特許異議申立
2017-700703
遊技機
- 審判番号
- 2017-700703
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-051826外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年07月20日
- 審決日
- 2018年07月30日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】重信 和男
- 【権利者代理人】溝渕 良一
- 【権利者代理人】石川 好文
- 【権利者代理人】堅田 多恵子
- 【権利者代理人】林 修身
- 【権利者代理人】大久保 岳彦
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許株式会社
- 【異議申立人代理人】特許業務法人 武和国際特許事務所
- 分類
- P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6068701号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6068701号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
特許第6068701号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6068701号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成22年10月6日に出願した特願2010-226309号の一部を平成28年3月16日に新たな特許出願(特願2016-51826号)としたものであって、平成29年1月6日にその特許権の設定登録がされ、その後、同年7月20日付けで特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より請求項1について特許異議の申立てがされ、当審において同年9月19日付けで取消理由が通知され、同年11月17日付けで意見書が提出されるとともに訂正の請求がされ、同年12月13日付けで訂正拒絶理由が通知され、平成30年1月18日付けで意見書が提出され、同年2月8日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年4月13日付けで意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対して、特許異議申立人より同年6月11日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正請求に係る訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、」の後に、
「前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、」を加える。
なお、下線は訂正箇所を示す。以下、同様。
(2)訂正事項2
上記訂正事項1の「該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、」の後に、
「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、」を加える。
(3)訂正事項3
上記訂正事項2の「前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、」の後に、
「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、」を加える。
(4)訂正事項4
上記訂正事項3の「前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、」の後に、
「前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、」を加える。
(5)訂正事項5
上記訂正事項4の「前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、」の後に、
「前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、」を加える。
(6)訂正事項6
願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0006】に
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴としている。」とあるのを、
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、
前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、
前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、
前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、
前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴としている。」に訂正する。
2 訂正の適否の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0105】の「シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L、230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282R間には、役物230L、230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L、283Rが形成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0106】の「役物用ガイド溝283L、283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L、282Rや役物用ガイド溝283L、283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。」なる記載、本件特許明細書の【0107】の「第1ガイド溝部283aは直線状であるのに対し、第2ガイド溝部283bは円弧状に形成されており、第2ガイド溝部283bは、第1ガイド溝部283aに対して屈曲部283cから所定角度後向きに屈曲されている。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「・・・役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図12、17、21より、「左右方向(第1の方向)に直線状に延びる役物連結用後溝282L(第1溝)と、」「該役物連結用後溝282L(第1溝)に平行に並設され左右方向(第1の方向)に直線状に延びる役物連結用前溝281L(第2溝)と、」「役物連結用後溝282L(第1溝)と役物連結用前溝281L(第2溝)とに平行に並設され左右方向(第1の方向)に直線状に延びる第1ガイド溝部283a(第1ガイド溝部)と、該第1ガイド溝部283a(第1ガイド溝部)に連続し後方向(第2の方向)に円弧状に延びる第2ガイド溝部283b(第2ガイド溝部)とから構成される役物用ガイド溝283L(第3溝)と、」「左右方向(第3の方向)に直線状に延びる役物連結用後溝282R(第4溝)と、」「該役物連結用後溝282R(第4溝)に平行に並設され左右方向(第3の方向)に直線状に延びる役物連結用前溝281R(第5溝)と、」「役物連結用後溝282R(第4溝)と役物連結用前溝281R(第5溝)とに平行に並設され左右方向(第3の方向)に直線状に延びる第1ガイド溝部283a(第3ガイド溝部)と、該第1ガイド溝部283a(第3ガイド溝部)に連続し後方向(第4の方向)に円弧状に延びる第2ガイド溝部283b(第4ガイド溝部)とから構成される役物用ガイド溝283R(第6溝)と、」「を備え、」なる訂正事項が導き出せる。
したがって、上記訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0105】の「シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L、230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282R間には、役物230L、230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L、283Rが形成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0106】の「役物用ガイド溝283L、283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L、282Rや役物用ガイド溝283L、283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。」なる記載、本件特許明細書の【0141】の「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「・・・分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図12、17、20、21より、「役物230Lの第1部材230a(第1可動部)と第2部材230b(第2可動部)とを左右方向(第1の方向)に案内する第1案内部は、役物連結用後溝282L(第1溝)と、役物連結用前溝281L(第2溝)と、役物用ガイド溝283L(第3溝)の第1ガイド溝部283a(第1ガイド溝部)とから構成され、」「前記第1案内部に案内された役物230Lの第2部材230b(第2可動部)をヒンジ347L(屈曲部)中心に屈曲させて、後方向(第2の方向)に移動案内する第2案内部は、役物用ガイド溝283L(第3溝)の第2ガイド溝部283b(第2ガイド溝部)から構成され、」「役物230Rの第1部材230a(第3可動部)と第2部材230b(第4可動部)とを左右方向(第3の方向)に案内する第3案内部は、役物連結用後溝282R(第4溝)と、役物連結用前溝281R(第5溝)と、役物用ガイド溝283R(第6溝)の第1ガイド溝部283a(第3ガイド溝部)とから構成され、」「前記第3案内部に案内された役物230Rの第2部材230b(第4可動部)をヒンジ347R(屈曲部)中心に屈曲させて、後方向(第4の方向)に移動案内する第4案内部は、役物用ガイド溝283R(第6溝)の第2ガイド溝部283b(第4ガイド溝部)から構成され、」なる事項が導き出せる。
