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特許異議申立

2017-700516

スロットマシン

審判番号
2017-700516
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-076035外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年05月25日
審決日
2017年12月20日
公報発行日
2018年03月30日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6034820号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6034820号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6034820号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件特許第6034820号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成20年5月30日に出願した特願2008-143711号の一部を平成26年4月2日に新たな特許出願としたものであって、平成28年11月4日にその特許権の設定登録がされ、その後、平成29年5月25日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされたものであり、同年7月27日付け(発送:同年8月2日)で取消理由が通知され、その指定期間内である同年9月29日に意見書の提出及び訂正請求がなされ、これに対して、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より、同年11月20日に意見書が提出されたものである。 第2 訂正請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、 「前記再遊技表示結果の導出が許容される割合は、前記特別表示結果の導出が許容されたこと、および前記特別表示結果が導出されたことによっては変化せず、」 の次に、 「前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、」 を加える。 なお、下線は、訂正箇所を示す。以下、同様。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1において、 「前記付与表示結果には、所定数の遊技用価値の付与を伴う第1付与表示結果と、当該所定数よりも大きい数の遊技用価値の付与を伴う第2付与表示結果とが含まれ、」 の次に、 「前記スロットマシンは、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されていないときには、前記第1付与表示結果を導出可能である一方で前記第2付与表示結果を導出不可能であり、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されているときには、前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果のいずれかを導出可能であり、」 を加える。 (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落【0009】において、 「上記目的を達成するため、本発明にかかるスロットマシンは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、 遊技用価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、複数種類の表示結果のうちから導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、 前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段とを備え、 前記複数種類の表示結果は、遊技用価値の付与を伴う付与表示結果と、遊技用価値を用いることなく前記可変表示部が変動表示可能となる再遊技表示結果と、前記事前決定手段の決定結果にかかわらず前記付与表示結果の導出が許容され得る特別遊技状態への制御を伴う特別表示結果とを含み、 前記スロットマシンは、特定開始条件が成立したときに、特定終了条件が成立するまで通常遊技状態よりも前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が高い特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段をさらに備え、 前記特別遊技状態において前記付与表示結果および前記再遊技表示結果の導出が許容されたときには、当該再遊技表示結果よりも優先して当該付与表示結果が導出され、 前記再遊技表示結果の導出が許容される割合は、前記特別表示結果の導出が許容されたこと、および前記特別表示結果が導出されたことによっては変化せず、 前記特別遊技状態は、当該特別遊技状態の開始から終了までに付与された遊技用価値の総数である特別付与総数が規定数を超えるまで制御され、 前記付与表示結果には、所定数の遊技用価値の付与を伴う第1付与表示結果と、当該所定数よりも大きい数の遊技用価値の付与を伴う第2付与表示結果とが含まれ、 前記特別付与総数と、前記特別遊技状態において賭数の設定に用いられた遊技用価値の総数との差である純増数は、前記特別遊技状態において前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果の各々が導出されたときにのみ最大となり、 前記特定開始条件は、特定表示結果が導出されたことによって成立する条件である。・・・」 と記載されているのを、 「上記目的を達成するため、本発明にかかるスロットマシンは、 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、 遊技用価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、複数種類の表示結果のうちから導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、 前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段とを備え、 前記複数種類の表示結果は、遊技用価値の付与を伴う付与表示結果と、遊技用価値を用いることなく前記可変表示部が変動表示可能となる再遊技表示結果と、前記事前決定手段の決定結果にかかわらず前記付与表示結果の導出が許容され得る特別遊技状態への制御を伴う特別表示結果とを含み、 前記スロットマシンは、特定開始条件が成立したときに、特定終了条件が成立するまで通常遊技状態よりも前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が高い特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段をさらに備え、 前記特別遊技状態において前記付与表示結果および前記再遊技表示結果の導出が許容されたときには、当該再遊技表示結果よりも優先して当該付与表示結果が導出され、 前記再遊技表示結果の導出が許容される割合は、前記特別表示結果の導出が許容されたこと、および前記特別表示結果が導出されたことによっては変化せず、 前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 前記特別遊技状態は、当該特別遊技状態の開始から終了までに付与された遊技用価値の総数である特別付与総数が規定数を超えるまで制御され、 前記付与表示結果には、所定数の遊技用価値の付与を伴う第1付与表示結果と、当該所定数よりも大きい数の遊技用価値の付与を伴う第2付与表示結果とが含まれ、 前記スロットマシンは、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されていないときには、前記第1付与表示結果を導出可能である一方で前記第2付与表示結果を導出不可能であり、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されているときには、前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果のいずれかを導出可能であり、 前記特別付与総数と、前記特別遊技状態において賭数の設定に用いられた遊技用価値の総数との差である純増数は、前記特別遊技状態において前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果の各々が導出されたときにのみ最大となり、 前記特定開始条件は、特定表示結果が導出されたことによって成立する条件である。・・・」 に訂正する。 なお、“・・・”は、転記を省略している箇所を示す。以下、同様。 2 訂正の適否について (1)訂正事項1 ア 訂正の目的 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1において、 「前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、」 という発明特定事項を新たに加えるものであるから、当該訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0107】の「チャレンジボーナス(A)は、通常の遊技状態またはRTにおいて「青7-青7-青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チャレンジボーナス(B)は、通常の遊技状態またはRTにおいて何れかの入賞ラインに「白7-白7-白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チャレンジボーナス(A)またはチャレンジボーナス(B)に入賞すると、遊技状態がチャレンジボーナスに移行する(RTのゲームが残っている場合は、RTに併せてチャレンジボーナスに制御される)。…」、段落【0121】の「RTの遊技状態は、ビッグボーナスの終了後の300ゲームの間継続し、チャレンジボーナス(A)、チャレンジボーナス(B)の当選や入賞でも終了させられることはない(ビッグボーナス、レギュラーボーナスに当選した場合には、当該ゲーム限りでRTが終了させられる)。チャレンジボーナス(A)またはチャレンジボーナス(B)の入賞に基づいて遊技状態がRTに併せてチャレンジボーナスにも制御されている間のゲームでも、RTのゲーム数のカウント対象となる。」、段落【0122】の「チャレンジボーナスは、RTに併せて制御させることのできる遊技状態であるので、チャレンジボーナスに制御されていないRTと、チャレンジボーナスに制御されているRTとがある…」、段落【0130】の「…リプレイの判定値数の合計数は、通常の遊技状態では8992であるのに対して、RTでは50604となっている(チャレンジボーナスに併せて制御された場合も同じ)。…」、及び段落【0203】の「一方、チャレンジボーナス(A)またはチャレンジボーナス(B)に当選した場合には、これらの役に入賞させてもRTの遊技状態は終了させられない。チャレンジボーナスで消化するゲーム数が同じであると仮定した場合、チャレンジボーナス(A)またはチャレンジボーナス(B)に何時入賞させても、チャレンジボーナスに制御されていないRTのゲーム数はトータルで同じとなるが、チャレンジボーナスとしても、RTに併せて制御されている場合の方がRTに制御されていない場合よりも遊技者にとって有利なものとなる。従って、この場合も、なるべく早くこれらの役に入賞させた方が、遊技者にとって得られる利益が大きくなる。」との記載、並びに図5(b)に基づいて導き出される構成である。