特許拒絶査定不服審判
2017-017879
遊技機
- 審判番号
- 2017-017879
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-187154外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年12月01日
- 審決日
- 2018年08月21日
- 公報発行日
- 2018年11月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】特許業務法人上野特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-187154「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月 5日出願公開、特開2018- 50679〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成28年9月26日の出願であって、平成29年2月20日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月24日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月24日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年7月27日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月4日付けで、同年7月27日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年12月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年12月1日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年12月1日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
表示領域に演出用画像が表示される表示装置と、
前記演出用画像の連続性を保ちつつ、当該演出用画像の少なくとも一部の明度を段階的に変化させていく色調変化演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」
から、
「【請求項1】
表示領域に演出用画像が表示される表示装置と、
前記演出用画像の連続性を保ちつつ、当該演出用画像の少なくとも一部の明度が段階的に高くなるように、または低くなるように変化させていき、演出発生前の初期明度に対して最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ることが遊技者に有利な事象として設定された演出であって、当該演出用画像の少なくとも一部が段階的に変化している最中において当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される色調変化演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。
2 補正の適否について
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「色調変化演出」に関して、「明度が段階的に高くなるように、または低くなるように変化させていき、演出発生前の初期明度に対して最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ることが遊技者に有利な事象として設定された演出であって、当該演出用画像の少なくとも一部が段階的に変化している最中において当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件補正は、願書に最初に添付された明細書の【0025】、【0032】等の記載に基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)刊行物1
平成29年9月4日付けの補正の却下の決定において引用文献1として引用された特開2003-62261号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(1-a)「【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、遊技機に関するものである。特に、遊技者を楽しませる遊技演出に関するものである。
・・・
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上述した従来のパチンコ機は、所定の始動口にパチンコ球が入賞すると認識図柄が変動を開始する。このため、パチンコ球の入賞と認識図柄の変動との関係になんら遊技的な演出が施されておらず、遊技の面白さに欠けるものであった。
【0004】本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、遊技の面白さが高い遊技機を提供することを課題とする。」
