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特許異議申立

2017-700316

道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物及び該組成物を用いた道路床板の補修・補強工法

審判番号
2017-700316
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-276567外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年03月29日
審決日
2017年08月03日
公報発行日
2017年09月29日
結論
維持
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.113-Y (C04B) / P1651.121-Y (C04B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6036262号発明「道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物及び該組成物を用いた道路床板の補修・補強工法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6036262号の請求項1~3に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 特許第6036262号の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成24年12月19日に出願したものであって、平成28年11月11日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対して、特許異議申立人笠井素子により特許異議の申立てがされたものである。 2 本件特許発明 特許第6036262号の請求項1~3の特許に係る発明(以下、「本件特許発明1~3」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものである。 3 申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として、特開2003-166333号公報(甲第1号証)、特開2010-18492号公報(甲第2号証)、特開2007-269608号公報(甲第3号証)、及び、道路橋床版防水システムガイドライン(案)、公益社団法人土木学会、2012年6月21日発行、第3~8頁、第103~121頁(甲第4号証)を提出し、以下の取消理由1~3によって、請求項1~3に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。 ・取消理由1 本件特許発明1~3は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 ・取消理由2 本件特許発明1~3は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3~4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 ・取消理由3 本件特許発明1~3は、甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 4 甲号証の記載 (1)甲第1号証(特開2003-166333号公報) 本件特許の出願前に頒布された甲第1号証には、「床版防水工法および該工法からなる複合構造体」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審が付した(以下同様)。 ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 床版、防水材、合材(アスファルト舗装材)からなる複合構造体の施工方法において、 前記床版の表面に水硬性アルミナ粉体及び/又は水硬性アウイン系鉱物粉末を硬化性ウレタン樹脂100重量部に対し10~500重量部含有させた硬化性ウレタンプライマーを100~1000(g/m2)塗付し、該硬化性ウレタンプライマーの半硬化時間(JIS K-5400)後、 スチレンブタジエン共重合体、イソブチレンイソプレン共重合体及びエチレン酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体を2~50質量%を含む石油アスファルトからなる接着剤を溶融して前記半硬化時間(JIS K-5400)後の硬化性ウレタンプライマーの表面に流し延べ、この表面に、 同時に、一方向にほぼ均一に整列した強化繊維を30~85容積%含む繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグをその繊維方向が互いに90度方向になるように2枚以上順次積層接着した心材の両面に、石油系アスファルト層を積層したシート状防水材を貼り合せ、 次いで該防水材シートの表面に合材を敷設し転圧することを特徴とする床版防 水工法。 ・・・ 【請求項3】 前記床版の表面に、(A)アウイン系セメント20~30重量%、4~6号硅砂69.5~78重量%及び保水剤0.5~3重量%からなる粉体を93~99重量部と、(B)SBRエマルション、アクリル樹脂エマルション及びエポキシ樹脂エマルションからなる群からから選ばれる樹脂分を1~7重量部及び水10~15重量部とを含有する速硬化性ポリマーセメントモルタルを300(g/m2)~20(kg/m2)塗付し、塗付後30~120分の後に請求項1又は2に記載の床版防水工法を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の床版防水工法。 ・・・」 イ 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シート状防水材を用いる床版防水工法及び該床版防水工法により得られる複合構造体に関する。さらに詳しくは吸水状態の床版への接着性及びひび割れ負荷耐性、並びに四季の温度変化及び薬品負荷耐性の改良された長期耐久性を有する複合構造体を形成せしめる床版防水工法並びに該床版防水工法により形成される自動車道路に関する。」 ウ 「【0005】 【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、優れた耐振動、耐伸縮性能を有し、気候変動に伴う温度変化、薬品負荷後であっても、床版から最上層の合材まで良好な接着力と防水機能を維持する新規な床版防水工法及び該床版防水工法により得られる床版防水用複合体を提供することを目的としている。」 エ 「【0023】・・・。アウイン系セメントは普通ポルトランドセメントより速硬化性であり・・・。 【0024】前記水硬性アルミナ及び/又は水硬性アウイン系セメントの硬化性ウレタン樹脂への添加量は硬化性ウレタン樹脂100重量部に対し10~500重量部、さらに好ましくは20~400重量部であることが望ましい。10重量部以上では吸水状態のコンクリート面への良好な接着性を維持でき好ましく500重量部以下とすることで、接着強化と、固化物の強度を維持し、また、作業性がより向上するので好ましい。」 オ 「【0029】本発明に用いられる速硬化性ポリマーセメントモルタルは、下地床版表面が著しい凹みが多い場合に用いられる。該速硬化性ポリマーセメントモルタルは、前記アウイン系セメントを含むセメント20~30重量%、4~6号硅砂69.5~78重量%および保水剤0.5~3重量%からなる粉体(これら3成分の合計100重量%)と、該セメントの水和に必要な水を含むSBRエマルション、アクリル樹脂エマルションおよびエポキシ樹脂エマルションからなる群から選ばれる樹脂とからなり、前記粉体が93~99重量部、前記樹脂分が1~7重量部、水が10~15重量部であるポリマーセメントモルタルである。」 カ 「【実施例3】・・・、アウイン系セメント、硅砂、保水剤からなる粉体100重量部に対し、SBRを10重量%含有するエマルジョンを14重量部加え、予め混合したポリマーセメントモルタル(チチブコンクリート社製)を直ちに打設した。・・・」 (2)甲第2号証(特開2010-18492号公報) 本件特許の出願前に頒布された甲第2号証には、「モルタル仕上げ構造体の施工方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 非平坦部を有する構造物の下地表面の少なくとも一部に、モルタル仕上げ構造体を設けるためのモルタル仕上げ構造体の施工方法であって、 非平坦部を含む下地表面の少なくとも一部に、水硬性組成物を用いて非平坦部を平坦化するように水硬性モルタル硬化体を設ける工程と、 水硬性モルタル硬化体を有する下地表面の少なくとも一部に、水硬性モルタル硬化体を覆うように防水用ポリマーセメント組成物を用いて塗膜防水層を設ける工程とを含む、モルタル仕上げ構造体の施工方法。 【請求項2】 水硬性組成物が、アルミナセメントを含む水硬性成分(a)と、樹脂成分と、無機粉末とを含み、細骨材及び流動化剤を含まない水硬性組成物であって、水硬性組成物と水とを混合・混練して調製した水硬性モルタルについて、JASS 15M-103に準拠したフロー試験で測定したフロー値が、55~90mmである、請求項1記載の施工方法。 【請求項3】 水硬性組成物の水硬性成分(a)が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる、請求項2記載の施工方法。 【請求項4】 水硬性組成物の樹脂成分が再乳化型樹脂粉末であり、再乳化型樹脂粉末の1次粒子の平均粒径が0.2~0.8μmであり、再乳化型樹脂粉末の1次粒子表面がポリビニルアルコールの水溶性保護コロイドで被覆されたアクリル共重合再乳化型樹脂粉末である、請求項2又は3記載の施工方法。 ・・・ 【請求項13】 塗膜防水層を設ける工程が、水硬性モルタル硬化体を有する下地表面の少なくとも一部に、水硬性モルタル硬化体を覆うようにプライマーを塗布し、乾燥させてプライマー層を設け、さらにプライマー層の表面に防水用ポリマーセメント組成物を用いて塗膜防水層を設けることを含む、請求項1~12のいずれか1項記載の施工方法。 ・・・」 イ 「【0001】 本発明は、非平坦部を有する各種建築物等の構造物の下地表面の非平坦部に対して補修を行い、さらに構造物に対して防水性を付与するための、モルタル仕上げ構造体の施工方法に関する。」 ウ 「【0019】 本明細書において「構造物」とは、建築物、道路、橋梁及びその他の、主に表面にコンクリートを有する人工物をいう。また、「構造物の下地表面」とは、構造物の屋上、地下、ベランダ、開放廊下及び外壁等の表面であって、本発明の施工方法によってモルタル仕上げ構造体を設ける部分をいう。また、「非平坦部」とは、構造物の下地表面の少なくとも一部に存在する平坦ではない部分、具体的には、下地ひび割れ、表面の欠損、窪み等のような凹状の部分、段差、凸状の突起等の部分などをいう。」 エ 「【0028】 また、本発明の施工方法では、図4に示すように、建築物等の構造物の壁面等の下地表面に水硬性組成物を用いて下地表面の凹部13のような非平坦部を平坦化するように水硬性モルタル硬化体を設けた後、プライマーを塗布し、乾燥させてプライマー層22を設けることができる。その後、所定の防水用ポリマーセメント組成物を塗布して乾燥させることにより塗膜防水層23を設ける。その結果、図5に示すようなモルタル仕上げ構造体を得ることができる。」 オ 「【0034】 水硬性組成物Aは、アルミナセメントを含む水硬性成分(a)と、樹脂成分とを含み、細骨材及び流動化剤を含まない水硬性組成物である。また、水硬性組成物Aは、水硬性成分(a)として、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分(a)を好適に用いることができる。・・・ 【0040】 本発明では、水硬性成分(a)として、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分(a)を用いることが好ましい。水硬性成分(a)は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計質量を100質量部とした場合に、好ましくはアルミナセメント20~80質量部、ポルトランドセメント5~70質量部及び石膏5~45質量部からなる組成、・・・を用いることにより、速硬性・速乾性を有し、低収縮性又は低膨張性で硬化中の体積変化が少なく、クラックの発生を抑制した硬化体が得られやすいために好ましい。」 カ 「【0055】 本発明で使用する再乳化型樹脂粉末を、水硬性成分(a)100質量部に対して、好ましくは1~20質量部、より好ましくは2~15質量部、さらに好ましくは3~12質量部、特に好ましくは5~8質量部の範囲で配合することによって、良好な作業性と高耐久な硬化体特性を併せ持つ水硬性組成物を得ることができる。」 キ 「【0141】 なお、本発明の施工方法に好適な防水用ポリマーセメント組成物は、特にコンクリート表面との親和性が高く、コンクリート表面にプライマー層を設けない場合にも良好な防水性と、下地ひび割れ追従性とを発揮することができるが、コンクリート表面にプライマー層を設けた場合には、コンクリート表面と塗膜防水層との接着強度をさらに高めることができ、より高耐久な塗膜防水層を形成できることから好適である。」 (3)甲第3号証(特開2007-269608号公報) 本件特許の出願前に頒布された甲第3号証には、「ポリマーセメントグラウト材組成物及びグラウト材」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポルトランドセメント、膨張材、骨材、再乳化形粉末樹脂及び収縮低減剤を含むポリマーセメントグラウト材組成物であって、該収縮低減剤は、板状の形状を有する平均粒子径5μm以下のケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム水和物またはそれらの仮焼物に担持されていることを特徴とする、ポリマーセメントグラウト材組成物。 ・・・」 イ 「【0001】 本発明は、ポリマーセメントグラウト材組成物及びグラウト材に関し、特に、中性化、塩害、アルカリ骨材反応、凍害などの劣化現象により劣化したコンクリート構造物の断面修復または増厚に用いるセメント系グラウト材で、鉄筋コンクリート構造物からなる橋脚の耐震補強や道路床版の下面増圧工法(当審注:下面増厚工法の誤記と認められる。)に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法に用いるポリマーセメントグラウト材組成物及びグラウト材に関する。」 ウ 「【0019】 本発明のポリマーセメントグラウト材組成物に用いるセメントとしては、現場の施工条件等を考慮して選定することができ、特に限定されず、例えば普通、早強、中庸熱及び超早強等の各種ポルトランドセメント、これらの各種ポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグなどを混合した高炉セメント等の各種混合セメント、速硬セメント等を、単独または2種以上混合して用いることができる。 