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 そして、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1において、 「前記スロットマシンは、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されていないときには、前記第1付与表示結果を導出可能である一方で前記第2付与表示結果を導出不可能であり、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されているときには、前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果のいずれかを導出可能であり、」 という発明特定事項を新たに加え、特許請求の範囲を減縮するものであるから、当該訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項2は、願書に添付した明細書の段落【0116】の「チャレンジボーナスにおいては、ベルとチェリーの複合入賞も発生し得る。ベルとチェリーの複合入賞(必ず「チェリー」が上段に停止する形となる)の場合、15枚のメダルが払い出される(チェリー×2+ベルでの払い出し枚数は24枚であるが、1ゲーム当たりの払い出しメダル枚数が15枚に制限されているため)。もっとも、チャレンジボーナスの遊技状態においても、ベルとチェリーの複合入賞は、リプレイ当選している場合にしか発生し得ない。」、段落【0132】の「チャレンジボーナスにおけるメダルの払出率は、何れのゲームでも14枚のメダルの払い出しとなるチェリーに入賞をさせることができ、後述するようにリプレイ当選しているときには15枚のメダルの払い出しとなるベルとチェリーの複合入賞をさせることができるので、当然のこととして1よりも大きくなる。…」、段落【0134】の「前述したように、チャレンジボーナスにおける獲得メダル枚数を最大にするためには、17ゲームを消化するまでに13ゲームだけベルとチェリーに複合入賞させ、残りのゲームは全てチェリーに入賞させる(上段または下段での入賞)ものとし、さらに18ゲーム目でベルとチェリーに複合入賞させればよい。開始からRTに制御されていないチャレンジボーナスでは、17ゲームの間にベルとチェリーに複合入賞させるチャンスが得られるリプレイ当選が13ゲームも生じることはほとんど期待できない。」、段落【0135】の「これに対して、開始から終了までRTに制御されているチャレンジボーナスでは、17ゲームの間にベルとチェリーに複合入賞させるためのチャンスが得られるリプレイ当選するゲーム数が13ゲーム以上生じることは、十分に期待できる。また、17ゲームの間に13ゲームベルとリプレイに複合入賞させ、残りをチェリーに単独入賞させた場合に、さらに18ゲーム目がベルとチェリーに複合入賞させるためのチャンスが得られるリプレイ当選するゲームとなることも十分に期待できる。」、段落【0148】の「…チャレンジボーナスの遊技状態においても、リプレイに当選している場合は、リプレイよりも小役に入賞させることを優先してリール3L、3C、3Rの停止制御が行われるものとなる。そして、チャレンジボーナスの遊技状態においてリプレイ当選している場合に限って、払い出し枚数が15枚でチェリーの単独入賞の場合よりも多いベルとチェリーの複合入賞が発生し得る。」、段落【0150】の「チャレンジボーナスの遊技状態において遊技者が右の停止ボタン12Rを1番目に操作した楊合、その操作タイミングが10番または11番(或いは、19番または10番)の図柄が右のリール3Rの下段に位置するタイミングであったならば、75ミリ秒の最大遅延時間の範囲内で、13番(或いは、1番)の「チェリー」を上段に停止させ、11番(或いは、20番)の「ベル」を下段に停止させる。その後に停止されている左と中のリール3L、3Cについては、リプレイ当選していれば、「ベル」を下段の入賞ラインまたは右下がりの対角線の入賞ラインに引き込むが、リプレイ当選していない場合には、「ベル」の蹴飛ばし制御を行うものとしている。右の停止ボタン12Rが2番目に操作された場合も、右のリール3Rに「チェリー」が停止していれば、最後に停止されるリールで「ベル」の蹴飛ばしが行われる。」、及び段落【0151】の「また、右の停止ボタン12Rが最後に操作される場合、先に停止されている左と中のリール3L、3Cについては、リプレイ当選していれば、「ベル」が下段の入賞ラインまたは右下がりの対角線の入賞ラインに引き込まれてテンパイしているが、リプレイ当選していない場合には、それ以外の入賞ラインに引き込まれてテンパイしているものとなっている。リプレイ当選している場合には、停止ボタン12Rの操作タイミングによりベルとチェリーの複合入賞が可能であるが、リプレイ当選していない場合には、停止ボタン12Rの操作タイミングに関わらずにベルとチェリーの複合入賞は不可能なものとなっている。」との記載に基づいて導き出される構成である。 したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 そして、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正により、願書に添付した明細書の段落【0009】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、当該訂正事項3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項3に係る訂正は、願書に添付した明細書の段落【0009】の記載を、請求項1の記載と整合を取るためのものであり、訂正事項1及び訂正事項2が、それぞれ上記(1)のイ及び(2)のイに記載したとおり、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであるから、訂正事項3も同様の理由により、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであって、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 そして、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 3 むすび したがって、本件訂正の訂正事項1及び2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1について訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 本件特許の訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Oについては発明を分説するため当審で付与した。)。 「【請求項1】 A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、 B 遊技用価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、複数種類の表示結果のうちから導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、 D 前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段とを備え、 E 前記複数種類の表示結果は、遊技用価値の付与を伴う付与表示結果と、遊技用価値を用いることなく前記可変表示部が変動表示可能となる再遊技表示結果と、前記事前決定手段の決定結果にかかわらず前記付与表示結果の導出が許容され得る特別遊技状態への制御を伴う特別表示結果とを含み、 F 前記スロットマシンは、特定開始条件が成立したときに、特定終了条件が成立するまで通常遊技状態よりも前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が高い特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段をさらに備え、 G 前記特別遊技状態において前記付与表示結果および前記再遊技表示結果の導出が許容されたときには、当該再遊技表示結果よりも優先して当該付与表示結果が導出され、 H 前記再遊技表示結果の導出が許容される割合は、前記特別表示結果の導出が許容されたこと、および前記特別表示結果が導出されたことによっては変化せず、 I 前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 J 前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 K 前記特別遊技状態は、当該特別遊技状態の開始から終了までに付与された遊技用価値の総数である特別付与総数が規定数を超えるまで制御され、 L 前記付与表示結果には、所定数の遊技用価値の付与を伴う第1付与表示結果と、当該所定数よりも大きい数の遊技用価値の付与を伴う第2付与表示結果とが含まれ、 M 前記スロットマシンは、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されていないときには、前記第1付与表示結果を導出可能である一方で前記第2付与表示結果を導出不可能であり、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されているときには、前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果のいずれかを導出可能であり、 N 前記特別付与総数と、前記特別遊技状態において賭数の設定に用いられた遊技用価値の総数との差である純増数は、前記特別遊技状態において前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果の各々が導出されたときにのみ最大となり、 O 前記特定開始条件は、特定表示結果が導出されたことによって成立する条件であることを特徴とするスロットマシン。」 2 取消理由の概要 訂正前の請求項1に係る特許に対して平成29年7月27日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。 訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開2007-229024号公報)及び甲第2号証(特開2007-44235号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 3 特許異議申立理由の概要 特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明について、以下のとおり主張している。 訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <証拠方法> 甲第1号証:特開2007-229024号公報 甲第2号証:特開2007-44235号公報 4 甲各号証の記載 (1)甲第1号証 取消理由で通知した甲第1号証(特開2007-229024号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 「【0003】 このような回胴式遊技機の中には、再遊技役に当選する確率が一般遊技よりも高い確率に設定された再遊技高確率遊技、いわゆるリプレイタイム(以下RT)遊技を備えたものもある。RT遊技中は、再遊技役が頻繁に成立するとともに、再遊技役以外の遊技役にも成立するので、一般遊技と比べて遊技媒体を減らすことなく、成立した遊技役に応じて遊技媒体の払い出しを受けることができる(特許文献1)。」 「【0018】 前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。尚、本実施例では、この表示窓20が本願発明における「表示領域」に相当している。また、表示窓20の左右および下方には、遊技の状態を表示する各種の表示パネル類22が設けられている。」 