(1-b)「【0021】遊技者がハンドル38を操作してパチンコ球を打ち出すと、パチンコ球はレール44に沿って遊技盤面12の上部に達し、遊技盤面12に打ち付けられている多数の釘と衝突して頻繁にその方向を変化させながら落下する。また、風車25はパチンコ球が当たると回転し、パチンコ球の方向を急変させる。第1種始動口30にパチンコ球が入賞したことを始動口センサ56が検知すると、5個の賞球(パチンコ球)が払い出されるとともに図柄表示装置22に横に並んで表示されている3つの特別図柄が変動した後に停止する(この3つの図柄が請求項に記載の認識図柄に相当する。なお、図柄表示装置には、特別図柄以外にも背景図柄等が表示されるが、これらについては後述にて詳細に説明する)。そして、変動後に停止した特別図柄が所定の組合せの場合には、パチンコ機10は大当たり遊技状態に移行する。」
(1-c)「【0027】表示制御部200は、メイン制御部100からのコマンドデータを受信し、このコマンドデータを処理して図柄表示装置22に表示される図柄を制御する。表示制御部200は、CPU202、ROM204、RAM206、通信制御回路208、表示制御回路210等から構成されており、これらはBUS212を介して接続されている。通信制御回路208は、メイン制御部100の通信制御回路112からのコマンドデータを受信し、これをBUS212を経由してCPU202に送信する。CPU202は、ROM204に格納されている表示制御プログラムに従って、メイン制御部100から送信されてきたコマンドデータを処理する。RAM206には、表示制御の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に保存される。表示制御回路210は、CPU202からBUS212を経由して送られてきたコマンドを処理して図柄信号として図柄表示装置22に出力し、図柄表示装置22に図柄を表示させる。」
(1-d)「【0033】図柄表示装置22に表示される図柄の変動態様について説明する。なお、ここでは本発明に係る図柄の変動態様について説明し、従来と変わらないものについてはこれを省略する。第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、通常であれば図柄表示装置に表示される3つの特別図柄の変動が直ちに開始されるが、本発明に係るパチンコ機10においては、低い確率でこの変動が待機される場合がある(例えば、第1種始動口30への入賞5000回中の1回のみ)。この変動態様について以下に説明する。第1種始動口30にパチンコ球が入賞していない状態では、図柄表示装置22には、図6に示されているように、その前に変動して停止された特別図柄(72、73、74)(「4・8・5」)が停止して表示されている。また、特別図柄(72、73、74)の背景図柄75は明るい青で表示されている。この背景図柄75の青は、遊技者に昼間をイメージさせる。
【0034】この状態で第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、図7に示されているように、特別図柄(72、73、74)が矢印(72a、73a、74a)程度の幅で上下にゆっくりと繰り返し変動することが開始される。なお、上述した第1種始動口30へのパチンコ球の入賞が請求項に記載の遊技者に認識可能な契機に相当する。この遊技者に認識可能な契機は、第1種始動口30へのパチンコ球の入賞以外にも、保留球ランプ28の消灯が相当する。第1種始動口30にパチンコ球が入賞してから10~15秒の間に、図7に示されているように、背景図柄75が徐々に暗いオレンジ色に変化する。背景図柄75のオレンジ色は、遊技者に夕方をイメージさせる。第1種始動口30に入賞してから15~20秒の間に、図8に示されているように、背景色75が黒色に変化するとともに三日月を模した三日月図柄77が表示され、遊技者に夜をイメージさせる。また、第1種始動口30に入賞してから15秒後に、遊技盤面12に5つ設けられている信頼度ランプ13の最上部の信頼度ランプ13aの点滅と、スピーカ26からの特定の効果音の発生が開始される。
【0035】第1種始動口30に入賞してから25秒後に、図9に示されているように、キャラクタ79が右から左に素早く横切る表示が行われ、その直後に、図10に示されているように、特別図柄(72、73、74)が変動される(図10に図示されている下向きの矢印は、特別図柄の変動を意味している)。この特別図柄(72、73、74)の変動は、上から下に図柄が流れるように表示されるスクロール変動、あるいは縦軸廻りに図柄が回転するように表示される回転変動が典型的である。特別図柄(72、73、74)の変動は5秒間継続され、その後に図11に示されているように停止される。停止された特別図柄(72、73、74)の組合せによって、遊技者は大当たりか否かを認識できる(図11は、大当たり特別図柄(「7・7・7」)で停止した場合を図示している)。
【0036】以上説明したような遊技演出が行われ、第1種始動口30にパチンコ球が入賞しても特別図柄(72、73、74)の変動が待機されると、この意外性に遊技者は興味を引き付けられる。そして、特別図柄(72、73、74)の変動が待機されている間に行われる、特別図柄(72、73、74)の上下変動の繰り返しや、背景図柄75の色の変化等の演出が遊技者を楽しませる。また、特別図柄(72、73、74)の変動の開始直前に出現するキャラクタ79によって、遊技者は待機状態が終了することを認識することができる。さらには、特別図柄(72、73、74)の変動が待機されている間に種々の演出が行われるので、第1種始動口30にパチンコ球が入賞して特別図柄(72、73、74)が直ちに変動しなくても、遊技機10の故障ではないことを遊技者に認識させることができる。」
