審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2018-006969

カテーテル組立体

審判番号
2018-006969
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-242055外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年05月22日
審決日
2021年11月24日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61M) / P18 .537-WZ (A61M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2015-242055号「カテーテル組立体」拒絶査定不服審判事件〔平成28年6月30日出願公開、特開2016-116855号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)8月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年8月21日 英国(GB)、2013年8月29日 英国(GB)、2013年10月31日 中国(CN)、2013年10月31日 中国(CN))を国際出願日とする特願2015-563128号の一部を平成27年12月11日に新たな特許出願としたものであって、以降の手続は次のとおりである。 平成28年 7月14日付け 拒絶理由通知 平成29年 1月13日提出 意見書及び手続補正書 平成29年 4月13日付け 拒絶理由通知 平成29年10月18日提出 意見書及び手続補正書 平成30年 1月17日付け 拒絶査定 平成30年 5月22日提出 審判請求書、同時に手続補正書 令和 元年 9月26日付け 一次審決 令和 3年 2月17日付け 取消判決(令和2年(行ケ)第10011号) 令和 3年 5月18日付け 拒絶理由通知 令和 3年 8月23日提出 意見書及び手続補正書 第2 本願発明 本願の請求項1~34に係る発明は、令和3年8月23日付け手続補正書(以下、「本件補正」という。)によって補正された特許請求の範囲の請求項1~34に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「遠位端及び近位端を有するとともに内室を有するカテーテルハブであって、該カテーテルハブの近位端は、前記内室に流体を注入し又は前記内室から流体を引き抜くための装置に接続可能であるカテーテルハブと、 近位端及び遠位端を有する中空管状のカテーテルであって、該カテーテルの近位端は前記カテーテルハブの遠位端に接続され、かつ該カテーテルの中空部は前記カテーテルハブの前記内室に開口しているカテーテルと、 先鋭な針先端部と針軸を有する針であって、準備完了状態にあるときには前記カテーテルハブの前記内室と前記カテーテルとを通って伸び、前記針先端部は前記カテーテルの遠位端より遠位側に位置する針と、 遠位端及び近位端を有する中空の可撓性延長チューブであって、該可撓性延長チューブの遠位端は前記カテーテルハブの近位端と遠位端との間で前記カテーテルハブに接続され、該延長チューブの遠位端は前記カテーテルハブの前記内室に開口し、該可撓性延長チューブの近位端は前記カテーテルハブの前記内室に流体を注入するための装置に接続可能で、前記可撓性延長チューブの近位端には接続ハブが設けられている延長チューブと、 前記カテーテルハブの前記内室内に配置されたバルブ組立体とを備えているカテーテル組立体であって、 前記バルブ組立体は、 前記可撓性延長チューブの遠位端を閉じる一方、前記可撓性延長チューブ内の加圧された流体の作用により開口可能な第1弁部材と、 流体が、前記内室を介して、前記カテーテルハブの近位端へ流入し又は前記カテーテルハブの近位端から流出するのを阻止する第2弁部材とを備えていて、 前記第2弁部材は、二方弁であり、流体が、前記カテーテルハブの前記内室を通って近位方向及び遠位方向の両方向に流れることが可能となるように開口可能であり、 該カテーテル組立体は、 第1アームと第2アームと近位壁とを有する針保護組立体をさらに備えていて、前記第1アーム及び前記第2アームは、前記針の両側部で遠位方向に伸びており、 前記針保護組立体は、準備完了状態においては、前記カテーテルハブと取り外し可能に係合し、 前記針の保護状態への移行により、前記針保護組立体は前記カテーテルハブとの係合が解除される、ことを特徴とするカテーテル組立体。」 第3 拒絶の理由 令和3年5月18日付けで当審が通知した拒絶理由は、次の理由を含むものである。 (進歩性)本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献1に記載された発明並びに引用文献2,4に記載された事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:国際公開第2008/052791号 引用文献2:特表2001-514943号公報 引用文献4:特開2011-45543号 なお、本件補正により、本願発明は、補正前の請求項1を限定する請求項33に係る発明をさらに限定したものとなったため、進歩性の判断にあたっては、令和3年5月18日付け拒絶理由通知の請求項33についての判断に従って、本願発明が引用文献1,2,4から容易に発明できたものであるか否かを検討することとする。 第4 対比・判断 1 引用文献の記載事項及び引用発明 (1)引用文献1 引用文献1には、以下の事項が記載されている(なお、ウムラウト等のドイツ語表記特有の記号は省略する。また、『』内は当審訳である。)。 