したがって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0141】の「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0142】の「第1部材230aの底面には、図18に示すように、取付ネジ341aのネジ穴が下端面に形成された取付ボス346aが下向きに突設されているとともに、取付ネジ341bのネジ穴が下端面に形成された左右一対の取付ボス346bが下向きに突設されている。よって、第1部材230aは、役物連結用後溝282Lに上方から挿通された取付ボス346aの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342aに下方から取り付けられた取付ネジ341aを螺入するとともに、役物連結用前溝281Lに上方から挿通された取付ボス346bの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342bに下方から取り付けられた取付ネジ341bを螺入することで、ベース板336b上に起立姿勢で立設支持される。」なる記載、本件特許明細書の【0144】の「一方、第2部材230bは、第1部材230aにヒンジ347Lを介して上下方向を向く軸周りに屈曲可能に連結されている。また、左端部には、役物用ガイド溝283L内に嵌挿されて移動案内されるガイド支柱348Lが下方に向けて突設されている。」なる記載、及び図17、18、20、21より、「役物230Lの第1部材230a(第1可動部)は、役物連結用後溝282L(第1溝)に挿通される取付ボス346a(第1支持部)と、役物連結用前溝281L(第2溝)の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される左右一対の取付ボス346b(第2支持部及び第3支持部)とを備え、」「役物230Lの第2可動部230b(第2可動部)は、役物用ガイド溝283L(第3溝)に挿通されるガイド支柱348L(第4支持部)を備え、」「役物230Lの第1部材230a(第3可動部)は、役物連結用後溝282R(第4溝)に挿通される取付ボス346a(第5支持部)と、役物連結用前溝281R(第5溝)の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される左右一対の取付ボス346b(第6支持部及び第7支持部)とを備え、」「役物230Rの第2可動部230b(第4可動部)は、役物用ガイド溝283R(第6溝)に挿通されるガイド支柱348L(第4支持部)を備え、」なる事項が導き出せる。
したがって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0105】の「シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L、230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282R間には、役物230L、230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L、283Rが形成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0106】の「役物用ガイド溝283L、283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L、282Rや役物用ガイド溝283L、283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。」なる記載、本件特許明細書の【0141】の「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0142】の「第1部材230aの底面には、図18に示すように、取付ネジ341aのネジ穴が下端面に形成された取付ボス346aが下向きに突設されているとともに、取付ネジ341bのネジ穴が下端面に形成された左右一対の取付ボス346bが下向きに突設されている。よって、第1部材230aは、役物連結用後溝282Lに上方から挿通された取付ボス346aの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342aに下方から取り付けられた取付ネジ341aを螺入するとともに、役物連結用前溝281Lに上方から挿通された取付ボス346bの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342bに下方から取り付けられた取付ネジ341bを螺入することで、ベース板336b上に起立姿勢で立設支持される。」なる記載、本件特許明細書の【0144】の「一方、第2部材230bは、第1部材230aにヒンジ347Lを介して上下方向を向く軸周りに屈曲可能に連結されている。また、左端部には、役物用ガイド溝283L内に嵌挿されて移動案内されるガイド支柱348Lが下方に向けて突設されている。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「・・・分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図17、18、20、21より、「役物連結用後溝282L(第1溝)は、役物230Lの第1部材230aの取付ボス346a(第1支持部)を案内し、」「役物連結用前溝281L(第2溝)は、役物230Lの第1部材230aの左右一対の取付ボス346b(第2支持部及び第3支持部)を案内し、」「役物用ガイド溝283L(第3溝)は、役物230Lの第2部材230bのガイド支柱348L(第4支持部)を案内し、」「役物連結用後溝282R(第4溝)は、役物230Rの第1部材230aの取付ボス346a(第5支持部)を案内し、」「役物連結用前溝281R(第5溝)は、役物230Rの第1部材230aの左右一対の取付ボス346b(第6支持部及び第7支持部)を案内し、」「役物用ガイド溝283R(第6溝)は、役物230Rの第2部材230bのガイド支柱348R(第8支持部)を案内し、」なる事項が導き出せる。
したがって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから、当該訂正事項5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0137】の「駆動部材336Lは、特に図19(b)(c)に示すように、駆動軸335Lの外周に環装される円筒状のガイド筒336aと、該ガイド筒336aの側部に連設されるベース板336bと、から構成されている。ガイド筒336aは、その内面所定箇所に螺旋溝334に係合する係合凸部340(図20参照)が突設されている。」なる記載、本件特許明細書の【0138】の「ベース板336bには、役物230Lを取り付けるための取付ネジ341a(図18参照)が取り付けられる取付孔342aと、取付ネジ341b(図18参照)が取り付けられる取付孔342bが形成されているとともに、取付孔342bの側方には、支持ボス343がそれぞれ上向きに突設されている。」なる記載、本件特許明細書の【0147】の「ここで、役物モータ56Lにより駆動ギヤ331Lが回転され、これに伴い従動ギヤ332L、333Lが回転することで、駆動軸335Lが軸心周りに回転する。これにより、螺旋溝334に係合凸部340を介して係合されている駆動部材336Lは、ガイドレール349と下板202とにより上下から挟まれて駆動軸335Lの軸心周りの回動が規制されていることで、駆動軸335Lの回転により合体位置に向けて右側に移動していく。そして、役物230Lが右側に移動して、取付ボス346a、346bが役物連結用前溝281Lおよび役物連結用後溝282Lの右端部に到達し、また、ガイド支柱348Lが役物用ガイド溝283Lの右端部に到達するとともに、被検出片345が役物センサ57bにより検出されることにより役物モータ56Lの駆動が停止することで、役物230Lは合体位置に停止される。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「また、第1部材230aに対してヒンジ347L、347Rを介して屈曲可能に設けられる第2部材230bと、から少なくとも構成される役物230L、230Rを、分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図19、20より、「役物230Lの第1部材230a(第1可動部)は、役物モータ56L及び駆動部材336L(第1駆動手段)の駆動により、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」「役物230Lの第1部材230aに対してヒンジ347Lを介して屈曲可能に設けられる役物230Lの第2可動部230b(第2可動部)は、役物モータ56L及び駆動部材336L(第1駆動手段)による役物230Lの第1可動部230a(第1可動部)の移動に追従して、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」「役物230Rの第1部材230a(第3可動部)は、役物モータ56R及び駆動部材336R(第2駆動手段)の駆動により、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」「役物230Rの第1部材230aに対してヒンジ347Rを介して屈曲可能に設けられる役物230Rの第2可動部230b(第4可動部)は、役物モータ56R及び駆動部材336R(第2駆動手段)による役物230Rの第1可動部230a(第3可動部)の移動に追従して、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」なる事項が導き出せる。
したがって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項5に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項5は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、上記「(1)訂正事項1」~「(5)訂正事項5」の訂正に伴い、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の【0006】の不明瞭な記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから、当該訂正事項6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項6に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る訂正事項1~5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、訂正事項6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(A~N4は、特許権者及び特許異議申立人の主張を考慮して、当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 遊技が可能な遊技機であって、
B 前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
C 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
D 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
E 前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
F 前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
G 前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
H 前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
J1 前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
J2 該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
J3 前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
J4 前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
J5 該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
J6 前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、
K1 前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
K2 前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
