イベント情報を受信したタイミングで更新されるものの、「イベント情報」とは無関係の情報であると解する余地もある。この場合、「現在火災受信機REの盤面に表示されている火災発生の端末情報」と「ページのデータ」に掲載される「端末情報」とが同じ情報であると整合的に解釈することは可能であるものの、「イベント情報」とは無関係の「現在火災受信機REの盤面に表示されている火災発生の端末情報」が具体的にどのような情報であるかの説明は、本願明細書及び図面に存在しない。
更に、本件発明1には、「同様に掲載される」端末情報と記載されており、範囲を曖昧にし得る表現がある結果、発明の範囲が不明確となる。
したがって、本件発明1の「前記火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」がどのような「端末情報」であるのかが、明細書及び図面の記載を考慮しても不明確である。
本件発明1を引用する本件発明2~3についても、上記本件発明1と同様に、特許を受けようとする発明が明確でない。
3.特許法第29条第2項について
(1)引用文献の記載
取消理由通知において引用した甲第1号証(特開2002-183864号公報)には、図面とともに以下の記載がある(下線は当審で付与。)。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災報知設備、消火設備、防排煙設備、防犯設備等の防災設備の状況を、遠方の管理者等に報知するための、防災情報報知システム、防災情報処理装置、情報端末装置、防災情報報知方法、および、記録媒体に関連する。」
イ 「【0056】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる防災情報報知システム、防災情報処理装置、情報端末装置、防災情報報知方法、および、記録媒体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0057】(防災情報報知の全体の概要)以下、本システムにて行われる防災情報報知の全体の概要について説明し、その後、本システムの構成および処理等について詳細に説明する。図1はこの実施形態にかかる防災情報報知システムの全体構成図である。
【0058】この図1に示すように、本システムは、防災設備の防災情報を報知するためのシステムであり、防災設備1における防災情報を出力する複数の防災監視盤100と、この防災情報を受信する防災情報処理装置としてのサーバ装置200と、この防災情報を報知される被報知者の情報端末装置としての携帯電話300とを備えて構成されている。そして、防災監視盤100とサーバ装置200とは、電話回線400を介して相互に接続されており、サーバ装置200と携帯電話300とは、基地局401、パケット網402に配置されたゲートウェイサーバ装置403、および、インターネット404を介して通信可能に接続されている。
【0059】このように構成される本システムは、下記のような基本的特徴を有する。まず、防災設備1の全体を統括して監視制御する防災監視盤100は、防災設備1の監視情報等の防災情報をサーバ装置200に定期的およびまたは随時に出力する。このサーバ装置200は、この防災情報の内容に応じて、防災情報の詳細な内容を含んだWebページを生成すると共に、被報知者の携帯電話300に電子メールを送信する。この電子メールには、防災情報の概要と、上記生成したWebページの所在を特定するための情報が含まれている。そして、被報知者は、この電子メールを携帯電話300にて受信して閲覧することにより、防災情報の概要を把握することができると共に、上記Webページを閲覧して防災情報の詳細な内容を把握することができる。
【0060】ここで、防災設備1とは、上述した火災報知設備、消火設備、防排煙設備、防犯設備等の全ての防災に関連する設備を含む概念であり、その具体的な構成は任意である。本実施の形態における防災設備1は、以下、複数のマンションの各々に設けられた火災報知設備および消火設備であるものとして説明する。このうち、火災報知設備は、例えば、防災設備機器として、複数の火災感知器および地区音響装置を備えて構成されている。この火災感知器は、公知の原理に基づいて所定の監視範囲における火災発生を感知し、火災発生を感知した際には火災感知信号を出力する。また、防災監視盤100は、この火災感知信号を受信することで、火災表示および火災警報を行うと共に、必要な地区音響装置を鳴動させる作動信号を出力する。また、消火設備は、例えば、防災設備機器として、複数のスプリンクラーヘッドを備えたスプリンクラー設備で構成されている。この消火設備は、設備単独で動作する他、火災報知設備の防災監視盤100からの制御信号によって操作され、その作動時には作動内容に応じた作動信号を出力する。」
ウ 「【0061】また、防災情報とは、防災設備1に関連する全ての情報を含む概念であり、その具体的な内容は任意である。本実施の形態における防災情報は、火災発生に関連する情報である火災情報、制御機器の作動に関連する情報である作動情報、および、機能障害に関連する情報である障害情報、の少なくとも一つを含んで構成されている。
【0062】さらに、これら火災情報、作動情報、および、障害情報は、いずれも、概要情報と詳細情報とに大別される。このうち、概要情報には、イベントが発生した発生日時(発生日時)、イベントが発生した住所、イベントの種別(火災、作動、または、障害)が含まれる。また、詳細情報には、イベントが発生した防災設備1に関連する地図の地図データ、イベントの履歴データ、イベントが発生した旨やその内容等を知らせるべき関係者の情報、イベントに対処するための対処方法、および、イベントが発生した旨を送信した防災設備1自体に関連する情報を含んで構成される。
【0063】このような防災情報を報知される被報知者は、任意に決定することができる。ここでは、防災情報が火災情報や作動情報である場合には、防災設備1の管理を行なうビル管理会社や警備会社等の管理者が被報知者である。また、防災情報が障害情報である場合には、上記管理者と、防災設備1の保守や修理を行なう設備メーカーの保守者とが被報知者になる。」
エ 「【0067】また、制御部104は、防災監視盤100の各部を制御する制御手段であり、防災設備機器から各種の信号を受信すると、この信号の解析を行い、この信号の内容に対応した処理を行う。この処理としては、例えば、表示および警報処理を行うと共に、受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報を、入出力制御IF103および電話回線400を介してサーバ装置200に送信する。また、制御部104は、サーバ装置200からの制御信号に基づいて、防災設備機器に対して制御信号を出力する。なお、防災監視盤100からサーバ装置200への防災情報の送信は、防災設備機器からの信号を受信したような場合以外にも、定期的(例えば、数時間毎)に送信しても良いし、あるいは、サーバ装置200から要求があった場合に送信しても良い。
【0068】(システム構成―サーバ装置200)次に、サーバ装置200の構成について説明する。図3はサーバ装置200の要部構成を示すブロック図である。図3においてサーバ装置200は、概略的に、管理DB(DB=データベース)201、アドレスDB202、アドレス決定DB203、地図DB204、関係者DB205、対処方法DB206、設備DB207、操作内容DB208、WebDB209、通信制御IF(IF=インターフェース)210、および、制御部220を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。さらに、このサーバ装置200は、ルータ等の図示しない通信装置および専用線を介して、インターネットに通信可能に接続されている。」
オ 「【0072】また、地図DB204は、各火災報知設備または各消火設備に関連する地図情報を格納する地図情報格納手段である。この地図DB204に格納される情報は、図8に例示するように、各火災報知設備または各消火設備の各設備ID、各火災報知設備または各消火設備を含んだ平面図の画面データ、を相互に関連付けて構成されている。また、地図情報として、防災設備1を設置している建物の所在地を示す地図の画面データを格納してもよい。」