ア「In den Figuren ist mit 1 ein hohler Katheteransatz bezeichnet, dessen distales Ende mit einem Katheter 2 verbunden bzw. verbindbar ist. Am proximalen Ende ist der Katheteransatz 1 mit einer Verbindungseinrichtung, beispielsweise einem Luer-Nocken 3 fur den Anschluss eines Infusionsschlauches oder dergleichen versehen. Zwischen proximalem und distalem Ende ist am Katheteransatz 1 seitlich ein Port 4 angebracht, mit dem beispielsweise eine Spritze verbunden werden kann, um eine Infusionsflussigkeit durch den Katheter 2 dem Patienten zuzufuhren. Im Bereich der offnung 4a des Ports ist im Katheteransatz 1 ein schlauchformiges, wenigstens teilweise flexibles bzw. elastisches Element 5 angeordnet, das als ein erstes Ventilelement die Portoffnung 4a geschlossen halt und bei Anliegen von Druck an der Portoffnung 4a sich elastisch so verformt, dass eine Verbindung zwischen Portoffnung 4a und Katheter 2 freigegeben wird. Wenn kein Druck mehr an der Portoffnung anliegt, kehrt das Schlauchelement 5 aufgrund seiner Elastizitat wieder in die dargestellte Schliesstellung zuruck. Das wenigstens teilweise flexible Schlauchelement 5 ist bei dem in Fig. 1 wiedergegebenen Ausfuhrungsbeispiel am proximalen Ende durch eine Ventilscheibe 6 verschlossen, die mit wenigstens einem radial verlaufenden Schlitz 6a versehen ist. Fig.5a zeigt drei sternformig angeordnete Schlitze 6a. Zweckmasigerweise besteht die ein zweites Ventil bildende Ventilscheibe 6 aus dem gleichen Material wie das Schlauchelement 5, es kann aber auch ein gesondertes Ventilelement in das proximale Ende oder im proximalen Bereich des Schlauchelementes 5 vor der Portoffnung 4a eingesetzt werden. Die Ventilscheibe 6 ist als Zwei- Wege-Ventil ausgebildet, sodass eine Durchstromung von der proximalen zur distalen Seite und umgekehrt moglich ist. Damit die Ventilscheibe 6 nicht offnet, wenn durch den Port 4 Injektionsflussigkeit eingefuhrt wird, kann die Ventilscheibe 6 entsprechend steif ausgebildet werden, sodass sie nur fur eine Durchstromung in proximale Richtung offnet, wenn auf der proximalen Seite ein entsprechend starker Saugdruck anliegt, der hoher ist als ein am Port 4 angelegter Druck. Vorzugsweise wird ein Ventilbetatigungselement in Verbindung mit der Ventilscheibe 6 vorgesehen, wie dies nachfolgend naher erlautert wird.」(2頁7行~3頁3行) 『図では1で表す中空のカテーテル連結部は、その遠位端部においてカテーテル2と結合している、または結合することができる。近位端部には、注入チューブ等を接続するための結合装置、例えばルーラー‐カムを備えたカテーテル連結部1が設けられている。カテーテル連結装置1には、近位端部と遠位端部の間の側部にポート4が設けられており、それを使って例えば注射器を取り付け、カテーテル2を通して注射液を患者に投与することができる。カテーテル連結装置1には、ポートの開口部4aの領域内にチューブ型の、少なくとも一部が柔軟または弾性のバルブ要素5が配されており、それは第1バルブ要素としてポート開口部4aに接続した状態で保持され、ポート開口部4aに圧を加えると弾性変形してポート開口部4aとカーテール2の間の結合が解除される。ポート開口部に圧が加わらなくなると、バルブ要素5はその弾性によって描かれている閉鎖状態に戻る。 少なくとも部分的に柔軟であるバルブ要素5は、図1に示した実施例では近位端部がバルブディスク6によって閉じられており、そこには少なくとも1つの放射方向に伸びるスリット6aが設けられている。図5aは、3本の星形に配されたスリット6aを示している。第2バルブを形成するバルブディスク6はバルブ要素5と同一材料で作られることが実用的だが、特別なバルブ要素をポート開口部4aの前のバルブ要素5の近位端部または近位域内に組み入れることもできる。 バルブディスク6は双方向バルブとして形成されており、従って近位側から遠位側にも、またその逆にも流すことができる。即ちポート4を通り注射液を送り込む時バルブディスクは開いておらず、またバルブディスク6は近位側に相応の強さの吸引圧、即ちポート4に加わる圧力より強い圧が加わると近位方向の流れについてだけ開くように傾斜を付けて作ることができる。