K3 前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
K4 前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、
L1 前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
L2 前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
L3 前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
L4 前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、
M1 前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
M2 前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
M3 前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
M4 前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
M5 前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
M6 前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、
N1 前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N2 前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N3 前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N4 前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
I 前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴とする遊技機。」
2 特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるか、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号及び特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第1号証:特開2009-160229号公報
3 平成29年9月19日付け取消理由の概要
平成29年9月19日付け取消理由通知は、訂正前の請求項1に係る発明は、特許異議申立人が甲第1号証として提出した特開2009-160229号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、とするものである。
4 平成30年2月8日付け取消理由(決定の予告)の概要
平成29年11月17日付け訂正請求書の請求項1に係る特許に対して平成30年2月8日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1)訂正の適否
訂正後の請求項1に係る発明は、「前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部」(下線は、当審で付与。)と特定されているところ、訂正前の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面において、第1案内部を構成する「役物連結用後溝282L」(第1溝)及び「役物連結用前溝281L」(第2溝)が、「第2部材230b」(第2可動部)を移動案内するように構成する点は記載されていないから、訂正後の請求項1について訂正することを認めない。
(2)特許法第29条第2項について
訂正は認められないから、訂正前の請求項1に係る発明は、特許異議申立人が甲第1号証として提出した特開2009-160229号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
5 平成30年6月11日付け意見書(特許異議申立人)の概要
特許異議申立人は、平成30年6月11日付け意見書において、証拠方法として甲第2~3号証を提出し、ア)本件訂正は適法なものではなく、イ)本件訂正が適法であったとしても、本件特許の請求項1における訂正事項1~5の構成は、甲第1号証に記載された発明および周知技術(甲第2~3号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、ウ)本件は本来不適法な分割出願である旨主張している。
6 刊行物の記載
(1)甲第1号証(特開2009-160229号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審にて付した。以下同じ。)。
(1-a)「【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。」
(1-b)「【0059】
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左側部には、スルーゲート34が配置されている。このスルーゲートは、遊技球の通過によって、所定の抽選が行われて当選が出た結果、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。
その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車32が配設されている。」
(1-c)「【0129】
図42および図43に示すように、シャッタユニット44の左側にはレール形成部材443Lが配置されている。レール形成部材443Lは、上下にやや長く延び、上端部に、上下方向にやや幅狭で後方にやや長く延出する上延出部443Tを有するとともに、下端部に、上下方向にやや幅広で後方にやや短く延出する下延出部443Bを有する、概略コ字形状の平板状に樹脂を成形してなる部材であり、シャッタユニット44の左側面部を構成している。
レール形成部材443Lの内側面には、前側端縁に沿って上下に直線状に延びる縦レール443Aが形成され、該縦レール443Aの上端部および下端部にそれぞれ隣接して後方に延びる上レール443Bおよび下レール443Cが形成されている。縦レール443Aは、レール形成部材443Lを厚み方向に貫通するように形成され、また、中央部に仕切板443Sが形成されて上下に仕切られている。上レール443Bは、縦レール443Aの中央よりやや上方の高さ位置から、該縦レール443Aの後側に隣接しながら上方に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から、前記上延出部443T内を緩い角度で上傾しながら後方に延びていて、全体として「へ」の字形状をなすように形成されている。下レール443Cは、縦レール443Aの下端よりやや上方の高さ位置において該縦レール443Aの後側に隣接する位置から、前記下延出部443B内を急角度で下傾しながら後方に直線状に延びるように形成されている。
レール形成部材443Lの内側面において、上記縦レール443A、上レール443Bおよび下レール443Cにより前側、上側および下側を包囲される領域には、この領域に対応する形状を有する平板状の内装部材444Lが取り付けられる。」
(1-d)「【0135】
図42および図43に示すように上側部材441は、概略横長の長方形状の平板状の部材となっており、裏面側は垂直面、表面側は上端から下端にかけて緩やかに湾曲しながら漸次前方に膨出する形状となっている。上側部材441はさらに、上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、両分割体441H、441Lは境界に沿って一直線に並ぶように裏面側の左右両端部に形成された軸挿通部(図示せず)に軸ピン441Pが両側からそれぞれ挿通されることにより、回動自在に連結されている。即ち、遮蔽部材441、442の一部をなす上側部材441が、該上側部材441のスライド方向に沿って並置された複数の部材すなわち上下の両分割体441H、441Lが回動可能に連結された構成となっている。なお上記軸ピン441Pは、両分割体441H、441Lを折り畳んだ状態でのみ着脱することができ、両分割体441H、441Lが一平面上に位置するように開いた状態では脱落し得ない構成となっている。
【0136】
上記上側の分割体441Hにおける両側面の上端部ならびに下側の分割体441Lにおける両側面の後上の隅部には、それぞれスライダ458A、458Bが両側から取り付けられ、両スライダ458A、458Bは前記上レール443Bに係合して該上レール443B内にスライド自在に保持される構成となっている。下側の分割体441Lにおける両側面の前下の隅部には、先端より係合ピンがさらに突出した構成を有するスライダ(以下、係合スライダとも称す)459が両側から取り付けられており、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持されるとともに、該係合スライダ459の係合ピンがレール形成部材443R、443Lを貫通し、前記シャッタ駆動機構445R、445Lにおける一方のラック447Tの上端に形成された係合孔に挿通されて係合し、該ラック447Tの上下動にともなって上下動する構成となっている。
・・・
【0138】
上記下側部材442における両側面の下端部には、前記上側部材441に取り付けられたスライダ458A、458Bと同一構成のスライダ458がそれぞれ両側から取り付けられ、該スライダ458は前記下レール443Cに係合して該下レール443C内にスライド自在に保持される構成となっている。上記下側部材442における両側面の前上の隅部には、前記上側部材441に取り付けられたものと同一の係合スライダ459が両側から取り付けられており、前記上側部材441の場合と同様に、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持されるとともに、該係合スライダ459の係合ピンがレール形成部材443R、443Lを貫通し、前記シャッタ駆動機構445R、445Lにおける他方のラック447Bの下端に形成された係合孔に挿通されて係合し、該ラック447Bの上下動にともなって上下動する構成となっている。なお、左右のピニオン446R、446Lの回転方向が反転する配置となっていることから、上側部材441の左側を駆動するラック447Tは前側に配置され、右側を駆動するラック447Tは後側に配置されており、主としてこの点で、左右のシャッタ駆動機構445R、445Lの構成は全的には左右対称となっていない。上側部材441の左側を駆動するラック447Tとしては下側部材442の右側を駆動するラック447Bと同一の部材が使用され、上側部材441の右側を駆動するラック447Tとしては下側部材442の左側を駆動するラック447Bと同一の部材が使用されている。換言すれば、右側のシャッタ駆動機構445Rの2本のラック447T、447Bと、左側のシャッタ駆動機構445Lの2本のラック447T、447Bとは、前後方向に延びる直線を軸として180°回転させると重なる関係(前後方向に延びる直線に関して対称)となっている。
【0139】
遮蔽部材441、442が閉じた状態では、図45(a)(あるいは図36および図42)に示すように、上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443Aの中央部の仕切板443Sを挟んで上下に近接して並び、上側部材441の係合スライダ459に係合するラック(以下、上側ラックとも称す)447Tは最も下方に、下側部材442の係合スライダ459に係合するラック(以下、下側ラックとも称す)447Bは最も上方にそれぞれ位置している。この時点で上側部材441および下側部材442の係合スライダ459およびスライダ458A、458B、458が位置する各点は、上側部材441および下側部材442が閉じた状態にあるときの位置であるから、即ちこれが閉位置に相当する。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たり、上側部材441の下端面と下側部材442の上端面とは互いに重なり合って前方からは見えない体勢にあり、図42に示すように、遮蔽部材441、442が全体として前記したような側面視概略弓形状の平板状の形状を有する閉塞板を構成して、図5に示すように前記装飾図柄表示装置42の表示面を覆うようになっている。
