特許異議申立
2024-700914
ガスタービン設備、及びガスタービンの制御方法
- 審判番号
- 2024-700914
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-580595
- 登録番号
- 7454074
- 請求日
- 2024年09月24日
- 審決日
- 2026年01月08日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】三菱重工業株式会社
- 【権利者代理人】松沼 泰史
- 【権利者代理人】伊藤 英輔
- 【権利者代理人】橋本 宏之
- 【権利者代理人】古都 智
- 【権利者代理人】鎌田 康一郎
- 【異議申立人】小林 宏子
- 審判長/審判官
- 審判長 八木 誠
- 審判官 遠藤 秀明
- 審判官 西山 智宏
- 分類
- P1651.121-YAA(F02C) / P1651.537-YAA(F02C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7454074号発明「ガスタービン設備、及びガスタービンの制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7454074号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~10〕、〔11~14〕、〔15、16〕、〔17~20〕、〔21~23〕、24について訂正することを認める。
特許第7454074号の請求項1~24に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7454074号(以下「本件特許」という。)の請求項1~24に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2022年(令和4年)2月3日(優先権主張 令和3年2月15日)を国際出願日とする出願であって、令和6年3月12日にその特許権の設定登録がされ、令和6年3月21日に特許掲載公報が発行された。
請求項1~24に係る特許に対する、特許異議申立人小林宏子(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、以下のとおりである。
令和 6年 9月24日 :特許異議の申立て
令和 7年 5月22日付け:取消理由通知書
令和 7年 7月 2日提出:特許権者による意見書及び訂正請求書
令和 7年 7月28日提出:特許権者による手続補正書
令和 7年 8月19日付け:訂正請求があった旨の通知書
令和 7年 9月18日提出:申立人による意見書
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和7年7月2日にされた訂正請求の趣旨は、特許第7454074号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を、
「ガスタービンと、前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計と、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記アンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され、
前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項1の記載を引用する、請求項2~10も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を、
「請求項1又は2に記載のガスタービン設備において、
前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機ケーシング内に戻すことが可能な空気戻しラインと、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節可能な戻し空気調節弁と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記戻し空気調節弁の動作を制御する戻し空気制御器と、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気制御器に、前記戻し空気の流量が多くなるよう前記戻し空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項3の記載を引用する、請求項6~10も同様に訂正する。)
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項7を、
「請求項1から6のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記開口から前記燃焼室内に導入する前記希釈空気の流量を調節する希釈空気調節弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記希釈空気調節弁の動作を制御する希釈空気制御器と、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項7の記載を引用する、請求項8も同様に訂正する。)
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項9を
「請求項3から6のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記開口から前記燃焼室内に導入する前記希釈空気の流量を調節する希釈空気調節弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記希釈空気調節弁の動作を制御する希釈空気制御器を有し、
前記協調制御器は、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と、前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御と、前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御とを協調させ、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項9の記載を引用する、請求項10も同様に訂正する。)
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項11を、
「ガスタービンと、空気戻しラインと、戻し空気調節弁と、前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計と、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され、
前記空気戻しラインは、前記圧縮機から吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機内に戻せるよう構成され、
前記戻し空気調節弁は、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節できるよう構成され、
前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項11の記載を引用する、請求項12~14も同様に訂正する。)
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項13を、
「請求項11又は12に記載のガスタービン設備において、
前記開口から前記燃焼室に導入する前記希釈空気の流量を調節する希釈空気調節弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記希釈空気調節弁の動作を制御する希釈空気制御器と、前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御と前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項13の記載を引用する、請求項14も同様に訂正する。)
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項15を、
「ガスタービンと、希釈空気調節弁と、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記アンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され、
前記希釈空気調節弁は、前記開口から前記燃焼室に導入する前記希釈空気の流量を調節可能な弁であり、
前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気の流量が増加するよう、前記希釈空気調節弁を制御する希釈空気制御器を有する、
ガスタービン設備。」
に訂正する。
(請求項15の記載を引用する、請求項16も同様に訂正する。)
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項17を、
「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成されている、
ガスタービンの制御方法において、
前記燃焼器本体から前記燃焼室内に前記燃料としての前記アンモニア及び前記主燃焼用空気を噴射すると共に、前記開口から前記燃焼室内に前記希釈空気を導入して、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、を形成する燃焼工程と、
前記燃料の燃焼で生成され前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度検知工程と、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を少なくなする吸気制御工程と、
を実行する、
ガスタービンの制御方法。」
に訂正する。
(請求項17の記載を引用する、請求項18~20も同様に訂正する。)
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項19を、
「請求項17又は18に記載のガスタービンの制御方法において、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気制御工程と共に、前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を戻し空気として、前記圧縮機ケーシング内に戻す流量を多くする戻し空気制御工程と、
をさらに実行する、
ガスタービンの制御方法。」
に訂正する。
(請求項19の記載を引用する、請求項20も同様に訂正する。)
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項20を、
「請求項17から19のいずれか一項に記載のガスタービンの制御方法において、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気制御工程と共に、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程をさらに実行する、
ガスタービンの制御方法。」
に訂正する。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項21を、