カ 「【0077】また、WebDB209は、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページのWebデータを格納するWeb情報格納手段である。このWebDB209に格納される情報は、URL、Webデータ、を相互に関連付けて構成されている。なお、Webデータは、例えば、Compact HTML(Hypertext Markup Language)、WML(Wireless Markup Language)、あるいは、HDML(Handheld Device Markup Language)にて記述され格納されている。この他、Webデータには、必要に応じて、携帯電話300において出力するための音声をWAVE形式やAIFF形式の如き音声ファイルで格納したり、静止画や動画をJPEG形式やMPEG2形式の如き画像ファイルで格納することができる。」
キ 「【0079】このうち、防災情報受信部221は、防災監視盤100から送信された防災情報を受信する受信手段である。また、電子メール生成部222は、防災情報受信部221によって防災情報が受信された際、当該防災情報を報知するためのWebページのURLを含んだ電子メールであって、アドレスDB202によって格納された電子メールアドレスを宛て先とする電子メールを生成する電子メール生成手段である。また、電子メール送信部223は、電子メール生成部222によって生成された電子メールを、インターネット404を介して送信する電子メール送信手段である。
【0080】また、Webページ生成部224は、防災情報受信部221によって受信された防災情報に基づいて、Webページを生成するWebページ生成手段である。また、送信結果解析部225は、電子メール送信部223による電子メールの送信結果を解析する送信結果解析手段である。また、設備制御部226は、管理者等の操作内容に従って、火災報知設備または消火設備を操作するための制御信号を生成する制御信号生成手段である。なお、これら各部によって行なわれる処理の詳細については、後述する。」
ク 「【0085】(処理の内容-防災監視盤100における処理)次に、このように構成された本システムを用いて行なわれる処理の内容について説明する。防災監視盤100は、防災設備機器からの火災感知信号の有無と、作動の有無とを監視すると共に(通常監視状態)、所定間隔で自己および防災設備機器に対する機能試験を行なうことによって各設備の機能異常の有無を判断する。そして、防災監視盤100は、火災感知信号や作動があった場合、機能異常があった場合、あるいは、定期的に、防災情報を所定方法にて生成してサーバ装置200に出力する。この防災情報は、例えば、当該防災情報を送信した火災報知設備または消火設備(以下、当該設備)の設備ID、防災情報の種別、発生日時、送信された信号が火災感知信号である場合には火災感知器にて感知された煙濃度等のアナログデータ(履歴データ)、を含んで構成される。
【0086】(処理の内容-Webデータ生成等)一方、サーバ装置200の防災情報受信部221は、防災監視盤100からの防災情報の送信の有無を監視している。そして、防災情報を受信した場合には、この防災情報をWebページ生成部224に受け渡す。このWebページ生成部224は、防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成する。このWebページ生成部224によるWebページの生成に関連する処理のフローチャートを図13、14に示す。」
ケ 「【0094】さらに、Webページ生成部224は、このように取得したマンションの住所、防災情報の種別、および、発生日時と、上述のように生成した地図情報Webページ、グラフ表示ページ、関係者一覧表示ページ、対処方法表示ページ、設備詳細表示ページ、および、操作ページのそれぞれを表示するためのハイパーリンクを表示するメニューページのWebデータを生成する(ステップSA-17)。これにてWebデータの生成を終了する。
【0095】なお、これまで説明したWebデータの動的生成は、例えば、CGI(CommonGateway Interface)を用いて行なうことができる。このようなWebデータの生成後、あるいは、生成を行なう毎に、Webページ生成部224は、生成したWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納する(ステップSA-18)。」
コ 「【0099】そして、この管理者IDまたは保守者IDに基づいてアドレスDB202を参照し、防災情報を報知する管理者または保守者の電子メールアドレスを取得する(ステップSB-4)。そして、電子メール生成部222は、上記メニューページのURLと、マンションの住所、発生日時、および、防災情報の種別とを含むものであって、管理者または保守者の電子メールアドレスを宛て先とする電子メールのメールデータを生成して、このメールデータを電子メール送信部223に受け渡す(ステップSB-5)。これにて、電子メールの生成に関連する処理が終了する。
【0100】(処理の内容-電子メール送信等)この電子メール送信部223は、受け渡されたメールデータを、インターネットを介して送信する。この処理のフローチャートを図16に示す。具体的には、電子メール送信部223は、このメールデータに含まれる電子メールアドレスによって特定される携帯電話300に対して呼び出しを行なう(ステップSC-1)。一方、携帯電話300の制御部は、サーバ装置200からの呼び出しを受けることにより、当該携帯電話300の出力装置350におけるブザーを鳴動させ、およびまたは、バイブレータを作動させる。」
サ 「【0106】(処理の内容-Webページの閲覧等)その後、管理者または保守者は、防災情報の詳細情報を知りたい場合には、電子メールに表示されているメニューページのURLMA-4を入力装置340を介して選択する。すると、Webブラウザ311は、このURLを通信制御IFを介して所定の通信規約にて送信し、このURLに基づくルーティングによってサーバ装置200に対するメニューページのWebデータの送信要求を行う。
【0107】一方、サーバ装置200は、携帯電話300からの送信の有無を監視しており、送信を受けると、この送信の内容を解析し、その結果に応じて当該制御部内の各部に処理を移す。送信の内容がWebデータの送信要求である場合には、WebDB209から、当該URLに対応するメニューページのWebデータを取得し、このWebデータを通信制御IF210を介して携帯電話300に送信する。ここで、サーバ装置200から携帯電話300へデータ送信を行う際の当該携帯電話300の特定は、携帯電話300から送信要求と共に送信されたIPアドレスを用いて行うことができる。
【0108】この携帯電話300は、サーバ装置200からのWebデータを通信制御IF370を介して受信し、このデータをWebブラウザ311にて解析することにより、モニタにメニューページを表示する。このメニューページを図18に例示する。この図18に示すようにメニューページには、マンションの住所MB-1、発生日時MB-2、防災情報の種別MB-3、地図情報Webページ、グラフ表示ページ、関係者一覧表示ページ、対処方法表示ページ、および、設備詳細表示ページの各ページへのそれぞれのリンクボタンMB-4~MB-8と、対応する設備に対する操作内容を選択するための操作ページへのリンクボタンMB-9とが表示されている。
【0109】そして、管理者や保守者は、リンクボタンMB-4~MB-9のいずれかを入力装置340を介して選択する(例えば、各リンクボタンMB-4~MB-9に対応する番号を入力する)ことにより、各ページを閲覧することができる。具体的には、管理者や保守者が図18のメニューページにおいてリンクボタンMB-4を選択した場合には、この選択に応じたWebデータの送信要求がサーバ装置200に対して行なわれ、このサーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、地図情報Webページがモニタに表示される。この地図情報Webページには、図19に例示するように、防災情報を送信した当該設備名MC-1と、当該設備の機器MC-2と、その周囲の建屋を含んだ平面図MC-3が表示されている。したがって、管理者または保守者は、地図情報Webページを見ることによって、防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握することができる。」