【0140】
モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、図44(b)(c)(あるいは図41および図43)に示すように、上側ラック447Tは上方へ、下側ラック447Bは下方へそれぞれ移動し、これにともなって上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。このとき、図中に明示されているように、上側部材441の前下部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から上端まで直線的に上昇し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。上下の両分割体441H、441Lは回動可能に連結されているので、上側部材441はこの連結部分でやや折曲するようにして、上レール443Bの屈曲形状に追随しながら移動する。一方これと同時に、下側部材442の前上部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から下端まで直線的に降下し、これにより下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内される。この図44(c)に示す時点で上側部材441および下側部材442の係合スライダ459およびスライダ458A、458B、458が位置する各点は、上側部材441および下側部材442が最も大きく開放された状態にあるときの位置であり、即ちこれが開位置に相当し、より厳密には全開位置ともいうべきものである。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが上下に大きく離隔し、即ち図4に示すように、遮蔽部材441、442が開放されて、前記装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見するようになっている。またこのとき、上側部材441の下端面および下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向および前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となっている。」
上記(1-a)~(1-d)の記載事項から、以下(1-e)~(1-i)の事項が導かれる。
(1-e)段落【0139】には、「遮蔽部材441、442が閉じた状態では、・・・上側部材441の下端面と下側部材442の上端面とは互いに重なり合って前方からは見えない体勢にあり、図42に示すように、遮蔽部材441、442が全体として前記したような側面視概略弓形状の平板状の形状を有する閉塞板を構成して、図5に示すように前記装飾図柄表示装置42の表示面を覆うようになっている。」と記載されているから、甲第1号証には、装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態となる、上側部材441と下側部材442とが記載されているといえる。
また、段落【0140】には、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、・・・上側部材441の前下部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から上端まで直線的に上昇し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、・・・下側部材442の前上部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から下端まで直線的に降下し、これにより下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、・・・上側部材441および下側部材442が最も大きく開放された状態にあるときの位置であり、即ちこれが開位置に相当し、より厳密には全開位置ともいうべきものである。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが上下に大きく離隔し、即ち図4に示すように、遮蔽部材441、442が開放されて、前記装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見するようになっている。」と記載されており、上記段落【0139】の記載を参酌すると、上側部材441及び下側部材442は、上記装飾図柄表示装置42の表示面を多う綴じた状態から、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置へ、それぞれ上側、下側で移動するといえる。
よって、甲第1号証には、装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、上側から移動可能に設けられる上側部材441、及び、装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、下側から移動可能に設けられる下側部材442が記載されているといえる。
(1-f)段落【0129】には、「前側端縁に沿って上下に直線状に延びる縦レール443Aが形成され、・・・縦レール443Aは、・・・中央部に仕切板443Sが形成されて上下に仕切られ・・・上レール443Bは、縦レール443Aの中央よりやや上方の高さ位置から、該縦レール443Aの後側に隣接しながら上方に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から、前記上延出部443T内を緩い角度で上傾しながら後方に延びていて、全体として「へ」の字形状をなすように形成されている。下レール443Cは、縦レール443Aの下端よりやや上方の高さ位置において該縦レール443Aの後側に隣接する位置から、前記下延出部443B内を急角度で下傾しながら後方に直線状に延びるように形成されている。」と記載されているから、甲第1号証には、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と下の部分、上下に直線状に延びる縦レール443A、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B、及び、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443Cが記載されているといえる。
また、段落【0135】には、「上側部材441はさらに、上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、」と記載され、段落【0136】には、「上記下側の分割体441Lにおける両側面の前下の隅部には、先端より係合ピンがさらに突出した構成を有するスライダ(以下、係合スライダとも称す)459が両側から取り付けられており、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持される」と記載され、段落【0139】には、「上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443Aの中央部の仕切板443Sを挟んで上下に近接して並び、」と記載され、段落【0138】には、「上記下側部材442における両側面の前上の隅部には、前記上側部材441に取り付けられたものと同一の係合スライダ459が両側から取り付けられており、前記上側部材441の場合と同様に、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持される」と記載されているから、甲第1号証には、上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分とがあることが記載されているといえる。
そして、段落【0135】には、「上側部材441はさらに、上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、」と記載され、段落【0136】には、「上記上側の分割体441Hにおける両側面の上端部ならびに下側の分割体441Lにおける両側面の後上の隅部には、それぞれスライダ458A、458Bが両側から取り付けられ、両スライダ458A、458Bは前記上レール443Bに係合して該上レール443B内にスライド自在に保持される構成となっている。」と記載されているから、甲第1号証には、上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する上レール443Bがあることが記載されているといえる。
さらに、段落【0138】には、「上記下側部材442における両側面の下端部には、前記上側部材441に取り付けられたスライダ458A、458Bと同一構成のスライダ458がそれぞれ両側から取り付けられ、該スライダ458は前記下レール443Cに係合して該下レール443C内にスライド自在に保持される構成となっている。」と記載されているから、甲第1号証には、下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する下レール443Cがあることが記載されているといえる。
加えて、上記認定事項(1-e)及び段落【0140】の「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、・・・係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。・・・それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。・・・スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、」との記載より、上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際に、上記各スライダが上記各レール内をスライドし、上記各レール及び上記各スライダにより案内されることは、明らかである。
以上より、甲第1号証には、上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際の案内する手段として、
上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、
下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分と、
上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443Bと、
下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443Cと、
を備えたことが記載されているといえる。
(1-g)段落【0140】には、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、図44(b)(c)(あるいは図41および図43)に示すように、上側ラック447Tは上方へ、下側ラック447Bは下方へそれぞれ移動し、これにともなって上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。このとき、図中に明示されているように、上側部材441の前下部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から上端まで直線的に上昇し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。」と記載されている。