2種以上を併用する場合には、混合割合は特に限定されず、適宜設定することができる。」 エ 「【0027】 また、本発明のポリマーセメントグラウト材に使用する再乳化形粉末樹脂としては、JIS A 6203に規定されたものを使用することができ、例えば、ポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル/アクリル酸エステル等の樹脂が挙げられ、これらの中から適宜、選択して単独、または混合して使用することができる。 特に、耐水性等の耐久性が要求される部材に用いる場合には、アクリル系の再乳化型粉末樹脂の使用が好ましい。」 オ 「【0029】 かかる再乳化形粉末樹脂の配合量としては、セメント100質量部に対して、5~30質量部配合されてなり、好適には、7~15質量部であることが望ましい。 これは、かかる配合比で、再乳化形粉末樹脂を混合することより、ポリマーセメントグラウト材として使用した際に、コンクリートに対して、良好な接着性を有するものとなるからである。 再乳化形粉末樹脂がセメントに対して5質量部未満では、コンクリートとの付着性能が十分に発揮できない場合があり、また、30質量部を超えると、ポリマーセメントグラウト材の流動性や強度が低下し、コンクリート構造物の断面修復または増厚材としての性能に支障が発生する恐れがあるからである。」 カ 「【実施例】 【0036】 本発明を以下の実施例及び比較例により具体的に説明する。 (使用材料) 普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製) カルシウムサルホアルミネート系膨張材(商品名「サクス」住友大阪セメント株式会社製) 再乳化型粉末樹脂(商品名「LDM7000P」ニチゴー・モビニール社製) 収縮低減剤(商品名「テスタF#100」住友大阪セメント株式会社製) 乾燥珪砂(珪砂3号と珪砂6号を1:1の割合で混合したもの) 高性能減水剤(商品名「マイティ100」株式会社花王製) 消泡剤(商品名「アデカネートB211F」旭電化工業株式会社製) 水(水道水) ・・・ 【0042】 (実施例1、比較例1~3) 上記原材料を用いて表2に示す配合割合に従って、V型混合機を使用して20分間混合し、プレミクスされた各ポリマーセメントグラウト組成物を調製した。 【0043】 【表2】 」 (4)甲第4号証(道路橋床版防水システムガイドライン(案)、公益社団法人土木学会、2012年6月21日発行、第3~8頁、第103~121頁) 本件特許の出願前に頒布された甲第4号証には、以下の事項が記載されている。 ア 「2.2 床版防水システムの構成 一般に床版防水システムは,コンクリート床版,プライマー層,床版と防水材との接着層,防水材,防水材と舗装との接着層,舗装および排水設備で構成される. 【解説】 床版防水システムの断面構成は,一般に<1>(当審注:<1>は○数字1を示す。以下同様。)コンクリート床版,<2>プライマー層,<3>床版と防水材との接着層,<4>防水材,<5>防水材と舗装との接着層,<6>舗装および<7>排水設備に区分され,このうち,床版防水層は<2>~<5>で構成される.材料の種類によっては,<2>と<3>が同一となるケースや,<4>と<5>が一体となったケースも存在する(図-解2.2.1参照). 」(第8頁) イ 「(3)下地処理 コンクリート床版面は,防水層に要求される接着性能を満たすように適切な処理を行う.また,供用後の耐久性確保のため,床版の不陸調整および脆弱部分は撤去し補修する. ・・・ 舗装撤去後のコンクリート床版面にはプライマーや旧防水層が部分的に残存している場合がある(図-解6.5.9).これを新しい防水層の接着性能を阻害しない程度まで下地処理により除去する必要がある.コンクリート床版面の下地処理についての留意点を示す. ・・・ <9>コンクリート床版の脆弱化した箇所は撤去して補修する必要がある.補修の一例として,脆弱部を撤去した後,はつり面にエポキシ系接着剤等を塗布し,超速硬コンクリートまたは超速硬セメントモルタル等により床版面まで仕上げる方法がある(図-解6.5.13,解-6.5.14). ・・・ <10>床版増厚のようにコンクリート系材料で補修する場合は,表面の皮膜養生材やコンクリート中の水分,さらに養生時間等について事前に十分検討を行う必要がある. <11>コンクリート床版面の補修を完全に終了した後,防水層の下地処理を行う.」(第116~117頁) 5 判断 (1)取消理由1について ア 甲第1号証に記載された発明 甲第1号証には、上記4(1)イ及びウによれば、道路床版から最上層の合材まで良好な接着力と防水機能を維持する床版防水工法に関する発明が記載されているといえる。