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特許異議申立

2017-700453

船舶

審判番号
2017-700453
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2013-086584
登録番号
特許第6021725号(P6021725)
請求日
2017年05月09日
審決日
2017年08月21日
公報発行日
2017年10月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】三菱重工業株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
  • 【異議申立人】ジャパンマリンユナイテッド 株式会社
  • 【異議申立人代理人】越前 昌弘
審判長/審判官
  • 審判長 島田 信一
  • 審判官 出口 昌哉
  • 審判官 平田 信勝
分類
P1651.121-Y (B63B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6021725号発明「船舶」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6021725号の請求項1~4に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6021725号の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成25年4月17日の特許出願であって、平成28年10月14日に特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人ジャパンマリンユナイテッド株式会社(以下、「特許異議申立人」という。)より特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第6021725号の請求項1~4に係る発明(以下、「本件発明1~4」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「  【請求項1】 船体に設けられて荷を積載する乗込甲板と、前記船体の船尾部に設けられて前記乗込甲板に対してヒンジ部を介して上下に揺動可能に設置されて下方に揺動した場合に前記乗込甲板の上面に連続するショアランプと、前記船尾部に設けられて前記船体の進行方向を変更する旋回型推進電動機と、を含む船舶において、 前記旋回型推進電動機の駆動源を出力軸が上下方向に延在するように配置し、前記駆動源が配置される機械室を前記乗込甲板よりも上方に隆起させるとともに、前記機械室の位置を避けて前記ショアランプを配置することを特徴とする船舶。 【請求項2】 前記乗込甲板の下面に鉄骨梁材が設けられ、当該鉄骨梁材が前記ショアランプの配置位置まで連続して延設されることを特徴とする請求項1に記載の船舶。 【請求項3】 前記機械室を前記船尾部の左右両側にそれぞれ配置し、前記ショアランプを前記船尾部の中央や左右舷の少なくとも一方に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。 【請求項4】 前記機械室を前記船尾部の中央に配置し、前記ショアランプを前記船尾部の左右舷の少なくとも一方に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。」 第3 申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として、次の甲第1~6号証を提出し、本件発明1~4は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~6号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張している。 甲第1号証:特開平6-255570号公報 甲第2号証:特開2012-116329号公報 甲第3号証:船の科学,船舶技術協会,平成2年7月10日発行, 第43巻,第7号,66-72頁 甲第4号証:船の科学,船舶技術協会,平成5年12月10日発行, 第46巻,第12号,46-49頁 甲第5号証:船の科学,船舶技術協会,平成9年6月10日発行, 第50巻,第6号,28-34頁 甲第6号証:船舶用語辞典,成山堂書店, 平成13年4月8日改訂第20版発行,172-173頁 第4 各甲号証に記載された事項等 以下、「甲第1~6号証」を、それぞれ、「甲1~6」という。 1 甲1について ア 甲1に記載された事項 甲1には、図とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同様。)。 (1a) 「【0002】 【従来の技術】例えば、PPC等の自動車運搬船においては、従来、図8に示すように、船首,船尾及び船側にそれぞれ形成されたランプ開口10に舷外ランプ5を有し、舷外ランプ5を経てロールオンした車を船内車両甲板4に格納し、また船内格納車両を図9に示すように、舷外ランプ5を経て岸壁上にロールオフするようになっている。」 (1b) 「【0004】本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、潮位,岸壁の高さ,喫水の高低にかかわらず、車両のロールオン及びロールオフを可能とする経済的な二つ折り式舶用可動ランプウェイを提供することを目的とする。」 (1c) 「【0006】 【作用】このような構成によれば、ランプ開口が配設された車両甲板が岸壁上面より低い場合は、図2に示すように、ランプの二つ折りヒンジ部6をランプ開口の竪かまちに沿って上方に移動することにより、船内ランプ板7と舷外ランプ板5とをヘ字状に折り曲げた形とし、舷外ランプ板5と岸壁との角度θ又は高さDが適正な位置にくるようにする。逆に車両甲板が岸壁上面に対し高すぎる場合は、図4に示すように、二つ折りヒンジ部6を下げて、船内ランプ板7を傾斜面9に沿う位置に回動し、船外ランプ板5をほぼ一直線状にしてその先端を岸壁上面に着地することができる。 【0007】 【実施例】本発明の一実施例を図面について説明すると、図1は本発明可動ランプウェイを備えた自動車運搬船を示す全体側面図及び平面図、図2は図1の可動ランプウェイを示す斜視図、図3は図2の側面図、図4は図2において潮位が高い場合を示す同じく側面図、図5,図6,図7はそれぞれ舷外ランプ板によるランプ開口の閉塞構造を示す側面図である。 【0008】まず、図1~図2において、図8~図9と同一の符号はそれぞれ図8~図9と同一の部材を示し、本発明の可動ランプウェイが図9に示したランプと大きく異なるところは、立てたときは、ランプ開口を閉塞する扉板となり、舷外へ倒したときはランプ開口と岸壁とを橋絡するブリッジとなる舷外可動ランプ板5と、ランプ開口の下端から上り勾配で傾斜する船内傾斜面に沿って延び内端が水平軸ヒンジで起倒自在に枢着された船内可動ランプ板7とからなる2枚のジョイントランプ板を採用した点にある。ここで、両ランプ板5,7は通常互いにヒンジで枢着されたジョイントランプ板として使用するのであるが、必要に応じてヒンジ連結しない場合もある。」 イ 甲1に記載された発明 (ア) 甲1には、「図2に示すように、・・・ヒンジ部6を・・・」(摘記(1c)段落【0006】)と記載され、「図1~図2において、図8~図9と同一の符号はそれぞれ図8~図9と同一の部材を示し」(摘記(1c)段落【0008】)ていると記載されている。 (イ) 図8及び9は、甲1の従来技術を図示しているものであり(摘記(1a))、図9の舷外ランプ5に係る構造は、図8の船側の舷外ランプ5の構造であるところ、甲1の従来技術及び課題(摘記(1a)及び(1b))に鑑みると、図9の舷外ランプ5に係る構造は、船首及び船尾を含む全ての舷外ランプ5について該当すると認められる。 (ウ) 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、図9の符号6は、ヒンジ部を示すものと認められ、図8~9のランプ5は、「船首,船尾及び船側にそれぞれに、船内車両甲板4に対してヒンジ部6を介して上下に揺動可能に設置されて下方に揺動した場合に前記船内車両甲板4の上面に連続するランプ5」であることが理解できる。 (エ) 摘記(1a)、上記(ウ)及び図8~9を踏まえると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲1発明] 「船首,船尾及び船側にそれぞれ形成されたランプ開口10に、船内車両甲板4に対してヒンジ部6を介して上下に揺動可能に設置されて下方に揺動した場合に前記船内車両甲板4の上面に連続する舷外ランプ5を有し、舷外ランプ5を経てロールオンした車を船内車両甲板4に格納し、また船内格納車両を舷外ランプ5を経て岸壁上にロールオフするようになっている、自動車運搬船。」 2 甲2について 甲2には、図とともに以下の事項が記載されている。 (2a) 「【0001】 本発明は、船舶の船尾に設けられる船舶推進装置に関するものである。」 (2b) 「【0003】 このような舵付アジマス推進器102は、推進機構と操舵機構が別個に設けられた機構に比べ、船体の方向転換や進行方向の維持が容易であるとされ、広く普及している。 しかしながら、このような舵付アジマス推進装置102では、船舶の進行方向を変更させる際に、舵109のみでなく、舵109と一体となっているポッド本体101を含めたポッド全体を回転させる必要がある。舵109と比較してポッドは大きな装置であるため、舵109のみを回転させる場合と比較して、大きな動力が必要となる。また、ポッド全体が回転するためのスペースを確保するために、舵付アジマス推進器の周辺には他の構造物が設けられない。そして、他の船舶の航行や環境要因等により、水中では様々な方向へ流れる水流が発生しており、それらの多方向からの水流が、遮られることなく舵付きアジマス推進器102に向かう。これらの水流は、プロペラの回転や、プロペラが発生させる水流の抵抗となり、船舶の推進力を低下させる。」 (2c) 「【0004】 小さい舵角(舵を回転させる角度)で所要の舵力を得る手段の例として、特許文献1に公開された旋回式ポッドプロペラ202がある。 図8はこの旋回式ポッドプロペラ202の側面図であり、図9は、その船底側から見た平面図である。 