そして、図44(a)には、上レール443Bの上下方向への直線状部分の下端部にスライダ458Bが位置している点が、図44(b)には、上レール443Bの上下方向への直線状部分の上端部にスライダ458Bが位置している点が図示されており、また、図44(a)及図44(b)には、共に係合スライダ459が上下方向の縦レール443A内に位置している点が図示されているから、図44(a)から図44(b)のスライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある範囲においては、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動することは、明らかである。
さらに、図44(a)には、スライダ458Bの上部にスライダ458Aが位置し、スライダ458Aとスライダ458Bとに支持される上側の分割体441Hが上下方向を向いた姿勢で位置する点が、図44(b)には、スライダ458Bの右上方向にスライダ458Aが位置し、スライダ458Aとスライダ458Bに支持される上側の分割体441Hが右上方向を向いた姿勢で右上方向に位置している点が記載されているから、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分(上記認定事項(1-f))にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて屈曲しながら上側後方に移動することは、明らかである。また、段落【0135】には、「両分割体441H、441Lは境界に沿って一直線に並ぶように裏面側の左右両端部に形成された軸挿通部(図示せず)に軸ピン441Pが両側からそれぞれ挿通されることにより、回動自在に連結されている。」と記載されているから、上側の分割体441Hが屈曲移動する際には、軸挿通部を中心に屈曲することは、明らかである。
以上より、甲第1号証には、第1可動物が閉じた状態の位置から最も大きく開放された状態へ移動する際に、スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動し、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動する点が記載されているといえる。
(1-h)段落【0140】には、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、・・・上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。・・・これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。・・・一方これと同時に、下側部材442の前上部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から下端まで直線的に降下し、これにより下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内される。」と記載され、上記(1-f)において検討したように、甲第1号証には、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459」「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459」「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458B」が記載されているから、甲第1号証には、モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され、これと同時に、下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内されることが記載されているといえる。
(1-i)段落【0139】には、「上側部材441および下側部材442が閉じた状態にあるときの位置であるから、即ちこれが閉位置に相当する。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たり」、段落【0140】には、「上側部材441および下側部材442が最も大きく開放された状態にあるときの位置であり、・・・上側部材441の下端面および下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向および前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となっている。」、段落【0143】には、「上記上側部材441の下端面および下側部材442の上端面はそれぞれ透明樹脂板で構成され、さらに、図39、図41、図43等に示すように、各面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、」と記載されているから、甲第1号証には、上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たるものであり、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面の面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる点が記載されているといえる。
上記(1-a)~(1-d)の記載事項及び(1-e)~(1-i)の認定事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(a~nは、本件発明のA~Nに対応させて付した。)。
「a 遊技機であって、(段落【0001】)
b 遊技盤の中央に配置された装飾図柄表示装置42と、(段落【0059】)
c 装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、上側から移動可能に設けられる上側部材441と、(認定事項(1-e))
d 装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、下側から移動可能に設けられる下側部材442と、(認定事項(1-e))
e、j、k、l、m 上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際の案内する手段として、
上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、
下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分と、
上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443Bと、
下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443Cと、
を備え、(認定事項(1-f))、
f 上側部材441は、軸挿通部に軸ピン441Pが挿通されることにより回動自在に連結された上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、(段落【0135】)
h 第1可動物が閉じた状態の位置から最も大きく開放された状態へ移動する際に、スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動し、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動し、(認定事項(1-g))
n モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され、これと同時に、下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内され、(認定事項(1-h))
i 上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たるものであり、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面の面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる、(認定事項(1-i))遊技機。」
(2)甲第2号証(特開2007-236625号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(2-a)「【0004】
ところで、可動部材は支持されつつ移動せしめられることが多く、移動案内のために案内路が設けられることが多い。案内路は、例えばレールや溝、孔などとして形成されるが、予め可動部材の移動方向に沿って配設されている必要がある。そして、大きな移動距離を確保するためには、案内路は可動部材の大きさに比して十分に大きく形成する必要がある。また、可動部材の移動時の姿勢や動きの安定化を図るためには、可動部材を移動方向の両端部分等の複数箇所で支持して案内した方が好ましい。すると、案内路は、可動部材の両端部から移動方向に向けて延び出して形成される必要がある。
【0005】
ところが、可動部材から延び出した案内路が遊技者に視認されてしまうと、遊技者に対して、それが移動せしめられる部材であることが予測されると共に、案内路の延び出し方向からその移動方向までもが容易に予測されてしまう。それ故、可動部材を移動せしめたとしても遊技者の予測通りの動きを行なうに過ぎず、遊技者に与える演出上の効果に乏しいという問題があった。」
(2-b)「【0018】
図1には、本発明の一実施形態として、遊技機としてのパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、縦長な方形状に枠組み形成された外枠12を備えている。外枠12には、その一側において開閉自在に軸支された状態で、パチンコ機の主要構成部の略全てが集約して設けられる中枠14が組み付けられている。また、中枠14の表側には、中枠14に対して裏側から取り付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板を備えたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22がそれぞれ中枠14の一側に開閉自在に軸支された状態で組み付けられている。更にまた、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が突設されている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
【0026】
このような構造とされた落下部材48は、図5に示すように、上側脚部54a、54bおよび下側脚部56a、56bが、取付板部45に鉛直方向に延びて形成された上脚案内溝66a、66bおよび下脚案内溝68a、68bによって、鉛直方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、図6および図7にモデル的に示すように、取付板部45における貫通孔44の右側には、鉛直方向に延びる一対の取付板上溝70a、70bが貫設されていると共に、これら取付板上溝70a、70bの下方には、鉛直方向に延びる一対の取付板下溝72a、72bが貫設されている。そして、取付板上溝70a、70bおよび取付板下溝72a、72bに対応する大きさおよび形状を有するカバー上溝74a、74bおよびカバー下溝76a、76bが貫設されたカバー部材78が取付板部45の裏面に取り付けられている。これにより、取付板上溝70a、70bとカバー上溝74a、74bが重ね合わされて上脚案内溝66a、66bが形成されると共に、取付板下溝72a、72bとカバー下溝76a」
