特許異議申立
2017-700210
遊技機
- 審判番号
- 2017-700210
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2011-273498外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年03月02日
- 審決日
- 2017年10月11日
- 公報発行日
- 2018年01月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許株式会社
- 【異議申立人代理人】平木 祐輔
- 【異議申立人代理人】渡辺 敏章
- 【異議申立人代理人】伊藤 匠
- 分類
- P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5988571号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5988571号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
特許第5988571号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
【目次】
第1 手続の経緯
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
2 訂正の適否
3 まとめ
第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
2 特許異議申立理由の概要
(1)特許異議申立書の理由の概要
(2)特許異議申立人の意見書の概要
3 取消理由の概要
4 甲各号証の記載
(1)甲第1号証
(2)甲第2号証
5 当審の判断
(1)取消理由について
ア 対比
イ 判断
(2)特許異議申立理由について
第4 むすび
第1 手続の経緯
本件特許第5988571号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成23年12月14日に特許出願(特願2011-273498号)したものであって、平成28年8月19日に特許の設定登録がされ、平成29年3月2日にその特許に対し、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、当審により平成29年4月24日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年6月26日付けで意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して、特許異議申立人より同年9月14日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
平成29年6月26日付け訂正請求書による本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「所定の遊技を行なう遊技機であって、」と記載されているのを、
「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、
「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、」を加える。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、
「導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、」を加える。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に、
「表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、」を加える。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項1に、
「遊技の結果に応じて遊技価値を付与する遊技価値付与手段」と記載されているのを、
「遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項1に、
「遊技を行なうことで成立する所定の条件が成立したことに基づき前記遊技価値とは異なる特典を付与する特典付与手段」と記載されているのを、
「遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出手段の消費電力が所定の値である第1モードと、当該第1モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい第2モードとに切替設定する電力設定手段」と記載されているのを、
「前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段」に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、」を加える。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項1に、
「所定の情報を報知する報知手段」と記載されているのを、
「前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段」に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、」と記載されているのを、
「前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、」に訂正する。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記報知手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには、前記第1モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知する、」と記載されているのを、
「前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、」に訂正する。
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項1に
「第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、」を加える。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、」を加える。
(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、」を加える。
(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、」を加える。
(16)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、」を加える。
(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、」を加える。
(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、」を加える。
(19)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、」を加える。
(20)訂正事項20
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記操作手順報知手段は、前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、」を加える。
(21)訂正事項21
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記電力モード設定手段は、前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、」を加える。
(22)訂正事項22
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手順が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する、」を加える。
(23)訂正事項23
願書に添付した明細書の段落【0006】に、
「 (1) 所定の遊技を行なう遊技機であって、
遊技の結果に応じて遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
遊技を行なうことで成立する所定の条件が成立したことに基づき前記遊技価値とは異なる特典を付与する特典付与手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
所定の演出を行なう演出手段と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である第1モードと、当該第1モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい第2モードとに切替設定する電力設定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
前記報知手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには、前記第1モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知する。
また、遊技機は、以下の構成を備えるものであってもよい。
所定の遊技を行なう遊技機(たとえば、スロットマシン1、パチンコ遊技機700)であって、
遊技の結果に応じて遊技価値(たとえば、スロットマシン1におけるメダル、パチンコ遊技機700における遊技球)を付与する遊技価値付与手段(スロットマシン1におけるメイン制御部41、パチンコ遊技機700における遊技制御用マイクロコンピュータ7560)と、
遊技を行なうことで成立する所定の条件が成立したことに基づき前記遊技価値とは異なる特典(たとえば、スロットマシン1におけるビッグボーナスに5回入賞または1000ゲーム実行する毎に付与されるコイン、AT制御中に行なわれるナビストック数に関する報知またはプレミア演出、また、パチンコ遊技機700における大当りが5回発生または演出表示装置709において図柄が変動する回数が1000回転に達する毎に付与されるコイン、時短制御中に行なわれる確変潜伏の報知)を付与する特典付与手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)と、
所定の演出(たとえば、スロットマシン1におけるAT制御中の押し順ナビ、パチンコ遊技機700における時短制御中の右打ちナビ)を行なう演出手段(たとえば、スロットマシン1におけるスピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、センターナビLED72L、72C、72R、液晶表示器51、パチンコ遊技機700におけるスピーカ727L、727R、右打ちナビLED740a、740b、740c、740d、740e、演出表示装置709)と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である第1モード(たとえば、通常モード)と、当該第1モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい第2モード(たとえば、小節電モード、中節電モード、大節電モード)とに切替設定する電力設定手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定する。」と記載されているのを、
「 (1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
所定の演出を行なう演出手段と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モ-ドに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、
第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、
前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、
前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、
前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、
前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、
前記操作手順報知手段は、
前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記電力モード設定手段は、
前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する。」に訂正する。
なお、訂正請求書の「7.請求の理由」の欄には、訂正事項23は、訂正前の段落【0006】の記載を
「(1) 各々が・・・制御する。
また、遊技機は、以下の構成を備えるものであってもよい。・・・高い有利度合いを設定する。」
という記載に訂正する旨の説明があるが、訂正請求書に添付された訂正明細書には、当該記載中の「また、」以下の記載が省かれており、訂正請求書の記載内容と、訂正請求書に添付された訂正明細書の記載内容とが矛盾したものとなっている。