バルブ作動要素は、以下詳しく説明するようにバルブディスク6と結び付けて設けられると効果的である。』 イ「Fig. 2 zeigt eine in die Kathetervorrichtung eingesetzte Hohlnadel 7 an einem Nadelansatz 8, der in das proximale Ende des Katheteransatzes 1 eingesetzt ist, wobei sich die Nadel 7 unter Aufweitung der Schlitze 6a durch die Ventilscheibe 6 und den Katheter 2 erstreckt und mit der Spitze aus dem distalen Ende des Katheters vorsteht.」(3頁17~20行) 『図2はカテーテル装置内、カテーテル連結部の近位端部に取り付けられた針ハブ8に取り付けられた中空針7を示しており、この時針7はスリット6aを広げてバルブディスク6とカテーテル2を通過して、その先端はカテーテルの遠位端部から突き出る。』 ウ「Fig.7 zeigt die in die Kathetervorrichtung eingesetzte Hohlnadel 7, die sich durch die Bohrung 9c im Ventilbetatigungselement 9 und die Ventilscheibe 6 erstreckt, wobei zwischen Nadelansatz 8 und Ventilbetatigungselement 9 ein Nadelschutzelement 12 auf der Nadel 7 angeordnet ist, das im Katheteransatz 1 in der in Fig. 7 wiedergegebenen Bereitstellung an einem radialen Vorsprung 1d gehalten wird, der sich bei dem dargestellten Ausfuhrungsbeispiel in Umfangsrichtung zwischen den Fuhrungsnulen 1c auf dem Innenumfang des Gehauseteils 1b des Katheteransatzes erstreckt. Fig.1 zeigt die beiderseits der Fuhrungsnut Ic ausgebildeten, wulstformigen Abschnitte des radialen Vorsprungs 1d teilweise im Schnitt. Wenn die Nadel 7 aus der in Fig.7 wiedergegebenen Bereitstellung des Nadelschutzelementes 12 aus dem Katheteransatz zuruckgezogen wird, wird das Nadelschutzelement 12 im Katheteransatz 1 zunachst durch den radialen Vorsprung 1d gehalten, bis eine nahe der Nadelspitze vorgesehene Eingriffseinrichtung 7a vorzugsweise in der Form einer Nadelquetschung, die zu diametral gegenuberliegenden Vorsprungen am Nadelumfang fuhrt, mit der proximalen Ruckwand des Nadelschutzelementes 12 in Eingriff tritt und bei weiterem Zuruckziehen der Nadel 7 das Nadelschutzelement 12 mitnimmt, wobei die distalen Enden der Arme 12a die Nadelspitze ubergreifen und blockieren, indem sie sich radial nach innen bewegen und sich dabei von dem radialen Vorsprung 1d losen, sodass das Nadelschutzelement 12 zusammen mit der Nadel aus der Kathetervorrichtung herausgezogen werden kann.」(4頁5~22行) 『図7はカテーテル装置に装着した状態の中空針7を示しており、針は穴を通りバルブ作動要素9とバルブディスク6の中に突き出るが、この時針連結部8およびバルブ作動要素9の間にある針7には針保護要素12が配されるが、該保護要素は図7に描かれた配置ではカテーテル連結部1内に、放射方向の突き出たエッジ1dに保持され、該エッジは示した実施態様ではカテーテル連結部1のハウジング部材1bの内側周囲にあるガイド溝1cの間を、周囲方向に伸びている。図1は、ガイド溝1cの両側において放射方向のエッジ1dが、その断面がこぶ状になるように作られることを示している。図7に示した針保護要素12の状態で針7をカテーテル連結部から抜く場合、該針保護要素12はまず放射方向のエッジ1dによって保持され、針先端近くに設けられた、好ましくは効果的な針圧潰器の形をした係合装置7aを針周囲上正反対位置にあるエッジまで動かして針保護要素12の近位部後壁に係合させ、針7を更に引き抜く時には針保護要素12も一緒に運ばれ、アーム12aの遠位端部が針先端を覆ってブロックし、保護要素は放射方向を内側に動いて放射方向のエッジ1dから開放される結果、針保護要素12は針と一緒にカテーテル装置から引き抜くことができるようになる。』 エ「図1 [図:0001383452000001.jpg] 」 オ「図2 [図:0001383452000002.jpg] 」 カ「図7 [図:0001383452000003.jpg] 」 (2)引用発明 ア 上記記載事項(1)アの「図では1で表す中空のカテーテル連結部は、その遠位端部においてカテーテル2と結合している、または結合することができる。