そして、上記4(1)ア及びオによれば、甲第1号証には、床版の表面に、アウイン系セメント20~30重量%、4~6号硅砂69.5~78重量%及び保水剤0.5~3重量%からなる粉体(これら3成分の合計100重量%)を93~99重量部と、SBRエマルション、アクリル樹脂エマルション及びエポキシ樹脂エマルションからなる群から選ばれる樹脂分を1~7重量部及び水10~15重量部とを含有する速硬化性ポリマーセメントモルタルを塗付し、塗付後30~120分の後に、硬化性ウレタンプライマーを塗付し、該硬化性ウレタンプライマーの半硬化時間後、接着剤を流し延べ、同時に、シート状防水材を貼り合せ、次いで該防水材シートの表面に合材を敷設し転圧する床版防水工法が記載されているといえる。 これら記載を、本件特許の請求項1の記載ぶりに則して整理すると、甲第1号証には、「アウイン系セメント20~30重量%、4~6号硅砂69.5~78重量%及び保水剤0.5~3重量%からなる粉体(これら3成分の合計100重量%)を93~99重量部と、SBRエマルション、アクリル樹脂エマルション及びエポキシ樹脂エマルションからなる群からから選ばれる樹脂分を1~7重量部及び水10~15重量部とを含有する速硬化性ポリマーセメントモルタルであって、道路床版防水工法に用いられ、硬化性ウレタンプライマーを塗布する前に道路床版の表面に塗布する速硬化性ポリマーセメントモルタル。」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 イ 本件特許発明1の検討 本件特許発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「アウイン系セメント」は、上記4(1)エで摘示した「アウイン系セメントは普通ポルトランドセメントより速硬化性であ」ることを考慮すると、超速硬セメントといえるから、本件特許発明1の「超速硬セメント又はポルトランドセメント」である「セメント」に相当する。また、甲1発明の「SBRエマルション、アクリル樹脂エマルション及びエポキシ樹脂エマルションからなる群からから選ばれる樹脂分」は、本件特許発明1の「アクリル系ポリマー又はSBR系ポリマーである」「ポリマー」に相当する。さらに、甲1発明の「速硬化性ポリマーセメントモルタル」は、「道路床版防水工法に用いられ、硬化性ウレタンプライマーを塗布する前に道路床版の表面に塗布する」ことから、道路床版防水工法の下地材といえ、本件特許発明1の「道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物」に相当する。 したがって、本件特許発明1と甲1発明とは、「セメントは超速硬セメント又はポルトランドセメントで、ポリマーはアクリル系ポリマー又はSBR系ポリマーである道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物」の点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) 本件特許発明1は、「ポリマー/セメント質量比が1.2~4.0(wt%)」であるのに対して、甲1発明は、「アウイン系セメント20~30重量%、4~6号硅砂69.5~78重量%及び保水剤0.5~3重量%からなる粉体(これら3成分の合計100重量%)を93~99重量部」に対して、「樹脂分を1~7重量部」含有している点。 上記相違点1について検討する。 甲1発明の「アウイン系セメント20~30重量%、4~6号硅砂69.5~78重量%及び保水剤0.5~3重量%からなる粉体(これら3成分の合計100重量%)を93~99重量部」に対して、「樹脂分を1~7重量部」含有することを、ポリマー/セメント質量比、すなわち、樹脂分/アウイン系セメントの質量比に換算すると、その最大値は、樹脂分の最大値(7重量部)とアウイン系セメントの最小値(93重量部×20重量%/100重量%)より、37.6wt%となるし、その最小値は、樹脂分の最小値(1重量部)とアウイン系セメントの最大値(99重量部×30重量%/100重量%)より、3.4wt%となることから、甲1発明のポリマー/セメント質量比は、3.4~37.6(wt%)であるといえる。 しかしながら、甲第1号証の実施例3には、上記4(1)カで摘示したとおり、「アウイン系セメント、硅砂、保水剤からなる粉体100重量部に対し、SBRを10重量%含有するエマルジョンを14重量部加え、予め混合したポリマーセメントモルタル」が記載されているが、ポリマーセメントモルタル中のアウイン系セメントの含有量は明示されていないため、具体的なポリマー/セメント質量比は不明である。また、実施例3のアウイン系セメントの含有量が、甲1発明のとおり、粉体100重量%に対して20~30重量%含有していると仮定しても、実施例3のポリマー/セメント質量比は、4.7wt%((14重量部×10重量%/100重量%)/(100重量部×30重量%/100重量%)×100)~7.0wt%((14重量部×10重量%/100重量%)/(100重量部×20重量%/100重量%)×100)となり、本件特許発明1の1.2~4.0(wt%)の範囲から外れている。 