シ 「【0114】なお、これまでに説明したような、防災監視盤100による防災情報の出力から、携帯電話300におけるWebページの表示までの各処理は、一定間隔で、あるいは、防災設備1において所定のイベントが発生する毎に繰り返し行われ、Webページの内容が最新の方法に更新される。すなわち、防災監視盤100の制御部は、一定間隔で、あるいは、防災設備1において所定のイベントが発生する毎に、防災情報を出力する。そして、サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成して、WebDB209に格納する。また、携帯電話300のWebブラウザ311は、Webデータに含まれるMetaタグを解析実行すること等によって、Webデータの再送要求を自動的に行ない、サーバ装置200から送信される最新のWebデータを解析してモニタに表示する。このような処理によれば、管理者等は、常に最新のトレンドグラフ等を見ることができる。」
ス 「【0119】また、上記実施の形態においては、防災情報を携帯電話300のモニタに表示させるものとして説明したが、この防災情報は、サーバ装置200または携帯電話300で音声変換して出力し、携帯電話300のスピーカを介して音声出力してもよい。また、上記実施の形態においては、WebページのWebデータを動的生成するものとして説明したが、地図情報Webページや関係者一覧表示ページ等のWebデータを予め生成しておき、これらのページのURLを電子メールにて送信するようにしてもよい。
【0120】また、上記実施の形態において、防災情報の履歴データのWebページ生成例として、煙濃度をトレンドグラフとして表示する例を示したが、この他にも、防災設備1の構成内容に応じて、温度、ガス濃度等の任意の物理量をトレンドグラフとして表示することができる。また、防災監視盤100から受信した防災情報の履歴一覧をWebページとして生成することもできる。この場合の履歴一覧の各防災情報は、例えば、設備ID、防災情報の種別、発生日時から構成される。」
セ
(甲第1号証の【図3】)
ソ
(甲第1号証の【図17】)
タ
(甲第1号証の【図19】)
上記アの段落【0001】によれば、「本発明は、火災報知設備等の防災設備の状況を、遠方の管理者等に報知するための、防災情報報知システム」に関する。
上記イの段落【0056】には「以下に、本発明にかかる防災情報報知システム(中略)の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。」、上記イの段落【0058】には「本システムは、防災設備の防災情報を報知するためのシステムであり、防災設備1における防災情報を出力する複数の防災監視盤100と、この防災情報を受信する防災情報処理装置としてのサーバ装置200と、この防災情報を報知される被報知者の情報端末装置としての携帯電話300とを備えて構成されている。そして、防災監視盤100とサーバ装置200とは、電話回線400を介して相互に接続されており、サーバ装置200と携帯電話300とは、基地局401、パケット網402に配置されたゲートウェイサーバ装置403、および、インターネット404を介して通信可能に接続されている。」、上記ウの段落【0061】には「また、防災情報とは、防災設備1に関連する全ての情報を含む概念であり、その具体的な内容は任意である。本実施の形態における防災情報は、火災発生に関連する情報である火災情報、制御機器の作動に関連する情報である作動情報、および、機能障害に関連する情報である障害情報、の少なくとも一つを含んで構成されている。」、上記ウの段落【0062】には「さらに、これら火災情報、作動情報、および、障害情報は、いずれも、概要情報と詳細情報とに大別される。このうち、概要情報には、イベントが発生した発生日時(発生日時)、イベントが発生した住所、イベントの種別(火災、作動、または、障害)が含まれる。また、詳細情報には、イベントが発生した防災設備1に関連する地図の地図データ、イベントの履歴データ、イベントが発生した旨やその内容等を知らせるべき関係者の情報、イベントに対処するための対処方法、および、イベントが発生した旨を送信した防災設備1自体に関連する情報を含んで構成される。」と記載されている。
段落【0056】に「本発明にかかる防災情報報知システム」と記載されるように、甲第1号証に記載された発明は「防災情報報知システム」であって、段落【0058】に記載されるように、「防災設備1における防災情報を出力する複数の防災監視盤100と、この防災情報を受信する防災情報処理装置としてのサーバ装置200と、この防災情報を報知される被報知者の情報端末装置としての携帯電話300とを備えて構成されて」おり、「防災監視盤100とサーバ装置200とは、電話回線400を介して相互に接続されており、サーバ装置200と携帯電話300とは、基地局401、パケット網402に配置されたゲートウェイサーバ装置403、および、インターネット404を介して通信可能に接続されている」防災情報報知システムである。そして、段落【0067】に「制御部104は、防災監視盤100の各部を制御する制御手段であり、防災設備機器から各種の信号を受信すると、・・・受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報を、入出力制御IF103および電話回線400を介してサーバ装置200に送信する。」と記載されているように、防災監視盤100とサーバ装置200とは、入出力制御IF103及び電話回線400を介して通信可能に接続されている。
また、段落【0061】に記載されるように、「防災情報」は、「防災設備1に関連する全ての情報を含む概念であって」、段落【0062】に記載されるように「イベントが発生した発生日時(発生日時)、イベントが発生した住所」などが含まれるものである。
つまり、甲第1号証には「防災設備1に関連する全ての情報を含む概念であって、イベントが発生した発生日時、イベントが発生した住所などが含まれる防災情報を出力する複数の防災監視盤100と、この防災情報を受信する防災情報処理装置としてのサーバ装置200と、この防災情報を報知される被報知者の情報端末装置としての携帯電話300とを備えて構成されており、防災監視盤100とサーバ装置200とは、入出力制御IF103及び電話回線400を介して相互に接続されており、サーバ装置200と携帯電話300とは、基地局401、パケット網402に配置されたゲートウェイサーバ装置403、および、インターネット404を介して通信可能に接続されている防災情報報知システム」が記載されているといえる。
上記キの段落【0079】には「防災情報受信部221は、防災監視盤100から送信された防災情報を受信する受信手段である。」、上記キの段落【0080】には「Webページ生成部224は、防災情報受信部221によって受信された防災情報に基づいて、Webページを生成するWebページ生成手段である。」、上記クの段落【0086】には「サーバ装置200の防災情報受信部221は、防災監視盤100からの防災情報の送信の有無を監視している。そして、防災情報を受信した場合には、この防災情報をWebページ生成部224に受け渡す。このWebページ生成部224は、防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成する。」、上記ケの段落【0095】には「Webページ生成部224は、生成したWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納する(ステップSA-18)。」と記載されており、また、上記セの【図3】には「サーバ装置200」は「防災情報受信部221」、「Webページ生成部224」、「WebDB209」を備えて構成されることが記載されている。
【図3】に記載されるように、甲第1号証に記載の「サーバ装置200」は「防災情報受信部221」、「Webページ生成部224」、「WebDB209」を備えて構成されており、段落【0079】に記載されるように、「防災情報受信部221」は「防災監視盤100から送信された防災情報を受信する受信手段」であって、段落【0080】に記載されるように、「Webページ生成部224」は「防災情報受信部221によって受信された防災情報に基づいて、Webページを生成する」手段である。
そして、Webページの生成については、段落【0086】に記載されるように、「Webページ生成部224」は、防災情報受信部221から受け渡された「防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成」して、段落【0095】に記載されるように、「Webページ生成部224」は、「生成したWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納」している。
