特許拒絶査定不服審判
2017-012003
遊技機
- 審判番号
- 2017-012003
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-187351外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年08月10日
- 審決日
- 2018年09月18日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】特許業務法人上野特許事務所
- 分類
- P18 .113-WZ (A63F) / P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-187351号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月 5日出願公開、特開2018- 50692号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成28年9月26日の出願であって、平成29年2月21日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年4月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月8日付け(発送日:平成29年5月16日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年8月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、平成30年4月27日付けで拒絶の理由が通知され、平成30年7月3日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明について
平成30年7月3日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める(なお、A~Eは、分説のために当審にて付した。)。
「【請求項1】
A 発光部と、
B スピーカと、
C 当否判定結果が当たりとなることが確定する演出であって前記発光部が所定の態様で発光する第一演出および前記スピーカから所定の演出音が出力される第二演出を制御可能な演出制御手段と、
を備え、
D 前記演出制御手段により前記第一演出を遊技者によって操作されるものではない所定のタイミングで発生させる場合の態様として、
前記第一演出と前記第二演出とを同時期に発生させる複合演出態様、
および前記第一演出が実行されている最中に前記第二演出を発生させな い単独演出態様
が独立した演出態様として設定されていることを特徴とする
E 遊技機。」
第3 当審が通知した拒絶理由の概要
平成30年4月27日付けの当審における拒絶の理由の理由2の概要は、以下の通りである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由2(進歩性)について
・請求項 1
・引用文献等 1
引 用 文 献 等 一 覧
引用文献1.特開2007-267820号公報
第4 引用文献1に記載された発明
引用文献1には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。
(ア)「【0018】
(パチンコ機100)
図1は、本実施形態のパチンコ機の外観構成の一例を示す正面図である。
図1において、パチンコ機(遊技機)100は、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機枠とを備えて構成される。」
(イ)「【0065】
音源回路202gは、遊技の演出に応じた音声信号を生成するためのものであり、アンプ202hに接続されている。音源回路202gで生成された音声信号に基づく音声は、アンプ202hで増幅され、スピーカ133から出力される。
【0066】
さらに、本実施形態では、演出用周辺機器として、装飾図柄表示装置107やスピーカ133の他に、遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130が設けられている。電飾部品130としては、例えば、リーチ状態が形成された場合に点灯する電飾部品(LED)、特別遊技の実行中に点灯する電飾部品(LED)、賞球時に点灯する電飾部品(LED)などが挙げられる。」
(ウ)「【0131】
【表2】
・・・
【0137】
「パターンC」は、付随画像パターン407及び付随音声パターン408は、「パターンN」と同じものを使用するが、画像切換指示部406が遮断器220を用いて、電飾基板208から電飾部品130に供給される電力を遮断するパターンである。また、「パターンA」及び「パターンB」と同様に、この「パターンC」は、装飾図柄決定部402により決定された装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する場合のみ選択される。
【0138】
装飾図柄パターン決定部403により「パターンC」を用いる装飾図柄変動パターン404が選択された場合は、画像切換指示部406は、装飾図柄パターン決定部403から付随画像パターン407及び付随音声パターン408とともに遮断器220を用いて電飾基板208から電飾部品130に供給される電力を遮断する指示を受け取る。そして、画像切換指示部406は、切換スイッチ132が押下されると、その指示に従って、付随画像パターン407を画像生成部411に送信し、付随音声パターン408を音声生成部412に送信する。さらに、遮断器220を用いて電飾基板208から電飾部品130に供給される電力を遮断する。これにより、通常と異なる演出を行うブランク時間に電飾部品130が全て消灯し、遊技者に電飾部品130が突然故障したのかと思わせる。
