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特許異議申立

2017-700059

模様付き焼き海苔製造方法と販売容器入り模様付き焼き海苔

審判番号
2017-700059
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-001666外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年01月23日
審決日
2017年11月14日
公報発行日
2018年03月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-ZC (A23L) / P1651.536-ZC (A23L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5957155号発明「模様付き焼き海苔製造方法と販売容器入り模様付き焼き海苔」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5957155号の請求項4に係る特許を取り消す。 特許第5957155号の請求項1、2、3、5及び6に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第5957155号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成28年6月24日にその特許権の設定登録がされ、平成29年1月23日付けで特許異議申立人若生佳彦より特許異議の申立てがされ、平成29年3月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内に特許権者より平成29年5月22日付けで意見書が提出されたものである。その後、平成29年7月19日付けで取消理由(決定の予告)を通知し、期間を指定して意見書の提出する機会を与えたが、特許権者から何らの応答はなかった。 第2 本件特許発明 特許第5957155号の請求項1ないし6に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 以下、本件特許に係る発明を請求項の番号に従って「本件特許発明1」などといい、これらを総称して「本件特許発明」、その明細書を、「本件特許明細書」という。 「【請求項1】 模様付き焼き海苔製造方法において、 生海苔を枠に流し込んで所定形状の成形海苔にする成形工程と、 前記成形海苔を乾燥させて乾海苔にする乾燥工程と、 前記乾海苔に炭酸ガスレーザビームを照射して模様を形成して模様付き乾海苔にする模様成形工程と、 前記模様付き乾海苔の全体を少なくとも前記模様をも含んで焼くことによって、前記炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分を低減又は消失させて模様付き焼き海苔にする焼き工程と、 前記模様付き焼き海苔を販売容器に包装する包装工程、 を備えたことを特徴とする模様付き焼き海苔製造方法。 【請求項2】 請求項1記載の模様付き焼き海苔製造方法において、 焼き工程が、炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分である、ピリジン、ピルビン酸メチル、アセチルフラン、メチルフルフラール及びフランカルボン酸メチルの一又は二以上の成分を低減又は消失させて模様付き焼き海苔にする焼き工程である、 ことを特徴とする模様付き焼き海苔製造方法。 【請求項3】 請求項1記載の模様付き焼き海苔製造方法において、 焼き工程が、炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分であるフルフラールを低減させて模様付き焼き海苔にする焼き工程である、 ことを特徴とする模様付き焼き海苔製造方法。 【請求項4】 模様を備えた販売容器入り模様付き焼き海苔において、 生海苔を乾燥させた所定形状の乾海苔が、炭酸ガスレーザビームの照射により形成された模様を備え、模様成形後に少なくとも前記模様をも含んで焼かれた模様付き焼き海苔が、販売容器に包装された、 ことを特徴とする販売容器入り模様付き焼き海苔。 【請求項5】 請求項4記載の販売容器入り模様付き焼き海苔において、 ピリジン、ピルビン酸メチル、アセチルフラン、メチルフルフラール及びフランカルボン酸メチルの一又は二以上が含まれない、 ことを特徴とする販売容器入り模様付き焼き海苔。 【請求項6】 請求項4記載の販売容器入り模様付き焼き海苔において、 フルフラールの値が、乾海苔を焼いて得られた焼き海苔に炭酸ガスレーザビームが照射されて模様が形成された模様付き焼き海苔に含まれるフルフラールの値の1/10以下である、 ことを特徴とする販売容器入り模様付き焼き海苔。」 第3 取消理由通知に記載した取消理由の概要 本件特許発明1ないし6は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 記 甲第1号証:登録実用新案第3165670号公報 甲第2号証:特開2009-142179号公報 甲第4号証:特開2008-245630号公報 甲第5号証:柘植圭介、外3名、「食品素材の高品質乾燥技術に関する研究 -ノリ焙焼時における成分変化の調査-」、平成20年度 佐賀県工業技術センター 研究報告書、pp.35-39 甲第6号証:伊藤汎、外1名、「加熱液糖の香り成分」、日本食品工業学会誌、1978年10月、第25巻、第10号、pp.549-555 第4 当審の判断 1 甲第1号証の記載 甲第1号証には、以下の記載がある。 