ここで、「Webページ生成部224」が生成した「Webデータ」は、生成した「WebページのWebデータ」を意味することは当業者に自明である。
上記によれば、甲第1号証に記載の「サーバ装置200」は、「防災監視盤100から送信された防災情報を受信する防災情報受信部221」と、「防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成し、生成したWebページのWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納するWebページ生成部224」を備えているといえる。
上記イの段落【0059】には「防災設備1の全体を統括して監視制御する防災監視盤100は、防災設備1の監視情報等の防災情報をサーバ装置200に定期的およびまたは随時に出力する。」、上記イの段落【0060】には「本実施の形態における防災設備1は、以下、複数のマンションの各々に設けられた火災報知設備および消火設備であるものとして説明する。このうち、火災報知設備は、例えば、防災設備機器として、複数の火災感知器および地区音響装置を備えて構成されている。」、上記オの段落【0072】には「地図DB204は、各火災報知設備または各消火設備に関連する地図情報を格納する地図情報格納手段である。この地図DB204に格納される情報は、図8に例示するように、各火災報知設備または各消火設備の各設備ID、各火災報知設備または各消火設備を含んだ平面図の画面データ、を相互に関連付けて構成されている。また、地図情報として、防災設備1を設置している建物の所在地を示す地図の画面データを格納してもよい。」と記載されており、また、上記セの【図3】には「サーバ装置200」は「地図DB204」を備えて構成されることが記載されている。
段落【0059】に記載されるように、「防災監視盤100」は、「防災設備1の監視情報等の防災情報」を出力するのであって、段落【0060】に記載されるように、「防災設備1」は「複数のマンションの各々に設けられた火災報知設備および消火設備」である。「防災監視盤100」は、「火災報知設備および消火設備」の防災情報を出力しており、防災情報を出力するためには監視することが必要であることは、当業者に自明であるから、「火災報知設備および消火設備」は、「防災監視盤100が監視する防災設備1」であるといえる。そして、段落【0060】によれば、「火災報知設備は、防災設備機器として、複数の火災感知器および地区音響装置を備えて構成され」る。
また、【図3】に記載されるように、甲第1号証に記載の「サーバ装置200」は「地図DB204」を備えて構成されており、段落【0072】に記載されるように、「地図DB204に格納される情報」は、「各火災報知設備または各消火設備の各設備ID、各火災報知設備または各消火設備を含んだ平面図の画面データ、を相互に関連付けて構成されている」情報であるから、平面図に含まれる「各火災報知設備または各消火設備」は、「防災監視盤100が監視する防災設備1」であるといえる。
上記によれば、甲第1号証に記載の「サーバ装置200」は、「防災監視盤100が監視する防災設備1としての火災報知設備または消火設備を含んだ平面図の画面データが格納される地図DB204」を備え、火災報知設備は、防災設備機器として、複数の火災感知器および地区音響装置を備えて構成されるといえる。
上記ウの段落【0062】には「イベントの種別(火災、作動、または、障害)」、上記シの段落【0114】には「なお、これまでに説明したような、防災監視盤100による防災情報の出力から、携帯電話300におけるWebページの表示までの各処理は、一定間隔で、あるいは、防災設備1において所定のイベントが発生する毎に繰り返し行われ、Webページの内容が最新の方法に更新される。すなわち、防災監視盤100の制御部は、一定間隔で、あるいは、防災設備1において所定のイベントが発生する毎に、防災情報を出力する。そして、サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成して、WebDB209に格納する。」、上記スの段落【0120】には「防災監視盤100から受信した防災情報の履歴一覧をWebページとして生成することもできる。この場合の履歴一覧の各防災情報は、例えば、設備ID、防災情報の種別、発生日時から構成される。」と記載されている。
段落【0114】に記載されるように、「防災監視盤100の制御部」は、「防災設備1において所定のイベントが発生する毎に、防災情報を出力」し、「サーバ装置200のWebデータ生成部224」は、「防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成して、WebDB209に格納する」のであって、段落【0062】の記載によれば、防災設備1における「所定のイベント」は「火災」を含むものである。
そして、段落【0120】に記載されるように、「受信した防災情報の履歴一覧をWebページとして生成することもできる」のであって、防災情報の履歴一覧をWebページとして生成するのであれば、防災情報の履歴一覧のWebページについても、防災情報を受け取る毎に生成され、Webページを生成するのは、「サーバ装置200のWebデータ生成部224」であって、生成された防災情報の履歴一覧のWebページについてもWebDB209に格納するものと解される。
また、上記エの段落【0067】には「制御部104は、防災監視盤100の各部を制御する制御手段であり、防災設備機器から各種の信号を受信すると、この信号の解析を行い、この信号の内容に対応した処理を行う。この処理としては、例えば、表示および警報処理を行うと共に、受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報を、入出力制御IF103および電話回線400を介してサーバ装置200に送信する。」と記載されている。
段落【0067】に記載されるように、「防災監視盤100の制御部」は、「制御部104」であって、防災設備機器から各種の信号を受信すると、この信号の解析を行い、この信号に対応した表示処理を行うと共に、受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報をサーバ装置200に送信するものである。
上記によれば、「防災監視盤100は、火災報知設備が備える防災設備機器から各種の信号を受信すると、この信号の解析を行い、この信号に対応した表示処理を行うと共に、受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報をサーバ装置200に送信する制御部104を備え、防災設備1において火災が発生する毎に、防災監視盤100の制御部104は、防災情報を出力し、サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成し、防災情報の履歴一覧をWebページとして生成して、WebDB209に格納する」といえる。
上記ウの段落【0063】には「防災情報が火災情報や作動情報である場合には、防災設備1の管理を行なうビル管理会社や警備会社等の管理者が被報知者である。」、上記キの段落【0079】には「電子メール生成部222は、防災情報受信部221によって防災情報が受信された際、当該防災情報を報知するためのWebページのURLを含んだ電子メールであって、アドレスDB202によって格納された電子メールアドレスを宛て先とする電子メールを生成する電子メール生成手段である。また、電子メール送信部223は、電子メール生成部222によって生成された電子メールを、インターネット404を介して送信する電子メール送信手段である。」、上記コの段落【0099】には「電子メール生成部222は、上記メニューページのURLと、マンションの住所、発生日時、および、防災情報の種別とを含むものであって、管理者または保守者の電子メールアドレスを宛て先とする電子メールのメールデータを生成して、このメールデータを電子メール送信部223に受け渡す」、上記コの段落【0100】には「この電子メール送信部223は、受け渡されたメールデータを、インターネットを介して送信する。」と記載されており、また、上記セの【図3】には「サーバ装置200」は「電子メール生成部222」、「電子メール送信部223」を備えて構成されること、上記ソの【図17】には、防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールが記載されている。