【0139】
「パターンD」は、「パターンA」~「パターンC」の消灯または消音演出を全て含んだパターンであり、装飾図柄決定部402により決定された装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する場合のみ選択される。装飾図柄パターン決定部403により「パターンD」を用いる装飾図柄変動パターン404が選択された場合、画像切換指示部406は、装飾図柄パターン決定部403から図12に示す装飾図柄表示装置107の表示画面118が真っ黒になる付随画像パターン407と、無音の付随音声パターン408と、遮断器220を用いて電飾部品130に供給される電力を遮断する指示とを受け取る。
【0140】
そして、画像切換指示部406は、切換スイッチ132が押下されると、その指示に従って、付随画像パターン407を画像生成部411に送信し、付随音声パターン408を音声生成部412に送信する。さらに、遮断器220を用いて電飾基板208から電飾部品130に供給される電力を遮断する。これにより、遊技者にパチンコ機100本体が突然故障したのかと思わせる。」
(エ)「【0147】
(音声生成部412)
音声生成部412は、演出コマンド解析部401から出力された情報、画像切換指示部406から出力された付随音声パターン408に基づいて、それぞれ音声データを生成して、スピーカ133に出力する。例えば、演出コマンド解析部401から、特別図柄の抽選結果が出力された場合には、その抽選結果に応じた音声が、装飾図柄パターン決定部403により決定された装飾図柄変動パターン404に合わせて放音されるような音声データを生成して、スピーカ133に出力する。また、画像切換指示部406から付随音声パターン408が出力された場合には、付随音声パターン408に基づいて、画像に合わせて放音されるような音声データを生成して、スピーカ133に出力する。」
(オ)「【0214】
ステップS144において、画像切換指示部406は、遊技者により切換スイッチ132に押下されたか否かを判定する。この判定の結果、切換スイッチ132が押下された場合は、ステップS146に進む。一方、ステップS144の判定の結果、切換スイッチ132が押下されていない場合は、ステップS145において、画像切換指示部406は、装飾図柄表示装置107に切換スイッチ132の押下を指示する画面に切り換わってから所定の時間が経過したか否かを判定する。この判定の結果、所定の時間が経過していない場合は、ステップS144に戻り、所定の時間が経過した場合は、ステップS146に進む。
・・・
【0216】
次に、ステップS147において、画像切換指示部406は、装飾図柄パターン決定部403より電飾基板208から電飾部品130に供給される電力を遮断する指示を受け取ったか否かを判定する。この判定の結果、遮断する指示を受け取っていない場合は、ステップS149に進む。一方、ステップS147の判定の結果、遮断する指示を受け取った場合は、ステップS148において、画像切換指示部406は、電飾基板208と電飾部品130との間に設定されている遮断器220を用いて、図柄確定表示を行うまでの間、電力を遮断する。」
(カ)【図11-2】
段落【0214】の「ステップS144において、画像切換指示部406は、遊技者により・・・切換スイッチ132が押下された場合は、ステップS146に進む。一方、ステップS144の判定の結果、切換スイッチ132が押下されていない場合は、ステップS145において、画像切換指示部406は、装飾図柄表示装置107に切換スイッチ132の押下を指示する画面に切り換わってから・・・所定の時間が経過した場合は、ステップS146に進む。」との記載、段落【0216】の「・・・ステップS148において、画像切換指示部406は、電飾基板208と電飾部品130との間に設定されている遮断器220を用いて、・・・電力を遮断する。」との記載を参照すると、【図11-2】には、画像切り替え指示部406は、遊技者により切換スイッチ132に押下された場合(S144がYesの場合)に加えて、遊技者により切換スイッチ132に押下されず(S144がNoの場合)、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合(S145がYesの場合)にも、電飾部品130の電力を遮断する(S148)ことが図示されている。
上記記載事項(ア)~(オ)及び図示内容(カ)から、以下の事項が導かれる。なお、(a)~(e)は、本願発明の構成A~Eに対応した事項を示している。
(a)段落【0066】には「・・・遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130」と記載されているから、引用文献1には、遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130が記載されている。
(b)段落【0065】には「・・・遊技の演出に応じた音声信号・・・に基づく音声は、・・・スピーカ133から出力される。」と記載されているから、引用文献1には、遊技の演出に応じた音声信号に基づく音声を出力するスピーカ133が記載されているといえる。
(c)段落【0137】には「「パターンC」は、・・・画像切換指示部406が・・・装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する場合のみ選択される。」と記載され、段落【0138】には「・・・「パターンC」・・・