そうしてみると、甲第1号証には、ポリマー/セメント質量比が1.2~4.0(wt%)であることを満足する具体的なアウイン系セメント含有量及び樹脂分含有量は記載されておらず、甲1発明のポリマー/セメント質量比3.4~37.6(wt%)の範囲において、その値を4.0(wt%)以下に限定することが記載されているといえないから、上記相違点1は、実質的な相違点といえる。 次に、当該数値範囲に限定することを、当業者が容易になし得るかについて検討すると、本件特許明細書の段落【0012】によれば、本件特許発明1は、ポリマー/セメント質量比を1.2~4.0(wt%)にすることで、防水プライマーの硬化不良が生じず、また、道路コンクリート母体と、ポリマーセメント組成物との付着性が良好であり、かつ該ポリマーセメント組成物と防水プライマーとの接着性も良好となり、強靭な強度を備えるとの顕著な効果を奏するものと認められ、このことは、本件特許明細書の実施例(段落【0029】~【0041】)の記載から推認できるものである。 これに対して、甲第1号証には、甲1発明の速硬化性ポリマーセメントモルタルにおける、アウイン系セメントや樹脂分の含有量を特定する理由は記載されていない。そして、ポリマーセメント組成物のポリマー/セメント質量比を特定することで、防水プライマーの硬化不良が生じず、また、防水プライマーや道路コンクリート母体との密着性が良好になるとの効果を奏することは、甲第3号証にも記載されていないし、さらに、本件特許の出願時の技術常識ともいえない。 そうしてみると、甲1発明のポリマー/セメント質量比3.4~37.6(wt%)との範囲を、1.2~4.0(wt%)の範囲に限定することは、甲第1号証及び甲第3号証の記載事項や技術常識を考慮しても、当業者が容易に想到し得ることであるとはいえない。 以上のとおり、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明であるといえず、また、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 なお、特許異議申立人は、本件特許発明1と甲1発明のポリマー/セメント質量比は3.4~4.0(wt%)で一致している旨を主張している(特許異議申立書第19頁第1行~第20頁第1行)が、上記で検討したとおり、両者のポリマー/セメント質量比の数値範囲は実質的に相違しているから、特許異議申立人の上記主張は妥当でない。 ウ 本件特許発明2及び3の検討 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1を引用し、上記相違点1を有するものであるから、上記イで検討したとおり、甲第1号証に記載された発明であるといえず、また、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 エ まとめ 以上のとおりであるから、特許異議申立人の主張する取消理由1には理由がない。 (2)取消理由2について ア 甲第2号証に記載された発明 甲第2号証には、上記4(2)イによれば、非平坦部を有する構造物の下地表面を補修し、さらに構造物に防水性を付与するためのモルタル構造体の施工方法に関する発明が記載されている。そして、上記4(2)アによれば、甲第2号証には、非平坦部を有する下地表面の少なくとも一部に、水硬性組成物を用いて非平坦部を平坦化するように水硬性モルタル硬化体を設け、水硬性モルタル硬化体を覆うようにプライマーを塗布し、乾燥させてプライマー層を設け、さらにプライマー層の表面に防水用ポリマーセメント組成物を用いて塗膜防水層を設けるモルタル構造体の施工方法が記載され、前記水硬性組成物が、アルミナセメントを含む水硬性成分と、アクリル共重合再乳化型樹脂粉末と、無機粉末とを含み、細骨材及び流動化剤を含まない水硬性組成物であることも記載されている。また、上記4(2)カによれば、甲第2号証には、再乳化型樹脂粉末を、水硬性成分100質量部に対して、1~20質量部の範囲で配合することが記載されている。 これら記載を、本件特許の請求項1の記載ぶりに則して整理すると、甲第2号証には、「アルミナセメントを含む水硬性成分と、アクリル共重合再乳化型樹脂粉末と、無機粉末とを含み、細骨材及び流動化剤を含まない水硬性組成物であって、前記再乳化型樹脂粉末を、前記水硬性成分100質量部に対して、1~20質量部の範囲で配合した、プライマーを塗布する前に、非平坦部を有する下地表面に塗布する、防水層施工方法に用いられる水硬性組成物。」の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 イ 本件特許発明1の検討 本件特許発明1と甲2発明を対比すると、甲2発明の「水硬性成分」は、本件特許発明1の「セメント」に相当する。また、甲2発明の「アクリル共重合再乳化型樹脂粉末」は、アクリル系ポリマーであるから、本件特許発明1の「アクリル系ポリマー又はSBR系ポリマーである」「ポリマー」に相当する。