ここで、「6.請求の趣旨」には、「特許第5988571号の明細書、特許請求の範囲を本請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求める。」とあることから、当審においては、訂正請求書に添付された訂正明細書の記載内容を優先して、訂正事項23についての訂正後の記載内容を上記のとおり認定した。
2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
上記訂正事項1は、上記訂正事項1による訂正前の「遊技機」を特定するために必要な事項である「所定の遊技を行なう」構成を、
「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能」である構成に訂正することで、上記訂正事項1による訂正前の「所定の遊技を行なう」構成をより具体的に限定し、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、上記訂正事項1は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0026】の「シール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号21)」、「リプa(たとえば、左リール2Lの領域番号20)」、「ベル(たとえば、左リール2Lの領域番号19)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領15域番号18)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号13)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号12)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号11)」、「リプb(たとえば、左リール2Lの領域番号10)」、「ブランク(たとえば、左リール2Lの領域番号7)」、「星7(たとえば、布リール2 Lの領域番号3)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄(ただし、図3では文字のみを表記し、絵柄は省略している)が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。」との記載、段落【0027】の「リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される」との記載、段落【0028】の「各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。」との記載、段落【0041】の「スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。」との記載、段落【0042】の「遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。」との記載、段落【0047】の「そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。」との記載、及び図1、3の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
上記訂正事項2は、「遊技機」が、「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項2は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2は、願書に添付した明細書の段落【0046】の「ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。」との記載、及び図1の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
上記訂正事項3は、「遊技機」が、「導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項3は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項3は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3は、願書に添付した明細書の段落【0157】の「内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せを入賞ラインL1に揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
上記訂正事項4は、「遊技機」が、「表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項4は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項4は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項4は、願書に添付した明細書の段落【0173】の「メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
上記訂正事項5は、訂正事項1に係る訂正により規定された「遊技価値」と、遊技価値付与手段が遊技の結果に応じて付与する遊技価値とが同じ遊技価値であることを明確にするための訂正であるから、訂正事項1により発明特定事項を加えることに伴い、整合をとるために表現を変更したものであるから、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項5は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項5は、願書に添付した明細書の段落【0041】の「スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。」との記載、段落【0042】の「遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。」との記載、段落【0047】の「そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
上記訂正事項6は、「特典付与手段」が、「遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する」構成を有することについて限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項6は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項6は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項6は、願書に添付した明細書の段落【0219】の「スロットマシン1および管理サーバ1200は、2次元コード読み取り機能およびインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介してデータのやり取りを行なうことが可能とされている。」との記載、段落【0235】の「遊技者は、携帯端末1100などを用いてインターネットから管理サーバ1200にアクセスすることにより、その仮想的なコインを用いてサイト内でアバターのアイテムを購入したり音楽や画像などのコンテンツデータを購入したりすることができるようになっている。」との記載、段落【0236】の「なお、このコインは、入賞の発生による遊技結果に応じて払い出されるメダルとは異なり、遊技者の遊技履歴に基づき遊技者に付与されるようになっている。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(7)訂正事項7
ア 訂正の目的について
上記訂正事項7は、「第1モード」を「通常モード」に、「第2モード」を「節電モード」に名称変更することで、モード間の関係性を明瞭にするものである。また、訂正事項7は、「電力設定手段」を「電力モード設定手段」に名称変更するとともに、「電力モード設定手段」が「通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する」ことを規定することで、「電力モード設定手段」の設定の対象が通常モードまたは節電モードであることを明瞭にするものである。
よって、上記訂正事項7は、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項7は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項7は、願書に添付した明細書の段落【0066】の「消費電力を抑えない通常モードと、消費電力を抑えた節電状態となる節電モードとのうちから何れかのモードを選択可能」との記載、段落【0343】の「SA15において、通常モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。」との記載、段落【0345】の「SA17において、選択された節電モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。」との記載、及び図26の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(8)訂正事項8
ア 訂正の目的について
上記訂正事項8は、「遊技機」が、「前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項8は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項8は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項8は、願書に添付した明細書の段落【0382】の「RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する」との記載及び図30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(9)訂正事項9
ア 訂正の目的について
上記訂正事項9は、上記訂正事項9による訂正前の「報知手段」を、訂正後において、「有利度合報知手段」にすることで、「有利度合」を報知するものに限定し、報知の対象となる所定の情報が、「前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報」である点を限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項9は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項9は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項9は、願書に添付した明細書の段落【0264】の「モード選択画面においては、「節電モード」の下方に「節電モードを選ぶとコイン大量GETチャンス!!」の文字画像が表示されている。」との記載、段落【0265】の「このように、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも、コインの付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなることを報知することによって、遊技者に対して節電することによるメリットを把握させることができる。」との記載、及び図19の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(10)訂正事項10
ア 訂正の目的について
上記訂正事項10は、訂正事項7により、「第1モード」を「通常モード」に、「第2モード」を「節電モード」に名称変更したことに伴い、整合をとるために表現を変更したものである。
よって、上記訂正事項10は、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項10は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項10は、上記訂正事項7と整合を取るためのものであるから、上記(7)のウで説明したとおり、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
したがって、上記訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項10は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(11)訂正事項11
ア 訂正の目的について
上記訂正事項11は、訂正事項7により、「第1モード」を「通常モード」に、「第2モード」を「節電モード」に、「電力設定手段」を「電力モード設定手段」に名称変更したこと、及び、訂正事項9により、「報知手段」を「有利度合報知手段」に名称変更したことに伴い、整合をとるために表現を変更したものである。
よって、上記訂正事項11は、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項11は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項11は、上記訂正事項7、9と整合を取るためのものであるから、上記(7)のウ及び上記(9)のウで説明したとおり、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