船底235に設けられるこの旋回式ポッドプロペラ202では、ポッド201内に設けられたモータ237の回転により回転軸239を介して回転するプロペラ205を有するポッド201に、ストラット209が上部に一体に設けられている。ストラット209は、旋回モータ231の回転が旋回モータシャフト229、旋回ギヤ233を介して旋回軸230に伝達されることにより、旋回軸230の軸線回りに回転する。ストラット209の後部の両側部には、船首側の鉛直方向を軸として後部が側方へ開閉するフラップ207がそれぞれ設けられている。このフラップ207を、ポッド201の軸方向を中心として非対称に開くことで、フラップ207を開いた側には強い圧力が作用し、フラップ207を開いていない側への舵力が増加し、この舵力により、ポッドを回転させることなく船舶の進行方向を変更させることができる。」 (2d) 「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、特許文献1に開示された機構により、船舶が進行方向を変更する際に要するエネルギーを低減することができても、船舶の航行中、船舶を推進させる機構は依然として多方向からの水流による抵抗を受け続けるため、抵抗を克服するための余分な動力を要する。つまり、船舶の航行全体に要する動力の低減は不十分であり、船舶の推進力を維持しつつ、少ない動力で船舶の進行方向を変更させることができる機構が望まれる。」 3 甲3について 甲3の68頁の船体側面図(上段図)及び69頁の一般配置図(特に、UPPER DECKを示す図)から、「船尾部に配置された舵機室(STEER.GEAR RM.)を貨物倉(CARGOHOLD)の全通貨物甲板である上甲板(UPP. Dk.)よりも上方に隆起させるとともに、舵機室(STEER.GEAR RM.)より前方の上甲板(UPP. Dk.)の右舷側に、ショアランプを配置し、ショアランプは、使用状態の時に舵機室(STEER.GEAR RM.)に対して、ほぼ隣接した位置となる」ことが看取できる。 4 甲4について 甲4の49頁の一般配置図(特に、D甲板を示す図)から、「D甲板の船尾部に舵機室を配置するとともに、舵機室より前方のD甲板の船尾右舷側及び船尾左舷側のそれぞれにショアランプを配置し、各ショアランプは、使用状態の時に舵機室に対して、ほぼ隣接した位置となる」ことが看取できる。 5 甲5について 甲5の31頁の一般配置図(特に、MAIN DECK及びTANK TOPを示す図)から、「右舷後方において、ENGINE CASING (エンジンケーシング)をMAIN DECK (メイン甲板)よりも上方に隆起させるとともに、ENGINE CASING (エンジンケーシング)よりも後方において、MAIN DECK (メイン甲板)の船尾中央及び船尾右舷のそれぞれにショアランプを配置し、舵機室(「S・・・ GEAR ROOM」は、「・・・」部分の文字が読み取れないが、技術常識に鑑みると、「舵機室」を意味する用語であることは明らかである。)をMAIN DECK (メイン甲板)よりも下方に配置する」ことが看取できる。 6 甲6について 甲6には、以下の事項が記載されている。 (6a) 172頁の「機械室」の項目には、「船舶においては推進用原動機およびその補助機械を据付けてある場所を機械室と称し、一般には機関室(エンジンルーム)という」と記載されている。 (6b) 173頁の「機関室囲壁」の項目には、「engine casing」及び、「数層の甲板を有する船では甲板間に機関室を囲む機関室囲壁を設けて、これに出入口を設ける」と記載されている。 第5 当審の判断 特許異議申立ての理由(特許法第29条第2項)について、以下、検討する。 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「船内車両甲板4」は、「舷外ランプ5を経てロールオンした車を」「格納」するものであるから、本件発明1の「船体に設けられて荷を積載する乗込甲板」に相当する。 イ 甲1発明の「ヒンジ部6」は、本件発明1の「ヒンジ部」に相当するところ、甲1発明の「船内車両甲板4に対してヒンジ部6を介して上下に揺動可能に設置されて下方に揺動した場合に前記船内車両甲板4の上面に連続する舷外ランプ5」は、「船首,船尾及び船側にそれぞれ形成されたランプ開口10」に「有し」ているものであるから、「船体の船尾部に設けられて」いるものであり、本件発明1の「船体の船尾部に設けられて乗込甲板に対してヒンジ部を介して上下に揺動可能に設置されて下方に揺動した場合に前記乗込甲板の上面に連続するショアランプ」に相当する。 ウ 甲1発明の「自動車運搬船」は、本件発明1の「船舶」に相当する。 以上から、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点> 「船体に設けられて荷を積載する乗込甲板と、前記船体の船尾部に設けられて前記乗込甲板に対してヒンジ部を介して上下に揺動可能に設置されて下方に揺動した場合に前記乗込甲板の上面に連続するショアランプと、を含む船舶。」 <相違点> 本件発明1は、「前記船尾部に設けられて前記船体の進行方向を変更する旋回型推進電動機」を含む船舶であり、「前記旋回型推進電動機の駆動源を出力軸が上下方向に延在するように配置し、前記駆動源が配置される機械室を前記乗込甲板よりも上方に隆起させるとともに、前記機械室の位置を避けて前記ショアランプを配置する」ものであるのに対して、甲1発明では、そのように特定されていない点。 (2)判断 以下、相違点について検討する。 ア 甲2の図8から、「上下方向に延在する旋回モータシャフト229」が看取できるところ、摘記(2a)及び(2c)を踏まえると、甲2には、「船舶の船尾に設けられる船舶推進装置に関するものであり、船底235に設けられる旋回式ポッドプロペラ202のポッド201に一体に設けられている、ストラット209は、旋回モータ231の回転が上下方向に延在する旋回モータシャフト229、旋回ギヤ233を介して旋回軸230に伝達されることにより、旋回軸230の軸線回りに回転する」技術(以下、「甲2に記載された技術事項」という。)が記載されているといえる。 イ 甲2に記載された技術事項の「旋回式ポッドプロペラ202」、「旋回モータ231」及び「旋回モータシャフト229」は、それぞれ、本件発明1の「旋回型推進電動機」、「駆動源」及び「出力軸」に相当するところ、甲2に記載された技術事項は、「船舶の船尾に設けられる船舶推進装置に関するものであ」るから、甲2に記載された技術事項を甲1発明に適用して、甲1発明の船尾部に、旋回型推進電動機の駆動源を出力軸が上下方向に延在するように配置することまでは、当業者が容易になし得たといえる。 ウ しかしながら、本件発明1は、「ショアランプの長さが大型化する事態を防ぐこと」を前提とした場合に、「旋回型推進電動機の電動機を横置きとした場合、ギア部が介在されることで電動機から軸への動力の伝達効率が低下する」及び「船底と乗込甲板との高さ寸法が小さく、電動機の収容スペースを確保するため、乗込甲板を支持する鉄骨梁材の高さ寸法を小さくした場合、プロペラを駆動する主機関の稼働や、航行する船体への波の衝突などにより鉄骨梁材が上下に振動し易くなり、上部居住区画へ振動が伝わり乗り心地が悪くなる」という課題を解決することを目的としている(本件明細書の段落【0005】及び【0006】)が、甲1には、当該課題については記載されておらず、甲1発明において、当該課題を解決するために、駆動源が配置される機械室を乗込甲板よりも上方に隆起させようとする動機付けは存在していない。 エ さらに、甲1発明では、船尾部における船底と船内車両甲板4との距離が、どの程度であるのかは不明であり特定することはできないから、この距離に関連して、駆動源が配置される機械室の配置を考えることはできず、機械室を隆起させることなく乗込甲板よりも下方に配置することでショアランプからの乗り込みに影響を及ぼさないことも充分に想定されるところ(上記第4の5、甲5の船尾中央のショアランプと舵機室を参照)、甲1発明において、駆動源が配置される機械室を乗込甲板よりも上方に隆起させ、その機械室の位置を避けてショアランプを配置しなければならないという合理的な理由はない。 オ 上記第4の3を踏まえると、甲3には、「船尾部に配置された舵機室(STEER.GEAR RM.)を貨物倉(CARGOHOLD)の全通貨物甲板である上甲板(UPP. Dk.)よりも上方に隆起させるとともに、舵機室(STEER.GEAR ROOM)の位置を避けてショアランプを配置する」旨の技術が示唆されているともいえるが、当該技術は、一般的な舵の舵機室に関する技術であって、旋回型推進電動機の駆動源や出力軸に関するものではなく、隆起させようとする課題が提起されておらず(上記ウ)、そうしようとする合理的な理由もない(上記エ)甲1発明に、当該技術を適用する動機付けはないといえる。 カ また、甲4~5については、甲3と同様の技術(上記オ)が示唆されているといえる具体的な根拠はなく、仮に示唆されているといえたとしても、上記オと同様に、甲1発明に適用する動機付けはないといえる。 そして、他に、上記相違点に係る本件発明1の構成が、公知ないし周知であるという証拠も無い。 キ 以上から、甲1発明に甲3~6に記載された技術事項を適用する動機付けは存在せず、甲1発明に甲2に記載された技術事項を適用しても、上記相違点に係る本件発明1の構成(特に、「駆動源が配置される機械室を前記乗込甲板よりも上方に隆起させるとともに、前記機械室の位置を避けて前記ショアランプを配置する」構成)を想到することは、当業者が容易になし得たとはいえないから、本件発明1は、甲1発明及び甲2~6に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1を減縮した発明であるところ、本件発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、上記1で述べたとおり、甲1発明及び甲2~6に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 小活 したがって、本件発明1~4は、甲1発明及び甲2~6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるとはいえず、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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