上記(2-a)~(2-b)の記載事項を総合すると、甲第2号証には、次の事項(以下、「甲第2号証に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「可動部材の移動時の姿勢や動きの安定化を図るためには、可動部材を移動方向の両端部分等の複数箇所で支持して案内した方が好ましい、落下部材48の上側脚部54a、54bおよび下側脚部56a、56bを、上脚案内溝66a、66bおよび下脚案内溝68a、68bによって、鉛直方向に移動可能に取り付けるパチンコ機10」
(3)甲第3号証(特開2007-268207号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(3-a)「【0011】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は本体101と本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102とを備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。」
(3-b)「【0030】
移動機構710は、上軌道に沿って配設され、移動部材703の移動を案内する案内棒711を有する。本実施形態の場合、案内棒711が2本設けられ、左右方向に延びている。2本の案内棒711は奥行き方向並びに上下方向にずれて配設されている。案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができ、特に、移動部材703が移動方向に直交する方向に回動することを防止して、より安定して移動部材703を案内することができる。
・・・
【0037】
延設部703d、704dを有することにより、移動部材703、704はLCD602の上下の側部をその厚さ方向に跨って形成される。これにより、LCD602の背面側に移動機構710、720を配設しながら、LCD602の正面側に演出部材701を配設することが可能となる。LCD602の背面側に移動機構710、720を配設することにより、上下方向のスペースをより広く確保し易くなり、その結果、表示画面602aがより大きなLCD602を採用することができる。移動部材703、704は案内棒711、712による片持ち支持となるが、案内棒711、712を2本設けることで上記の通り、移動部材703、704をより安定して案内できる。」
上記(3-a)~(3-b)の記載事項を総合すると、甲第3号証には、次の事項(以下、「甲第3号証に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができるスロットマシン100」
第4 当審の判断
1 特許法第29条第2項について
本件発明は、甲1発明及び甲第2~3号証に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるか検討する。
(1)対比
本件発明と甲1発明とを対比する(下記の(a)~(n)は、甲1発明の構成a~nに対応している。)。
(a)甲1発明の「遊技機」は、遊技が可能なものであることは当業者にとって自明であるから、本件発明の「遊技が可能な遊技機」に相当する。
(b)甲1発明の「遊技盤の中央」は、本件発明の「遊技機の所定箇所」に相当する。
したがって、甲1発明の「遊技盤の中央に配置された装飾図柄表示装置42」は、
本件発明の「前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段」に相当する。
(c)甲1発明において、「上側部材441」は、「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」においては「装飾図柄表示装置42」に重畳することは明らかであるから、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」は、本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部」に相当する。
また、「上側部材441」は、「最も大きく開放された状態の位置」においては、「装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する」から、「装飾図柄表示装置42」に重畳しないことは明らかである。さらに、「最も大きく開放された状態の位置」は、「閉じた状態の位置」から「上側部材441」が移動可能な位置であるから、「閉じた状態の位置」に並設された位置であるといえる。
よって、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置」は、本件発明の「該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部」に相当する。また、甲1発明における「上側から」移動可能であることは、本件発明における「一側から」移動可能であることに相当する。
したがって、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、上側から移動可能に設けられる上側部材441」は、
本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物」に相当する。
(d)甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」及び「装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置」は、それぞれ、本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部」及び「該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部」に相当する。また、甲1発明における「下側から」移動可能であることは、本件発明における「他側から」移動可能であることに相当する。
したがって、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、下側から移動可能に設けられる下側部材442」は、
本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物」に相当する。
(e)甲1発明の「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」、「上レール443B」及び「下レール443C」は、それぞれ、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459」、「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459」、「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458B」及び「下側部材442に取り付けられたスライダ458」が「スライド自在に保持され係合する」ものであるから、上記各スライダ及び上記各レールが「上側部材441」及び「下側部材442」の移動を案内する案内手段であるといえる。
したがって、甲1発明の「上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際の案内する手段として、上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分と、上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443Bと、下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443C」は、
本件発明の「前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段」に相当する。
(f)甲1発明において、「上側の分割体441Hと下側の分割体441L」とは、「軸挿通部に軸ピン441Pが挿通されることにより回動自在に連結され」ているから、「軸挿通部」は、「上側の分割体441H」と「下側の分割体441L」との接続部であるといえ、また、「下側の分割体441L」は、「上側の分割体441H」に対して「軸挿通部」を屈曲部中心として屈曲可能に設けられているといえる。
したがって、甲1発明において、「上側部材441は、軸挿通部に軸ピン441Pが挿通されることにより回動自在に連結された上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され」ていることは、
本件発明において、「前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され」ていることに相当する。
(h)甲1発明の「上下方向」は、本件発明の「第1の方向」に相当する。
また、甲1発明において、「上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動」する際の移動方向は、「上下方向」に対して上側後方に傾いた方向であり、「上下方向」と交差する方向であることは自明であるから、本件発明における「前記第1の方向と交差する第2の方向」に相当する。
そして、甲1発明において、「スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動」するものであるから、「縦レール443A」及び「上レール443Bの上下方向に直線状の部分」は、第1可動部を上下方向に移動案内する第1案内部であるといえる。
それに加えて、甲1発明において、「スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動」するから、「上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分」は、第2可動部を屈曲部中心に屈曲させて、第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部であるといえる。
したがって、甲1発明の「第1可動物が閉じた状態の位置から最も大きく開放された状態へ移動する際に、スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動し、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動」することは、
本件発明の構成Hと、「前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部」「を第1の方向に移動案内する第1案内部と」、「前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と」「から少なくとも構成され」る点で共通する。
(j1)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」という構成を有している。
甲1発明の「上下」は、本件発明の「第1の方向」に相当する。
したがって、甲1発明の「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、
本件発明の「前記第1の方向に直線状に延びる第1溝」に相当する。
(j3)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」という構成を有している。
上記(j1)で検討したように、甲1発明の「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、本件発明の「第1ガイド溝部」に相当し、甲1発明の「縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている」部分は、円弧状に延びていない点で異なるが、本件発明の「第2ガイド溝部」に相当する。
また、甲1発明は、本件発明の「第2溝」に相当する構成がない。
したがって、甲1発明の「縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」は、