したがって、上記訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項11は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(12)訂正事項12
ア 訂正の目的について
上記訂正事項12は、「遊技機」が、「第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項12は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項12は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項12は、願書に添付した明細書の段落【0095】の「賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役」との記載及び段落【0096】の「本実施の形態におけるスロットマシンは、図7に示すように、メイン制御部41により、RT1(通常遊技状態)、RT0(高チャンスゾーン)、RT2(高RT)、RT3(低チャンスゾーン)、RT4(内部中RT)、ボーナス状態のうち、何れかに制御される。」、段落【0097】の「RT0とは、RT1よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT2とは、RT0のみから移行可能であり、RT0~4の遊技状態の中で最も再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。」との記載、及び図7の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項12は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(13)訂正事項13
ア 訂正の目的について
上記訂正事項13は、「遊技機」が、「前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項13は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項13は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項13は、願書に添付した明細書の段落【0339】の「演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、・・・遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理・・・が行なわれる。」との記載及び段落【0376】の「左ベルA~D、中ベルA~D、および右ベルA~Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項13は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(14)訂正事項14
ア 訂正の目的について
上記訂正事項14は、「遊技機」が有する構成として限定された「導出制御手段」が「前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項14は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項14は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項14は、願書に添付した明細書の段落【0205】の「左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、段落【0217】の「さらに、左ベルA~D、中ベルA~D、および右ベルA~Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1もしくはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1~8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、及び図11の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項14は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(15)訂正事項15
ア 訂正の目的について
上記訂正事項15は、「遊技機」が有する構成として限定された「遊技状態制御手段」が「前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項15は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項15は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項15は、願書に添付した明細書の段落【0137】の「RT2およびRT3の遊技状態ときに取りこぼし出目が導出されると、RT0への制御が作動される。」との記載、段落【0205】の「左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、段落【0217】の「さらに、左ベルA~D、中ベルA~D、および右ベルA~Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1もしくはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1~8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、及び図7、11の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項15は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(16)訂正事項16
ア 訂正の目的について
上記訂正事項16は、「遊技機」が有する構成として限定された「操作手順報知手段」が「前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項16は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項16は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項16は、願書に添付した明細書の段落【0101】の「また、本実施の形態におけるスロットマシン1は、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。本実施の形態においては、RT0およびRT2の遊技状態のみATへの制御が可能となっている。」との記載、段落【0376】の「左ベルA~D、中ベルA~D、および右ベルA~Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項16は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項16は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(17)訂正事項17
ア 訂正の目的について
上記訂正事項17は、「遊技機」が有する構成として限定された「演出制御手段」が「前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項17は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項17は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項17は、願書に添付した明細書の段落【0381】の「一方、サブ制御部91は、SA41において、AT制御中であると判定したときには、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づく消費電力に応じて、AT制御中においてナビ演出をする演出手段(スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72R)の演出を制御する。」との記載、段落【0382】の「このように、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なAT制御状態であることを条件に、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する。つまり、遊技者により通常モードから節電モードに電力設定を変更していた場合には、AT制御状態であることを条件に、通常モードから節電モードに切替設定する。」との記載、及び図30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項17は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項17は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(18)訂正事項18
ア 訂正の目的について
上記訂正事項18は、「節電モード」に関して、「小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ」ることを限定するものである。
よって、上記訂正事項18は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項18は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項18は、願書に添付した明細書の段落【0266】の「大節電モード、中節電モード、小節電モードの順に、演出手段の消費電力を小さくすることができ節電効果が大きくなっている。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項18は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項18は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(19)訂正事項19
ア 訂正の目的について
上記訂正事項19は、「演出手段」に関して「音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含」むことを限定するものである。
よって、上記訂正事項19は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項19は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項19は、願書に添付した明細書の段落【0033】の「また、前面扉1bの左端、上端、および右端には、それぞれ複数のLEDから構成される枠ナビLED71L、71C、71Rが設けられている。枠ナビLED71L、71C、71Rは、後述するAT制御中に点灯することによってナビ演出を実行する。具体的に、枠ナビLED71Lは、前面扉1bの左端において垂直方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによって3つのストップスイッチ8L、8C、8Rのうちのストップスイッチ8Lの押し順をナビするようになっている。枠ナビLED71Cは、前面扉1bの上端において水平方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによってストップスイッチ8Cの押し順をナビするようになっている。枠ナビLED71Rは、前面扉1bの上端において水平方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによってストップスイッチ8Rの押し順をナビするようになっている。」との記載、段落【0066】の「また、本実施の形態においては、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rなどの演出手段」との記載、段落【0069】の「演出制御基板90には、・・・演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rの駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94・・・など、が搭載されており」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項19は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項19は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(20)訂正事項20
ア 訂正の目的について