【図3】に記載されるように、「サーバ装置200」は「電子メール生成部222」、「電子メール送信部223」を備えて構成されており、段落【0079】に記載されるように、「電子メール生成部222」は、「防災情報受信部221によって防災情報が受信された際、当該防災情報を報知するためのWebページのURLを含んだ電子メールであって、アドレスDB202によって格納された電子メールアドレスを宛て先とする電子メールを生成する電子メール生成手段」であって、「電子メール送信部223」は「電子メール生成部222によって生成された電子メールを、インターネット404を介して送信する電子メール送信手段」である。
【図17】には、防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールが記載されているから、「防災情報の種別が火災」である場合、「電子メール生成部222」は、防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールを生成するといえる。
ここで、電子メールの宛て先については、段落【0099】に記載されるように、「管理者または保守者の電子メールアドレス」であって、段落【0063】に記載されるように、「防災情報が火災情報」である場合は、「管理者が被報知者である」から、「防災情報が火災情報」である場合の「電子メール生成部222」が生成する電子メールの宛て先は、被報知者である管理者の電子メールアドレスであるといえる。
上記によれば、「サーバ装置200」は、「電子メール生成部222」、「電子メール送信部223」を備えており、「防災情報受信部221によって火災情報である防災情報が受信された際、電子メール生成部222は、被報知者である管理者の電子メールアドレスを宛て先とする防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールを生成し、電子メール送信部223は、電子メール生成部222によって生成された電子メールを、インターネット404を介して送信する」といえる。
上記サの段落【0106】には「その後、管理者または保守者は、防災情報の詳細情報を知りたい場合には、電子メールに表示されているメニューページのURLMA-4を入力装置340を介して選択する。すると、Webブラウザ311は、このURLを通信制御IFを介して所定の通信規約にて送信し、このURLに基づくルーティングによってサーバ装置200に対するメニューページのWebデータの送信要求を行う。」、上記サの段落【0108】には「この携帯電話300は、サーバ装置200からのWebデータを通信制御IF370を介して受信し、このデータをWebブラウザ311にて解析することにより、モニタにメニューページを表示する。」と記載されている。
段落【0106】に記載されるように、「Webブラウザ311」は、入力装置340を介して電子メールに表示されているメニューページのURLMA-4を選択し、該選択された「URLを通信制御IFを介して所定の通信規約にて送信し、このURLに基づくルーティングによってサーバ装置200に対するメニューページのWebデータの送信要求を行う」のであって、「Webブラウザ311」は、段落【0108】に、「携帯電話300は、サーバ装置200からのWebデータを通信制御IF370を介して受信し、このデータをWebブラウザ311にて解析することにより、モニタにメニューページを表示する。」と記載されているから、「携帯電話300」の「Webブラウザ311」である。
つまり、甲第1号証に記載の「携帯電話300」は、「Webブラウザ311により、URLに基づくルーティングによってサーバ装置200に対するメニューページのWebデータの送信要求を行う」といえる。
上記サの段落【0108】には「この携帯電話300は、サーバ装置200からのWebデータを通信制御IF370を介して受信し、このデータをWebブラウザ311にて解析することにより、モニタにメニューページを表示する。このメニューページを図18に例示する。この図18に示すようにメニューページには、マンションの住所MB-1、発生日時MB-2、防災情報の種別MB-3、地図情報Webページ、グラフ表示ページ、関係者一覧表示ページ、対処方法表示ページ、および、設備詳細表示ページの各ページへのそれぞれのリンクボタンMB-4~MB-8と、対応する設備に対する操作内容を選択するための操作ページへのリンクボタンMB-9とが表示されている。」、上記サの段落【0109】には「そして、管理者や保守者は、リンクボタンMB-4~MB-9のいずれかを入力装置340を介して選択する(例えば、各リンクボタンMB-4~MB-9に対応する番号を入力する)ことにより、各ページを閲覧することができる。具体的には、管理者や保守者が図18のメニューページにおいてリンクボタンMB-4を選択した場合には、この選択に応じたWebデータの送信要求がサーバ装置200に対して行なわれ、このサーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、地図情報Webページがモニタに表示される。この地図情報Webページには、図19に例示するように、防災情報を送信した当該設備名MC-1と、当該設備の機器MC-2と、その周囲の建屋を含んだ平面図MC-3が表示されている。したがって、管理者または保守者は、地図情報Webページを見ることによって、防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握することができる。」、上記シの段落【0114】には「防災監視盤100による防災情報の出力から、携帯電話300におけるWebページの表示までの各処理は、一定間隔で、あるいは、防災設備1において所定のイベントが発生する毎に繰り返し行われ、Webページの内容が最新の方法に更新される。すなわち、防災監視盤100の制御部は、一定間隔で、あるいは、防災設備1において所定のイベントが発生する毎に、防災情報を出力する。そして、サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成して、WebDB209に格納する。また、携帯電話300のWebブラウザ311は、Webデータに含まれるMetaタグを解析実行すること等によって、Webデータの再送要求を自動的に行ない、サーバ装置200から送信される最新のWebデータを解析してモニタに表示する。このような処理によれば、管理者等は、常に最新のトレンドグラフ等を見ることができる。」と記載されている。
段落【0108】に記載されるように、「メニューページ」には、地図情報Webページ等の各ページへのリンクボタンが表示されており、段落【0108】に記載されるように、「携帯電話300」は、「サーバ装置200からのWebデータを通信制御IF370を介して受信し、このデータをWebブラウザ311にて解析することにより、モニタにメニューページを表示」し、段落【0109】に記載されるように、管理者が「メニューページにおいてリンクボタンMB-4を選択した場合には、この選択に応じたWebデータの送信要求がサーバ装置200に対して行なわれ、このサーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、地図情報Webページがモニタに表示され」、管理者は「地図情報Webページを見ることによって、防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握することができる」のである。
ここで、携帯電話300のWebブラウザ311について、段落【0114】に記載されるように、「携帯電話300のWebブラウザ311」は、「Webデータに含まれるMetaタグを解析実行すること等によって、Webデータの再送要求を自動的に行ない、サーバ装置200から送信される最新のWebデータを解析してモニタに表示する。」ものである。