「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成されている、
ガスタービンの制御方法において、
前記燃焼器本体から前記燃焼室内に前記燃料としての前記アンモニア及び前記主燃焼用空気を噴射すると共に、前記開口から前記燃焼室内に前記希釈空気を導入して、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、を形成する燃焼工程と、
前記燃料の燃焼で生成され前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度検知工程と、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を戻し空気として、前記圧縮機ケーシング内に戻す流量を多くする戻し空気制御工程と、
を実行する、
ガスタービンの制御方法。」
に訂正する。
(請求項21の記載を引用する、請求項22及び23も同様に訂正する。)
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項23を、
「請求項21又は22に記載のガスタービンの制御方法において、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気制御工程と共に、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程をさらに実行する、
ガスタービンの制御方法。」
に訂正する。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項24を、
「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成されている、
ガスタービンの制御方法において、
前記燃焼器本体から前記燃焼室内に前記燃料としての前記アンモニア及び前記主燃焼用空気を噴射すると共に、前記開口から前記燃焼室内に前記希釈空気を導入して、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、を形成する燃焼工程と、
前記燃料の燃焼で生成され前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度検知工程と、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程と、
を実行する、
ガスタービンの制御方法。」
に訂正する。
2 一群の請求項について
訂正前の請求項1~10について、請求項2~10は請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、上記訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1~10に対応する訂正後の請求項1~10は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
訂正前の請求項11~14について、請求項12~14は請求項11を直接的又は間接的に引用しているものであって、上記訂正事項5によって訂正される請求項11に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項11~14に対応する訂正後の請求項11~14は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
訂正前の請求項15、16について、請求項16は請求項15を直接的に引用しているものであって、上記訂正事項7によって訂正される請求項15に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項15、16に対応する訂正後の請求項15、16は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
訂正前の請求項17~20について、請求項18~20は請求項17を直接的又は間接的に引用しているものであって、上記訂正事項8によって訂正される請求項17に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項17~20に対応する訂正後の請求項17~20は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
訂正前の請求項21~23について、請求項22、23は請求項21を直接的又は間接的に引用しているものであって、上記訂正事項11によって訂正される請求項21に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項21~23に対応する訂正後の請求項21~23は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
3 訂正事項にかかる当審の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「制御装置」に関して、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0010】及び【0049】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、本件訂正前の請求項3の「協調制御器」に関して、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気制御器に、前記戻し空気の流量が多くなるよう前記戻し空気調節弁を制御させる」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項2は、願書に添付した明細書の段落【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項3は、本件訂正前の請求項7の「協調制御器」に関して、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項3は、願書に添付した明細書の段落【0100】及び【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項4にについて
ア 訂正の目的の適否
訂正事項4は、本件訂正前の請求項9の「協調制御器」に関して、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項4は、願書に添付した明細書の段落【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項5は、本件訂正前の請求項11の「制御装置」に関して、「前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項5は、願書に添付した明細書の段落【0060】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6は、本件訂正前の請求項13の「協調制御装置」に関して、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項6は、願書に添付した明細書の段落【0100】及び【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(7)訂正事項7について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項7は、本件訂正前の請求項15の「制御装置」に関して、「前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気の流量が増加するよう、前記希釈空気調節弁を制御する希釈空気制御器を有する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項7に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項7は、願書に添付した明細書の段落【0069】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項7に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(8)訂正事項8について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項8は、本件訂正前の請求項17の「吸気制御工程」「を実行する」ことに関して、「前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を少なくなする吸気制御工程」「を実行する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項8に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項8は、願書に添付した明細書の段落【0010】及び【0049】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項8に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(9)訂正事項9について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項9は、本件訂正前の請求項19の「戻し空気制御工程」「をさらに実行する」ことに関して、「前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気制御工程と共に、前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を戻し空気として、前記圧縮機ケーシング内に戻す流量を多くする戻し空気制御工程」「をさらに実行する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項9に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項9は、願書に添付した明細書の段落【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項9に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(10)訂正事項10について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項10は、本件訂正前の請求項20の「吸気制御工程と共に、」「希釈空気制御工程をさらに実行する」ことに関して、「前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気制御工程と共に、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程をさらに実行する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項10に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項10は、願書に添付した明細書の段落【0100】及び【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項10に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