ア)「【0017】 図1に示す本実施例の板状海苔1は、以下の工程により製造する。生海苔を洗浄して塩分や不純物を除去した該生海苔を抄製して薄い板状のものとする。それを30℃~70℃の熱風により水分含有量が10%以下程度になるまで乾燥する。その後、該板状海苔に文字及び/又は図形を表現する多数の小孔2を穿孔する。上記小孔2を形成後、140℃~250℃となる温度により焙焼して板状海苔の水分含有量を5%以下に抑え、且つ加熱・殺菌する。その後、適宜大きさに切断するものである。 【0018】 上記穿孔は、小孔打抜機又はレーザー光発生装置を用いて形成することができる。小孔打抜機としては日付・番号・マーク・社名・コード・記号・文章等(以下、文字・図形という)を読み込むことのできる穴文字を打抜ける打抜機を用いる。板状海苔1の水分含有量が10%以下程度となるまで乾燥できていれば、この時点で小孔2を穿孔することが可能となる。10枚から20枚であれば重ねて穿孔することも可能で、同時に同一の内容の小孔を形成することができる。文字・図形を複雑或いは小さく表現する場合は、図1に示すように、孔径として0.2mmφ~5.0mmφの小孔2を0.2mm~5.0mmの間隔をあけて多数個の文字・図形を表現する小孔2を設けるのが最適である。 【0019】 レーザー光はミクロン単位の孔径のものを穿孔することができるが、本実施例では0.2mmφ~5.0mmφの小孔を0.2mm~5.0mm間隔で穿孔する。レーザー光では板状海苔を水平状態で重ねることさえできれば何枚でも一度に穿孔することができる。上記小孔径の大きさやそれらの間隔は文字・図形が複雑な場合は他よりも小孔及び小間隔とすることにより1枚の板状海苔1において他の文字・図形と併存させることができる。」 イ)「【0021】 上記穿孔した後、板状海苔の表面温度を140℃~250℃の範囲で焙焼することになる。 【0022】 図1は、板状海苔1に広告・宣伝となる文字を小孔2により表現したもので、図1に示すように、平面状に使用しても良いし、米を包み込んで使用しても良い。 【0023】 図2に示すものは、板状海苔3をおにぎりや海苔巻きのように米を包み込む海苔として使用したもので、文字の内容は図2(a)ではおにぎりに使用している米の種類を小孔4により表現しており、図2(b)では海苔巻きに使用している具材を小孔4により表現している。」 ウ)上記ア)及びイ)の記載事項より、甲第1号証には、次の発明がそれぞれ記載されているといえる。 「生海苔を洗浄して塩分や不純物を除去した該生海苔を抄製して薄い板状のものとし、それを30℃~70℃の熱風により水分含有量が10%以下程度になるまで乾燥し、その後、該板状海苔に文字及び/又は図形を表現する多数の小孔をレーザー光で穿孔し、上記小孔を形成後、140℃~250℃となる温度により焙焼して板状海苔の水分含有量を5%以下に抑え、且つ加熱・殺菌する、板状海苔の製造方法。」 (以下「甲1発明1」という。) 「生海苔を抄製して薄い板状にしたものを乾燥した海苔に、レーザー光での穿孔により文字・図形を形成し、文字・図形の形成後に焙焼された海苔。」(以下「甲1発明2」という。) 2 本件特許発明1について 本件特許発明1と甲1発明1とを対比すると、両者は、少なくとも以下の点で相違する。 (相違点1) 本件特許発明1は、「焼き工程」について「前記模様付き乾海苔の全体を少なくとも前記模様をも含んで焼くことによって、前記炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分を低減又は消失させて模様付き焼き海苔にする焼き工程と特定されているのに対し、甲1発明1は、「焙焼」についてそのような特定がなされていない点(以下「相違点1」という。)。 (相違点1)についての検討 本件特許発明1は、上記相違点1に係る特定事項を備えることにより、「従来の模様付き焼き海苔で感じられたにおいを感じない模様付き焼き海苔を製造することができる。」(段落【0010】)という効果を奏するものである。 そして、甲第1号証ないし甲第6号証には、「模様付き焼き海苔にする焼き工程」で、「模様付き乾海苔の全体を少なくとも前記模様をも含んで焼くことによって、前記炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分を低減又は消失させ」ることについての記載はない。 また、本件特許発明1における「炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分」としては、「ピリジン、ピルビン酸メチル、アセチルフラン、メチルフルフラール及びフランカルボン酸メチル」が想定されている(段落【0008】)ところ、甲第5号証によれば、例えばピリジンは焙焼時間とともに増加することが認められる(図1C)。そうすると、模様付き乾海苔の全体を少なくとも前記模様をも含んで焼いたからといって、必ずしも炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分を低減又は消失させることにはならないと認められる。 