「【0023】 一方、筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が表示されている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板が格納された主制御基板ユニット110と、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源スイッチ120sも設けられている。更に、メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。」 「【0032】 B.遊技の概要 : 以下では、上記の構成を有する回胴式の遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概要を説明しておく。」 「【0034】 遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが一斉に回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には、複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、それぞれの回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示されて、何某かの図柄組合せが得られることになる。 【0035】 こうして得られた図柄組合せが、いわゆる「小役」と呼ばれる遊技役を成立させる組合せであった場合には、成立した遊技役に応じた遊技メダルが払い出される。 ・・・ 【0037】 加えて、「ボーナス役」の一種として、「チャレンジタイム役(以下では、CT役)」と呼ばれる遊技役も設けられている。3つの回胴20a,20b,20cが停止したときに得られる図柄の組合せが、CT役を成立させる図柄の組合せであった場合には、左側の回胴20aの停止制御において、回胴停止ボタン38aが操作されてから所定時間(75msec)以内に回胴20aの回転を停止させる制御を行うCT遊技が開始される。この75msecの所定時間は、回胴20aの外周に表示された図柄にして所定のコマ数(代表的には1コマ)に相当する。このため、熟達した遊技者であれば、回胴20aの図柄を見ながら所定の図柄(本実施例では「チェリー」の図柄)を入賞ライン上で停止させる、いわゆる目押しを行い所定の遊技役(本実施例では「チェリー小役」)を成立させることが可能となる。そして、回胴20aが停止したとき、入賞ライン上で「チェリー小役」が成立していれば、15枚の遊技メダルが払い出される。 【0038】 更に、回胴が停止したときに得られる図柄の組合せが、「再遊技役」と呼ばれる遊技役を成立させる組合せであった場合には、遊技メダルが払い出されることはないが、遊技者が遊技メダルを投入することなく、再び遊技を開始することが可能となる。 【0039】 図5は、本実施例の遊技機1に設定されている各種の遊技役と、それら遊技役を成立させる図柄の組合せとを例示した説明図である。図示されているように、BB役を成立させる図柄の組合せとしては、「赤セブン」の図柄が3つ揃った組合せが設定されている。 また、RB役を成立させる図柄の組合せは、「バー」の図柄が3つ揃った組合せに設定されている。さらに、CT役を成立させる図柄の組合せとしては、「青セブン」の図柄が3つ揃った組合せが設定されている。小役を成立させる図柄の組合せは、「スズ」の図柄が3つ揃うか、「スイカ」の図柄が3つ揃うか、若しくは、左端の図柄が「チェリー」となる図柄に設定されている。更に、再遊技役を成立させる図柄の組合せは、「再遊技」の図柄が3つ揃った組合せに設定されている。また、図5には、これらの遊技役が成立したときに払い出される遊技メダルの枚数も、併せて表示されている。尚、「スズ」の図柄で成立した小役は「スズ小役」と呼ばれ、「スイカ」の図柄で成立した小役は「スイカ小役」、「チェリー」の図柄で成立した小役は「チェリー小役」と呼ばれることがある。また、「再遊技役」は「リプレイ役」と呼ばれることがあるが、本明細書中ではリプレイタイム(RT)との混同を避けるために、専ら「再遊技役」と呼ぶことにする。」 「【0044】 遊技が開始可能な状態になると、主制御基板200は、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S102)。スタートレバー36が操作されていない場合は(S102:NO)、スタートレバー36の操作が確認されるまで待機する。そして、スタートレバー36が操作されたら(S102:YES)、内部抽選処理を開始する(S104)。内部抽選処理の詳細については後述するが、この処理では、図5を用いて前述した遊技役の成立を許容するか否かを、抽選によって決定する処理を行う。尚、この抽選は、遊技役の成立を許容するか否かに関するものであり、抽選に当選したからといって、該当する遊技役が直ちに成立するわけではない。当選した遊技役を実際に成立させるためには、回胴20a,20b,20cの回転に合わせて、適切なタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すことにより、当選した遊技役を成立させる図柄の組合せを揃える必要がある。逆に、如何に適切なタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを押したとしても、内部抽選処理で当選していなければ、遊技役を成立させる図柄の組合せは揃わないようになっている。従って、内部抽選処理における当選は、内部的に当選した状態に過ぎず、この意味から抽選は「内部」抽選と呼ばれ、また、内部抽選によって内部的に当選した状態は「内部」当選と呼ばれる。」 ・・・ 【0047】 こうして3つの回胴20a,20b,20cを一斉に回転させたら、主制御基板200は、今度は、回胴の回転を停止させる処理(回胴回転停止処理)を行う(S108)。回胴回転停止処理の詳細については後述するが、この処理では、内部抽選の結果に応じて、回胴停止ボタン38a,38b,38cが押されたタイミングと、内部抽選の結果とに基づいて、3つの回胴20a,20b,20cを適切な位置で停止させる処理を行う。」 「【0048】 3つの回胴20a,20b,20cの回転が停止すると、主制御基板200は、入賞が成立しているか否かを判断する(S110)。ここで、「入賞」とは、内部抽選で遊技役に当選した後、その遊技役を成立させる図柄の組合せが揃って表示されることをいう。後述するように、本実施例の遊技機1では、表示窓20に複数本の入賞ラインが設けられており、遊技役を成立させる図柄の組合せが入賞ライン上に揃うと、その遊技役が成立する。尚、入賞ライン上に図柄が揃って遊技役が成立することは、単に、遊技役に入賞すると呼ばれることもある。回胴回転停止処理(S108)において説明したように、内部抽選処理で遊技役に当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄の組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役に入賞しているか否かを判断するのである。そして、入賞していないと判断された場合は(S110:NO)、その遊技は終了となり、図6の遊技制御処理の先頭に戻って、遊技メダルが投入(あるいはベット)されるまで待機状態となる。そして、遊技メダルが投入(あるいはベット)されると(S100:YES)、新たな遊技が開始可能な状態となり、上述した続く一連の処理が実行される。」 「【0064】 これに対して、RTフラグがONに設定されておらず(S204:NO)、且つ、CTフラグがONに設定されている場合には(S206:YES)、CT遊技用の抽選テーブルを選択する(S210)。図10は、本実施例の遊技機1で用いられているCT遊技用の抽選テーブルを例示した説明図である。図9に示した一般遊技用の抽選テーブルと比較すれば明らかなように、CT遊技用の抽選テーブルでは、「再遊技役」に当選するか否かの抽選がされており、その確率は一般遊技用の抽選テーブルと同じ確率の「12500/65536」である。前述したようにCT遊技が開始されると、短い停止遅延時間(75msec以内)で回胴20aを停止する遊技状態となり、「チェリー小役」が成立すれば、15枚の遊技メダルが払い出される。そして、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば40枚)に達するまで、CT遊技が継続される。従って、CT遊技では、熟達した遊技者であれば、目押しをしながら「チェリー小役」を容易に成立させることが可能であるため、短期間で所定枚数の遊技メダルを獲得することができる。しかしながら、目押しが困難なために「チェリー小役」を成立させることができない初心者の遊技者の場合は、払出枚数が所定枚数に達するまでに、多くの遊技メダルを消費してしまうおそれがある。その結果、消費した遊技メダルの方が獲得した遊技メダルよりも多くなってしまい、CT遊技中に遊技メダルを増加させることなくCT遊技が終了してしまうこともあり得る。」 「【0067】 図12は、本実施例の遊技機1で用いられているRT+CT遊技用の抽選テーブルを例示した説明図である。図10に示したCT遊技用の抽選テーブルおよび図11に示したRT遊技用の抽選テーブルと比較すれば明らかなように、RT+CT遊技用の抽選テーブルは、RT遊技とCT遊技とを組み合わせた遊技となっている。すなわち、再遊技役に割り当てられた乱数値の範囲が広くなっており、高い確率で再遊技役に内部当選するように設定されている。RT+CT遊技が開始されると、短い停止遅延時間(75msec以内)で回胴20aを停止する遊技状態となり、「チェリー小役」が成立すれば、15枚の遊技メダルが払い出される。そして、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば40枚)に達するまで、RT+CT遊技が継続される。従って、RT+CT遊技では、「チェリー小役」を成立させることができなかった場合であっても、高い確率で「再遊技役」を成立させることが可能となる。従って、払出枚数が所定枚数に達するまで、遊技メダルを減らすことなく遊技を続行することができ、確実に所定枚数の遊技メダルを獲得することができる。」 「【0069】 一方、前記S202において、既にBB役、RB役またはCT役に内部当選していると判断した場合には(S202:YES)、RTフラグがONであるか否かを判断する(S218)。BB役、RB役またはCT役に内部当選しており(S202:YES)、且つ、RTフラグがONに設定されていない場合には(S218:NO)、内部当選中の一般遊技用抽選テーブルを選択する(S220)。図13は、本実施例の遊技機1で用いられている内部当選中の一般遊技用の抽選テーブルを例示した説明図である。図9または図11に示した抽選テーブルと比較すれば明らかなように、図13に示した内部当選中の一般遊技用の抽選テーブルでは、BB役、RB役やCT役には乱数値が割り当てられていない。このため、内部当選中は、重ねてボーナス役が成立しないようになっている。」 「【0074】 また、CT遊技中およびRT+CT遊技中は、「再遊技役」以外の遊技役の抽選を行わないが、「チェリー小役」においては、強制的にフラグをONにしている。その結果、CT遊技中およびRT+CT遊技中に「再遊技役」に当選した場合は、「チェリー小役」と「再遊技役」との2つのフラグがONとなる。そして、後述する回胴回転停止処理において、いずれかの遊技役を入賞役として処理する。」 「【0091】 一方、チェリーの図柄を表示窓20内に停止させることが不可能な場合には(S404:NO)、内部抽選が再遊技役に当選しているか否かを判断する(S408)。ここで、内部抽選が再遊技役に当選しているか否かを判断しているのは、CT遊技においては、先ずチェリーの図柄を表示窓20内に停止させることが可能な場合を判断していることからも明らかなように、チェリーの図柄を成立させる停止制御を最優先しているが(S404,S406)、チェリーの図柄を成立させる停止制御が不可能な場合には、2番目の優先順位として再遊技役の当選を優先しているからである。