近位端部には、注入チューブ等を接続するための結合装置、例えばルーラー‐カムを備えたカテーテル連結部1が設けられている。」の記載、並びに(1)エの「図1」および(1)カの「図7」の記載からみて、引用文献1には「遠位端及び近位端を有するとともに中空部を有するカテーテル連結部であって、該カテーテル連結部の近位端は、前記中空部に流体を注入するための注入チューブ等に接続可能であるカテーテル連結部」が記載されているといえる。 イ 上記記載事項(1)アの「カテーテル連結装置1には、近位端部と遠位端部の間の側部にポート4が設けられており、それを使って例えば注射器を取り付け、カテーテル2を通して注射液を患者に投与することができる。」の記載、並びに(1)エの「図1」および(1)カの「図7」の記載からみて,カテーテル2は中空管状であり中空部を有していることは明らかであるので,引用文献1には「近位端及び遠位端を有する中空管状のカテーテルであって、該カテーテルの近位端は前記カテーテル連結部の遠位端に接続され、かつ該カテーテルの中空部は前記カテーテル連結部の中空部に開口しているカテーテル」が記載されているといえる。 ウ 上記記載事項(1)イの「図2はカテーテル装置内、カテーテル連結部の近位端部に取り付けられた針ハブ8に取り付けられた中空針7を示しており、この時針7はスリット6aを広げてバルブディスク6とカテーテル2を通過して、その先端はカテーテルの遠位端部から突き出る。」の記載、および(1)ウの「図7はカテーテル装置に装着した状態の中空針7を示しており」の記載,並びに(1)オの「図2」および(1)カの「図7」の記載からみて、引用文献1には「先鋭な針先端部と針軸を有する針であって、カテーテル装置に装着した状態にあるときには前記カテーテル連結部の前記中空部と前記カテーテルとを通って伸び、前記針先端部は前記カテーテルの遠位端より遠位側に位置する針」が記載されているといえる。 エ 上記記載事項(1)アの「カテーテル連結装置1には、近位端部と遠位端部の間の側部にポート4が設けられており、それを使って例えば注射器を取り付け、カテーテル2を通して注射液を患者に投与することができる。カテーテル連結装置1には、ポートの開口部4aの領域内にチューブ型の、少なくとも一部が柔軟または弾性の要素5が配されており、それは第1バルブ要素としてポート開口部4aに接続した状態で保持され、ポート開口部4aに圧を加えると弾性変形してポート開口部4aとカテーテル2の間の結合が解除される。ポート開口部に圧が加わらなくなると、バルブ要素5はその弾性によって描かれている閉鎖状態に戻る。」の記載、並びに(1)エの「図1」および(1)カの「図7」の記載からみて、引用文献1には「遠位端と近位端を有する中空のポートであって、該ポートの遠位端は前記カテーテル連結部の近位端と遠位端との間で前記カテーテル連結部に接続され、該ポートの遠位端は前記カテーテル連結部の中空部に開口し、該ポートの近位端は前記カテーテル連結部の中空部に流体を注入するための注射器に接続可能であるポート」が記載されているといえる。 オ 上記記載事項(1)アの「カテーテル連結装置1には、ポートの開口部4aの領域内にチューブ型の、少なくとも一部が柔軟または弾性のバルブ要素5が配されており、それは第1バルブ要素としてポート開口部4aに接続した状態で保持され、ポート開口部4aに圧を加えると弾性変形してポート開口部4aとカテーテル2の間の結合が解除される。ポート開口部に圧が加わらなくなると、バルブ要素5はその弾性によって描かれている閉鎖状態に戻る。」の記載、並びに(1)エの「図1」および(1)カの「図7」の記載からみて、引用文献1には「カテーテル連結部の中空部内に配置されたバルブ要素を備えているカテーテル装置」が記載されているといえる。 カ 上記記載事項(1)アの「カテーテル連結装置1には、近位端部と遠位端部の間の側部にポート4が設けられており、それを使って例えば注射器を取り付け、カテーテル2を通して注射液を患者に投与することができる。カテーテル連結装置1には、ポートの開口部4aの領域内にチューブ型の、少なくとも一部が柔軟または弾性のバルブ要素5が配されており、それは第1バルブ要素としてポート開口部4aに接続した状態で保持され、ポート開口部4aに圧を加えると弾性変形してポート開口部4aとカテーテル2の間の結合が解除される。ポート開口部に圧が加わらなくなると、チューブ要素5はその弾性によって描かれている閉鎖状態に戻る。少なくとも部分的に柔軟であるバルブ要素5は、図1に示した実施例では近位端部がバルブディスク6によって閉じられており,そこには少なくとも1つの放射方向に伸びるスリット6aが設けられている。図5aは、3本の星形に配されたスリット6aを示している。第2バルブ要素を形成するバルブディスク6はバルブ要素5と同一材料で作られることが実用的だが、特別なバルブ要素をポート開口部4aの前のバルブ要素5の近位端部または近位域内に組み入れることもできる。バルブディスク6は双方向バルブとして形成されており、従って近位側から遠位側にも、またその逆にも流すことができる。」の記載、および(1)エの「図1」の記載からみて、引用文献1には「バルブ要素は、ポートの一端を閉じる一方、前記ポート内の加圧された流体の作用により開口可能な第1バルブ要素と、流体が、カテーテル連結部の中空部を介して、前記カテーテル連結部の近位端へ流入し又は前記カテーテル連結部の近位端から流出するのを阻止する第2バルブ要素とを備えており、前記第2バルブ要素は、二方弁であり、流体が、前記カテーテル連結部の前記中空部を通って近位方向及び遠位方向の両方向に流れることが可能となるように開口可能」であることが記載されているといえる。 キ 上記記載事項(1)ウの「図7はカテーテル装置に装着した状態の中空針7を示しており、針は穴を通りバルブ作動要素9とバルブディスク6の中に突き出るが、この時針連結部8およびバルブ作動要素9の間にある針7には針保護要素12が配されるが、該保護要素は図7に描かれた配置ではカテーテル連結部1内に、放射方向の突き出たエッジ1dに保持され、該エッジは示した実施態様ではカテーテル連結部1のハウジン部材1bの内側周囲にあるガイド溝1cの間を、周囲方向に伸びている。