本件発明の構成J3と、「前記第1溝と」「平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、前記第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に」「延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝」の点で共通しているといえる。
(j4)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」という構成を有している。
甲1発明の「上下」は、本件発明の「第3の方向」に相当する。
したがって、甲1発明の「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」は、
本件発明の「前記第3の方向に直線状に延びる第4溝」に相当する。
(k1~4)本件発明の構成K1~K4は、「前記第1溝」~「前記第6溝」の構成を有するが、上記(j1)、(j3)~(j4)において既に検討したように、甲1発明は「第1溝」及び「第4溝」に相当する構成は有しているが、「第2溝」~「第3溝」、「第5溝」~「第6溝」に相当する構成は有していないので、甲1発明は、「前記第2溝」~「前記第3溝」、「前記第5溝」~「前記第6溝」の構成を含む本件発明の構成K1~K4は有していない。
(l1)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」と、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」及び「スライダ458B」は、本件発明の「第1支持部」及び「第2支持部」に相当する。
しかしながら、甲1発明は、本件発明の「第2溝部」に相当する構成を有していない。
したがって、甲1発明の「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」と、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」とは、
本件発明の構成L1と、「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、」「第2支持部」「とを備え」た点で共通している。
(l2)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A」「がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」という構成を有している。
甲1発明の「スライダ458A」は、本件発明の「第4支持部」に相当する。
したがって、甲1発明の「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A」「がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」は、
本件発明の「前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部」に相当する。
(l3)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」と、「下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443C」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」及び「スライダ458B」は、本件発明の「第5支持部」及び「第6支持部」に相当する。
しかしながら、甲1発明は、本件発明の「第5溝部」に相当する構成を有していない。
したがって、甲1発明の「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」と、「下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443C」とは、
本件発明の構成L3と、「前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、」「第6支持部」「とを備え」た点で共通している。
(m1)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」は、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」に「スライド自在に保持され係合」されているから、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、「係合スライダ459」を案内しているといえる。
したがって、甲1発明の「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、
本件発明の「前記第1溝は、前記第1支持部を案内」することに相当する構成を有している。
(m4)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」は、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」に「スライド自在に保持され係合」されているから、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」は、「係合スライダ459」を案内しているといえる。
したがって、甲1発明の「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」は、
本件発明の「前記第4溝は、前記第5支持部を案内」することに相当する構成を有している。
(n1)甲1発明は、構成nにおいて、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され」る構成を有している。
甲1発明の「モータ449R、449L」は、本件発明の「第1駆動手段」に相当する。
上記(c)において既に検討したように、甲1発明の「上側部材441」は、「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」(重畳部)と、「最も大きく開放された状態の位置」(非重畳部)との間を移動するから、甲1発明の「下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459」が「縦レール443A内を」「上端」「まで移動」することは、本件発明の「前記第1可動部は、」「前記重畳部から前記非重畳部へ移動」することに相当する。
したがって、甲1発明の「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され」ることは、
本件発明の「前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動」することに相当する。
(n2)甲1発明は、構成nにおいて、「上側の分割体441Hの上端部」「は、」「スライダ458A」「が上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され」る構成を有している。
甲1発明の「スライダ458A」は「上レール443B内をスライドする」から、上記(n1)で検討した内容を考慮すると、甲1発明の「上側の分割体441H」は、「下側の分割体441L」(第1可動部)に追従して、「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」(重畳部)から、「最も大きく開放された状態の位置」(非重畳部)に移動するといえる。
したがって、甲1発明の「上側の分割体441Hの上端部」「は、」「スライダ458A」「が上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され」ることは、
本件発明の「前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動」することに相当する。
(i)甲1発明において、「上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たる」ことは、本件発明において、「前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体する」ことに相当する。そして、甲1発明の「上側部材441の下端面」及び「下側部材442の上端面」は本件発明の「該合体する際に当接する当接面」に相当し、当該「上側部材441の下端面」及び「下側部材442の上端面」には「上側装飾板441Nおよび下側装飾板442N」が配置されているから、装飾が施されているといえる。
また、甲1発明において、「最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる」ことは、本件発明における、「該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である」ことに相当する。
したがって、甲1発明において、「上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たるものであり、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面の面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる」ことは、
本件発明において、「前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である」ことに相当する。
以上、(a)~(n2)の対比より、本件発明と甲1発明とは、
「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
C 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
D 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
E 前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
F 前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
H’前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部を第1の方向に移動案内する第1案内部と、第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、から少なくとも構成され、
J1 前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
J3’前記第1溝と平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、前記第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
J4 前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
L1’前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、第2支持部とを備え、
L2 前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
L3’前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、第6支持部とを備え、
M1 前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
M4 前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
N1 前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N2 前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