(1-e)「【0039】(2)特別図柄の変動が待機された場合には、必ず大当たりになるように構成してもよい。このように構成すると、遊技者は特別図柄の変動の待機と大当たりを結びつけて認識し、特別図柄の変動が待機されると、大当たりとなることを確信しながら、待機状態で行われる種々の演出を楽しむことができる。」
上記(1-a)~(1-e)の記載事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。
「特別図柄や背景図柄75等が表示される図柄表示装置22と(段落【0021】、【0033】)、
第1種始動口30にパチンコ球が入賞していない状態では、図柄表示装置22には、その前に変動して停止された特別図柄が停止して表示され、背景図柄75は明るい青で表示されており(段落【0033】)、
第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、特別図柄の変動が待機されて、特別図柄が上下にゆっくりと繰り返し変動することが開始され、第1種始動口30にパチンコ球が入賞してから10~15秒の間に、背景図柄75が徐々に暗いオレンジ色に変化し、第1種始動口30に入賞してから15~20秒の間に、背景図柄75が黒色に変化するとともに三日月を模した三日月図柄77が表示され(段落【0034】、【0036】)、
第1種始動口30に入賞してから25秒後に、キャラクタ79が右から左に素早く横切る表示が行われ、その直後に、特別図柄が変動され、その後に停止されるように制御する表示制御部200とを備え(段落【0035】、【0027】)、
特別図柄の変動が待機された場合には、必ず大当たりになるように構成された遊技機(段落【0039】、【0001】)。」
(2)刊行物2
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2004-57557号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(2-a)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機に関する。
・・・
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパチンコ機においては、次のような問題がある。
従来のパチンコ機では、図柄の変動中に様々な表示演出が行われるようになっているが、この表示演出によっては遊技者が注目している表示情報がわかり難くなってしまうことがあった。より詳しくは、遊技者が注目している表示情報の一例としては図柄があるが、例えば色を変える表示演出によってはこの図柄がわかり難くなってしまい、遊技の興趣を低下させてしまう恐れがあるという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技の興趣を飛躍的に向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。」
(2-b)「【0036】
図2に示すように、遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の普通入賞口5が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)6が設けられている。このLCD6の表示画面6a(図11~図14参照)は、例えば、縦方向に3分割されており、つまり、左列,中列,右列の3列で構成されており、3分割された各列の表示領域において、それぞれ上から下へ垂直方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。」
(2-c)「【0052】
ROM24は、パチンコ機Pに電源が投入された際にCPU23によって最初に実行される制御プログラムや、制御基盤11から送られてくるコマンドの種類に応じた表示を行うための複数種類の表示プログラムなどを記憶する。さらに、本実施例においてROM24は、各オブジェクトに各テクスチャをそれぞれ貼り付けて、貼り付けられた各オブジェクトから画像(絵柄画像や背景画像)を構成する、あるいは後述する画像の明度を制御するなどといった一連の処理プログラムなどを記憶しており、後述する複数種類のマスクパターン(図15参照)を記憶したマスクパターンメモリ24aを備えている。そして、上述した一連の処理プログラムを、3次元画像処理部30が実行する。ROM24内のマスクパターンメモリ24aは、本発明におけるマスクパターン記憶手段に相当する。」
(2-d)「【0085】
次に、本実施例に係るパチンコ機Pで実際に表示される表示態様について、図12に示すフローチャートおよび図13,図14に示す表示態様を参照して説明するとともに、上述したステップT6における処理について、図15および図16を参照して説明する。
・・・
【0087】