上記訂正事項20は、「遊技機」が有する構成として限定された「操作手順報知手段」が、「前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項20は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項20は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項20は、願書に添付した明細書の段落【0284】の「このように、通常モード中においては、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rによるナビ演出が実行されるようになっている。」との記載、段落【0285】の「通常モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、段落【0286】の「図23(a)に示すように、小節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、通常モード中に比べると、スピーカ53、54による音声出力が停止しており、スピーカ53、54における消費電力分が抑えられている。」との記載、段落【0289】の「小節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、段落【0295】の「図24(a)に示すように、中節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、小節電モード中に比べると、枠ナビLED71Lは、構成する複数のLEDのうち、一部(上半分)のLEDのみが点灯して残りの下半分のLEDは消灯している。」との記載、段落【0298】の「中節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、段落【0304】の「図25(a)に示すように、大節電モード中におけるAT制御中のスロットマシンにおいては、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、中節電モード中に比べると、枠ナビLED71Lが消灯しており、枠ナビLED71Lにおける消費電力分が抑えられている。」との記載、段落【0307】の「大節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、及び図23~25の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項20は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項20は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(21)訂正事項21
ア 訂正の目的について
上記訂正事項21は、「電力モード設定手段」に関して、「前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項21は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項21は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項21は、願書に添付した明細書の段落【0349】の「サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定変更処理を実行することにより、AT制御中におけるナビ演出においてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を間違えた場合にナビ演出を行なう演出手段の簡素化を軽減する。」との記載、段落【0353】の「サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役ではないと判定したときには、電力設定変更処理を終了する。一方、サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役であると判定したときには、SA35において、現在の電力設定は節電モード中か否かを判定する。」との記載、段落【0354】の「サブ制御部91は、SA35において、現在の電力設定は節電モード中であると判定したときには、SA36において、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更して電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。つまり、現在の節電モードが大節電モードに設定されていれば、中節電モードに設定変更する。また、現在の節電モードが中節電モードに設定されていれば、小節電モードに設定変更する。また、現在の節電モードが小節電モードに設定されていれば、通常モードに設定変更する。その後、サブ制御部91は、電力設定変更処理を終了する。」との記載、及び図28、30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項21は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項21は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(22)訂正事項22
ア 訂正の目的について
上記訂正事項22は、「遊技機」が有する構成として限定された「演出制御手段」が、「前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する」ことを限定するものである。
よって、上記訂正事項22は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項22は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項22は、願書に添付した明細書の段落【0339】の「演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態などに応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理、および各種演出手段による消費電力を設定するための消費電力設定処理が行なわれる。」との記載、段落【0349】の「サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定変更処理を実行することにより、AT制御中におけるナビ演出においてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を間違えた場合にナビ演出を行なう演出手段の簡素化を軽減する。」との記載、段落【0353】の「サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役であると判定したときには、SA35において、現在の電力設定は節電モード中か否かを判定する。」との記載、段落【0354】の「サブ制御部91は、SA35において、現在の電力設定は節電モード中であると判定したときには、SA36において、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更して電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。」との記載、段落【0379】の「サブ制御部91は、AT制御処理に含まれる電力設定反映処理を行なうことにより、AT制御中においてRAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する。」との記載、段落【0381】の「一方、サブ制御部91は、SA41において、AT制御中であると判定したときには、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づく消費電力に応じて、AT制御中においてナビ演出をする演出手段(スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72R)の演出を制御する。」との記載、及び図28、30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項22は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項22は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(23)訂正事項23
ア 訂正の目的について
上記訂正事項23は、上記訂正事項1~22に係る訂正により、願書に添付した明細書の段落【0006】の記載が【請求項1】の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項23は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項23は、願書に添付した明細書の段落【0006】の記載を、請求項1の記載と整合を取るためのものであるから、上記(1)~(22)のウで説明したとおり、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
したがって、上記訂正事項23は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項23は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(24)小括
訂正事項1~4、6、8~9、12~22は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5~6項の規定に適合するものである。
また、訂正事項5、7、10~11、23は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5~6項の規定に適合するものである。
3 まとめ
上記1、2において検討したとおりであるから、本件特許の請求項1についての訂正を認める。
第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
本件特許の訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1をA~Yに分説した。)。
(本件訂正発明)
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B 遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
C 表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
D 導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
E 表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
F 遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
G 遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段と、
H 前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
I 所定の演出を行なう演出手段と、
J 前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
K 前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
L 前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段とを備え、
M 前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モ一ドに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
N 前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、
O 第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、
P 前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、
Q 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、
R 前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、
S 前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、
T 前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、
U 前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
V 前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、
W1 前記操作手順報知手段は、
前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
W2 前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
W3 前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
W4 前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
X1 前記電力モード設定手段は、
前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、
X2 前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、
X3 前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、
Y 前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する、遊技機。」
2 特許異議申立理由の概要
(1)特許異議申立書の理由の概要