I 前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴とする遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)(構成G)
「第2可動物」に関して、
本件発明は、「前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され」ていると特定されているのに対して、
甲1発明の「下側部材442」(第2可動物)は、そのように特定されていない点。
(相違点2)(構成H)
「案内手段」に関して、
本件発明は、「前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部」及び「前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部」とから少なくとも構成されると特定されているのに対して、
甲1発明の「上レール443Bの上下方向に直線状の部分」(第1案内部)は、「上側の分割体441H」(第2可動部)を上下方向(第1の方向)に移動案内するか不明な点。
(相違点3)(構成H)
「案内手段」に関して、
本件発明は、「前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部」とから少なくとも構成されると特定されているのに対して、
甲1発明において「下側部材442」(第2可動物)を移動案内する「縦レール443A」及び「下レール443C」は、そのように特定されていない点。
(相違点4)(構成J2~3、5~6、K1~4、L1、3~4、M2~3、5~6)
本件発明は、「該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と」(J2)、「前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と」(J3)、「該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と」(J5)、「前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、を備え」(J6)、「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され」(K1)、「前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され」(K2)、「前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され」(K3)、「前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され」(K4)、「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え」(L1)、「前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え」(L3)、「前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え」(L4)、「前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し」(M2)、「前記第3溝は、前記第4支持部を案内し(M3)、前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し」(M5)、「前記第6溝は、前記第8支持部を案内」する(M6)のに対して、
甲1発明は、本件発明の「第2溝」(J2、M2)、「第5溝」(J5、M5)、「第3可動部」~「第4可動部」(L3~4)に相当する構成を有しておらず、「上レール443B」、「下レール443C」は本件発明の「第3溝」(J3、M3)、「第6溝」(J6、M6)と同様の構成ではなく、甲1発明の「下側の分割体441L」は本件発明の「第1可動部」(L1)に相当する構成でない点。
(相違点5)(N3~4)
本件発明は、「前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し」(N3)、「前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動」する(N4)のに対して、
甲1発明は、本件発明の「第3可動部」~「第4可動部」(N3~4)に相当する構成がないため、そのような構成でない点。
(2)判断
事情に鑑み、先ず相違点4から判断する。
(相違点4について)
上記第3 6(2)に記載したように、甲第2号証に記載された事項として「可動部材の移動時の姿勢や動きの安定化を図るためには、可動部材を移動方向の両端部分等の複数箇所で支持して案内した方が好ましい、落下部材48の上側脚部54a、54bおよび下側脚部56a、56bを、上脚案内溝66a、66bおよび下脚案内溝68a、68bによって、鉛直方向に移動可能に取り付けるパチンコ機10」が記載され、上記第3 6(3)に記載したように、甲第3号証に記載された事項として「案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができるスロットマシン100」が記載されている。
甲第2号証に記載された事項は、1つの案内溝に1つの脚部を設ける技術に過ぎず、1つの案内溝に複数の脚部を設ける技術、及び直線状に延びるガイド溝部に連続して円弧状に延びるガイド溝部を設ける技術は記載されていない。
また、甲第3号証に記載された事項は、移動部材を2本の案内棒で案内する技術に過ぎず、可動部を溝に挿通される支持部で案内する技術ではない。
これらのことから、相違点4の構成のうちの第1~2可動物に関する構成である「該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と」(J2)、「前記記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、前記第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と」(J3)、を備え、「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の第1ガイド溝部とから構成され」(K1)、「前記第2案内部は、前記第3溝の第2ガイド溝部から構成され」(K2)、「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え」(L1)、「前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し」(M2)、「前記第3溝は、前記第4支持部を案内」する(M3)構成とした点は、甲第2号証及び甲第3号証には記載されておらず、示唆もされておらず、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項から周知であるともいえず、甲1発明に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を適用しても、このような構成にはならない。
本件発明は、第3~4可動物に関する構成として、第1~2可動物に関する構成と同様の構成を有しているから、相違点4の構成のうちの第3~4可動物に関する構成(相違点4の構成のうち、第1~2可動物に関する構成以外。J5~6、K3~4、L3~4、M5~6)とした点も、甲第2号証及び甲第3号証には記載されておらず、示唆もされておらず、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項から周知であるともいえず、甲1発明に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を適用しても、このような構成にはならない。
そして、本件発明は、上記相違点4に係る構成を備えることにより、直線状に延びる第1溝(第4溝)及び第2溝(第5溝)を移動する第1可動部(第3可動部)は、第1溝(第4溝)により案内される第1支持部(第4支持部)、及び第2溝(第5溝)により案内される第2支持部及び第3支持部(第6支持部及び第7支持部)の3点で支持されて移動するので、第1可動部(第3可動部)の直線移動を安定して行うことができる一方、円弧状に延びる第3溝(第6溝)の第2ガイド溝部(第4ガイド溝部)を移動する第2可動部(第4可動部)は、第3溝(第6溝)により案内される第2案内部(第4案内部)の1点で支持されて移動するので、第2可動部(第4可動部)の円弧移動を滑らかに行うことができる、という効果を奏するものである。
したがって、本件発明の上記相違点4に係る構成は、甲1発明及び周知技術(甲第2~3号証に記載された事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
したがって、上記相違点1~3、5について検討するまでもなく、本件発明は甲1発明及び周知技術(甲第2~3号証に記載された事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
2 特許異議申立理由について
当審による平成30年2月8日付け取消理由通知は、上記第3 2及び4において検討したように、特許異議申立の理由と同じものであることから、特許異議申立理由は、「第4 当審の判断」において検討済みである。
3 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は、平成30年6月11日付け意見書において、本件訂正は新たな効果を伴うもので、実質上特許請求の範囲を変更するものであるから、適法なものではない旨主張している。
しかしながら、上記第2 2において既に検討したように、訂正事項1~6は適法な訂正であり、特許権者が平成30年4月13日付け意見書で主張している効果は、本件特許明細書等に記載された構成が有する自明な効果に過ぎず、実質上特許請求の範囲を変更するものではないから、異議申立人の主張を採用することはできない。
また、特許異議申立人は、平成30年6月11日付け意見書において、本件発明の構成Iの「前記第1可動物及び前記第2可動物は、」「合体する際に当接する当接面には装飾が施されており」とした点は、本件特許の原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、及び図面には記載されておらず、自明な事項でもないから、本件特許に係る出願は不適法な分割出願であり、出願日は遡及せず、本件発明は、原出願の公開公報から当業者が容易に発明できたものである旨主張している。
しかしながら、本件特許明細書等、本件特許に係る出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、「本件当初明細書等」という。)、及び原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、「原出願当初明細書等」という。)における、図17~18において、役物230L(第1可動物)の230R(第2可動物)との当接面には装飾が施されていることが図示されていると共に、段落【0141】には「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。」と記載されているから、フィギュアの左半分である役物230L(第1可動物)だけでなく、右半分である230R(第2可動物)にも装飾が施されていることは明らかであるから、本件発明の構成Iの「前記第1可動物及び前記第2可動物は、」「合体する際に当接する当接面には装飾が施されており」とした点は、本件特許明細書等、本件当初明細書等、原出願当初明細書等のいずれにも記載されており、本件特許に係る出願は適法な分割出願であり、出願日は遡及するといえるから、異議申立人の主張を採用することはできない。
第4 むすび
以上のことから、上記取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2017-700703