上記によれば、甲第1号証に記載の「携帯電話300」は、「サーバ装置200から受信したWebデータをWebブラウザ311にて解析することにより、地図情報Webページ等の各ページへのリンクボタンが表示されているメニューページをモニタに表示し、管理者がメニューページにおいてリンクボタンMB-4を選択した場合には、この選択に応じたWebデータの送信要求がサーバ装置200に対して行なわれ、このサーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、地図情報Webページがモニタに表示され、管理者は地図情報Webページを見ることによって、防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握することができ、携帯電話300のWebブラウザ311は、Webデータに含まれるMetaタグを解析実行すること等によって、Webデータの再送要求を自動的に行ない、サーバ装置200から送信される最新のWebデータを解析してモニタに表示することができる」といえる。
上記サの段落【0109】には「管理者や保守者が図18のメニューページにおいてリンクボタンMB-4を選択した場合には、この選択に応じたWebデータの送信要求がサーバ装置200に対して行なわれ、このサーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、地図情報Webページがモニタに表示される。この地図情報Webページには、図19に例示するように、防災情報を送信した当該設備名MC-1と、当該設備の機器MC-2と、その周囲の建屋を含んだ平面図MC-3が表示されている。したがって、管理者または保守者は、地図情報Webページを見ることによって、防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握することができる。」と記載されており、また、上記タの【図19】によれば、同じシンボルである501号室~503号室の各室内の3つのシンボルのうち、502号室のMC-2を示すシンボルのみが点灯のような異なる状態で表示されていることが見て取れる。
ここで、【図19】の地図情報Webページに記載される、501号室~503号室の各室内のシンボルが、火災感知器である煙感知器を示すことは、構内電気設備の配線用図記号(JISC0303 2000年2月20日改正)の規格から当業者に自明である。
そして、【図19】の地図情報Webページは、段落【0085】-【0086】に記載されるように、火災感知信号や作動に基づいて生成されるWebページであって、段落【0109】に記載されるように「防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握する」ための例であるから、火災感知信号を出力した火災感知器である煙感知器の状況や位置関係を把握することが可能なWebページである。
そうすると、【図19】の地図情報Webページに記載された、点灯のような異なる状態で表示された、502号室のMC-2を示すシンボルは、火災感知信号を出力した火災感知器である煙感知器であって、地図情報Webページに、火災感知信号を出力した火災感知器である煙感知器の場所を示しているといえる。
更に、 段落【0109】に記載されるように、選択に応じた「Webデータの送信要求」がサーバ装置200に対して行なわれると、サーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、「地図情報Webページがモニタに表示される」ものであって、段落【0107】に記載されるように、「Webデータの送信要求」を行うのは「携帯電話300」であるから、「地図情報Webページ」が表示される「モニタ」は「携帯電話300」の「モニタ」である。
上記によれば、甲第1号証に記載の「携帯電話300」は、「携帯電話300のモニタに、火災感知信号を出力した火災感知器である煙感知器の場所を示す地図情報Webページを表示することができる」といえる。
よって、上記アからタによれば、甲第1号証には、火災報知設備等の防災設備の状況を、遠方の管理者等に報知するための、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「防災設備1に関連する全ての情報を含む概念であって、イベントが発生した発生日時、イベントが発生した住所などが含まれる防災情報を出力する複数の防災監視盤100と、この防災情報を受信する防災情報処理装置としてのサーバ装置200と、この防災情報を報知される被報知者の情報端末装置としての携帯電話300とを備えて構成されており、防災監視盤100とサーバ装置200とは、入出力制御IF103及び電話回線400を介して相互に接続されており、サーバ装置200と携帯電話300とは、基地局401、パケット網402に配置されたゲートウェイサーバ装置403、および、インターネット404を介して通信可能に接続されている防災情報報知システムにおいて、
前記サーバ装置200は、
前記防災監視盤100から送信された防災情報を受信する防災情報受信部221、
防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成し、生成したWebページのWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納するWebページ生成部224、
前記防災監視盤100が監視する防災設備1としての火災報知設備または消火設備を含んだ平面図の画面データが格納される地図DB204、
電子メール生成部222、電子メール送信部223を備え、
前記火災報知設備は、防災設備機器として、複数の火災感知器および地区音響装置を備えて構成され、
前記防災監視盤100は、
火災報知設備が備える防災設備機器から各種の信号を受信すると、この信号の解析を行い、この信号に対応した表示処理を行うと共に、受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報を前記サーバ装置200に送信する制御部104を備え、
前記防災設備1において火災が発生する毎に、前記防災監視盤100の制御部104は、防災情報を出力し、前記サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成し、防災情報の履歴一覧をWebページとして生成して、前記WebDB209に格納し、
前記防災情報受信部221によって火災情報である防災情報が受信された際、
前記電子メール生成部222は、被報知者である管理者の電子メールアドレスを宛て先とする防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールを生成し、
前記電子メール送信部223は、前記電子メール生成部222によって生成された電子メールを、インターネット404を介して送信し、
前記携帯電話300は、Webブラウザ311により、URLに基づくルーティングによって前記サーバ装置200に対するメニューページのWebデータの送信要求を行い、
前記携帯電話300は、前記サーバ装置200から受信したWebデータをWebブラウザ311にて解析することにより、地図情報Webページ等の各ページへのリンクボタンが表示されているメニューページをモニタに表示し、管理者がメニューページにおいてリンクボタンMB-4を選択した場合には、この選択に応じたWebデータの送信要求がサーバ装置200に対して行なわれ、このサーバ装置200から出力された地図情報WebページのWebデータが受信され、地図情報Webページがモニタに表示され、管理者は地図情報Webページを見ることによって、防災設備1の状況や位置関係等を容易かつ迅速に把握することができ、前記携帯電話300のWebブラウザ311は、Webデータに含まれるMetaタグを解析実行すること等によって、Webデータの再送要求を自動的に行ない、前記サーバ装置200から送信される最新のWebデータを解析してモニタに表示することができ、前記携帯電話300のモニタに、火災感知信号を出力した火災感知器である煙感知器の場所を示す地図情報Webページを表示することができることを特徴とする防災情報報知システム。」
(2)対比・判断
ア 本件発明1について
本件発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「防災監視盤100」は、防災設備1において火災が発生する毎に、防災情報を出力するのであって、防災設備1における火災発生の情報を受信しているといえるから、本件発明1の「火災受信機」に相当する。