これは、前述したように、熟達した遊技者であれば、CT遊技中に目押しによって「チェリー小役」を成立させて、遊技メダルを獲得することが可能となるが、初心者の遊技者は、CT遊技中に「チェリー小役」を成立させることが困難なことに鑑みて、遊技メダルを投入することなく遊技を行うことが可能な再遊技役の当選を2番目の優先順位としたのである。」 「【0098】 こうした回胴停止制御処理が各回胴停止ボタン38a,38b,38cに対して、それぞれ実行されるため、CT遊技中およびRT+CT遊技中は、熟達した遊技者であれば、「チェリー小役」を成立させて、遊技メダルを獲得することが可能となる。一方、初心者の遊技者であっても、「チェリー小役」を成立させる停止制御の次に、再遊技役の内部当選が優先されることから、RT+CT遊技中は、遊技メダルの消費を極力抑制しながら遊技を継続することが可能となる。」 「【0103】 これに対して、CTフラグがONに設定されている場合には(S502:YES)、現在の遊技状態がCT遊技中であると判断して、前記S500において遊技役に応じて払い出された遊技メダルの払出枚数をCTカウンタに加算した後(S504)、CTカウンタが上限値(例えば、40枚)に達したか否かを判断する(S506)。ここで、CTカウンタとは、前述したようにCT遊技の終了タイミングを把握するために、遊技メダルの払出枚数を計数するためのカウンタである。そして、CTカウンタが上限値(例えば、40枚)に達した場合には(S506:YES)、CT遊技を終了して(S508)、遊技制御処理に復帰する。一方、CTカウンタが上限値(例えば、40枚)に達していない場合には(S506:NO)、CT遊技を維持した状態で遊技制御処理に復帰する。」 「【0105】 D.本実施例のリプレイタイム遊技中のチャレンジタイム遊技 : 上述したような遊技制御処理においては、図7を用いて前述したように、BB遊技(S124)が終了すると、RTフラグがONに設定される(S126)。図17を用いて前述したように、RT遊技は、終了条件としてRTカウンタが上限値(例えば200ゲーム)に達するか(S328:YES)、あるいは、BB役またはRB役が成立するまでは(S330:YES)、RTフラグがONに設定されているので、RT遊技が実行される。 【0106】 図8を用いて前述したように、RT遊技の内部抽選処理は、図11に示したRT遊技用抽選テーブルが選択される(S214)。図11に示すRT遊技用抽選テーブルから明らかなように、CT役(青セブン)の当選確率は、「1100/65536」であり、約1/60の当選確率に設定されている。一方、BB役(赤セブン)の当選確率は、「150/65536」であり、約1/437の当選確率に設定されており、RB役(バー)の当選確率は、「50/65536」であり、約1/1310の当選確率に設定されている。また、再遊技役の当選確率は、「52500/65536」であり、約8/10の当選確率に設定されている。従って、RT遊技中の内部抽選処理では、ほとんどが再遊技役に内部当選することとなるが、約1/60の確率でCT役(青セブン)に、約1/437の確率でBB役(赤セブン)に、約1/1310の確率でRB役(バー)にも内部当選することとなる。」 「【0115】 上述した実施例では、RT遊技が実行されるのはBB遊技後としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定の図柄の組合せが成立した場合に、RT遊技が実行されてもよい。こうすることで、一般遊技中のどのタイミングでRT遊技に突入するのか遊技者に分からなくなるので、常に期待感を抱きながら遊技を行うことができる。」 【図12】から、段落【0067】の記載も参酌すれば、RT+CT遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は「52500/65536」であることが見て取れる。 【図13】から、段落【0069】の記載も参酌すれば、内部当選中の一般遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は「12500/65536」であることが見て取れる。 したがって、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(甲1発明のa~oは、本件発明のA~Oに対応させて付した。)。 (甲1発明) 「a 外周面に複数種類の図柄が表示され、表示窓20から回転する様子を視認可能な3つの回胴20a,20b,20cを備え(【0018】、【0023】)、 b 遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが一斉に回転し、表示窓20では図柄が変動表示され、回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、3つの回胴20a,20b,20cが停止したときに得られる図柄の組合せに応じて入賞が成立する回胴式遊技機において(【0032】、【0034】、【0048】)、 c 回胴回転停止処理S108の前に、遊技役の成立を許容するか否かを、抽選によって決定する内部抽選処理S104と(【0044】、【0047】)、 d 内部抽選の結果に応じて、回胴停止ボタン38a,38b,38cが押されたタイミングと、内部抽選の結果とに基づいて、3つの回胴20a,20b,20cを適切な位置で停止させる回胴回転停止処理S108と(【0047】)、を行い、 e 遊技役を成立させる図柄の組合せは、遊技メダルが払い出される小役(スズ、スイカ、チェリー)を成立させる図柄の組合せと、遊技者が遊技メダルを投入することなく、再び遊技を開始することが可能な再遊技役を成立させる図柄の組合せと、いわゆる目押しを行い所定の遊技役(チェリー小役)を成立させることが可能なCT遊技が開始される図柄の組合せとを含み(【0035】、【0037】~【0039】)、 f 前記回胴遊技機は、特定の図柄の組合せが成立した場合に、RTカウンタが上限値(例えば200ゲーム)に達するか、あるいは、BB役またはRB役が成立するまで、内部抽選で再遊技役に当選する確率が高くなるRT(リプレイタイム)状態に制御し(【0003】、【0105】、【0106】、【0115】)、 g CT遊技中およびRT+CT遊技中において、再遊技役に当選した場合は、チェリー小役と再遊技役の2つのフラグがONとなり、当該状態において、チェリーの図柄を成立させる停止制御を最優先し、2番目の優先順位として再遊技役の当選を優先し(【0074】、【0091】、【0098】)、 h、i CT遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は、内部当選中の一般遊技用の抽選テーブル及び一般遊技用の抽選テーブルと同じ確率の「12500/65536」であり(【0064】、【0069】、【図13】)、 j RT+CT遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は、RT遊技用の抽選テーブルと同じ確率の「52500/65536」であり(【0065】~【0067】、【0106】、【図12】) k CT遊技では、遊技メダルの払出枚数をCTカウンタに加算していき、CTカウンタが上限値(例えば、40枚)に達した場合にCT遊技を終了し(【0103】)、 l 特定の図柄の組合せが成立した場合に、RT遊技が実行される(【0115】) 回胴式遊技機。」 (2)甲第2号証 取消理由で通知した甲第2号証(特開2007-44235号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 「【0001】 本発明は、メダル、コイン等を遊技媒体として使用するスロットマシン等の遊技機に関するものである。」 「【0085】 CTゲームでは、少なくとも予め定めた1つ以上のリール制御に関して、滑り制御(リール350A、350B、350Cの停止制御における補助)は一切禁止、あるいは通常遊技よりも停止制御における補助を厳しく制限される制御状態となり、遊技者が停止ボタン356A、356B、356Cを操作した時期に対して忠実に停止制御が実行されるリールが1つ以上発生するようになっている。また、始動レバー354の操作があっても抽選は実行されず、または、抽選がなされても遊技状態制御部160はその役・図柄の決定結果を無視することにより(言い換えれば、CTゲーム中は、全ての小役のフラグが成立)、純粋に遊技者の操作技術により小役図柄を揃えることが可能となる。上記実施の形態では、当選しなくとも成立可能な役は小役のみとするが、もちろん小役に限らず、大役を含む全ての役がその役に当選しなくとも成立可能としてもよい。」 「【0092】 例えば、小役Aの払出数が15枚(本実施の形態における小役の払出枚数の最大値)、小役Bの払出数が5枚であり、最大払出数が268枚、1回のゲームの投入枚数が3枚とした場合、268枚-15枚=253枚の規定枚数を超えた時点で、CTゲームが終了してしまうため、少ないゲーム数で最も253枚に近い状態で最後の入賞役として小役A(15枚)を獲得するようにすればよい。」 「【0093】 従って、この場合は、CTゲーム開始から小役A(15枚)を16回入賞させ(15枚×16=240枚)、小役B(5枚)を2回入賞させ(240枚+(5枚×2)=250、最後に小役A(15枚)を入賞させる。なお、上記各入賞は、連続でなくてもよい。」 「【0094】 これにより、合計265枚(250枚+15枚)となり、ゲーム回数分の投入枚数(3枚×19=57枚)を差し引くと、所謂純増数は、208枚となる。」 「【0095】 一方、仮に、小役Aを入賞し続けると、17回で253枚を超えてしまい(15枚×17=255枚)、純増数は、255枚-(3枚×17)=204枚となり、遊技者から見れば、4枚分の損となる。」 したがって、甲第2号証には次の事項(以下、「甲2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 (甲2記載事項) 「CTゲームでは、少なくとも予め定めた1つ以上のリール制御に関して、滑り制御は一切禁止、あるいは通常遊技よりも停止制御における補助を厳しく制限される制御状態となり、遊技者が停止ボタンを操作した時期に対して忠実に停止制御が実行されるリールが1つ以上発生するようになっており、また、始動レバーの操作があっても抽選は実行されず、または、抽選がなされても遊技状態制御部はその役・図柄の決定結果を無視することにより、純粋に遊技者の操作技術により小役図柄を揃えることが可能となるものであり(【0085】)、 小役Aの払出数が15枚、小役Bの払出数が5枚であり、最大払出数が268枚、1回のゲームの投入枚数が3枚とした場合、268枚-15枚=253枚の規定枚数を超えた時点で、CTゲームが終了してしまうため、少ないゲーム数で最も253枚に近い状態で最後の入賞役として小役A(15枚)を獲得するようにすればよく(【0092】)、 従って、この場合は、CTゲーム開始から小役A(15枚)を16回入賞させ(15枚×16=240枚)、小役B(5枚)を2回入賞させ(240枚十(5枚×2)=250)、最後に小役A(15枚)を入賞させると(【0093】)、 これにより、合計265枚(250枚+15枚)となり、ゲーム回数分の投入枚数(3枚×19=57枚)を差し引くと、所謂純増数は、208枚となり(【0094】)、 一方、仮に、小役Aを入賞し続けると、17回で253枚を超えてしまい(15枚×17=255枚)、純増数は、255枚-(3枚×17)=204枚となり、遊技者から見れば、4枚分の損となる(【0095】) スロットマシン(【0001】)。」 5 当審の判断 (1)対比 本件発明と甲1発明を対比する。なお、見出しの(a)~(o)は、本件発明のA~O及び甲1発明のa~oに対応させている。 (a)甲1発明の「a 外周面に複数種類の図柄が表示され、表示窓20から回転する様子を視認可能な3つの回胴20a,20b,20c」は、本件発明の「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部」に相当する。 (b)甲1発明の「b 遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが一斉に回転し、表示窓20では図柄が変動表示され、回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、3つの回胴20a,20b,20cが停止したときに得られる図柄の組合せに応じて入賞が成立する回胴式遊技機」は、本件発明の「B 遊技用価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン」に相当する。 (c)甲1発明の「c 回胴回転停止処理S108の前に、遊技役の成立を許容するか否かを、抽選によって決定する内部抽選処理S104」を行うことは、本件発明の「C 表示結果が導出される前に、複数種類の表示結果のうちから導出を許容する表示結果を決定する」ことに相当する。そして、甲1発明は、内部抽選処理を行うための手段を備えることは明らかであるから、本件発明の「事前決定手段」に相当するものを有するといえる。 (d)甲1発明の「d 内部抽選の結果に応じて、回胴停止ボタン38a,38b,38cが押されたタイミングと、内部抽選の結果とに基づいて、3つの回胴20a,20b,20cを適切な位置で停止させる回胴回転停止処理S108」を行うことは、本件発明の「D 前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う」ことに相当する。そして、甲1発明は、回胴回転停止処理を行うための手段を備えることは明らかであるから、本件発明の「導出制御手段」に相当するものを有するといえる。 (e)甲1発明の「e 遊技役を成立させる図柄の組合せは、遊技メダルが払い出される小役(スズ、スイカ、チェリー)を成立させる図柄の組合せと、遊技者が遊技メダルを投入することなく、再び遊技を開始することが可能な再遊技役を成立させる図柄の組合せと、いわゆる目押しを行い所定の遊技役(チェリー小役)を成立させることが可能なCT遊技が開始される図柄の組合せとを含」むことは、本件発明の「E 前記複数種類の表示結果は、遊技用価値の付与を伴う付与表示結果と、遊技用価値を用いることなく前記可変表示部が変動表示可能となる再遊技表示結果と、前記事前決定手段の決定結果にかかわらず前記付与表示結果の導出が許容され得る特別遊技状態への制御を伴う特別表示結果とを含」むことに相当する。 (f)甲1発明の「f 前記回胴遊技機は、特定の図柄の組合せが成立した場合に、RTカウンタが上限値(例えば200ゲーム)に達するか、BB役またはRB役が成立するまで、内部抽選で再遊技役に当選する確率が高くなるRT(リプレイタイム)状態に制御」することは、本件発明の「F 前記スロットマシンは、特定開始条件が成立したときに、特定終了条件が成立するまで通常遊技状態よりも前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が高い特定遊技状態に制御する」ことに相当する。そして、甲1発明は、RT(リプレイタイム)状態に制御するための手段を備えることは明らかであるから、本件発明の「特定遊技状態制御手段」に相当するものを有するといえる。 (g)甲1発明の「g CT遊技中およびRT+CT遊技中において、再遊技役に当選した場合は、チェリー小役と再遊技役の2つのフラグがONとなり、当該状態において、チェリーの図柄を成立させる停止制御を最優先し、2番目の優先順位として再遊技役の当選を優先」することは、本件発明の「G 前記特別遊技状態において前記付与表示結果および前記再遊技表示結果の導出が許容されたときには、当該再遊技表示結果よりも優先して当該付与表示結果が導出され」ることに相当する。 (h)甲1発明の「h、i CT遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は、内部当選中の一般遊技用の抽選テーブル及び一般遊技用の抽選テーブルと同じ確率の「12500/65536」であ」ることは、一般遊技において再遊技役に当選する確率が、CT役が内部当選すなわちCT役の表示結果の導出が許容されたこと、およびCT役が成立すなわちCT役の表示結果が導出されたことによっては変化しないことを意味することは明らかであるから、本件発明の「H 前記再遊技表示結果の導出が許容される割合は、前記特別表示結果の導出が許容されたこと、および前記特別表示結果が導出されたことによっては変化」しないことに相当する。 (i)甲1発明の「h、i CT遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は」「一般遊技用の抽選テーブルと同じ確率の「12500/65536」であ」ることは、本件発明の「I 前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであ」ることに相当する。 (j)甲1発明の「j RT+CT遊技用の抽選テーブルにおいて再遊技役に当選する確率は、RT遊技用の抽選テーブルと同じ確率の「52500/65536」であ」ることは、本件発明の「J 前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであ」ることに相当する。 (k)甲1発明の「k CT遊技では、遊技メダルの払出枚数をCTカウンタに加算していき、CTカウンタが上限値(例えば、40枚)に達した場合にCT遊技を終了」することは、本件発明の「K 前記特別遊技状態は、当該特別遊技状態の開始から終了までに付与された遊技用価値の総数である特別付与総数が規定数を超えるまで制御さ」れることに相当する。 (o)甲1発明の「o 特定の図柄の組合せが成立した場合に、RT遊技が実行される」ことは、本件発明の「O 前記特定開始条件は、特定表示結果が導出されたことによって成立する条件である」に相当する。 そうすると、本件発明と甲1発明は次の点で一致する。 「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、 B 遊技用価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、複数種類の表示結果のうちから導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、 D 前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段とを備え、 E 前記複数種類の表示結果は、遊技用価値の付与を伴う付与表示結果と、遊技用価値を用いることなく前記可変表示部が変動表示可能となる再遊技表示結果と、前記事前決定手段の決定結果にかかわらず前記付与表示結果の導出が許容され得る特別遊技状態への制御を伴う特別表示結果とを含み、 F 前記スロットマシンは、特定開始条件が成立したときに、特定終了条件が成立するまで通常遊技状態よりも前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が高い特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段をさらに備え、 G 前記特別遊技状態において前記付与表示結果および前記再遊技表示結果の導出が許容されたときには、当該再遊技表示結果よりも優先して当該付与表示結果が導出され、 H 前記再遊技表示結果の導出が許容される割合は、前記特別表示結果の導出が許容されたこと、および前記特別表示結果が導出されたことによっては変化せず、 I 前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと 前記通常遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 J 前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されていないときと、前記特定遊技状態において前記特別遊技状態に制御されているときとでは、前記再遊技表示結果の導出が許容される割合が同じであり、 K 前記特別遊技状態は、当該特別遊技状態の開始から終了までに付与された遊技用価値の総数である特別付与総数が規定数を超えるまで制御され、 O 前記特定開始条件は、特定表示結果が導出されたことによって成立する条件であることを特徴とするスロットマシン。」 そして、本件発明と甲1発明は以下の点で相違する。 (相違点) 本件発明は 「L 前記付与表示結果には、所定数の遊技用価値の付与を伴う第1付与表示結果と、当該所定数よりも大きい数の遊技用価値の付与を伴う第2付与表示結果とが含まれ、 M 前記スロットマシンは、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されていないときには、前記第1付与表示結果を導出可能である一方で前記第2付与表示結果を導出不可能であり、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されているときには、前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果のいずれかを導出可能であり、 N 前記特別付与総数と、前記特別遊技状態において賭数の設定に用いられた遊技用価値の総数との差である純増数は、前記特別遊技状態において前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果の各々が導出されたときにのみ最大とな」る のに対し、甲1発明ではそのようなものではない点。 (2)判断 (上記相違点について) 甲2記載事項の「少なくとも予め定めた1つ以上のリール制御に関して、滑り制御は一切禁止、あるいは通常遊技よりも停止制御における補助を厳しく制限される制御状態となり、遊技者が停止ボタンを操作した時期に対して忠実に停止制御が実行されるリールが1つ以上発生するようになっており、また、始動レバーの操作があっても抽選は実行されず、または、抽選がなされても遊技状態制御部はその役・図柄の決定結果を無視することにより、純粋に遊技者の操作技術により小役図柄を揃えることが可能となる」「CTゲーム」は、本件発明の構成Eの「事前決定手段の決定結果にかかわらず、付与表示結果が許容され得る特別遊技状態」に相当する。 そして、甲2記載事項の「小役Bの払出数が5枚」、「小役Aの払出数が15枚」であることは、本件発明の「L 前記付与表示結果には、所定数の遊技用価値の付与を伴う第1付与表示結果と、当該所定数よりも大きい数の遊技用価値の付与を伴う第2付与表示結果とが含まれ」ることに相当する。 また、甲2記載事項の「小役Aの払出数が15枚、小役Bの払出数が5枚であり、最大払出数が268枚、1回のゲームの投入枚数が3枚とした場合、268枚-15枚=253枚の規定枚数を超えた時点で、CTゲームが終了してしまうため、少ないゲーム数で最も253枚に近い状態で最後の入賞役として小役A(15枚)を獲得するようにすればよく、従って、この場合、CTゲーム開始から小役A(15枚)を16回入賞させ(15枚×16=240枚)、小役B(5枚)を2回入賞させ(240枚十(5枚×2)=250)、最後に小役A(15枚)を入賞させると、これにより、合計265枚(250枚+15枚)となり、ゲーム回数分の投入枚数(3枚×19=57枚)を差し引くと、所謂純増数は、208枚とな」ることは、本件発明の「N 前記特別付与総数と、前記特別遊技状態において賭数の設定に用いられた遊技用価値の総数との差である純増数は、前記特別遊技状態において前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果の各々が導出されたときにのみ最大とな」ることに相当する。 しかしながら、本件発明の「M 前記スロットマシンは、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されていないときには、前記第1付与表示結果を導出可能である一方で前記第2付与表示結果を導出不可能であり、前記特別遊技状態において前記再遊技表示結果の導出が許容されているときには、前記第1付与表示結果および前記第2付与表示結果のいずれかを導出可能であ」ることは、甲第1号証及び甲第2号証のいずれにも記載されていない。 