図1は、ガイド1cの両側において放射方向のエッジ1dが、その断面がこぶ状になるように作られることを示している。図7に示した針保護要素12の状態で針7をカテーテル連結部から抜く場合、該針保護要素12はまず放射方向のエッジ1dによって保持され、針先端近くに設けられた、好ましくは効果的な針圧潰器の形をした係合装置7aを針周囲上正反対位置にあるエッジまで動かして針保護要素12の近位部後壁に係合させ、針7を更に引き抜く時には針保護要素12も一緒に運ばれ、アーム12aの遠位端部が針先端を覆ってブロックし、保護要素は放射方向を内側に動いて放射方向のエッジ1dから開放される結果、針保護要素12は針と一緒にカテーテル装置から引き抜くことができるようになる。」の記載、および(1)カの「図7」の記載からみて,引用文献1には「カテーテル装置は、針保護要素をさらに備えていて、前記針保護要素は、針をカテーテル連結部から抜く前の状態においては、前記カテーテル連結部と取り外し可能に係合されており、前記針を引き抜くときには、前記針の針先端を覆ってブロックし、前記カテーテル連結部との係合は開放される」ことが記載されているといえる。 ク 上記ア~キを総合すると,引用文献1には,以下の発明(以下「引用発明」という)が記載されているものと認められる。 「遠位端及び近位端を有するとともに中空部を有するカテーテル連結部であって、該カテーテル連結部の近位端は、前記中空部に流体を注入するための注入チューブ等に接続可能であるカテーテル連結部と、 近位端及び遠位端を有する中空管状のカテーテルであって、該カテーテルの近位端は前記カテーテル連結部の遠位端に接続され、かつ該カテーテルの中空部は前記カテーテル連結部の中空部に開口しているカテーテルと、 先鋭な針先端部と針軸を有する針であって、カテーテル装置に装着した状態にあるときには前記カテーテル連結部の前記中空部と前記カテーテルとを通って伸び、前記針先端部は前記カテーテルの遠位端より遠位側に位置する針と、 遠位端と近位端を有する中空のポートであって、前記ポートの遠位端はカテーテル連結部の近位端と遠位端との間で前記カテーテル連結部に接続され、該ポートの遠位端は前記カテーテル連結部の前記中空部に開口し、前記ポートの近位端は前記カテーテル連結部の前記中空部に流体を注入するための注射器に接続可能であるポートと、 前記カテーテル連結部の前記中空部内に配置されたバルブ要素とを備えているカテーテル装置であって、 前記バルブ要素は、 前記ポートの一端を閉じる一方、前記ポート内の加圧された流体の作用により開口可能な第1バルブ要素と、 流体が、前記中空部を介して、前記カテーテル連結部の近位端へ流入し又は前記カテーテル連結部の近位端から流出するのを阻止する第2バルブ要素とを備えていて、 前記第2バルブ要素は、二方弁であり、流体が、前記カテーテル連結部の前記中空部を通って近位方向及び遠位方向の両方向に流れることが可能となるように開口可能であり、 前記カテーテル装置は、 針保護要素をさらに備えていて、 前記針保護要素は、前記針を前記カテーテル連結部から抜く前の状態においては、前記カテーテル連結部と取り外し可能に係合されており、 前記針を引き抜くときには、前記針の針先端を覆ってブロックし、前記カテーテル連結部との係合は開放される、カテーテル装置。」 (3)引用文献2 引用文献2には、以下の事項が記載されている。 ア「 【0037】 図10A、図10Bと図11に開示された針防護物120の実施形態は、点125においてヒンジにより後壁126の両端に連結された第1アーム122と第2アーム124を備える。第1アーム122と第2アーム124の各々の遠位端は、遠位端壁130まで延在する湾曲突部128を備え、遠位端壁130は、次に、リップ132で終結する。図11に明示されているように、後壁126は中心開口130を有し、又、第1アーム122と第2アーム124の各々は、近位幅広部140と遠位幅広部144の間を延在する狭小部142を備える。側方固定縁部146が遠位幅広部144に形成されている。 【0038】 図10Aに示すように、針防護物120が準備完了位置にある時、第1アーム122と第2アーム124の各々の湾曲突部128は、カテーテルハブ26の内壁に形成された環状溝又はリング136に受承され、カテーテルハブ26の内壁は、前述の実施形態のように、針ハブ12の遠位端に着脱自在に嵌装される。前述の実施形態のように、尖鋭先端18を遠位端に有する針16は管状カテーテル24に受承され、又、管状カテーテル24はカテーテルハブ26の遠位端に固定される。針16の近位端は後壁126の開口134を貫通する。針16は大径膨出部138を備え、大径膨出部138は、針16をカテーテル24に沿って軸方向に移動させることができる程充分に小さいが、下記の理由により開口134より大きい直径を有する。 【0039】 図10Aに示す準備完了位置において、第1アーム122と第2アーム124の各々の湾曲突部128を環状溝136に付勢して、針防護物120をカテーテルハブ26の内壁の固定位置に係止するように、針軸は、針防護物120を貫通して、リップ132との係合により第1アーム122と第2アーム124に半径方向で外向きの力を印加する。針防護物120を貫通する針16の軸は、針を準備完了位置に更に係止するために、第1アーム122と第2アーム124の狭小部142の内方縁部に摩擦状態で係合する。 【0040】 針をカテーテルハブ26内で図10Aにおいて軸方向で右方に後退させて、針防護物120のリップ132を通過させる時、針防護物120の第1アーム122と第2アーム124にそれまで作用していた半径方向力は突然に解放される。これにより、針防護物120の遠位端壁130が、環状溝136内の着座から解放されると共に、図10Bに示すように、遠位端壁130が針先端の前方の遠位側の位置で互いに重なることにより、針先端との不注意な接触や針先端の遠位側移動を防止する障壁を形成するまで、カテーテルハブ内で内方に揺動させられる。同時に、針防護物の近位幅広部146が、針の更なる軸方向移動を拘束するように針先端に対して付勢される。 【0041】 図10Bに示すように、針防護物120と針の後退後に針防護物に固定された針がカテーテルハブから一体組立物として取外されて、安全に廃棄され得る。もし図10Bにおいて、針を意図的に又は不注意で更に右方に針防護物から引出す試みがされると、針軸上の大径膨出部138は後壁126と当接する。