特許訂正審判
2017-390146
遊技機
- 審判番号
- 2017-390146
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-141779外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年12月13日
- 審決日
- 2018年02月20日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京楽産業. 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 分類
- P141 .852-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6152454号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6152454号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6152454号(以下、「本件特許」という。)は、平成28年7月19日に特願2016-141779号として特許出願され、その後明細書、特許請求の範囲又は図面に対し補正がなされることはなく平成29年6月2日にその特許権の設定登録がなされ、同年12月13日に訂正審判の請求がなされ、その後平成30年1月4日付けの手続補正指令書に対し、同年1月11日に手続補正書(方式)の提出がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の明細書(以下、「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
と記載されているのを、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
に訂正する(下線部は訂正箇所を表す。以下も同様。)。
2 訂正事項2
本件特許明細書の段落【0007】に
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
と記載されているのを、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1には、
「前記変動演出実行手段は、
前記第1遊技状態において前記演出図柄を所定の表示態様で表示し、
前記第2遊技状態において前記演出図柄を前記所定の表示態様よりも装飾性が低い特定の表示態様で表示し、」
と記載されている(以下「記載A」という。下線は当審で付した。以下同じ。)。この記載によれば、
「第1遊技状態」において演出図柄が「所定の表示態様」で表示され、
「第2遊技状態」において演出図柄が「特定の表示態様」で表示される、
ということができる。
一方、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1には、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
とも記載されており(以下、「記載Bという」)、この記載によれば、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合」に、演出図柄を「所定の表示態様から特定の表示態様」に切り替えるのだから、
「第2遊技状態」において「所定の表示態様」で表示され、
「第1遊技状態」において「特定の表示態様」で表示される、
ものといえる。しかしながら、そうすると記載Bは記載Aと明らかに整合しない。
してみると、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
との記載(記載B)が、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
との記載の誤記であることは明らかであるといえる。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1は、本件特許の願書に最初に添付した明細書(以下、「本件当初明細書」という。)、特許請求の範囲(以下、「本件当初特許請求の範囲」という。)、又は図面(本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面を、以下「本件当初明細書等」という。)に基づいて導き出される構成である。
(ア)本件当初明細書等における本件当初特許請求の範囲の請求項1には、
「第1遊技状態と、該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とに制御することが可能な遊技状態制御手段と、」
と記載されている。
一方、本件当初明細書の【0007】には、
「本発明は、始動条件の成立(始動口への遊技球の入球)に基づき実行した図柄(特別図柄)の変動表示が予め定められた特別結果になると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技機において、第1遊技状態(通常遊技状態)と、該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(確変遊技状態、低確時短遊技状態)とに制御することが可能な遊技状態制御手段と、」
と記載されており、同【0158】には、
「本実施形態では、低確時短遊技状態と確変遊技状態とを総称して特定遊技状態と呼ぶ場合がある。」
と記載されている。
これらの記載から、本件当初明細書等においては、「第1遊技状態」には(通常遊技状態)が対応し、「第2遊技状態」には((低確時短遊技状態と確変遊技状態とを総称した)特定遊技状態)が対応して記載されているものといえる。
(イ)また、本件当初明細書の【1025】には、
「通常遊技状態では、4種類の演出モード(演出モードA0~A3)が設定されるようになっており、確変遊技状態では、1種類の演出モード(演出モードB1)が設定されるようになっており、低確時短遊技状態では、2種類の演出モード(演出モードB1~B2)が設定されるようになっている。」
と記載されており、当該記載と上記(ア)を合わせると、本件当初明細書には、
「第1遊技状態(通常遊技状態)では、(演出モードA0~A3)が設定され、
第2遊技状態(確変遊技状態、低確時短遊技状態)では、確変遊技状態なら、(演出モードB1)が設定され、低確時短遊技状態なら、(演出モードB1~B2)が設定される」
ことが記載されているといえる。
(ウ)また、本件当初明細書の【1039】の
「演出モードA1では、・・・所定の装飾性を有する第1表示態様で表示される」、
同【1040】の
「演出モードA2では、・・・第1表示態様とは異なる装飾性を有する第2表示態様で表示される」、
同【1041】の
「演出モードA3では、・・・第1及び第2表示態様とは異なる装飾性を有する第3表示態様で表示される」、
同【1042】の