本実施例では、フラッシュがたかれて、フラッシュ後に画面の色が元に復元される表示態様を実現させており、この一連の表示態様が、図13(a)~図13(c),図14(a)~図14(c)の順に表示される。また、本明細書中では、図13(a)に示すフラッシュがたかれる前の状態、および図14(c)に示すフラッシュ後に画面の色が元に復元された状態を『第3状態』と定義づけるとともに、図13(b)に示すフラッシュがたかれた瞬間の状態を『第1状態』と定義づけ、図13(c)に示す状態を『第2状態』と定義づける。
【0088】
また、牌に関する各識別図柄の色は全体的に白っぽい、すなわち明度が明るい色とそれぞれなっており、それら識別図柄の周りにある夜景の様子を示した背景画像の色は全体的に黒っぽい、すなわち明度が暗い色となっている。本明細書中では、牌に関する識別図柄が位置する領域を『第1領域』と定義づけ、それ以外の背景画像の領域を『第2領域』と定義づける。また、牌に関する識別図柄には、例えば『一萬』,『ニ萬』,…,『九萬』,『發』等の牌に関する模様が付されているが、説明の便宜上、これらの牌に関する模様について図示を省略する。また、各領域の明度については線画で表し、線画の多い領域ほど明度が暗い領域とする。
【0089】
ステップU1では、図13(a)に示すフラッシュがたかれる前の状態である第3状態から、図13(b)に示すフラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態へ移行すると、第1状態では、図13(b)に示すように、識別図柄や補助図柄などの絵柄画像、および背景画像を含んだ画像全体が、すなわち表示画面6a全体が真っ白な状態となる。つまり、本実施例では第1状態における画像の明度は明るい。
【0090】
ステップU2では、図13(b)に示すフラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態から、図13(c)に示す状態である第2状態になるように第1領域61および第2領域62の明度を順方向に変える。本実施例では、画像の明度が暗くなるように明度を順方向に変える場合であって、順方向は明度が暗くなる方向となる。このステップU2は、本発明における第1処理の機能に相当する。画像の明度が第1状態よりも暗くなるように、明度を変える処理については図15,図16で詳細に説明する。
【0091】
ステップU3では、図13(c)に示す状態である第2状態からは、第1領域61においては第2状態と同じ明度を保ちつつ、第2領域62においては、画像の明度が第2状態よりも暗くなるように、図14(a)~図14(c)に示すように、さらに色を順方向に変える。つまり、第1領域61に位置する牌に関する各識別図柄については、第2状態から第3状態へ復元するまでは同じ明度を保ち、第2領域62の背景画像については、第2状態から第3状態へ移行するまでに第3状態の色に復元するまで、なおも明度を順方向に変えることになる。
【0092】
図13(c)に示す状態である第2状態から、図14(a),図14(b)を経て、図14(c)に示すフラッシュ後に画面の色が元に復元された状態である第3状態へ移行するに従って、第1領域61と第2領域62との間に明度差が生じ、その差が段階を追う毎に大きくなる。そして、最終的に第3状態では第1領域61と第2領域62との間に生じる明度差によって、互いに隣接する第1領域61と第2領域62との間の境界付近には、ハレーションが生じる。このステップU3は、本発明における第2処理の機能に相当する。
【0093】
明度を次第に変える処理およびステップT6の処理について、図15,図16を参照して説明すると、図15に示すマスクパターンM1~M9がマスクパターンメモリ24a(図3,図4参照)に記憶されている。マスクパターンM1~M9の符号70(図中の斜線の部分)の示す部分は、図16に示すテクスチャTの画像が残る部分、すなわち表示画面6aに表示される部分であり、符号71(図中の白色の部分)の示す部分は、テクスチャT上に非表示の部分を設けるためのデータである。
・・・
【0096】
例えば、マスクパターンM5を利用する場合を例にとって説明すると、図16(a)に示すように、テクスチャT上の全体に非表示の部分を設けるように、テクスチャT上にマクスパターンM5を重ねる。これにより、図16(b)に示すように、テクスチャTを、例えば非表示の部分が千鳥状に設けられた状態にすることができ、このテクスチャTを投影されたオブジェクトに貼り付けることで、表示画面6aに千鳥状の模様の画像を表示させることができる。なお、非表示の部分を少なくすることで明度を暗くみせることができ、非表示の部分を多くすることで明度を明るくみせることができる。
【0097】
このように、非表示の部分の個数が次第に減少するような順番で、すなわちマスクパターンM1~M9の順でテクスチャTに重ねて、最終的に表示されるべき画像、つまり投影されたオブジェクトに与えることで、図13(b),図13(c),図14(a)~図14(c)に示すように、表示画面6a上で背景画像を含む画像の明度が次第に暗くなる表示態様、すなわちフラッシュ後に画面の色が元に復元される表示態様を実現することができる。また、3次元画像処理部30は、ステップU1~U3の手順に従って、マスクパターンROM24aからマスクパターンを逐次に読み出して、投影されたオブジェクトに与えることで、第3状態への復元処理を含んだ、本発明における第1処理および第2処理を実行することができる。
【0098】