(11)訂正事項11について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項11は、本件訂正前の請求項21の「戻し空気制御工程」「を実行する」ことに関して、「前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を戻し空気として、前記圧縮機ケーシング内に戻す流量を多くする戻し空気制御工程」「を実行する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項11に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項11は、願書に添付した明細書の段落【0060】及び【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項11に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(12)訂正事項12について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項12は、本件訂正前の請求項23の「戻し空気制御工程と共に、」「希釈空気制御工程をさらに実行する」ことに関して、「前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気制御工程と共に、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程をさらに実行する」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項12に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項12は、願書に添付した明細書の段落【0060】及び【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項12に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
(13)訂正事項13について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項13は、本件訂正前の請求項24の「希釈空気制御工程」「を実行する」ことに関して、「前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程」「を実行する」」と限定し、明瞭化したものである。
よって、訂正事項13に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項13は、願書に添付した明細書の段落【0069】及び【0114】の記載事項に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項の規定に適合する。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項13に係る訂正は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。
4 小括
以上のとおり、訂正事項1~13に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項の規定に適合すると共に、同条第9項の規定によって準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~10〕、〔11~14〕、〔15、16〕、〔17~20〕、〔21~23〕、24について訂正を認める。
第3 本件発明
上記のとおり本件訂正が認められるから、本件特許の請求項1~24に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明24」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~24に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
ガスタービンと、前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計と、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記アンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され、
前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する、
ガスタービン設備。
【請求項2】
請求項1に記載のガスタービン設備において、
前記排気ガス中の未燃分濃度を検知する未燃分濃度計をさらに備え、
前記吸気制御器は、前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値未満になり且つ前記排気ガス中の未燃分濃度が前記NOx濃度に応じて定まる予め定められた未燃分濃度範囲内に収まるよう、前記吸気調節器の動作を制御する、
ガスタービン設備。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のガスタービン設備において、
前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機ケーシング内に戻すことが可能な空気戻しラインと、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節可能な戻し空気調節弁と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記戻し空気調節弁の動作を制御する戻し空気制御器と、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気制御器に、前記戻し空気の流量が多くなるよう前記戻し空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。
【請求項4】
請求項2に記載のガスタービン設備において、
前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機ケーシング内に戻すことが可能な空気戻しラインと、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節可能な戻し空気調節弁と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記戻し空気調節弁の動作を制御する戻し空気制御器と、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値未満になり且つ前記排気ガス中の未燃分濃度が前記NOx濃度に応じて定まる予め定められた未燃分濃度範囲内に収まるよう、前記吸気制御器に前記吸気調節器を制御させると共に、前記戻し空気制御器に前記戻し空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。
【請求項5】
請求項4に記載のガスタービン設備において、
前記協調制御器は、前記排気ガス中のNOx濃度が前記予め定められた値未満になるよう、前記吸気制御器に前記吸気調節器を制御させた後、第一の場合、第二の場合、及び第三の場合のうちいずれか一の場合に、前記戻し空気制御器に、前記戻し空気調節弁により、前記戻し空気が多くなるよう、前記戻し空気の流量を調節させ、
前記第一の場合は、前記排気ガス中の未燃分濃度が前記未燃分濃度範囲内に収まっていない場合であり、
前記第二の場合は、前記排気ガス中の未燃分濃度をより低下させるという要求を受け付けている場合であり、
前記第三の場合は、前記吸気調節器の動作だけでは、燃空比が予め定めた分大きくならない場合である、
ガスタービン設備。
【請求項6】
請求項3又は4に記載のガスタービン設備において、
前記協調制御器は、前記吸気調節器による前記吸気量の調節での燃空比の変化量と前記戻し空気調節弁による前記戻し空気の流量の調節での燃空比の変化量との比が、予め定められた比になるよう、前記吸気制御器に前記吸気調節器を制御させると共に、前記戻し空気制御器に前記戻し空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記開口から前記燃焼室内に導入する前記希釈空気の流量を調節する希釈空気調節弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記希釈空気調節弁の動作を制御する希釈空気制御器と、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。
【請求項8】
請求項7に記載のガスタービン設備において、
前記協調制御器は、前記リーン燃焼領域の燃空比が変わらず、前記リッチ燃焼領域の燃空比が大きくなるよう、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御で前記吸気量を少なくさせつつ、前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御で前記希釈空気の流量を多くさせる、
ガスタービン設備。
【請求項9】
請求項3から6のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記開口から前記燃焼室内に導入する前記希釈空気の流量を調節する希釈空気調節弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記希釈空気調節弁の動作を制御する希釈空気制御器を有し、
前記協調制御器は、前記吸気制御器による前記吸気調節器の制御と、前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御と、前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御とを協調させ、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。
【請求項10】
請求項9に記載のガスタービン設備において、
前記協調制御器は、前記吸気制御器、前記戻し空気制御器及び前記希釈空気制御器に、前記リーン燃焼領域の燃空比が変わらず、前記リッチ燃焼領域の燃空比が大きくなるよう、前記吸気調節器により前記吸気量を少なくさせ、前記戻し空気調節弁により前記戻し空気の流量を多くさせつつ、前記希釈空気調節弁により前記希釈空気の流量を多くさせる、
ガスタービン設備。
【請求項11】
ガスタービンと、空気戻しラインと、戻し空気調節弁と、前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計と、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され、
前記空気戻しラインは、前記圧縮機から吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機内に戻せるよう構成され、
前記戻し空気調節弁は、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節できるよう構成され、
前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する、