さらに、甲2発明の「水硬性組成物」は、プライマーを塗布する前に、非平坦部を有する下地表面に塗布するものであり、また、防水層施工方法に用いられることから、本件特許発明1の「防水工用下地ポリマーセメント組成物」に相当する。 したがって、本件特許発明1と甲2発明とは、「セメントと、アクリル系ポリマー又はSBR系ポリマーであるポリマーを含む防水工用下地ポリマーセメント組成物」の点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点2a) 本件特許発明1の「セメント」は、「超速硬セメント又はポルトランドセメント」であるのに対して、甲2発明は、「アルミナセメントを含むセメント」である点。 (相違点2b) 本件特許発明1は、「ポリマー/セメント質量比が1.2~4.0(wt%)」であるのに対して、甲2発明は、「前記再乳化型樹脂粉末を、前記水硬性成分100質量部に対して、1~20質量部の範囲で配合」している点。 (相違点2c) 本件特許発明1の「防水工用下地ポリマーセメント組成物」は、「道路床板の防水工用」であるのに対して、甲2発明は、その点が特定されていない点。 上記相違点2aについて検討すると、上記4(2)オによれば、甲第2号証には、アルミナセメントを含むセメントは、アルミナセメントを20~80質量部含むことで、速硬性・速乾性を有し、低収縮性又は低膨張性で硬化中の体積変化が少なく、クラックの発生を抑制した硬化体が得られやすいことが記載されているから、甲2発明のセメントは、アルミナセメントを必須とするものであると認められる。 そうしてみると、甲2発明において、アルミナセメントを含むセメントを、アルミナセメントを含まないセメントに置換することに阻害要因があるから、甲2発明のアルミナセメントを含むセメントを、アルミナセメントを含むことを想定しない超速硬セメント又はポルトランドセメントにすることは、当業者が容易に想到し得るものとはいえない。 したがって、相違点2b及び2cについて検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3~4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 なお、特許異議申立人は、甲第2号証には、「ポルトランドセメントからなる水硬性成分(請求項3)とアクリル共重合再乳化型樹脂粉末からなる樹脂成分(請求項4)を含む水硬性組成物」が記載されている旨を主張している(特許異議申立書第12頁第4~27行)が、甲第2号証の請求項3には、上記4(2)イのとおり、「アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる」「水硬性成分」が記載されており、「ポルトランドセメントからなる水硬性成分」は記載されていないから、特許異議申立人の上記主張は妥当でない。 ウ 本件特許発明2及び3の検討 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1を引用し、上記相違点2aを有するものであるから、上記イで検討したとおり、甲第2号証に記載された発明及び甲第3~4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 エ まとめ 以上のとおりであるから、特許異議申立人の主張する取消理由2には理由がない。 (3)取消理由3について ア 甲第3号証に記載された発明 甲第3号証には、上記4(3)イによれば、道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメントグラウト材組成物に関する発明が記載されている。そして、上記4(2)アによれば、甲第3号証には、ポルトランドセメント、膨張材、骨材、再乳化形粉末樹脂及び収縮低減剤を含むポリマーセメントグラウト材組成物が記載されている。また、上記4(3)カによれば、甲第3号証の実施例1には、普通ポルトランドセメント34質量部、再乳化型粉末樹脂(商品名「LDM7000P」ニチゴー・モビニール社製)1質量部を含むポリマーセメントグラウト材組成物が記載されている。 これら記載を、本件特許の請求項1の記載ぶりに則して整理すると、甲第3号証には、「普通ポルトランドセメント34質量部、再乳化型粉末樹脂(商品名「LDM7000P」ニチゴー・モビニール社製)1質量部を含む、道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメントグラウト材組成物。」の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されているといえる。 イ 本件特許発明1の検討 本件特許発明1と甲3発明とを対比すると、甲3発明の「普通ポルトランドセメント」は、本件特許発明1の「超速硬セメント又はポルトランドセメント」である「セメント」に相当する。また、甲3発明の「再乳化型粉末樹脂(商品名「LDM7000P」ニチゴー・モビニール社製)」は、本件特許明細書の段落【0029】の「アクリル系ポリマー1(P/C=1~3):商品名 モビニールLDM7000P、日本合成化学株式会社製、再乳化形粉末樹脂」との記載からみて、アクリル系ポリマーであるといえるから、本件特許発明1の「アクリル系ポリマー又はSBR系ポリマーである」「ポリマー」に相当する。