以上より、上述したパチンコ機Pによれば、画像の明度が明るい真っ白の第1状態(図13(b)参照)から、LCD6の表示画面6a上の互いに隣接する第1領域61および第2領域62において画像の明度が第1状態よりも暗くなるように第2状態(図13(c)参照)までに色を順方向に変える。両領域61,62の各画像の明度が第2状態になった後は、第1領域61における画像の明度と第2領域62における画像の明度とが互いに異なるように、第2領域62の明度を順方向に変える。これによって、第2状態以降については、第1領域61と第2領域62との間に明度差が生じるので、遊技者に注目させたい画像の領域、ここでは識別図柄が位置する領域を第1領域61に選択することで、本実施例のようにフラッシュがたかれて、フラッシュ後に画面の色が元に復元されるような色を変える表示演出を行っても、第1領域61における識別図柄がわかり易くなって、遊技の興趣を飛躍的に向上させることができる。」
上記(2-a)~(2-d)の記載事項を総合すると、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物2発明」という。)。
「複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ6と(段落【0036】)、
ステップU1では、フラッシュがたかれる前の状態である第3状態から、フラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態へ移行し、識別図柄や補助図柄などの絵柄画像、および背景画像を含んだ画像全体が真っ白な状態となり(段落【0089】)、
ステップU2では、ラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態から、第2状態になるように第1領域61および第2領域62の画像の明度が暗くなるように明度を順方向に変え(段落【0090】)、
ステップU3では、第2状態から、牌に関する識別情報が位置する領域である第1領域61においては第2状態と同じ明度を保ちつつ、それ以外の背景画像の領域である第2領域62においては、画像の明度が第2状態よりも暗くなるように、さらに色を順方向に変える処理を実行する3次元画像処理部30とを備え(段落【0091】、【0081】、【0052】)、
表示画面6a上で背景画像を含む画像の明度が次第に暗くなる表示態様は、3次元画像処理部30が、ステップU1~U3の手順に従って、マスクパターンROM24aからマスクパターンを逐次に読み出して、マスクパターンM1~M9の順でテクスチャTに重ねることにより実現する遊技機(段落【0097】、【0001】)。」
(3)対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比する。
ア 刊行物1発明の「特別図柄や背景図柄75等」は、本願補正発明の「演出用画像」に相当し、刊行物1発明の「特別図柄や背景図柄75等」が図柄表示装置22の表示領域に表示されることは明らかである。
よって、刊行物1発明の「特別図柄や背景図柄75等が表示される図柄表示装置22」は、本願補正発明の「表示領域に演出用画像が表示される表示装置」に相当する。
イ 刊行物1発明の「第1種始動口30にパチンコ球が入賞してから10~15秒の間に、背景図柄75が徐々に暗いオレンジ色に変化し、第1種始動口30に入賞してから15~20秒の間に、背景色75が黒色に変化する」点は、本願補正発明の「演出用画像の少なくとも一部の明度が」「低くなるように変化させ」る点に相当する。
また、刊行物1発明の「背景色75が黒色に変化する」点は、本願補正発明の「最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ること」に相当し、刊行物1発明において当該「背景色75が黒色に変化する」表示は、特別図柄の変動が待機された場合に表示され、特別図柄の変動が待機された場合には、必ず大当たりになるように構成されているから、「背景色75が黒色に変化する」表示は、本願補正発明でいう遊技者に有利な事象として設定された演出であるといえる。
よって、刊行物1発明の「第1種始動口30にパチンコ球が入賞していない状態では、図柄表示装置22には、その前に変動して停止された特別図柄が停止して表示され、背景図柄75は明るい青で表示されており、第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、特別図柄の変動が待機されて、特別図柄が上下にゆっくりと繰り返し変動することが開始され、第1種始動口30にパチンコ球が入賞してから10~15秒の間に、背景図柄75が徐々に暗いオレンジ色に変化し、第1種始動口30に入賞してから15~20秒の間に、背景図柄75が黒色に変化するとともに三日月を模した三日月図柄77が表示され、第1種始動口30に入賞してから25秒後に、キャラクタ79が右から左に素早く横切る表示が行われ、その直後に、特別図柄が変動され、その後に停止されるように制御する表示制御部200とを備え、 特別図柄の変動が待機された場合には、必ず大当たりになるように構成された遊技機」と、本願補正発明の「前記演出用画像の連続性を保ちつつ、当該演出用画像の少なくとも一部の明度が段階的に高くなるように、または低くなるように変化させていき、演出発生前の初期明度に対して最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ることが遊技者に有利な事象として設定された演出であって、当該演出用画像の少なくとも一部が段階的に変化している最中において当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される色調変化演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備える遊技機」とは、