ガスタービン設備。
【請求項12】
請求項11に記載のガスタービン設備において、
前記排気ガス中の未燃分濃度を検知する未燃分濃度計をさらに備え、
前記戻し空気制御器は、前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値未満になり且つ前記排気ガス中の未燃分濃度が前記NOx濃度に応じて定まる予め定められた未燃分濃度範囲内に収まるよう、前記戻し空気調節弁の動作を制御する、
ガスタービン設備。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のガスタービン設備において、
前記開口から前記燃焼室に導入する前記希釈空気の流量を調節する希釈空気調節弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記希釈空気調節弁の動作を制御する希釈空気制御器と、前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御と前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御とを協調させる協調制御器と、を有し、
前記協調制御器は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気制御器に、前記希釈空気の流量が多くなるよう、前記希釈空気調節弁を制御させる、
ガスタービン設備。
【請求項14】
請求項13に記載のガスタービン設備において、
前記協調制御器は、前記リーン燃焼領域の燃空比が変わらず、前記リッチ燃焼領域の燃空比が大きくなるよう、前記戻し空気制御器による前記戻し空気調節弁の制御で前記戻し空気の流量を多くさせつつ、前記希釈空気制御器による前記希釈空気調節弁の制御で前記希釈空気の流量を多くさせる、
ガスタービン設備。
【請求項15】
ガスタービンと、希釈空気調節弁と、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記アンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され、
前記希釈空気調節弁は、前記開口から前記燃焼室に導入する前記希釈空気の流量を調節可能な弁であり、
前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気の流量が増加するよう、前記希釈空気調節弁を制御する希釈空気制御器を有する、
ガスタービン設備。
【請求項16】
請求項15に記載のガスタービン設備において、
前記排気ガス中の未燃分濃度を検知する未燃分濃度計をさらに備え、
前記希釈空気制御器は、前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値未満になり且つ前記排気ガス中の未燃分濃度が前記NOx濃度に応じて定まる予め定められた未燃分濃度範囲内に収まるよう、前記希釈空気調節弁を制御する、
ガスタービン設備。
【請求項17】
空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成されている、
ガスタービンの制御方法において、
前記燃焼器本体から前記燃焼室内に前記燃料としての前記アンモニア及び前記主燃焼用空気を噴射すると共に、前記開口から前記燃焼室内に前記希釈空気を導入して、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、を形成する燃焼工程と、
前記燃料の燃焼で生成され前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度検知工程と、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を少なくなする吸気制御工程と、
を実行する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項18】
請求項17に記載のガスタービンの制御方法において、
前記排気ガス中の未燃分濃度を検知する未燃分濃度検知工程S3をさらに実行し、
前記吸気制御工程では、前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値未満になり且つ前記未燃分濃度が前記NOx濃度に応じて定まる予め定められた未燃分濃度範囲内に収まるよう、前記吸気量を制御する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項19】
請求項17又は18に記載のガスタービンの制御方法において、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気制御工程と共に、前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を戻し空気として、前記圧縮機ケーシング内に戻す流量を多くする戻し空気制御工程と、
をさらに実行する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項20】
請求項17から19のいずれか一項に記載のガスタービンの制御方法において、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気制御工程と共に、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程をさらに実行する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項21】
空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成されている、
ガスタービンの制御方法において、
前記燃焼器本体から前記燃焼室内に前記燃料としての前記アンモニア及び前記主燃焼用空気を噴射すると共に、前記開口から前記燃焼室内に前記希釈空気を導入して、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、を形成する燃焼工程と、
前記燃料の燃焼で生成され前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度検知工程と、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記圧縮機ケーシングから吐出された圧縮空気の一部を戻し空気として、前記圧縮機ケーシング内に戻す流量を多くする戻し空気制御工程と、
を実行する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項22】
請求項21に記載のガスタービンの制御方法において、
前記排気ガス中の未燃分濃度を検知する未燃分濃度検知工程をさらに実行し、
前記戻し空気制御工程では、前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値未満になり且つ前記未燃分濃度が前記NOx濃度に応じて定まる予め定められた未燃分濃度範囲内に収まるよう、前記戻し空気の流量を制御する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のガスタービンの制御方法において、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気制御工程と共に、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程をさらに実行する、
ガスタービンの制御方法。
【請求項24】
空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成されている、
ガスタービンの制御方法において、
前記燃焼器本体から前記燃焼室内に前記燃料としての前記アンモニア及び前記主燃焼用空気を噴射すると共に、前記開口から前記燃焼室内に前記希釈空気を導入して、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、を形成する燃焼工程と、
前記燃料の燃焼で生成され前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度検知工程と、
前記NOx濃度検知工程で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記希釈空気の流量を多くする希釈空気制御工程と、
を実行する、
ガスタービンの制御方法。」
第4 取消理由の概要
訂正前の請求項1~24に係る特許に対して、当審において令和7年5月22日付けで通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
1 取消理由1(特許法第36条第6項第1号)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものである。
本件特許の請求項1~24に係る発明は、発明の詳細な説明の記載や出願時の技術常識に照らして当業者が課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められないから、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。
第5 取消理由1(特許法第36条第6項第1号)に対する判断
1 請求項1~24について
発明が解決しようとする課題は、発明の詳細な説明の段落【0007】にも記載されるように、ガスタービンの燃料としてアンモニアを用いる場合に、NOxの排出量を低減できる技術を提供することであると認められる。そして、発明の詳細な説明には、当該課題を解決するための手段として、NOx濃度が予め定められた値以上になったと判断すると、吸気量が少なくなるようにすること、戻し空気の流量が多くなるようにすることや、希釈空気の流量が多くなるようにすることが示されている(特に、段落【0049】、【0060】、【0069】を参照。)ものと認められる。
本件訂正により訂正された本件発明1は、「制御装置」に関して、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」との事項を有するものになった。そして、上記事項は、発明の詳細な説明に記載された上記課題を解決するための手段である。
してみると、本件発明1は、発明の詳細な説明の記載や出願時の技術常識に照らして当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであり、発明の詳細な説明に記載されたものであると認められる。
また、本件訂正により訂正された本件発明3、7、9、11、13、15、17、19~21、23、24についても同様の理由により発明の詳細な説明に記載されたものであると認められる。そして、従属する本件発明2、4~6、8、10、12、14、16、18、22も同様に発明の詳細な説明に記載されたものである。
したがって、取消理由1は解消された。
2 申立人の主張について
(1)申立人の主張
申立人は、令和7年9月18日提出の意見書において、以下のように主張する。
「(1)訂正により請求項1に新たに生じた「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、 前記吸気量が少なくなるよう、 前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」(訂正箇所に下線を付す)との事項は、依然として、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえないから、サポート要件を満たさず、したがって、請求項1に係る発明、および、請求項1を引用する請求項2-10に係る発明は、 取り消されるべきものである。