よって、甲1発明1において、炭酸ガスレーザビームの照射によって生ずるにおい成分を低減又は消失させるような焼き工程を採用すること、すなわち、上記相違点1に係る本件特許発明1の特定事項を採用することは、甲第1号証ないし甲第6号証の記載事項を考慮しても当業者が容易に想到し得たとはいえない。 (まとめ) 本件特許発明1は、甲1発明1、甲第1号証ないし甲第6号証記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3 本件特許発明2及び3について 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1の発明特定事項をすべて含むものであり、本件特許発明1と同様の理由で、本件特許発明2及び3は、甲1発明1、甲第1号証ないし甲第6号証記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 4 本件特許発明4について 本件特許発明4に係る発明と甲1発明2とを、その有する機能に照らして対比すると、後者の「生海苔を抄製して薄い板状にしたものを乾燥した海苔」は、前者の「生海苔を乾燥させた所定形状の乾海苔」に相当する。 また、後者のレーザー光での穿孔により形成される「文字・図形」は、模様の一種であるといえるから、後者の「文字・図形の形成後に焙焼された海苔」は、前者の「模様付き焼き海苔」に相当し、また、後者の「レーザー光での穿孔により文字・図形を形成し、文字・図形の形成後に焙焼」することは、前者の「炭酸ガスレーザビームの照射により形成された模様を備え、模様成形後に少なくとも前記模様をも含んで焼」くことと「レーザビームの照射により形成された模様を備え、模様成形後に少なくとも前記模様をも含んで焼」くことの限りにおいて一致する。 してみると、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。 (一致点) 模様付き焼き海苔において、生海苔を乾燥させた所定形状の乾海苔がレーザビームの照射により形成された模様を備え、模様成形後に少なくとも前記模様をも含んで焼かれた模様付き焼き海苔。」 (相違点2) レーザビームについて、本件特許発明4に係る発明は、「炭酸ガスレーザビーム」を用いているのに対し、甲1発明2は、その種類が特定されていない点(以下「相違点2」という。)。 (相違点3) 本件特許発明4に係る発明は、「模様付き焼き海苔」が「販売容器に包装され」た「販売容器入り模様付き焼き海苔」であるのに対し、甲1発明2は、そのような特定がなされていない点(以下「相違点3」という。)。 (相違点2)についての検討 甲第4号証には、模様を形成するために、海苔に炭酸ガスレーザビームを照射することが記載されており(【0018】)、甲1発明2において、レーザー光の種類に格別な制約は認められないから、上記甲第4号証に示される炭酸ガスレーザを採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。 (相違点3)についての検討 甲第4号証には、模様付き板海苔を包装することが記載されており(【0017】)、また、海苔製品を包装容器に包装することは、通常行われることでもあるから、相違点3に係る本件特許発明4の構成は、当業者が容易に想到し得たものにすぎない。 (まとめ) したがって、本件特許発明4は、甲1発明2及び甲第4号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 5 本件特許発明5について 本件特許発明5と甲1発明2とを対比すると、両者は、少なくとも以下の点で相違する。 (相違点4) 本件特許発明5は、模様付き焼き海苔の成分として「ピリジン、ピルビン酸メチル、アセチルフラン、メチルフルフラール及びフランカルボン酸メチルの一又は二以上が含まれない」のに対して、甲1発明2の海苔は、そのような特定がなされていない点(以下「相違点4」という。)。 (相違点4)についての検討 本件特許発明5は、模様付き焼き海苔の成分を「ピリジン、ピルビン酸メチル、アセチルフラン、メチルフルフラール及びフランカルボン酸メチルの一又は二以上が含まれない」とすることにより、「従来の模様付き焼き海苔で感じられたにおいを感じない模様付き焼き海苔を製造することができる。」(段落【0010】)という効果を奏するものである。 そして、甲第1号証ないし甲第6号証には、模様付き焼き海苔の成分として、「ピリジン、ピルビン酸メチル、アセチルフラン、メチルフルフラール及びフランカルボン酸メチルの一又は二以上が含まれない」とすることについての記載はない。 なお、甲第5号証には、未焙焼ノリを焙焼することによる焙焼ノリ中の揮発成分の焙焼時間により変化を示したグラフ(図1C、図1D)が示され、焙焼開始から約10秒後までは焙焼ノリ中の揮発成分が減少していることが理解できるが、甲第5号証は、「ノリは焙焼により食欲をそそる香気を生成し,」(35頁右下欄第3行)及び「特に,2,5-dimethylthiophene,(中略)は、焙焼時間20秒後以後より急激に増加した.官能評価による香気成分の変化は,焙焼20秒後以降で強く認められ,(中略)このことから,焙焼20秒後に生成する揮発成分は,焙焼ノリにおける好ましい香気の生成に強く関わっている可能性が示唆された.」