「当該演出用画像の少なくとも一部の明度が高くなるように、または低くなるように変化させていき、演出発生前の初期明度に対して最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ることが遊技者に有利な事象として設定された色調変化演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備える遊技機」である点で共通する。
したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、
「表示領域に演出用画像が表示される表示装置と、
当該演出用画像の少なくとも一部の明度が高くなるように、または低くなるように変化させていき、演出発生前の初期明度に対して最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ることが遊技者に有利な事象として設定された色調変化演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備える遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
色調変化演出に関して、本願補正発明では「前記演出用画像の連続性を保ちつつ」実行されるのに対して、刊行物1発明は、そのように特定されていない点。
[相違点2]
色調変化演出に関して、本願補正発明では明度を「段階的に」変化させていくとともに、「当該演出用画像の少なくとも一部が段階的に変化している最中において当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される」のに対して、刊行物1発明は、そのような構成を有しているかどうか不明である点。
(4)検討
ア 上記相違点1について検討する。
本願補正発明の「前記演出用画像の連続性を保ちつつ」に関して、本願明細書の段落【0023】には、「また、色調を変化させる対象となる画像が経時的に変化する映像(動画)であれば、色調の変化を契機として、映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化するといった構成にはならないようにされる。・・・つまり、色調を変化させる対象となる画像が動画であるか静止画であるかに拘わらず、色調を変化させる前後で当該画像の連続性は保たれるようにするとよい。」と記載されているから、上記「前記演出用画像の連続性を保ちつつ」とは、色調の変化を契機として、映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化するといった構成にはならないようにすることと解される。
刊行物1発明においては、「背景色75が黒色に変化するとともに三日月を模した三日月図柄77が表示され」るから、色調の変化とともに色調以外の要素である三日月図柄77が表示されるため、色調の変化を契機として、映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化するといった構成にはならないとはいえない。
しかしながら、上記(2)で示した刊行物2発明には、「ステップU1では、フラッシュがたかれる前の状態である第3状態から、フラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態へ移行し、識別図柄や補助図柄などの絵柄画像、および背景画像を含んだ画像全体が真っ白な状態となり、ステップU2では、ラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態から、第2状態になるように第1領域61および第2領域62の画像の明度が暗くなるように明度を順方向に変え、ステップU3では、第2状態から、牌に関する識別情報が位置する領域である第1領域61においては第2状態と同じ明度を保ちつつ、それ以外の背景画像の領域である第2領域62においては、画像の明度が第2状態よりも暗くなるように、さらに色を順方向に変える処理を実行する3次元画像処理部30」との構成が含まれており、この3次元画像処理部30が実行する色調(明度)を変化する処理において、新たな画像を表示する等の映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化することは開示されていない。
ここで、刊行物1発明と刊行物2発明とは、共に表示装置に表示される画像の明度を変化させる遊技機である点で共通するものである。
よって、刊行物2発明を勘案すれば、刊行物1発明において、色調変化演出を色調の変化を契機として、映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化しないように構成すること、すなわち、演出用画像の連続性を保ちつつ実行し、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは当業者であれば容易になし得たことである。
イ 上記相違点2について検討する。