異議申立人により、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)に対して、証拠として甲第1~2号証を提示し、本件特許発明は、甲1発明に甲2号証に示された周知の技術事項を適用することにより当業者が容易になし得たものである旨の特許法第29条第2項に係る特許異議の申立てがなされた。
<証拠方法>
甲第1号証:特開2009-247543号公報
甲第2号証:特開2009-219616号公報
(2)特許異議申立人の意見書の概要
特許異議申立人は、平成29年9月14日付けの意見書において、証拠方法として甲第3~5号証を提出し、本件訂正発明について、以下のとおり主張している。
「訂正発明は、甲1号証及び甲第2号証に記載の事項に対して、甲第3号証と甲第4号証と甲第5号証に記載の事項を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。すなわち、訂正発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反している。
よって、訂正発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。」
<証拠方法>
甲第3号証:特開2011-167455号公報
甲第4号証:特開2010-35913号公報
甲第5号証:特開2011-234965号公報
3 取消理由の概要
特許異議申立人による、特許異議の申立書の提出を受け、当審により、平成29年4月24日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
本件特許発明は、甲1~甲2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
4 甲各号証の記載
(1)甲第1号証
甲第1号証(特開2009-247543号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【0039】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板144が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板144を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板144が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、遊技機100で消費した電力に関する情報を遊技者に表示する情報表示装置160、音声を出力するスピーカ145,145、LEDを備える枠装飾装置141、遊技機100の電力状態を切り替えるための切換ボタン146が設けられている。」
イ 「【0042】
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,・・・が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。」
ウ 「【0049】
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0050】
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特図記憶表示器にて表示されるようになっている。
【0051】
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム42a(図8などに図示)が実行されるようになっている。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して変動表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特図表示器9を備えずに、変動表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0052】
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、遊技に関する画像として飾り特図変動表示ゲーム42aの画像(数字や文字、記号などの識別情報)、演出のためのキャラクタや図柄、背景画像などを表示する変動表示装置41が配されるようになっている。この変動表示装置41は、例えば、液晶表示装置41a(図2に図示)を備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、変動表示装置41は、液晶表示装置を備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
・・・
【0054】
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置によって排出される(払い出される)ようになっている。」
エ 「【0064】
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0065】
また、普通変動入賞装置7に備えられた始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、この結果を始動記憶として記憶する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置40に出力する。そして、特図表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が変動表示ゲーム(補助ゲーム)を実行する補助ゲーム実行手段をなす。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、変動表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム42aを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置141や遊技盤1に設けられた装飾用の各種LED43を制御する処理、可動演出装置の可動モータ44を動作する処理を行う。」
オ 「【0068】
次に、以上のような構成を有する遊技機100での電力状態の制御に関する処理について説明する。本実施形態の遊技機100には、上述したように、遊技機100に設けられた遊技の制御のための装置や、遊技に関わる演出を行うための装置など電力を必要とする装置であって、例えば、スピーカ145,157や各種LED43、変動表示装置41や、これらを制御するための制御装置(遊技制御装置30、演出制御装置40)として複数の電気的装置が設けられている。そして、これらの電気的装置の電力状態として、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と、該通常電力状態よりも前記電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)と、の何れかのモード(電力状態)で制御し、遊技を行うことができるようになっている。さらに、情報表示装置160に消費した電力に関する情報を表示し、遊技者に見せることができるようになっている。
・・・
【0070】
次に、この情報表示装置160に電力に関する情報を表示するための処理について説明する。演出制御装置40では、モード(電力状態)を設定するための処理であるモード設定処理が行われるようになっている。図4に示すように、このモード設定処理では、まず、切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)を行う。この切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)では、切替SW146が操作されたかが判定される。この切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)において、切替SW146がオンでない場合(ステップS1;No)、すなわち切替SW146が操作されていない場合は、モード設定処理を終了する。また、切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)において、切替SW146がオンである場合(ステップS1;Yes)、すなわち切替SW146が操作された場合は、現在のモードが通常モードであるか否かの判定(ステップS2)を行う。
【0071】
現在のモードが通常モードであるか否かの判定(ステップS2)において通常モードである場合(ステップS2;Yes)は、省エネモードを設定する処理(ステップS3)を行う。この省エネモードを設定する処理(ステップS3)で省エネモードを設定することにより、後述するモード切替処理において省エネモードに対応した処理がなされるようになる。そして、省エネモードを設定する処理(ステップS3)を行った後、モード切替報知処理(ステップS5)を行って、モード設定処理を終了する。また、現在のモードが通常モードであるか否かの判定(ステップS2)において通常モードでない場合(ステップS2;No)、すなわち、現在のモードが省エネモードである場合は、通常モードを設定する処理(ステップS4)を行う。この通常モードを設定する処理(ステップS4)で通常モードを設定することにより、後述するモード切替処理において通常モードに対応した処理がなされるようになる。そして、通常モードを設定する処理(ステップS4)を行った後、モード切替報知処理(ステップS5)を行って、モード設定処理を終了する。すなわち、切替SW146が、遊技者が操作可能な切替操作手段をなし、演出制御装置40が切替操作手段の操作に基づき電力状態を切り替える第1切替手段をなす。」
カ 「【0081】
図7に示すように、省エネモード時処理では、まず、枠装飾装置141や遊技盤1に設けられた装飾用の各種LED43を消灯する処理(ステップS40)を行い、遊技の演出に対応した各種LED43の点灯を不能とする。その後、スピーカ145,157のボリュームを最小にする処理(ステップS41)を行い、変動表示コマンドがあるか否かの判定(ステップS42)を行う。すなわち、電気的装置をなす各種LED43、スピーカ145,157の状態を、消費電力を低減する状態とする。」
キ 「【0085】
また、リーチ状態とは、変動表示装置41の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
・・・
【0087】
ここで、特定のリーチ態様とは、例えば、複数種類のリーチ態様のうち、それが発生すると大当たりとなる可能性の高い(信頼度の高い)リーチ態様であって、いわゆるスーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアリーチと呼ばれるリーチである。」
ク 「【0092】
以上のことから、演出制御装置40が、遊技中の電力状態を、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と、該通常電力状態よりも電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)と、の何れかの電力状態で制御を行う電力制御手段をなす。
・・・
【0094】
なお、電気的装置としての各種LED43、スピーカ145,157の消費する電力を低減するようにしたが、その他の電気的装置である可動演出装置の可動モータ44、液晶表示装置41a、遊技制御装置30、演出制御装置40などの消費する電力も低減するようにしても良い。」
ケ 「【0122】
次に、上述した実施形態の遊技機の第二変形例について図15,16を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、省エネモード(省電力状態)において、消費電力の低減の対象とする電気的装置を選択可能とされている。
【0123】
本変形例の遊技機は、遊技者が操作可能な箇所に選択SW147を備えており、この選択SW147の操作に基づく信号が、図15に示すように、演出制御装置40に入力されるようになっている。選択SW147は、例えば、選択ボタンと決定ボタンとを備え、変動表示装置41に表示される選択画面を用いて遊技者の選択操作を可能とするものである。すなわち、選択SW147が、遊技者が操作可能な選択操作手段をなす。
【0124】
このような遊技機においては、図16に示すように、演出制御装置40において消費電力の低減の対象とする電気的装置を選択する省エネ対象選択処理を行うようになっている。この省エネ対象選択処理では、まず、選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)を行う。この選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)では、選択SW147が操作されたかが判定される。選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)において、選択SW147がオンでない場合(ステップS90)は、省エネ対象選択処理を終了する。また、選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)において、選択SW147がオンである場合(ステップS90;Yes)は、枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)を行う。
【0125】
枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)では、選択SW147の操作により、クリア部材保持枠140に設けられた枠装飾装置141のLEDである枠LED43aの消灯が選択されたかを判定する。枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)において、枠LED43aの消灯が選択された場合(ステップS91;Yes)は、枠LED43aを消灯する処理(ステップS92)を行い、盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)を行う。また、枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)において、枠LED43aの消灯が選択されていない場合(ステップS91;No)は、盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)を行う。
【0126】
盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)では、選択SW147の操作により、遊技盤1に設けられた装飾用のLEDである盤LED43bの消灯が選択されたかを判定する。盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)において、盤LED43bの消灯が選択された場合(ステップS93;Yes)は、盤LED43bを消灯する処理(ステップS94)を行い、スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)を行う。また、盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)において、盤LED43bの消灯が選択されていない場合(ステップS93;No)は、スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)を行う。
【0127】
スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)では、選択SW147の操作により、スピーカ音の低減が選択されたかを判定する。このスピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)において、スピーカ音の低減が選択された場合(ステップS95;Yes)は、スピーカ145,157のボリュームを最小にする処理(ステップS96)を行い、省エネ対象選択処理を終了する。また、スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)において、スピーカ音の低減が選択されていない場合(ステップS95;No)は、省エネ対象選択処理を終了する。
【0128】
以上のような処理により、遊技者の好みに応じた省エネモードを実現でき、遊技者が節電に協力しやすくすることができる。また、電力の節約とともに遊技者にとって必要のない(うるさい、目に刺激が強すぎる等)演出を控えるようにすることもでき、快適に遊技することができるようになる。すなわち、演出制御装置40が、省エネモードにおいて消費電力の低減の対象とする電気的装置を選択する選択手段をなす。」
コ 「【0133】
図18には、各電力状態でのリーチ選択確率を示した。このリーチ選択確率とは、変動表示ゲームがリーチ状態となる場合において、各リーチ態様(リーチパターン)が選択される確率である。なお、本変形例の遊技機では、演出内容などが異なるリーチ態様として、リーチA、リーチB、リーチC、リーチDの四種類が設定されている。
【0134】
通常モード時では、各リーチ態様が選択された場合の変動表示ゲームが大当たりとなる可能性(信頼度)は、リーチAが最も低く、リーチB、リーチC、リーチDの順に高くなるようになっている。よって、通常モード時では、信頼度の高いリーチCやリーチDが出現することで、遊技者の大当たりへの期待感が高められるようになっている。また、リーチAの選択確率は45%、リーチBの選択確率は35%、リーチCの選択確率は15%、リーチDの選択確率は5%とされている。すなわち、信頼度の高いリーチCやリーチDはなかなか出現しないリーチ態様となっている。
【0135】
これに対して、省エネモード時では、リーチAの選択確率が20%、リーチBの選択確率が20%、リーチCの選択確率が25%、リーチDの選択確率が35%となっている。すなわち、通常モードではなかなか出現しないリーチCやリーチDの選択確率が高められている。これにより、省エネモードとして節電に協力した遊技者に対して普段出現し難いリーチを見られるようにすることができ、興趣の高い遊技が行えるようにすることができるので、省電力状態で遊技することに対する動機付けとすることができる。
【0136】
以上のことから、電力状態に基づいて、複数種類のリーチ状態の選択確率を設定する確率設定手段(演出制御装置40)を備えたこととなる。」
サ 「【0160】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、スロットマシンなどの全ての遊技機に適用可能である。」
シ 上記ア~サの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。a~vは、本件訂正発明の分説(A~V)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。
「a 複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示する変動表示装置41を備え(段落【0051】)、
b 第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると特図変動表示ゲームを開始可能とし、識別情報を変動表示したのち、変動表示装置41の変動表示を停止して特図変動表示ゲームの結果を表示し、変動表示装置41の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態となる遊技機100(段落【0039】、【0049】~【0051】)であって、
d 特図変動表示ゲームの結果を表示するに先だって、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う遊技制御装置30(段落【0051】、【0064】~【0065】)と、
e 特図変動表示ゲームの結果を表示する処理を行う演出制御装置40と、を有し(段落【0051】、【0065】)、
f 遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能し、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放する1ラウンドを、所定ラウンド回数継続する制御を行い、特別変動入賞装置10等の入賞口に入賞すると、所定数の賞球を排出装置によって排出される(払い出される)特別遊技状態を発生させ(段落【0054】、【0066】)、
g 演出制御装置40は信頼度の高いリーチを変動表示装置41に表示させ(段落【0085】、【0087】)、
h 演出制御装置40は、複数種類のリーチ状態の中から信頼度の高いリーチDが選択されるリーチ選択確率を設定する確率設定手段であり(段落【0133】~【0136】)、
i 遊技に関わる演出を行うための電気的装置を有し(段落【0068】)、
j 演出制御装置40は、電気的装置の電力状態として、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と通常電力状態よりも前記電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)のいずれかにモードを設定する第1切替手段であり(段落【0068】、【0070】~【0071】)、
k 演出制御装置40は、遊技中の電力状態を、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と、該通常電力状態よりも電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)と、の何れかの電力状態で制御を行う電力制御手段であり(段落【0092】)、
m 演出制御装置40は、節電モードに設定されたときには通常モードに設定されたときよりも信頼度の高いリーチDの選択確率を高め(段落【0133】~【0136】)、
u 演出制御装置40により設定される省エネモードには、枠LED43a、盤LED43b、及びスピーカ145,157のうち全てを省エネモードにおいて消費電力の低減の対象とする省エネモードと、そのうち2つを消費電力の低減の対象とする省エネモードと、そのうち1つを消費電力の低減の対象とする省エネモードがあり(段落【0122】~【0128】)、
v 遊技に関わる演出を行うための電気的装置には、枠LED43a、盤LED43b、及びスピーカ145,157、液晶表示装置41aがある、遊技機100(段落【0068】、【0094】)」
(2)甲第2号証
甲第2号証(特開2009-219616号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【0122】
さらに、上述した3種類(通常モード、確変モード、時短モード)の遊技モードの他に、本実施形態における要旨といえる複数種類の損失補填モードが設けられている。これら複数種類の損失補填モードは、詳細は後述の損失補填制御処理(図13、図14参照)で説明するが、遊技者が選択手段である発射ハンドル26に設けたボタン決定ボタン27a,キャンセルボタン27b、回転キー27c(図3参照)において、所定の操作を行なうことで選択される。」
イ 「【0156】
ステップS62においては、メインCPU66は、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、液晶表示装置32にデモ表示(図19参照)を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。
【0157】
本実施形態におけるデモ表示では、例えば、図19(a)に示すように、表示領域32aにデモ表示画像101を表示するようにしており、デモ表示画像101の説明としては、図19(b)に示すように、発射ハンドルの画像、「決定ボタンとキャンセルボタンの同時押しにより損失補填モードが設定できます。」「損失補填モードを設定すると、(1)所定数の遊技球が賞球より徴収されます。(2)所定期間の可変表示ゲームを消化しても大当たり遊技に当選しなかった場合、所定数の遊技球が払い出されます。」が表示される。すなわち、初めて損失補填モードを利用するような遊技者がはやく理解できるようにデモ表示の説明を行うようにしている。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。」
(3)甲第3号証
甲第3号証(特開2011-167455号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【0325】
本実施例のサブCPU91aは、予め定められた達成条件が成立したことを条件にポイントを付与し、10ポイント獲得する毎にレベルを加算するようになっている。そしてレベルの値が一定値を超える毎に、実行される可能性のある演出の種類数を増加させるようになっている。詳しくは、レベル1~10の場合に用いる演出テーブル1、レベル11~20の場合に用いる演出テーブル2、レベル21以上の場合に用いる演出テーブル3を備えており、演出テーブル2には、演出テーブル1に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル3には、演出テーブル1、2に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1、2に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル1~3のうち現在のレベルに応じた演出テーブルを用いて演出パターンを選択することにより、レベルが10を超えた場合、20を超えた場合にそれぞれ演出パターンが増加することとなる。」
イ 「【0330】
ポイントが付与される達成条件としては、例えば、図29に示すように、特別役の当選可能性を示す連続演出が実行され、かつ特別役が当選した場合または外れた場合、ボーナス確定画面が表示された場合などが定められており、各達成条件の難易度、現在のレベル、ゲームを開始してからのゲーム数に応じて付与されるポイント数が定められ、達成条件が成立した時点の状況に応じたポイント数が付与されることとなる。
・・・
【0334】
また、同じ達成条件が成立した場合でも、0~499Gと、500~699Gと、700G以上と、で付与されるポイントが異なり、ゲーム数が多いほどより多くのポイントが付与されるようになっている。
【0335】
また、レベルの値が一定の値を超える毎に、付与されるポイントが少なくなり、付与されるポイントは少なくなる。詳しくは、レベル10が超えた場合、レベルが20を超えた場合に、それぞれ付与されるポイントが減少するようになっており、達成条件によっては、ポイントが付与されなくなる。このため、レベルが一定の値を超える毎に、さらなるレベルの上昇が困難となる。」
ウ 「【0366】
次に、本発明の管理装置の一例である管理サーバ1000について説明すると、管理サーバ1000は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末1001からアクセス可能とされており、遊技実績の管理、パスワードの発行や配信、特典の付与などを行う。
【0367】
管理サーバ1000は、遊技者の遊技実績を管理する遊技者データベース及び遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベースを備えている。
【0368】
遊技者データベースは、図33(a)に示すように、遊技者を識別可能な遊技者IDに対応して、現在のステータス(待機中、遊技中)、鍵データ(ステータスが遊技中の場合)、発行中の鍵データの発行日時、アクセス数(パスワードの発行回数)、ゲーム数、BB回数、RB回数、レベル、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)、演出設定1~5の設定内容が格納されている。
