特許拒絶査定不服審判
2022-016872
患者インタフェースのエルボアセンブリ、エルボアセンブリ用の窒息防止弁およびコネクタ
- 審判番号
- 2022-016872
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-524572外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年10月21日
- 審決日
- 2025年04月08日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-WZ (A61M) / P18 .113-WZ (A61M) / P18 .537-WZ (A61M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-524572号「患者インタフェースのエルボアセンブリ、エルボアセンブリ用の窒息防止弁およびコネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日国際公開、WO2017/021836、平成30年 9月27日国内公表、特表2018-528042号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年) 7月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年 7月31日 (US)アメリカ合衆国、2015年 7月31日 (US)アメリカ合衆国、2015年 8月25日 (US)アメリカ合衆国、2015年 9月24日 (US)アメリカ合衆国、2016年 3月 8日 (US)アメリカ合衆国、2016年 7月 6日 (US)アメリカ合衆国、2016年 7月 8日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 元年 7月29日提出:手続補正書
令和 2年 8月 7日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 2月17日提出:手続補正書、意見書
令和 3年 8月24日付け:拒絶理由通知書
令和 4年 1月28日提出:手続補正書、意見書
令和 4年 6月20日付け:拒絶査定
令和 4年10月21日提出:審判請求書、誤訳訂正書
令和 5年 3月30日提出:上申書
令和 6年 3月19日付け:拒絶理由通知書
令和 6年 9月24日提出:手続補正書、意見書
第2 本願発明
本願の請求項1ないし15に係る発明は、令和 6年 9月24日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「使用者の頭部に呼吸マスクを固定するために使用されるヘッドギアであって、前記ヘッドギアは、
2つの層となるように折り畳まれ、折縁と、前記折縁とは反対側の継合縁とを有する1枚の3次元布を有する後部パネルを備え、前記後部パネルは前記使用者の頭部の長さにわたる縦方向と比較して前記使用者の頭部の幅にわたる横方向の方が高い伸縮性のレベルを有し、前記折縁が前記後部パネルの底縁を形成し、前記後部パネルの前記底縁が、使用時に前記使用者の頭部の後方を横切って延在する、ヘッドギア。」
第3 当審において通知した拒絶理由の概要
当審において令和 6年 3月19日付けで通知した拒絶理由は以下の理由を含むものである。
(進歩性)本願発明は、その優先日前日本国内または外国における周知技術と、下記の引用文献1に記載された事項とに基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特表2014-529432号公報
2.米国特許第6805117号明細書(周知発明を例示する文献)
第4 引用文献の記載、引用発明、周知技術を示す文献の記載(和訳は、当審による。下線は、理解促進のため当審が付した。)
1 周知である引用文献2の記載事項
(1) 上記引用文献2には、次の事項が記載されている。
ア 「The present invention generally relates to an adjustable headgear, and, more particularly, to an adjustable headgear having a universal fitting cap for affixing a gas delivery mask to a patient, and to a system for supplying a flow of gas to a patient that incorporates such an adjustable headgear.」(第1欄第10-14行)
(本発明は、一般に、調節可能なヘッドギアに関し、より詳細には、ガス供給マスクを患者に装着するためのユニバーサルフィッティングキャップを有する調節可能なヘッドギア、及びそのような調節可能なヘッドギアを組み込んだ患者にガス流を供給するシステムに関する。)
イ 「A rear joint piece 28 is attached to, and depends downwardly from, a central portion of the rear edge portion 16 of the headpiece at the upper edge of the rear joint piece, such that the rear joint piece is positionable along the lower rear portion of the patient's head. Rear joint piece 28 is generally rectangular or square in shape having four tab portions 30 extending from the four corners of the rectangle and is preferably made of an elastic lightweight air permeable material, such as LYCRA laminated foam.」(第3欄第12-20行)
(後方ジョイント片28は、後方ジョイント片が患者の頭部の下方後方部分に沿って位置決め可能であるように、後方ジョイント片の上縁でヘッドピースの後縁部分16の中央部分に取り付けられ、そこから下方に延びている。後方ジョイント片28は、四隅から延びる4つのタブ部30を有する一般に長方形または正方形の形状であり、好ましくは、LYCRA積層フォームのような弾性軽量通気性材料で作られている。)