「演出モードA0では、・・・第1表示態様で表示される」、
同【1050】の
「演出モードB1では、・・・第1~第3表示態様よりも装飾性(デザイン、色彩、大きさ等)が低い第4表示態様で表示され」、
同【1051】の
「演出モードB2では、・・・第4表示態様で表示される」
との記載と、本件当初特許請求の範囲の請求項1の、
「前記第1遊技状態において前記演出図柄を所定の表示態様で表示し、
前記第2遊技状態において前記演出図柄を前記所定の表示態様よりも装飾性が低い特定の表示態様で表示し、」
との記載と、上記(イ)から、本件当初明細書等においては、「所定の表示態様」に対して、「第1表示態様」「第2表示態様」または「第3表示態様」が対応し、「特定の表示態様」に、「第4表示態様」が対応して記載されているといえる。
(エ)ここで、本件当初明細書の【1173】には、
「まず、図120を用いて、特定遊技状態(演出モードB2)における最後の変動演出がハズレとなって、通常遊技状態(演出モードA0)に移行する場合の表示例を説明する。」
と記載され、同【1174】には、
「図120(a)に示すように、第2特別図柄の変動表示中において、画像表示装置14では、第4表示態様の演出図柄TZ1~TZ3及び第5表示態様の特殊演出図柄TZ4が変動表示されて変動演出(第2変動演出)が実行されており、特定遊技状態が終了するまでの残り回数が0(ラスト)であることを示すカウントダウン画像CDが表示される。」、
同【1177】には、
「図120(c)に示すように、画像表示装置14では、演出モードを移行させると共に、通常遊技状態で発生した大当り遊技(初当たり)から特定遊技状態が連続(継続)して発生している有利期間における遊技の結果を示す結果報知演出(所定演出)が実行され、演出用役物装置17の可動部17Aの動作が停止する。」、
同【1180】には、
「そして、結果報知演出が終了して演出モードの移行条件が成立すると、図120(d)に示すように、演出モードA0であることを示す演出モード画像MD、背景画像などの演出モードA0の演出画像が表示(視認が許容)され、第4表示態様から切り替わった第1表示態様の演出図柄「5」「3」「4」が停止表示されると共に、」
と記載されている。
そして、本件当初明細書等において「特定遊技状態」が「第2遊技状態」に対応し、「通常遊技状態」が「第1遊技状態」に対応することは上記(ア)のとおりであることから、上記【1173】、【1174】、【1177】、【1180】の記載と上記(ア)によれば、本件当初明細書等には、
「特定遊技状態(第2遊技状態)から通常遊技状態(第1遊技状態)に移行する場合は、画像表示装置14で結果報知演出(所定演出)を実行して、第4表示態様から第1表示態様に切り替え」ることが記載されているものということができる。
(オ)上記(ア)~(エ)を総合すると、本件当初明細書等には、
「特定遊技状態(第2遊技状態)から通常遊技状態(第1遊技状態)に移行する場合は、画像表示装置14で結果報知演出(所定演出)を実行して、第4表示態様(特定の表示態様)から第1表示態様(所定の遊技態様)に切り替え」ることが記載されているということができ、これは、訂正事項1による訂正後の本件特許請求の範囲の請求項1の
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
に対応するものである。
してみると、訂正事項1は、本件当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正といえるものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないので、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に対応させて、訂正前の本件特許明細書の段落【0007】に
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
と記載されているのを、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
に訂正するものである。
そして、上記1 「訂正事項1について」の「(1)訂正の目的について」にて示したとおり、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
との記載が、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
との記載の誤記であることは明らかなのだから、訂正前の本件特許明細書の段落【0007】の
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
との記載もまた、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
との記載の誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は、本件当初明細書等に基づいて導き出される構成である。
訂正事項2は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に対応させて、訂正前の本件特許明細書の段落【0007】に
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を所定の表示態様から特定の表示態様に切り替え」
と記載されているのを、
「前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行する場合は、前記表示手段で所定演出(移行演出)を実行して前記演出図柄を前記特定の表示態様から前記所定の表示態様に切り替え」
に訂正するものである。
そして、上記「訂正事項1について」の(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について」にて示したとおり、訂正事項1が、本件当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるのだから、訂正事項2もまた、本件当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
また、訂正事項2もまた、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないので、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見することはできない。したがって、訂正事項1、2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
したがって,本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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