そして、本件発明は、上記構成Mを有することにより、特別遊技状態において純増数が最大となるためには特別遊技状態において再遊技表示結果の導出が許容されなければならず、このように遊技者が予想できない再遊技表示結果の導出が許容されることに遊技者の利益が左右されながら遊技が進行する構成であることから、再遊技表示結果の導出が許容される割合が高くなる特定遊技状態において特別遊技状態に制御されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができるという、特有の効果を奏するものである。 したがって、本件発明は、甲1発明に甲2記載事項を組み合わせたとしても、上記相違点に係る本件発明の構成に想到することはできない。 なお、異議申立人は、平成29年11月20日付けで意見書を提出し、本件発明は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証(特開2004-121421号公報)に基づいて、当業者により容易に発明することができたものであると主張するが、この意見書は、訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)の発送の平成29年10月18日から指定期間である30日(同年11月17日)の期限を徒過したものであり、この意見書を参酌することはできないのが原則であるが、念のため、仮に、上記意見書が指定期間内に提出されたものとして、以下、検討する。 本件発明の上記構成Mに関係し、甲第4号証(特開2004-121421号公報)には、次のような記載がある。なお、記載中の下線は当審による。 「【0002】 【従来の技術】 この種のスロットマシンとしては、入賞の発生により払い出されたメダル枚数等、入賞の発生により付与された価値数を示す信号を外部出力するスロットマシンが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。また、一方で、ビッグボーナス等の遊技者にとって有利な特別遊技状態において、入賞の発生により付与された価値数の合計値を計数し、その合計値が所定値に到達することを特別遊技状態の終了条件とするスロットマシンが考案されている(例えば、特許文献2参照)。 【0003】 【特許文献1】 特開2000-167209号公報(第12頁、第6図) 【特許文献2】 特開2002-85646号公報(第1頁) 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 前述のように、付与された価値数を示す信号を外部出力するスロットマシンから出力された信号は、例えば、スロットマシンの適正を判断するための試験等に利用される。具体的には、外部出力された信号から出玉率、いわゆる機械割を算出し、適正な範囲に収束するか否かを判定する試験等に利用されるものである。 【0005】 しかしながら、内部的に入賞の発生が許容された旨を示す当選フラグが成立している場合、すなわち価値数の取得が可能な場合であっても、許容された入賞が発生しなければ、取得が可能な価値数は外部出力される信号には反映されないため、これらの情報に基づいて算出される機械割と、実際に市場に出たスロットマシンの機械割と、が乖離する場合がある。この問題を解決する方法として、内部的に許容された入賞の発生により付与される価値数を示す信号を外部出力し、この情報を試験に用いる方法が考えられる。 【0006】 しかしながら、近年のスロットマシンでは、同一の当選フラグが成立することにより、付与される価値数が異なる複数種の入賞の発生が許容されるものや、当選フラグの成立により許容された入賞は1つであるが、この当選フラグが成立した場合に、許容された入賞を含む複数の入賞が同時に発生可能となるように制御されるものがある。 【0007】 このため、内部的に許容された入賞の発生により付与される価値数を、入賞の発生により実際に付与される価値数が越える状況が生じてしまい、このような場合には、取得が可能な価値数を正確に計数することができないため、外部出力される信号にも反映することができないという問題がある。 【0008】 一方、入賞の発生により付与された価値数の合計値が所定値に到達することを特別遊技状態の終了条件とするスロットマシンでは、特別遊技状態において付与される価値数を制限することで、射倖性が過度に高くなることを防止できるが、遊技者の技量に関わらず特別遊技状態にて付与される価値数が常に一定となってしまい、ゲーム性が均一化されて興趣に欠けてしまうという問題がある。この問題を解決する方法として、内部的に許容された入賞の発生により付与される価値数を取得が可能な価値数として計数し、その合計値が所定値に到達することを特別遊技状態の終了条件とする方法が考えられる。この方法によれ ば、内部的に許容された入賞を全て発生させた場合と、一部を発生させることができなかった場合とで、特別遊技状態にて実際に付与される価値数に差が生じることとなる。すなわち遊技者の技量によって特別遊技状態にて実際に付与される価値数が異なるようになるため、興趣を向上させることが可能となる。 【0009】 しかしながら、近年のスロットマシンには、前述のように同一の当選フラグが成立することにより、付与される価値数が異なる複数種の入賞の発生が許容されるものや、当選フラグの成立により許容された入賞は1つであるが、この当選フラグが成立した場合に、許容された入賞を含む複数の入賞が同時に発生可能となるように制御されるものがあるため、内部的に許容された入賞の発生により付与される価値数を、入賞の発生により実際に付与される価値数が越えてしまう状況が生じてしまい、このような場合には、取得が可能な価値数を正確に計数することができないため、特別遊技状態の終了条件となる価値数以上の価値数が実際に付与される状況が生じてしまうという問題がある。 【0010】 本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、各ゲームにおいて取得が可能な価値数を正確に計数することができるスロットマシンを提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて複数種の入賞が発生可能なスロットマシンであって、 前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 前記入賞が発生したときに、該入賞に応じた価値数を付与する価値付与手段と、前記事前決定手段により許容された入賞に応じた価値数と、1ゲームの結果として前記価値付与手段により付与された価値数と、を比較する価値比較手段と、 前記価値比較手段の比較結果が同一のときは、いずれか一方の価値数を当該ゲームにおける取得価値数として計数し、前記比較結果が異なるときは、大きい方の価値数を前記取得価値数として計数する取得価値数計数手段と、 を備えることを特徴としている。 この特徴によれば、事前決定手段により許容された入賞に応じた価値数と、実際に付与された価値数とを比較し、その比較結果が同一のときはいずれか一方の価値数が当該ゲームの取得価値数として計数され、比較結果が異なるときは大きい方の価値数が当該ゲームの取得価値数として計数されるため、例えば、事前決定手段により許容された入賞に応じた価値数よりも、実際に付与された価値数が大きい場合には、実際に付与された価値数が当該ゲームの取得価値数として計数されることとなり、各ゲームにおいて取得が可能な価値数を正確に計数することができる。 【0012】 本発明のスロットマシンは、通常遊技状態において所定の発生条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、 前記特別遊技状態におけるゲームの前記取得価値数の増加量を集計する増加量集計手段と、 少なくとも前記増加量集計手段により集計された前記取得価値数の集計値が所定の上限値に到達したときに該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段と、 を備えることが好ましい。 このようにすれば、特別遊技状態における取得価値数の集計値に応じて特別遊技状態が終了することとなるため、過度に大量の価値数が獲得できてしまうことを防止でき、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。」 「【0105】 また、通常遊技状態において、有効化された入賞ライン上に、「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」が揃えば、BB入賞したことになり、「黒7-黒7-黒7」または「白7-白7-白7」の図柄が揃ったことの対価として15枚のメダルが払出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態としてのビッグボーナス(BB)が発生し、以下に説明する小役ゲームとRBが遊技者に対して付与される。 【0106】 具体的に説明すると、このBBが発生した場合には、まず、遊技状態が通常遊技状態から小役ゲームに移行する。小役ゲームでは、図7(b)に示すように、対象となる小役図柄(本実施例では「チェリー」(チェリー入賞)、「ベル-ベル-ベル」(ベル入賞)、「白7-ベル-ベル」(白7-ベル入賞)、「黒7-ベル-ベル」(黒7-ベル入賞)、「BAR-ベル-ベル」(BAR-ベル入賞))や移行図柄(本実施例では「プラム-プラム-プラム」(JacIn入賞))の組合せが揃って所定枚数のメダルの払出しを伴う入賞が高確率で発生するBBゲームが最大で30回提供される。」 「【0109】 そしてBBは、小役ゲーム中に30回のBBゲームを実行した場合か、或いは30回のBBゲームを実行する前にRBへ3回移行し、3回目のRBが終了した場合、或いは、小役ゲーム中にBB中の取得可能枚数、すなわち実際にメダルの払出がなされたか否かに関わらず各ゲームにおいて取得が可能であると判定されたメダル枚数に基づく純増枚数(取得可能枚数-賭数として使用されたメダル枚数、尚、本実施例では、BB入賞時の取得可能枚数を含む)が予め定められた上限枚数(本実施例では400枚)に到達した場合、或いは小役ゲーム中に30回のBBゲームを実行する前に移行したRBにおいてBB中の取得可能枚数に基づく純増枚数が上限枚数に到達し、そのRBが終了した場合のうち、少なくともいずれか1つの条件が満たされた時点で終了する。尚、本実施例では、小役ゲーム中にJacIn入賞してBB中の取得可能枚数に基づく純増枚数が上限枚数に到達した場合には、その後移行するRBが終了することでBBは終了する。」 「【0122】 BBゲームにおいては、図7(b)に示すように、内部当選フラグとしてベルフラグが設定された場合に、ベル入賞、白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BARベル入賞の発生が許容され、JacInフラグが設定された場合に、JacIn入賞の発生が許容される。 【0123】 本実施例では、BBゲームにおいてベルフラグが設定された場合に、前述したリール制御テーブルの選択処理により、ベル入賞に該当する図柄の組合せを有効化された入賞ラインに導出表示可能に制御するBB・ベル用のリール制御テーブルと、白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BARベル入賞に該当する図柄の組合せを有効化された入賞ラインに導出表示可能に制御するBB・変則ベル用のリール制御テーブルと、の双方が選択されるとともに、最初に左リールの停止操作がなされた場合に、BB・ベル用のリール制御テーブルが適用され、最初に中リールまたは右リールのいずれかの停止操作がなされた場合に、BB・変則ベル用テーブルが適用される。 【0124】 BB・ベル用のリール制御テーブルは、有効化された入賞ラインにベル入賞に該当する図柄の組合せのみを導出表示させる制御内容が定められている。また、左リール、すなわち最初に停止されるリールが特定のタイミングで停止された場合には、有効化された入賞ラインにチェリー入賞に該当する図柄の組合せとベル入賞に該当する図柄の組合せとを同時に導出表示させる制御内容が定められている。