が選択された場合は、・・・画像切換指示部406は、・・・電力を遮断する。これにより、・・・電飾部品130が全て消灯し」と記載され、段落【0131】の【表2】には、「パターンC」が電飾部品消灯演出を実行することが記載され、段落【0139】には「「パターンD」は、・・・消灯または消音演出を全て含んだパターンであり、・・・装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する場合のみ選択される。・・・「パターンD」・・・が選択された場合、画像切換指示部406は、・・・無音の付随音声パターン408と、・・・電飾部品130に供給される電力を遮断する指示とを受け取る。」と記載され、段落【0140】には「画像切換指示部406は、・・・付随音声パターン408を音声生成部412に送信する。さらに、・・・電飾部品130に供給される電力を遮断する。」と記載され、段落【0147】には「音声生成部412は、・・・画像切換指示部406から出力された付随音声パターン408に基づいて、・・・音声データを生成して、スピーカ133に出力する。」と記載され、段落【0131】の【表2】には、「パターンD」が電飾部品消灯演出及び消音演出を実行することが記載されているから、引用文献1には、装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する場合に選択される「パターンC」が選択された場合は、電飾部品130を消灯する電飾部品消灯演出を実行し、装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する場合に選択される「パターンD」が選択された場合は、電飾部品消灯演出及び無音の音声データをスピーカ133に出力する消音演出を実行する画像切換指示部406が記載されているといえる。
(d)段落【0131】の【表2】には、「パターンC」または「パターンD」が選択された場合に、電飾部品消灯演出を実行することが記載され、上記(カ)には、【図11-2】の図示内容として、画像切り替え指示部406は、遊技者により切換スイッチ132に押下された場合(S144がYesの場合)に加えて、遊技者により切換スイッチ132に押下されず(S144がNoの場合)、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合(S145がYesの場合)にも、電飾部品130の電力を遮断する(S148)ことが図示されており、段落【0131】の【表2】には、「パターンD」が電飾部品消灯演出及び消音演出を実行することが記載され、段落【0131】の【表2】には、「パターンN」が通常演出を実行すること、及び、「パターンC」が電飾部品消灯演出を実行することが記載され、段落【0137】には「「パターンC」は、・・・付随音声パターン408は、「パターンN」と同じものを使用するが、画像切換指示部406が・・・電飾部品130に供給される電力を遮断するパターンである。」と記載され、段落【0131】の【表2】には、「パターンC」と「パターンD」とが異なる演出パターンとして設けられていることが記載されている。
そうすると、引用文献1には、画像切替指示部406は、「パターンC」または「パターンD」が選択された場合に、遊技者により切換スイッチ132に押下された場合に加えて、遊技者により切換スイッチ132が押下されず、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合にも、電飾部品130の電力を遮断する電飾部品消灯演出を実行し、電飾部品消灯演出及び消音演出を実行する「パターンD」と、電飾部品消灯演出及び通常演出(「パターンN」)と同じ音声パターン演出を実行する「パターンC」とが異なる演出パターンとして設けられていることが記載されているといえる。
(e)段落【0018】には「・・・パチンコ機・・・100・・・」と記載されているから、引用文献1には、パチンコ機100が記載されているといえる。
上記記載事項(ア)~(オ)、図示内容(カ)、及び、認定事項(a)~(e)に基づくと、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。
「a 遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130と、
b 遊技の演出に応じた音声信号に基づく音声を出力するスピーカ133と、
c 装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する場合に選択される「パターンC」が選択された場合は、電飾部品130を消灯する電飾部品消灯演出を実行し、装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する場合に選択される「パターンD」が選択された場合は、電飾部品消灯演出及び無音の音声データをスピーカ133に出力する消音演出を実行する画像切換指示部406を備え、
d 画像切替指示部406は、「パターンC」または「パターンD」が選択された場合に、遊技者により切換スイッチ132に押下された場合に加えて、遊技者により切換スイッチ132が押下されず、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合にも、電飾部品130の電力を遮断する電飾部品消灯演出を実行し、電飾部品消灯演出及び消音演出を実行する「パターンD」と、電飾部品消灯演出及び通常演出と同じ音声パターン演出を実行する「パターンC」とが異なる演出パターンとして設けられている、
e パチンコ機100。」
第5 対比
本願発明と、引用発明1とを対比する。なお、見出しは(a)~(e)とし、本願発明、引用発明1の分説に対応させている。
(a)引用発明1の「遊技の状態に応じて点灯又は消灯する電飾部品130
」は、本願発明の「発光部」に相当する。
(b)引用発明1の「遊技の演出に応じた音声信号に基づく音声を出力するスピーカ133」は、本願発明の「スピーカ」に相当する。