ウ 「A pair of rear adjustment straps 32 are attached to and laterally extend from upper tabs portions 30.」(第3欄第24-25行)
(一対の後部調節ストラップ32が上部タブ部分30に取り付けられ、そこから横方向に延びている。)
エ 「Headgear 10 further includes a pair of lower connecting straps 42 attached to the tab portions 30 on the lower edge of rear joint piece 28.」(第4欄第3-5行)
(ヘッドギア10はさらに、後部ジョイント片28の下縁のタブ部分30に取り付けられた一対の下部連結ストラップ42を含む。)
オ 図1
「
[図:0001426147000001.jpg]
」
カ 図4
「
[図:0001426147000002.jpg]
」
上記ア~カから、以下の事項が記載されている。
キ アより、ヘッドギアは、ガス供給マスクを患者に装着するためのヘッドギアである。
ク イ、オより、ヘッドギアは、LYCRA積層フォームのような弾性軽量通気性材料で作られている後方ジョイント片28を有する。
ケ カ(図4)より、後方ジョイント片28の下側縁部は、装着時に患者の頭部の下方後方に横方向に延在することが看取できる。
2 引用発明
上記1に示されるように、下記のヘッドギア(「以下「引用発明」という。)は、本願優先日前に、周知である。
「ガス供給マスクを患者に装着するためのヘッドギアであって、LYCRA積層フォームのような弾性軽量通気性材料で作られている後方ジョイント片28を有し、後方ジョイント片28の下側縁部が、装着時に患者の頭部の下方後方に横方向に延在する、ヘッドギア。」
第5 対比
1 本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「ガス供給マスクを患者に装着するためのヘッドギア」は、本願発明の「使用者の頭部に呼吸マスクを固定するために使用されるヘッドギア」に相当する。
引用発明の「LYCRA積層フォームのような弾性軽量通気性材料で作られている」ことは、本願発明の「3次元布を有する」ことに相当し、
引用発明の「後方ジョイント片28」は、本願発明の「後部パネル」に相当し、
引用発明の「LYCRA積層フォームのような弾性軽量通気性材料で作られている後方ジョイント片28を有」することと、本願発明の「2つの層となるように折り畳まれ、折縁と、前記折縁とは反対側の継合縁とを有する1枚の3次元布を有する後部パネルを備え」ることとは、3次元布を有する後部パネルを備えることの限りで一致する。
引用発明の「後方ジョイント片28の下側縁部が、装着時に患者の頭部の下方後方に横方向に延在する」は、本願発明の「前記後部パネルの前記底縁が、使用時に前記使用者の頭部の後方を横切って延在する」に相当する。
2 一致点及び相違点
本願発明と引用発明は、下記の一致点で一致し、下記の相違点1、2で相違する。
(1)一致点
「使用者の頭部に呼吸マスクを固定するために使用されるヘッドギアであって、前記ヘッドギアは、
3次元布を有する後部パネルを備え、
前記後部パネルの前記底縁が、使用時に前記使用者の頭部の後方を横切って延在する、ヘッドギア。」
(2)相違点
<相違点1>
後部パネルの3次元布が、本願発明では、「2つの層となるように折り畳まれ、折縁と、前記折縁とは反対側の継合縁とを有する1枚の」3次元布であって、「前記折縁が前記後部パネルの底縁を形成」するのに対して、引用発明では、そのような構成を有しない点。
<相違点2>
本願発明は、後部パネルが、「前記使用者の頭部の長さにわたる縦方向と比較して前記使用者の頭部の幅にわたる横方向の方が高い伸縮性のレベルを有」するのに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。
第6 判断
1 相違点について
(1)相違点1について
1枚の布を折り畳み、折縁の反対側を縫合等で継合する構造は、例えば、特開2008-200228号公報(【0066】、図3(a)及び(b)等参照)、米国特許第5069205号明細書(図1-2の「lower strap casing 24.2」、第3欄第19-21行)に示されるよう慣用技術である。
引用発明のヘッドギアの後方ジョイント片28において、上記慣用技術を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであって、上記慣用技術の採用にあたり、後方ジョイント片28の底縁側を折縁とし、上端側を継合端とする程度は、肌触り等を考慮して、当業者が適宜なし得たことである。
したがって、引用発明において上記慣用技術を採用することで、相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(2)相違点2について
引用文献1には、編み地が「第1の方向に配向された第1のヤーンは第2の方向に配向されたヤーンよりも低い柔軟性を有する」構成により、「ヘッドギアのストラップに沿って望ましいことがあり、それにより、ストラップは、長さに沿って伸長することはできるが、幅にわたって伸長することはできない」ことが示されている(【0077】参照)。そして、装着時に、患者の頭部の幅方向にわたって伸長することができるようにすることは、その使用形態から、当然のことであるから、引用発明において、当該事項を参照して、引用発明の後方ジョイント片28を幅方向に伸長するようにすることで、相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
2 効果について
本願発明を全体として検討しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献1に記載された事項及び慣用技術から当業者が予測できる範囲内のものに過ぎず、格別顕著ということはできない。
3 小括
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献1に記載された事項及び慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおりであるから、請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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