具体的には、発明が解決しようとする課題は、発明の詳細な説明の段落0007にも記載されるように、「ガスタービンの燃料としてアンモニアを用いる場合に、NOxの排出量を低減できる技術を提供すること」であると認められる。
そして、発明の詳細な説明には、当該課題を解決するための手段として、NOx濃度が予め定められた値以上になったと判断すると、吸気量が「予め定められた分だけ」少なくされることが示されているものと認められる(特に、段落【0049】を参照)。
一方、訂正後の請求項1では、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する」と記載されるに留まる。訂正後の請求項1の当該記載では、例えば、吸気量が「予め定められた分」よりも少ない量だけ少なくされるものも含まれると解されるところ、そのようなものでは、上記課題を解決できない場合も含まれることは明らかであるから、訂正後の請求項1に係る発明は、上記課題を解決できないものを含むといえる。
以上のことから、請求項1に係る発明、および、請求項1を引用する請求項2-10に係る発明は、発明の詳細な説明の記載や出願時の技術常識に照らして当業者が上 記課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められないから、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえないと思料する。」
(2)申立人の主張についての判断
吸気量を少なくすることで、排気ガス中のNOx濃度が低くなることは、発明の詳細な説明の記載などから明らかであるところ、「前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する」ことは、上記NOx濃度を上記予め定められた値未満にするように制御することであり、上記課題を解決できる手段であると当業者であれば認識できると認められる。
したがって、本件発明1は、課題を解決できないものを含むとまではいえない。
そして、本件発明11、15、17、21、24に関する申立人の主張を参酌しても、本件発明11、15、17、21、24も本件発明1と同様の理由により課題を解決できないものを含むとまではいえず、従属する本件発明2~10、12~14、16、18~20、22、23も同様に課題を解決できないものを含むとまではいえない。
よって、申立人の令和7年9月18日提出の意見書における主張は、採用することができない。
3 小括
以上より、本件発明1~24は発明の詳細な説明に記載されたものであり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たす。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の内容
申立人は、特許異議申立書において、甲第2~12号証(以下「甲2」~「甲12」という。)を提出し、請求項1及び17に係る特許は、甲2に記載された発明及び甲4~11に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、甲3に記載された発明及び甲4~11に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項3、11、19及び21に係る特許は、甲2に記載された発明及び甲4~12に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、甲3に記載された発明及び甲4~12に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項1、3、11、17、19及び21に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
2 特許異議申立理由についての判断
(1)引用文献一覧
甲2:特開平6-10711号公報
甲3:特開2006-105053号公報
甲4:特開2005-114347号公報
甲5:特開2014-231977号公報
甲6:特開2017-15389号公報
甲7:国際公開第2019/088107号
甲8:特開2019-178840号公報
甲9:特開2020-159264号公報
甲10:「HYPRプロジェクトにおける低NOx燃焼技術の研究」、日本航空宇宙学会誌、2000年、48巻553号、p.121-126
甲11:「航空機用ジェットエンジンの排気-国際排出基準と燃焼器技術の動向」、日本マリンエンジニアリング学会誌、2012年、47巻6号、p.835-840
甲12:特開2015-183619号公報
(2)引用文献の記載事項等
ア 甲2について
甲2(特に、段落【0019】~【0027】、図1、5を参照。)には、以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
(甲2発明)
「ガスタービン装置と、燃焼制御器15と、を備え、
ガスタービン装置は、大気が送りこまれ、圧縮された後、高圧空気となる圧縮機1と、燃料が圧縮された空気と混合し、燃焼し高温ガスが発生する燃焼器2と、高温ガスが仕事を行うタービン6と、を有し、
圧縮機1に流入する大気の流量を制御するために空気圧縮機入口案内翼の角度を駆動させる空気圧縮機入口案内翼駆動装置32を有する、
ガスタービンプラント。」
甲2(特に、段落【0002】~【0006】、図6を参照。)には、以下の技術(以下「甲2記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲2記載技術)
「燃焼制御器15を備え、タービン排ガスセンサ12及びタービン排ガスセンサ12によってサンプリングされたサンプリングガスは排ガス分析器17により分析されNOx及びCO濃度がそれぞれ検出される技術。」
イ 甲3について
甲3(特に、段落【0016】~【0034】、図1、2を参照。)には、以下の発明(以下「甲3発明」という。)及び技術(以下「甲3記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲3発明)
「ガスタービン11と、タービン14の回転駆動に使用された燃焼ガスの排気ガスのNOx濃度が検出されるNOxセンサ43と、を備え、
ガスタービン11は、外部空気が圧縮される圧縮機12と、圧縮空気と燃料ガスとを用いて燃焼動作を行い、高温高圧の燃焼ガスを発生する燃焼器13と、燃焼ガスによって回転駆動を行うタービン14と、を有し、
圧縮機12は、開度が操作されると、吸引される外部空気の量が設定される入口案内翼(IGV)17を備える、
ガスタービンプラント。」
(甲3記載技術)
「ガスタービン11と、タービン14の回転駆動に使用された燃焼ガスの排気ガスのNOx濃度が検出されるNOxセンサ43と、を備え、
ガスタービン11は、外部空気が圧縮される圧縮機12と、圧縮空気と燃料ガスとを用いて燃焼動作を行い、高温高圧の燃焼ガスを発生する燃焼器13と、燃焼ガスによって回転駆動を行うタービン14と、を有し、
圧縮機12は、開度が操作されると、吸引される外部空気の量が設定される入口案内翼(IGV)17を備える技術。」
ウ 甲4について
甲4(特に、段落【0002】~【0003】、【0006】~【0008】、図1を参照。)には、以下の技術(以下「甲4記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲4記載技術)
「燃焼器20は、燃焼室30を仕切る内側の壁32及び外側の壁34と、燃焼器の主な燃料ないし空気のインレットとして機能するスワラアウトレット48と、を有し、
内側の壁32及び外側の壁34には、プロセス希薄空気が導入される孔が並び、
燃焼器20は、空間平均組成が理論空燃比より大きくなるリッチ領域と、孔から導入されるプロセス希薄空気と混合し、理論空燃比より小さくなるリーン領域と、が形成されるよう構成される技術。」
エ 甲5について
甲5(特に、段落【0007】~【0008】、【0015】~【0028】、図1を参照。)には、以下の技術(以下「甲5記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲5記載技術)
「燃焼器2は、燃焼室5を形成する内側ケース7及び外側ケース8と、燃料噴射ノズル6及び吸気口5aと、を有し、
内側ケース7及び外側ケース8には、追加の燃焼用空気を1次燃焼場3と2次燃焼場4との間に供給するための燃焼用空気吸入口12が設けられ、
燃焼器2は、燃焼室5内に、燃料過濃状態で燃焼する1次燃焼場3と、燃焼用空気吸入口12を通じて追加の燃焼用空気が流入し、未燃の混合ガスが希釈され、燃料希薄状態の燃焼が行われる2次燃焼場4と、が形成されるように構成される技術。」
オ 甲6について
甲6(特に、段落【0001】、【0013】、【0019】~【0035】、図1、2を参照。)には、以下の技術(以下「甲6記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲6記載技術)
「燃焼器1は、燃焼筒3と、燃料供給装置4及びスワラ5と、を有し、
燃焼筒3には、クエンチ空気を導入するための空気孔Qが形成され、
燃焼器1は、当量比を1以上に保持するリッチ燃焼領域Rと、リッチ燃焼後の燃焼ガスとクエンチ空気との混合ガスが過剰酸素雰囲気下でリーン燃焼を行うリーン燃焼領域Lと、を構成する技術。」
カ 甲7について
甲7(特に、段落【0028】~【0031】、【0070】、図1を参照。)には、以下の技術(以下「甲7記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲7記載技術)
「ガスタービンは、アンモニアを含む燃料Fと空気とが混合されて燃焼する燃焼器10を有する技術。」
キ 甲8について
甲8(特に、段落【0018】~【0021】、図1を参照。)には、以下の技術(以下「甲8記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲8記載技術)
「ガスタービン1は、圧縮空気を酸化剤として気体アンモニア及び都市ガスを混合燃焼させ、燃焼ガスを発生させる燃焼器6を有する技術。」
ク 甲9について
甲9(特に、段落【0017】~【0019】、【0026】、【0066】、図1を参照。)には、以下の技術(以下「甲9記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲9記載技術)
「ガスタービンAは、圧縮空気X2を酸化剤としてアンモニアを燃料X3として燃焼させて燃焼ガスX4を発生させる燃焼器2を有する技術。」
ケ 甲10について
甲10(特に、121ページ右欄~122ページ右欄、第2図を参照。)には、以下の技術(以下「甲10記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲10記載技術)
「燃空比が量論比に近づくほど燃焼ガス温度が高くなり、排出するNOxは増加するため、最初量論比より大きな燃空比で酸素不足の状態で燃焼させた後、多量の空気を急速に混合して希薄燃焼させ、火炎温度を低く抑えNOxの排出を低減する技術。」
コ 甲11について
甲11(特に、59ページ右欄~60ページ左欄、図5、6を参照。)には、以下の技術(以下「甲11記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲11記載技術)