しかしながら、大径膨出部138の直径は開口134より大きいので、後壁126は、この時、針防護物からの針の更なる軸方向移動を防止する。」(段落【0037】~【0041】) イ「図10A [図:0001383452000004.jpg] 」 ウ「図10B [図:0001383452000005.jpg] 」 エ「図11 [図:0001383452000006.jpg] 」 オ.上記(3)アの段落【0039】及びエの図11の記載からすれば、第1アーム122と第2アーム124は針16の軸の両側部で、遠位方向に延びていることが看取できる。 (4)引用文献2に記載された事項 上記(3)のア~オの事項からすれば、引用文献2には次の事項が記載されている。 「第1アーム122と第2アーム124と後壁126とを有する針防護物120であって、当該針防護物120が準備完了位置にあるとき、カテーテルハブ26の内壁の固定位置に係止し、前記第1アーム及び前記第2アームは、針16の軸の両側部で遠位方向に延びており、前記針16の後退により前記カテーテルハブ26から取外される、針防護物120。」 (5)引用文献4 引用文献4には、以下の事項が記載されている。 ア「【0002】 患者に対し輸液を行う際などには、輸液ラインと接続される留置針を患者の血管に穿刺し、留置してこれを行う。」 イ「【0027】 各図に示す留置針組立体1は、中空の外針2と、外針2の基端部に固定された外針ハブ3と、外針2内に挿通される内針4と、内針4の基端部に固定され、留置針組立体1を把持する手の親指を当接する指当部54を基端部に有する内針ハブ5と、外針ハブ3の側方部に、内腔71が外針2の内腔21と連通するように接続されたチューブ7とを有している。なお、この留置針組立体1は、特に、医療用の手袋(以下、単に「手袋」とも言う)を装着した手指で把持して使用されるものであるが、手袋を装着せずに、手指で把持して使用してもよいことは言うまでもない。」 ウ「【0031】 外針ハブ3は、略筒状の部主管36と、主管36の流路31から分岐した分岐流路32を有し、略筒状の側管37とを備えている。 【0032】 前述したように、主管36の先端側には、外針2の基端部が固定されており、流路31は、その先端側において、外針2の内腔21と連通している。流路31は、その軸線が外針2の中心軸と略一致するように配置されている。」 エ「【0034】 また、チューブ7の先端部は、外針ハブ3の側管37に接続されている。これにより、チューブ7を介して、外針2に薬液等の液体を供給することができる。」 オ「【0048】 チューブ7は、可撓性を有しており、前述したように、その先端部が外針ハブ3の側管37に接続されている。チューブ7の基端部には、流路が2つに分岐した分岐部が設けられており、その一方にコネクタ72が装着され、他方にコネクタ73が装着されている。各コネクタ72および73には、それぞれ、例えば、投与する輸液(薬液)を供給する輸液ラインの端部に装着されたコネクタ、薬液を収納したシリンジの口部等が接続される。」 カ「【0050】 また、留置針組立体1は、外針ハブ3の流路31に、その流路31を封止する封止手段として、円柱状(ブロック状)のシール部材(図示せず)を有している。このシール部材は、主管36の流路31の分岐流路32よりも基端側に設置されている。そして、本実施形態では、シール部材は、分岐流路32の近傍に配置されている。」 キ「図1 [図:0001383452000007.jpg] 」 (6)引用文献4に記載された事項 上記(5)のア~キに摘示した事項から、引用文献4には次の事項が記載されている。 「中空の外針2と、外針2の基端部に固定された外針ハブ3と、外針2内に挿通される内針4と、内針4の基端部に固定され、留置針組立体1を把持する手の親指を当接する指当部54を基端部に有する内針ハブ5と、外針ハブ3の側方部に、内腔71が外針2の内腔21と連通するように接続されたチューブ7とを有する留置針組立体1であって、前記チューブ7は先端部と基端部を有する可撓性を有するチューブ7であり、該チューブ7の先端部は、外針ハブ3の主管36の先端と基端の間の側方部に接続されており、該チューブ7を介して前記外針2に薬液等を供給し、該チューブ7の基端部は薬液を収納したシリンジの口部等が接続されるコネクタ72,73が装着されている、留置針組立体1。」 2 対比 本願発明と引用発明を対比する。 引用発明の「カテーテル装置」は、その機能及び構造からみて、本願発明の「カテーテル組立体」に相当することは明らかである。そして、同様に、引用発明の「カテーテル連結部」は本願発明の「カテーテルハブ」に、引用発明の「カテーテル連結部の中空部」は本願発明の「カテーテルハブの内室」に、引用発明の「流体を注入するための注入チューブ等」は本願発明の「流体を注入し又は前記内室から流体を引き抜くための装置」に、引用発明の「針」を「カテーテル装置に装着した状態にあるとき」は本願発明の「針」が「準備完了状態にあるとき」に、引用発明の「流体を注入するための注射器」は本願発明の「流体を注入するための装置」に、引用発明の「バルブ要素」は本願発明の「バルブ組立体」に、引用発明の「第1バルブ要素」は本願発明の「第1弁部材」に、引用発明の「第2バルブ要素」は本願発明の「第2弁部材」に、引用発明の「針保護要素」は本願発明の「針保護組立体」に、それぞれ相当する。 また、引用発明の「遠位端と近位端を有する中空のポートであって、前記ポートの遠位端はカテーテル連結部の近位端と遠位端との間で前記カテーテル連結部に接続され、該ポートの遠位端は前記カテーテル連結部の前記中空部に開口し、前記ポートの近位端は前記カテーテル連結部の前記中空部に流体を注入するための注射器に接続可能である」「ポート」と、本願発明の「遠位端及び近位端を有する中空の可撓性延長チューブであって、該可撓性延長チューブの遠位端は前記カテーテルハブの近位端と遠位端との間で前記カテーテルハブに接続され、該延長チューブの遠位端は前記カテーテルハブの前記内室に開口し、該可撓性延長チューブの近位端は前記カテーテルハブの前記内室に流体を注入するための装置に接続可能で、前記可撓性延長チューブの近位端には接続ハブが設けられている」「延長チューブ」とは、「遠位端と近位端を有する中空の接続手段であって、該接続手段の遠位端は前記カテーテルハブの近位端と遠位端との間で前記カテーテルハブに接続され、該接続手段の遠位端は前記カテーテルハブの前記内室に開口し、該接続手段の近位端は前記カテーテルハブの前記内室に流体を注入するための装置に接続可能である」「接続手段」である点で共通する。 