具体的には、左リールの下段に19番~21番、1番、2番の図柄が表示されているタイミング、すなわち2番の「チェリー」図柄の下段への引込範囲で左リールの停止操作がなされた場合には、図9(a)に示すように、左リールの下段に2番の「チェリー」図柄を導出表示させる、すなわち2本の入賞ラインL2’、L3に「チェリー」図柄を導出表示させるとともに、中リール及び右リールの停止操作がなされることで1本の入賞ラインL1に各々「ベル」図柄を導出表示させ、その他のタイミングで左リールの停止操作がなされ、かつ中リール及び右リールの停止操作がなされた場合には、図9(b)に示すように、有効化されたいずれか1本の入賞ライン(図中ではL3)に各々「ベル」図柄を導出表示させるように定められている。 【0125】 このため、BBゲームにおいてベルフラグが設定され、かつ最初に左リールの停止操作がなされた場合には、左リールの停止タイミングによって、2本の入賞ラインL2’、L3にチェリー入賞に該当する図柄の組合せが揃い、1本の入賞ラインL1にベル入賞に該当する図柄の組合せが揃う場合と、いずれか1本の入賞ラインにベル入賞に該当する図柄の組合せが揃う場合と、があり、前者の場合には、4枚の払出を伴うチェリー入賞及び8枚の払出を伴うベル入賞が発生する、すなわち本来ベルフラグによって入賞の発生が許容されたベル入賞にチェリー入賞が付加されることで12枚の払出を伴うチェリーとベルの複合入賞が発生する。後者の場合には、8枚の払出を伴うベル入賞のみが発生する。このようにBBゲームにおいてベルフラグが設定され、かつ最初に左リールの停止操作がなされた場合には、左リールの停止タイミングによって、異なる枚数のメダルが払い出されることとなる。 【0126】 このように本実施例では、BBゲームにおいて内部抽選処理によりベル入賞の発生が許容されたとき、すなわちベル入賞の発生が許容された旨を示す内部当選フラグが設定されたときに、1度のゲームでチェリー入賞に該当する図柄の組合せとベル入賞に該当する図柄の組合せとを各々入賞ラインに揃えることが可能となる、すなわちチェリーとベルの複合入賞が発生可能となるように制御されるため、ベル入賞の発生が許容された場合には、これら複合入賞に対する遊技者の期待感、すなわちより多くのメダルを獲得できることに対する期待感を高めることができる。また、遊技者の技量によってメダルの獲得枚数が異なることとなり、ゲーム性を高めることができる。」 「【0133】 BBゲームにおいてベル入賞及びチェリー入賞は、内部抽選処理によりベルフラグが設定され、かつ最初に左リールの停止操作が行われた場合に発生する入賞である。ベル入賞のみが発生した場合のメダルの払出枚数は8枚であり、賭数として3枚のメダルが使用された場合、取得可能枚数の純増枚数は+5枚となる。また、チェリーとベルの複合入賞が発生した場合のメダルの払出枚数は12枚であり、賭数として3枚のメダルが使用された場合、取得可能枚数の純増枚数は9枚となる。 【0134】 また、白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BAR-ベル入賞は、内部抽選処理によりベルフラグが設定され、かつ最初に中リールまたは右リールの停止操作が行われた場合に出現する入賞である。白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BAR-ベル入賞が発生した場合のメダルの払出枚数は3枚であり、賭数として3枚のメダルが使用された場合、取得可能枚数の純増枚数は±0枚となる。」 「【0139】 これらの機能により、遊技者がBBゲームでの最初に停止するリールを適当に選択し、BB中の取得可能枚数の純増枚数を予め定められた上限枚数(400枚)近辺まで増加させ、かつBB中の取得可能枚数の純増枚数が上限枚数に到達しないように上限枚数近辺を維持し、この状態でJacIn入賞させることにより、取得可能枚数の純増枚数の調整を行わない場合に比較して、より多くのメダルを獲得できるようになる。すなわち遊技者が技術介入を行うことにより、技術介入を行わない場合よりも多くのメダルを獲得することが可能となる。」 「【0142】 次いで、ゲーム処理(Sa2)、Sa2のステップにおいてRB入賞したか否かの判定を行う処理(Sa3)、Sa2のステップにおいてBB入賞したか否かの判定を行う処理(Sa4)を繰り返し実行するループ処理に移行する。また、Sa3のステップにおいてRB入賞したと判定した場合にはRB中処理、すなわちRBの発生に伴う処理(Sa5)を実行した後、再びSa2~Sa4のループ処理に戻り、Sa4のステップにおいてBB入賞したと判定した場合にはBB中処理、すなわちBBの発生に伴う処理(Sa6)を実行した後、再びSa2~Sa4のループ処理に戻る。」 「【0151】 Sb7のステップにおける取得可能枚数計数処理では、実際にメダルの払出がなされたか否かに関わらず各ゲームにおいて取得が可能であると判定されたメダル枚数を示す取得可能枚数を計数する処理を実行する。具体的には、前述した内部当選枚数と実際の払出枚数とを比較し、その比較結果が同一であれば実際の払出枚数を取得可能枚数と判定し、比較結果が異なる場合には、多い方の枚数を取得可能枚数として判定する処理を行い、判定した取得可能枚数を設定(計数)する。また、このステップでは、取得可能枚数を特定可能な取得可能枚数信号を外部出力するための処理を行う。 【0152】 Sb8のステップにおけるフラグ更新処理では、Sb2のステップにおいて設定された内部当選フラグのクリアまたは持越を行うための処理を行う。具体的には、通常遊技状態において設定された内部当選フラグのうち、小役入賞、すなわちチェリー入賞またはスイカ入賞のいずれか一方の入賞、ベル入賞、リプレイ入賞が許容された旨を示す内部当選フラグや、BBゲーム及びRBゲームにおいて設定された内部当選フラグをクリアする処理を行う。また、通常遊技状態において設定された内部当選フラグのうちBB入賞またはRB入賞が許容された旨を示す内部当選フラグは、その内部当選フラグにより許容されたBB入賞またはRB入賞が発生しなかった場合においてクリアせずに次のゲームに持ち越し、BB入賞またはRB入賞が発生した場合に内部当選フラグをクリアする処理を行う。」 「【0158】 次いで、内部当選枚数と払出枚数とを比較し(Sc5)、払出枚数が内部当選枚数と同じかあるいは多い場合には、そのゲームの払出枚数、すなわち実際の払出枚数を取得可能枚数として判定し(Sc6)、実際の払出枚数を取得可能枚数として設定(計数)する(Sc8)。 【0159】 また、内部当選枚数と払出枚数とを比較し(Sc5)、払出枚数が内部当選枚数より少ない場合には、そのゲームの内部当選枚数を取得可能枚数として判定し(Sb7)、その内部当選枚数を取得可能枚数として設定(計数)する(Sc8)。 ・・・ 【0161】 このように取得可能枚数計数処理では、内部当選フラグが許容する入賞が発生した場合に払い出される予定のメダル枚数を示す内部当選枚数と、実際に払い出されたメダル枚数を示す実際の払出枚数と、を比較して、比較結果が同一のときは実際の払出枚数が、比較結果が異なるときは大きい方のメダル枚数が取得可能枚数として計数されるようになっている。」 「【0200】 以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、各ゲームの内部抽選処理にて許容された入賞、すなわち内部抽選処理において設定された内部当選フラグに基づく内部当選枚数、すなわちその内部当選フラグにより許容された入賞が発生した場合に払い出される予定のメダル枚数と、実際の払出枚数、すなわち実際に入賞が発生して払い出されたメダル枚数と、を比較し、その比較結果が同一のときは、実際の払出枚数を当該ゲームの取得可能枚数として計数し、比較結果が異なるときは、内部当選枚数、または実際の払出枚数、のうち多い方のメダル枚数、すなわち価値数として大きい方のメダル枚数を当該ゲームの取得可能枚数として計数するため、例えば、前述のように、通常遊技状態において内部当選枚数が2枚とされたチェリーフラグが設定され、4枚の払出を伴うチェリーの複合入賞や12枚の払出を伴うスイカ入賞が発生した場合、BBゲームにおいて内部当選枚数が3枚とされたベルフラグが設定され、8枚の払出を伴うベル入賞が発生した場合や12枚の払出を伴うベルとチェリーの複合入賞が発生した場合等、内部抽選処理により設定された内部当選フラグに基づく内部当選枚数よりも、実際の払出枚数が多い場合には、実際の払出枚数が当該ゲームの取得可能枚数として計数されることとなり、各ゲームにおいて取得が可能なメダル枚数を正確に計数することができる。 【0201】 また、本実施例では、取得可能枚数を特定可能な取得可能枚数信号を出力するための処理が実施され、外部に出力されるため、この取得可能枚数信号により各ゲームにおいて取得が可能なメダル枚数を正確に把握できるようになり、例えば、前述した第3者の試験機関による検査を、市場に出回るスロットマシンに非常に近いデータにて行うことができ、スロットマシンの適正をより正確に判断することができる。 【0202】 また、本実施例では、BBゲーム、すなわち小役ゲーム中にBB中の取得可能枚数の純増枚数が上限枚数に到達することを、BBの終了条件としており、これにより過度に大量のメダルが獲得できてしまうことを防止でき、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。 【0203】 更に、BB中に移行したRBでは、BB中の取得可能枚数の純増枚数が上限枚数に到達してもRBが終了するまでは、BB状態が継続されるとともに、BBゲームにおいてBB中の取得可能枚数の純増枚数を遊技者の操作により調整できるため、遊技者がBBゲームでは、BBゲームが上限枚数に到達しないように調整しつつ、上限枚数付近でRBに移行させるように操作することで、上限枚数以上のメダルが獲得可能となる。すなわち遊技者の技術介入によりBB中の獲得枚数が変動するようになるため、ゲーム性を向上させることができる。 【0204】 以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。 【0205】 例えば、前記実施例では、特別遊技状態としてBBを適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態であり、かつ特別遊技状態中のゲームにおける取得可能枚数の増加量(純増枚数、払出枚数を問わず)が所定の上限値に到達することで終了する遊技状態であれば良く、例えば、入賞条件に一致する操作が行われることで入賞可能となるAT対象小役が内部当選した場合に、その入賞条件が報知されるAT(アシストタイム)や、リプレイが高確率で入賞可能とされたRT(リプレイタイム)、リール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることが可能なCT(チャレンジタイム)、シングルボーナスや小役の入賞確率が高確率となる集中ゲーム、更にはこれらの遊技状態を組み合わせた状態、例えばATとRTを組み合わせたART(アシストリプレイタイム)等の遊技状態が、これら遊技状態中のゲームにおける取得可能枚数の増加量が上限値に到達することで終了するものであれば、これらの遊技状態を本発明における特別遊技状態として適用しても良い。」 【図7】には、(a)に、本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において入賞の対象となる図柄の組み合わせ等を示す図が記載され、(b)に、BBゲームにおいて入賞の対象となる図柄の組み合わせ等を示す図が記載されている。 