「燃焼器内をリッチ(燃料過剰)の領域とリーン(空気過剰)の領域に分け、先ずリッチで燃焼させ、急速に追加空気と混合してリーンで燃焼させることによって、NOxが多く発生する量論比近くを避け、NOx発生を抑制する技術。」
サ 甲12について
甲12(特に、段落【0023】~【0050】、図1を参照。)には、以下の技術(以下「甲12記載技術」という。)が記載されていると認められる。
(甲12記載技術)
「ガスタービン1と、抽気配管12と、抽気弁22と、燃焼制御装置50と、を備え、
抽気弁22の弁開度61mや抽気量61iを選定できる技術。」
(3)本件発明1について
ア 甲2を主引用文献とする場合
(ア)対比
本件発明1と甲2発明とを対比すると、後者の「ガスタービン装置」は前者の「ガスタービン」に相当し、以下同様に、
「燃焼制御器15」は「制御装置」に、
「大気が送りこまれ、圧縮された後、高圧空気となる」ことは「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる」ことに、
「圧縮機1」は「圧縮機」に、
「燃焼器2」は「燃焼器」に、
「高温ガスが仕事を行う」ことは「前記燃焼ガスにより駆動可能」であることに、
「タービン6」は「タービン」に、
「ガスタービンプラント」は「ガスタービン設備」に、それぞれ相当する。
後者の「燃料が圧縮された空気と混合し、燃焼し高温ガスが発生する」ことは、前者の「前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成できる」ことと、「前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる」という限りにおいて一致する。
後者の「圧縮機1に流入する大気の流量を制御するために空気圧縮機入口案内翼の角度を駆動させる空気圧縮機入口案内翼駆動装置32を有する」ことは、前者の「前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有」することと、「圧縮機に吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器」「を有」するという限りにおいて一致する。
すると、両者は以下の点で一致する。
[一致点1-1]
「ガスタービンと、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機に吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器を有する、
ガスタービン設備。」
そして、以下の点で相違する。
[相違点1-1]
前者は、「前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有」するのに対し、
後者は、前記圧縮機に吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器を有するものの、「前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有」するか否かが不明な点。
[相違点1-2]
前者は、燃焼器について、前記圧縮空気中で「燃料としてのアンモニア」を燃焼させて燃焼ガスを生成でき」、
「前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記アンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され」るのに対し、
後者は、燃焼器について、そのような特定がない点。
[相違点1-3]
前者は、「前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計」「を備え」、「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」のに対し、
後者は、そのような特定がない点。
(イ)判断
事案に鑑み、相違点1-3から検討する。
上記(2)アに記載したように、甲2には、以下の甲2記載技術が記載されている。
(甲2記載技術)
「燃焼制御器15を備え、タービン排ガスセンサ12及びタービン排ガスセンサ12によってサンプリングされたサンプリングガスは排ガス分析器17により分析されNOx及びCO濃度がそれぞれ検出される技術。」
しかしながら、相違点1-3における「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」点は、甲2だけでなく、甲3~甲12にも記載も示唆もされておらず、周知技術であると認めるに足る証拠もない。
してみると、甲2発明において、甲3~12記載技術を参酌しても、本件発明1の相違点1-3に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到することができたものということはできない。
よって、相違点1-1、相違点1-2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書(以下「申立書」という。)(47、48ページ)において、相違点1-3に関連して以下のように主張する。
「相違点4に関して、文献9、10に示されるように、RQL燃焼方式では、NOx排出量を低減するために、NOx排出量の多い量論比付近の燃空比を避けるように、燃空比を設定することは基本原理である。燃空比は、燃料の量および空気の量によって決まるのだから、当業者であれば、当然、量論比付近の燃空比を避けるように、燃料の量および空気の量を決定する。
また、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、何らかの原因によって、燃空比が量論比に近付いた可能性があるのだから、当業者であれば、当然、燃空比が量論比から離れるように、燃料の量および空気の量を調整するはずである。しかしながら、燃料の量は、ガスタービンの要求負荷によって決定され、調整できない場合もある。したがって、当業者であれば、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。
文献1をベースにしたRQL燃焼方式を採用する上記の組み合わせ(以下、「組合せ発明1」という)では、燃焼器に供給される空気の量を調整する手段として、IGV32が存在する。したがって、組合せ発明1において、ガスタービンの運転中に排ガスセンサ12によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、IGV32によって吸気量を調整することを考えるはずである。
文献9の第2図および文献10の図6を参照して、NOx濃度を増加させる要因の1つとして考えられることは、リッチ燃焼領域における燃空比が、量論比に近付くことである。この場合に対処するため、当業者であれば、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、吸気量が少なくなるようにIGV32を制御するよう、燃焼制御器15を構成することを考えるはずである。これは、本件発明1の「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」に相当する。したがって、組合せ発明1において、文献9、10に開示されているRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」とすることは、当業者であれば容易に想到可能である。」
しかしながら、上記主張における「また、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、何らかの原因によって、燃空比が量論比に近付いた可能性があるのだから、当業者であれば、当然、燃空比が量論比から離れるように、燃料の量および空気の量を調整するはずである。しかしながら、燃料の量は、ガスタービンの要求負荷によって決定され、調整できない場合もある。したがって、当業者であれば、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。」との点、「文献1をベースにしたRQL燃焼方式を採用する上記の組み合わせ(以下、「組合せ発明1」という)では、燃焼器に供給される空気の量を調整する手段として、IGV32が存在する。したがって、組合せ発明1において、ガスタービンの運転中に排ガスセンサ12によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、IGV32によって吸気量を調整することを考えるはずである。」との点、及び、「この場合に対処するため、当業者であれば、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、吸気量が少なくなるようにIGV32を制御するよう、燃焼制御器15を構成することを考えるはずである。」との点について、それぞれ主張の根拠となる証拠が示されていない。
したがって、申立人の上記主張は、証拠に基づく主張であるとは認められず、採用することができない。
イ 甲3を主引用文献とする場合
(ア)対比
本件発明1と甲3発明とを対比すると、後者の「ガスタービン11」は前者の「ガスタービン」に相当し、以下同様に、
「タービン14の回転駆動に使用された燃焼ガスの排気ガスのNOx濃度が検出される」ことは「前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知する」ことに、
「NOxセンサ43」は「NOx濃度計」に、
「外部空気が圧縮される」ことは「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる」ことに、
「圧縮機12」は「圧縮機」に、
「燃焼器13」は「燃焼器」に、
「燃焼ガスによって回転駆動を行う」ことは「前記燃焼ガスにより駆動可能」であることに、
「タービン14」は「タービン」に、
「入口案内翼(IGV)17」は「吸気調節器」に、
「ガスタービンプラント」は「ガスタービン設備」に、それぞれ相当する。
後者の「圧縮空気と燃料ガスとを用いて燃焼動作を行い、高温高圧の燃焼ガスを発生する」ことは、前者の「前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成できる」ことと、「前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる」という限りにおいて一致する。
後者の「圧縮機12は、開度が操作されると、吸引される外部空気の量が設定される入口案内翼(IGV)17を備える」ことは、前者の「前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有」することと、「前記圧縮機は、前記圧縮機に吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器」「を有」するという限りにおいて一致する。
すると、両者は以下の点で一致する。
[一致点1-2]
「ガスタービンと、前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有し、
前記圧縮機は、前記圧縮機に吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器を有する、
ガスタービン設備。」
そして、以下の点で相違する。
[相違点1-4]
前者は、「前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有」するのに対し、