・・・
【0370】
特典データベースは、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データの格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値が格納されている。条件の種別としては、レベル、ミッションの達成率、ゲーム数、BB回数、RB回数などが設定可能であり、その種別に応じた条件値が設定可能とされている。」
エ 「【0420】
次に、特典を付与する際の管理サーバ1000の動作を、図35に基づいて説明する。
【0421】
携帯端末から特典要求がなされると、管理サーバ1000は、特典要求を行った遊技者の遊技者IDに基づいて遊技者データベースから当該遊技者の遊技実績を取得する。
【0422】
次いで、特典データベースの条件種別及び条件値と、遊技者データベースから取得した遊技実績と、に基づいて付与条件を満たす特典データを抽出し、特典リストを作成して特典要求を行った携帯端末1001に対して配信する。
【0423】
特典リストを取得した携帯端末1001にて特典リストから所望の特典を選択すると、選択した特典種別を示すデータが管理サーバ1000に対して送信され、これを受けて管理サーバ1000では、特典種別に該当する特典データの格納場所から抽出し、抽出した特典データを特典要求を行った携帯端末1001に対して配信し、これに基づいて特典要求を行った遊技者が特典データを取得することとなる。」
(4)甲第4号証
甲第4号証(特開2010-35913号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【0025】
特別図柄変動待ち状態であって、遊技球が発射されていない状態が30秒間継続すると、主制御基板100から演出画像制御基板300及び電飾音声制御基板400に客待ち状態にある時に、遊技者が演出スイッチ14を押圧すると、液晶表示器38には図4に示すように、モード選択画面38aが表示され、通常は通常モードに設定されたパチンコ遊技機1の消費電力モードを、選択スイッチ13の操作で遊技者の好みのモードに選択できるようになっている。選択スイッチ13の左側を押圧すると、選択していることを示す矩形枠38bの位置が1回押圧する毎に、「通常モード」から「一般エコモード」、「一般エコモード」から「達人エコモード」、「達人エコモード」から「通常モード」に移動し、選択したモードが矩形枠38bに囲まれている期間中に演出スイッチ14を押圧すると、選択したモードに切り換え設定される。なお、客待ち状態下での選択スイッチ13の押圧操作で開始される選択過程には制限時間が設けられており、所定時間内に次のステップへ進む操作が行われないときは、選択過程は中断され、開始前に設定されていた既定のモードが継続される。このため電源投入時には通常モードに設定されているため、電源投入されてから1回もモード選択が完結していなければ通常モードが継続される。」
イ 「【0027】
モード選択画面で、一般エコモード、或いは、達人エコモードを選択した場合の、内枠4及び遊技盤7に設けられた飾りLEDによる消費電力の変化について説明する。表2の一般エコモード切り換えによる消費電力の減少度合いは2段階あり、異なるデューティー比での電流制御によって省電力A設定と省電力B設定に区分される。省電力A設定されるのは、内枠4に設けられた飾りLEDと、遊技盤7に設けられた飾りLEDのうち、点灯時間が長い設定されているセンター左上飾りLED71とセンター右上飾りLED72とセンター中飾りLED73とセンターST飾りLED76とセンター左飾りLED77と普通電動役物飾りLED64であり、省電力A設定よりもさらに消費電力を抑えた省電力B設定されるのは、遊技者が着目する液晶表示器38の周囲から外れたセンター右飾りLED75と右袖飾りLED78と左袖飾りLED79が対象となる。そして、大当たりの信頼度報知をするセンター可動飾りLED74と、大入賞口37が開放された時に点灯する大入賞口飾りLED65は、常時点灯するものではなく、特定の遊技状態になった場合に点灯するものであるため、省電力効果も少ないので、通常設定どおりとする。そして、達人エコモードを選択した場合は、全ての飾りLEDが省電力Bに設定される。」
ウ 「【0032】
図6及び図7は、パチンコ遊技機1全体としてモード違いによる飾りLEDの発光レベルを比較した図であり、図6は表2に示した通常モード・一般エコモードA・達人エコモードAに対応した図であり、図7は表3に示した通常モード・一般エコモードB・達人エコモードBに対応した図となる。なお2種類の事例に対して、一般エコモード・達人エコモードにはそれぞれ「A」「B」を便宜上付してある。
・・・
【0034】
ここで、電飾音声制御基板400でのモード選択処理を図8を用いて説明する。まずは、所定時間、例えば30秒間、客待ち状態が継続しているか否かを判定し、遊技球が発射されていたり、図柄が変動していたりして遊技が行われていて客待ち状態にはないと判定されれば(S1がno)、或いは、客待ち状態にあっても(S1がyes)演出スイッチ14が押圧されなければ(S2がno)、モード選択を可能とする環境にはないとしてモード選択処理から抜ける。演出スイッチ14が押圧されると(S2がyes)液晶表示器38に図4に示したようにモード選択画面38aが表示され(S3)、選択スイッチ13が押圧されれば(S4がyes)選択スイッチ13の操作回数に応じて矩形枠38bが移動することで選択するモード候補の表示が行われる(S5)。そのモード候補表示が行われている状態で演出スイッチ14が押圧されれば(S6がyes)矩形枠38bに囲まれたモードを選択したとして設定される(S7)。但し、モード選択画面38aが表示(S3)されても、所定時間内に選択スイッチ13が押圧されなければ(S4がno)及び選択するモード候補が表示(S5)されても、所定時間内に確定の意志表示である演出スイッチ14が押圧されなければ(S6がno)であれば、電源投入後であれば通常モードに、それ以降にモード選択が行われていれば今回の選択操作開始時点で選択されていた既定のモードを継続することになる。
・・・
【0037】
遊技者が操作可能なスイッチを備えたパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機などの遊技機において好適である。」
(5)甲第5号証
甲第5号証(特開2011-234965号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【0100】
有利RTは、再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、準備モードおよび通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、不利RTは、所定回数(たとえば32)ゲーム消化するかあるいはボーナス当選するまで他の遊技状態に制御されずかつ有利RTに直接制御されることがない点において、通常遊技状態よりも遊技者にとって不利な状態といえる。」
イ 「【0135】
なお、リプGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+転落リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、および転落リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。リプGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、および制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
・・・
【0138】
遊技状態が有利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。」
ウ 「【0153】
以上より、準備モード、通常遊技状態、不利RT、有利RT、および内部中RT各々における、いずれかのリプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
準備モードであるときのリプレイ当選確率・・・・ 9000/65536
通常遊技状態であるときのリプレイ当選確率・・・ 9000/65536
不利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・ 9000/65536
有利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・41000/65536
内部中RTであるときのリプレイ当選確率・・・・38000/65536
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、有利RTおよび内部中RTであるときに、準備モード、不利RT、および通常遊技状態であるときよりも高くなるように設定されている。このため、有利RTおよび内部中RTは、準備モード、不利RT、および通常遊技状態であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。」
エ 「【0256】
[AT制御処理]
AT制御処理では、AT当選フラグが設定されているときに、通常遊技状態への制御が開始されることにより、演出状態をATに制御する。ATに制御されると、後述するように、後述するように、たとえば、ナビ対象役に当選したときにナビ演出が実行される。たとえば、ATに制御されると、昇格リプレイや転落リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるために、遊技者は意図的に有利度合いが高い図柄の組合せ(本実施の形態では昇格リプレイ)を停止させることが可能となる。よって、ナビ演出にしたがい停止操作することにより、通常遊技状態から有利RTに制御させることができるとともに、有利RTを維持することができる。
・・・
【0259】
有利RTにおいてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、ペナルティとしてAT当選フラグを消去してATを終了させて、その後AT抽選で当選するまでATに制御されない。なお、有利RTにおいてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、当該不利RTにおいてもATに制御してナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合、その後、不利RTから通常遊技状態を介して、再び有利RTに制御されることとなるが、本実施の形態においては、この不利RTおよび通常遊技状態における純増枚数については、純増枚数特定用情報に反映させてもよく、また、反映させないようにしてもよい。」
オ 「【0266】
ナビ演出実行処理では、AT中においてナビ対象役に当選したと判定されたときに、該当選したナビ対象役に対応するナビ演出が実行される。より具体的には、AT中においてナビ対象役を含む、リプGR1やリプGR2に当選したと判定されたときや、左押しブドウ1~右押しブドウ2に当選したと判定されたときに、遊技者にとって有利となる図柄組合せ(昇格リプレイ、ブドウ)を停止させるための操作手順を報知するナビ演出が実行可能となる。これにより、AT中であるときには、意図的に当選した昇格リプレイあるいはブドウを入賞させることができ、かつ転落リプレイ入賞を回避させることができる。」
5 当審の判断
(1)取消理由について
ア 対比
本件訂正発明と甲1発明とを対比する。
本件訂正発明と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「変動表示装置41」、「遊技機100」、「遊技制御装置30」、「演出制御装置40」、「確率設定手段」、「電気的装置」、「第1切替手段」及び「電力制御手段」は、それぞれ、本件訂正発明の「可変表示部」、「遊技機」、「事前決定手段」、「導出制御手段」、「有利度合設定手段」、「演出手段」、「電力モード設定手段」及び「演出制御手段」に相当する。
また、甲1発明の「所定数の賞球」、「遊技制御装置30」は、本件訂正発明の構成Fの「遊技価値」、「遊技価値付与手段」に相当する。
また、甲1発明の「枠LED43a、盤LED43b、及びスピーカ145,157のうち全てを省エネモードにおいて消費電力の低減の対象とする省エネモード」、「そのうち2つを消費電力の低減の対象とする省エネモード」及び「そのうち1つを消費電力の低減の対象とする省エネモード」は、それぞれ、本件訂正発明の構成Uの「大節電モード」、「中節電モード」及び「小節電モード」に相当する。
したがって、甲1発明の構成a、d~f、h~k、m、u、vは、それぞれ、本件訂正発明の構成A、D~F、H~K、M、U、Vに相当する。
甲1発明の構成bは、本件訂正発明の構成Bと、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機」で共通する。
また、甲1発明の構成gの「信頼度の高いリーチを変動表示装置41に表示させる」「演出制御装置40」は、本件訂正発明の構成Gと、「特典を付与する付与手段」で共通する。
よって、本件訂正発明と甲1発明とは、
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B’ 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
D 導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