刊行物2発明には、「表示画面6a上で背景画像を含む画像の明度が次第に暗くなる表示態様は、3次元画像処理部30が、ステップU1~U3の手順に従って、マスクパターンROM24aからマスクパターンを逐次に読み出して、マスクパターンM1~M9の順でテクスチャTに重ねることにより実現する」構成(以下「構成1」という。)が開示されている。
すなわち、刊行物2発明においては、マスクパターンM1~M9の順で逐次に読み出してテクスチャTに重ねることにより明度が次第に暗くなる表示態様を実現しており、少なくとも、次のマスクパターンを読み出すまでの期間は、前のマスクパターンにより明度が調整されているから、マスクパターンM1~M9により段階的に明度を暗くしているということができる。
したがって、刊行物2発明の上記の構成1は、本願補正発明の明度を「段階的に」変化させる点に対応する構成といえる。
さらに、刊行物2発明には、「ステップU3では、第2状態から、牌に関する識別情報が位置する領域である第1領域61においては第2状態と同じ明度を保ちつつ、それ以外の背景画像の領域である第2領域62においては、画像の明度が第2状態よりも暗くなるように、さらに色を順方向に変える処理を実行する3次元画像処理部30」(以下「構成2」という。)も開示されている。
そして、上記のとおり、画像の明度が次第に暗くなる表示態様は、マスクパターンをテクスチャTに重ねる処理により実現するものであり、明度が暗くなる第2領域62において、このような処理を行うが、第1領域61においては、同じ明度を保つ以外にその他の処理を行うことは特定されていないから、色調も維持されるといえる。
刊行物2発明の「第1領域61」、「第2領域62」は、それぞれ、本願補正発明の「当否判定結果を報知する識別図柄」、「演出用画像の少なくとも一部」に対応するから、刊行物2発明の上記の構成2は、本願補正発明の「演出用画像の少なくとも一部が段階的に変化している最中において当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される」に対応する構成といえる。
ここで、刊行物1発明と刊行物2発明とは、共に表示装置に表示される画像の明度を変化させる遊技機であるとともに、背景領域の明度が次第に暗くなる処理を有する点で共通する。
よって、刊行物1発明の背景図柄が徐々に暗くなる制御に、刊行物2発明を適用し、明度を「段階的に」変化させるとともに「当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される」ように構成し、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは当業者であれば容易になし得たことである。
ウ 本願補正発明が奏する効果について
上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明、刊行物2発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
エ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において「引用文献1には、背景図柄75が明るい青からオレンジ色に変化すること、オレンジ色から黒色に変化することが記載されている。当該変化は白や黒以外の色の要素を変化させているものであると認められ、「明度」の変化であるとはいえない。」と主張する(審判請求書の「(4)本願発明が特許されるべき理由」の「4-2)引用文献1に記載される発明との比較」参照。)。
しかしながら、刊行物1発明においては、「第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、・・・第1種始動口30にパチンコ球が入賞してから10~15秒の間に、背景図柄75が徐々に暗いオレンジ色に変化し、第1種始動口30に入賞してから15~20秒の間に、背景図柄75が黒色に変化する」ものであるから、第1種始動口30にパチンコ球が入賞し、演出が開始されてからは、徐々に暗いオレンジ色に変化し、最後は黒色に変化するものであるから、「明度」を変化させているといえる。
しかも、本願明細書には、色調変化演出に関して、段落【0025】には「なお、段階的に変化させる「色調」として設定される要素は明度に限られるものではない。「青」「緑」「赤」といったように、画像の色味そのものが変化していく構成としてもよい。ただし、本実施形態のように、画像が含む「特定の色」(同じ色)の度合が変化していく構成とすることが好ましい。つまり、本実施形態では、遊技者視点での画像が含む「黒」の度合が段階的に変化するものであるといえる。」と記載され、黒の度合いが段階的に変化することが好ましいが、「青」「緑」「赤」といった画像の色味そのものが変化していく構成としてもよいことが記載されているから、刊行物1発明のような青からオレンジ色に変化するものを除外するものではない。
また、請求人は、審判請求書において「また、引用文献1において、背景図柄75の「明るい青」である状態が図6に、「オレンジ色」である状態が図7に、「黒色」である状態が図8に記載されていると認められるところ、これらの色変化が発生する際に「画像の連続性が保たれている」根拠はない。例えば、図8(背景図柄75が「黒色」の状態)においては、図6や図7においては表示されていない三日月図柄77が表示されていることが認められる。引用文献1に記載される上記色の変化が明度の変化であると仮定しても、当該変化の過程で新たな図柄が表示されてしまうと、いつの間にか画像が暗くなっていた、または明るくなっていたという印象を遊技者に与えるものとはならない。」とも主張する(審判請求書の「(4)本願発明が特許されるべき理由」の「4-2)引用文献1に記載される発明との比較」参照。)。