後者は、前記圧縮機は、前記圧縮機に吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器を有するものの、「前記圧縮機は、軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシングに吸い込まれる空気の流量である吸気量を調節する吸気調節器と、を有」するか否かが不明な点。
[相違点1-5]
前者は、燃焼器について、「前記圧縮空気中で燃料としてのアンモニアを燃焼させて燃焼ガスを生成でき」、
「前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記アンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され」るのに対し、
後者は、燃焼器について、そのような特定がない点。
[相違点1-6]
前者は、「制御装置」「を備え」、「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」のに対し、
後者は、そのような特定がない点。
(イ)判断
事案に鑑み、相違点1-6から検討する。
上記(2)アに記載したように、甲2には、以下の甲2記載技術が記載されている。
(甲2記載技術)
「燃焼制御器15を備え、タービン排ガスセンサ12及びタービン排ガスセンサ12によってサンプリングされたサンプリングガスは排ガス分析器17により分析されNOx及びCO濃度がそれぞれ検出される技術。」
しかしながら、相違点1-6における「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」点は、甲3、甲2だけでなく、甲4~甲12にも記載も示唆もされておらず、周知技術であると認めるに足る証拠もない。
してみると、甲3発明において、甲2、4~12記載技術を参酌しても、本件発明1の相違点1-6に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到することができたものということはできない。
よって、相違点1-4、相違点1-5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人の主張について
申立人は、申立書(51、52ページ)において、相違点1-6に関連して以下のように主張する。
「相違点8に関して、上記のように、当業者であれば、文献9、10に示されるRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、 燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。
文献2をベースにしたRQL燃焼方式を採用する上記の組み合わせ(以下、「組合せ発明2」という)では、燃焼器に供給される空気の量を調整する手段として、IGV17が存在する。したがって、組合せ発明2において、ガスタービン11の運転中にNOxセンサ43によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、IGV17によって吸気量を調整することを考えるはずである。
上記のように、NOx濃度を増加させる要因の1つとして考えられることは、リッチ燃焼領域における燃空比が、量論比に近付くことである。この場合に対処するため、当業者であれば、組合せ発明2において、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、吸気量が少なくなるようにIGV17を制御するよう、ガスタービン監視装置100を構成することを考えるはずである。これは、本件発明1の「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」に相当する。したがって、組合せ発明2において、文献9、10に開示されているRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、「前記制御装置は、前記NOx濃度計で検知された前記排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記吸気量が少なくなるよう、前記吸気調節器の動作を制御する吸気制御器を有する」とすることは、当業者であれば容易に想到可能である。」
しかしながら、上記主張における「相違点8に関して、上記のように、当業者であれば、文献9、10に示されるRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、 燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。」との点、「文献2をベースにしたRQL燃焼方式を採用する上記の組み合わせ(以下、「組合せ発明2」という)では、燃焼器に供給される空気の量を調整する手段として、IGV17が存在する。したがって、組合せ発明2において、ガスタービン11の運転中にNOxセンサ43によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、IGV17によって吸気量を調整することを考えるはずである。」との点、及び、「この場合に対処するため、当業者であれば、組合せ発明2において、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、吸気量が少なくなるようにIGV17を制御するよう、ガスタービン監視装置100を構成することを考えるはずである。」との点について、それぞれ主張の根拠となる証拠が示されていない。
したがって、申立人の上記主張は、証拠に基づく主張であるとは認められず、採用することができない。
(4)本件発明3について
本件発明3は、本件発明1の全ての発明特定事項を含み、更なる限定を付加したものである。してみると、上記(3)アで説示したのと同様の理由により、本件発明3は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、上記(3)イで説示したのと同様の理由により、本件発明3は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)本件発明11について
ア 甲2を主引用文献とする場合
(ア)対比
本件発明11と甲2発明とを対比すると、後者の「ガスタービン装置」は前者の「ガスタービン」に相当し、以下同様に、
「燃焼制御器15」は「制御装置」に、
「大気が送りこまれ、圧縮された後、高圧空気となる」ことは「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる」ことに、
「圧縮機1」は「圧縮機」に、
「燃料が圧縮された空気と混合し、燃焼し高温ガスが発生する」ことは「前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる」ことに、
「燃焼器2」は「燃焼器」に、
「高温ガスが仕事を行う」ことは「前記燃焼ガスにより駆動可能」であることに、
「タービン6」は「タービン」に、
「ガスタービンプラント」は「ガスタービン設備」に、それぞれ相当する。
すると、両者は以下の点で一致する。
[一致点11-1]
「ガスタービンと、制御装置と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有する、
ガスタービン設備。」
そして、以下の点で相違する。
[相違点11-1]
前者は、「空気戻しラインと、戻し空気調節弁と、」「を備え」、
「前記空気戻しラインは、前記圧縮機から吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機内に戻せるよう構成され、
前記戻し空気調節弁は、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節できるよう構成され」るのに対し、
後者は、そのような特定がない点。
[相違点11-2]
前者は、「前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され」るのに対し、
後者は、そのような特定がない点。
[相違点11-3]
前者は、「前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計」「を備え」、「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」のに対し、
後者は、そのような特定がない点。
(イ)判断
事案に鑑み、相違点11-3から検討する。
上記(2)アに記載したように、甲2には、以下の甲2記載技術が記載されている。
(甲2記載技術)
「燃焼制御器15を備え、タービン排ガスセンサ12及びタービン排ガスセンサ12によってサンプリングされたサンプリングガスは排ガス分析器17により分析されNOx及びCO濃度がそれぞれ検出される技術。」
また、上記(2)サに記載したように、甲12には、以下の甲12記載技術が記載されている。
(甲12記載技術)
「ガスタービン1と、抽気配管12と、抽気弁22と、燃焼制御装置50と、を備え、
抽気弁22の弁開度61mや抽気量61iを選定できる技術。」
しかしながら、相違点11-3における「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」点は、甲2、甲12だけでなく、甲3~甲11にも記載も示唆もされておらず、周知技術であると認めるに足る証拠もない。
してみると、甲2発明において、甲3~12記載技術を参酌しても、本件発明11の相違点11-3に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到することができたものということはできない。
よって、相違点11-1、相違点11-2について検討するまでもなく、本件発明11は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人の主張について
申立人は、申立書(60、61ページ)において、相違点11-3に関連して以下のように主張する。
「相違点16に関して、上記のように、当業者であれば、文献9、10に示されるRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。
文献1をベースにした抽気配管12、抽気弁22およびRQL燃焼方式を採用する上記の組み合わせ(以下、「組合せ発明3」という)では、燃焼器に供給される空気の量を調整する手段として、抽気弁22が存在する。したがって、 組合せ発明3において、ガスタービンの運転中に排ガスセンサ12によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、抽気弁22によって空気の量を調整することを考えるはずである。
上記のように、NOx濃度を増加させる要因の1つとして考えられることは、リッチ燃焼領域における燃空比が、量論比に近付くことである。この場合に対処するため、 当業者であれば、組合せ発明3において、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、燃焼器に供給される空気の量を減らすように、すなわち、戻し空気の流量が多くなるように抽気弁22を制御するよう、燃焼制御器15を構成することを考えるはずである。これは、本件発明11の「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」に相当する。したがって、組合せ発明3において、文献9、10に開示されているRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」とすることは、当業者であれば容易に想到可能である。」