また、引用発明の「防災監視盤100」は、サーバ装置200と入出力制御IF103及び電話回線400を介して相互に接続されているから、本件発明1の「火災受信機」とは、どちらも通信手段を介してネットワークに接続される点で共通する。
(イ)引用発明の「防災設備1に関連する全ての情報を含む概念であって、イベントが発生した発生日時、イベントが発生した住所などが含まれる防災情報」は、本件発明1の「イベント情報」に相当するから、引用発明の「防災監視盤100から送信された防災情報」は、本件発明1の「火災受信機から移報されたイベント情報」に相当する。
引用発明の「防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成し、生成したWebページのWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納する」ことは、防災情報を、WebページのWebデータとしてWebDB209の内部ディレクトリに格納するものであるから、本件発明1のイベント情報を「保管する」ことに相当する。
また、引用発明の「サーバ装置200」は、防災監視盤100と電話回線400を介して相互に接続されているので、防災監視盤100の外部にあることは明らかである。
上記によれば、引用発明の「防災監視盤100から送信された防災情報を受信する防災情報受信部221、防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するためのWebページを生成し、生成したWebページのWebデータを、WebDB209の内部ディレクトリであって、予め設定したURLによって特定されるディレクトリに格納するWebページ生成部224」を備えるインターネットに接続された「サーバ装置200」は、本件発明1の「火災受信機から移報されたイベント情報を受信して保管する、前記インターネットに接続された外部サーバ」に相当する。
(ウ)引用発明の「火災報知設備または消火設備を含んだ平面図の画面データ」は、防災監視盤100が監視する防災設備1としての火災報知設備または消火設備が、防火対象物となる建物に設置されることが技術常識であるから、「防火対象物となる建物の火災報知設備または消火設備を含んだ図面データ」であるといえる。
そうすると、引用発明の「防災監視盤100が監視する防災設備1としての火災報知設備または消火設備を含んだ平面図の画面データが格納される」ことは、、防災監視盤100の設置場所は別にして、本件発明1の「防火対象物となる建物の設備図面データが格納され」ることに相当する。
(エ)引用発明の、「Webページ生成部224」が生成する「防災情報の詳細情報を報知するためのWebページ」は、管理者が見ることによって、管理者は防災監視盤100が監視する「防災設備1の状況」を把握することができるものであるから、本件発明1の「火災受信機の状態を示す閲覧ページ」に含まれる。
引用発明の、「Webページ生成部224」による「生成」は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて行われるから、「自動」的に生成しているといえるので、本件発明1の「自動作成」に含まれる。
更に、引用発明の「Webページ」は、インターネット上で公開され、Webブラウザにより閲覧されるページであるから、本件発明1の「公開するページ」に含まれる。
上記及び上記(イ)によれば、引用発明の、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、防災情報の詳細情報を報知するための新たなWebページのWebデータを生成する「Webページ生成部224」は、本件発明1の「イベント情報に基づいて前記火災受信機の状態を示す閲覧ページを自動作成して公開するページ作成機能」を有しているといえる。
(オ)引用発明の、「Webデータ生成部224」が生成する「WebページのWebデータ」は、インターネット上で公開され、Webブラウザにより閲覧されるページのWebデータであるから、引用発明の「防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成」することは、本件発明1の「インターネット経由で閲覧されるページのデータを更新」することに含まれる。
引用発明の、「電子メール生成部222」は「被報知者である管理者の電子メールアドレスを宛て先とする防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールを生成し」、「電子メール送信部223」は該電子メールを「インターネット404を介して送信」している。
ここで、「管理者の電子メールアドレス」とは、管理者の携帯電話300の「電子メールアドレス」であって、該アドレスが電子メールを送信するために登録されていることは自明である。
したがって、引用発明の、「電子メール生成部222」が「被報知者である管理者の電子メールアドレスを宛て先とする防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールを生成し」、「電子メール送信部223」が該電子メールを「インターネット404を介して送信」することは、本件発明1の「登録された関係者が携帯するモバイル端末に火災情報有りの通報動作を行」うことに相当する。
上記によれば、引用発明の「防災設備1において火災が発生する毎に、前記防災監視盤100の制御部104は、防災情報を出力し、前記サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成し、前記防災情報受信部221によって火災情報である防災情報が受信された際、前記電子メール生成部222は、被報知者である管理者の電子メールアドレスを宛て先とする防災情報の種別が火災である防災情報の電子メールを生成し、前記電子メール送信部223は、前記電子メール生成部222によって生成された電子メールを、インターネット404を介して送信」することは、本件発明1の「火災が発生すると、前記外部サーバは、インターネット経由で閲覧されるページのデータを更新し、登録された関係者が携帯するモバイル端末に火災情報有りの通報動作を行」うことに含まれる。
(カ)引用発明の、「携帯電話300は、Webブラウザ311により、URLに基づくルーティングによって前記サーバ装置200に対するメニューページのWebデータの送信要求を行」うことは、インターネット404を介したものであるから、本件発明1の「モバイル端末は、外部から前記インターネットを介して外部サーバにアクセス」することに含まれる。
(キ)引用発明の、Webデータの送信要求に基づくWebデータの受信により「火災感知信号を出力した火災感知器である煙感知器の場所を示す地図情報Webページを表示することができる」ことは、本件発明1の「火災発生場所を示す地図情報を取得することができる」ことに含まれる。
(ク)引用発明の「防災情報報知システム」は、防災情報の種別に火災を含んでいるから、本件発明1の「火災報知設備の支援システム」に相当する。
上記(ア)から(ク)までを踏まえ、本件発明1と引用発明とを対比すると、両者は、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「通信手段を介してネットワークに接続される火災受信機と、
前記火災受信機から移報されたイベント情報を受信して保管する、インターネットに接続された外部サーバとを備えた支援システムにおいて、
前記外部サーバは、
防火対象物となる建物の設備図面データが格納され、
前記イベント情報に基づいて前記火災受信機の状態を示す閲覧ページを自動作成して公開するページ作成機能と、を有し、
火災が発生すると、前記外部サーバは、インターネット経由で閲覧されるページのデータを更新し、登録された関係者が携帯するモバイル端末に火災情報有りの通報動作を行い、
前記モバイル端末は、外部から前記インターネットを介して外部サーバにアクセスし、
火災発生場所を示す地図情報を取得することができることを特徴とする火災報知設備の支援システム。」
(相違点)
(相違点1)
本件発明1は、火災受信機が接続されるネットワークが通信手段を介した「インターネット」であり、火災受信機と外部サーバが「インターネット」に接続されるのに対し、引用発明は、火災受信機が「電話回線400」に接続され、火災受信機と外部サーバが「電話回線400」で相互に接続される点。
(相違点2)