(c)引用発明1の「装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する」こと及び「装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する」ことは、いずれも、本願発明の「当否判定結果が当たりとなることが確定する」ことに相当する。
また、引用発明1の「装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する場合」に実行される「電飾部品消灯演出」、及び、「装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する場合」に実行される「消音演出」は、それぞれ、本願発明の「当否判定結果が当たりとなることが確定する演出」である「第一演出」及び「第二演出」に相当する。
さらに、引用文献1の「画像切換指示部406」は、「電飾部品消灯演出」及び「消音演出」を実行可能であるから、本願発明の「第一演出」および「第二演出」を「制御可能な」「演出制御手段」に相当する。
そして、引用発明1の「電飾部品消灯演出」及び「消音演出」は、それぞれ、電飾部品130を利用した演出及びスピーカ133を利用した演出であるといえる。
これらのことから、引用発明1の「装飾図柄の組み合わせが「当たり」に該当する場合に選択される「パターンC」が選択された場合は、電飾部品130を消灯する電飾部品消灯演出を実行し、装飾図柄の組み合わせが「当たり」かつ「確変モード」に該当する場合に選択される「パターンD」が選択された場合は、電飾部品消灯演出及び無音の音声データをスピーカ133に出力する消音演出を実行する画像切換指示部406」は、本願発明の発明特定事項Cと、「当否判定結果が当たりとなることが確定する演出であって前記発光部」を利用する「第一演出および前記スピーカ」を利用する「第二演出を制御可能な演出制御手段」である点で共通しているといえる。
(d)引用発明1の「遊技者により切換スイッチ132に押下された」場合と、「遊技者により切換スイッチ132が押下されず、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合」とは、異なるタイミングであることは明らかであるから、引用発明1の「遊技者により切換スイッチ132が押下されず、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合」は、本願発明の「遊技者によって操作されるものではない所定のタイミング」に相当する。
また、引用発明1の「パターンD」は、電飾部品消灯演出及び消音演出を実行しており、電飾部品消灯演出及び消音演出を同時期に発生させる演出態様であることは明らかであるから、本願発明の「第一演出と前記第二演出とを同時期に発生させる複合演出態様」に相当する。
さらに、引用発明1の「パターンC」は、電飾部品消灯演出が実行されている最中は、通常演出と同じ音声パターン演出を実行する(つまり、消音演出を発生させない)といえるから、本願発明の「前記第一演出が実行されている最中に前記第二演出を発生させない単独演出態様」に相当する。
そうすると、引用発明1の「画像切替指示部406は、「パターンC」または「パターンD」が選択された場合に、遊技者により切換スイッチ132に押下された場合に加えて、遊技者により切換スイッチ132が押下されず、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合にも、電飾部品130の電力を遮断する電飾部品消灯演出を実行し、電飾部品消灯演出及び消音演出を実行する「パターンD」と、電飾部品消灯演出及び通常演出と同じ音声パターン演出を実行する「パターンC」とが異なる演出パターンとして設けられている」ことは、本願発明の「前記演出制御手段により前記第一演出を遊技者によって操作されるものではない所定のタイミングで発生させる場合の態様として、前記第一演出と前記第二演出とを同時期に発生させる複合演出態様、および前記第一演出が実行されている最中に前記第二演出を発生させない単独演出態様が独立した演出態様として設定されている」ことに相当する。
(e)引用発明1の「パチンコ機100」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
上記(a)~(e)から、本願発明と引用発明1とは、
[一致点]
「A 発光部と、
B スピーカと、
C’当否判定結果が当たりとなることが確定する演出であって前記発光部を利用する第一演出および前記スピーカを利用する第二演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、
D 前記演出制御手段により前記第一演出を遊技者によって操作されるものではない所定のタイミングで発生させる場合の態様として、
前記第一演出と前記第二演出とを同時期に発生させる複合演出態様、
および前記第一演出が実行されている最中に前記第二演出を発生させない単独演出態様
が独立した演出態様として設定されている、
E 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点](構成C)
「当否判定結果が当たりとなることが確定する演出であって前記発光部を利用する第一演出および前記スピーカを利用する第二演出」に関して、
本願発明は、それぞれ、「発光部が所定の態様で発光する第一演出」および「スピーカから所定の演出音が出力される第二演出」であるのに対し、
引用発明では、「電飾部品130を消灯する電飾部品消灯演出」及び「無音の音声データをスピーカ133に出力する消音演出」である点。
第6 判断
上記相違点について検討する。