(36頁右下欄下から5行ないし38頁5行)とあるように、ノリに含まれる揮発成分を減らすことを目的としておらず、むしろ増加させることを意図したものであり、甲第1発明2に甲第5号証記載の事項を適用しても、相違点4に係る本件特許発明5に係る構成とすることはできない。 (まとめ) 本件特許発明5は、甲1発明2、甲第1号証ないし甲第6号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 6 本件特許発明6について 本件特許発明6と甲1発明2とを対比すると、両者は、少なくとも以下の点で相違する。 (相違点5) 本件特許発明6は、模様付き焼き海苔の成分に関し「フルフラールの値が、乾海苔を焼いて得られた焼き海苔に炭酸ガスレーザビームが照射されて模様が形成された模様付き焼き海苔に含まれるフルフラールの値の1/10以下である」と特定されているのに対して、甲1発明2は、そのような特定がなされていない点(以下「相違点5」という。)。 (相違点5)についての検討 本件特許発明6は、模様付き焼き海苔の成分を「フルフラールの値が、乾海苔を焼いて得られた焼き海苔に炭酸ガスレーザビームが照射されて模様が形成された模様付き焼き海苔に含まれるフルフラールの値の1/10以下」とすることにより、「従来の模様付き焼き海苔で感じられたにおいを感じない模様付き焼き海苔を製造することができる。」(段落【0010】)という効果を奏するものである。 そして、甲第1ないし6号証には、模様付き焼き海苔の成分が、「フルフラールの値が、乾海苔を焼いて得られた焼き海苔に炭酸ガスレーザビームが照射されて模様が形成された模様付き焼き海苔に含まれるフルフラールの値の1/10以下である」とすることについての記載はない。 なお、甲第5号証には、未焙焼ノリを焙焼することによる焙焼ノリ中の揮発成分であるフルフラールの焙焼時間により変化を示したグラフ(図1D)が示され、焙焼開始から約10秒後までは焙焼ノリ中のフルフラールが減少しているが、20秒以降は増加していることが理解でき、甲第5号証は、「ノリは焙焼により食欲をそそる香気を生成し,」(35頁右下欄第3行)及び「特に,2,5-dimethylthiophene,(中略)は、焙焼時間20秒後以後より急激に増加した.官能評価による香気成分の変化は,焙焼20秒後以降で強く認められ,(中略)このことから,焙焼20秒後に生成する揮発成分は,焙焼ノリにおける好ましい香気の生成に強く関わっている可能性が示唆された.」(36頁右下欄下から5行ないし38頁5行)とあるように、ノリに含まれる揮発成分を減らすことを目的としておらず、むしろ増加させることを意図したものであり、甲第1発明2に甲第5号証記載の事項を適用しても、相違点5に係る本件特許発明6に係る構成とすることはできない。 (まとめ) 本件特許発明6は、甲1発明2、甲第1号証ないし甲第6号証記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 7 小括 以上のとおり、本件特許発明1、2、3、5及び6は、甲1発明1又は甲1発明2及び甲第1号証ないし甲第6号証記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。また、本件特許発明4は、甲1発明2及び甲第4号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 8 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 特許異議申立人若生佳彦は、特許異議申立書において本件特許発明6における「『フルフラールの値の1/10以下』とする数値限定については、本件特許明細書を斟酌しても、『販売容器入り模様付き焼き海苔』のフルフラールの値を、『従来製品』のにおい成分である『フルフラールの値に対して1/10以下』とする根拠を見出すことができず、限定的な技術事項のみ開示されているにも関わらず広範な範囲が含まれているため、当業者にとって臨界的意義を解することができない。 したがって、本件特許発明6は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。」と主張しているが、本件特許明細書の段落【0014】ないし【0018】には、本件特許発明を実施するための工程が記載され、また、【表1】には、フルフラールが改善前の1から改善後には1/10以下の0.03となったことが示されているから、当該主張の理由により、本件特許発明6は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、本件特許発明4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、本件特許発明1、2、3、5及び6に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。さらに、他に本件特許発明1、2、3、5及び6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700059

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