本件発明1は、「火災受信機」が、「防火対象物となる建物」に「設置される」のに対し、引用発明は、「火災受信機」が監視する防災設備1は、「防火対象物となる建物」に「設置される」ものの、「火災受信機」が、どこに「設置される」のかは特定されていない点。
(相違点3)
本件発明1は、「モバイル端末」は、「火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」を取得することができるのに対し、引用発明は、「モバイル端末」は、火災受信機の状態を示す「閲覧ページ」を取得することができるものの、「火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報と同様に掲載される端末情報」を取得することができることは特定されていない点。
相違点1について検討する。
自動火災報知設備の遠隔監視システムにおいて、火災受信機と外部サーバがインターネットにより接続されることは周知技術である(甲第2号証(特開2009-104619号公報)の段落【0026】-【0027】,【0043】-【0047】,【図1】などを参照。以下、この周知技術を「周知技術1」という。)。
周知技術1は、自動火災報知設備の遠隔監視システムについての技術であるから、甲第1号証に記載された発明の防災監視盤100とサーバ装置200との接続に、周知技術1を適用して、電話回線400に代えて、インターネットにより接続されるように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
相違点2について検討する。
自動火災報知設備の遠隔監視システムにおいて、火災受信機が、防火対象物となる建物に設置されることは周知技術である(甲第2号証(特開2009-104619号公報)の段落【0026】-【0027】,【図1】などを参照。以下、この周知技術を「周知技術2」という。)。
周知技術2は、自動火災報知設備の遠隔監視システムについての技術であるから、甲第1号証に記載された発明の防災監視盤100の設置において、周知技術2を適用して、防災監視盤100が監視する防災設備1と同様に、防火対象物となる建物に設置されるように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
相違点3について検討する。
引用発明において「防災監視盤100は、火災報知設備が備える防災設備機器から各種の信号を受信すると、この信号の解析を行い、この信号の内容に対応した表示処理を行うと共に、受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報をサーバ装置200に送信する制御部104を備え」ている。ここで、引用発明の「防災設備機器」は防災情報報知システムの端末といえるから、「防災設備機器」から受信した「各種の信号」は端末からの信号といえる。そうすると、「この信号の内容に対応した表示処理」によって防災監視盤100に表示される情報のことを「端末情報」(後記のものと区別する目的で、この「端末情報」を「端末情報1」という。)と称することは任意である。
他方、引用発明のサーバ装置200に送信された「受信した情報、解析した情報、または、加工した情報からなる防災情報」における「受信した情報」は、文脈から、防災設備機器から受信した「各種の信号」ないし「この信号の内容」であると認められる。そうすると、前記「防災情報」も、端末(防災設備機器)から受信した情報といえる。そうすると、引用発明における「防災情報に基づいて」生成された「WebページのWebデータ」のことを、端末から受信した情報に基づいて生成された情報という意味で、「端末情報」(「端末情報1」と区別する目的で、この「端末情報」を「端末情報2」という。)と称することは任意である。
「端末情報2」はWebページのWebデータすなわち閲覧ページのデータであるから、閲覧ページに掲載される情報といえる。そして「端末情報1」と「端末情報2」とは共に防災設備機器から受信した信号に基づくものであるから、これら2つの情報の内容を同様のものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。すなわち、引用発明の「モバイル端末」が取得する閲覧ページの情報である「端末情報2」の内容を、引用発明の防災監視盤100に表示される「端末情報1」の内容と同様のものとし、モバイル端末が「火災受信機の盤面に現在表示されている端末情報(端末情報1)と同様に掲載される端末情報(端末情報2)」を取得することができるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
以上のとおりであって、本件発明1のように構成したことによる効果も、引用発明1、周知技術1及び周知技術2から予測できる程度のものである。
したがって、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1から2までに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 本件発明2について
引用発明の「サーバ装置200のWebデータ生成部224は、防災情報を受け取る毎に、この最新の防災情報に基づいて、新たなWebページのWebデータを生成し、防災情報の履歴一覧をWebページとして生成して、WebDB209に格納」することは、本件発明2の「外部サーバは、前記イベント情報を受信すると、該イベント情報を履歴として格納するとともに、前記閲覧ページのデータを更新すること」に含まれる。
そうすると、本件発明2と引用発明との相違点は、上記(2)アのとおりであり、相違点に対する判断も、上記(2)アのとおりである。
したがって、本件発明2は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1から2までに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 本件発明3について
本件発明3は、上記(2)アで検討した相違点1~3に加え、「非火災の場合に、モバイル端末で撮影された誤報源を関係者に通報する」事項において、引用発明と相違するものであるが、非火災に関して、火災発生時の対応として、現場に駆けつけて真火災か非火災かの確認を行い、確認したことを関係者へ通報することは広く行われていることである(例えば、施設警備業務の手引、日本、2010.11.25発行、初版、第106-109頁の(2)火災発生時の対処要領 ア火災の発見 2自動火災報知設備によって火災を感知した場合 を参照。なお、「2」は、「○」の中に「2」)。
また、異常を検知した際や、火災等が発生したときに、携帯電話で撮影された状況を関係者に通報することで状況の共有化を図ることは周知技術である(例えば、特開2007-192771号公報の段落【0048】-【0049】を参照。以下、この周知技術を「周知技術3」という。)。
周知技術3は火災発生時等における対応についての技術であるから、甲第1号証に記載された発明において、周知技術3を適用して、現場に駆けつけた管理者が、非火災の場合に、非火災と確認したことを関係者へ通報する対処を行った際、現場に駆けつけた管理者の携帯電話で撮影された状況も関係者に通報するように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
また、相違点1~3についての判断は上記(2)アのとおりである。
したがって、本件発明3は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1から3までに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 むすび
以上のとおり、本件発明1~3は、特許を受けようとする発明が明確でないから、本件発明1~3に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
したがって、本件発明1~3に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
また、本件発明1~3は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1から3までに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明1~3に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2018-700348