さらに、引用発明の「針保護要素」の「針をカテーテル連結部から抜く前の状態」は、本願発明の「針保護組立体」の「準備完了状態」に相当し、同様に引用発明の「針を引き抜くときには、前記針先端を覆ってブロックし、前記カテーテル連結部との係合は開放される」ことは、本願発明の「針の保護状態への移行により、前記針保護組立体は前記カテーテルハブとの係合が解除される」ことに相当する。 そうすると、両者は、 「遠位端及び近位端を有するとともに内室を有するカテーテルハブであって、該カテーテルハブの近位端は、前記内室に流体を注入し又は前記内室から流体を引き抜くための装置に接続可能であるカテーテルハブと、 近位端及び遠位端を有する中空管状のカテーテルであって、該カテーテルの近位端は前記カテーテルハブの遠位端に接続され、かつ該カテーテルの中空部は前記カテーテルハブの前記内室に開口しているカテーテルと、 先鋭な針先端部と針軸を有する針であって、準備完了状態にあるときには前記カテーテルハブの前記内室と前記カテーテルとを通って伸び、前記針先端部は前記カテーテルの遠位端より遠位側に位置する針と、 遠位端と近位端を有する中空の接続手段であって、該接続手段の遠位端は前記カテーテルハブの近位端と遠位端との間で前記カテーテルハブに接続され、該接続手段の遠位端は前記カテーテルハブの前記内室に開口し、該接続手段の近位端は前記カテーテルハブの前記内室に流体を注入するための装置に接続可能である接続手段と、 前記カテーテルハブの前記内室内に配置されたバルブ組立体とを備えているカテーテル組立体であって、 前記バルブ組立体は、 前記接続手段の遠位端を閉じる一方、前記接続手段内の加圧された流体の作用により開口可能な第1弁部材と、 流体が、前記内室を介して、前記カテーテルハブの近位端へ流入し又は前記カテーテルハブの近位端から流出するのを阻止する第2弁部材とを備えていて、 前記第2弁部材は、二方弁であり、流体が、前記カテーテルハブの前記内室を通って近位方向及び遠位方向の両方向に流れることが可能となるように開口可能であり、 該カテーテル組立体は、 針保護組立体をさらに備えていて、 前記針保護組立体は,準備完了状態においては、前記カテーテルハブと取り外し可能に係合し、 前記針の保護状態への移行により、前記針保護組立体は前記カテーテルハブとの結合が解除される、カテーテル組立体。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 【相違点1】 接続手段について、本願発明では可撓性延長チューブであり、その近位端には接続ハブが設けられているのに対し、引用発明ではポートであり、その近位端は、カテーテル連結部の中空部に流体を注入するための注射器に接続可能な構成である点。 【相違点2】 針保護組立体について、本願発明では、第1アームと第2アームと近位壁とを有するものであって、前記第1アーム及び前記第2アームは、針の両側部で遠位方向に伸びているのに対し、引用発明では、そのような構成を備えているか明らかでない点。 3 判断 上記相違点について、検討する。 (1)相違点1について 引用文献4には上記1(6)に示したように、「中空の外針2と、外針2の基端部に固定された外針ハブ3と、外針2内に挿通される内針4と、内針4の基端部に固定され、留置針組立体1を把持する手の親指を当接する指当部54を基端部に有する内針ハブ5と、外針ハブ3の側方部に、内腔71が外針2の内腔21と連通するように接続されたチューブ7とを有する留置針組立体1であって、前記チューブ7は先端部と基端部を有する可撓性を有するチューブ7であり、該チューブ7の先端部は、外針ハブ3の主管36の先端部と基端部の間の側方部に接続されており、該チューブ7を介して前記外針2に薬液等を供給し、該チューブ7の基端部は薬液を収納したシリンジの口部等が接続されるコネクタ72,73が装着されている、留置針組立体1。」という技術的事項が記載されている。 ここで、当該引用文献4記載の「基端部」、「先端部」、「外針ハブ3」、「主管36」、「チューブ7」及び「コネクタ72,73」は、その機能と構造からみて、それぞれ本願発明の「近位端」、「遠位端」、「カテーテルハブ」、「内室」、「延長チューブ」及び「接続ハブ」に相当し、当該チューブ7は可撓性を有しており、その先端部は、外針ハブ3の主管36の先端部と基端部の間の側方部に接続されているのであるから、引用文献4には、本願発明の「遠位端及び近位端を有する中空の可撓性延長チューブであって、該可撓性延長チューブの遠位端は前記カテーテルハブの近位端と遠位端との間で前記カテーテルハブに接続され、該延長チューブの遠位端は前記カテーテルハブの前記内室に開口し、該可撓性延長チューブの近位端は前記カテーテルハブの前記内室に流体を注入するための装置に接続可能で、前記可撓性延長チューブの近位端には接続ハブが設けられている延長チューブ」に係る構成が記載されているものと認められる。 そして、引用発明と引用文献4に記載された技術的事項とは、いずれも留置針に関するものであり、カテーテルハブの近位端と遠位端との間で当該カテーテルハブに接続される接続手段を介して薬液等をカテーテルハブを介して人体に適用する点で軌を一にするものであることに鑑みれば、引用発明の接続手段としてのポートに代えて、上記引用文献4記載の技術的事項に係る近位端にコネクタを有する可撓性を有するチューブ7(すなわち、本願発明の近端に接続ハブが設けられた可撓性延長チューブ)を適用しようとする動機付けは存在し、一方、その適用を阻害する要因は特段見当たらない。 よって、上記相違点1に係る本願発明の構成は、引用発明及び引用文献4記載の技術的事項に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。 (2)相違点2について 引用文献2には上記1(4)に示したように、「第1アーム122と第2アーム124と後壁126とを有する針防護物120であって、当該針防護物120が準備完了位置にあるとき、カテーテルハブ26の内壁の固定位置に係止し、前記第1アーム及び前記第2アームは、針16の軸の両側部で遠位方向に延びており、前記針16の後退により前記カテーテルハブ26から取外される、針防護物120。」