しかしながら、上記アで検討したとおり、3次元画像処理部30が実行する色調(明度)を変化する処理において、新たな画像を表示する等の映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化することは開示されていない刊行物2発明を勘案すれば、刊行物1発明において色変化が発生する際に「画像の連続性が保たれている」ように構成することは、当業者が容易になし得たものといえる。
よって、請求人の主張は採用できない。
(5)まとめ
以上のように、本願補正発明は、 当業者が刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成29年4月24日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】
表示領域に演出用画像が表示される表示装置と、
前記演出用画像の連続性を保ちつつ、当該演出用画像の少なくとも一部の明度を段階的に変化させていく色調変化演出を実行することが可能な演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。
(1)理由1
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
(2)理由2
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
引用文献1:特開2004-57557号公報(刊行物2)
3 刊行物
刊行物2及びその記載事項、並びに刊行物2発明は、上記「第2 3(2)」に記載したとおりである。
4 対比
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「色調変化演出」に関して、「明度が段階的に高くなるように、または低くなるように変化させていき、演出発生前の初期明度に対して最も変化度合が大きい明度となる最大変化画像に至ることが遊技者に有利な事象として設定された演出であって、当該演出用画像の少なくとも一部が段階的に変化している最中において当否判定結果を報知する識別図柄の色調が維持される」との限定を省くものである。
本願発明と刊行物2発明とを対比する。
ア 刊行物2発明において「液晶ディスプレイ6」に図柄等を表示する表示領域を有することは自明な事項である。
よって、刊行物2発明の「複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ6」は、本願発明の「表示領域に演出用画像が表示される表示装置」に相当する。
イ 上記「第2 3(4)ア」で検討したとおり、刊行物2発明には、「ステップU1では、フラッシュがたかれる前の状態である第3状態から、フラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態へ移行し、識別図柄や補助図柄などの絵柄画像、および背景画像を含んだ画像全体が真っ白な状態となり、ステップU2では、ラッシュがたかれた瞬間の状態である第1状態から、第2状態になるように第1領域61および第2領域62の画像の明度が暗くなるように明度を順方向に変え、ステップU3では、第2状態から、牌に関する識別情報が位置する領域である第1領域61においては第2状態と同じ明度を保ちつつ、それ以外の背景画像の領域である第2領域62においては、画像の明度が第2状態よりも暗くなるように、さらに色を順方向に変える処理を実行する3次元画像処理部30」との構成が含まれており、この3次元画像処理部30が実行する色調(明度)を変化する処理において、新たな画像を表示する等の映像を構成する色調以外の要素の態様が大きく変化することは開示されていないから、本願発明の「演出用画像の連続性を保ちつつ」「色調変化演出を実行する」点に相当する。
ウ 上記「第2 3(4)イ」で検討したとおり、刊行物2発明には、「表示画面6a上で背景画像を含む画像の明度が次第に暗くなる表示態様は、3次元画像処理部30が、ステップU1~U3の手順に従って、マスクパターンROM24aからマスクパターンを逐次に読み出して、マスクパターンM1~M9の順でテクスチャTに重ねることにより実現する」構成が開示されており、この構成は、本願発明の「演出用画像の少なくとも一部の明度を段階的に変化させていく色調変化演出」に相当する。
したがって、本願発明と刊行物2発明とは、全ての構成において一致しており、相違点はない。
よって、本願発明は、刊行物2発明と同一であり、仮に、相違点があるとしても刊行物2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物2に記載された発明であるか、又は、当業者が刊行物2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号又は同法同条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-017879