遊技機の分野における当たり確定報知の演出として、ランプやスピーカ等の出力を「オン」にする演出、つまり、「発光部が所定の態様で発光する」「発光演出」や「スピーカから所定の演出音が出力される」「音演出」により当たり確定を報知することは引用文献2(特開2016-106950号公報。【0041】、【0221】には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8R、及び、遊技効果ランプ9が設けられているパチンコ遊技機1において、大当り確定報知として、大当り音、大当り楽曲、大当り効果音などの種々の大当り確定音報知と、大当り態様ランプ点灯などの大当り確定ランプ報知のうち少なくとも一つを実行する点が記載されている。)、引用文献3(特開2015-110093号公報。【0072】には、遊技効果ランプ9を所定の点灯態様で点灯させることや、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作により大当り確定報知演出を実行することが記載されている。)に記載されているように周知である(以下、この事項を「周知事項」という。)。
ここで、引用発明1も上記周知事項も遊技機の技術分野に属するとともに、遊技機の当たり確定演出を制御する点において共通しているといえる。
してみると、引用発明1の「電飾部品130を消灯する電飾部品消灯演出」及び「無音の音声データをスピーカ133に出力する消音演出」に対して、上記周知事項を適用し、電飾部品130やスピーカ133の出力を「オン」にする「発光演出」及び「音演出」により当たり確定を報知することにより、引用発明1の「パターンD」と「パターンC」として、「発光演出」と「音演出」とを同時期に発生させる演出パターンと、「発光演出」が実行されている最中に「音演出」を発生させない演出パターンとを設けることで、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。
また、本願発明の奏する作用効果は、引用発明1及び上記周知事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
第7 請求人の主張について
請求人は平成30年7月3日に提出した意見書において、
「3.拒絶理由に対する反論
3-1)本願発明について
本願発明は、発光部が所定の態様で発光することを第一演出と、スピーカから所定の演出音が出力されることを第二演出と特定した上で、第一演出が発生する場合、第二演出を伴わずに第一演出が発生する単独演出態様と、第二演出が第一演出と同時期に発生する複合演出態様が独立した演出態様として設定されていることを特定したものである。
第一演出は、「発光部の発光」であるから、単独演出態様時、すなわち演出音を伴わないときには、当該発光時における遊技者の状況によっては、遊技者(または周囲の者(例えば隣で遊技する遊技者))が気付かない可能性がある(発光部を見ていないときには気付かない)ものであるといえる。このように単独演出態様を「目立たない」ものとするためには、第一演出の発生タイミングが「遊技者によって操作されるものではない」ことが必須となる。例えば、遊技者が押しボタン等を操作することにより第一演出が発生するような構成(すなわち遊技者の行動に直接的に起因して発生する構成)とすると、当該操作を契機として何らかの演出が発生するのではないかと遊技者は当然に考えるであろうから、単独演出態様を「目立たない」演出として機能させようとしていることに反することになる。
・・・
3-3)引用発明1と本願発明との対比
3-3-1)今般の拒絶理由通知においては、引用発明1の消灯演出、消音演出が、それぞれ、本願発明の第一演出、第二演出に相当するとする判断がなされている。
本願発明では、第一演出が発生するタイミングは、遊技者によって操作されるものではないことを特定する。複合演出態様は、第一演出と第二演出とが同時期に発生するものであるから、当該複合演出態様が発生する場合、第二演出が発生するタイミングも遊技者によって操作されるものではないことを特定しているといえる。
これに対し、引用発明1は、遊技者が切換スイッチ132を操作することを契機として消灯演出や消音演出が発生するものであると認められるから、これらの演出が発生するタイミングは遊技者によって操作されているといえる。
・・・
以上のような引用文献1に記載される事項に基づけば、引用発明1に変更を施し、本願発明のようにすることが容易であるとはいえない。つまり、消灯演出や消音演出といった演出を、切換スイッチの操作無く発生させるように変更することについて動機づけとなる要因は存在しないというべきである。
また、一般的な遊技機においては、押しボタン等の操作無く発生する種々の演出が搭載されていることが知られている。しかし、だからといって、このような技術を引用発明1における消灯演出や消音演出に適用することが容易であるとはいえない。上記の理由から、引用発明1に関して切換スイッチの操作を除外することには明らかな阻害要因があるというべきである。」
という主張をしている。
しかしながら、上記主張について、既に上記「第5 対比」の(d)にて示したとおり、引用発明1は、遊技者により切換スイッチ132に押下された場合に加えて、遊技者により切換スイッチ132が押下されず、画像切替画面に切り替わってから所定の時間が経過した場合にも、電飾部品消灯演出を実行するから、引用発明1は、電飾部品消灯演出の発生タイミングが「遊技者によって操作されるものではない」点においても、本願発明と差異はない。
よって、上記主張は、採用することはできない。
第8 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1及び周知事項から、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-012003