E 表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
F 遊技の結果に応じて遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
G’特典を付与する特典付与手段と、
H 前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
I 所定の演出を行なう演出手段と、
J 前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
K 前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
M 前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モ一ドに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
U 前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
V 前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含む、遊技機。」
(構成A、B’、D~F、G’、H~K、M、U、Vを備える)の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
構成Bに関し、本件訂正発明は、「遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能と」するのに対して、甲1発明は、「第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると特図変動表示ゲームを開始可能と」する点。
[相違点2]
本件訂正発明は、「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段」(構成C)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Cを備えない点。
[相違点3]
構成Gに関し、本件訂正発明は、「遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段」であるのに対し、甲1発明の「特典付与手段」はそのような構成を有しない点。
[相違点4]
本件訂正発明は、「前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段」(構成L)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Lを備えない点。
[相違点5]
「前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知」する構成(構成N)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Nを備えない点。
[相違点6]
本件訂正発明は、「第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段」(構成O)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Oを備えない点。
[相違点7]
本件訂正発明は、構成Cを備えることに加えて、「前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段」(構成P)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Pを備えない点。
[相違点8]
本件訂正発明は、構成Cを備えることに加えて、「前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出」する構成(構成Q)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Qを備えない点。
[相違点9]
本件訂正発明は、構成C、O、P、Qを備えることに加えて、「前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御」する構成(構成R)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Rを備えない点。
[相違点10]
本件訂正発明は、構成C、Pを備えることに加えて、「前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知」する構成(構成S)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Sを備えない点。
[相違点11]
本件訂正発明は、構成C、Pを備えることに加えて、「前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御」する構成(構成T)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Tを備えない点。
[相違点12]
本件訂正発明は、構成C、Pを備えることに加えて、W1~W4を備えるのに対し、甲1発明は、構成W1~W4を備えない点。
[相違点13]
本件訂正発明は、構成C、P、Qを備えることに加えて、X1~X4、Yを備えるのに対し、甲1発明は、構成X1~X3を備えない点。
[相違点14]
本件訂正発明は、構成C、P、Qを備えることに加えて、Yを備えるのに対し、甲1発明は、構成Yを備えない点。
イ 判断
上記相違点について検討する。
事案の内容に鑑み、先ず相違点11、相違点13、及び相違点14について検討する。
(ア)相違点11について
平成29年9月14日付け意見書において、特許異議申立人は、本件訂正発明の構成Tについて次のように主張する。
<特許異議申立人の主張の概要>(第15頁第17~25行)
訂正発明の構成Tに対応する事項は、非報知状態において節電モードに設定されているときには、演出制御手段が、非報知状態から報知状態への移行を条件に、電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で演出手段を制御する構成となっている。つまり、操作手順の報知が行われない非報知状態から操作手順の報知を行う報知状態に移行して演出方法が変わったときでも、電力モードは変わらず、節電モードを維持することを規定している。この構成自体に特別な作用効果はなく、本件訂正発明の構成Tを規定することは、当業者であれば容易である。
<当審による判断>
本件訂正発明の構成Tの「前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御」する構成とすることは、甲第1ないし甲第5号証に記載も示唆もされていない。
そして、本件訂正発明は、上記相違点11に係る前記構成Tを備えることにより、演出手段による演出のための消費電力が大きくなりがちであるAT制御状態においての有効な節電となり、また、遊技者にとって有利であるAT制御状態において節電により演出手段の消費電力の抑制を行っても、遊技者が遊技を止める可能性が低く、スロットマシン1の稼働率が低下しにくくなる効果(本件特許明細書の段落【0017】、【0382】を参照。)を奏するものである。
したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。
よって、甲1発明に、甲第2ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、本件訂正発明の上記相違点11に係る構成に到達することはできない。
(イ)相違点13について
平成29年9月14日付け意見書において、特許異議申立人は、本件訂正発明の構成X1~X3について次のように主張する。
<特許異議申立人の主張の概要>(第11頁第12行~第15頁第16行)
新たに提示した甲第5号証(特開2011-234965号公報)には、AT中に報知されている押順と、違う押順を操作すると、遊技の内部状態が変わるという技術思想が開示されている(段落【0100】、【0138】、【0153】、【0256】、【0259】、【0266】及び図7)。
そして、甲第1号証(特開2009-247543号公報)の【0081】には、省エネモード時処理では、枠装飾装置や遊技盤に設けられた装飾用の各種LEDを消灯し、遊技の演出に対応した各種LEDの点灯を不能とし、その後、スピーカのボリュームを最小にして、各種LEDやスピーカ等の電気的装置の状態を、消費電力を低減する状態とすることが記載されている。甲第1号証では、省エネモードの種類は一つであるが、【0129】には、省エネモードを複数段にして、より遊技者の好みに応じた省エネモードを実現できるようにしてもよいことが記載されている。甲第1号証では、パチンコ遊技機の場合を例に説明されているが、【0160】には、スロットマシンなどの全ての遊技機に適用可能であることが記載されている。
したがって、甲第1号証に記載されている甲1発明に、甲第5号証に記載されている事項を組み合わせることによって、本件訂正発明の構成X1~X3、Yのように、報知されている操作手順とは異なる操作手順で操作されたときは節電モードの内容が変わり、その変わった節電モードに基づく消費電力で演出手段が制御される、という構成とすることは、当業者であれば容易である。
<当審による判断>
確かに、特許異議申立人の主張するように、甲第5号証(特開2011-234965号公報)には、AT中に報知されている押順と、違う押順を操作すると、遊技の内部状態が変わるという技術思想が開示され、甲第1号証(特開2009-247543号公報)には、省エネモードを複数段にして、より遊技者の好みに応じた省エネモードを実現できるようにしてもよいこと(段落【0129】)や、パチンコ遊技機の場合の例を、スロットマシンなどの全ての遊技機に適用可能である(段落【0160】)ことについて記載されている。
しかしながら、甲第1、5号証には、報知されている操作手順とは異なる操作手順で操作されたときに変化される内部状態を、節電モードの内容とすることについては記載も示唆もされておらず、甲1発明に、甲第5号証に記載されている事項を組み合わせることによっても報知されている操作手順と異なる操作手順で操作された場合に、節電モードの内容が変わる構成とすることは、当業者といえども容易に想到し得たものということはできない。
そして、本件訂正発明は、上記相違点13に係る前記構成X1~X3を備えることにより、遊技者が節電モード中に操作手順を誤った場合でも、消費電力を1段階低くするように電力設定を変更することにより操作手順の報知の簡素化を軽減するため、遊技者が連続してAT制御中における押し順を誤ってしまうことを防止することができるという効果(本件特許明細書の段落【0355】を参照。)を奏するものである。
また、甲第2~4号証においても、報知されている操作手順とは異なる操作手順で操作されたときに変化される内部状態を、節電モードの内容とすることについては記載も示唆もされていない。
したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。
よって、甲1発明に、甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、本件訂正発明の構成X1~X3に到達することはできない。
(ウ)相違点14について
<特許異議申立人の主張の概要>
平成29年9月14日付け意見書における、特許異議申立人の、本件訂正発明の構成Yに関する主張は、本件訂正発明の構成X1~X3に関する主張とまとめて同一箇所(第11頁第12行~第15頁第16行)においてなされている。
<当審による判断>
本件訂正発明の構成Yにおける「電力モード設定手段によって設定されたモード」は、本件訂正発明の構成X1~X3により設定されたものであり、本件訂正発明は、前記構成Yを備えることにより、構成X1~X3を備えることによる効果と同様の効果である、遊技者が節電モード中に操作手順を誤った場合でも、消費電力を1段階低くするように電力設定を変更することにより操作手順の報知の簡素化を軽減するため、遊技者が連続してAT制御中における押し順を誤ってしまうことを防止することができるという効果(本件特許明細書の段落【0355】を参照。)を奏するものである。
そして、上記(イ)で検討したように、甲1発明に、甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、本件訂正発明の構成X1~X3に到達することはできない以上、本件訂正発明の構成Yに到達することはできない。
(エ)まとめ
上記(ア)~(ウ)において検討したとおり、相違点11、13、14に係る本件訂正発明の構成は、甲1発明に、甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、当業者が容易になし得たものであるとはいうことはできない。
よって、相違点1~10、12について検討するまでもなく、本件特許発明は、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得たものであるとはいうことはできない。
(2)特許異議申立理由について
当審による平成29年4月24日付けの取消理由通知は、前記第3 2及び3で検討したように、特許異議申立の理由を包含するものであることから、特許異議申立理由は、「5 当審の判断(1)取消理由について」において検討済みである。
第4 むすび
以上のことから、取消理由通知に記載した取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
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2017-700210