という技術的事項が記載されている。 ここで、当該引用文献2記載の「針防護物120」は、その機能及び構造上、本願発明の「針保護組立体」に相当し、同様に、「第1アーム122」、「第2アーム124」及び「後壁126」は、それぞれ、「第1アーム」、「第2アーム」及び「近位壁」に相当するから、引用文献2には、本願発明の「第1アームと第2アームと近位壁とを有するものであって、前記第1アーム及び前記第2アームは、針の両側部で遠位方向に伸びている針保護組立体」の具体的構成が記載されているといえる。 そして、引用発明の針保護要素と引用文献2記載の針防護物は、いずれも針の保護状態への移行にあたって、針先端部を保護するものであるから、引用発明の針保護要素の具体的構成を特定するにあたって上記引用文献2記載の針防護物の具体的構成を適用しようとする動機付けは存在し、一方、その適用を阻害する要因は特段見当たらない。 よって、上記相違点2に係る本願発明の構成は、引用発明及び引用文献2記載の技術的事項に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。 (3)効果について そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果は、引用発明並びに引用文献2及び4記載の技術的事項から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 4 小活 以上のとおり、本願発明は、引用発明並びに引用文献2及び4記載の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2018-006969

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決5件(ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト)
  • 2023-021881拒絶査定不服審判 / 2025-12-02 / 請求不成立カテーテルアセンブリ、及び関連する方法
    同じ当事者: ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
  • 2018-006979拒絶査定不服審判 / 2019-09-30 / 請求不成立カテーテル組立体
    同じ当事者: ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
  • 2017-012266拒絶査定不服審判 / 2019-06-03 / 請求不成立カテーテル組立体
    同じ当事者: ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
  • 2016-015045拒絶査定不服審判 / 2017-12-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)医療用中空針のための安全装置
    同じ当事者: ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
  • 2015-006625拒絶査定不服審判 / 2016-10-03 / 請求不成立重症の集中治療患者への人工栄養のための脂肪乳剤
    同じ当事者: ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2024-006089拒絶査定不服審判 / 2026-03-19 / 請求不成立送達された投与量を測定するためのシステムおよび方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-001511拒絶査定不服審判 / 2025-10-14 / 請求不成立カセットを有する自動注射器
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2022-016872拒絶査定不服審判 / 2025-04-08 / 請求不成立患者インタフェースのエルボアセンブリ、エルボアセンブリ用の窒息防止弁およびコネク…
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2022-006927拒絶査定不服審判 / 2024-12-24 / 請求不成立無菌接続を形成する装置
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2021-001306拒絶査定不服審判 / 2022-03-29 / 請求不成立留置型医療用機器
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,547件(121・A61M、537・A61M)
  • 2024-011711拒絶査定不服審判 / 2026-09-01 / 原査定取消(特許/登録すべき)伸縮自在のプランジャーアセンブリ
    共通の審決分類: 121・A61M、537・A61M
  • 2024-019058拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)鼻マスクシステム
    共通の審決分類: 121・A61M、537・A61M
  • 2024-002734拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)累加柔軟性カテーテル支持フレーム
    共通の審決分類: 121・A61M、537・A61M
  • 2024-019025拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)カテーテルおよびその製造方法
    共通の審決分類: 121・A61M、537・A61M
  • 2025-003305拒絶査定不服審判 / 2026-08-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)患者インタフェースおよび該患者インタフェースを形成するための方法
    共通の審決分類: 121・A61M、537・A61M

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存