さらに、甲3発明の「普通ポルトランドセメント34質量部、再乳化型粉末樹脂(商品名「LDM7000P」ニチゴー・モビニール社製)1質量部を含む」ことは、セメント34質量部に対して、ポリマー1質量部を含むことになり、ポリマー/セメント質量比が、2.94wt%(=1質量部/34質量部×100)となるから、本件特許発明1の「ポリマー/セメント質量比が1.2~4.0(wt%)」であることに相当する。 したがって、本件特許発明1と甲3発明とは、「ポリマー/セメント質量比が1.2~4.0(wt%)で、セメントは超速硬セメント又はポルトランドセメントで、ポリマーはアクリル系ポリマー又はSBR系ポリマーであるポリマーセメント組成物」の点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点3) 本件特許発明1の「ポリマーセメント組成物」は、「道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物」であるのに対して、甲3発明は、「道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメント組成物」である点。 上記相違点3について検討すると、上記4(4)ア及びイの甲第4号証の記載事項によれば、床版防水システムでの床版の補修において、床版の脆弱部分は撤去した後に、撤去部分を床版増厚で使用するコンクリート材料で補修し、その後に防水層の下地処理を行うこと、あるいは、撤去部分を超速硬セメントモルタルにより床版面まで補修し、これに防水層の下地処理を行うことは、周知技術といえる。 しかしながら、甲3発明は、「道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメント組成物」であって、床版防水システムでの床版の補修に適用できることは、記載も示唆もなされておらず、上記周知技術があったとしても、甲3発明の「道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメント組成物」を「道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物」として使用することが、当業者にとって容易に想到し得ることといえない。 しかも、本件特許発明1は、道路床板の防水工用下地に用いることで、防水プライマーの硬化不良が生じず、また、防水プライマーや道路コンクリート母体との密着性が良好になるとの効果を奏するところ、甲第3号証や甲第4号証の記載を見てもこれら作用効果を当業者が予測できるものではない。 したがって、本件特許発明1は、甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 なお、特許異議申立人は、甲3発明の「道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメント組成物」は、道路床版との密着性に優れていることを当業者が当然に理解することから、当該密着性が優れていることが、甲3発明の「ポリマーセメント組成物」を道路床板の防水工用下地ポリマーセメントに転用することの動機付けになる旨、あるいは、甲3発明の「道路床版の下面増厚工法に用いられるコンクリート構造物の補修・補強工法用ポリマーセメント組成物」は、床版増厚法で使用するコンクリートであること、または、速硬性セメントであることが、甲3発明の「ポリマーセメント組成物」を道路床板の防水工用下地ポリマーセメントに転用することの動機付けになる旨を主張している(特許異議申立書第26頁第19行~第27頁第8行)。 しかしながら、道路床板の防水工用下地ポリマーセメントに転用するにあたっては、道路床版との密着性のみでなく、防水工に使用される防水プライマーとの密着性も考慮する必要があるため、道路床版との密着性に優れていること、あるいは、床版増厚法で使用するコンクリートであること、または、速硬性セメントであることのみをもって、道路床板の防水工用下地ポリマーセメントに転用する動機付けがあるとはいえない。 よって、特許異議申立人の上記主張は妥当でない。 ウ 本件特許発明2及び3の検討 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1を引用し、上記相違点3を有するものであるから、上記イで検討したとおり、甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 エ まとめ 以上のとおりであるから、特許異議申立人の主張する取消理由3には理由がない。 6 むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700316

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