したがって、甲第4号証には次の事項(以下、「甲4記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「イ. BBゲームにおいては、内部当選フラグとしてベルフラグが設定された場合に、ベル入賞、白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BAR-ベル入賞の発生が許容されること(【0122】、【図7】)、 ロ. BBゲームにおいてベルフラグが設定された場合に、最初に左リールの停止操作がなされた場合は、リール制御テーブルとして、ベル入賞に該当する図柄の組合せを有効化された入賞ラインに導出表示可能に制御するBB・ベル用のリール制御テーブルが適用され、最初に中リールまたは右リールのいずれかの停止操作がなされた場合は、リール制御テーブルとして、白7ーベル入賞、黒7-ベル入賞、BARベル入賞に該当する図柄の組合せを有効化された入賞ラインに導出表示可能に制御するBB・変則ベル用のリール制御テーブルが適用されること(【0123】、【図7】)、 ハ. BBゲームにおいてベルフラグが設定され、かつ最初に左リールの停止操作がなされた場合には、左リールの停止タイミングによって、2本の入賞ラインL2’、L3にチェリー入賞に該当する図柄の組合せが揃い、1本の入賞ラインL1にベル入賞に該当する図柄の組合せが揃う場合と、いずれか1本の入賞ラインにベル入賞に該当する図柄の組合せが揃う場合と、があり、前者の「チェリーとベルの複合入賞」の場合には、4枚の払出を伴うチェリー入賞及び8枚の払出を伴うベル入賞が発生し、後者の「ベル入賞のみ」の場合には、8枚の払出を伴うベル入賞だけが発生すること(【0124】、【0125】、【図7】)、 ニ. 遊技者がBBゲームでの最初に停止するリールを適当に選択し、BB中の取得可能枚数の純増枚数を予め定められた上限枚数(400枚)近辺まで増加させ、かつBB中の取得可能枚数の純増枚数が上限枚数に到達しないように上限枚数近辺を維持することにより、遊技者の技量によってメダルの獲得枚数が異なることとなり、ゲーム性を高めること(【0126】、【0139】)。 異議申立人は、本件発明の構成Mと甲4記載事項イを対比して、「BBゲーム中に内部当選フラグとしてベルフラグが設定された場合に許容される入賞役」について、遊技状態が甲4記載事項はBBゲームであり、訂正発明は「チャレンジボーナス遊技状態(CB遊技状態)」である点、及び内部当選が甲4記載事項は「ベルフラグ」であり、本件発明では「再遊技役(リプレイ)」である点で相違しているが、甲第4号証の段落【0205】には、特別遊技状態とは、BBに限られるものではなく、遊技者にとって有利な遊技状態であり、かつ特別遊技状態中のゲームにおける取得可能枚数の増加量(純増枚数、払出枚数を問わず)が所定の上限値に到達することで終了する遊技状態であれば良く、リール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることが可能なCT(チャレンジタイム)も例として挙げられていることから、甲第4号証には本件発明の「特別遊技状態」に相当する遊技状態が記載されており、甲4記載事項の内部当選フラグとして設定されるベルフラグは、1ゲーム限りの当選フラグで次ゲームに持ち越さないフラグであり、かつ白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BAR-ベル入賞が入賞した場合のメダルの払出枚数は3枚であり、取得可能枚数の純増枚数は±0枚となる役であるから、本件発明の段落【0119】の「リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。」との記載に鑑みれば、甲4記載事項の白7-ベル入賞、黒7-ベル入賞、BAR-ベル入賞は本件発明の「再遊技役(リプレイ)」に相当するものであり、したがって、当業者であれば甲4記載事項の「BBゲーム」をCT(チャレンジクイム)に適用し、持ち越しのない遊技用価値の付与があるフラグが設定された場合に特定の役の入賞発生が許容されることから、甲第4号証と訂正発明は一致している旨主張する。 また、異議申立人は、BBゲーム中にいつでも成立しているものではなく、特定の役の内部当選プラグが設定されているときのみ導出可能な役である点において、甲4記載事項ハのベルとチェリーの複合入賞は本件発明の「第2付与表示結果」に相当し、甲4記載事項ニの「遊技者がBBゲームでの最初に停止するリールを適当に選択し、BB中の取得可能枚数の純増枚数を予め定められた上限枚数(400枚)近辺まで増加させ、かつBB中の取得可能枚数の純増枚数が上限枚数に到達しないように上限枚数近辺を維持することにより、遊技者の技量によってメダルの獲得枚数が異なることとなり、ゲーム性を高める」ことは、甲第4号証の段落【0205】のCT(チャレンジタイム)に適用しても同様であり、技術的事項イの主張の通り、甲第4号証のCT(チャレンジタイム)は本件発明の「特別遊技状態」に相当することから、甲4記載事項と本件発明は同様の技術的事項を備えており、したがって、当業者であれば、甲4記載事項の特別遊技状態の特定事項としての「ビッグボーナス遊技状態」の技術を同じ特別遊技状態である「チャレンジボーナス遊技状態」に適用しようとすれば、その「再遊技役(リプレイ)」も甲4記載事項の「ベル入賞」のような遊技用価値の払出になることは、容易に想到することができ、よって、本件発明の構成Mについては、当業者が甲4記載事項に基づき、容易に想到することができる旨、主張する。 この主張について検討するに、甲第4号証は、入賞の発生により払い出されたメダル枚数等、入賞の発生により付与された価値数を示す信号を外部出力するスロットマシンや、ビッグボーナス等の遊技者によって有利な特別遊技状態において、入賞の発生により付与された勝ち数の合計値を計数し、その合計値が所定値に到達することを特別遊技状態の終了条件とするスロットマシンにおいて(【0002】)、内部的に許容された入賞の発生により付与される価値数を、入賞の発生により実際に付与される価値数が超える状況が生じてしまい、取得が可能な価値数を正確に計数することができないという課題を解決するために(【0007】、【0009】)、各ゲームにおいて取得が可能な価値数を正確に計数することができるスロットマシンを提供することを目的として(【0010】)、事前決定手段により許容された入賞に応じた価値数と、1ゲームの結果として価値付与手段により付与された価値数との比較結果が同一のときは、いずれか一方の価値数を当該ゲームにおける取得価値数として計数し、前記比較結果が異なるときは、大きい方の価値数を取得価値数として計数することを特徴とし(【0011】)、さらに、通常遊技状態において所定の発生条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、前記特別遊技状態におけるゲームの前記取得価値数の増加量を集計する増加量集計手段と、少なくとも前記増加量集計手段により集計された前記取得価値数の集計値が所定の上限値に到達したときに該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段と、を備えるようにすれば、特別遊技状態における取得価値数の集計値に応じて特別遊技状態が終了することとなるため、過度に大量の価値数が獲得できてしまうことを防止でき、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる(【0012】)という発明を開示するものである(【0011】)。 そして、異議申立人が引用する段落【0205】の「特別遊技状態としてBBを適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態であり、かつ特別遊技状態中のゲームにおける取得可能枚数の増加量(純増枚数、払出枚数を問わず)が所定の上限値に到達することで終了する遊技状態であれば良く、例えば、」「リール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることが可能なCT(チャレンジタイム)」「等の遊技状態が、これら遊技状態中のゲームにおける取得可能枚数の増加量が上限値に到達することで終了するものであれば、これらの遊技状態を本発明における特別遊技状態として適用しても良い。」との記載は、段落【0200】の「以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、各ゲームの内部抽選処理にて許容された入賞、すなわち内部抽選処理において設定された内部当選フラグに基づく内部当選枚数、すなわちその内部当選フラグにより許容された入賞が発生した場合に払い出される予定のメダル枚数と、実際の払出枚数、すなわち実際に入賞が発生して払い出されたメダル枚数と、を比較し、その比較結果が同一のときは、実際の払出枚数を当該ゲームの取得可能枚数として計数し、比較結果が異なるときは、内部当選枚数、または実際の払出枚数、のうち多い方のメダル枚数、すなわち価値数として大きい方のメダル枚数を当該ゲームの取得可能枚数として計数するため、例えば、前述のように、通常遊技状態において内部当選枚数が2枚とされたチェリーフラグが設定され、4枚の払出を伴うチェリーの複合入賞や12枚の払出を伴うスイカ入賞が発生した場合、BBゲームにおいて内部当選枚数が3枚とされたベルフラグが設定され、8枚の払出を伴うベル入賞が発生した場合や12枚の払出を伴うベルとチェリーの複合入賞が発生した場合等、内部抽選処理により設定された内部当選フラグに基づく内部当選枚数よりも、実際の払出枚数が多い場合には、実際の払出枚数が当該ゲームの取得可能枚数として計数されることとなり、各ゲームにおいて取得が可能なメダル枚数を正確に計数することができる。」との記載を前提にして記載されたものであることは明らかであるから、これらの記載から特別遊技状態に関して導かれるのは、BBゲームにおいて内部当選枚数が3枚とされたベルフラグが設定され、8枚の払出を伴うベル入賞が発生した場合や12枚の払出を伴うベルとチェリーの複合入賞が発生した場合、内部抽選処理により設定された内部当選フラグに基づく内部当選枚数よりも、実際の払出枚数が多い場合には、実際の払出枚数が当該ゲームの取得可能枚数として計数されることとなり、各ゲームにおいて取得が可能なメダル枚数を正確に計数することができるのに対し、特別遊技状態として、BBに代えて、リール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることが可能なCT(チャレンジタイム)を適用しても、同様に、内部抽選処理により設定された内部当選フラグに基づく内部当選枚数よりも、実際の払出枚数が多い場合には、実際の払出枚数が当該ゲームの取得可能枚数として計数されることとなり、各ゲームにおいて取得が可能なメダル枚数を正確に計数することができるところまでは理解できる。 しかしながら、【図7】(b)に示された、所定枚数のメダルの払出しを伴う入賞の「ベルフラグ」に内部当選フラグを設定することは、CT状態がリール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることと矛盾し、また、RBに移行する「JacInフラグ」に内部当選フラグを設定することは、BB状態からしかRB状態に移行できない機種のスロットマシンであるという技術常識に反するものであり、これらBBゲーム対象入賞役の具体例までもCTに適用可能とする異議申立人の主張は採用することができない。 したがって、甲1発明に甲2記載事項及び甲第4号証を適用しても、上記相違点に係る本件発明の構成に想到することはできない。 (3)まとめ よって、本件発明は、甲1発明、甲2記載事項(及び甲第4号証)に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 そして、特許異議申立人の主張する理由、特許異議申立人が提出した証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことができない。 6 特許異議申立理由について 当審による平成29年7月27日付けの取消理由通知は、前記第3の2及び3で記載したように、特許異議申立の理由と同じ理由を包含するものであることから、特許異議申立理由は前記5において検討済みである。 第4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700516

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