しかしながら、上記主張における「相違点16に関して、上記のように、当業者であれば、文献9、10に示されるRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。」との点、「したがって、 組合せ発明3において、ガスタービンの運転中に排ガスセンサ12によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、抽気弁22によって空気の量を調整することを考えるはずである。」との点、及び、「この場合に対処するため、 当業者であれば、組合せ発明3において、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、燃焼器に供給される空気の量を減らすように、すなわち、戻し空気の流量が多くなるように抽気弁22を制御するよう、燃焼制御器15を構成することを考えるはずである。」との点について、それぞれ主張の根拠となる証拠が示されていない。
したがって、申立人の上記主張は、証拠に基づく主張であるとは認められず、採用することができない。
イ 甲3を主引用文献とする場合
(ア)対比
本件発明11と甲3発明とを対比すると、後者の「ガスタービン11」は前者の「ガスタービン」に相当し、以下同様に、
「タービン14の回転駆動に使用された燃焼ガスの排気ガスのNOx濃度が検出される」ことは「前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知する」ことに、
「NOxセンサ43」は「NOx濃度計」に、
「外部空気が圧縮される」ことは「空気を圧縮して圧縮空気を生成できる」ことに、
「圧縮機12」は「圧縮機」に、
「圧縮空気と燃料ガスとを用いて燃焼動作を行い、高温高圧の燃焼ガスを発生する」ことは「前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる」ことに、
「燃焼器13」は「燃焼器」に、
「燃焼ガスによって回転駆動を行う」ことは「前記燃焼ガスにより駆動可能」であることに、
「タービン14」は「タービン」に、
「ガスタービンプラント」は「ガスタービン設備」に、それぞれ相当する。
すると、両者は以下の点で一致する。
[一致点11-2]
「ガスタービンと、前記ガスタービンから排気された燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度を検知するNOx濃度計と、を備え、
前記ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有する、
ガスタービン設備。」
そして、以下の点で相違する。
[相違点11-4]
前者は、「空気戻しラインと、戻し空気調節弁と、」「を備え」、
「前記空気戻しラインは、前記圧縮機から吐出された圧縮空気の一部を前記圧縮機内に戻せるよう構成され、
前記戻し空気調節弁は、前記空気戻しライン中を流れる前記圧縮空気である戻し空気の流量を調節できるよう構成され」るのに対し、
後者は、そのような特定がない点。
[相違点11-5]
前者は、「前記燃焼器は、前記燃料が燃焼し、且つ前記燃料の燃焼で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くことができる燃焼室を形成する燃焼室形成器と、前記燃焼室内に前記燃料としてのアンモニア及び前記圧縮空気の一部である主燃焼用空気を噴射可能な燃焼器本体と、を有し、
前記燃焼室形成器には、前記燃焼室形成器外から前記燃焼室内に前記圧縮空気の一部である希釈空気を導入可能な開口が形成され、
前記燃焼器は、前記燃焼室内に、空気に対する燃料の比である燃空比が理論燃空比より大きな燃空比中で前記燃焼器本体からの燃料を燃焼させるリッチ燃焼領域と、前記リッチ燃焼領域からのガスが前記開口からの前記希釈空気により希釈され、前記希釈空気により希釈された後の前記ガス中に含まれる燃料を前記燃空比が前記理論燃空比より小さな燃空比中で燃焼させるリーン燃焼領域と、が形成されるよう構成され」るのに対し、
後者は、そのような特定がない点。
[相違点11-6]
前者は、「制御装置」「を備え」、「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」のに対し、
後者は、そのような特定がない点。
(イ)判断
事案に鑑み、相違点11-6から検討する。
上記(2)アに記載したように、甲2には、以下の甲2記載技術が記載されている。
(甲2記載技術)
「燃焼制御器15を備え、タービン排ガスセンサ12及びタービン排ガスセンサ12によってサンプリングされたサンプリングガスは排ガス分析器17により分析されNOx及びCO濃度がそれぞれ検出される技術。」
また、上記(2)サに記載したように、甲12には、以下の甲12記載技術が記載されている。
(甲12記載技術)
「ガスタービン1と、抽気配管12と、抽気弁22と、燃焼制御装置50と、を備え、
抽気弁22の弁開度61mや抽気量61iを選定できる技術。」
しかしながら、相違点11-6における「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度が予め定められた値以上になると、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」点は、甲3、甲2、甲12だけでなく、甲4~甲11にも記載も示唆もされておらず、周知技術であると認めるに足る証拠もない。
してみると、甲3発明において、甲2、4~12記載技術を参酌しても、本件発明11の相違点11-6に係る発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到することができたものということはできない。
よって、相違点11-4、相違点11-5について検討するまでもなく、本件発明11は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)申立人の主張について
申立人は、申立書(64、65ページ)において、相違点11-6に関連して以下のように主張する。
「相違点20に関して、上記のように、当業者であれば、文献9、10に示されるRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。
文献2をベースにした抽気配管12、抽気弁22およびRQL燃焼方式を採用する上記の組み合わせ(以下、「組合せ発明4」という)では、燃焼器に供給される空気の量を調整する手段として、抽気弁22が存在する。したがって、組合せ発明4において、ガスタービンの運転中にNOxセンサ43によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、抽気弁22によって空気の量を調整することを考えるはずである。
上記のように、NOx濃度を増加させる要因の1つとして考えられることは、リッチ燃焼領域における燃空比が、量論比に近付くことである。この場合に対処するため、当業者であれば、組合せ発明4において、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、燃焼器に供給される空気の量を減らすように、すなわち、戻し空気の流量が多くなるように抽気弁22を制御するよう、ガスタービン監視装置100を構成することを考えるはずである。これは、本件発明11の「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」に相当する。したがって、組合せ発明4において、文献9、10に開示されているRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、「前記制御装置は、前記タービンから排気される燃焼ガスである排気ガス中のNOx濃度に応じて、前記戻し空気の流量が多くなるよう、前記戻し空気調節弁を制御する戻し空気制御器を有する」とすることは、当業者であれば容易に想到可能である。」
しかしながら、上記主張における「相違点20に関して、上記のように、当業者であれば、文献9、10に示されるRQL燃焼方式の基本原理を考慮して、ガスタービンの運転中にNOx濃度が増加した場合には、燃空比が量論比から離れるように、空気の量を調整することを考えるはずである。」との点、「したがって、組合せ発明4において、ガスタービンの運転中にNOxセンサ43によって測定されるNOx濃度が増加した場合には、当業者であれば、燃空比が量論比から離れるように、抽気弁22によって空気の量を調整することを考えるはずである。」との点、及び、「この場合に対処するため、当業者であれば、組合せ発明4において、リッチ燃焼領域における燃空比が量論比から離れるように、リッチ燃焼領域における燃空比を高めるべく、燃焼器に供給される空気の量を減らすように、すなわち、戻し空気の流量が多くなるように抽気弁22を制御するよう、ガスタービン監視装置100を構成することを考えるはずである。」との点について、それぞれ主張の根拠となる証拠が示されていない。
したがって、申立人の上記主張は、証拠に基づく主張であるとは認められず、採用することができない。
(6)本件発明17について
本件発明17は、実質的に、本件発明1のガスタービン設備の発明を、ガスタービンの制御方法の発明として表現したものである。してみると、上記(3)アで説示したのと同様の理由により、本件発明17は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、上記(3)イで説示したのと同様の理由により、本件発明17は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(7)本件発明19について
本件発明19は、本件発明17の全ての発明特定事項を含み、更なる限定を付加したものである。してみると、上記(6)で説示したのと同様の理由により、本件発明19は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、本件発明19は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(8)本件発明21について
本件発明21は、実質的に、本件発明11のガスタービン設備の発明を、ガスタービンの制御方法の発明として表現したものである。してみると、上記(5)アで説示したのと同様の理由により、本件発明21は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、上記(5)イで説示したのと同様の理由により、本件発明21は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 小括
以上より、本件発明1、3、11、17、19、21は、甲2発明、甲2~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、本件発明1、3、11、17、19、21は、甲3発明、甲2、4~12記載技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件発明1~24に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1~24に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-700914